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特開2024-144821車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム
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  • 特開-車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム 図1A
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  • 特開-車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム 図5D
  • 特開-車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム 図6
  • 特開-車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144821
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20241004BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20241004BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G07B15/00 510
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056956
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 裕之
(72)【発明者】
【氏名】光永 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】西田 友佐
(72)【発明者】
【氏名】井田 充洋
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 宗男
(72)【発明者】
【氏名】中島 一広
(72)【発明者】
【氏名】松浦 秀治
(72)【発明者】
【氏名】前田 利博
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏
【テーマコード(参考)】
2F129
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB22
2F129DD13
2F129DD21
2F129DD39
2F129DD42
2F129DD51
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE64
2F129EE75
2F129EE78
2F129EE89
2F129EE90
2F129FF09
2F129FF10
2F129FF54
2F129FF60
2F129FF62
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH33
3E127AA16
3E127CA13
3E127DA21
3E127DA41
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3E127FB06
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE10
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】ETC車載器が未設置、またはETCカードが未挿入の車両であっても、交通の流れを妨げることなく、なおかつ、通行料金の徴収を確実に行うことができる車載装置、通行料金支払方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション制御装置(車載装置)は、ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンの通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、サポートレーンへの進入を案内するレーン案内処理部(走行レーン案内部)を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、
ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンの通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内部を備える、
車載装置。
【請求項2】
前記車載装置は、前記ETC車載器と互いに連携して動作するものであって、
前記ETC車載器が接続されていないか、または前記ETC車載器に使用可能なETCカードが挿入されていないことを条件として、前記車両が前記ETC専用料金所に接近した場合に、前記走行レーン案内部は、前記サポートレーンへの進入を案内する、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記車載装置は、前記ETC車載器と互いに独立して動作するものであって、
前記車載装置が記憶した、前記車両の過去の走行履歴に基づいて、当該車両がETCを利用していると判定されないことを条件として、前記車両が前記ETC専用料金所に接近した場合に、前記走行レーン案内部は、前記サポートレーンへの進入を案内する、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンの通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内プロセスを備えた、
走行レーン案内方法。
【請求項5】
ETCに係る情報処理を行う車載装置が備えるコンピュータを、
ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンの通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内部として機能させる、
プログラム。
【請求項6】
ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、
ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンを通行した際に、少なくとも、前記サポートレーンへの進入を案内した日時と、前記ETC専用料金所の通過によって発生した通行料金と、を記憶するサポートレーン使用履歴記憶部と、
前記サポートレーン使用履歴記憶部が記憶した情報に基づいて、前記通行料金の支払いを促す情報を提示する支払案内部と、を備える、
車載装置。
【請求項7】
前記車載装置は、前記ETC車載器と互いに連携して動作するものであって、
前記ETC車載器が接続されていないか、または前記ETC車載器に使用可能なETCカードが挿入されていないことを条件として、前記車両が前記ETC専用料金所に接近した場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内部を、更に備える、
請求項6に記載の車載装置。
【請求項8】
前記車載装置は、前記ETC車載器と互いに独立して動作するものであって、
少なくとも前記車両のETCレーンの通過履歴を記憶するETCレーン通過履歴記憶部と、
当該ETCレーン通過履歴記憶部がETCレーンの通過履歴を記憶していることを条件として、前記車両が前記ETC専用料金所に接近した場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内部と、を更に備える、
請求項6に記載の車載装置。
【請求項9】
前記支払案内部は、
前記通行料金の支払いが完了したことを示す情報が入力されたことを条件として、支払いが完了した通行料金の支払いを促す案内を中止する、
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項10】
ETCが使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、前記サポートレーンを通行した際に、当該サポートレーンの位置を特定する情報と、前記サポートレーンを通行した日時と、前記サポートレーンの通過を特定する識別情報と、前記ETC専用料金所の通過によって発生した通行料金と、を記憶するサポートレーン使用履歴記憶プロセスと、
前記サポートレーン使用履歴記憶プロセスが記憶した情報に基づいて、前記通行料金の支払いを促す情報を提示する支払案内プロセスと、を備える
通行料金支払案内方法。
【請求項11】
ETCに係る情報処理を行う車載装置が備えるコンピュータを、
ETCが使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンを通行した際に、前記サポートレーンの位置を特定する情報と、当該サポートレーンを通行した日時と、前記サポートレーンの通過を特定する識別情報と、前記ETC専用料金所の通過によって発生した通行料金と、を記憶するサポートレーン使用履歴記憶部と、
