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特開2024-144843駐車場管理システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144843
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】駐車場管理システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20241004BHJP
【FI】
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056987
(22)【出願日】2023-03-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】上遠野 巌
(72)【発明者】
【氏名】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】江部 彰宏
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA05
3E127BA11
3E127CA12
3E127CA13
3E127CA14
3E127CA21
3E127CA36
3E127CA37
3E127CA48
3E127EA04
3E127EA21
(57)【要約】
【課題】ETC車両や非ETC車両のいずれにとっても、利便性のよい精算手順や買物割引手順を提供する。
【解決手段】撮像管理部150は、駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する。ETC情報管理部記155は、車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を入場時画像と紐付けて管理する。車両ナンバー検索部161は、駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、入場時画像に含まれる車両ナンバーと、ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する。検索により一致した車両ナンバー情報を含む入場時画像を選択用端末(精算機200や利用者携帯端末300やカーナビ600)において選択可能な選択用画面を生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理部と、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理部と、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された前記車両のナンバープレートの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索部と、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する画面生成部と、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信部と、
を具備する駐車場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場管理システムであって、
前記ETC情報管理部は、前記車両から前記ETC車両情報を読み取れた場合は、当該ETC車両情報に含まれる車両ナンバーと、当該車両の前記入場時画像に含まれる車両ナンバーとが一致するか否かを判定し、一致しない場合に異常と判断し、
前記ナンバー検索部は、入場時に、前記ETC情報管理部により異常と判断された場合、出場時に、前記選択用端末から入力された前記車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーの中から検索する
駐車場管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の駐車場管理システムであって、
前記ETC情報管理部は、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC情報管理部で読み取った前記ETC車両情報に含まれる車載器ナンバー、ETCカード情報、車載器番号とを、紐づけて管理する
駐車場管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の駐車場管理システムであって、
前記選択用端末で前記選択用画面に基づいて前記入場時画像が選択された場合に、選択された入場時画像に含まれる車両ナンバーをエンコードして、前記駐車場に関連付けられた商業施設における買物額と当該車両ナンバーとの紐付けのために、当該商業施設が管理する装置による読み取り可能なコード画像を生成するコード画像生成部をさらに具備し、
前記送信部は、生成された前記コード画像を前記選択用端末に送信する
駐車場管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の駐車場管理システムであって、
前記選択用端末は前記車両のカーナビゲーションシステムまたは当該車両に乗車中の利用者の携帯端末であり、
前記画面生成部は、当該車両が前記駐車場に入場したことを通知するとともに前記精算用に前記車両ナンバー情報の入力画面にアクセス可能な駐車場情報通知画面を生成し、
前記送信部は、生成された前記駐車場情報通知画面を前記カーナビゲーションシステムまたは前記携帯端末に送信する
駐車場管理システム。
【請求項6】
請求項3に記載の駐車場管理システムであって、
前記車両が前記駐車場の出口エリアで検出されていない状態で、前記精算を要求する情報を受信すると、前記ETCカード情報による決済を含む複数の決済方法の中から決済方法を選択できる画面を前記画面生成部に生成させ、
前記車両が前記駐車場の出口エリアで検出され、かつ、当該車両からETC電波が検出されている状態で、前記精算を要求する情報を受信すると、前記駐車料金を、前記ETCカード情報を用いて決済する
精算受付部をさらに具備する
駐車場管理システム。
【請求項7】
駐車場管理装置により実行される駐車場管理方法であって、
