(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144784
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】決済装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
G07G1/12 361E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024133723
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2022197159の分割
【原出願日】2013-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 利昭
(57)【要約】
【課題】店舗が、顧客に対して適正なサービスを提供することができる決済装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態の決済装置は、顧客の決済に使用する携帯可能な記憶媒体に記憶された情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記情報のうち複数の前記情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記複数の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行するサービス提供手段と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の決済に使用する携帯可能な記憶媒体に記憶された情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記情報のうち複数の前記情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記複数の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行するサービス提供手段と、
を備えた決済装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記取得した複数の前記情報に前記記憶媒体に記憶されていない情報も加えて、決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記判断手段が、前記顧客の誕生年月情報と前記顧客が携帯する記憶媒体の種類の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合に、前記サービス提供手段は、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行する、
請求項1または2に記載の決済装置。
【請求項4】
前記サービス提供手段は、前記顧客へのサービスの提供処理として、前記顧客が商品を購入した購入金額に対して割引き処理または値引き処理を実行する、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の決済装置。
【請求項5】
前記サービス提供手段は、前記判断手段が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合であっても、前記サービスの提供を禁止する他の条件を満たしている場合は前記サービスの提供処理を実行しない、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の決済装置。
【請求項6】
コンピュータに、
顧客の決済に使用する携帯可能な記憶媒体に記憶された情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記情報のうち複数の前記情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記複数の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行するサービス提供手段と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、百貨店、コンビニエンスストア等の店舗は、顧客の集客のため、顧客が携帯するクレジットカードで決済をした顧客のうち一定の条件を満たした顧客に対して、通常の顧客へのサービスとは異なる特定のサービスを提供していることがある。例えば、顧客が65歳以上であって、当該顧客が、特定の曜日に店舗独自のハウスカードで買い物をしたという条件を満たした場合、店舗は、当該顧客に対して割引きや値引きをすることがある。
【0003】
しかしながら、従来は、店舗の店員が、サービスを提供する条件を満たしたか否かを判断していた。このため、店員の判断ミスや勘違い等が発生することがあり、店舗は、適正なサービスの提供が行えていない、と言う問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗が、顧客に対して適正なサービスを提供することができる決済装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の決済装置は、顧客の決済に使用する携帯可能な記憶媒体に記憶された情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記情報のうち複数の前記情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記複数の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行するサービス提供手段と、を備える。