前記サポートレーン使用履歴記憶部が記憶した情報に基づいて、前記通行料金の支払いを促す情報を提示する支払案内部と、して機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路を走行する際に、車載器と料金所に設置されたアンテナとの間で無線通信を行うことによって、通行料金の支払いを行うETCシステム(Electronic Toll Collection System)が実用化されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5459803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ETC車載器が未設置またはETCカードが未挿入の場合に、車両を、ETCレーンを避けて、一般レーンに誘導することが開示されている。しかし、近年運用が開始され始め、将来は全国的な導入が計画されているETC専用料金所では、係員が常駐していないため、ETC車載器が未設置またはETCカードが未挿入の車両に対して、適切なレーンに誘導して通行料金の後払いが確実に行われるようにする必要がある。
【0005】
本開示は、ETC車載器が未接続、またはETCカードが未挿入の車両であっても、交通の流れを妨げることなく、なおかつ、通行料金の徴収を確実に行うことができる車載装置、走行レーン案内方法、通行料金支払案内方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車載装置は、ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンの通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、前記サポートレーンへの進入を案内する走行レーン案内部を備える。
【0007】
また、本開示に係る車載装置は、ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、ETC車載器が使えない状態の車両が通行するサポートレーンを備えたETC専用料金所において、当該サポートレーンを通行した際に、少なくとも、前記サポートレーンへの進入を案内した日時と、前記ETC専用料金所の通過によって発生した通行料金と、を記憶するサポートレーン使用履歴記憶部と、前記サポートレーン使用履歴記憶部が記憶した情報に基づいて、前記通行料金の支払いを促す情報を提示する支払案内部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る車載装置によれば、車載装置が未接続、またはETCカードが未挿入の車両であっても、交通の流れを妨げることなく、なおかつ、後払いによる通行料金の徴収を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、ETC専用料金所の概略構成の一例を示す第1の図である。
図1B図1Bは、ETC専用料金所の概略構成の一例を示す第2の図である。
図2図2は、第1の実施形態の通行料金収受システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置がサポートレーンの通過を案内する案内情報の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第1の図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第2の図である。
図4C図4Cは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第3の図である。
図4D図4Dは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第4の図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第1の図である。
図5B図5Bは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第2の図である。
図5C図5Cは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第3の図である。
図5D図5Dは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第4の図である。
図6図6は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が行うサポートレーン案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が行う後払い料金案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態の通行料金収受システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図9図9は、第2の実施形態のナビゲーション制御装置が行うサポートレーン案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ETC専用料金所の概略構成)
本開示の実施形態を説明する前に、図1A図1Bを用いて、ETC専用料金所の代表的な構成を説明する。図1Aは、ETC専用料金所の概略構成の一例を示す第1の図である。図1Bは、ETC専用料金所の概略構成の一例を示す第2の図である。
【0011】
ETC専用料金所は、国土交通省が開発を進めているキャッシュレス化・タッチレス化を目指した料金所である。ETC専用料金所においては、ETC車載器を搭載していない車両(以下、非ETC車両と呼ぶ)は原則的に通行できない。しかし、誤ってETC専用料金所に進入した非ETC車両への対応方策として、サポートレーンと呼ばれる非ETC車両の専用レーンを設置して、誤ってETC専用料金所に進入した非ETC車両は、サポートレーンに誘導して、通行料金を後日払いとする方策が検討されている。
【0012】
ETC専用料金所の具体的な形態として、複数の案が論議されている。図1Aに示すETC専用料金所1aは、その一例である。ETC専用料金所1aは、サポートレーン2と、ETCレーン3とを備える。サポートレーン2は、誤ってETC専用料金所1aに進入した非ETC車両20を誘導するレーンである。ETCレーン3は、使用可能な状態のETC車載器を搭載した車両を通過させるレーンである。
【0013】
ETCレーン3を通過した車両のETC車載器は、図1Aの不図示のアンテナとの間で無線通信を行うことによって、通行料金の収受を行う。このとき、ETC車載器からアンテナに対して、例えば、現在日時と、ETCカードの所有者を特定する情報と、車両を特定する情報と、料金の引き落とし先を特定する情報とが送信される。一方、アンテナからETC車載器に対して、例えば、現在日時と、ETC専用料金所1aを特定する情報と、通行料金と、通行料金の収受が完了したことを示す情報とが送信される。車両の乗員は、ETC車載器に記憶されたこれらの情報を読み出すことによって、過去の通行料金の支払履歴を確認することができる。
【0014】
サポートレーン2とETCレーン3には、それぞれ開閉式のゲートバー4が設置されている。
【0015】
ETCレーン3のゲートバー4は、通行料金の収受が完了したことを条件として開かれる。これにより、ETCレーン3に進入した車両は、ETC専用料金所1aを通過することができる。
【0016】
サポートレーン2には、非ETC車両20の運転者の近傍に、インターフォン7と、免許証確認用カメラ8aと、チラシラック9とが設置されている。
【0017】
インターフォン7は、非ETC車両20の運転者とETC専用料金所1aの係員とが会話を行うための装置である。なお、係員は、ETC専用料金所1aに常駐する必要はなく、インターフォン7で通話可能な地点にいればよい。
【0018】
免許証確認用カメラ8aは、非ETC車両20の運転者の運転免許証を撮像するカメラである。免許証確認用カメラ8aは、係員のスイッチ操作で画像を撮像する。即ち、係員は、非ETC車両20の運転者が、自身の運転免許証を免許証確認用カメラ8aに提示したことを確認した際に、運転免許証を撮像して、撮像された画像を記憶させる。
【0019】
チラシラック9は、通行料金の後日払いの案内書をストックしたラックである。係員は、非ETC車両20の運転者に対して、チラシラック9の中からチラシを取るように指示して、チラシの記載内容に従って、所定の期間内(例えば1か月以内)に通行料金を納付する旨を指示する。その際、料金を支払う際には、運転者の免許証番号を記載する旨を依頼する。運転者の免許証番号は、免許証確認用カメラ8aで撮像されているため、免許証番号を特定することによって、どの車両の通行料金であるかが一意に特定される。
【0020】
後日払いの案内が終了すると、係員はゲートバー4を開く操作を行う。非ETC車両20の運転者は、ゲートバー4が開いたのを確認して、ETC専用料金所1aを通過する。
【0021】
図1Bに示すETC専用料金所1bは、付帯設備の内容が、ETC専用料金所1aとは異なっている。
【0022】
ETC専用料金所1bは、ETC専用料金所1aと同様に、サポートレーン2とETCレーン3とを備える。サポートレーン2とETCレーン3には、ETC専用料金所1aと同様にゲートバー4が設置されている。
【0023】
また、サポートレーン2とETCレーン3には、車両の前方側に、少なくとも車両の前部ナンバープレートを撮像する前方監視カメラ5が設置されている。また、車両の後方側に、少なくとも車両の後部ナンバープレートを撮像する後方監視カメラ6が設置されている。
【0024】
