IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特開2024-144778電子レシートシステム及び電子レシート処理方法
<>
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図1
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図2
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図3
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図4
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図5
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図6
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図7
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図8
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図9
  • 特開-電子レシートシステム及び電子レシート処理方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144778
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電子レシートシステム及び電子レシート処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241003BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/12 351Z
G07G1/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024132050
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2023156260の分割
【原出願日】2019-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】桜井 謙次
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
(57)【要約】
【課題】 取引の対象となった商品のそれぞれについてどの税率が適用されたのかを容易に確認することを可能とする。
【解決手段】 実施形態のレシート画像生成装置は、取得手段及び生成手段を備える。取得手段は、商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する。生成手段は、取得手段により取得された交換用データに含まれた文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに交換用データに含まれたマークが関連付けられた商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する取得手段と
前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する生成手段と、
を具備したレシート画像生成装置。
【請求項2】
前記文字列に含まれ得る文字又は記号のうちの予め定められた1つを前記マークとして用い、
前記生成手段は、前記レシート画像を、前記交換用データに含まれた前記マークと、当該マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列の少なくとも1つとを同一行に表した画像とする、
請求項1に記載のレシート画像生成装置。
【請求項3】
前記マークを含む位置及び含んでいる前記マークのうちの少なくとも一方が異なる複数種の前記交換用データのそれぞれに関連付けられ、当該関連付けられた前記交換用データにおいてマークを含む位置及び含んでいる前記マークのうちの少なくとも一方を表したデータレコードを記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記取得手段は、複数種の前記交換用データのうちの予め定められた1種を取得し、
前記生成手段は、前記取得手段が取得する前記交換用データに関連付けられた前記データレコードに基づいて前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれるマークを検出する、
請求項1又は請求項2に記載のレシート画像生成装置。
【請求項4】
レシート画像生成装置に備えられるコンピュータを、
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する取得手段と
前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する生成手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得し、
取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する、
レシート画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシート画像生成装置、情報処理プログラム及びレシート画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軽減税率制度の導入に対応して、レシートにおいて、商品名の近辺に「ケ」又は「軽」などのマークを付すことにより、軽減税率が適用された商品であることを識別可能とするなどの施策が種々考案されている。