【0006】
実施形態のプログラムは、コンピュータに、顧客の決済に使用する携帯可能な記憶媒体に記憶された情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記情報のうち複数の前記情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記複数の情報が前記サービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、前記顧客に対して前記サービスの提供処理を実行するサービス提供手段と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の決済装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、決済装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、決済装置のメモリの一部を示すメモリマップである。
【
図4】
図4は、決済装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、決済装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、決済装置のクレジットカードでの決済制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、カード読み取りを促す表示の表示部の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、割引きの確認を表示する表示部の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、割引きの確定後の表示部の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、クレジット決済処理の実行後の表示部の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、多重決済エラーを表示する表示部の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、2重割引きを禁止するエラーを表示する表示部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。実施形態は、決済装置として、POS端末を適用したものである。
【0009】
図1は、実施形態のPOS端末1の外観を示す斜視図である。POS端末1は、本体部2と金銭収納部3とを備えている。本体部2は、電源部や回路基盤(いずれも図示せず)を内蔵している。本体部2は、操作部4、店員用表示部5、顧客用表示部6、印字部7、カードリーダ8、タッチパネル10を備えている。また、本体部2は、商品に貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ9を備えている。金銭収納部3は、ドロワを備え、顧客から受け取った金銭や釣銭準備金を収納する。
【0010】
操作部4は、小計キー41、クレジット宣言キー42(いずれも
図2を参照)の他、数字を置数する置数キーおよび種々のファンクションキー等を備えたキーボードである。
【0011】
店員用表示部5は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。店員用表示部5は、店員に向けて設置されている。店員用表示部5は、文字や画像を表示する。店員用表示部5の表面には、透明のタッチパネル10が設けられている。店員が、店員用表示部5に表示されるキー部分のタッチパネル10をタッチ操作することで、店員は、店員用表示部5に表示されたキーを操作することができる。
【0012】
顧客用表示部6は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。顧客用表示部6は、顧客に向けて設置されている。顧客用表示部6は、文字や画像を表示する。
【0013】
印字部7は、サーマルヘッドや、ロール状のレシート用紙を収納する収納部や、搬送部(いずれも図示せず)等を備えている。搬送部が、レシート用紙の一端部を収納部から引き出して搬送し、サーマルヘッドが、搬送されたレシート用紙に商品に関する商品情報や決済情報等を印字する。POS端末1は、印字部7で印字したレシート用紙をさらに搬送してレシートやクレジット売上票を発行する。商品情報とは、商品名称、商品価格等であり、決済情報とは、合計金額、割引き額、釣銭額、クレジット情報等である。クレジット情報とは、クレジット会社名、取引金額、会員番号、カードの有効期限、取引日等である。なお、以降クレジットカードを単にカードと省略して説明する。
【0014】
カードリーダ8は、カードを手前に引く操作をする操作部と、操作したカードからカード情報を磁気的に読み取る読取部(いずれも図示せず)を備えている。バーコードリーダ9は、商品に付されたバーコードを読み取り、POS端末に商品コードを入力する。
【0015】
図2は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末1は、各部を制御するための制御部100を備えている。制御部100は、