前方監視カメラ5と後方監視カメラ6は、例えば画像の連続撮影を行う、サポートレーン2およびETCレーン3を通過した車両のナンバープレートを記録する。
【0025】
ETCレーン3を通過した車両は、ETC専用料金所1aと同様の通信を行うことによって、通行料金の収受を行う。
【0026】
サポートレーン2には、非ETC車両20の運転者の近傍に、インターフォン7と、インターフォン応対用カメラ8bと、チラシラック9とが設置されている。
【0027】
インターフォン7は、前述した通りである。
【0028】
インターフォン応対用カメラ8bは、係員と対話を行う際に、非ETC車両20の運転者を映し出すことによって、会話を円滑に進めるための撮影装置である。そのため、インターフォン応対用カメラ8bは、運転者の運転免許証を撮像する機能は備えていない。
【0029】
チラシラック9は、前述した通りである。
【0030】
非ETC車両20がサポートレーン2に進入すると、前方監視カメラ5と後方監視カメラ6とが、非ETC車両20のナンバープレートを撮像する。撮像された非ETC車両20のナンバープレートの画像は記憶される。
【0031】
係員は、非ETC車両20の運転者に対して、チラシラック9の中からチラシを取るように指示して、チラシの記載内容に従って、所定の期間内(例えば1か月以内)に通行料金を納付する旨を指示する。
【0032】
その際、料金を支払う際には、車両の登録番号を記載する旨を依頼する。車両の登録番号は、前方監視カメラ5と後方監視カメラ6とで撮像されているため、車両の登録番号を特定することによって、どの車両の通行料金であるかが一意に特定される。
【0033】
なお、図1A図1Bに示す構成はETC専用料金所の一例であって、この構成に限定されるものではない。例えば、チラシラックの代わりに発券機を設置して、読み取った免許証番号、車両の登録番号、通行料金の支払いを一意に特定する識別番号等が印字されたカードを発券して運転者に渡してもよい。
【0034】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る通行料金収受システムの第1の実施形態について説明する。
【0035】
(通行料金収受システムの機能構成)
本実施形態の通行料金収受システム10aは、ETC専用料金所1aやETC専用料金所1bにおいて通行料金の支払いが発生する場面であって、当該ETC専用料金所1a,1bに非ETC車両20が進入する場合に、特に効果を発揮するものである。
【0036】
まず、図2を用いて、通行料金収受システム10aの機能構成を説明する。図2は、第1の実施形態の通行料金収受システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0037】
通行料金収受システム10aは、ETC専用料金所1a,1bにおいて、使用可能な状態のETC車載器を搭載した車両はETCレーン3に誘導した上で料金収受を行い、非ETC車両20に対しては、サポートレーン2に誘導した上で、通行料金の後日払いを行う旨の指示を与える。
【0038】
通行料金収受システム10aは、ナビゲーション制御装置11と、ETC車載器19と、各種の周辺機器とを備える。
【0039】
ナビゲーション制御装置11は、当該ナビゲーション制御装置11が搭載された車両の経路誘導等を行う、いわゆるカーナビゲーション装置として機能する。また、ナビゲーション制御装置11とETC車載器19とは、協働することによって、ETC専用料金所1a,1bにおけるレーン案内や通行料金の収受、および通行料金を後日払いする際の支払案内等を行う。なお、ナビゲーション制御装置11は、本開示における車載器の一例である。
【0040】
ナビゲーション制御装置11は、いずれも不図示のCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と記憶部とを備える、コンピュータの構成を有する。
【0041】
CPUは、ナビゲーション制御装置11が有する各種機能を実現する制御部である。RAMは、CPUに実行させる制御プログラムが展開される主記憶領域である。ROMは、ナビゲーション制御装置11が制御プログラムを実行する際に参照する各種データや各種テーブルを記憶する。なお、ナビゲーション制御装置11は、その一部または全てがハードウェアで実現されてもよい。
【0042】
ナビゲーション制御装置11は、記憶部が備える制御プログラムをRAMに展開して、CPUに実行させることによって、図2に示す、車両状態検出部111と、ETC車載器接続判定部112と、自車位置特定部113と、レーン案内処理部114と、ETC通信情報取得部115と、案内時刻・料金特定部116と、案内時刻・料金記憶部117と、料金案内部118とを機能部位として実現する。各部位が有する機能について、詳しくは後述する。
【0043】
ETC車載器19は、料金所に設置されたアンテナとの間で無線通信を行うことによって、通行料金の収受を行う。通行料金収受システム10aにおけるETC車載器19は、以下の4種類の状態のいずれかの状態にある。第1の状態は、ETC車載器19が非搭載または未接続の状態である。第2の状態は、ETC車載器19が搭載、かつナビゲーション制御装置11に接続されており、更に有効期限内のETCカードが挿入されている状態である。第3の状態は、ETC車載器19が搭載かつナビゲーション制御装置11に接続されており、更に有効期限切れのETCカード挿入されている状態である。第4の状態は、ETC車載器19が搭載かつナビゲーション制御装置11に接続されており、更にETCカードが未挿入の状態である。
【0044】
ナビゲーション制御装置11には、図2に示す各種周辺機器、例えば、ロケータ12、イグニッションスイッチ13、地図データベース14、ディスプレイ15、操作部16、スピーカ17、通信モジュール18等が接続されている。
【0045】
ロケータ12は、ナビゲーション制御装置11が搭載された車両の現在位置を検出してナビゲーション制御装置11に出力する。ロケータ12は、GPS(Global Positioning System)受信機、車速センサ、ステアリングセンサ、ジャイロセンサ等(いずれも図示省略)を備え、これらからの信号に基づいて、所定の時間間隔で、車両の位置を算出する。
【0046】
イグニッションスイッチ13は、車両のエンジンを動作させるためのスイッチである。なお、ナビゲーション制御装置11が搭載された車両が電動車である場合、パワースイッチが、イグニッションスイッチ13に対応する。
【0047】
地図データベース14は、管理データ、道路データ、背景データ等の、現在位置から目的地までの経路を探索するのに必要なデータが記録されている。管理データには、地図を所定サイズのメッシュに分割した際に、当該メッシュを一意に特定するメッシュコード、使用基図、地磁気偏角、区画辺の実距離等のデータが含まれている。道路データには、料金所種別データ、サポートレーン誘導データ、有料道路区間の料金データ、料金所レーンリンクデータ等が含まれている。なお、地図データベース14は、車両に搭載されていてもよいし、外部のサーバ装置に格納されていてもよい。地図データベース14が外部のサーバ装置に格納されている場合、ナビゲーション制御装置11は、通信モジュール18を介して、地図データを取得する。
【0048】
ディスプレイ15は、液晶モニタや有機ELモニタ等の表示装置である。ディスプレイ15には、自車位置周辺の地図、レーン案内、通行料金、後払い料金・期限切れ警告等が表示される。
【0049】
操作部16は、各種の操作スイッチから構成されており、目的地の入力や探索条件の選択等を行う際に操作される。なお、ディスプレイ15と操作部16とを一体化したタッチパネルによって、ディスプレイ15と操作部16とを構成してもよい。また、操作部16は、音声入力装置と音声認識装置とにより構成してもよく、目的地の入力や探索条件の選択等を、操作者の発話によって行わせてもよい。
【0050】
スピーカ17は、サポートレーン2への進入を案内する音声ガイダンスの出力や、通行料金や後払い料金の案内、後払い料金の期限切れ警告等を案内する音声ガイダンスの出力を行う。また、スピーカ17は、走行中に経路案内を行う際に、経路を指示する音声ガイダンスを出力する。
【0051】
通信モジュール18は、通信機能を備える車載機器であり、携帯電話を介して、又は携帯電話を介することなく、地図データベース14が格納された外部サーバや交通情報センタと通信可能に接続されている。この通信モジュール18は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークに接続されており、ナビゲーション制御装置11は、外部サーバ等から送信された地図データや気象情報、交通情報センタから送信された交通情報等を受信する。
【0052】
次に、ナビゲーション制御装置11が有する各機能部位の内容を説明する。
【0053】
車両状態検出部111は、車両が走行可能な状態にあることを検出する。具体的には、車両状態検出部111は、イグニッションスイッチ13がオフからオンに変化したことを検出することによって、車両が走行可能な状態にあると判定する。
【0054】
ETC車載器接続判定部112は、ETC車載器19がナビゲーション制御装置11と接続状態にあり、かつ有効期限内のETCカードを挿入されているかを判定する。また、ETC車載器接続判定部112は、条件を満たさない場合、接続状態が無効であると判定する。
【0055】
自車位置特定部113は、ロケータ12で算出した自車両の位置を、地図データベース14に記録されたデータを用いて補正するマップマッチング処理を実行し、補正した自車両の位置を出力する。
【0056】
レーン案内処理部114は、ETCが使えない状態の車両が通行するサポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、当該サポートレーン2の通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、サポートレーン2への進入を案内する。具体的には、レーン案内処理部114は、ディスプレイ15に、後述するレーン案内情報50(図3参照)を表示することによって、サポートレーン2への進入を案内する。また、レーン案内処理部114は、スピーカ17から音声ガイダンスを出力することによって、サポートレーン2への進入を案内してもよい。なお、レーン案内処理部114は、本開示における走行レーン案内部の一例である。
【0057】
より具体的には、レーン案内処理部114は、地図データベース14に含まれる料金所種別データに基づいて、自車が通過予定の料金所の種別を特定する。そして、通過予定の料金所がETC専用料金所1a,1bであり、かつETC車載器19の接続状態が無効である場合、地図データベース14に含まれる通過予定料金所のサポートレーン誘導データ(案内図、及び案内音声)を読み出し、ETC専用料金所1a,1bの一定距離手前に到達したタイミングで、レーン案内情報50(図3参照)をディスプレイ15に表示し、案内音声をスピーカ17より出力する。
【0058】
ETC通信情報取得部115は、ETC車載器19が出力した、ETC専用料金所1a,1bのアンテナとの通信内容を取得する。具体的には、ETC通信情報取得部115は、少なくとも、ETC専用料金所1a,1bのアンテナと通信を行った日時と、通行料金とを取得する。
【0059】
案内時刻・料金特定部116は、レーン案内処理部114でサポートレーン2の誘導案内が行われた場合、誘導案内を実行した日時と、事前のルート探索処理により地図データベース14内の料金データから取得した有料道路走行区間の料金と、を特定する。
【0060】
案内時刻・料金記憶部117は、サポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、サポートレーン2を通行した際に、少なくとも、サポートレーン2への進入を案内した日時と、ETC専用料金所1a,1bの通過によって発生した通行料金と、を記憶する。より具体的には、案内時刻・料金記憶部117は、案内時刻・料金特定部116が特定した、案内日時と有料道路走行区間の料金とを、ナビゲーション制御装置11の記憶部に記憶する。なお、案内時刻・料金記憶部117は、本開示におけるサポートレーン使用履歴記憶部の一例である。
【0061】
料金案内部118は、案内時刻・料金記憶部117が記憶した情報に基づいて、通行料金の支払いを促す情報を提示する。なお、料金案内部118は、本開示における支払案内部の一例である。また、料金案内部118は、車両がETCレーン3を通過した場合に、決済を行った通行料金を案内する。
【0062】
より具体的には、料金案内部118は、案内時刻・料金記憶部117に1件以上のデータが記憶されている場合に、後払い料金の案内を行う。後払い料金を案内する際は、記憶された案内日時から後払い料金支払い期限を算出し(例えば、案内日時の1カ月後)、現在日時が後払い料金支払い期限内である場合には、後払い料金と支払い期限とを、ディスプレイ15に表示して、更にスピーカ17からの音声出力により案内する。一方、現在日時が後払い料金支払い期限後である場合には、後払い料金と支払期限切れの警告を、ディスプレイ15に表示して、更にスピーカ17からの音声出力により案内する。
【0063】
(非ETC車両に対する走行レーンの案内方法)
図3を用いて、非ETC車両20に対する走行レーンの案内方法を説明する。図3は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置がサポートレーンの通過を案内する案内情報の一例を示す図である。
【0064】
ETC車載器接続判定部112が、ナビゲーション制御装置11が搭載された車両が、ETC専用料金所1a,1bにおいて、料金収受を行うことができないと判定した場合に、レーン案内処理部114は、車両がETC専用料金所1a,1bから所定距離(例えば500m)手前に到達した際に、サポートレーン2に進入するように、運転者に案内情報を提示する。
【0065】
サポートレーン2への進入を促す案内情報は、ディスプレイ15に画像や文字を表示するのに加えて、スピーカ17から音声ガイダンスを出力することによって提示されるのが望ましい。
【0066】
図3は、レーン案内処理部114が、ディスプレイ15に表示させるレーン案内情報50の一例を示す。
【0067】
レーン案内情報50は、ディスプレイ15に表示された自車位置周辺の地図表示の一部に重畳して表示される。
【0068】
レーン案内情報50は、ETC専用料金所1a,1bの通過レーンの構成を模式化したコマ図の中に、レーン種別情報51と、サポートレーン2への進入をガイドする矢印52とが描画された形態を有する。なお、ETC専用料金所1a,1bの通過レーンの構成を模式化したコマ図は、前述した地図データベース14に記憶されている。
【0069】
なお、図示はしないが、ETC車載器19が使用可能な状態で接続されている場合は、ナビゲーション制御装置11は、ETCレーン3を案内するレーン案内情報を表示する。
【0070】
(後払い料金の支払案内方法)
図4Aを用いて、通行料金収受システム10aを備えた非ETC車両20の乗員に対して行う、後払い料金の支払いに係る情報提供方法を説明する。図4Aは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第1の図である。
【0071】
後払い料金の支払いが必要な場合、ナビゲーション制御装置11の料金案内部118は、例えば、車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになる度(即ち、車両のエンジンが始動する度)に、ディスプレイ15とスピーカ17から、後払い料金の支払いを案内する情報を提示する。なお、情報提示のタイミングは、イグニッションスイッチ13がOFFからONになるタイミングに限定されるものではない。情報提示は、例えば、2日に1回等の所定の時間間隔で行ってもよい。
【0072】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図4Aに示す後払い料金案内画面60aを表示する。後払い料金案内画面60aには、料金情報61と、支払済ボタン62とが表示される。
【0073】
料金情報61は、少なくとも、通行料金が発生した区間と、後払い料金と、支払期限とを含む。また、料金情報61は、更に、通行料金が発生した日時を含んでもよい。
【0074】
支払済ボタン62は、料金情報61に係る通行料金を支払済であることを指示する操作子である。車両の乗員は、料金情報61に係る通行料金を支払済である場合に、支払済ボタン62を押下する。料金案内部118は、支払済ボタン62の押下が検出されると、料金情報61を削除する。以降、イグニッションスイッチ13がOFFからONになっても、削除された料金情報61は案内されない。
【0075】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。期限までにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0076】
後払い料金の支払いに係る情報提供方法は、図4Aの例に限定されるものではない。以下、後払い料金の支払いに係る情報提供方法のバリエーションを説明する。
【0077】
図4Bは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第2の図である。
【0078】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図4Bに示す告知画面60bを表示する。告知画面60bには、告知内容63と、詳細ボタン64とが表示される。
【0079】
告知内容63は、後払い料金が残っていることを示す情報である。
【0080】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。期限までにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0081】
詳細ボタン64は、後払い料金に係る詳細情報の表示を指示する操作子である。車両の乗員は、後払い料金の内容を確認する際に、詳細ボタン64を押下する。料金案内部118は、詳細ボタン64の押下が検出されると、ディスプレイ15に後払い料金案内画面60aを表示する。
【0082】
後払い料金案内画面60aは、前述した通りであるため、説明は省略する。
【0083】
このように、最初に告知画面60bを表示することによって、ドライバは、自身のタイミングで料金情報61を確認することができる。
【0084】
図4Cは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第3の図である。
【0085】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図4Cに示す後払い料金案内画面60cを表示してもよい。特に、後払い料金案内画面60cは、複数の後払い料金が残っている場合の表示形態の一例である。
【0086】
後払い料金案内画面60cには、料金情報65と、告知内容66とが表示される。
【0087】
料金情報65は、少なくとも、通行料金が発生した区間と、後払い料金と、支払期限と、料金の精算状態とを含む。特に、料金情報65は、表形式で案内されるため、複数の後払い料金が残っている場合に見易い案内形態である。また、料金情報65は、更に、通行料金が発生した日時を含んでもよい。なお、料金の精算状態の欄には、「未払い」の表示がなされるとともに、済みボタン67が表示される。
【0088】
済みボタン67は、前述した支払済ボタン62と同じ機能を有する。即ち、済みボタン67は、料金情報65に係る通行料金を支払済であることを指示する操作子である。車両の乗員は、料金情報65の該当する行に係る通行料金を支払済である場合に、当該行の済みボタン67を押下する。なお、料金案内部118は、済みボタン67の押下が検出されると、後払い料金案内画面において当該料金情報65を削除する。そして、以降、イグニッションスイッチ13がOFFからONになっても、削除された料金情報65は案内されない。
【0089】
告知内容66は、後払い料金が残っていることを示す情報である。
【0090】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。期限までにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0091】
図4Dは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払案内の一例を示す第4の図である。
【0092】
図4Dに示す案内例は、料金案内部118が、ディスプレイ15に告知画面60bを表示した後、詳細ボタン64の押下を検出した際に、後払い料金案内画面60cを表示する例である。即ち、図4Dの案内例は、前述した告知画面60b(図4B参照)と後払い料金案内画面60c(図4C参照)とを組み合わせた例である。告知画面60bと後払い料金案内画面60cについては、いずれも前述したため、再度の説明は省略する。
【0093】
図4Dに示す案内を行うことによって、ドライバは、自身のタイミングで料金情報65を確認することができる。
【0094】
なお、料金案内部118は、車両がETCレーン3を通過した場合は、決済を行った通行料金を案内する。通行料金の案内形態は、周知のカーナビゲーションシステムとETC車載器とが接続されたシステムで一般的に行われているものと同様であるため、具体的な案内形態の説明は省略する。
【0095】
また、ETC専用料金所1a,1bのサポートレーン2を使用した際に、後払いを一意に特定する識別番号が発行される場合には、当該識別番号をナビゲーション制御装置11に記憶しておき、後払いが完了したことを、通信モジュール18経由で取得することによって、未払情報を削除するようにしてもよい。
【0096】
(後払い料金の支払期限切れ案内方法)
図5Aを用いて、通行料金収受システム10aを備えた非ETC車両20の乗員に対して行う、後払い料金の支払期限切れの案内方法を説明する。図5Aは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第1の図である。
【0097】
後払い料金の支払期限が切れている場合、ナビゲーション制御装置11の料金案内部118は、例えば、車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになる度(即ち、車両のエンジンが始動する度)に、ディスプレイ15とスピーカ17から、後払い料金の支払期限が切れていることを警告する情報を提示する。なお、期限切れ警告の提示タイミングは、イグニッションスイッチ13がOFFからONになるタイミングに限定されるものではない。期限切れ警告は、例えば、1日に1回等の所定の時間間隔で行ってもよい。特に、後払い料金の中に期限切れの料金がある場合には、支払期限が切れていない後払い料金の案内頻度よりも高い頻度で案内を行うのが望ましい。
【0098】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図5Aに示す支払期限切れ警告画面60dを表示する。支払期限切れ警告画面60dには、料金情報68と、支払済ボタン62とが表示される。
【0099】
料金情報68は、少なくとも、通行料金が発生した区間と、後払い料金と、支払期限と、支払期限を過ぎていることを示す情報とを含む。また、料金情報68は、更に、通行料金が発生した日時を含んでもよい。
【0100】
支払済ボタン62は、料金情報68に係る通行料金を支払済であることを指示する操作子である。車両の乗員は、料金情報68に係る通行料金を支払済である場合に、支払済ボタン62を押下する。料金案内部118は、支払済ボタン62の押下が検出されると、料金情報68を削除する。以降、イグニッションスイッチ13がOFFからONになっても、削除された料金情報68は案内されない。
【0101】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。支払い期限が切れていますので、お早めにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0102】
後払い料金の支払期限切れに係る情報提供方法は、図5Aの例に限定されるものではない。以下、後払い料金の支払期限切れに係る情報提供方法のバリエーションを説明する。
【0103】
図5Bは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第2の図である。
【0104】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図5Bに示す告知画面60bを表示する。告知画面60bには、告知内容63と、詳細ボタン64とが表示される。
【0105】
告知内容63は、後払い料金が残っていることを示す情報である。
【0106】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。支払い期限が切れていますので、お早めにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0107】
詳細ボタン64は、後払い料金に係る詳細情報の表示を指示する操作子である。車両の乗員は、後払い料金の内容を確認する際に、詳細ボタン64を押下する。料金案内部118は、詳細ボタン64の押下が検出されると、ディスプレイ15に支払期限切れ警告画面60dを表示する。
【0108】
支払期限切れ警告画面60dは、前述した通りであるため、説明は省略する。
【0109】
このように、最初に告知画面60bを表示することによって、ドライバは、自身のタイミングで料金情報68を確認することができる。
【0110】
図5Cは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第3の図である。
【0111】
料金案内部118は、ディスプレイ15に、例えば、図5Cに示す後払い料金案内画面60eを表示してもよい。特に、後払い料金案内画面60eは、複数の後払い料金が残っている場合の表示形態の一例である。
【0112】
後払い料金案内画面60eには、料金情報65と、告知内容70とが表示される。
【0113】
料金情報65は、少なくとも、通行料金が発生した区間と、後払い料金と、支払期限と、料金の精算状態とを含む。特に、料金情報65は、表形式で案内されるため、複数の後払い料金が残っている場合に見易い案内形態である。また、料金情報65は、更に、通行料金が発生した日時を含んでもよい。なお、料金の精算状態の欄には、「未払い」の表示がなされるとともに、済みボタン67が表示される。また、料金情報65のうち、支払期限が切れている料金の行には、期限切れマーカ69が付与される。
【0114】
済みボタン67は、前述した支払済ボタン62と同じ機能を有する。即ち、済みボタン67は、料金情報65に係る通行料金を支払済であることを指示する操作子である。車両の乗員は、料金情報65の該当する行に係る通行料金を支払済である場合に、当該行の済みボタン67を押下する。料金案内部118は、済みボタン67の押下が検出されると、料金情報65を削除する。以降、イグニッションスイッチ13がOFFからONになっても、削除された料金情報65は案内されない。
【0115】
告知内容70は、後払い料金が残っていることと、支払期限切れの料金があることとを示す情報である。
【0116】
また、このとき、スピーカ17は、例えば、「後払い料金の支払いが残っています。支払い期限切れの料金がありますので、お早めにお支払いください。」等の音声メッセージを出力する。
【0117】
図5Dは、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が表示させる後払い料金の支払期限切れ警告案内の一例を示す第4の図である。
【0118】
図5Dに示す案内例は、料金案内部118が、ディスプレイ15に告知画面60bを表示した後、詳細ボタン64の押下を検出した際に、後払い料金案内画面60eを表示する例である。即ち、図5Dの案内例は、前述した告知画面60b(図5B参照)と後払い料金案内画面60e(図5C参照)とを組み合わせた例である。告知画面60bと後払い料金案内画面60eについては、いずれも前述したため、再度の説明は省略する。
【0119】
図5Dに示す案内を行うことによって、ドライバは、自身のタイミングで料金情報65を確認することができる。
【0120】
(レーン案内処理の流れ)
図6を用いて、ナビゲーション制御装置11が行うサポートレーン案内処理の流れを説明する。図6は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が行うサポートレーン案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0121】
自車位置特定部113は、マップマッチングを行うことによって、自車位置を特定する(ステップS11)。
【0122】
自車位置特定部113は、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあるかを判定する(ステップS12)。車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定される(ステップS12:Yes)とステップS13に進む。一方、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定されない(ステップS13:No)と、ナビゲーション制御装置11は、サポートレーン案内処理を終了する。なお、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあることは、自車位置特定部113が、車両の現在位置と進行方向とに基づいて地図データベース14から取得した、進行方向前方に存在する料金所種別データによって判定される。
【0123】
ステップS12において、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定されると、ETC車載器接続判定部112は、車両にETC車載器19が接続されているかを判定する(ステップS13)。車両にETC車載器19が接続されていると判定される(ステップS13:Yes)とステップS14に進む。一方、車両にETC車載器19が接続されていると判定されない(ステップS13:No)とステップS15に進む。
【0124】
ステップS13において、車両にETC車載器19が接続されていると判定されると、ETC車載器接続判定部112は、更に、ETC車載器19に有効なETCカードが挿入されているかを判定する(ステップS14)。ETC車載器19に有効なETCカードが挿入されていると判定される(ステップS14:Yes)とステップS18に進む。一方、ETC車載器19に有効なETCカードが挿入されていると判定されない(ステップS14:No)とステップS15に進む。
【0125】
ステップS14において、ETC車載器19に有効なETCカードが挿入されていると判定されると、ETC通信情報取得部115は、ETC車載器19から通行料金の決済内容を取得する(ステップS18)。その後、ステップS19に進む。ステップS18において、例えば、ETC通信情報取得部115は、料金所のアンテナから電波を受信するのを待って、通行料金の決済内容を取得する。なお、ステップS18において、所定時間内にETC車載器19から通行料金の決済内容を取得できない場合に、後払い料金を特定して記憶し、後述するステップS19において、後払い料金を案内するようにしてもよい。このように通行料金の決済内容を取得できない場合であっても後払い料金を特定・案内することで、例えば、ETCカードが挿入されている状態において、ドライバが誤ってサポートレーン2に進入したときや、ETC車載器19と料金所のアンテナとの通信失敗により通行料金の決済が完了しなかったときに、後払い料金を特定・案内することができる。
【0126】
ステップS17またはステップS18に続いて、料金案内部118は、有料道路の通行料金を、車両の乗員に案内する(ステップS19)。具体的には、ステップS17において後払い料金を記憶した場合は、有料道路の通行料金として後払い料金を案内し、ステップS18においてETC車載器19から通行料金の決済内容を取得した場合は、有料料金の通行料金として、決済された通行料金を案内する。ここで、料金案内部118は、ディスプレイ15に通行料金を表示することによって、通行料金の案内を行う。また、料金案内部118は、スピーカ17から音声ガイダンスを出力することによって通行料金の案内を行ってもよい。その後、ナビゲーション制御装置11は、サポートレーン案内処理を終了する。
【0127】
ステップS13に戻り、ステップS13において、車両にETC車載器19が接続されていないと判定された場合、或いは、ステップS14において、ETC車載器19に有効なETCカードが挿入されていると判定されない場合、レーン案内処理部114は、車両をサポートレーン2に誘導案内する(ステップS15)。具体的には、レーン案内処理部114は、ディスプレイ15にレーン案内情報50(図3参照)を表示することによって、サポートレーン2への進入を案内する。
【0128】
続いて、案内時刻・料金特定部116は、案内日時と後払い料金を特定する(ステップS16)。案内時刻・料金特定部116は、サポートレーン2の誘導案内を行った日時を案内日時として特定する。また、案内時刻・料金特定部116は、事前のルート探索処理により地図データベース14内の料金データから取得した有料道路走行区間の料金に基づいて後払い料金を特定する。
【0129】
次に、案内時刻・料金記憶部117は、案内日時と後払い料金を記憶する(ステップS17)。その後、ナビゲーション制御装置11は、サポートレーン案内処理を終了する。
【0130】
(後払い料金案内処理の流れ)
図7を用いて、ナビゲーション制御装置11が行う後払い料金案内処理の流れを説明する。図7は、第1の実施形態のナビゲーション制御装置が行う後払い料金案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0131】
車両状態検出部111は、車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになったかを判定する(ステップS21)。車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになったと判定される(ステップS21:Yes)とステップS22に進む。一方、車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになったと判定されない(ステップS21:No)とステップS21を繰り返す。
【0132】
ステップS21において、車両のイグニッションスイッチ13がOFFからONになったと判定されると、案内時刻・料金記憶部117は、支払い前の後払い料金の登録があるかを判定する(ステップS22)。支払い前の後払い料金の登録があると判定される(ステップS22:Yes)とステップS23に進む。一方、後払い料金の登録があると判定されない(ステップS22:No)と、ナビゲーション制御装置11は、後払い料金案内処理を終了する。
【0133】
ステップS22において、支払い前の後払い料金の登録があると判定されると、料金案内部118は、案内時刻・料金記憶部117が記憶している案内日時からの経過時間が、後払い料金の支払期限内かを判定する(ステップS23)。後払い料金の支払期限内であると判定される(ステップS23:Yes)とステップS24に進む。一方、後払い料金の支払期限内であると判定されない(ステップS23:No)とステップS25に進む。
【0134】
ステップS23において、後払い料金の支払期限内であると判定されると、料金案内部118は、後払い料金と支払期限を案内する(ステップS24)。具体的な案内方法は、前述した通りである(図4Aから図4D参照)。その後、ナビゲーション制御装置11は、後払い料金案内処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS23において、後払い料金の支払期限内であると判定されないと、料金案内部118は、後払い料金の案内と支払期限切れの警告を行う(ステップS25)。具体的な案内方法は、前述した通りである(図5Aから図5D参照)。その後、ナビゲーション制御装置11は、後払い料金案内処理を終了する。
【0136】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第1の実施形態に係るナビゲーション制御装置11(車載装置)は、ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、ETC車載器19が使えない状態の車両が通行するサポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、当該サポートレーン2の通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、サポートレーン2への進入を案内するレーン案内処理部214(走行レーン案内部)を備える。したがって、したがって、ETC車載器19が未接続、またはETCカードが未挿入の車両が、ETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、サポートレーン2に誘導されるため、ETC専用料金所1a,1bにおいて交通の流れを妨げることがない。
【0137】
また、第1の実施形態に係るナビゲーション制御装置11(車載装置)は、ETC車載器19と互いに連携して動作するものであって、ETC車載器19が接続されていないか、またはETC車載器19に使用可能なETCカードが挿入されていないことを条件として、車両がETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、レーン案内処理部214(走行レーン案内部)は、サポートレーン2への進入を案内する。したがって、ETC車載器19が未接続、またはETCカードが未挿入の車両が、ETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、サポートレーン2に誘導されるため、ETC専用料金所1a,1bにおいて交通の流れを妨げることがない。
【0138】
また、第1の実施形態に係るナビゲーション制御装置11は、ETCに係る情報処理を行う車載装置であって、ETC車載器19が使えない状態の車両が通行するサポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、当該サポートレーン2を通行した際に、少なくとも、サポートレーン2への進入を案内した日時と、ETC専用料金所1a,1bの通過によって発生した後払い通行料金と、を記憶する案内時刻・料金記憶部117(サポートレーン使用履歴記憶部)と、案内時刻・料金記憶部117が記憶した情報に基づいて、後払い通行料金の支払いを促す情報を提示する料金案内部118(支払案内部)と、を備える。したがって、ETC車載器が未接続、またはETCカードが未挿入の車両であっても、ETC専用料金所1a,1bにおける交通の流れを妨げることがなく、なおかつ、通行料金の徴収を確実に行うことができる。
【0139】
また、第1の実施形態に係るナビゲーション制御装置11(車載装置)は、ETC車載器19と互いに連携して動作するものであって、ETC車載器19が接続されていないか、またはETC車載器19に使用可能なETCカードが挿入されていないことを条件として、車両が前記ETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、サポートレーン2への進入を案内するレーン案内処理部214(走行レーン案内部)を、更に備える。したがって、ETC車載器19が未接続、またはETCカードが未挿入の車両であっても、ETC専用料金所1a,1bにおいて交通の流れを妨げることがない。
【0140】
また、第1の実施形態に係るナビゲーション制御装置11(車載装置)において、料金案内部118(支払案内部)は、通行料金の支払いが完了したことを示す情報が入力されたことを条件として、支払いが完了した通行料金の支払いを促す案内を中止する。したがって、支払いを完了した通行料金の案内を防止することができる。
【0141】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本開示に係る通行料金収受システムの第2の実施形態について説明する。
【0142】
(通行料金収受システムの機能構成)
本実施形態の通行料金収受システム10bは、ETC専用料金所1aやETC専用料金所1bにおいて通行料金の支払いが発生する場面であって、当該ETC専用料金所1a,1bに非ETC車両20が進入する場合に、特に効果を発揮するものである。
【0143】
まず、図8を用いて、通行料金収受システム10bの機能構成を説明する。図8は、第2の実施形態の通行料金収受システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0144】
通行料金収受システム10bは、ETC専用料金所1a,1bにおいて、いつもETC料金所においてETCレーンを使用している車両は、ETCレーン3に誘導した上で料金収受を行う。また、通行料金収受システム10bは、いつもETC料金所においてETCレーンを使用していない車両は、サポートレーン2に誘導した上で、通行料金の後日払いを行う旨の指示を与える。
【0145】
通行料金収受システム10bは、ナビゲーション制御装置21と、ETC車載器22と、各種の周辺機器とを備える。
【0146】
ナビゲーション制御装置21は、当該ナビゲーション制御装置21が搭載された車両の経路誘導等を行う、いわゆるカーナビゲーション装置として機能する。また、ナビゲーション制御装置21とETC車載器22とは、電気的に接続されておらず、互いに独立して動作する点が、第1の実施形態とは異なる。
【0147】
ナビゲーション制御装置21は、当該ナビゲーション制御装置21が搭載された車両が、いつもETC料金所においてETCレーンを使用していない場合に、車両がETC専用料金所1a,1bに接近した際には、サポートレーン2への進入を案内する。また、ナビゲーション制御装置21は、通行料金を後日払いする際の支払案内を行う。なお、ナビゲーション制御装置21は、本開示における車載器の一例である。
【0148】
ナビゲーション制御装置21は、いずれも不図示のCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と記憶部とを備える、コンピュータの構成を有する。
【0149】
CPUは、ナビゲーション制御装置21が有する各種機能を実現する制御部である。RAMは、CPUに実行させる制御プログラムが展開される主記憶領域である。ROMは、ナビゲーション制御装置21が制御プログラムを実行する際に参照する各種データや各種テーブルを記憶する。なお、ナビゲーション制御装置21は、その一部または全てがハードウェアで実現されてもよい。
【0150】
ナビゲーション制御装置21は、記憶部が備える制御プログラムをRAMに展開して、CPUに実行させることによって、図8に示す、車両状態検出部211と、自車位置特定部212と、ETCレーン通過判定部213と、レーン案内処理部214と、案内時刻・料金特定部215と、ETCレーン通過履歴記憶部216と、案内時刻・料金記憶部217と、後払い料金案内部218とを機能部位として実現する。各部位が有する機能について、詳しくは後述する。
【0151】
ETC車載器22は、第1の実施形態で説明したETC車載器19と同じ機能を備えるが、ETC車載器19とは異なり、ナビゲーション制御装置21とは接続されていない。
【0152】
ETC車載器22には、操作部23と、表示部24と、スピーカ25とが接続されている。操作部23は、ETC車載器22に対する操作指示を受け付ける。操作部23は、例えば物理スイッチである。表示部24は、ETC車載器22の状態等を表示する。表示部24は、例えばインジケータである。スピーカ25は、通行料金やETC車載器22の状態等に係る音声ガイダンスを出力する。
【0153】
また、ナビゲーション制御装置21には、図8に示す各種周辺機器、例えば、ロケータ12、イグニッションスイッチ13、地図データベース14、ディスプレイ15、操作部16、スピーカ17、通信モジュール18等が接続されている。これらの周辺機器の機能は、第1の実施形態で説明した通りであるため、説明は省略する。
【0154】
次に、ナビゲーション制御装置21が有する各機能部位の内容を説明する。
【0155】
車両状態検出部211は、車両が走行可能な状態にあることを検出する。具体的には、車両状態検出部211は、イグニッションスイッチ13がオフからオンに変化したことを検出することによって、車両が走行可能な状態にあると判定する。
【0156】
自車位置特定部212は、ロケータ12で算出した自車両の位置を、地図データベース14に記録されたデータを用いて補正するマップマッチング処理を実行し、補正した自車両の位置を出力する。
【0157】
ETCレーン通過判定部213は、車両の現在位置が地図データベース14の料金所レーンリンク上にあるかを判定し、料金所レーンリンク上にある場合、料金所レーンリンクデータの種別に基づいて、一般/ETC併用料金所の一般レーンまたはETCレーン、ETC専用料金所のETCレーンまたはサポートレーンのいずれを通過しているかを判定する。また、ETCレーン通過判定部213は、車両の前方にETC専用料金所1a,1bがある場合に、後述するETCレーン通過履歴記憶部216に記憶された情報を参照することによって、車両がETCレーンを高い頻度で使用しているかを判定する。
【0158】
レーン案内処理部214は、サポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、当該サポートレーン2の通行を案内するのが望ましいと判定された場合に、サポートレーン2への進入を案内する。具体的には、レーン案内処理部114は、通行料金収受システム10bを搭載した車両がETCレーンの走行履歴を記憶している場合には、当該車両がETC専用料金所1a,1bに接近した際に、ディスプレイ15に、レーン案内情報50(図3参照)を表示することによって、サポートレーン2への進入を案内する。また、レーン案内処理部114は、スピーカ17から音声ガイダンスを出力することによって、サポートレーン2への進入を案内してもよい。なお、レーン案内処理部214は、本開示における走行レーン案内部の一例である。
【0159】
より具体的には、レーン案内処理部214は、地図データベース14に含まれる料金所種別データに基づいて、自車が通過予定の料金所の種別を特定する。そして、通過予定の料金所がETC専用料金所1a,1bであり、かつ、後述するETCレーン通過履歴記憶部216にETCレーンの通過履歴が記憶されている場合、地図データベース14に含まれる通過予定料金所のサポートレーン誘導データ(案内図、及び案内音声)を読み出し、ETC専用料金所1a,1bの一定距離手前に到達したタイミングで、レーン案内情報50(図3参照)をディスプレイ15に表示し、案内音声をスピーカ17より出力する。