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理ステップと、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理ステップと、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索ステップと、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する画面生成ステップと、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信ステップと、
を含む
駐車場管理方法。
【請求項8】
コンピュータにより実行される駐車場管理プログラムであって、
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理ステップと、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理ステップと、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索ステップと、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する画面生成ステップと、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信ステップと、
を前記コンピュータに実行させる
駐車場管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場管理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有料の駐車場において、ETC(Electronic Toll Collection)車載器を搭載した車両の入場から出場まで管理し、駐車場の利用料金をETC決済で自動的に精算する駐車場管理システムが実現している。
【0003】
また、昨今の商業施設に隣接して設けられる有料のETC車両対応の駐車場では、駐車料金に対して商業施設での買物金額に応じた料金割引を反映させるようにした駐車場管理システムも実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-101544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、割引情報が反映された駐車料金をETCシステムによりキャッシュレス決済することができる駐車場サーバを提供するため、駐車場の入場口に設けられた入場ETC路側器からETC情報を受信し、入場口で撮影された車両の画像の何れかを利用者が選択したことに基づいて生成されたETC情報のコード情報と、コード情報に対応する割引情報を、店舗に関連する店舗端末から受信し、駐車場の出場口に設けられた出場ETC路側器からETC情報を受信し、所定のサーバに割引情報に基づいた駐車料金の請求情報を送信するデータ送受信部と、入場ETC路側器から受信したETC情報と、店舗端末から受信した割引情報を紐づけてエントリとしてデータベースに記憶し、出場ETC路側器から受信したETC情報に基づいてデータベースを検索し、検索されたエントリの割引情報に基づいて請求情報を生成している。
【0006】
ところが特許文献1の技術では、入場口で認識された車両番号の何れかを利用者が選択したことに基づいて生成されたETC情報のコード情報と、対応する割引情報を、店舗に関連する店舗端末から受信するため、極めて秘匿性の高いETC情報を様々な店舗端末を経由させることによるデータ保護が必要であり、暗号処理に伴う通信量の増加やレスポンスの低下が否めない。
【0007】
また、特許文献1の技術では、ETC車両に対して割引を反映させるシステムが、ETC車載器を用いない非ETC車両においては、有効に活用させておらず、利用者の利便性が向上されていない。
【0008】
本発明は、ETC車両や非ETC車両のいずれにとっても、利便性のよい精算手順や買物割引手順を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1)本発明の第1の駐車場管理システムは、
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理部と、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理部と、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索部と、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する選択用画面生成部と、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信部と、
を具備する。
【0010】
本発明の第1の駐車場管理システムによれば、ETC車両も非ETC車両も、いずれも車両ナンバーを基に入場車両の管理が行われ、システムが統合されていて、利用者にとってもETC車両も非ETC車両も利用方法に変わりなく、利便性がよい。
【0011】
2)本発明の第2の駐車場管理システムは、第1の駐車場管理システムであって、
前記ETC情報管理部は、前記車両から前記ETC車両情報を読み取れた場合は、当該ETC車両情報に含まれる車両ナンバーと、当該車両の前記入場時画像に含まれる車両ナンバーとが一致するか否かを判定し、一致しない場合に異常と判断し、
前記車両ナンバー検索部は、入場時に、前記ETC情報管理部により異常と判断された場合、出場時に、前記選択用端末から入力された前記車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーの中から検索する。
【0012】
本発明の第2の駐車場管理システムによれば、ETC車両情報に含まれる車両ナンバーが間違っている場合であっても、画像に含まれる適切な車両ナンバーを基に入場車両の管理が行われる。
【0013】
3)本発明の第3の駐車場システムは、第1の駐車場管理システムであって、
前記ETC情報管理部は、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC情報管理部で読み取った前記ETC車両情報に含まれる車載器ナンバー、ETCカード情報、車載器番号とを、紐づけて管理する。
【0014】
本発明の第3の駐車場管理システムによれば、ETC車両情報に含まれる様々な情報を基に、入場車両や出場車両の管理が適切に行われる。
【0015】
4)本発明の第4の駐車場システムは、第3の駐車場管理システムであって、