図2に示すように、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)21に、アドレスバス、データバス等のバスライン26を介して、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23を接続して構成されている。また、制御部100には、コントローラ27がバスライン26を介して接続されている。制御部100は、CPU21が、メモリ部24に記憶されRAM23に展開された制御プログラム241に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
【0016】
メモリ部24は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disk Drive)あるいは不揮発性メモリであって、制御プログラム241を含むプログラム等を備える。RAM23は、操作部4から入力された情報や、メモリ部24から読み出したラベルに印字するラベル情報を一時的に記憶する。RAM23は、
図3に示すように、商品情報記憶部231、決済種類記憶部232、割引き金額記憶部233、クレジット情報記憶部234を備える。
【0017】
また、制御部100は、バスライン26を介してタイマー25と接続している。タイマー25は、水晶発信機を備えており、現在の日時を計時する。
【0018】
また、コントローラ27は、金銭収納部3、操作部4、店員用表示部5、顧客用表示部6、印字部7、カードリーダ8、バーコードリーダ9、タッチパネル10と接続されている。コントローラ27は、制御部100からの指令に基づいて各種制御を実行する。操作部4は、小計キー41とクレジット宣言キー42をはじめ、置数キーや各種のファンクションキー等を備える。小計キー41は、商品情報の入力を終了して、決済処理を実行するためのキーである。クレジット宣言キー42は、クレジット決済の実行を宣言するためのキーである。
【0019】
また、バスライン26は、LAN(Local Area Network)I/F(Interface)28と接続されている。LANI/F28は、LAN回線29を介して他のPOS端末1や上位サーバ(いずれも図示せず)等に接続されている。
【0020】
図3は、RAM23に構成された商品情報記憶部231、決済種類記憶部232、割引き金額記憶部233、クレジット情報記憶部234を示すメモリマップである。商品情報記憶部231は、バーコードリーダ9から入力された商品コードに対応した商品情報を、メモリ部24に記憶された商品マスタ(図示せず)から読み出して記憶する。決済種類記憶部232は、当該取引において、処理された決済の種類を記憶する。決済の種類として、現金決済、クレジット決済、商品券決済、等がある。割引き金額記憶部233は、当該取引において、割引きや値引き(以降、「割引きや値引き」をまとめて、「割引き」という)の処理をした金額を記憶する。割引きとして、クーポンを使用した場合のクーポン割引き、特定商品を値割引く単品割引き、特定会員に対して割引きを行う会員割引き等がある。クレジット情報記憶部234は、カードを操作した場合に、カードに記憶されている情報を記憶する。
【0021】
次に、
図4~
図13を用いて、実施形態のPOS端末1の制御について説明する。
図4は、POS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。POS端末1は、制御部100がメモリ部24に記憶された制御プログラム241等のプログラムに従い動作することで、取得手段101、判断手段102、サービス提供手段103、出力手段104を実現する。
【0022】
取得手段101は、顧客の決済に使用する携帯可能なカードに記憶された情報を取得する機能を有する。
【0023】
判断手段102は、取得手段101が取得した前記情報のうち複数の情報が決済時にサービスを提供をするための条件を満たしているか否かを判断する機能を有する。
【0024】
サービス提供手段103は、判断手段102が複数の情報がサービスを提供するための条件を満たしていると判断した場合、顧客に対して前記サービスの提供処理を実行する機能を有する。
【0025】
出力手段104は、サービス提供手段103が提供処理をしたサービスの情報を出力(例えば、表示や印字)する機能を有する。
【0026】
図5は、POS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5において、制御部100は、商品コードがバーコードリーダ9から入力されたか否かを判断する(ステップS11)。入力されたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部100は、メモリ部24の商品マスタから、入力された商品コードに対応した商品情報を読み出して、店員用表示部5と顧客用表示部6に表示する(ステップS12)。そして制御部100は、読み出した商品情報を商品情報記憶部231に記憶する(ステップS13)。そして制御部100は、ステップS11に戻り、次の商品コードの入力を待つ。
【0027】
一方、商品コードの入力ではないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部100は、小計キー41が操作されたか否かを判断する(ステップS21)。小計キー41が操作されたのではないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部100は、ステップS11に戻って待機する。小計キー41が操作されたと判断した場合は(ステップS21のYes)、制御部100は、商品情報記憶部231に記憶されている商品情報に基づいて、合計金額や決済金額等の決済情報を生成する決済情報生成処理を実行する(ステップS22)。そして、制御部100は、決済情報生成処理の中で、店員によってクレジット宣言キー42が操作されたか否かを判断する(ステップS23)。
