(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144825
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】深層混合処理工法
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
E02D3/12 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056962
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000133881
【氏名又は名称】株式会社テノックス
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】村山 篤史
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AB03
2D040BA08
2D040EA18
2D040EB01
2D040FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】共回り監視装置を備えた攪拌・混合装置による深層混合処理工法において、掘削土の共回り状況を判断要素として、ソイルセメントコラムの品質を確保しつつ、その築造を効率的に行うことができる深層混合処理工法を提供する。
【解決手段】本発明では回転ロッド1の周囲の掘削土の共回りを検出する共回り監視装置6を備えた攪拌・混合装置を使用した深層混合処理工法において、施工現場における施工時の掘進抵抗の大きさR1と共回り監視装置6によって得られた掘削土の共回り状況から、共回り防止翼4について当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行う。回転径を備えた共回り防止翼4の選択に関しては、共回り監視装置6によって検出される共回り防止翼4の共回りが生じていないかまたは所定以下と判断される範囲で、できるだけ短い共回り防止翼4を選択して施工を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ロッドとともに回転して掘削土と固化材とを攪拌混合する攪拌翼と、ボスを介して前記回転ロッドに遊嵌される前記攪拌翼より大きな回転径の共回り防止翼と、前記回転ロッドの周囲の掘削土の共回りを検出する共回り監視装置とを備えた地盤改良用攪拌混合装置を用いる深層混合処理工法において、施工現場における前記地盤改良用攪拌混合装置を用いた施工時の掘進抵抗の大きさと前記共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、前記共回り防止翼について当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行うことを特徴とする深層混合処理工法。
【請求項2】
請求項1記載の深層混合処理工法において、前記共回り監視装置によって検出される前記共回り防止翼の共回りが生じていないかまたは所定以下と判断される範囲で、できるだけ短い共回り防止翼を選択して当該施工現場の施工を行うことを特徴とする深層混合処理工法。
【請求項3】
請求項2記載の深層混合処理工法において、前記カウントセンサーによって得られた前記共回り防止翼の回転数が前記回転ロッドの回転数とほぼ同じであるか回転数の差が所定以下であれば、前記共回り防止翼の共回りが生じていないかまたは所定以下であると判断し、前記共回り防止翼の回転数が回転ロッドの回転数に比べて大幅に下回るようであれば土の共回りが生じていると判断することを特徴とする深層混合処理工法。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の深層混合処理工法において、前記共回り監視装置は、前記回転ロッドの回転数に対する前記共回り防止翼の相対回転数を検出するカウントセンサーを備えた共回り監視装置であることを特徴とする深層混合処理工法。
【請求項5】
請求項4記載の深層混合処理工法において、前記カウントセンサーは磁気式近接スイッチと検出用マグネットを有し、前記磁気式近接スイッチは前記回転ロッドに、前記検出用マグネットは前記共回り防止翼にそれぞれ取り付けてあることを特徴とする深層混合処理工法。
【請求項6】
請求項4記載の深層混合処理工法において、前記カウントセンサーは磁気式近接スイッチと検出用マグネットを有し、前記磁気式近接スイッチは前記共回り防止翼に、前記検出用マグネットは前記回転ロッドにそれぞれ取り付けてあることを特徴とする深層混合処理工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共回り防止翼を備えた攪拌・混合装置による深層混合処理工法において、共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、共回り防止翼の回転径、あるいは張出し部の長さを調整するようにした深層混合処理工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設用地などとして不適当な軟弱地盤に対し、土質に見合った固化材を注入しながら、固化材と掘削土を攪拌・混合することによってソイルセメント系の硬質地盤に改良する深層混合処理工法が知られている。
【0003】
この種の深層混合処理工法では、例えば、
図4に示すように、オーガーモータ等で回転する回転ロッド30に掘削翼31とこの掘削翼31で掘削された掘削土と地上から注入された固化材とを攪拌・混合する攪拌翼32とを備えた攪拌・混合装置が使用される。
【0004】
その際、掘削土の粘着力が大きい場合、掘削土が攪拌翼32に団子状に付着して攪拌翼32と一緒に回転してしまう、いわゆる土の共回り現象が生じる。土の共回り現象が生じると、改良体中に大きな土塊が残ったり固化材のみが固化した改良体ができたりして、設計上要求される高品質の改良地盤を造成できない等の課題が生じる。
【0005】
そこで、例えば、
図5に図示するように、掘削翼31と攪拌翼32間に掘削土の共回りを防止する共回り防止翼33を備えた攪拌・混合装置が使用されている。
【0006】
共回り防止翼33は回転ロッド30にボスを介して回転自在に取り付けられ、回転径は掘削径よりも大きくなるように形成され、回転ロッド30が回転する間も掘削土内で静止して土の共回りを防止できるようにしたものである。
【0007】
掘削翼31より長い板で構成される共回り防止翼33は、回転ロッド30に回転自在に取り付けられ、掘削範囲外の地盤に食い込んだ部分の抵抗力によって静止しているだけである。
【0008】
そのため、特に掘削土の粘着力が非常に大きい場合、掘削土が攪拌翼32に団子状に付着して、共回り防止翼33を回転ロッド30と同期回転させようとする力が、共回り防止翼33を回転しないように押さえる地盤の抵抗力を上まわることがある。
【0009】
その結果、団子状になった掘削土が共回り防止翼33ごと回転してしまって、共回り防止翼33が全く機能しなくなってしまうことがある。また、共回り防止翼33と掘削翼31との間、あるいは共回り防止翼33と攪拌翼32との間に礫などの障害物が挟まった場合などにも、共回り防止翼33が機能しなくなることがある。
【0010】
共回り現象が発生した場合には、所定の品質を確保できないため何らかの補修や補強が必要になる場合がある。しかし、改良体の品質は施工後のチェックボーリング等を行うまで確認できない。また、補修などの後施工を行うにしても、時間の経過とともにソイルセメントが固化し、強度が増加するため、後施工が非常に困難になる等の問題が生じる。
【0011】
このような問題に対し、従来、掘削土の共回りをリアルタイムで検出できるようにした技術が開発されている。
【0012】
特許文献1には、共回り防止翼を有する攪拌・混合装置において、回転ロッドの回転数に対する共回り防止翼の相対回転数を検出するカウントセンサーを設け、共回り防止翼の相対回転数が回転ロッドの回転数とほぼ同じであれば共回り防止翼は地中でほぼ静止し続け、掘削土と固化材とが正常に攪拌・混合されていること、および共回り防止翼の相対回転数が回転ロッドの回転数に比べて大幅に下回るようであれば土の共回りが生じていることが確認できるようにした共回り監視装置が開示されている。
【0013】
そして、共回り現象が確認された場合には、再施工する等の措置を速やかに行って改良地盤を造成するといったことが記載されている。
【0014】
また、特許文献2には、このような共回り監視装置に用いられる監視センサーに関し、監視センサーから地上に信号を送信する複数の送信ケーブルが回転ロッドの接続部において互いに非接触センサーによって接続されている構造が開示されている。
【0015】
また、特許文献3には、回転ロッドを軸方向に連続する二重の中空に形成し、電気・通信回路をプラス極ケーブルとマイナス極ケーブルとから形成し、プラス極ケーブルは回転ロッドの中心に位置する配線ダクト内に配線し、マイナス極ケーブルは回転ロッド自体が兼ね、プラス極およびマイナス極のケーブルの上端部は回転ロッドの上端部に設置した電磁結合式の非接触コネクタに接続する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許第3260709号公報
【特許文献2】特許第3788721号公報
【特許文献3】特許第7073200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述した特許文献1~3記載の発明は、共回り監視装置に関するものであり、共回りが検出された場合において、再施工する等の措置を速やかに行うことが示唆されているものの、築造されるソイルセメントコラムの品質の向上や施工の効率化といった施工面での改善が考慮されていない。
【0018】
本発明は、共回り監視装置を備えた攪拌・混合装置による深層混合処理工法において、共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、ソイルセメントコラムの品質を確保しつつ、その築造を効率的に行うことができる深層混合処理工法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、回転ロッドとともに回転して掘削土と固化材とを攪拌混合する攪拌翼と、ボスを介して前記回転ロッドに遊嵌される前記攪拌翼より大きな回転径の共回り防止翼と、前記回転ロッドの周囲の掘削土の共回りを検出する共回り監視装置とを備えた地盤改良用攪拌混合装置を用いる深層混合処理工法において、施工現場における前記地盤改良用攪拌混合装置を用いた施工時の掘進抵抗の大きさと前記共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、前記共回り防止翼について当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行うことを特徴とするものである。
【0020】
すなわち、共回り監視装置によって、施工における共回り防止翼の作動状況を確認しながらソイルセメントコラムを築造する方法であり、例えば共回りが確認されなかった場合には、次に施工するソイルセメントコラムについては、共回り防止翼の張出し長さを短くして、地盤の掘進抵抗を低減することで、築造を効率的に行うことができる。
【0021】
また、例えば、所定以上の共回りが確認された場合には、次に施工するソイルセメントコラムについては、共回り防止翼の張出し長さを長くし、現地の地盤条件に適した仕様の共回り防止翼を用いた施工を行うことができる。
【0022】
このような共回り監視装置を用いた共回り防止翼の張出し長さの選択により、適宜、当該現場に適した回転径に調整して行くことができる。
【0023】
共回り防止翼の回転径の調整は、予め長さの異なる複数種の共回り防止翼を用意しておき、これらを交換するようにすればよい。
【0024】
また、共回り防止翼自体を長さ調整可能な構造としてもよい。長さ調整可能な構造としては、例えば共回り防止翼の基部と先端部を別部材で構成し、基部と先端部の重合せ長さを調整可能としたものなどを利用することができる。
【0025】
なお、例えば、試験施工が可能な状況であれば、施工現場の任意の箇所について、回転径の異なる複数の共回り防止翼、あるいは長さ調整可能な共回り防止翼を用いて試験施工を行い、試験施工における掘進抵抗の大きさと共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行うといったことも可能である。
【0026】
施工現場に適する回転径を備えた共回り防止翼の選択に関しては、例えば、共回り監視装置によって検出される共回り防止翼の共回りが生じていないかまたは所定以下と判断される範囲で、できるだけ短い共回り防止翼を選択して当該施工現場の施工を行うようにすればよい。
【0027】
その場合、例えば、カウントセンサーによって得られた回転ロッドの回転数に対する共回り防止翼の相対回転数が回転ロッドの回転数とほぼ同じであるか回転数の差が所定以下であれば、共回り防止翼の共回りが生じていないかまたは所定以下であると判断し、共回り防止翼の相対回転数が回転ロッドの回転数に比べて大幅に下回るようであれば土の共回りが生じていると判断することができる。
【0028】
本発明で用いる共回り監視装置としては、例えば前述した特許文献1~3に記載されている共回り監視装置などを用いることができる。具体的には、回転ロッドの回転数に対する共回り防止翼の相対回転数を検出するカウントセンサーを備えた共回り監視装置などである。
【0029】
カウントセンサーは、具体的には磁気式近接スイッチと検出用マグネットを有し、磁気式近接スイッチを回転ロッドに、検出用マグネットを共回り防止翼にそれぞれ取り付けたものや、逆に磁気式近接スイッチを共回り防止翼に、検出用マグネットを回転ロッドにそれぞれ取り付けたものなどがある。
【発明の効果】
【0030】
本発明の深層混合処理工法によれば、共回り監視装置によって得られた掘削土の共回り状況を判断要素として、共回り防止翼について、適宜、当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行うことで、築造されるソイルセメントコラムの品質を確保しつつ、その築造を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来の共回り防止翼を備えた攪拌・混合装置について、共回り防止翼の張り出し長さが大きい場合の共回り防止翼に作用する掘進抵抗R1と共回りを抑えようとする力R2を概念的に示した図であり、(a)は正面図、(b)は共回り防止翼位置の断面図である。
【
図2】従来の共回り防止翼を備えた攪拌・混合装置について、共回り防止翼の張り出し長さが小さい場合の共回り防止翼に作用する掘進抵抗R1と共回りを抑えようとする力R2を概念的に示した図であり、(a)は正面図、(b)は共回り防止翼位置の断面図である。
【
図3】本発明の深層混合処理工法における共回り監視装置と、共回り防止翼に作用する掘進抵抗R1と共回りを抑えようとする力R2との関係を概念的に示した図であり、(a)は正面図、(b)は共回り防止翼位置の断面図である。
【
図4】従来の深層混合処理工法で用いられている攪拌・混合装置の一例を示したものであり、(a)は正面図、(b)はそのイ-イ線断面図である。
【
図5】従来の深層混合処理工法で用いられている共回り防止翼を備えた攪拌・混合装置の一例を示したものであり、(a)は正面図、(b)はそのイ-イ線断面図である。である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1および
図2は、従来の共回り防止翼4を備えた攪拌・混合装置について、それぞれ共回り防止翼4の張り出し長さが大きい場合(
図1)と小さい場合(
図2)における共回り防止翼4に作用する掘進抵抗R1と共回りを抑えようとする力R2を概念的に示したものである。
【0033】
攪拌・混合装置は、オーガーモータ等で回転する回転ロッド1の先端部に掘削翼2を備え、掘削翼2で掘削された掘削土と地上から注入され、吐出口から吐出されるセメント系固化材とを攪拌翼3で攪拌・混合するようになっている。
【0034】
その際、掘削土の粘着力が大きい場合、掘削土が攪拌翼3に団子状に付着して攪拌翼3と一緒に回転してしまう、いわゆる土の共回り現象が生じるため、掘削翼2と攪拌翼3との間に掘削土の共回りを防止する共回り防止翼4が設けられている。
【0035】
共回り防止翼4は回転ロッド1にボスを介して回転自在に取り付けられ、回転径は掘削径よりも大きくなるように形成され、回転ロッド1が回転する間も掘削土内で静止して土の共回りを防止できるようにしたものである。
【0036】
すなわち、掘削翼2より長い板で構成される共回り防止翼4は、回転ロッド1に回転自在に取り付けられ、理想的には掘削範囲外の地盤に食い込んだ部分の抵抗力、すなわち共回りを抑えようとする力R2によって静止することになる。
【0037】
しかしながら、掘削土の粘着力が大きい場合は、掘削土が攪拌翼3に団子状に付着して、共回り防止翼4を回転ロッド1と同期回転させようとする力が、共回りを抑えようとする力R2を上回ることがある。
【0038】
その結果、団子状になった掘削土が共回り防止翼4ごと回転してしまって、共回り防止翼4が十分に機能しなくなってしまうことがある。また、共回り防止翼4と掘削翼2との間、あるいは共回り防止翼4と攪拌翼3との間に礫などの障害物が挟まった場合などにも、共回り防止翼4が機能しなくなることがある。
【0039】
この共回りを抑えようとする力R2は、
図1(b)と
図2(b)に対比して示すように、共回り防止翼4が掘削翼による掘削範囲Aから掘削範囲外の地盤に食い込む長さ、すなわち掘進抵抗になる範囲Lが大きいほど大きく、掘進抵抗になる範囲Lが小さいほど小さくなる。
【0040】
一方、
図1(b)と
図2(b)に対比して示すように、掘進抵抗R1は掘進抵抗になる範囲Lが大きいほど、すなわち共回り防止翼4の長さが長いほど大きく、掘進抵抗になる範囲Lが小さいほど、すなわち共回り防止翼4の長さが短いほど小さくなる。
【0041】
このような関係において、共回りが生じないのであれば、できるだけ短い共回り防止翼4を用い、掘進抵抗R2が小さくなるようにすることで、施工をスムーズにかつ経済的に行うことができる。
【0042】
本発明は、
図3に示すように、回転ロッド1の周囲の掘削土の共回りを検出する共回り監視装置6を備えた攪拌・混合装置を使用した深層混合処理工法において、施工現場における施工時の掘進抵抗の大きさR1と共回り監視装置6によって得られた掘削土の共回り状況から、共回り防止翼4について当該施工現場に適する回転径を選択して施工を行うようにするものである。
【0043】
共回り監視装置6によって、共回りが確認されなかった場合には、次に施工するソイルセメントコラムについては、共回り防止翼4の張出し長さを短くして、地盤の掘進抵抗R1を低減することで、築造を効率的に行うことができる。
【0044】
また、共回りが確認された場合には、次に施工するソイルセメントコラムについては、共回り防止翼4の張出し長さを長くし、現地の地盤条件に適した仕様の共回り防止翼4を用いた施工を行うことができる。
【0045】
このような共回り監視装置6を用いた共回り防止翼4の張出し長さの選択あるいは調整により、適宜、当該現場に適した回転径に調整して行くことができる。
【0046】
共回り防止翼4の回転径の調整は、予め長さの異なる複数種の共回り防止翼4を用意しておき、これらを交換するようにすればよい。あるいは、共回り防止翼4自体を長さ調整可能な構造としてもよい。
【0047】
施工現場に適する回転径を備えた共回り防止翼4の選択に関しては、共回り監視装置6によって検出される共回り防止翼4の共回りが生じていないかまたは所定以下と判断される範囲で、できるだけ短い共回り防止翼4を選択して当該施工現場の施工を行うようにすればよい。
【0048】
その場合、例えば、カウントセンサーによって得られた共回り防止翼4の回転数が回転ロッド1の回転数とほぼ同じであるか回転数の差が所定以下であれば、共回り防止翼4の共回りが生じていないかまたは所定以下であると判断し、共回り防止翼4の回転数が回転ロッド1の回転数に比べて大幅に下回るようであれば土の共回りが生じていると判断することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…回転ロッド
2…掘削翼
3…攪拌翼
4…共回り防止翼
5…吐出口
6…センサー(共回り監視装置)
R1…掘進抵抗
R2…共回りを抑えようとする力
A…掘削翼による掘削範囲
L…掘進抵抗になる範囲