前記選択用端末で前記選択用画面に基づいて前記入場時画像が選択された場合に、選択された入場時画像に含まれる車両ナンバーをエンコードして、前記駐車場に関連付けられた商業施設における買物額と当該車両ナンバーとの紐付けのために、当該商業施設が管理する装置による読み取り可能なコード画像を生成するコード画像生成部をさらに具備し、
前記送信部は、生成された前記コード画像を前記選択用端末に送信する。
【0016】
本発明の第4の駐車場管理システムによれば、ETC車両情報に含まれる様々なETC情報を用いることなく、買物割引のデータベースとの紐づけができ、システムが簡素化され、レスポンスが良いために利用者の利便性が向上する。
【0017】
5)本発明の第5の駐車場管理システムは、第1の駐車場管理システムであって、
前記選択用端末は前記車両のカーナビゲーションシステムまたは当該車両に乗車中の利用者の携帯端末であり、
前記選択用画面生成部は、当該車両が前記駐車場に入場したことを通知するとともに前記精算用に前記車両ナンバー情報の入力画面にアクセス可能な駐車場情報通知画面を生成し、
前記送信部は、生成された前記駐車場情報通知画面を前記カーナビゲーションシステムまたは前記携帯端末に送信する。
【0018】
本発明の第5の駐車場管理システムによれば、利用者は専用サイトにアクセスしたり、車両ナンバー情報を入力したりする必要がなく、利便性が高い。
【0019】
6)本発明の第6の駐車場管理システムは、第3の駐車場管理システムであって、
前記車両が前記駐車場の出口エリアで検出されていない状態で、前記精算を要求する情報を受信すると、前記ETCカード情報による決済を含む複数の決済方法の中から決済方法を選択できる画面を前記選択用画面生成部に生成させ、
前記車両が前記駐車場の出口エリアで検出され、かつ、当該車両からETC電波が検出されている状態で、前記精算を要求する情報を受信すると、前記駐車料金を、前記ETCカード情報を用いて決済する
精算受付部をさらに具備する。
【0020】
本発明の第6の駐車場管理システムによれば、ETC車両であっても駐車料金の決済方法を様々選択でき、利用者にとって利便性が良い。
【0021】
7)本発明の駐車場管理方法は、
駐車場管理装置により実行される駐車場管理方法であって、
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理ステップと、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理ステップと、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索ステップと、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する選択用画面生成ステップと、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信ステップと、
を含む。
【0022】
8)本発明の駐車場管理プログラムは、
コンピュータにより実行される駐車場管理プログラムであって、
駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する撮像管理ステップと、
前記車両からETC(Electronic Toll Collection)車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理するETC情報管理ステップと、
駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、前記入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する車両ナンバー検索ステップと、
前記検索により一致した前記車両ナンバー情報を含む前記入場時画像を前記選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する選択用画面生成ステップと、
前記選択用画面を前記選択用端末に送信する送信ステップと、
を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ETC車両や非ETC車両のいずれにとっても、利便性のよい精算手順や買物割引手順を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態の駐車場管理システムの構成の概念図である。
図2】本実施形態の駐車場の構成の概念図である。
図3】本実施形態の精算機の電気ブロック図である。
図4】本実施形態の精算機の機能ブロック図である。
図5】本実施形態の駐車場管理装置の機能ブロック図である。
図6】本実施形態のデータベースの説明図である。
図7】本実施形態の入場時の動作フロー図である。
図8】本実施形態の出場時の動作フロー図である。
図9】本実施形態の割引コードの受信フロー図である。
図10】本実施形態のオンライン精算のフロー図である。
図11】本実施形態の携帯端末の精算動作の説明図である。
図12】本実施形態の携帯端末の精算動作の説明図である。
図13】本実施形態のカーナビの電気ブロック図である。
図14】本実施形態のカーナビの画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<ETC(Electronic Toll Collection System)について>
ETC車載器がもつ固有のIDを車載器番号(WCN:Wireless Call Number)といい、路側に設置した装置で検知する車載器は、車両に搭載したうえで、車載器セットアップをおこなう。車載器セットアップとは、車種により異なる料金体系をもつ有料道路を通行する際に課金ミスなどを起こさないために、またETCサービス(特にETC2.0)を利用するために必要な車両情報等を車載器に登録し、車載器を利用可能にする作業のことで、具体的には車検証に記載されている車両情報が車載器に登録される。典型的には、ナンバープレートの全ての情報(4ケタの一連番号、陸運支局名、分類番号(3ケタ)用途番号(カナ))や、車体番号やメーカ名や重量・寸法などが夫々登録される。
【0026】
ところが、車載器は単独で取り付け取り外しが可能なため、他の車両に搭載されていた車載器を譲り受け、自車両に搭載することも可能である。その場合、適切にセットアップし直す必要があるが、なかにはセットアップを更新せずに使用を続ける車両が存在する。もしくは、セットアップの際に、登録情報を間違える可能性もある。