しかしながらマークによる表示は、分かり易いとは言い難く、より有効な施策が望まれると見込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-15109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、取引の対象となった商品のそれぞれについてどの税率が適用されたのかを容易に確認することを可能とするレシート画像生成装置、情報処理プログラム及びレシート画像生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のレシート画像生成装置は、取得手段及び生成手段を備える。取得手段は、商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する。生成手段は、取得手段により取得された交換用データに含まれた文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに交換用データに含まれたマークが関連付けられた商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係るPOS端末の要部回路構成を示すブロック図。
図2図1中の条件データベースに含まれるデータレコードの構成を模式的に示す図。
図3図1中のプロセッサによる販売処理のフローチャート。
図4図1に示されるPOS端末で発行される紙レシートの一例を示す図。
図5】交換用データに含まれ、図4に示した紙レシートに表される文字列を表した情報を示す図。
図6図1に示されるPOS端末で発行される紙レシートの一例を示す図。
図7】交換用データに含まれ、図6に示した紙レシートに表される文字列を表した情報を示す図。
図8】電子レシートエージェント処理における図1中のプロセッサの処理手順を示すフローチャート。
図9図1中のプロセッサが読み込むデータレコードの一例を示す図。
図10図1中のプロセッサが読み込むデータレコードの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、レシート画像生成装置としての機能を備えたPOS端末を例に説明する。
【0008】
図1は本実施形態に係るPOS端末の要部回路構成を示すブロック図である。
図1は、POS端末101,102及びレシートサーバ103を含んだ電子レシートシステムを示している。POS端末101,102とレシートサーバ103とは、通信ネットワーク200を介してデータ通信が可能とされている。通信ネットワーク200としては、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
【0009】
POS端末101,102は、商品の販売に係わる情報処理の仕様が互いに異なり、本実施形態ではそれぞれ別の小売業者(A社及びB社)により利用されることとする。ただし、図1においては、POS端末101,102の基本的な構成要素のみを示している。これら基本的な構成の多くは、取引データ処理の仕様の違いに拘わりなく共通である場合が多い。そこで図1においては、POS端末101,102の構成要素のうちの同様な機能を持った構成要素については、同一の符号を付して示している。ただし、POS端末101,102にそれぞれ含まれた同一の符号で示される要素は、互いに同一のデバイスであることを表している訳ではなく、別のデバイスが用いられる場合もある。なお、POS端末101,102は、ハードウェア構成としては同一であっても構わない。
【0010】
POS端末101,102は、プロセッサ1、メインメモリ2、補助記憶ユニット3、時計部4、入力デバイス5、表示デバイス6、バーコードリーダ7、プリンタ8、通信インタフェース9及び伝送路10を備える。プロセッサ1、メインメモリ2、補助記憶ユニット3、時計部4、入力デバイス5、表示デバイス6、バーコードリーダ7、プリンタ8及び通信インタフェース9は、伝送路10によって接続される。
【0011】
POS端末101,102においては、プロセッサ1、メインメモリ2及び補助記憶ユニット3が伝送路10によって接続されることにより、POS端末101,102を制御するコンピュータを構成する。
プロセッサ1は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、POS端末101,102としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0012】
メインメモリ2は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ2は、プロセッサ1が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ2は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。揮発性のメモリ領域には、買上商品リストを記憶する領域、いわゆる登録処理領域が含まれる。
【0013】
補助記憶ユニット3は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット3としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、あるいはSSD(solid state drive)等の周知の記憶デバイスを用いた記憶ユニットを利用できる。補助記憶ユニット3は、プロセッサ1が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット3は、上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。
【0014】
POS端末101の補助記憶ユニット3に記憶される情報処理プログラムには、販売処理プログラムP1及びエージェントプログラムP2を含む。
販売処理プログラムP1は、アプリケーションプログラムである。販売処理プログラムP1は、商品の販売に係わる情報処理(以下、販売処理と称する)について記述している。
エージェントプログラムP2は、アプリケーションプログラムである。エージェントプログラムP2は、販売処理プログラムP1に基づく販売処理により生成される交換用データに基づいて電子レシートデータを生成し、レシートサーバ103に送信するための処理について記述している。
【0015】