【0028】
クレジット宣言キー42が操作されたと判断した場合は(ステップS23のYes)、制御部100は、
図6に示すカードでのクレジット決済処理を実行する(ステップS24)。一方、クレジット宣言キー42が操作されていないと判断した場合は(ステップS23のNo)、制御部100は、クレジット決済処理以外の決済処理を実行する(ステップS25)。そして決済処理した決済の種類を決済種類記憶部232に記憶する(ステップS26)。
【0029】
そして制御部100は、当該決済の際に、割引き処理を実行したか否かを判断する(ステップS27)。割引き処理を実行したと判断した場合は(ステップS27のYes)、制御部100は、実行した割引き金額を、割引き情報として割引き金額記憶部233に記憶する(ステップS28)。そして制御部100は、決済処理が終了したか否かを判断する(ステップS29)。
【0030】
ステップS29における決済終了か否かの判断は、ステップS22で生成した決済金額のうち、未決済金額があるか否かで判断する。制御部100は、未決済金額が「0円」の場合は、決済が終了したと判断し、未決済金額が「0円」でない場合は、決済は終了していないと判断する。決済処理が終了したと判断した場合は(ステップS29のYes)、制御部100は、そのまま処理を終了する。決済処理が終了していないと判断した場合は(ステップS29のNo)、制御部100は、ステップS23に戻って待機する。なお、割引き処理を実行していないと判断した場合は(ステップS27のNo)、制御部100は、ステップS28を実行せずにステップS29を判断する。
【0031】
次に、
図6を用いて、ステップS24のクレジット決済処理の流れを示す。
図5のステップS23でクレジット宣言キー42が操作されると、制御部100は、店員用表示部5にカードの操作を促すメッセージを表示する(ステップS41)。
【0032】
図7は、制御部100が、ステップS41で表示したメッセージを、店員用表示部5に表示した図である。
図7において、制御部100は、エリア51に、商品を購入した合計金額(1500円)を表示する。また制御部100は、エリア52に、ステップS28で割引き金額記憶部233に記憶させた割引き金額を表示する。
図7の例では、割引き金額は0円である。また制御部100は、店員に対して、カードをカードリーダ8に挿入して操作することを促すポップアップ53を表示する。当該表示を見た店員は、顧客からカードを受け取ってカードリーダ8に挿入して手前に引く操作を行う。
【0033】
図6の説明に戻る。制御部100は、店員によるカードの操作があったか否かを判断する(ステップS42)。制御部100は、操作があるまで待機し(ステップS42のNo)、操作があったと判断した場合は(ステップS42のYes)、制御部100(取得手段101)は、カードリーダ8内に設けられた図示しない読取部によって、操作されたカードに記憶されたクレジット情報を磁気的に読み取る(ステップS43)。そして制御部100は、読み取ったクレジット情報を、RAM23のクレジット情報記憶部234に記憶する(ステップS44)。
【0034】
なお、クレジット情報記憶部234は、特定のクレジット会社の情報、特定の種類のカードの情報、所定年齢以上の情報を記憶している。これらの情報は、クレジット処理に必要な情報であり、本来サービスを提供するための情報ではない。
【0035】
次に制御部100は、クレジット情報記憶部234に記憶したクレジット情報のうちのカードの有効期限の情報から、当該カードが有効なカードであるか否かを判断する(ステップS45)。カードが有効ではないと判断した場合は(ステップS45のNo)、制御部100はそのまま処理を終了する。また、カードが有効であると判断した場合は(ステップS45のYes)、制御部100は、上記記憶したクレジット情報から、当該カードが割引きの対象となる特定のクレジット会社のカードか否かを判断する(ステップS46)。特定のクレジット会社のカードであると判断した場合は(ステップS46のYes)、制御部100(判断手段102)は、上記記憶したクレジット情報から、当該カードが、割引きの対象となる特定の種類のカードか否かを判断する(ステップS47)。実施形態では、店舗が発行したハウスカードを特定の種類のカードとしている。なお、特定の種類のカードとして、他の一般的なカードと区別できるカードであれば、どのような種類のカードを特定のカードとしてもよい。
【0036】
制御部100が特定の種類のカードであると判断した場合は(ステップS47のYes)、次に制御部100は、上記記憶したクレジット情報の、顧客の生年月情報と、タイマー25が計時する現在の日時情報から、顧客の年齢を算出する(ステップS48)。
【0037】
そして制御部100(判断手段102)は、顧客の年齢が、割引きの対象となる所定年齢以上であるか否かを判断する(ステップS49)。実施形態では、一例として、65歳以上を所定年齢としている。制御部100が顧客の年齢が所定年齢以上であると判断した場合は(ステップS49のYes)、次に制御部100は、タイマー25の計時する現在の日時情報から、今日が、割引を実施する特定曜日であるか否かを判断する(ステップS50)。実施形態では、一例として日曜日を特定曜日としている。なお、ステップS50の判断は、特定曜日であるかの判断に代えて、割引を実施する特定日にちであるか否かの判断としてもよい。また、特定曜日や特定日にちは、複数の曜日や日にちとしてもよい。
【0038】
