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特開2024-144845複合型の梁構造及びその取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144845
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】複合型の梁構造及びその取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   E04C 3/14 20060101AFI20241004BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20241004BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E04C3/14
E04B1/26 G
E04B1/58 506L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056989
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000235543
【氏名又は名称】飛島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆英
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 晶子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雅春
(72)【発明者】
【氏名】森 和久
(72)【発明者】
【氏名】里 侑典
【テーマコード(参考)】
2E125
2E163
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB12
2E125AC23
2E125AC24
2E125AG03
2E125AG12
2E125BB02
2E125BB03
2E125BB08
2E125BB13
2E125BB22
2E125BB29
2E125BD01
2E125BE04
2E125BE08
2E125BF06
2E125BF08
2E125CA05
2E125CA14
2E163FA12
2E163FC02
2E163FC03
2E163FC31
2E163FC35
2E163FC38
(57)【要約】
【課題】梁に過大な軸応力を及ぼさず、梁せいを抑え、また適宜なむくり量を与えることが可能な複合型の梁構造を提供する。
【解決手段】本発明による複合型の梁構造は、大梁と支柱を含むメインフレームに取り付けられる梁と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段とを備える複合型の梁構造であって、前記撓み抑制手段は長さ調整手段を備える水平材と、水平材の両端に連結され、一端を水平材の1つの端部、他端を前記メインフレームにそれぞれピン支承で連結される2つの斜材とを含み、前記水平材の両端部に位置するそれぞれのピン支承部は梁の下面又は梁の側面を貫通するように配置されて梁を鉛直方向に支持することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大梁と支柱を含むメインフレームに取り付けられる梁と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段とを備える複合型の梁構造であって、
前記撓み抑制手段は長さ調整手段を備える水平材と、水平材の両端に連結され、一端を水平材の1つの端部、他端を前記メインフレームにそれぞれピン支承で連結される2つの斜材とを含み、
前記水平材の両端部に位置するそれぞれのピン支承部は梁の下面又は梁の側面を貫通するように配置されて梁を鉛直方向に支持することを特徴とする複合型の梁構造。
【請求項2】
前記撓み抑制手段は1つの梁の両側又は一定の間隙をもって平行に配置される一対の梁の間に設置されることを特徴とする請求項1に記載の複合型の梁構造。
【請求項3】
所定の長さを超えて使用する場合、長さ方向の中間位置に支持部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の複合型の梁構造。
【請求項4】
大梁と支柱を含むメインフレームに取り付けられる梁と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段とを備える複合型の梁構造の取付方法であって、
梁の両端をメインフレームに固定する段階と、
梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段の両端を、梁の両端を固定するメインフレームにピン支承で固定する段階と、を有し、
