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特開2024-144745電子機器セットおよび電子機器用カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144745
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電子機器セットおよび電子機器用カバー
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/98 20140101AFI20241003BHJP
   A63H 33/42 20060101ALI20241003BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20241003BHJP
   A63F 11/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A63F13/98
A63H33/42 Z
A63F13/90
A63F11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024130488
(22)【出願日】2024-08-06
(62)【分割の表示】P 2022212787の分割
【原出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】椎名 恵
(57)【要約】
【課題】電子機器への着脱が容易であると共に、電子機器に安定して固定される電子機器用カバーを提供する。また、そのような電子機器および電子機器用カバーを備えた電子機器セットを提供する。また、電子機器の外観を美しく維持する。
【解決手段】電子機器セットは、電子機器と、前記電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーと、を備える。前記電子機器は、当該電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための第1凹部を有し、前記第1被覆部は、前記装着状態において前記第1凹部に挿入可能な第1凸部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、
前記電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーと、
を備え、
前記電子機器は、当該電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための第1凹部を有し、
前記第1被覆部は、前記装着状態において前記第1凹部に挿入可能な第1凸部を有する、電子機器セット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器セットにおいて、
前記電子機器は、第2凹部を有し、
前記第1被覆部は、前記装着状態において前記第2凹部に挿入可能な前記第2凸部を有する、電子機器セット。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1被覆部に接続され、且つ、当該第1被覆部から離れるように延在する第1延在部と、
前記第1被覆部に接続され、且つ、当該第1被覆部から離れるように、前記第1延在部が延在する方向と略反対方向に延在する第2延在部と、
を更に有し、
前記第1凸部は、前記第1被覆部のうち、当該第1被覆部と前記第1延在部とが接続する第1接続領域に設けられ、
前記第2凸部は、前記第1被覆部のうち、当該第1被覆部と前記第2延在部とが接続する第2接続領域に設けられる、電子機器セット。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1延在部と前記第2延在部とを結合することで、対象物の周りに前記電子機器用カバーを巻き付けることが可能である、電子機器セット。
【請求項5】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1凸部は、前記第1接続領域における前記第1被覆部と前記第1延在部との接続部近傍に設けられる、電子機器セット。
【請求項6】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1凸部は、前記第1延在部を当該第1延在部の延在方向に変位させることで、前記第1凹部から当該第1凸部が外れることが可能な位置に設けられる、電子機器セット。
【請求項7】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第2凸部は、前記第2接続領域における前記第1被覆部と前記第2延在部との接続部を挟む位置に複数設けられる、電子機器セット。
【請求項8】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1接続領域および前記第2接続領域の各々の厚さは、当該第1接続領域および当該第2接続領域とは異なる領域の前記第1被覆部の厚さよりも厚い、電子機器セット。
【請求項9】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1凸部の形状は、一方側が凹んだ形状である、電子機器セット。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1延在部側において、前記一方側が凹んだ形状である、電子機器セット。