POS端末102の補助記憶ユニット3に記憶されるプログラムには、販売処理プログラムP3及びエージェントプログラムP2を含む。
つまりPOS端末102において補助記憶ユニット3には、POS端末101と同一のエージェントプログラムP2を記憶するが、販売処理プログラムP1は記憶せず、代わりに販売処理プログラムP3を記憶する。
販売処理プログラムP3は、アプリケーションプログラムである。販売処理プログラムP3は、販売処理について記述している。
【0016】
販売処理プログラムP1は、A社での店舗運営及び販売管理に適応するように任意の作成者により作成される。販売処理プログラムP3は、B社での店舗運営及び販売管理に適応するように任意の作成者により作成される。ただし、販売処理プログラムP1及び販売処理プログラムP3は、情報処理プログラムの本体は同一であり、当該情報処理プログラムに基づく各種処理のための設定が異なるのであってもよい。エージェントプログラムP2は、例えばレシートサーバ103を用いて電子レシートサービスを提供するサービス提供者の管理の下に任意の作成者により作成される。
【0017】
POS端末101,102の譲渡は一般的に、販売処理プログラムP1,P3が補助記憶ユニット3に記憶された状態にて行われる。なお、このケースでは、販売処理プログラムP1,P3がメインメモリ2に記憶されてもよい。しかし、販売処理プログラムP1,P3がメインメモリ2又は補助記憶ユニット3に記憶されない状態で、POS端末101,102が譲渡される場合もある。この場合には、販売処理プログラムP1,P3は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して販売処理プログラムP1,P3が譲渡される。そして、この販売処理プログラムP1,P3が、上記の別途に譲渡されたPOS端末101,102のメインメモリ2又は補助記憶ユニット3に書き込まれてもよい。
【0018】
エージェントプログラムP2は、典型的には、POS端末101,102の譲渡時には、補助記憶ユニット3に記憶されない。エージェントプログラムP2は、例えば通信ネットワーク200を介して、レシートサーバ103又は別のサーバからPOS端末101,102にダウンロードされて補助記憶ユニット3に書き込まれる。ただし、エージェントプログラムP2は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡されてもよい。あるいは、POS端末101,102の譲渡は、エージェントプログラムP2が補助記憶ユニット3に記憶された状態にて行われてもよい。このケースでは、エージェントプログラムP2がメインメモリ2に記憶されてもよい。
【0019】
時計部4は、計時動作を常時行い、現在の日付及び時刻を表した日時情報を出力する。
入力デバイス5は、操作者による操作を受けて、その操作に応じた入力情報を出力する。入力デバイス5としては、例えばキーボード、マウス、あるいはタッチパネルなどが利用できる。
表示デバイス6は、操作者に対して提示すべき各種の情報を表した画像を表示する。表示デバイス6としては、例えばLCD(liquid crystal display)又はタッチパネルなどが利用できる。
【0020】
バーコードリーダ7は、スマートレシートサービスの会員を識別するための会員コードを表したバーコードを読み取る。当該バーコードは、典型的には会員が所持する情報端末が搭載する表示器に表示される。バーコードリーダ7は、商品に表示され、商品を識別する商品コードを表したバーコードを読み取るためのデバイスと共用であってもよいし、そのためのデバイスがバーコードリーダ7とは別に備えられてもよい。
【0021】
プリンタ8は、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷する。そしてプリンタ8は、印刷済みのレシート用紙をPOS端末101,102の外部へと排出することにより、紙レシートを発行する。プリンタ8としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどを利用できる。
【0022】
通信インタフェース9は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行う。つまり通信インタフェース9は、通信デバイスの一例である。
伝送路10は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0023】
なお、図1では、POS端末101,102のみを示しているが、電子レシートシステムには、典型的にはPOS端末101,102とは別の複数のPOS端末が含まれる。これらのPOS端末は、A社又はB社が利用者であってもよいし、A社及びB社とは別の小売業者が利用者であってもよい。A社により利用されるPOS端末はいずれも、補助記憶ユニット3に販売処理プログラムP1が記憶される。B社により利用されるPOS端末はいずれも、補助記憶ユニット3に販売処理プログラムP3が記憶される。A社及びB社とは別の小売業者により利用されるPOS端末は、利用者となる小売業者での店舗運営及び販売管理に適応するように任意の作成者により作成された販売処理プログラムが補助記憶ユニット3に記憶される。エージェントプログラムP2は、利用者に拘わらずに各POS端末の補助記憶ユニット3に記憶される。
【0024】
次に以上のように構成されたPOS端末101の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0025】
POS端末101の利用を開始するのに先立って、条件データベースD1及び利用者コードD2を補助記憶ユニット3に記憶させておく。条件データベースD1は例えば、エージェントプログラムP2に付帯して配布され、エージェントプログラムP2を補助記憶ユニット3に記憶させるためのインストール処理において補助記憶ユニット3に記憶される。あるいは条件データベースD1は、POS端末101の設置作業又はメンテナンス作業において、その作業者の指示の下に補助記憶ユニット3に記憶される。利用者コードD2としては、POS端末101を用いて電子レシートサービスを利用する小売業者を、電子レシートサービスの他の利用者と識別するための利用者コードが、POS端末101の設置作業等において書き込まれる。なお利用者コードは例えば、電子レシートサービスの利用契約の際に、サービス提供者の管理の下に小売業者に付与される。