前記撓み抑制手段は長さ調整手段を備える水平材と、水平材の両端に連結され、一端を水平材の1つの端部、他端を前記メインフレームにそれぞれピン支承で連結される2つの斜材とを含み、
前記水平材の両端部に位置するそれぞれのピン支承部は梁の下面又は梁の側面を貫通するように配置されて梁を鉛直方向に支持することを特徴とする複合型の梁構造の取付方法。
【請求項5】
前記撓み抑制手段の両端を固定する段階は、前記撓み抑制手段の両端を固定した後、長さ調整手段により前記水平材の長さを縮めて前記水平材の両端部のピン支承部が少なくとも梁を支持する位置まで持ち上げる段階を含むことを特徴とする請求項4に記載の複合型の梁構造の取付方法。
【請求項6】
前記長さ調整手段によりピン支承部を持ち上げる段階は、梁引き上げ手段により梁をむくらせた状態で長さ調整手段により前記水平材の長さを縮めて前記水平材の両端部のピン支承部がむくらせた梁の状態を維持するように前記水平材の長さを調整する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の複合型の梁構造の取付方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型の梁構造及びその取り付け方法に関し、特に長さの調整手段を備え梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段を、梁とは別に直接メインフレームに取り付けることにより、梁に過大な軸応力を及ぼさず、梁せいを抑え、また適宜なむくり量を与えることが可能な複合型の梁構造及びその取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の床材等を支持する梁には鉛直方向の荷重が加わるため、鉛直方向に撓みが発生する。特に大きな荷重を受けることが想定される床部分や、スパンの長い空間部分に設置される梁の場合、大きな撓みが発生しやすい。そのためこのような部分では梁せいの大きい梁を設置する必要がある。しかし梁せいの大きな梁を設置すると、その分1つの階当たりの高さを高くしないと室内空間が狭くなってしまう。この結果、建物の高さを高くすることになり、建築の費用の増加等の課題が発生する。
そこで少しでも鉛直方向の撓みの発生を抑え、梁せいを抑制することが好ましい。こうした技術の一つに張弦梁がある。これは梁と、梁の下面側に圧縮力を作用させる引張り材とを組み合わせ複合型の梁の構造にして鉛直方向撓みを抑制する技術である。
【0003】
特許文献1は、木質構造部材を用いて形成される木質梁部材において、梁部材の幅方向に互いに間隔を隔てて木質構造部材を平行に配置し、これら木質構造部材間で木質構造部材に係合させつつ梁部材の長さ方向に沿って下向き凸状に繊維部材を配置し、繊維部材に緊張力を導入しつつ梁部材の両端部位置に定着するようにした木質梁部材の補強構造が開示されている。
【0004】
特許文献1の木質梁部材の補強構造は、引張り材として繊維部材を使用することで通常の張弦梁より梁せいを抑えるものであるが、引張り材として繊維部材は梁部材の両端部位置に定着されるものであるため、引張り材には両端の定着部分の強度より強い張力を加えることはできない。そのため限られた張力で梁に有効な力を作用させるには、繊維部材の両端の傾斜部分はある程度以上の傾斜角度が必要であり、結果的に梁せいの抑制も限られるという課題が残る。
そこで、引張り材などの撓みを抑制する部材の効果をより高めて有効に梁せいを抑制する梁の構造及びその有効な取り付け方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-176385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の梁構造における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、長さの調整手段を備え梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段を、梁とは別に直接メインフレームに取り付けることにより、梁に過大な軸応力を及ぼさず、梁せいを抑え、また適宜なむくり量を与えることが可能な複合型の梁構造及びその取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による複合型の梁構造は、大梁と支柱を含むメインフレームに取り付けられる梁と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段とを備える複合型の梁構造であって、前記撓み抑制手段は長さ調整手段を備える水平材と、水平材の両端に連結され、一端を水平材の1つの端部、他端を前記メインフレームにそれぞれピン支承で連結される2つの斜材とを含み、前記水平材の両端部に位置するそれぞれのピン支承部は梁の下面又は梁の側面を貫通するように配置されて梁を鉛直方向に支持することを特徴とする。