【0027】
したがって、ETC車両の駐車場への入場・出場時に、ETC車載器のセットアップ情報から取得したナンバー情報(車載器ナンバーとする)は、そのETC車両に搭載されているナンバープレートの情報と異なる場合がある。
【0028】
さらに、ETC車載器を搭載したETC車両であっても、ETCカードを車載器に挿入しているとは限らない。また、ETCカードの有効期限が過ぎているまま、カードを更新していない場合もあり得る。
【0029】
一方で、画像で撮像した車両のナンバープレートの情報(画像ナンバーとする)は、画像から各文字を光学式読取処理(OCR:Optical Character Recognition)で文字を読取るが、画像の解像度や、外光のあたり具合や、ナンバープレート上に付着した汚れ等で、全ての文字情報が正確に読み取れるとは限らない。
【0030】
以上の実情にかんがみて、本開示では、ETC車両や非ETC車両のいずれにとっても、利便性のよい精算手順や買物割引手順を提供する駐車場管理システムが開示される。
【0031】
<駐車場管理システム>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る駐車場管理システムについて説明する。図1は、本実施形態の駐車場管理システムの構成の概念図である。図2は、本実施形態の駐車場の構成の概念図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る駐車場管理システムは、駐車場管理装置100と、駐車場の精算機200と、利用者携帯端末300と、レジ管理装置400と、決済機関のサーバ500とを含む。
【0033】
駐車場管理装置100は、Webサーバ110、データベースサーバ120、データベース130を含んで構成される。データベース130は、精算機200の内部のメモリの一部データと同期がとられている。駐車場管理装置100は、複数の駐車場の複数の精算機200と連携して総合的に管理するが、ここでは駐車場1ではETC車両のETC決済を可能とし、駐車場2では、ETC車両は非ETC車両と同様に扱う状態を示す。
【0034】
決済機関のサーバ500は、例えばクレジットカード会社の管理する決済用のサーバである。
【0035】
商業施設は、駐車場に隣接していて、駐車場の利用者が商業施設内で買い物等をおこなうと、利用金額に応じて駐車料金を割り引いたり、免除したりするサービスが行われている。商業施設の各店舗には最低1台ずつのレジがあり、これらを統合するレジ管理装置400が設置されている。レジ管理装置400は、POS(Point of Sales)サーバであってもよい。なお、レジ管理装置400は必ずしも商業施設内に設置されているとは限らない。駐車場管理装置100は、商業施設と駐車場とを関連付けて記憶している。
【0036】
利用者携帯端末300は、駐車場の利用者が保有する携帯端末で、所謂スマホ・スマートフォンである。利用者携帯端末300は、図示しない移動通信網(所謂4Gや5G)を介してインターネット10に接続することができる。なお、利用者が携帯端末を保有していない場合は、利用者は駐車料金の精算を精算機200で精算することができる。
【0037】
駐車場は、入口出口にそれぞれカメラ252とETC用アンテナ253とゲート251を備え、駐車場内に精算機200が設置されている。ただし、駐車場はETC車載器搭載車(ETC車両)もETC車載器非搭載車(非ETC車両)もどちらも利用可能となっている。
利用者携帯端末300も精算機200も、それぞれ「選択用端末」の一例である。
【0038】
図2に示すように、駐車場の構成はより詳細には、入口に入口カメラ252-1と入口ETC用アンテナ253-1と入口ゲート251-1を備え、さらに地中に車両の存在や通過を検知する入口ループコイル254-1を備える。出口も同様に、出口カメラ252-2と出口ETC用アンテナ253-2と出口ゲート251-2を備え、さらに地中に車両の存在や通過を検知する出口ループコイル254-2を備える。
【0039】
精算機200は、駐車場管制装置としても機能する。入口ループコイル254-1が車両の存在を検知すると、精算機200は入口エリアに車両が進入してきたと判断する。さらに入口カメラ252-1に車両と考えられる物体が撮像されていれば、入口エリアへの車両の進入と判断するように、条件を追加してもよい。出口についても同様に、出口ループコイル254-2と出口カメラ252-2により、精算機200は車両の出口エリアへの進入を判断する。
【0040】
入口ETC用アンテナ253-1は、車両のETC車載器からETC車両情報の読み取りを試みる。読み取りに成功した場合は精算機200に読み取った情報を送信する。出口についても同様に、出口ETC用アンテナ253-2は、車両のETC車載器からETC車両情報の読み取りを試みる。読み取りに成功した場合は精算機200に読み取った情報を送信する。
【0041】
図3は、本実施形態の精算機の電気ブロック図である。精算機200において、メモリ221、CPU(Central Processing Unit)223はバス220を介してインターフェイス221に繋がり、各部ユニットと接続されている。精算機200は各部ユニットとして構内通信部224、外部通信部225、人感センサ229、音声出力装置226、コイン取扱装置230、紙幣取扱装置231、表示画面装置227、領収証プリンタ228、カードリーダ232、二次元コードリーダ233を備える。
【0042】
構内通信部224は、駐車場内のローカルネットワークに接続される。外部通信部225は、駐車場外のネットワーク(インターネット10)に接続される。人感センサ229は、精算機の前に人が立つと反応し、操作が可能となる。音声出力装置226は、操作のガイダンスを出力するスピーカ等である。コイン取扱装置230は、コイン循環型のコイン選別、コイン循環式の払い出し装置である。紙幣取扱装置231は、紙幣リーダと紙幣払い出し装置である。表示画面装置227は、タッチパネル式液晶表示画面である。領収証プリンタ228は、いわゆるレシートプリンタである。カードリーダ232は、クレジットカードやハウスカード等を読取るカードリーダである。二次元コードリーダ233は、光学式のスキャナを内蔵するバーコードリーダである。
【0043】