【0026】
条件データベースD1は、エージェントプログラムP2が電子レシートデータを生成するための条件を表したデータレコードの集合である。当該データレコードは、POS端末101,102、あるいはその他のPOS端末を利用する小売業者に関連付けられる。そしてデータレコードは、関連付けられた小売業者に関する条件を表す。つまり条件データベースD1は、電子レシートシステムに含まれ得るPOS端末の利用者となる小売業者のそれぞれに関連付けられ、かつ各小売業者に適応させたデータレコードを含むものとして、例えば電子レシートサービスを提供するサービス提供者の管理の下に作成される。
【0027】
図2は条件データベースD1に含まれるデータレコードDR1の構成を模式的に示す図である。
データレコードDR1は、フィールドF11,F12,F13,F14,F15を含む。フィールドF11には、関連付けられた小売業者の利用者コードがセットされる。フィールドF12には、関連付けられた小売業者が、紙レシートにおいて軽減税率が適用された商品であることを表すために使用するマーク(以下、税マークと称する)のコードがセットされる。フィールドF13には、関連付けられた小売業者が発行する紙レシートにおいて税マークが配置される位置を表す位置データがセットされる。フィールドF14には、電子レシート画像にて基本的に用いる表示色(以下、基準カラーと称する)のカラーコードが基準カラーコードとしてセットされる。フィールドF15には、軽減税率が適用された商品を電子レシート画像にて表すために用いる表示色(以下、特別カラーと称する)のカラーコードが特別カラーコードとしてセットされる。
【0028】
POS端末102及びその他のPOS端末の補助記憶ユニット3についても、条件データベースD1及び利用者コードが同様に書き込まれる。ただし、POS端末102の補助記憶ユニット3には、B社に付与された利用者コードD3が書き込まれる。その他のPOS端末の補助記憶ユニット3に書き込まれる利用者コードは、利用者コードD2又は利用者コードD3の場合もあるし、別の利用者コードである場合もある。
かくして、条件データベースD1を記憶することで、補助記憶ユニット3は記憶手段として機能する。
【0029】
POS端末101が取引データ処理を行うべき動作モードで起動されると、プロセッサ1は、販売処理プログラムP1に従って販売処理を開始する。
図3はPOS端末101のプロセッサ1による販売処理のフローチャートである。
【0030】
ACT1としてプロセッサ1は、操作者による登録操作が開始されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、該当する操作を確認できないならばNOと判定し、ACT2へと進む。
ACT2としてプロセッサ1は、会員コードがスキャンされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、会員コードのスキャンが確認できないならばNOと判定し、ACT1へと戻る。
かくしてプロセッサ1はACT1及びACT2としては、登録が開始されるか、又は会員コードがスキャンされるのを待ち受ける。
【0031】
操作者は、電子レシートサービスの適用を希望する取引に関する登録操作を行う前に、会員コードを表したバーコードをバーコードリーダ7に翳す。そうするとバーコードリーダ7は、バーコードをスキャンし、当該バーコードから会員コードを抽出する。これに応じてプロセッサ1はACT2にてYESと判定し、ACT3へと進む。
【0032】
ACT3としてプロセッサ1は、バーコードリーダ7により抽出された会員コードを、メインメモリ2又は補助記憶ユニット3に記憶させる。そしてこののちにプロセッサ1は、ACT1及びACT2の待ち受け状態に戻る。なお、プロセッサ1は、会員コードが再度スキャンされたことに応じてACT3へと再度進んだ場合には、メインメモリ2又は補助記憶ユニット3に記憶された会員コードを、新たに抽出された会員コードで上書きする。
このように本実施形態では、商品登録の開始前に会員コードを取得し、商品登録の開始後には会員コードを取得しない。しかしながらプロセッサ1は、商品登録を行っている最中にも、会員コードを取得してもよい。
【0033】
操作者は、登録を開始するならば、取引の対象となる買上商品に関する登録操作を行う。そしてプロセッサ1は、ACT1及びACT2の待ち受け状態にあるときに登録操作が行われたならば、ACT1にてYESと判定し、ACT4へと進む。
ACT4としてプロセッサ1は、登録処理及び会計処理を行う。登録処理は、買物客が買い上げる商品を買上商品リストに登録する処理である。登録処理としては、既製のPOS端末で実施されているのと同様な処理を用いることができる。会計処理は、勘定処理及び決済処理を含む。勘定処理は、買上商品リストに登録された商品の代金を計算する処理である。決済処理は、勘定処理により計算された代金を決済する処理である。会計処理としては、既製のPOS端末で実施されているのと同様な処理を用いることができる。
【0034】
ACT5としてプロセッサ1は、トランザクションデータを生成する。トランザクションデータは、図示しないPOSサーバで収集するデータを含む。トランザクションデータに、具体的にどのようなデータを含むかは任意であり、例えば販売処理プログラムP1の設計者、あるいはPOS端末101の管理者などによって定められてよい。なおプロセッサ1は、ここで生成したトランザクションデータを即座にPOSサーバ等に送信してもよいし、補助記憶ユニット3に蓄積したトランザクションデータをその後の任意のタイミングでPOSサーバ等に送信してもよい。
【0035】