【0008】
前記撓み抑制手段は1つの梁の両側又は一定の間隙をもって平行に配置される一対の梁の間に設置されることが好ましい。
所定の長さを超えて使用する場合、長さ方向の中間位置に支持部材をさらに備えることが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による複合型の梁構造の取付方法は、大梁と支柱を含むメインフレームに取り付けられる梁と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段とを備える複合型の梁構造の取付方法であって、梁の両端をメインフレームに固定する段階と、梁の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段の両端を、梁の両端を固定するメインフレームにピン支承で固定する段階と、を有し、前記撓み抑制手段は長さ調整手段を備える水平材と、水平材の両端に連結され、一端を水平材の1つの端部、他端を前記メインフレームにそれぞれピン支承で連結される2つの斜材とを含み、前記水平材の両端部に位置するそれぞれのピン支承部は梁の下面又は梁の側面を貫通するように配置されて梁を鉛直方向に支持することを特徴とする。
【0010】
前記撓み抑制手段の両端を固定する段階は、前記撓み抑制手段の両端を固定した後、長さ調整手段により前記水平材の長さを縮めて前記水平材の両端部のピン支承部が少なくとも梁を支持する位置まで持ち上げる段階を含むことが好ましい。
前記長さ調整手段によりピン支承部を持ち上げる段階は、梁引き上げ手段により梁をむくらせた状態で長さ調整手段により前記水平材の長さを縮めて前記水平材の両端部のピン支承部がむくらせた梁の状態を維持するように前記水平材の長さを調整する段階を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る複合型の梁構造及びその取り付け方法によれば、撓み抑制手段はメインフレームに取り付けられるため、従来の張弦梁のように、梁と撓み抑制手段との接合強度による制約を受けることがないので、撓み抑制手段には大きな張力を加えることができ、斜材の傾斜角度を抑えても撓み抑制の効果が得られる。それにより梁せいの小さい梁を垂直荷重の大きい部分にも使用することができ、一般的な高さの階にも使用が可能となり、結果的に建築物の高さを抑えることができる。
【0012】
また、本発明に係る複合型の梁構造及びその取り付け方法によれば、撓み抑制手段はターンバックルなどの長さ調整手段を備えるため、長さの調整により梁のむくり量を自由に設定することができる。特に撓み抑制手段が梁の底面を支持する構造とした場合、梁は撓み抑制手段とは独立して上方に持ち上げるように力を加えることができるため、梁と撓み抑制手段をそれぞれメインフレームに取り付け後、ジャッキなどにより梁を持ち上げるように撓ませた状態で、長さ調整手段を調整して上方に撓ませた梁の形状を維持することが容易である。
【0013】
さらに、本発明に係る複合型の梁構造及びその取り付け方法によれば、梁と撓み抑制手段を別々にメインフレームに取り付けるため、梁と撓み抑制手段との間の応力のやり取りがピン支承における鉛直力の伝達のみとなり、部材の解析や設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による複合型の梁構造の構成を概略的に示す図である。
図2】本発明の他の実施形態による複合型の梁構造の構成を概略的に示す図である。
図3】本発明の実施形態による複合型の梁構造のピン支承部の設置位置の変形例を示す図である。
図4】本発明の実施形態による複合型の梁構造の梁と撓み抑制手段の組み合わせの変形例を示す図である。
図5】本発明の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を概略的に示す図である。
図6】本発明の他の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を概略的に示す図である。
図7】本発明の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る複合型の梁構造及びその取り付け方法を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による複合型の梁構造の構成を概略的に示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態による複合型の梁構造1は、大梁と支柱を含むメインフレーム2に取り付けられる梁10と、梁10の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段20とを備える。
【0016】