今日が特定曜日であると判断した場合(ステップS50のYes)、次に制御部100は、当該顧客に対する決済において、すでにクレジット決済以外の決済処理が行われているか否かを判断する(ステップS51)。実施形態では、商品購入の合計金額から割引きをするため、商品購入の合計金額に対してクレジット決済処理が行われることを、割引き処理が実行される条件としている。そのため、他の決済が存在することは、実施形態において、割引きを禁止する条件としている。したがって、ステップS51の判断を実行する。制御部100は、ステップS51の判断を、決済種類記憶部232に他の決済の種類情報が記憶されているか否かで判断する。決済種類記憶部232に他の決済の種類情報が記憶されている場合は、制御部100は、割引きを禁止する条件を満たしていると判断する。
【0039】
クレジット決済以外の決済処理が行われていないと判断した場合は(ステップS51のNo)、次に制御部100は、他の割引き処理がすでに実行されているか否かを判断する(ステップS52)。すでに他の割引き処理が実行されている場合、加えて当該割引きを実行すると2重割引きとなり、店舗の負担が増大する。そのため、実施形態では、2重の割引き処理を禁止することとし、制御部100はステップS52の判断を実行している。制御部100は、ステップS52の判断を、割引き金額記憶部233に他の割引き情報が記憶されているか否かで判断する。割引き金額記憶部233に他の割引き情報が記憶されている場合、制御部100は、割引きを禁止する条件を満たしていると判断する。
【0040】
他の割引き処理は実行されていないと判断した場合は(ステップS52のNo)、制御部100は、当該クレジットによる決済について、割引きを実行する条件を満足したとして、割引き金額を算出する(ステップS53)。割引き金額は、上記商品購入の合計金額に対して一定の料率(実施形態では5%)を乗算して算出する。制御部100は、合計金額1500円に対して料率5%を乗算して、割引き金額75円を算出する。そして制御部100は、算出した割引き金額を店員用表示部5にポップアップを表示する(ステップS54)。また同様の表示を顧客用表示部6にも表示する。
【0041】
図8は、店員用表示部5に表示された割引き金額の一例である。
図8において、制御部100は、エリア63に商品購入の合計金額(1500円)を表示する。また制御部100は、クレジット会社と年齢情報と上記算出された割引き金額(75円)を表示したポップアップ61を表示する。顧客は、顧客用表示部6に表示された割引き金額を見て確認する。店員は、ポップアップ61を見て表示事項を確認する。そして店員は、表示に従って確定キー62を操作する。具体的には、店員用表示部5に表示された確定キー62の位置に対応したタッチパネル10をタッチする。
【0042】
制御部100は、確定キー62が操作されたか否かを判断する(ステップS55)。操作されるまで待機し(ステップS55のNo)、操作されたと判断した場合は(ステップS55のYes)、制御部100(サービス提供手段103)は、確定させた割引き金額に基づいて、特定割引きの条件を満たしたとして、特定割引き処理を実行し(ステップS56)、割引き後の合計金額を算出する。そして制御部100は、割引き金額を確定させた表示画面を、店員用表示部5と顧客用表示部6に表示する(ステップS57)。
【0043】
図9は、店員用表示部5に表示された、特定割引き処理を実行した表示画面の一例である。制御部100は、エリア71に、確定させた割引き金額(75円)を表示する。また制御部100は、エリア72に、商品購入の合計金額(1500円)から割引き金額(75円)を減算した合計金額(1425円)を表示する。また、制御部100は、特定割引き処理後の合計金額(1425円)を顧客用表示部6に表示する。
【0044】
次に制御部100は、クレジット決済処理を実行する(ステップS58)。
図10は、クレジット決済処理を実行した後の店員用表示部5の表示の一例である。
図10において、制御部100は、商品購入の合計金額(1500円)を、エリア81に表示する。また制御部100は、算出した割引き金額(75円)を、エリア82に表示する。また制御部100は、合計金額(1425円)に基づいてクレジット決済処理したクレジット決済処理金額(1425円)を、エリア83に表示する。
【0045】
クレジット決済処理した後、制御部100(出力手段104)は、当該取引事項を印字したクレジット売上票を印字部7で印字して発行する(ステップS59)。
図11に、発行されたクレジット売上票91の一例を示す。
図11において、クレジット売上票91には、対象商品の合計金額92、割引き金額93、割引き後の合計金額94、クレジット会社名や会員情報等のクレジット情報95、クレジット決済処理金額96等が印字されている。
【0046】
一方、ステップS51において、クレジット決済以外の決済処理が行われていると判断した場合は(ステップS51のYes)、制御部100は、多重決済を禁止するエラーメッセージを、店員用表示部5と顧客用表示部6に表示する(ステップS63)。
図12は、店員用表示部5に表示されたエラーメッセージの一例である。
図12において、エリア111には、対象商品の合計金額(1500円)が表示されている。またエリア112には、クレジット決済処理を実行する金額(1000円)が表示されている。また、クレジット決済が不可であるポップアップ113が表示されている。
図12の例では、すでに500円(1500円-1000円)は他の決済処理がされていることから、制御部100は、本件は多重決済であると判断してクレジットでの決済が不可であるポップアップ113を表示する。そして制御部100は、ステップS58の処理を実行する。
【0047】
また、ステップS52において、他の割引き処理が実行されていると判断した場合は(ステップS52のYes)、制御部100は、2重割引きとなるためこれを禁止するエラーメッセージを、店員用表示部5と顧客用表示部6に表示する(ステップS61)。