ACT6としてプロセッサ1は、ジャーナルデータを生成する。ジャーナルデータは、POS端末101で処理した取引に関する履歴を確認するためのデータである。ジャーナルデータに、具体的にどのようなデータを含むかは任意であり、例えば販売処理プログラムP1の設計者、あるいはPOS端末101の管理者などによって定められてよい。ジャーナルデータは、ジャーナル用紙にプリントされて記録されてもよいし、電子データのままで保管されてもよい。電子データのままのジャーナルデータは、典型的には補助記憶ユニット3で記憶される。しかしながら当該ジャーナルデータは、POSサーバで記憶されるか、あるいは可搬型の記憶媒体に記録されてもよい。
【0036】
ACT7としてプロセッサ1は、買物客が電子レシートサービスの会員であるか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、メインメモリ2又は補助記憶ユニット3にACT3にて会員コードが記憶されていないならばNOと判定し、ACT8へと進む。
ACT8としてプロセッサ1は、買上商品のリスト及び会計処理の結果に基づき、取引内容を表す文字列をレシート用紙に印字するための印字データを生成する。
ACT9としてプロセッサ1は、上記の印字データをプリンタ8に送り、この印字データに応じた印字をプリンタ8に行わせることにより紙レシートを発行する。そしてプロセッサ1はこののち、図3に示す販売処理を終了する。
【0037】
図4はPOS端末101で発行される紙レシートRE1の一例を示す図である。
紙レシートRE1は、各種の文字列によって取引の内容に関する各種の情報を表している。
紙レシートRE1中のエリアAR1は、取引が行われた日時及びPOS端末101を識別するためのレジ番号と、POS端末101の操作者の従業員番号及び氏名を表す。なお、図4のエリアA1 中の「YYYY」「MM」「DD」「DW」「TI」「MI」「RRRR」「NNNNNNNN」及び「○○○○」には、実際には年、月、日、曜日、時、分、レジ番号、従業員番号及び氏名を表すように文字がセットされる。
【0038】
紙レシートRE1中のエリアAR2は、取引の対象となった買上商品に関する情報(以下、商品情報と称する)を表す。エリアAR2内では、上から2行ずつが一組をなす。そして当該1組の2行に表された文字列が、1つの商品コードで識別される商品に関しての商品情報を表している。
例えば最初の2行は、「AAAAAAA」なる商品名で、単価が100円である商品が2個、計200円で取引されたことを表す。1行目の先頭に付された「ケ」は、軽減税率が適用されたことを表す税マークである。税マークは、適用された税率を識別するための識別情報の一例である。
このようにエリアAR2は、取引対象の買上商品のリストを表す。
【0039】
紙レシートRE1中のエリアAR3は、税込合計額、消費税の総額、消費税のうちの標準税率を適用した額、消費税のうちの軽減税率を適用した額、レシートNo.及び店舗No.を表している。なお、図4中のエリアAR3中の「NNNN」及び「SSSS」には、実際には4桁の10進数の数値がセットされる。
【0040】
一方、プロセッサ1は、メインメモリ2又は補助記憶ユニット3にACT3にて会員コードが記憶されているならばACT7にてYESと判定し、ACT10へと進む。
ACT10としてプロセッサ1は、交換用データを生成する。交換用データは、今回の取引に関して電子レシートに表すべき情報を、予め定められたフォーマットで含んだデータである。プロセッサ1は例えば、紙レシートの印字データ、ジャーナルデータ及びトランザクションデータなどの取引に関するデータから予め定められた情報を抽出し、当該情報を予め定められたフォーマットで配置することで交換用データを生成する。交換用データに含まれる情報は、主に紙レシートに表す文字列を表した文字列データである。またプロセッサ1は、メインメモリ2又は補助記憶ユニット3にACT3にて記憶された会員コードを交換用データに含める。
【0041】
図5は交換用データに含まれ、紙レシートRE1のエリアAR2に表される文字列を表した情報を示す図である。
図5中の1行目が、エリアAR2の最初の2行に対応している。つまり{}の中に示される情報が、1つの商品コードで識別される商品に関しての商品情報である。そしてこの1つの商品に関する商品情報は、複数の文字列のそれぞれを””で囲んで表し、かつ文字列どうしを:で区切っている。
なおプロセッサ1は、生成した交換用データを、予め定められたファイル名で補助記憶ユニット3に保存する。
【0042】
ACT11としてプロセッサ1は、電子レシートエージェント処理を起動させる。そしてプロセッサ1は、図3に示す販売処理を終了する。ただしプロセッサ1は、ここで起動させた電子レシートエージェント処理が終了するのを待って、販売処理を終了してもよい。
【0043】
POS端末102においてもプロセッサ1は、以上に説明した販売処理と大筋の流れとしては同様にして販売処理を実行する。ただしPOS端末102において発行される紙レシートは、図4に示す紙レシートRE1とは異なるものとされる。
【0044】
図6はPOS端末102にて発行される紙レシートRE2の一例である。なお図6は、紙レシートRE1に示される取引と同内容の取引に対して発行される紙レシートRE2のうちの商品リストを表したエリアのみを示している。
紙レシートRE2では、例えば最初の2行が、「AAAAAAA」なる商品名で、単価が100円である商品が2個、計200円で取引されたことを表すことは同様であるが、各情報の表記形式が一部異なっている。
【0045】
図7は交換用データに含まれ、紙レシートRE2の図6に示すエリアに表される文字列を表した情報を示す図である。
交換用データは、POS端末101で生成される場合と、POS端末102で生成される場合とで、示される情報の内容は互いに異なるが、フォームは共通である。
【0046】
プロセッサ1は、電子レシートエージェントが起動されると、図3に示す販売処理とは別スレッドで、エージェントプログラムP2に基づく電子レシートエージェント処理を実行する。
図8は電子レシートエージェント処理におけるプロセッサ1の処理手順を示すフローチャートである。この電子レシートエージェント処理をプロセッサ1が実行することで電子レシートエージェントが実現される。
【0047】