梁10は、メインフレーム2に直接固定接続してもよいが、一実施形態では梁10の両端とも、メインフレーム2に固定された取り付け部材3に設けられる梁取り付け部4にピン支承により固定される。
【0017】
一方、撓み抑制手段20は長さ調整手段23を備える水平材22と、水平材22の両端に連結され、一端を水平材22の1つの端部、他端をメインフレーム2にそれぞれピン支承で連結される2つの斜材21とを含む。一実施形態では長さ調整手段23として、図1に示すようにターンバックル24を使用する。ターンバックル24は、両側に雌ねじを備える枠を回動することにより、両側にそれぞれ延長する雄ねじを備えるシャフトを軸方向に移動させ、シャフトを含む全体の長さを変更することができるので、簡単な機構でコンパクトに長さ調整手段23を実現できる。長さ調整手段23としてはワイヤを巻き取ることで長さを変更可能なウィンチ機構なども利用可能である。以下では長さ調整手段23がターンバックル24の場合を代表例として説明するが、長さ調整が可能でかつ調整した長さを維持できる構造のものであれば、ウィンチ機構を含め他の構造のものでかまわない。
【0018】
斜材21のメインフレーム2に取り付けられる側の端部は、一実施形態ではメインフレーム2に直接取り付けられるのではなく、メインフレーム2に固定された取り付け部材3に設けられる斜材取り付け部5にピン支承により固定される。このように本発明の実施形態による複合型の梁構造1は、梁10と梁10の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段20とは、メインフレーム2又はメインフレーム2に固定される取り付け部材3に別々に互いに独立して固定される。この点が鋼材ブレースやワイヤ等の弦材を梁の両端に直接固定するいわゆる張弦梁とは本質的に相違する点である。
【0019】
斜材取り付け部5は梁10の上面とほぼ同じ高さの位置に設けられる。そのため斜材21のメインフレーム2側の端部は梁10の上面とほぼ同じ高さに取り付けられる。それに対し、斜材21の水平材22側の端部は梁10の下面側に位置するように配置され、水平材22の一端とピン支承により連結される。これにより2つの斜材21は斜材取り付け部5から斜め下方に向かい、梁10の下面側で水平材22の両端にそれぞれ接続される形状となる。
【0020】
そこで水平材22の長さ調整手段23により水平材22の全長を短くしていくとそれに伴い斜材21が上向きに回動し、水平材22は次第に持ち上げられることになる。水平材22の両端部に位置するそれぞれのピン支承部25が梁10の下面に当接するようになると、撓み抑制手段20としての役割を果たすようになる。これは例えば、図1のように複合型の梁構造1を設置した後、梁10の上にスラブを設置すると、スラブの荷重により梁10は鉛直下方向に撓もうとするが、下面に当接するピン支承部25が支持点となるため、梁10の鉛直方向の撓みを抑制することができるということである。
【0021】
このように斜材21と水平材22の組み合わせとした場合、斜材21は下方に向く角度が大きい方が鉛直方向の撓みの抑制に有効であるが、角度を大きくした状態で梁10を支持するには梁10の高さである梁せいを大きくするか、梁10とピン支承部25との間に束材を入れる必要があり梁構造としての高さが高いものとなってしまう。逆に梁せいを抑えようとすると斜材21の下方に向く角度を小さくすることになる。斜材21の下方に向く角度が小さくなるほど、梁10の鉛直方向の荷重を支持するために斜材21に加わる水平方向の力が必要となる。この点で本発明の実施形態による複合型の梁構造1は、撓み抑制手段20の端部となる斜材21が梁10ではなくメインフレーム2に固定されるため、前述の張弦梁とは異なり、撓み抑制手段20に大きな水平方向の力を加えることが可能である分、斜材21の下向きの角度を抑えられるという効果が得られる。
【0022】
なお、図1では、梁10も撓み抑制手段20の斜材21も、ともにメインフレーム2に固定された共通の取り付け部材3に取り付けられるように示したが、これらの部材の取り付けは共通の部材である必要はなく、梁取り付け部4を備える梁10用の取り付け部材と、斜材取り付け部5を備える斜材21用の取り付け部材が別々にメインフレーム2に固定されていてもよい。
【0023】
図2は、本発明の他の実施形態による複合型の梁構造の構成を概略的に示す図である。
図2を参照すると、本発明の実施形態による複合型の梁構造1’は、大梁と支柱を含むメインフレーム2に取り付けられる梁10’と、梁10’の鉛直方向の撓みを抑制する撓み抑制手段20とを備える点では図1の実施形態と同様であるが、複合型の梁構造1’における梁10’は複数の梁10が継ぎ手11により接続され、図1に示す複合型の梁構造1より長く形成されている点で相違している。梁10’が長いと梁10’自身の自重も大きくなり、又上に形成するスラブの重量も嵩むため、梁10’の鉛直方向の撓みはより大きなものとなる。