【請求項11】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記第2凸部の断面形状は、前記電子機器の外周面に沿う方向に延在する台形状であり、
前記第1被覆部に対して垂直であって、且つ、前記外周面に沿う方向の断面視において、前記第2凸部は、表面と、前記第2延在部から離れた第1側面と、前記第1側面よりも当該第2延在部に近い第2側面とを有し、
前記表面と前記第1側面とが成す第1角度は、当該表面と前記第2側面とが成す第2角度と異なっている、電子機器セット。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1角度は、前記第2角度よりも90度に近い、電子機器セット。
【請求項13】
請求項3に記載の電子機器セットにおいて、
前記電子機器は、
表面部と、
前記表面部と反対側の裏面部と、
前記表面部および前記裏面部を繋ぎ、且つ、前記第1凹部および前記第2凹部が設けられた側面部と、
を更に有し、
前記電子機器用カバーは、
前記側面部のうち少なくとも一部を覆うための前記第1被覆部と、
前記第1被覆部と一体化し、且つ、前記表面部のうち少なくとも一部を覆うための第2被覆部と、
を更に有する、電子機器セット。
【請求項14】
請求項13に記載の電子機器セットにおいて、
前記第2凸部は、前記第1凸部が設けられている位置よりも、前記第2被覆部から離れた位置に設けられる、電子機器セット。
【請求項15】
請求項13に記載の電子機器セットにおいて、
前記第1接続領域と前記第2接続領域との間に位置する前記第1被覆部には、前記第2被覆部から離れる方向に延在する保持部が設けられている、電子機器セット。
【請求項16】
請求項15に記載の電子機器セットにおいて、
前記保持部の厚さは、前記第1被覆部の厚さよりも薄い、電子機器セット。
【請求項17】
電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーであって、
前記第1被覆部は、前記電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための当該電子機器に設けられた凹部に、前記装着状態において挿入可能な第1凸部を有する、電子機器用カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用カバー、並びに、電子機器および電子機器用カバーを備えた電子機器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用ゲーム機などの電子機器に対して、損傷の防止または搬送などを目的として、電子機器用カバーを取り付けることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子機器に設けられた凹部に、電子機器用カバーに設けられた凸部を挿入することで、電子機器を電子機器用カバーに固定させた玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7078781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子機器を電子機器用カバーに取り付ける場合、電子機器用カバーには、電子機器への着脱が容易であること、電子機器用カバーが電子機器から外れないように、電子機器に安定して固定されていることなどが求められる。更に、電子機器の複数の凹部の一部を、他の装置との接続用の凹部として共用できれば、不要な凹部を減らせるので、電子機器の外観を損なうことも無くなる。
【0006】
その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態に係る電子機器セットは、電子機器と、前記電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーと、を備える。前記電子機器は、当該電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための第1凹部を有し、前記第1被覆部は、前記装着状態において前記第1凹部に挿入可能な第1凸部を有する。
【0008】
一実施の形態に係る電子機器用カバーは、電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーである。前記第1被覆部は、前記電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための当該電子機器に設けられた凹部に、前記装着状態において挿入可能な第1凸部を有する。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、電子機器への着脱が容易であると共に、電子機器に安定して固定される電子機器用カバーを提供できる。また、そのような電子機器および電子機器用カバーを備えた電子機器セットを提供できる。また、電子機器の外観を美しく維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1における電子機器セットを示す斜視図である。
図2】実施の形態1における電子機器セットを示す斜視図である。
図3】実施の形態1における電子機器を示す斜視図である。
図4】実施の形態1における電子機器を示す斜視図である。
図5】実施の形態1における電子機器用カバーを示す斜視図である。
図6】実施の形態1における電子機器用カバーを示す斜視図である。
図7】実施の形態1における電子機器用カバーを示す背面図である。
図8図7の一部を拡大した拡大背面図である。
図9】実施の形態1における電子機器用カバーを示す断面図である。
図10】実施の形態1における第1凸部の平面形状を示すための拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、本願で説明されるX方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差し、互いに直交している。
【0012】
(実施の形態1)
以下に図1図10を用いて、実施の形態1における電子機器セット1について説明する。電子機器セット1は、電子機器10と、電子機器10に着脱可能な電子機器用カバー20とを備えている。電子機器10は、玩具であり、例えばユーザが持ち運べるゲーム機器である。電子機器用カバー20は、電子機器10を損傷などから保護すると共に、電子機器10を携帯し易くするための収容具である。
【0013】
図1および図2は、電子機器セット1の概要を示し、図3および図4に示される電子機器10に、図5図7に示される電子機器用カバー20が取り付けられた状態を示している。後述するように、電子機器10には第1凹部14および第2凹部15が設けられ、電子機器用カバー20には第1凸部25および第2凸部26が設けられている。第1凹部14に第1凸部25を挿入し、第2凹部15に第2凸部26を挿入することで、電子機器10に電子機器用カバー20を取り付けることができる。
【0014】
図3および図4に示されるように、電子機器10は、表面部11と、表面部11と反対側の裏面部12と、表面部11および裏面部12を繋ぐ側面部13とを有する。表面部11および裏面部12の各々の外周は、卵形状、長円形状および楕円形状のようなオーバル形状を成している。側面部13は、表面部11および裏面部12の各々の外周に沿って設けられ、表面部11から裏面部12へ向かう方向において曲面を成している。
【0015】
側面部13には、第1凹部14および第2凹部15が設けられている。ここでは、電子機器10の上半分に2つの第2凹部15が設けられ、電子機器10の下半分に1つの第1凹部14が設けられている場合を例示する。
【0016】
なお、図示はしていないが、電子機器10は、スピーカーを内蔵している。そして、側面部13のうち、第1凹部14および第2凹部15が設けられている箇所と異なる箇所には、スピーカーからの音を電子機器10の外部へ発信するための孔16が設けられている。また、電子機器10の内部には、記録媒体などの外部機器と無線通信するための通信機器が設けられている。
【0017】
第1凹部14は、電子機器10から電子機器用カバー20が外された状態において、電子機器10と他の装置とを接続する端子を挿入するためにも用いられる。上記他の装置は、例えば電源であり、上記端子は、例えば電源端子である。電子機器10の内部には、充電池が設けられている。電子機器10の充電池を充電する際には、上記電源端子を有するケーブルを、上記電源に電気的に接続し、上記電源端子を第1凹部14へ挿入する。
【0018】
すなわち、実施の形態1における第1凹部14は、電子機器用カバー20の固定という役割と、電源のような他の装置との接続という役割とを担う。これにより、電子機器10に設けられる凹部の数を減らせるので、電子機器10の外観を美しく維持できる。
【0019】
電子機器10は、表面部11において露出するモニタ17を備えている。モニタ17は例えば液晶画面である。ユーザは、モニタ17を見ることで、ゲーム内容などの情報を視認できる。また、表面部11のうちモニタ17と重ならない箇所には、ユーザが操作可能なボタン18が複数個設けられている。なお、モニタ17は、ユーザが操作可能なタッチパネルであってもよい。
【0020】
図5図7に示されるように、電子機器用カバー20は、電子機器10への装着状態において電子機器10の少なくとも一部を覆うための第1被覆部21と、第1被覆部21と一体化した第2被覆部22と、第1被覆部21に接続された延在部23と、延在部23と異なる箇所において第1被覆部21に接続された延在部24とを有する。第1被覆部21、第2被覆部22、延在部23および延在部24は、可撓性を有するように構成されている。また、第1被覆部21、第2被覆部22、延在部23および延在部24は、弾性体からなり、例えばゴムである。
【0021】
第1被覆部21は、主に側面部13の一部を覆うために用いられ、第2被覆部22は、主に表面部11の一部を覆うために用いられる。延在部23は、第1被覆部21および第2被覆部22から離れるように延在している。延在部24は、第1被覆部21および第2被覆部22から離れるように、延在部23が延在する方向と略反対方向に延在している。
【0022】
延在部23には複数の孔29が設けられ、延在部24には留め具30が設けられている。複数の孔29の何れかに留め具30を挿入することで、延在部23および延在部24を結合することができる。また、延在部24の周囲には、延在部24を囲むようにベルト31が設けられている。延在部24とベルト31との間の空間に延在部23を通過させることで、延在部23を延在部24に固定し易くなる。
【0023】
延在部23および延在部24によって、対象物の周りに電子機器用カバー20を巻き付けることが可能となる。例えば、ユーザの手首に電子機器用カバー20を巻き付けることもできる。この際、図1および図2のように、電子機器用カバー20が電子機器10に取り付けられた状態であれば、ユーザは、電子機器10を腕時計のように携帯できる。
【0024】
第1被覆部21は、第1凸部25および第2凸部26を有する。ここでは、電子機器用カバー20の上半分に2つの第2凸部26が設けられ、電子機器用カバー20の下半分に1つの第1凸部25が設けられている場合を例示する。電子機器10に電子機器用カバー20を装着した状態(装着状態)において、第1凸部25は第1凹部14に挿入可能であり、2つの第2凸部26は2つの第2凹部15に挿入可能である。このため、電子機器10に電子機器用カバー20を容易に取り付けることができる。
【0025】
なお、第1凸部25は、延在部23の延在方向と交差する方向に延在している。また、第1凸部25の他方側が第1凹部14を形成する面と接触可能な接触部分は、第1凸部25の一方側が第1凹部14を形成する面と接触可能な接触部分よりも広い。
【0026】
第2被覆部22には、開口部27が設けられている。開口部27は、モニタ17および複数のボタン18を電子機器用カバー20から露出させるために設けられている。すなわち、図1に示されるように、電子機器10に電子機器用カバー20を取り付けた際に、モニタ17および複数のボタン18は、開口部27の内部に位置する。
【0027】
電子機器10に電子機器用カバー20を取り付けた場合でも、このような開口部27によって、電子機器用カバー20が無い場合と同様に、電子機器10を使用することができる。すなわち、電子機器用カバー20によって電子機器10の機能が損なわれることは無く、ユーザは、携帯中でもゲームなどを楽しむことができる。
【0028】
また、第1被覆部21には、第2被覆部22から離れる方向に延在する保持部28が設けられている。電子機器10に電子機器用カバー20を取り付けた際には、第1被覆部21が側面部13を覆うが、保持部28は、側面部13への取り付け面積を増やすために設けられている。これにより、電子機器用カバー20が電子機器10に固定され易くなる。なお、保持部28の厚さは、第1被覆部21の厚さよりも薄い。
【0029】
ところで、電子機器10から電子機器用カバー20を取り外す際には、基本的に、ユーザが延在部23または延在部24を掴みながら、電子機器10の裏面部12から表面部11へ向かう方向、すなわち図7のY方向のうち図面の奥行方向へ電子機器用カバー20を移動させる動作を想定している。この取り外し動作が円滑に行われるためには、第1凸部25が延在部23の近くに位置し、第2凸部26が延在部24の近くに位置していることが好ましい。そのように第1凸部25および第2凸部26が配置されていれば、取り外し動作に応じて、第1凸部25が第1凹部14から離間し易くなり、第2凸部26が第2凹部15から離間し易くなるので、電子機器10から電子機器用カバー20を取り外し易くなる。
【0030】
従って、図7に示されるように、第1凸部25は、第1被覆部21のうち、第1被覆部21および延在部23が接続する接続領域41に設けられている。また、第2凸部26は、第1被覆部21のうち、第1被覆部21および延在部24が接続する接続領域42に設けられている。言い換えれば、第1凸部25は、接続領域41における第1被覆部21と延在部23との接続部近傍に設けられている。更に言い換えれば、第1凸部25は、延在部23を延在部23の延在方向に変位させることで、第1凹部14から第1凸部25が外れることが可能な位置に設けられている。また、第2凸部26は、接続領域42における第1被覆部21と延在部24との接続部を挟む位置に複数設けられている。
【0031】
なお、保持部28は、接続領域41と接続領域42との間に位置する第1被覆部21に設けられている。第1凸部25および第2凸部26の配置位置は、保持部28を用いて、以下のように言い換えることもできる。例えば、第1凸部25は、保持部28よりも延在部23の近くに位置し、第2凸部26は、保持部28よりも延在部24の近くに位置している。更に言い換えれば、第1凸部25と延在部23との間の距離、および、第2凸部26と延在部24との間の距離は、第1凸部25と第2凸部26との間の距離もより短い。
【0032】
また、図7に示されるように、接続領域41の厚さT1および接続領域42の厚さT2は、接続領域41および接続領域42とは異なる領域の第1被覆部21の厚さT3よりも厚くなっている。第1凸部25および第2凸部26の各々の全体は、第1被覆部21の厚さが厚い接続領域41および接続領域42に設けられている。
【0033】
電子機器用カバー20の着脱は何度も行われるが、その度に、第1凸部25および第2凸部26は、第1凹部14および第2凹部15に接触する。そして、ユーザは、延在部23または延在部24を掴みながら、延在部23または延在部24をY方向へ移動させる動作が行われる。それ故、第1凸部25および第2凸部26が設けられている接続領域41および接続領域42は、他の箇所よりも外部からの応力を大きく受けることになる。従って、これらの領域の厚さT1、T2を厚くしておくことで、高い耐久性を得られるので、電子機器用カバー20の劣化を防ぐことができる。
【0034】
図8は、図7のうち第2凸部26の周辺を拡大した背面図である。図8に示されるように、第2凸部26の断面形状は、電子機器10の外周面に沿う方向に延在する台形状になっている。第1被覆部21に対して垂直であって、且つ、上記外周面に沿う方向の断面視において、第2凸部26は、表面TSと、延在部24から離れた側面SS1と、側面SS1よりも延在部24に近い側面SS2とを有している。ここで、表面TSと側面SS1とが成す角度θ1は、表面TSと側面SS2とが成す角度θ2と異なっている。例えば、角度θ1は、角度θ2よりも小さい角度であり、角度θ2よりも90度に近くなっている。すなわち、側面SS2は、側面SS1よりも緩やかな傾斜面である。
【0035】
電子機器用カバー20が電子機器10に取り付けられている場合、第2凸部26が第2凹部15の内面に接触している。この際、側面SS1が90度に近くなっていることで、第1被覆部21が側面部13から外れる方向(X方向)へ、外部からの応力が働いたとしても、第2凸部26が第2凹部15から外れ難くなる。従って、電子機器用カバー20が電子機器10から外れ難くなる。
【0036】
図9は、電子機器用カバー20の一部を示す断面図であり、第1凸部25および第2凸部26の位置関係を示している。図9に示されるように、第1凸部25は、第2凸部26が設けられている位置よりも、第2被覆部22から離れた位置に設けられている。
【0037】
電子機器10に電子機器用カバー20を取り付ける際のユーザの動作としては、先に2つの第2凹部15に2つの第2凸部26を挿入する場合と、先に1つの第1凹部14に1つの第1凸部25を挿入する場合とが考えられる。何れの場合でも、電子機器10への電子機器用カバー20の取り付けが可能であるが、先に2つの第2凹部15に2つの第2凸部26を挿入する方が、電子機器用カバー20が電子機器10に固定され易いので、安定した取り付けが可能になる。
【0038】
その場合を考慮すると、まず、電子機器10の上側を第2被覆部22側へ押し込むように、2つの第2凹部15に2つの第2凸部26を挿入し、電子機器用カバー20と電子機器10とを固定する。その後、電子機器10の下側を第2被覆部22側へ押し込むが、第1凹部14の位置が近ければ、迅速に第1凹部14に第1凸部25を挿入することができる。このため、電子機器用カバー20の取り付け動作を早めることができる。
【0039】
図10は、第1凸部25の平面形状を示すための拡大平面図である。図10に示されるように、第1凸部25の形状は、一方側が凹んだ形状である。すなわち、第1凸部25の平面形状は、スパナ形状またはコの字形状である。言い換えれば、第1凸部25の平面形状は、概ね長円形状であるが、長円形状のうち一方の長辺側が凹型を成す形状になっている。ここでは、長円形状と考えた場合の一方の長辺を長辺25aとし、他方の長辺を長辺25bとして図示している。
【0040】
第1凸部25の全体を長円形状にすると、第1凸部25の体積および平面積が大きくなり、第2凸部26の体積および平面積よりも大きくなる。それ故、電子機器用カバー20の製造時に、第1凸部25と反対側の第1被覆部21の表面において、「ヒケ」と呼ばれる窪みが発生し易くなる。そうすると、電子機器用カバー20の外観が損なわれる虞がある。
【0041】
延在部23側において、第1凸部25の形状の上記一方側が凹んだ形状である。すなわち、第1凸部25の長辺25a側を凹型にすることで、第1凸部25の体積および平面積が小さくなるので、「ヒケ」の発生を抑制できる。なお、長辺25a側を凹型にした場合でも、第1凸部25の平面形状は、概ね長円形状を保っているので、第1凸部25を第1凹部14に安定して挿入できる。
【0042】
また、長辺25aは、延在部23側において凹型を成す。「ヒケ」の発生を抑制するという目的であれば、上記凹型は、長辺25aに設けられてもよいし、長辺25bに設けられてもよい。しかし、電子機器用カバー20が電子機器10から外れ難くさせるという目的を考慮すると、上記凹型は、長辺25aに設けられている方が好ましい。
【0043】
例えば、電子機器10に電子機器用カバー20が取り付けられている状態で、電子機器用カバー20がユーザの腕に巻き付けられている場合を想定する。仮に、電子機器用カバー20に、延在部23が引き上げられるような力(Y方向への力)が外部から働いたとすると、第1凸部25は、主に、長辺25b側で第1凹部14と接触することになる。ここで、長辺25bに上記凹型が設けられていると、接触面積が減ってしまうので、電子機器用カバー20が電子機器10から外れ易くなる。従って、上記凹型が長辺25aに設けられていることで、電子機器用カバー20が電子機器10から外れ難くなる。
【0044】
以上のように、実施の形態1によれば、電子機器10への着脱が容易であると共に、電子機器10に安定して固定される電子機器用カバー20を提供できる。また、電子機器10および電子機器用カバー20を備えた電子機器セット1を提供できる。また、電子機器10の外観を美しく維持できる。
【0045】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0046】
以下に上記実施の形態に記載された内容の一部を記載する。
【0047】
(1)電子機器と、前記電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーと、を備え、前記電子機器は、当該電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための第1凹部を有し、前記第1被覆部は、前記装着状態において前記第1凹部に挿入可能な第1凸部を有する、電子機器セット。
【0048】
(2)前記電子機器は、第2凹部を有し、前記第1被覆部は、前記電子機器に前記電子機器用カバーを装着した状態において、前記第2凹部に挿入可能な前記第2凸部を有する、(1)に記載の電子機器セット。
【0049】
(3)前記第1被覆部に接続され、且つ、当該第1被覆部から離れるように延在する第1延在部と、前記第1被覆部に接続され、且つ、当該第1被覆部から離れるように、前記第1延在部が延在する方向と略反対方向に延在する第2延在部と、を更に有し、前記第1凸部は、前記第1被覆部のうち、当該第1被覆部と前記第1延在部とが接続する第1接続領域に設けられ、前記第2凸部は、前記第1被覆部のうち、当該第1被覆部と前記第2延在部とが接続する第2接続領域に設けられる、(2)に記載の電子機器セット。
【0050】
(4)前記第1延在部と前記第2延在部とを結合することで、対象物の周りに前記電子機器用カバーを巻き付けることが可能である、(3)に記載の電子機器セット。
【0051】
(5)前記第1凸部は、前記第1接続領域における前記第1被覆部と前記第1延在部との接続部近傍に設けられる、(3)または(4)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0052】
(6)前記第1凸部は、前記第1延在部を当該第1延在部の延在方向に変位させることで、前記第1凹部から当該第1凸部が外れることが可能な位置に設けられる、(3)~(5)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0053】
(7)前記第2凸部は、前記第2接続領域における前記第1被覆部と前記第2延在部との接続部を挟む位置に複数設けられる、(3)~(6)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0054】
(8)前記第1接続領域および前記第2接続領域の各々の厚さは、当該第1接続領域および当該第2接続領域とは異なる領域の前記第1被覆部の厚さよりも厚い、(3)~(7)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0055】
(9)前記第1凸部の形状は、一方側が凹んだ形状である、(3)~(8)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0056】
(10)前記第1延在部側において、前記一方側が凹んだ形状である、(9)に記載の電子機器セット。
【0057】
(11)前記第2凸部の断面形状は、前記電子機器の外周面に沿う方向に延在する台形状であり、前記第1被覆部に対して垂直であって、且つ、前記外周面に沿う方向の断面視において、前記第2凸部は、表面と、前記第2延在部から離れた第1側面と、前記第1側面よりも当該第2延在部に近い第2側面とを有し、前記表面と前記第1側面とが成す第1角度は、当該表面と前記第2側面とが成す第2角度と異なっている、(3)~(10)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0058】
(12)前記第1角度は、前記第2角度よりも90度に近い、(11)に記載の電子機器セット。
【0059】
(13)前記電子機器は、表面部と、前記表面部と反対側の裏面部と、前記表面部および前記裏面部を繋ぎ、且つ、前記第1凹部および前記第2凹部が設けられた側面部と、を更に有し、前記電子機器用カバーは、前記側面部のうち少なくとも一部を覆うための前記第1被覆部と、前記第1被覆部と一体化し、且つ、前記表面部のうち少なくとも一部を覆うための第2被覆部と、を更に有する、(3)~(12)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0060】
(14)前記第2凸部は、前記第1凸部が設けられている位置よりも、前記第2被覆部から離れた位置に設けられる、(13)に記載の電子機器セット。
【0061】
(15)前記第1接続領域と前記第2接続領域との間に位置する前記第1被覆部には、前記第2被覆部から離れる方向に延在する保持部が設けられている、(13)または(14)の何れか1つに記載の電子機器セット。
【0062】
(16)前記保持部の厚さは、前記第1被覆部の厚さよりも薄い、(15)に記載の電子機器セット。
【0063】
(17)電子機器に着脱可能であり、且つ、当該電子機器への装着状態において当該電子機器の少なくとも一部を覆う第1被覆部を有する電子機器用カバーであって、前記第1被覆部は、前記電子機器と他の装置とを接続する端子を挿入するための当該電子機器に設けられた凹部に、前記装着状態において挿入可能な第1凸部を有する、電子機器用カバー。
【符号の説明】
【0064】
1 電子機器セット
10 電子機器
11 表面部
12 裏面部
13 側面部
14 第1凹部
15 第2凹部
16 スピーカー用の孔
17 モニタ
18 ボタン
20 電子機器用カバー
21 第1被覆部
22 第2被覆部
23、24 延在部
25 第1凸部
25a、25b 長辺
26 第2凸部
27 開口部
28 保持部
29 留め具用の孔
30 留め具
31 ベルト
41 接続領域
42 接続領域
TS 第2凸部の表面
SS1、SS2 第2凸部の側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10