ACT21としてプロセッサ1は、上述のように販売処理により生成されて補助記憶ユニット3に保存された交換用データを、メインメモリ2の電子レシートエージェント処理用のワークエリアに読み込む。なお、以降の処理においてプロセッサ1は、ここで読み込んだ交換用データを処理の対象とする。そこで以降において単に「交換用データ」と記す場合には、ここでメインメモリ2に読み込んだ交換用データを指すこととする。このようにプロセッサ1は、交換用データを取得する。かくしてエージェントプログラムP2に基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
【0048】
ACT22としてプロセッサ1は、条件データベースD1に含まれるデータレコードDR1のうちの利用者に関連付けられたデータレコードDR1を、メインメモリ2の電子レシートエージェント処理用のワークエリアに読み込む。プロセッサ1は例えば、条件データベースD1に含まれるデータレコードDR1のうちから、フィールドF11にセットされている利用者コードが補助記憶ユニット3に記憶されている利用者コードと一致するデータレコードDR1を見つけ出す。つまり、POS端末101においてプロセッサ1は、A社の利用者コードD2がフィールドF11にセットされているデータレコードDR1を見つけ出す。またPOS端末102においてプロセッサ1は、B社の利用者コードD3がフィールドF11にセットされているデータレコードDR1を見つけ出す。そしてプロセッサ1は、該当するデータレコードDR1を見つけ出せたならば、それをメインメモリ2の電子レシートエージェント処理用のワークエリアに読み込む。なお、以降の処理においてプロセッサ1は、ここで読み込んだデータレコードDR2を参照する。そこで以降において単に「データレコードDR1」と記す場合には、ここでメインメモリ2に読み込んだデータレコードDR1を指すこととする。
【0049】
図9はPOS端末101のプロセッサ1がACT22にて読み込むデータレコードDR1の一例を示す図である。
図9は、POS端末101の利用者であるA社の利用者コードが「0001」である場合の例である。POS端末101が発行する紙レシートRE1においては、「ケ」が税マークであり、1つの商品に関する商品情報に含まれる文字列のうちの1番目に配置されている。このためフィールドF12には「ケ」の文字コードである「8350」がセットされ、フィールドF13には「1」がセットされている。またPOS端末101で販売処理した取引に関する電子レシートにおいては、基準カラーとして「黒」が、また特別カラーとして「青」が、それぞれ設定されている例であり、フィールドF14,F15には各色の色コードである「#000000」及び「#0000ff」がそれぞれセットされている。
【0050】
図10はPOS端末102のプロセッサ1がACT22にて読み込むデータレコードDR1の一例を示す図である。POS端末102が発行する紙レシートRE2においては、「軽」が税マークであり、1つの商品に関する商品情報に含まれる文字列のうちの4番目に配置されている。このためフィールドF12には「軽」の文字コードである「8C79」がセットされ、フィールドF13には「4」がセットされている。またPOS端末102で販売処理した取引に関する電子レシートにおいては、基準カラーとして「黒」が、また特別カラーとして「緑」が、それぞれ設定されている例であり、フィールドF14,F15には各色の色コードである「#000000」及び「#008000」がそれぞれセットされている。
【0051】
ACT23としてプロセッサ1は、交換用データ及びデータレコードDR1に基づいて、電子レシート画像のうちの商品リストよりも前の部分についての画像を表すデータとして画像データを生成する。なおプロセッサ1は、ここで生成する画像データが表すレシート画像に表される文字列については、データレコードDR1のフィールドF14にセットされたカラーコードに応じた表示色を適用する。つまり上記の具体例の場合には、POS端末101及びPOS端末102のいずれにおいても、該当の文字列の表示色は「黒」とされる。
【0052】
ACT24としてプロセッサ1は、交換用データに含まれる商品データを1つ抽出する。
ACT25としてプロセッサ1は、上記の抽出した商品データに税マークが有るか否かを確認する。プロセッサ1は例えば、上記の抽出した商品データのうちのデータレコードDR1のフィールドF13にセットされた位置データが表す位置に、データレコードDR1のフィールドF12にセットされたマークコードの文字が配置されていないならば、税マークが無いと判定する。そしてプロセッサ1は、税マークが無いならばNOと判定して、ACT26へと進む。
ACT26としてプロセッサ1は、ACT24で抽出した商品データに含まれる文字列を、基準カラーで表すように画像データを更新する。
【0053】
一方でプロセッサ1は、上記の位置に上記のマークコードの文字が配置されているならば、税マークが有るとしてACT25にてYESと判定し、ACT27へと進む。
ACT27としてプロセッサ1は、ACT24で抽出した商品データに含まれる文字列を、特別カラーで表すように画像データを更新する。
【0054】
プロセッサ1は、ACT26又はACT27にて画像データを更新したならば、ACT28へと進む。
ACT28としてプロセッサ1は、交換用データの中に、ACT24にてまだ抽出していない商品データが有るか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、未抽出の商品データが有るならばYESと判定し、ACT24以降を前述と同様に繰り返す。ただしプロセッサ1は、ACT24においては、ACT24~ACT28の処理をループする中でまだ抽出していない商品データを抽出する。
【0055】
かくしてプロセッサ1は、交換用データに含まれる商品データのそれぞれに含まれる文字列を、税マークの有無に応じて基準カラー又は特別カラーで表すように画像データを順次に更新してゆく。これによりプロセッサ1は、各商品に関する文字列の表示色を、関連付けられた税マークの有無に応じて異ならせた画像を表すものとして画像データを生成する。かくしてエージェントプログラムP2に基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。そしてプロセッサ1は、全ての商品データを抽出し終えた上でACT28へと進んだならば、NOと判定してACT29へと進む。