【0024】
そのため、複合型の梁構造(1、1’)を所定の長さを超えて使用する場合、即ち梁(10、10’)の鉛直方向の撓みが許容値を超えてしまう場合は、梁(10、10’)の長さ方向の中間位置に支持部材30を設ける。支持部材30は梁(10、10’)の中間位置の鉛直方向の撓みを抑えるものである。一実施形態では支持部材30として、図2に示すように床面を反力として梁(10、10’)を支持する間柱31を設ける。支持部材30は、これ以外に梁(10、10’)の上方に位置するスラブなどを支持点とする吊りターンバックルにより、梁(10、10’)の中間位置を吊り上げる形で鉛直方向の撓みを抑える構造としてもよい。
複合型の梁構造1’における撓み抑制手段20は図1の撓み抑制手段20に比べてシャフトの部分が長くなるだけで、基本的な構成は変わらない。
【0025】
図3は、本発明の実施形態による複合型の梁構造のピン支承部の設置位置の変形例を示す図である。図3(a)は、ピン支承部が梁の下面に配置される構成を示す部分断面図であり、図3(b)は、ピン支承部が梁の側方を貫通する構成を示す部分断面図である。
【0026】
図3(a)を参照すると、ピン支承部25のピン26が梁10の下面に当接する形で配置され、梁10を挟む形で一対の斜材21と一対の水平材22がピン26にはめ込む形で取り付けられる。ピン26の両端には雄ねじが設けられ、ダブルナット又はナットとスプリングワッシャの組み合わせで斜材21と水平材22が外れないように抑える構造となっている。図3(a)では梁10の下面には鋼板27を設けるように示したが、これは梁10が木製の場合、ピン26による局所的な反力により、梁10に部分的な変形や応力集中が生ずるのを防止するためである。梁10が鋼製の場合は特に鋼板27を設ける必要はない。
【0027】
図3(a)は、梁10とピン26が互いに固定されずに独立する場合を示すが、他の実施形態では、ピン26は梁10の下面に外れないように固定してもよい。ピン26は、例えばピン26を挿通するように貫通孔を形成したピン固定部材を梁10の下面に固定し、ピン26をピン固定部材の貫通孔に挿通し、両端にそれぞれ斜材21及び水平材22を取り付けるようにして固定する。梁10の下面に鋼板27を設ける場合、ピン固定部材と鋼板27を接合してから梁10の下面に固定するようにしてもよい。ピン26を梁10の下面に固定する場合、ピン固定部材の貫通孔の内径とピン26の外径に余裕がないと梁10と撓み抑制手段20の位置関係が固定されてしまう。この状態で水平材22の長さを調整しようとすると梁10に直接軸方向の力を加えることになる。そこで斜材21が回動しても梁10に直接軸方向の大きな力が加わらないように、ピン固定部材の貫通孔の内径は、ピン26の外径に対し隙間が残るように余裕を持たせた寸法とする。この余裕となる隙間が大きいほど梁10に加わる軸方向の力が抑制される。そこでピン支承部25のピン26位置の想定範囲を許容するような隙間を備えるように貫通孔を形成すれば、ピン26により梁10に直接加わる軸方向の力を生じないようにすることができる。このためピン固定部材の貫通孔を梁10の軸方向に長い長孔としてもよい。
【0028】
また、梁10に鉛直方向へ向けた貫通孔を設け、鋼板27にボルト孔を設け、撓み抑制手段20と鋼板27とをピン26で固定した状態にて梁10の貫通孔と鋼板27のボルト孔にボルトを挿通して、梁10と鋼板27を固定してもよい。この場合、梁10の貫通孔の内径をボルト径より大きくするか長孔にすることで、梁10の貫通孔とボルトの隙間の分だけ梁10に加わる軸方向の力が抑制される。
【0029】
図3(b)は他の実施形態であり、ピン26が梁10の側面を貫通するように配置される構造の例である。梁10の両側に一対の斜材21と一対の水平材22がピン26にはめ込む形で取り付けられ、ダブルナット又はナットとスプリングワッシャの組み合わせで外れないように取り付けられる点では図3(a)の実施形態と同様である。また、この場合ピン26は梁10の側面を貫通する貫通孔に挿通して設置されるため、上記ピン固定部材でピン26を固定する場合で説明したのと同様に、梁10の側面を貫通する貫通孔の内径は、ピン26の外径に対し隙間が残るように余裕を持たせた寸法とする。
【0030】
また、梁10が木製の場合、梁10の下面を支持するとともにピン26を挿通させるコの字状に成形された鋼板27を使用するのが好ましい。この場合も梁10のピン26を挿通させる貫通孔はピン26周りに空隙ができるようにピン26より大きくし、水平材22を短くしたときに初めに鋼板27が梁10の下面に当接するように設置することで貫通孔へのピン26の直接的な反力の影響を回避することができる。ピン26が梁10の側面を貫通するように配置するとピン支承部25を含む複合型の梁構造1の高さを低く抑えることができる。
【0031】