図13は、店員用表示部5に表示されたエラーメッセージの一例である。
図13において、エリア121には、割引き金額(150円)が表示されている。またエリア122には、クレジット決済処理を実行する金額(1350円)が表示されている。また、2重割引きが不可であるポップアップ123が表示されている。
図13の例では、すでに150円の割引き処理が実行されていることを示しており、制御部100は、更なる割引き処理を禁止するポップアップ123を表示する。
【0048】
そして制御部100は、すでに実行されている他の割引き処理を取り消す操作がされたか否かを判断する(ステップS62)。取り消す操作がされていないと判断した場合は(ステップS62のNo)、制御部100は、ステップS58の処理を実行する。また、取り消す操作がされたと判断した場合は(ステップS62のYes)、制御部100は、すでに実行されている割引きを取り消す取消処理を実行する(ステップS64)。そして、制御部100は、ステップS23に戻って、クレジット決済処理を初めから実行する。
【0049】
なお、制御部100が、特定のクレジット会社のカードではないと判断した場合(ステップS46のNo)と、特定の種類のカードではないと判断した場合(ステップS47のNo)と、顧客の年齢が所定年齢以上ではないと判断した場合(ステップS49のNo)と、今日が、割引を実施する特定曜日ではないと判断した場合(ステップS50のNo)は、特定割引きを実行する条件を満たさないため、割引き処理を実行せずにステップS58に進む。
【0050】
以上説明したように、実施形態は、カードに記憶され、カードから取得した情報のうち複数の情報が、サービスを提供する条件を満たしている場合、当該顧客に対して特定割引きを実行するため、店員の判断に頼ることなく、顧客に対して適正なサービスを確実に提供することができる。
【0051】
また、実施形態によれば、店員が、サービス提供の条件を満たしているか否かを判断しなくてもよい。
【0052】
また、実施形態によれば、カードに記憶された生年月から顧客の年齢を算出して、この年齢が所定年齢以上であるか否かをサービス提供の条件としているため、所定年齢以上の顧客に対してサービスを提供することができる。
【0053】
また、実施形態によれば、カードの種類をサービス提供の条件としているため、同じクレジット会社のカードであっても特定のカード(例えばハウスカード)を携帯している顧客に対してサービスを提供することができる。
【0054】
また、実施形態によれば、クレジット決済以外の他の決済処理が実行された場合は、制御部100は、割引き処理を実行しないため、商品購入したすべての合計金額を対象として、割引き処理を実行することができる。
【0055】
また、実施形態によれば、他の割引き処理が実行されている場合、制御部100は、割引き処理を実行しないため、2重割引きを防止することができる。したがって、店舗の負担を低減することができる。
【0056】
また、実施形態によれば、制御部100は、割引きした情報を店員用表示部5および顧客用表示部6に表示し、またはクレジット売上票に印字するので、店員や顧客は、割引き金額を確認することができる。
【0057】
また、実施形態によれば、制御部100は、カードに記憶された生年月とカードの種類とから、サービスを提供する条件を満たしているか否かを判断する。したがって、制御部100は、外部の装置から情報を取得することなく条件を満たしているか否かを判断することができる。
【0058】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0059】
例えば、実施形態では、顧客の年齢、カードの種類をカード割引きの条件としたが、カードに記憶された情報であれば、これ以外を条件としてもよい。
【0060】
また、実施形態では、記憶媒体としてクレジットカードを用いたが、ICカードや、RFID(Radio Frequency Identification)や携帯端末等のカード以外の記憶媒体であってもよい。
【0061】
また、実施形態では、顧客の生年月から年齢を算出したが、顧客の生年月日から年齢を算出してもよい。
【0062】
また、実施形態では、所定年齢以上をサービス提供の一つの条件としたが、所定年齢以下、あるいは一定の範囲内の年齢を一つの条件としてもよい。
【0063】
また、実施形態は、商品の合計金額を割引くサービスを提供したが、景品の提供やポイントの付与等他のサービスを提供してもよい。
【0064】
また、実施形態は、他の決済処理が実行されている場合はサービスを提供しないようにしたが、他の決済処理が実行されている場合に、クレジット決済にかかる金額に対してサービスを提供するようにしてもよい。
【0065】
また、実施形態は、決済装置をPOS端末1としたが、決済処理を実行する情報処理装置であればよい。
【0066】
実施形態の決済装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0067】
また、実施形態の決済装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態の決済装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0068】
また、実施形態の決済装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 POS端末
100 制御部
101 取得手段
102 判断手段
103 サービス提供手段
104 出力手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】