【0056】
ACT29としてプロセッサ1は、交換用データ及びデータレコードDR1に基づいて、電子レシート画像のうちの商品リストよりも後ろの部分についての画像を追加するように画像データを更新する。なおプロセッサ1は、ここで追加する画像に含まれる文字列については基準カラーを適用する。
【0057】
ACT30としてプロセッサ1は、ACT29で更新された後の画像データと、交換用データに含まれた会員コードとを含んだデータとして電子レシートデータを生成する。なおプロセッサ1は、画像データ及び会員コード以外の任意のデータを電子レシートデータに含めてもよい。
【0058】
ACT31としてプロセッサ1は、電子レシートデータをレシートサーバ103に送信する。プロセッサ1は例えば、電子レシートデータを、レシートサーバ103に宛てて、通信インタフェース9から通信ネットワーク200へと送出する。そしてプロセッサ1は、これをもって電子レシートエージェント処理を終了する。
【0059】
電子レシートデータが、通信ネットワーク200によりレシートサーバ103へと伝送されると、レシートサーバ103は、当該電子レシートデータを含むように電子レシートデータベースを更新する。そしてレシートサーバ103は、図示しないユーザ端末から通信ネットワーク200を介して電子レシート画像の表示が要求されたならば、電子レシートデータに含まれる電子レシート画像の表示をユーザ端末に指示する。これによりユーザ端末がカラー表示器を有しているならば、電子レシート画像中の商品リストは、標準税率及び軽減税率のいずれが適用されたかに応じて、文字列の表示色が異ならせられる。これにより電子レシート画像の閲覧者は、表示色の違いにより各商品に適用された税率を容易に判断可能である。
【0060】
またPOS端末101,102によれば、条件データベースD1にて利用者に関連付けられたデータレコードDR1に記述された条件に基づいて、税マークが商品データに含まれるか否かを判定する。これにより、図5及び図7に示すように、税マークとして用いる文字と、交換データにおける税マークの配置位置とが利用者毎で異なっていても、税マークの有無を確実に判定できる。
【0061】
またPOS端末101,102によれば、条件データベースD1にて利用者に関連付けられたデータレコードDR1に記述された条件に基づいて、基準カラー及び特別カラーとして用いるカラーを決定する。これにより、標準税率及び軽減税率のいずれが適用されたかに応じた色分けを、利用者毎にカスタマイズできる。
【0062】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0063】
軽減税率が適用された商品に関する商品データに含まれた文字列のうちの一部のみに特別カラーを適用してもよい。例えば、商品名を表す文字列のみに特別カラーを適用してもよい。
【0064】
交換用データにおいては、標準税率が適用された商品に関する商品データに税マークが含まれていてもよい。
【0065】
税マークは、星印などのようなマークであってもよい。
【0066】
標準税率が適用された商品に関する商品データに含まれる文字列に特別カラーを適用し、軽減税率が適用された商品に関する商品データに含まれる文字列には基準カラーを適用してもよい。
【0067】
基準カラーは、全ての利用者に共通としてもよい。
【0068】
電子レシートエージェント処理は、レシートサーバ103で実行されてもよい。この場合には、レシートサーバ103がレシート画像生成装置としての機能を備えることになる。また電子レシートエージェント処理は、POS端末101,102及びレシートサーバ103とは別の装置で実行されてもよい。この場合、電子レシートエージェント処理を実行することを主たる機能とする独立したレシート画像生成装置として実現することもできるし、POSサーバなどの電子レシートエージェント処理を実行すること以外に主たる機能を備えた装置に、レシート画像生成装置としての機能を兼ね備えることもできる。なお、POS端末とは別の装置で電子レシートエージェント処理を実行する場合は、例えば通信ネットワーク200を介した通信によってPOS端末から交換用データを取得すればよい。
【0069】
情報処理によりプロセッサ1が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…プロセッサ、2…メインメモリ、3…補助記憶ユニット、4…時計部、5…入力デバイス、6…表示デバイス、7…バーコードリーダ、8…プリンタ、9…通信インタフェース、10…伝送路、101…POS端末、102…POS端末、103…レシートサーバ、200…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ軽減税率及び標準税率のいずれかが適用される商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データから一取引の対象となった商品のそれぞれに関するデータを抽出する抽出手段と
前記抽出手段により1つの商品に関して抽出されたデータに含まれる文字列を、前記抽出手段により抽出されたデータに前記マークが含まれるかに基づいて、標準税率用及び軽減税率用でそれぞれ異なるように定められた表示色で表したレシート画像に関する画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを含んだ電子レシートデータを送信する送信手段と、
を具備したレシート画像生成装置と、
前記送信手段により送信された電子レシートデータを含むように電子レシートデータベースを更新する更新手段、
を備えるレシートサーバと、
を具備する電子レシートシステム
【請求項2】
前記生成手段は、前記レシート画像において、前記抽出手段により1つの商品に関して抽出されたデータに含まれた商品名、数量、単価、金額及び税マークのうちの少なくともいずれか1つの表示色を、標準税率用又は軽減税率用の表示色とする
請求項1に記載の電子レシートシステム
【請求項3】