なお、コの字状に成形された鋼板27を使用する場合、図3(b)の構造の変形例として、ピン支承のピン26を、梁10を貫通させずに2つのピン26に分け、梁10の両側の鋼板27にそれぞれ挿通して支持されるように設け、梁10の両側でピン支承される鋼板27で梁10の撓みを抑制するように構成してもよい。
【0032】
図4は、本発明の実施形態による複合型の梁構造の梁と撓み抑制手段の組み合わせの変形例を示す図である。図4(a)は、図1と同様、梁の両側に撓み抑制手段を備える場合の構成を梁の下面側から見た図であり、図4(b)は、一対の梁の間に撓み抑制手段を備える場合の構成を梁の下面側から見た図である。
【0033】
図4(a)を参照すると、本発明の実施形態による複合型の梁構造1は、図1~3に示したように1つの梁10を中心として両側に斜材21と水平材22とからなる撓み抑制手段20をそれぞれ備える。ピン支承部25は梁10の下面に当接する形で取り付けられ、ピン支承部25が当接する梁10の下面には必要により鋼板27が設けられる。この構成の場合、梁10に対して4つの斜材21と2つの水平材22により梁10の鉛直方向の撓みを抑制することになる。
【0034】
図4(b)に示す複合型の梁構造1’’は、図4(a)とは逆に一対の梁10の間に斜材21と水平材22とからなる撓み抑制手段20を備える。この場合撓み抑制手段20が大部分梁10の間に隠れるため目立ちにくいというメリットがある。
【0035】
図5は、本発明の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を概略的に示す図である。図5(a)は、梁の設置後で撓み抑制手段の調整前の状態、図5(b)は、撓み抑制手段の調整後の状態を示す図である。なお、図5は梁とピン支承部のピンが互いに固定されずに独立する場合である。
【0036】
図5(a)を参照すると、メインフレーム2に固定された取り付け部材3の梁取り付け部4に梁10をピン支承で取り付け後、梁10とは独立して撓み抑制手段20が、取り付け部材3の斜材取り付け部5にピン支承で取り付けられた状態が示される。この状態では撓み抑制手段20は長さの調整前であり、撓み抑制手段20の水平材22は梁10から離隔した位置にあるので、その両端のピン支承部25も梁10の下面からは離隔した状態である。
【0037】
図5(b)は、図5(a)の状態から水平材22の長さ調整手段23で水平材22の長さを調整した状態を示す。水平材22の長さを短くするように調整することにより、両端に接続される斜材21が斜材取り付け部5側のピンを中心に上向きに回動し、水平材22が引き上げられていく。水平材22の長さは少なくともピン支承部25が梁10の下面に当接して梁10が鉛直下方に撓むのを抑制する状態になるまで短くする。ここに至るまで斜材21や水平材22には自重が加わるが、梁10との相互作用による外力は加わらない。そのため例えば水平材22の長さ調整手段23がターンバックル24の場合でも軽い力で枠を回転させて長さを短くすることができる。梁10に載せるスラブなどによる負荷があまり大きくない場合はこの状態で使用してもよい。
【0038】
ピン支承部25が梁10の下面に当接した状態からさらに水平材22を短くすると、ピン支承部25で梁10に鉛直上方の外力を加えることになる。それにより梁10は上方に反る、むくりの状態となって、より鉛直下方への撓みが生じにくい状態となる。そこで一実施形態では長さ調整手段23によりピン支承部25が梁10の下面に当接した状態よりさらに短くなるように水平材22の長さを調整して梁10をむくらせ、そのまま梁10のむくらせた状態を維持する。
しかし、梁10が長くなると、変形するまでピン支承部25を持ち上げるには大きな張力に抗して水平材22を短くする必要があり、ターンバックル24により水平材22を短くするのは容易ではない。この場合は、水平材22に張力を生じさせるのではなく、梁10を先に変形させることで梁10のむくりの状態を実現することが可能である。
【0039】
図5は梁10とピン26が互いに固定されずに独立する場合であるが、図3を参照して説明したように、実施形態によってはピン26が梁10の下面に固定されている場合や、梁10を貫通するように取り付けられている場合は、初めからピン26は梁10と当接していることがある。この場合、ピン26は当接しているだけであって、水平材22が有効に寄与せずピン26による鉛直上方に向かう支持力が働いていない状態も含まれる。この場合は長さ調整手段23により水平材22の長さを短くなるように調整して、ピン26による鉛直上方に向かう支持力が働くようになるまで、即ち、水平材22の長さを短くするのに抵抗力が働くようになるまで調整することにより、撓み抑制手段20を有効に働かせることができる。
【0040】
図6は、本発明の他の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を概略的に示す図である。図6(a)は梁引き上げ手段により梁を引き上げた状態を示す図であり、図6(b)は撓み抑制手段により梁を引き上げた状態を維持する状態を示す図である。なお、図6は梁とピン支承部のピンが互いに固定されずに独立する場合である。