図4は、本実施形態の精算機200の機能ブロック図である。メモリ221に記憶されたプログラムをCPU223が実行することによって、精算機200は車両検知部210、ゲート制御部211、会員情報確認部212、ナンバー情報確認部213、ETC情報管理部214、精算確認部215等を有する。
【0044】
図5は、本実施形態の駐車場管理装置100の機能ブロック図である。なお、駐車場管理装置100のハードウェアは通常のコンピュータの構成でよい。駐車場管理プログラムがコンピュータにインストールされ実行されることにより、駐車場管理装置100は図5に示す各部を備えるように構成される。
【0045】
駐車場管理装置100は、撮像管理部150、会員管理部151、店舗利用情報取得部152、精算受付部153、選択指示受付部154、ETC情報管理部155、選択用画像生成部156、コード画像生成部157、送信部158、駐車情報通知部(Web経由)160、外部決済受付部159、車両ナンバー検索部161等を有する。
【0046】
撮像管理部150は、駐車場に入場する車両の入場時画像を撮影して記憶する。ETC情報管理部155は、車両からETC車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合はETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理する。車両ナンバー検索部161は、駐車料金の精算用に選択用端末(精算機200あるいは利用者携帯端末300)から入力された車両ナンバーの少なくとも一部からなる車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、入場時画像に含まれる車両ナンバーと、前記ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する。ここで、ナンバー情報とは、車両のナンバープレートの車両ナンバーの各要素(4ケタの一連番号、陸運支局名、分類番号(3ケタ)用途番号(カナ))のうちのいずれかでよいが、4ケタの一連番号を用いるのが好適である。選択用画面生成部156は、検索により一致した車両ナンバー情報を含む入場時画像を選択用端末において選択可能な選択用画面を生成する。送信部158は、選択用画面を選択用端末に送信する。コード画像生成部157は、選択用端末で選択用画面に基づいて入場時画像が選択された場合に、選択された入場時画像に含まれる車両ナンバーをエンコードして、駐車場に関連付けられた商業施設における買物額と当該車両ナンバーとの紐付けのために、当該商業施設が管理する装置による読み取り可能なコード画像を生成する。
【0047】
図6は、本実施形態のデータベース130の説明図である。データベース130は、会員登録データベース131、在車データベース132、入場画像データベース133、履歴データベース134を含む。
【0048】
在車データベース132は、車両が正常に精算されて出場した後は、同一の管理番号(通し番号)のまま、履歴データベース134にデータが移行する。また、入場画像データベース133は車両が正常に精算されて出場した後も、そのまま維持される。別途出場画像データベース133が構成されてもよい。
会員登録データベース131は、予め必要事項を利用者からの申告で登録しておき、適宜利用するなかで、車載器ナンバー等が記録される。決済方法は、ETCカード番号によるETC決済のほか、他のクレジットカードによる決済や各種コード決済等が登録されていて、適宜選択することができる。
【0049】
<入場動作>
図7は、本実施形態の入場時の動作フロー図である。主に駐車場管理装置100の動作の流れを基本に説明する。
【0050】
駐車場管理装置100と精算機200は、入口ループコイル254-1により車両を検知するか否かを監視する(ステップS101)。検知するとYESとなってステップS102に移行し、入口カメラ252-1により車両の前面を撮像し、さらにOCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)処理で車両ナンバーを認識する(ステップS102)。
ステップS102で撮像された車両の前面の画像を「入場時画像」と呼ぶ。読み取られた車両ナンバーは、入場時画像に含まれる車両ナンバーであり、以下では「画像ナンバー」と呼ぶ。
【0051】
続いてステップS103において、駐車場管理装置100と精算機200は、入口ETCアンテナ253-1でETC電波を受信するかどうかを判断し、受信すればYESとなってステップS104に移行し、ETC情報を読み取る。
ETC情報読取は、車載器番号・セットアップ情報に含まれる車両ナンバー、ETCカード番号、等である。ただし、特にETCカード番号は、伝送中に悪意のある不正アクセスに対応できるよう、暗号化されて取り扱われる。
ステップS104で読み取られたETC情報に含まれる車両ナンバーを、以下では「車載器ナンバー」と呼ぶ。
【0052】
ステップS105で画像ナンバーと車載器ナンバーを照合して、合致すればYESとなって、データにETC正常フラグが付与される(ステップS106)。一方で、合致していなければNOとなって、ETC異常フラグが付与される(ステップS107)。
また、ステップS103では非ETC車両で、入口ETCアンテナ253-1でETC電波を受信していなければ、NOとなってステップS108に直接移行する。
【0053】
ステップS108で入口ゲート251-1を「開」状態にし、ステップS109で入口ゲート251-1の通過をループコイルで検知するか監視する。通過するとYESとなって、ステップS110に移行し、入口カメラ252-1で撮った入場時画像と、ETC情報と、前述のフラグが駐車場管理装置100のデータベース130に送信される。これによりデータベース130内の在車データベース132が更新され、さらにステップS111で画像DB133が更新される。
【0054】
なお、駐車場管理装置100の在車データベース132と精算機200のメモリ221は一部のデータ(事前精算済情報等)の内容が同期されている。また、画像データベース133は、精算機200には持たないが、バックアップとして保存していてもよい。在車データベース132についても、すべて駐車場管理装置100が記憶しておくだけでも構わない。
【0055】
<出場動作>
図8は本実施形態の出場時の動作フロー図である。入場動作と同様に主に駐車場管理装置の動作の流れを基本に説明する。
【0056】
ステップS201で出口ループコイル254-2で車両検知するかを監視し、検知するとYESとなってステップS202に移行する。出口カメラ252-2で撮像し、さらにOCR処理で車両ナンバー(画像ナンバー)を認識する。