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出されたデータに応じた文字列を表すレシート画像内のエリアの前後の少なくともいずれか一方のエリアに表すべき文字列に関して前記交換用データに含まれたデータに基づく文字列を、前記標準税率用の表示色で表したレシート画像に関する画像データを生成する、
請求項1又は請求項2に記載の電子レシートシステム
【請求項4】
レシート画像生成装置とレシートサーバとからなる電子レシートシステムが
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ軽減税率及び標準税率のいずれかが適用される商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データをから一取引の対象となった商品のそれぞれに関するデータを抽出し、
1つの商品に関して抽出されたデータに含まれる文字列を、抽出されたデータに前記マークが含まれるかに基づいて、標準税率用及び軽減税率用でそれぞれ異なるように定められた表示色で表したレシート画像に関する画像データを生成
生成された画像データを含んだ電子レシートデータを送信し、
送信された電子レシートデータを含むように電子レシートデータベースを更新する、
電子レシート処理方法。
【請求項5】
画像データの生成にて、1つの商品に関して抽出されたデータに含まれた商品名、数量、単価、金額及び税マークのうちの少なくともいずれか1つの表示色を、標準税率用又は軽減税率用の表示色とさせる、
請求項4に記載の電子レシート処理方法。
【請求項6】
画像データの生成にて、抽出されたデータに応じた文字列を表すレシート画像内のエリアの前後の少なくともいずれか一方のエリアに表すべき文字列に関して前記交換用データに含まれたデータに基づく文字列を、前記標準税率用の表示色で表す、
請求項4又は請求項5に記載の電子レシート処理方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシートシステム及び電子レシート処理方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、取引の対象となった商品のそれぞれについてどの税率が適用されたのかを容易に確認することを可能とする電子レシートシステム及び電子レシート処理方法を提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
実施形態の電子レシートシステムは、抽出手段生成手段及び送信手段を備えるレシート画像生成装置と更新手段を備えるレシートサーバとを含む抽出手段は、商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ軽減税率及び標準税率のいずれかが適用される商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データから一取引の対象となった商品のそれぞれに関するデータを抽出する抽出する。生成手段は、抽出手段により1つの商品に関して抽出されたデータに含まれる文字列を、抽出手段により抽出されたデータにマークが含まれるかに基づいて、標準税率用及び軽減税率用でそれぞれ異なるように定められた表示色で表したレシート画像に関する画像データを生成する。送信手段は、生成手段により生成された画像データを含んだ電子レシートデータを送信する。更新手段は、送信手段により送信された電子レシートデータを含むように電子レシートデータベースを更新する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する取得手段と
前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する生成手段と、
を具備したレシート画像生成装置。
[付記2] 前記文字列に含まれ得る文字又は記号のうちの予め定められた1つを前記マークとして用い、
前記生成手段は、前記レシート画像を、前記交換用データに含まれた前記マークと、当該マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列の少なくとも1つとを同一行に表した画像とする、
付記1に記載のレシート画像生成装置。
[付記3] 前記マークを含む位置及び含んでいる前記マークのうちの少なくとも一方が異なる複数種の前記交換用データのそれぞれに関連付けられ、当該関連付けられた前記交換用データにおいてマークを含む位置及び含んでいる前記マークのうちの少なくとも一方を表したデータレコードを記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記取得手段は、複数種の前記交換用データのうちの予め定められた1種を取得し、
前記生成手段は、前記取得手段が取得する前記交換用データに関連付けられた前記データレコードに基づいて前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれるマークを検出する、
付記1又は付記2に記載のレシート画像生成装置。
[付記4] レシート画像生成装置に備えられるコンピュータを、
商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得する取得手段と
前記取得手段により取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する生成手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
[付記5] 商品名を表す文字列の文字列データ及び取引金額を表す文字列の文字列データを少なくとも含む複数の文字列データを、一取引の対象となった商品のそれぞれに関して含み、かつ所定の消費税率が適用される前記商品に関連付けて予め定められたマークを含む交換用データを取得し、
取得された前記交換用データに含まれた前記文字列データが表す文字列のそれぞれを表示し、さらに前記交換用データに含まれた前記マークが関連付けられた前記商品に関する複数の文字列のうちの少なくとも1つの文字列の表示色を他の文字列の表示色とは異ならせたレシート画像に関する画像データを生成する、
レシート画像生成方法。