【0041】
図6(a)を参照すると、両端がピン支承された梁10が下方から梁引き上げ手段40によりピン支承部25の近傍で上方に押し上げられ、むくれた形状となる様子が示される。図6(a)では梁引き上げ手段40として油圧ジャッキ41を用いる場合を示す。梁引き上げ手段40は、梁10を引き上げたり押し上げたりして上方に変形させることができればどんなものでもよく、油圧ジャッキ41の他、梁10より上方を支持点とする吊りターンバックルやチェーンブロックなどでもよい。吊りターンバックルの場合は、吊りターンバックルによる長さ調整の方向が梁10と直交する方向に設置されるので、水平材22に設けるターンバックル24に比べ小さな力で梁10に変形を加えることができる。
【0042】
図に示すように油圧ジャッキ41を用いる場合は、油圧ゲージ付きの油圧ジャッキ41を用いることが好ましい。これは油圧ゲージの値により梁10に及ぼす力の状況が読み取れるからである。
まず、油圧ジャッキ41を作動させて梁10に必要な変形量となるようシャフトを上昇させて梁10をむくらせる。むくらせる量は梁10の材質や寸法、梁10の上に設置する構造物の重量等、設計により様々であるが、実験レベルでは例えば幅120mm、高さ330mmの集成材を使用した梁10に10kNの荷重を加えたときの梁10の変形量は5~10mmの程度である。
このように梁10を変形させることより、当初梁10の下面に当接していたピン支承部25は梁10の下面から離隔する。この状態では油圧により梁10をむくらせているので、油圧ゲージには油圧の値が示される。
【0043】
次に図6(b)に示すように水平材22の長さ調整手段23により水平材22の長さを短くしていく。それに伴い斜材21は上向きに回動し、やがて水平材22の両端のピン支承部25がむくれた状態の梁10の下面に当接する。ピン支承部25が梁10の下面に当接した段階ではピン支承部25は梁10の下面には特に力を及ぼさず、油圧ゲージの値は変わらない。しかしピン支承部25が梁10の下面に当接した段階からさらに短くなるように水平材22の長さ調整手段23を調整すると、ピン支承部25が梁10に上向きの力を加えることになり、その結果油圧ゲージが示す油圧の値は低下していく。
【0044】
油圧ゲージが示す油圧が0になった時点で油圧ジャッキ41の寄与が解除され、梁10のむくりの形状を維持する機能は撓み抑制手段20に移行する。そのため油圧ジャッキ41を外しても梁10のむくりの形状が維持される。このように梁引き上げ手段40を使用して梁10を予めむくらせることにより、ピン支承部25が梁10の下面に当接するようになるまでは長さ調整手段23を調整するのに大きな力を加える必要はない。このため梁10が直線状の状態からむくりの形状に至るまで長さ調整手段23で変形させ続けるのに比べはるかに少ない労力で、梁10のむくりの形状の維持を実現することができる。
【0045】
図6は梁とピン支承部のピンが互いに固定されずに独立する場合であるが、ピン26が梁10の下面に固定されている場合や、梁10を貫通するように取り付けられている場合は、図6(a)のように梁引き上げ手段40で梁を上方に変形させた状態では、ピン26も梁10に固定された状態のまま上方に引き上げられる。ただし水平材22が有効に寄与せずピン26による鉛直上方に向かう支持力が働いていない状態も含まれる。図5の場合と同様、この場合も長さ調整手段23により水平材22の長さを短くなるように調整して、ピン26による鉛直上方に向かう支持力が働くようになるまで調整することにより、梁10のむくらせた状態を維持することができる。
【0046】
また、梁10のむくり状態の管理は、油圧ジャッキ41で油圧ゲージの油圧を測定しながら押し上げることで行い、撓み抑制手段20は形状を維持するように長さ調整をするので、撓み抑制手段20にかかる張力は測定する必要はない。
なお、梁10の構造によっては前述のように長さ調整手段23により水平材22の長さを調整して梁10をむくらせ、そのまま梁10のむくらせた状態を維持することも可能である。この場合、例えば長さ調整手段23がターンバックル24の場合、ターンバックル24に加わるトルクを測定することにより梁10のむくり状態の管理することもできる。
【0047】
図7は、本発明の実施形態による複合型の梁構造の取付方法を説明するためのフローチャートである。
図7を参照すると、段階S700にて梁10の両端をメインフレーム2に固定する。梁10の両端の固定はメインフレーム2に直接でもよいし、メインフレーム2に固定した取り付け部材3に固定する形でもよい。また梁10の両端の固定は、固定支持梁のように完全に固定する構造でもよいが、実施形態ではピン支承により接続して固定部に曲げ応力がかからないように固定する。