【0160】
案内時刻・料金特定部215は、レーン案内処理部214でサポートレーン2の誘導案内が行われた場合、誘導案内を実行した日時と、事前のルート探索処理により地図データベース14内の料金データから取得した有料道路走行区間の料金と、を特定する。
【0161】
ETCレーン通過履歴記憶部216は、ETCレーン通過判定部213の判定結果に応じた情報を記憶する。例えば、ETCレーン通過履歴記憶部216は、ETCレーン通過判定部213が、車両がETCレーンを通過していると判定された場合に、ETCレーン通過履歴記憶部216に、ETCレーンの通過履歴がある旨を記録する。また、ETCレーン通過履歴記憶部216は、ETCレーン通過判定部213が、車両が一般レーンまたはサポートレーンを通過していると判定された場合に、一般レーンまたはサポートレーンの通過履歴がある旨を記憶する。記憶の形態は問わないが、例えば、ETCレーン通過履歴記憶部216は、ETCレーンの使用頻度、一般レーンまたはサポートレーンの使用頻度に応じた情報を記憶する。
【0162】
案内時刻・料金記憶部217は、サポートレーン2を備えたETC専用料金所1a,1bにおいて、サポートレーン2を通行した際に、少なくとも、サポートレーン2への進入を案内した日時と、ETC専用料金所1a,1bの通過によって発生した通行料金と、を記憶する。より具体的には、案内時刻・料金記憶部217は、案内時刻・料金特定部215が特定した、案内日時と有料道路走行区間の料金とを、ナビゲーション制御装置21の記憶部に記憶する。なお、案内時刻・料金記憶部217は、本開示におけるサポートレーン使用履歴記憶部の一例である。
【0163】
後払い料金案内部218は、案内時刻・料金記憶部217が記憶した情報に基づいて、通行料金の支払いを促す情報を提示する。なお、後払い料金案内部218は、本開示における支払案内部の一例である。
【0164】
より具体的には、後払い料金案内部218は、案内時刻・料金記憶部217に1件以上のデータが記憶されている場合に、後払い料金の案内を行う。後払い料金を案内する際は、記憶された案内日時から後払い料金支払い期限を算出し(例えば、案内日時の1カ月後)、現在日時が後払い料金支払い期限内である場合には、後払い料金と支払い期限とを、ディスプレイ15に表示して、更にスピーカ17からの音声出力により案内する。一方、現在日時が後払い料金支払い期限後である場合には、後払い料金と支払期限切れの警告を、ディスプレイ15に表示して、更にスピーカ17からの音声出力により案内する。
【0165】
なお、レーン案内処理部214が出力する、サポートレーン2への誘導案内の方法は、第1の実施形態で説明したのと同じであるため、説明は省略する。
【0166】
また、後払い料金案内部218が出力する、料金案内画面や支払期限切れ警告は、第1の実施形態で説明したのと同じであるため、説明は省略する。
【0167】
(レーン案内処理の流れ)
図9を用いて、ナビゲーション制御装置21が行うサポートレーン案内処理の流れを説明する。図9は、第2の実施形態のナビゲーション制御装置が行うサポートレーン案内処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0168】
自車位置特定部212は、マップマッチングを行うことによって、自車位置を特定する(ステップS31)。
【0169】
自車位置特定部212は、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあるかを判定する(ステップS32)。車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定される(ステップS32:Yes)とステップS33に進む。一方、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定されない(ステップS33:No)と、ナビゲーション制御装置21は、サポートレーン案内処理を終了する。なお、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあることは、自車位置特定部212が、車両の現在位置と進行方向とに基づいて地図データベース14から取得した、進行方向前方に存在する料金所種別データによって判定される。
【0170】
ステップS32において、車両の進行方向前方にETC専用料金所1a,1bがあると判定されると、ETCレーン通過判定部213は、車両のETCレーンの通過履歴があるかを判定する(ステップS33)。車両のETCレーンの通過履歴があると判定されない(ステップS33:No)とステップS34に進む。一方、車両のETCレーンの通過履歴があると判定される(ステップS33:Yes)と、ナビゲーション制御装置21は、サポートレーン案内処理を終了する。なお、ETCレーンの通過履歴があるかは、ETCレーン通過履歴記憶部216に記憶された情報に基づいて判定される。このとき、単にETCレーンの通過履歴があるか否かに基づいて判定してもよいし、ETCレーンの使用頻度に基づいて判定してもよい。或いは、料金所を通過した際のETCレーンの使用頻度と、一般レーンまたはサポートレーンの使用頻度との比率に基づいて判定してもよい。
【0171】
ステップS33において、車両のETCレーンの通過履歴があると判定されると、レーン案内処理部214は、車両をサポートレーン2に誘導案内する(ステップS34)。具体的には、レーン案内処理部214は、ディスプレイ15にレーン案内情報50(図3参照)を表示することによって、サポートレーン2への進入を案内する。
【0172】
続いて、案内時刻・料金特定部215は、案内日時と後払い料金を特定する(ステップS35)。案内時刻・料金特定部215は、サポートレーン2の誘導案内を行った日時を案内日時として特定する。また、案内時刻・料金特定部215は、事前のルート探索処理により地図データベース14内の料金データから取得した有料道路走行区間の料金に基づいて後払い料金を特定する。
【0173】
次に、案内時刻・料金記憶部217は、案内日時と後払い料金を記憶する(ステップS36)。その後、ナビゲーション制御装置21は、サポートレーン案内処理を終了する。
【0174】
なお、ナビゲーション制御装置21が行う後払い料金案内処理の流れ(図7参照)は、前述したのと同じであるため、説明は省略する。
【0175】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明したように、第2の実施形態に係るナビゲーション制御装置21(車載装置)は、ETC車載器22と互いに独立して動作するものであって、ナビゲーション制御装置21が記憶した、車両の過去の走行履歴に基づいて、当該車両がETCを利用していると判定されないことを条件として、車両がETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、レーン案内処理部214(走行レーン案内部)は、サポートレーン2への進入を案内する。したがって、普段ETCを利用しない車両が、ETC専用料金所1a,1bに進入した場合であっても、ETC専用料金所1a,1bにおいて交通の流れを妨げることがない。
【0176】
また、第2の実施形態に係るナビゲーション制御装置21(車載装置)は、ETC車載器22と互いに独立して動作するものであって、少なくとも車両のETCレーンの通過履歴を記憶するETCレーン通過履歴記憶部216と、ETCレーン通過履歴記憶部216がETCレーンの通過履歴を記憶していることを条件として、車両がETC専用料金所1a,1bに接近した場合に、サポートレーン2への進入を案内するレーン案内処理部214(走行レーン案内部)と、を更に備える。したがって、普段ETCを利用しない車両が、ETC専用料金所1a,1bに進入した場合であっても、ETC専用料金所1a,1bにおいて交通の流れを妨げることがない。
【0177】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0178】
1a,1b ETC専用料金所
2 サポートレーン
3 ETCレーン
4 ゲートバー
5 前方監視カメラ
6 後方監視カメラ
7 インターフォン
8a 免許証確認用カメラ
8b インターフォン応対用カメラ
9 チラシラック
10a,10b 通行料金収受システム
11,21 ナビゲーション制御装置(車載装置)
19,22 ETC車載器
20 非ETC車両
50 レーン案内情報
51 レーン種別情報
52 矢印
60a,60c,60e 後払い料金案内画面
60b 告知画面
60d 支払期限切れ警告画面
61,65,68 料金情報
62 支払済ボタン
63,66,70 告知内容
64 詳細ボタン
67 済みボタン
69 期限切れマーカ
111,211 車両状態検出部
112 ETC車載器接続判定部
113,212 自車位置特定部
114,214 レーン案内処理部(走行レーン案内部)
115 ETC通信情報取得部
116,215 案内時刻・料金特定部
117,217 案内時刻・料金記憶部(サポートレーン使用履歴記憶部)
118 料金案内部(支払案内部)
213 ETCレーン通過判定部
216 ETCレーン通過履歴記憶部
218 後払い料金案内部(支払案内部)
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9