【0057】
ステップS203で、出口ETCアンテナ253-2でETC電波を受信するかどうかを判断し、受信すればYESとなってステップS204に移行する。ステップS204ではETCカードが有効か否かを判断する。この場合、ETCカードを装着していて、且つカード有効期限内であればYESとなってステップS206でETC決済を行なう。なお、後述する通り精算済であれば実際にETC決済は行われない。または、精算済であるが、出場に時間が経過して再度課金された場合は、追加課金額についてETC決済が実行される。
【0058】
ステップS204で、ETCカードを装着していないか、またはカード有効期限切れであればNOとなってステップS205で車載器番号を取得して事前精算済かどうかを在車データベース132に照会する。その際、画像ナンバーや車載器ナンバーが合致していれば、車両ナンバーで在車データベース132を検索し、合致しなければ、車載器番号で検索し、該当する在車データベース132の情報をもとに事前精算済か否かを確認する(ステップS207)。
【0059】
ステップS208で精算済であれば、YESとなるが、NOであれば、ステップS209で各種決済により決済して精算する。その際、会員登録情報より、決済方法が登録されていれば、その決済方法で自動的に決済する。
【0060】
一方で、精算済でなく、ETC電波も受信されない非ETC車両の場合は、ステップS209で警報等出力し、(例えば別途パトライト等を点滅させ)、出口ゲート251-2を「開」状態にせずに中断してもよい。利用者がその場で利用者携帯端末300により決済を行なえば、その時点でステップS210に移行する。
【0061】
精算済であれば、ステップS210で出口ゲート251-2を開し、ステップS211で出口ゲート251-2の通過をループコイル254-2で検知するか監視し、通過するとYESとなって、ステップS212に移行して在車データベース132が更新される。
【0062】
<精算機による事前精算動作>
精算機200は、駐車場出口エリアに設置されて車両の出場時に利用者が精算をする(図8のステップS209)ためにも使用できるが、駐車場内エリアに設置されていて、車両の出場時より前の精算(所謂事前精算)のために使用することができる。図9に、事前精算のフローを示す。
【0063】
図9に示すように、この事前精算の場合、利用者は、駐車料金等の精算を行う車両の車両ナンバー情報を、タッチパネル等の表示画面装置227を使用して、精算機200に入力する。精算機200は、入力された車両ナンバー情報を含む車両検索要求を駐車場管理装置100に送信する(ステップS301)。
【0064】
駐車場管理装置100は、入力された車両ナンバー情報を、車両検索要求とともに、受信する(ステップS302)。続いて、当該車両ナンバー情報を、在車データベース132に記憶され、管理されている「画像ナンバー」あるいは「車載器ナンバー」のいずれかの中から検索する(ステップS303)。続いて、検索により一致した車両ナンバーを含む入場時画像を、入場画像データベース133から読み出す(ステップS304)。車両ナンバー情報は例えば4ケタの一連番号なので複数の車両が同じ車両ナンバーである可能性がある。したがって、入場時画像も複数の可能性がある。
【0065】
続いて、駐車場管理装置100は、入場画像データベース133から読み出した入場時画像を精算機200において利用者が選択できるように、入場時画像を含む「選択用画面」を生成する(ステップS305)。駐車場管理装置100は選択用画面を精算機200に送信し、精算機200は受信した選択用画面を表示画面装置227に表示する(ステップS306)。
【0066】
同一の4ケタの一連番号の車両ナンバーが複数在車している場合、利用者携帯端末300は、順次画像を表示する。利用者が表示画面装置227に表示された選択用画面に基づいて、自分の車両の入場時画像を選択すると、精算機200は選択入力を駐車場管理装置100に送信する(ステップS307)。なお、精算機200は、選択用画面の表示に続けて、コイン取扱装置230や紙幣取扱装置231などによる精算インターフェイスを表示する。利用者がこれを利用して精算すると、選択入力の送信の際に選択入力の情報とともに精算済みであることを示す情報が駐車場管理装置100に送信される。
【0067】
駐車場管理装置100は、選択入力を受信すると、データベース130を更新する(ステップS308)。利用者が精算をしない場合は、割引コード画像を生成し、精算機200に送信する(ステップS309)。精算機200は、受信した割引コード画像を表示画面装置227に表示する(ステップS310)。割引コード画像については後述する。
【0068】
以上に、精算機200を用いた事前精算について説明したが、本実施形態では利用者携帯端末300を用いた事前精算も可能に構成されている。以下では、利用者携帯端末300を用いた事前精算について説明する。精算機200と利用者携帯端末300は、どちらも「選択用端末」の一例である。
【0069】
<利用者携帯端末による事前精算動作>
利用者携帯端末300による事前精算も、精算機200による精算動作と基本的に同じであり、図9のフローで進行する。精算機200では現金精算(または、クレジットカード等を用いた精算)であったステップS308において、利用者携帯端末300ではオンライン精算可能である。オンライン精算の詳細なフローを図10に示す。また、利用者携帯端末300の表示画面の具体例を図11図12に示す。図11および図12は、本実施形態の携帯端末の精算動作と割引コード受信動作の説明図である。
【0070】
図11(1)は利用者携帯端末にプッシュ通知された、駐車場入場通知である。これは事前にアプリをダウンロードして利用者携帯端末にインストールしておき、駐車場の位置情報や自車両の車両ナンバーや決済方法を登録している場合、自動的に通知される。図11(1)の「アプリを起動」をクリックすることにより、車両検索要求を生成するための車両ナンバー情報の入力画面へと遷移する(図11(2))。
【0071】
図11(2)の車両ナンバー情報入力画面において利用者が自車両の車両ナンバーの一連番号4桁数字を入力し、車両検索要求を送信するために検索キーを押下する(図11(2))。利用者携帯端末300は、入力された車両ナンバー情報を含む車両検索要求を駐車場管理装置100に送信する(ステップS301)。
【0072】
駐車場管理装置100は、入力された車両ナンバー情報を、車両検索要求とともに、受信する(ステップS302)。続いて、当該車両ナンバー情報と一致する車両ナンバーを、在車データベース132に記憶され、管理されている「画像ナンバー」あるいは「車載器ナンバー」のいずれかの中から検索する(ステップS303)。続いて、検索により一致した車両ナンバーを含む入場時画像を、入場画像データベース133から読み出す(ステップS304)。
【0073】
続いて、駐車場管理装置100は、入場画像データベース133から読み出した入場時画像を利用者携帯端末300において利用者が選択できるように、入場時画像を含む「選択用画面」を生成する(ステップS305)。駐車場管理装置100は選択用画面を利用者携帯端末300に送信し、利用者携帯端末300は受信した選択用画面を表示画面に表示する(ステップS306)。図11(3)に選択用画面の一例が示されている。
【0074】
同一の4ケタの一連番号のナンバーが複数在車している場合、利用者携帯端末300は、順次画像を表示する。利用者は自車両を確認したら、決定キーを押下して選択入力を送信する(ステップS307)。
【0075】
駐車場管理装置100は、選択入力を受信すると、オンライン決済(後述)が完了後、データベースを更新する(ステップS308)。利用者が精算しない場合は、割引コード画像を生成し(図11(4))、利用者携帯端末300に送信する(ステップS309)。利用者携帯端末300は、受信した割引コード画像を表示画面に表示する(ステップS310)。
【0076】
<割引コード画像>
割引コード画像は、ステップS307で選択入力された入場時画像に含まれる車両ナンバーをエンコードして、商業施設のレジ管理装置400で読み取り可能に構成された画像である。エンコードする情報は、選択入力された入場時画像に含まれる車両ナンバーのほかに、割引コードを発行した日時の時間情報を含んでもよい。一例としては、図11(4)に示したような二次元コードである。
【0077】
利用者は、商業施設の店舗で買物等をおこない、店員や係員に当該割引コード画像が表示された利用者の携帯端末の画面を提示すると、店舗のレジで当該割引コード画像が読取りされる。
【0078】
割引コード画像には、基本的に4ケタの一連番号だけでなく、車両ナンバーのすべての要素が記録されているが、ETCカード番号等は記録されていない。これは、ETCカード番号等の秘匿性の高い情報が流出するのを防ぐためである。
【0079】
利用者が買物等の際に提示した割引コード画像から読み取った車両ナンバーを基に、商業システムのレジ管理装置を経由して駐車場管理装置の在車データベース132に照会され、さらに車両ナンバーに紐づけて買物金額等が在車データベース132に記録され、予め設定された料金体系に応じて料金計算の際に割引きに利用される。
【0080】
<事前精算の効果>
本実施形態の事前精算は、すでに述べたように、車両からETC車両情報の読み取りを試み、読み取れた場合は前記ETC車両情報を前記入場時画像と紐付けて管理しておき、駐車料金の精算用に選択用端末から入力された車両ナンバー情報を受信すると、当該車両ナンバー情報を、入場時画像に含まれる車両ナンバーと、ETC車両情報に含まれる車両ナンバーのいずれかの中から検索する。検索により一致した車両ナンバー(同一の車両ナンバーが別個の車両に付されることは車両ナンバーの仕様上、ありうる)の入場自画像を利用者に選択してもらう。このように構成されているため、本実施形態では、ETC車両も非ETC車両も、いずれも車両ナンバーを基に入場車両の管理が行われ、システムが統合されていて、利用者にとってもETC車両も非ETC車両も利用方法に変わりなく、利便性がよい。
【0081】
また、本実施形態では、ETC車両情報に含まれる車両ナンバーと、車両の前記入場時画像に含まれる車両ナンバーとが一致するか否かを判定し、一致しない場合に異常と判断し、その場合は車両ナンバーの検索の際に、入場時画像に含まれる車両ナンバーの中から検索する。これにより、ETC車両情報に含まれるナンバー情報が間違っている場合であっても、画像に含まれるナンバー情報による適切なナンバー情報を基に入場車両の管理が行われる。
【0082】
また、本実施形態では、ETC情報管理部155は、入場時画像に含まれる車両ナンバーと、ETC車両情報に含まれる車載器ナンバー、ETCカード情報、車載器番号とを、紐づけて管理する。これにより、ETC車両情報に含まれる様々な情報を基に、入場車両や出場車両の管理が適切に行われる。
【0083】
また、本実施形態では、選択用画面で利用者により選択された車両ナンバーをエンコードして、商業施設における買物額と当該車両ナンバーとの紐付けのために読み取り可能なコード画像を生成する。これにより、ETC車両情報に含まれる様々なETC情報を用いることなく、買物割引のデータベースとの紐づけができ、システムが簡素化され、レスポンスが良いために利用者の利便性が向上する。
【0084】
<オンライン精算>
本実施形態は、精算受付部153をさらに具備する。精算受付部153は、車両が前記駐車場の出口エリアで検出されていない状態で、精算を要求する情報を受信すると、ETCカード情報による決済を含む複数の決済方法の中から決済方法を選択できる画面を選択用画面生成部156に生成させる。つまり、オンライン精算可能な画面を選択用端末に表示させる。その一方で、精算受付部153はさらに、車両が駐車場の出口エリアで検出され、かつ、当該車両からETC電波が検出されている状態で、精算を要求する情報を受信すると、駐車料金を、ETCカード情報を用いて決済する。つまり、図8のステップS206のETC決済が実行される。以下、オンライン精算について図10を参照しながら説明する。
【0085】
図10は本実施形態のオンライン精算のフロー図である。基本的に利用者携帯端末300で操作する流れで図10のフローと図12の図を基に説明する。
【0086】
ステップS401で、利用者携帯端末300でオンライン精算をする場合に、すでに前述の割引コード受信処理をしていれば選択入力が済となっていてYESとなるが、割引コードを受信していなければ、前述の図9のフローと図11の説明の流れで、ステップS308の選択入力の受信のステップまで操作し、Aの流れを辿ってステップS403に移行する。
【0087】
ステップS403では、精算要求を送信する。また、ここで追加の割引情報を入力してもよい。例えば、買物レシートに買物額のコード化情報がプリントされている場合や、別途コード化された割引券などを受け取った場合、当該コード化情報を読取って、割引額に加算することができる(図11(4)のサービス券読取キーから操作する)。
【0088】
また、図12(5)の利用者携帯端末300で、決済方法変更の画面で決済方法を変更することも可能である。利用者は決済方法を決定して精算要求を送信すると、駐車場管理装置100は、ステップS407で精算要求を受信し、ステップS408で料金計算結果を送信する。利用者携帯端末300は、ステップS404で料金計算結果を受信し(図12(6))、ステップS405で決済方法選択を送信する(精算キー押下)。駐車場管理装置100は、ステップS409で決済方法選択を受信すると、ステップS410で決済要求を外部決済機関500に送信する。外部決済機関500ではステップS413で決済要求を受信して決済処理をおこない、ステップS414で決済結果を送信する。駐車場管理装置100は、ステップS411で決済結果を受信すると、その内容を利用者携帯端末300に転送する。利用者携帯端末300ではステップS406で決済結果を受信する(図10(7)。また、駐車場管理装置はステップS412で在車データベース132を更新する。
【0089】
本実施形態では、車両が前記駐車場の出口エリアで検出されていない状態で、精算を要求する情報を受信すると、ETCカード情報による決済を含む複数の決済方法の中から決済方法を選択できる画面を選択用端末に表示させる。その一方で、車両が駐車場の出口エリアで検出され、かつ、当該車両からETC電波が検出されている状態では、精算が完了されていないと判断すると、駐車料金を自動的にETCカード情報を用いて決済する。これにより、ETC車両であっても駐車料金の決済方法を様々選択でき、利用者にとって利便性が良い。
【0090】
<カーナビ活用機能>
上記実施形態では、選択用端末として精算機200と利用者携帯端末300を示したが、このほかにたとえば、車両に搭載されるカーナビゲーションシステム(以下「カーナビ」)が選択用端末であってもよい。以下では、ETC2.0に対応する車載器を搭載したETC車両において、カーナビに駐車場入場時の買物割引方法を表示する実施形態を開示する。
【0091】
図13は、他の実施形態のカーナビの電気ブロック図である。図14は、他の実施形態のカーナビの画面の説明図である。カーナビ600は、ETC車載器601、近距離無線通信部602、TC/ラジオ受信部603、DVD/CD再生部604、操作部605、制御部606、ナビゲーション部607、音声出力部608、表示画面装置609を備える。
【0092】
カーナビ600は、ETC車両が駐車場の入場後すぐに、入口ETCアンテナ253-1を介して表示画面装置609に、駐車場側からの情報を表示させる。この手段によれば入場後の入場中にETC経由でカーナビ600の表示画面装置609に利用者携帯端末300で読取可能なコードを表示するので、利用者は駐車場に入場後に自車両を適宜駐車スペースに駐車させた状態で、ACCをOFFする前にカーナビ画面を確認することで、運転中に利用者携帯端末300やカーナビ600を操作することなく、安全に情報を保持することができる。
【0093】
図14の(1)は、カーナビ上の駐車場への入場時にメッセージが表示された状態を示している。(2)はメッセージ上の「はい」をタップしたことで遷移した画面である。ここに表示された二次元コードは、利用者携帯端末300のカメラで読み取ることで利用者携帯端末300に、車両の情報を記録することができる。また、利用者が携帯端末等を保持していない場合には、ユニークな番号を提示して、この番号をメモすれば、利用者が車両の情報を正確にレジ等で示すことができる。
【0094】
図14(2)で表示される二次元コードに含まれる情報は、基本的には車載器ナンバーであればよい。また数字については、WCN(19桁の番号で成るもの)を表示させても良い。さらに、利用者は利用者携帯端末300を保持している場合も、当該画像をカメラで読み取る以外に、カーナビ600の近距離無線通信機能(Bluetooth:登録商標)を用いて、カーナビ600から利用者携帯端末300に車両の情報を送信することも可能である。
【0095】
以上に述べたように、本実施形態では、選択用画面生成部156は、車両が駐車場に入場したことを通知するとともに精算用に車両ナンバー情報の入力画面にアクセス可能な駐車場情報通知画面を生成する。また、送信部158は、生成された駐車場情報通知画面をカーナビ600に送信する。これにより、利用者は専用サイトにアクセスしたり、車両ナンバー情報を入力したりする必要がなく、利便性が高い。なお、駐車場情報通知画面は、利用者携帯端末300向けに生成し、利用者携帯端末300に送信してもよい。
【0096】
なお、本実施形態を説明したが、さらに他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。また、複数の駐車場のうち、ETC車両に対応していな駐車場の管理においても、本実施形態の駐車場管理装置が駐車料金の決済方法や商業施設での買物割引の反映を総合的に管理することが可能である。さらに、ゲートを設置しない構成として、未精算での出場に際しては未精算フラグを設定し、在車データベース132の情報を未精算出場車データベースに移行させ、後日(出庫後に)の携帯端末からオンライン精算を可能にすることもできる。
【0097】
さらに、本実施形態では、車両ナンバー情報として、4ケタの一連番号を入力する事例を説明したが、これに限定されず、陸運支局名や用途番号(カナ)を入力したり、最低2種類の車両ナンバーの要素の組み合わせを入力してもよい。例えば特定の陸運支局名の、特殊な分類番号の車両を検索して精算する方法は、遠方(珍しい陸運支局名)から来場した高速バス(乗合自動車の分類番号)を精算する場合には有用であり、様々な利用者にとって利便性が向上する。
【0098】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上説明したように、本発明の技術は大規模ショッピングモール等に隣接して設置された駐車場において、好適に利用可能な技術である。
【符号の説明】
【0100】
100・・・駐車場管理装置(Webサーバ)
200・・・精算機(事前精算機)
252-1・・・入口カメラ
252-2・・・出口カメラ
253-1・・・入口ETCアンテナ
253-2・・・出口ETCアンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14