【0048】
次いで段階S710で撓み抑制手段20の両端をメインフレーム2にピン支承で固定する。この場合のメインフレーム2への固定も、メインフレーム2に直接でもよいし、メインフレーム2に固定した取り付け部材3に固定する形でもよい。取り付け部材3を使用して固定する場合、取り付け部材3は、梁10の両端を固定する取り付け部材3と共通でもよいし、梁10の両端を固定する取り付け部材3とは異なる取り付け部材3であってもかまわない。梁10の両端を固定する取り付け部材3と共通の場合でも、取り付け部材3は梁10を固定する梁取り付け部4と、撓み抑制手段20の両端にある斜材21を固定する斜材取り付け部5とは独立して設ける。
このように、梁10と、撓み抑制手段20はそれぞれ独立してメインフレーム2に固定するため、段階S700と段階S710は順番が前後してもかまわない。
【0049】
梁10と、撓み抑制手段20を取り付けた後、梁10をそのまま使用するかむくらせてから使用するかの判断を行い(段階S720)、むくらせて使用すると判断する場合は、段階S730にて梁引き上げ手段40を使用するかどうかを判断する。
梁引き上げ手段40を使用すると判断した場合、段階S740にて梁引き上げ手段40により梁10を上方に引き上げるか押し上げるかしてむくらせ、その状態を維持する。実施形態では梁引き上げ手段40として油圧ゲージ付きの油圧ジャッキ41を使用し、梁10のむくり量が所定の値となるよう下から押し上げる。
【0050】
最後に段階S750にて、撓み抑制手段20の長さ調整手段23により、むくらせた梁10の状態を維持するように水平材22の長さを調整する。実施形態では油圧ゲージ付きの油圧ジャッキ41でむくらせたときの油圧ゲージの値が0に戻るまで水平材22の長さを短くしていくことで、むくみの形状の維持の役割を油圧ジャッキ41から撓み抑制手段20に移行させる。これにより油圧ジャッキ41を撤去しても梁10の状態が維持される。
【0051】
油圧ゲージを使用しない場合でも、梁10をむくらせた状態で水平材22の長さを短くしていくと、水平材22が上昇し、水平材22両端のピン支承部25が梁10の下面に当接した段階を境に、長さ調整手段23に加わる張力が急上昇するので、長さ調整手段23による調整に抵抗が生ずる段階まで水平材22の長さを短くすれば、油圧ゲージによる確認に近い状態を実現することは可能である。
【0052】
段階S730に戻って、梁引き上げ手段40を使用しないと判断した場合は、段階S735にて長さ調整手段23により水平材22のピン支承部25が梁10をむくらせた状態になるまで水平材22の長さを調整する。長さ調整手段23により水平材22の長さは調整後の長さに固定されるので梁10をむくらせた状態が維持される。
【0053】
段階S720に戻って、梁10をむくらせずにそのまま使用すると判断する場合は、段階S725にて撓み抑制手段20の長さ調整手段23により、水平材22両端のピン支承部25が梁10の下面に当接して梁10の鉛直方向を下から支持する状態になるまで水平材22を短くしてピン支承部25を持ち上げる。
ピン支承部25のピン26が梁10に固定されている場合は、ピン26が梁10当接した状態を維持するので、この場合は水平材22が有効に機能し、梁10の鉛直方向を下から支持する状態になるまで水平材22を短くする。
【0054】
また、ピン支承部25のピン26が梁10に固定されている構成の場合、梁10に撓み抑制手段20を組み付けてから、組み付けられた状態の梁10および撓み抑制手段20をメインフレーム2に固定する順で施工してもよい。すなわち、予め撓み抑制手段20のピン支承部25をピン26により梁10に固定してから、これら組み付けられた状態の梁10および撓み抑制手段20を施工箇所まで吊上げて、それぞれメインフレーム2に固定し、その後、梁10をむくらせるか、梁10を鉛直方向の下から支持する状態になるまで長さ調整手段23により水平材22を短くする順にしてもよい。
【0055】
ここまで説明したように、本発明の実施形態による複合型の梁構造1は、梁10とは独立して設ける斜材21と水平材22とを含む撓み抑制手段20の水平材22の長さを調整することで、梁せいを抑えつつも容易に梁10の鉛直方向の撓みが生じにくい梁構造を実現することができる構造である。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、1’、1’’ 複合型の梁構造
2 メインフレーム
3 取り付け部材
4 梁取り付け部
5 斜材取り付け部
10、10’ 梁
11 継ぎ手
20 撓み抑制手段
21 斜材
22 水平材
23 長さ調整手段
24 ターンバックル
25 ピン支承部
26 ピン
27 鋼板
30 支持部材
31 間柱
40 梁引き上げ手段
41 油圧ジャッキ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7