(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144859
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】車両用外装部品
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20241004BHJP
B60R 13/04 20060101ALI20241004BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20241004BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241004BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20241004BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20241004BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20241004BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20241004BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241004BHJP
【FI】
F21S43/20
B60R13/04 Z
F21S43/50
F21S43/14
F21V3/00 350
F21V3/02 500
F21V3/10 330
F21W104:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057009
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】坂本 亮一
(72)【発明者】
【氏名】太田 耕志朗
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AC11
3D023AD18
(57)【要約】
【課題】車両用外装部品において、加飾パターンを立体的に視認可能とする。
【解決手段】車両に設置される車両用外装部品1であって、外側透光パネル4と、外側透光パネル4の内側に配置される内側透光パネル5とを備え、外側透光パネル4は、部分的に遮光する外側加飾膜4bを備え、内側透光パネル5は、部分的に遮光する内側加飾膜5bを備え、内側加飾膜5bは、外側透光パネル4の外側から見て、外側加飾膜4bに少なくとも一部が重なりかつ縁部が視認可能に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される車両用外装部品であって、
外側透光パネルと、前記外側透光パネルの内側に配置される内側透光パネルとを備え、
前記外側透光パネルは、部分的に遮光する第1加飾層を備え、
前記内側透光パネルは、部分的に遮光する第2加飾層を備え、
前記第2加飾層は、前記外側透光パネルの外側から見て、前記第1加飾層に少なくとも一部が重なりかつ縁部が視認可能に形成されている
ことを特徴とする車両用外装部品。
【請求項2】
前記第1加飾層と前記第2加飾層とは、前記外側透光パネルの外側から見て同一形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用外装部品。
【請求項3】
前記外側透光パネルは、
透明材料からなる板状の外側本体パネルと、
前記外側本体パネルの内側面に設けられた前記第1加飾層と
を備え、
前記内側透光パネルは、
透明材料からなる板状の内側本体パネルと、
前記内側本体パネルの内側面に設けられた前記第2加飾層と
を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用外装部品。
【請求項4】
前記外側本体パネルと前記内側本体パネルとは、着色透明材料から形成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用外装部品。
【請求項5】
前記内側本体パネルは、前記外側本体パネルと比較して波長が長い光を散乱可能に着色されていることを特徴とする請求項4記載の車両用外装部品。
【請求項6】
前記内側透光パネルの内側に配置されると共に前記内側透光パネルに向けて光を射出する発光ユニットを備えることを特徴とする請求項1または2記載の車両用外装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用外装部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、車両に搭載するグリルイルミネーションが開示されている。特許文献1に開示されたグリルイルミネーションは、例えば車両の前部に取り付けられ、夜間等に車両を電飾する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、イルミ―ネーショングリル等の車両用外装部品は、車両の外観印象に大きく影響を与える。このため、車両用外装部品には、模様や文字を示す加飾パターンが形成される場合がある。しかしながら、このような加飾パターンは、例えば、板状のパネル部材の表面に印刷や塗装で設けられた加飾層によって形成される。このため、車両用外装部品に形成される模様や文字は平面的なものであった。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、車両用外装部品において、加飾パターンを立体的に視認可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、車両に設置される車両用外装部品であって、外側透光パネルと、上記外側透光パネルの内側に配置される内側透光パネルとを備え、上記外側透光パネルが、部分的に遮光する第1加飾層を備え、上記内側透光パネルが、部分的に遮光する第2加飾層を備え、上記第2加飾層が、上記外側透光パネルの外側から見て、上記第1加飾層に少なくとも一部が重なりかつ縁部が視認可能に形成されているという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記第1加飾層と上記第2加飾層とが、上記外側透光パネルの外側から見て同一形状に形成されているという構成を採用する。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記外側透光パネルが、透明材料からなる板状の外側本体パネルと、上記外側本体パネルの内側面に設けられた上記第1加飾層とを備え、上記内側透光パネルが、透明材料からなる板状の内側本体パネルと、上記内側本体パネルの内側面に設けられた上記第2加飾層とを備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、上記外側本体パネルと上記内側本体パネルとが、着色透明材料から形成されているという構成を採用する。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記内側本体パネルが、上記外側本体パネルと比較して波長が長い光を散乱可能に着色されているという構成を採用する。
【0012】
本発明の第6の態様は、上記第1~第5のいずれかの態様において、上記内側透光パネルの内側に配置されると共に上記内側透光パネルに向けて光を射出する発光ユニットを備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外側透光パネルの外側から見ると、第1加飾層と第2加飾層とが重なって配置される。さらに、第2加飾層の縁部が外側透光パネルの外側から見て視認可能である。このため、外側透光パネルの外側に位置する者は、第1加飾層と第2加飾層とによって形成される加飾パターンを立体的に視認することができる。したがって、本発明によれば、車両用外装部品において、加飾パターンを立体的に視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態の車両用外装部品を備える車両の模式的な正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の車両用外装部品の概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図3】(a)が外側透光パネルの概略構成を示す模式的な断面図であり、(b)が内側透光パネルの概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態の車両用外装部品の概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態の車両用外装部品の概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図6】本発明の第4実施形態の車両用外装部品の概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図7】本発明の第5実施形態の車両用外装部品の概略構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用外装部品の一実施形態について説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態の車両用外装部品1を備える車両10の模式的な正面図である。
図1に示すように、車両10は、フロントガラスGの下方に配置された開閉可能なフードH、フードHの下方にて左右に離間して配置されたヘッドランプL、及びