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特開2024-144772毛髪トリートメント組成物及び毛髪処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144772
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】毛髪トリートメント組成物及び毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20241003BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024131724
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2020004347の分割
【原出願日】2020-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上條 洋士
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直史
(72)【発明者】
【氏名】渕上 幾太郎
(57)【要約】
【課題】染毛後に行われる洗髪、特にシャンプーに対して、優れた褪色抑制効果を有する毛髪トリートメント組成物を提供する。
【解決手段】染毛後かつ洗髪前に使用される毛髪トリートメント組成物であって、ポリクオタニウム-22を含む毛髪トリートメント組成物とする。ポリクオタニウム-22の含有量は、0.01~15.0質量%であってもよい。毛髪トリートメント組成物は、グリセリンなどの多価アルコールをさらに含んでいてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
染毛後かつ洗髪前に使用される毛髪トリートメント組成物であって、ポリクオタニウム-22を含む、毛髪トリートメント組成物。
【請求項2】
前記ポリクオタニウム-22の含有量は、0.01~15.0質量%である、請求項1に記載の毛髪トリートメント組成物。
【請求項3】
多価アルコールをさらに含む、請求項1又は2に記載の毛髪トリートメント組成物。
【請求項4】
前記多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項3に記載の毛髪トリートメント組成物。
【請求項5】
アニオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項1~4のいずれか1項に記載の毛髪トリートメント組成物。
【請求項6】
染毛後かつ洗髪前の毛髪に、ポリクオタニウム-22を含む毛髪トリートメント組成物を塗布する、毛髪処理方法。
【請求項7】
前記毛髪トリートメント組成物における前記ポリクオタニウム-22の含有量は、0.01~15.0質量%である、請求項6に記載の毛髪処理方法。
【請求項8】
前記毛髪トリートメント組成物は、多価アルコールをさらに含む、請求項6又は7に記載の毛髪処理方法。
【請求項9】
前記毛髪トリートメント組成物は、前記多価アルコールとして、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項8に記載の毛髪処理方法。
【請求項10】
前記毛髪トリートメント組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項6~9のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪トリートメント組成物及び毛髪処理方法に関する。より具体的に本発明は、染毛後に行われる洗髪に対して、優れた褪色抑制効果を有する毛髪トリートメント組成物及びそれを用いた毛髪処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市場では、毛髪を明るくするファッションカラー、及び白髪を染め上げるグレイカラーなどが普及している。これらの染毛剤を用いて染め上げた毛髪からは、染毛後の洗髪により染料が流出し、これに伴って褪色が進行する。染毛の効果を長期間持続させるためには、染毛後の洗髪による褪色を抑制することが重要である。
【0003】
特許文献1には、染毛後の褪色の抑制を目的の1つとして、pH緩衝剤、及び両性ポリマーからなる染毛用後処理剤が開示されている。特許文献2には、pH緩衝剤、及び小麦蛋白質加水分解物及び/又はシリル化蛋白質加水分解物からなる染毛用後処理剤が開示されている。特許文献3には、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油以外の油脂、第二アルコール又は第三アルコール、及びポリクオタニウム-10を含む洗髪前処理用トリートメントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-350481号公報
【特許文献2】特開2005-320355号公報
【特許文献3】特開2017-066117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、染毛後に行われる洗髪、特にシャンプーに対して、優れた褪色抑制効果を有する新たな毛髪トリートメント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、染毛後かつ洗髪前に使用される毛髪トリートメント組成物であって、ポリクオタニウム-22を含む、毛髪トリートメント組成物を提供する。
【0007】
本発明は、別の側面から、染毛後かつ洗髪前の毛髪に、ポリクオタニウム-22を含む毛髪トリートメント組成物を塗布する、毛髪処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、毛髪トリートメント組成物は、染毛後に行われる洗髪、特にシャンプーに対して、優れた褪色抑制効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0010】
本実施形態の毛髪トリートメント組成物は、ポリクオタニウム-22を含む。ポリクオタニウム-22は、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体である。
【0011】
本実施形態の毛髪トリートメント組成物を適用する毛髪は、一般に用いられる方法で染色した毛髪であれば、特に制限されない。染色した毛髪として、具体的には、酸性染料、塩基性染料、ニトロ染料などを用いた染毛料、又は、酸化染料を主体とした染毛剤などによって染色した毛髪が挙げられる。
【0012】
ポリクオタニウム-22の含有量は、特に制限されず、毛髪トリートメント組成物の総質量に対して、0.01~15.0質量%の範囲にあってもよく、0.03~12.0質量%の範囲にあってもよく、0.05~10.0質量%の範囲にあってもよい。ポリクオタニウム-22の含有量を適切に調節することによって、優れた褪色抑制効果を有するとともに、洗髪後の手触りにも優れた毛髪トリートメント組成物を得ることができる。
【0013】
本実施形態の毛髪トリートメント組成物は、染毛後かつ洗髪前に使用される。すなわち、染色した毛髪に毛髪トリートメント組成物が塗布され、その後、染毛後の最初の洗髪が行われる。ポリクオタニウム-22をシャンプーなどの洗浄料に添加することも考えられる。しかし、ポリクオタニウム-22を毛髪に塗布した後に洗髪すると、ポリクオタニウム-22を含む洗浄料を用いた場合よりも、洗髪時の泡がきめ細かく、かつ指通りも良好である。
【0014】
毛髪トリートメント組成物には、多価アルコールがさらに含まれていてもよい。多価アルコールによって、褪色抑制効果をさらに向上させることができる。多価アルコールは、1つの分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物を意味する。
【0015】
多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、及びジグリセリンが挙げられる。これらの多価アルコールから選ばれる1つのみを用いてもよく、2つ以上を併用してもよい。
【0016】
多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであってもよい。
【0017】
多価アルコールの含有量の下限値は、特に制限されず、毛髪トリートメント組成物の総質量に対して、1質量%であってもよく、10質量%であってもよく、30質量%であってもよい。多価アルコールの含有量の上限値は、特に制限されず、毛髪トリートメント組成物の総質量に対して、99質量%であってもよく、95質量%であってもよく、90質量%であってもよく、85質量%であってもよい。多価アルコールの含有量を適切に調節することによって、より優れた褪色抑制効果を有する毛髪トリートメント組成物を得ることができる。
【0018】
毛髪トリートメント組成物には、増粘剤がさらに含まれていてもよい。増粘剤が含まれていることによって、毛髪トリートメント組成物を毛髪に塗布したときに、垂れ落ちしにくく、毛髪に均一に塗布できる。そのため、優れた褪色抑制効果を確実に得やすくなる。増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
【0019】
本実施形態の毛髪トリートメント組成物は、上述した成分以外の任意の成分を含みうる
。任意の成分は、公知のヘアートリートメント剤に含まれる成分でありうる。
【0020】
任意の成分として、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、エステル、高級脂肪酸、油脂、高級アルコール、低級アルコール、フッ素化合物、シリコーン類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、植物抽出物、加水分解タンパク質、アミノ酸、香料、精油、色素、水、pH安定剤、キレート剤、溶剤、抗炎症剤、及びゲル化剤、などが適宜配合されていてもよい。
【0021】
ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、親油型モノステアリン酸グリセリル、及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが挙げられる。
【0022】
両性界面活性剤として、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、及びスルホベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。グリシン型両性界面活性剤として、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩、及びアルキルポリアミノポリカルボキシグリシン塩が挙げられる。アミノプロピオン酸型両性界面活性剤として、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルプロピオン酸塩が挙げられる。アミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤として、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。スルホベタイン型両性界面活性剤として、アルキルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。
【0023】
カチオン性界面活性剤として、アルキル四級アンモニウム塩、アルケニル四級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、及び脂肪酸アミドアミン塩が挙げられる。アルキル四級アンモニウム塩として、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムブロミド、ステアルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムブロミド、ステアラルコニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムブロミド、ジベヘニルジモニウムクロリド、ジベヘニルジモニウムブロミド、ジセチルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムブロミド、ジラウリルジモニウムクロリド、及びジラウリルジモニウムブロミドが挙げられる。アルケニル四級アンモニウム塩として、セチロキシプロピルトリモニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ベヘニロキシプロピルトリモニウムクロリド、ラウロキシプロピルトリモニウムブロミド、ミリスチロキシプロピルトリモニウムブロミド、セチロキシプロピルトリモニウムブロミド、ステアロキシプロピルトリモニウムブロミド、及びベヘニロキシプロピルトリモニウムブロミドが挙げられる。アルキルアミン塩として、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、アラキナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミン、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、アラキナミドエチルジエチルアミン、及びベヘナミドエチルジエチルアミンが挙げられる。脂肪酸アミドアミン塩として、ミリスチン酸ジメチルアミプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルア
ミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、及びベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0024】
エステルとして、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、及びステアリン酸ステアリルが挙げられる。
【0025】
高級脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、及びイソパルミチン酸が挙げられる。
【0026】
油脂として、動植物油、ラノリン、スクワレン、流動パラフィン、ミツロウ、及びカルナウバロウが挙げられる。動植物油として、アボガド油、オリーブ油、サフラワー油、ザクロ種子油及び硬化油が挙げられる。
【0027】
高級アルコールの炭素数は、特に限定されず、8~30であってもよく、14~22であってもよい。高級アルコールは、飽和アルコールであってもよく、不飽和アルコールであってもよい。高級アルコールとして、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。
【0028】
低級アルコールとして、エタノール、及びイソプロパノールが挙げられる。
【0029】
毛髪トリートメント組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、微量の混入を許容する趣旨であり、毛髪トリートメント組成物の総質量に対して、2質量%未満、さらには1質量%未満であり、特に0.5質量%未満であることを意味する。毛髪トリートメント組成物がアニオン性界面活性剤を実質的に含まないことによって、長期にわたって高い安定性を有する毛髪トリートメント組成物を得ることができる。
【0030】
毛髪トリートメント組成物の剤型は、特に限定されず、公知の剤型を採用できる。好ましい剤型は、ゲル状、溶液状、クリーム状、又は乳液状である。毛髪トリートメント組成物が適切な粘度を有すると、毛髪に塗布したときに、垂れ落ちしにくく、毛髪に均一に塗布できる。そのため、優れた褪色抑制効果を確実に得やすくなる。
【実施例0031】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0032】
<実施例1,2及び比較例1~14>
ヒドロキシエチルセルロース及びグリセリンからなる基本組成に、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53、アモジメチコン、又は(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマーを、それぞれ以下の表1及び2に示す含有量で含む、実施例1,2及び比較例1~14に係る毛髪トリートメント組成物を調製した。調製した毛髪トリートメント組成物における残部は精製水である。表中の単位は、全て質量%である。各表の「成分」の欄における「-」の表記は、当該成分を含有していないことを意味する。
【0033】
(褪色のしにくさ)
人毛の毛束に対して酸化染毛剤による染毛処理を約25℃で25分行った後、酸化染毛剤をしっかり流水で洗い流した。施術後の当該毛束について、水気を切った後、毛髪トリ
ートメント組成物を毛束に均一に塗布した。その後、アニオン性界面活性剤を含む洗浄料で洗髪した。洗浄料をしっかりと流水で洗い流した後、ドライヤーで乾燥させた。洗髪前後における毛束の色の変化について、「褪色のしにくさ」を、パネラー10名が目視により評価した。「ほとんど褪色していない」と評価したパネラーが8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」とした。評価結果を、表1~4に示す。
【0034】
(泡質のきめ細かさ)
人毛の毛束に対して酸化染毛剤による染毛処理を約25℃で25分行った後、酸化染毛剤をしっかり流水で洗い流した。施術後の当該毛束について、水気を切った後、毛髪トリートメント組成物を毛束に均一に塗布した。その後、アニオン性界面活性剤を含む洗浄料で洗髪した。このとき、「泡質のきめ細かさ」を、パネラー10名が目視により評価した。「泡がきめ細かい」と評価したパネラーが8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」とした。評価結果を、表3に示す。
【0035】
(指通りの良さ)
人毛の毛束に対して酸化染毛剤による染毛処理を約25℃で25分行った後、酸化染毛剤をしっかり流水で洗い流した。施術後の当該毛束について、水気を切った後、毛髪トリートメント組成物を毛束に均一に塗布した。アニオン性界面活性剤を含む洗浄料で洗髪した後、しっかりと流水で洗い流した。このとき、「すすぎ時の毛髪の指通りの良さ」を、パネラー10名が評価した。「指通りの滑らかさが高い」と評価したパネラーが8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」とした。評価結果を、表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
<実施例3>
人毛の毛束に対して酸化染毛剤による染毛処理を約25℃で25分行った後、酸化染毛剤をしっかり流水で洗い流した。施術後の当該毛束について、水気を切った後、毛髪トリートメント組成物を毛束に均一に塗布した。その後、アニオン性界面活性剤を含む洗浄料で洗髪した。洗浄料をしっかりと流水で洗い流した後、ドライヤーで乾燥させた。
【0039】
<参考例>
人毛の毛束に対して酸化染毛剤による染毛処理を約25℃で25分行った後、酸化染毛剤をしっかり流水で洗い流した。施術後の当該毛束について、水気を切った。その後、ポリクオタニウム-22とアニオン性界面活性剤とを含む洗浄料で洗髪した。洗浄料をしっかりと流水で洗い流した後、ドライヤーで乾燥させた。
【0040】
実施例3及び参考例について、「褪色のしにくさ」、「泡質のきめ細かさ」、及び「指通りの良さ」を、上記と同様にして、評価した。評価結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
<実施例4~7及び比較例15>
毛髪トリートメント組成物の調製において、グリセリンの代わりに、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、又はジプロピレングリコールを使用したことを除き、実施例1と同様にして、実施例4~6に係る毛髪トリートメント組成物を調製した。多価アルコールの代わりに精製水を使用したことを除き、実施例1と同様にして、実施例7に係る毛髪トリートメント組成物を調製した。ポリクオタニウム-22を使用していないことを除き、実施例1と同様にして、比較例15に係る毛髪トリートメント組成物を調製した。
【0043】
実施例4~7及び比較例15について、「褪色のしにくさ」を、上記と同様にして、評価した。実施例1の結果とともに評価結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
各実施例では、毛髪の褪色が抑制された。すなわち、毛髪トリートメント組成物にポリクオタニウム-22が含まれていることによって、優れた褪色抑制効果が得られた。表3に示すように、洗浄料ではなく、毛髪トリートメント組成物にポリクオタニウム-22が含まれていることによって、毛髪の褪色が抑制され、さらに、泡質のきめ細かさ、及び指通りの良さが良好となった。表4に示すように、毛髪トリートメント組成物に多価アルコールが含まれていることによって、毛髪の褪色がより抑制された。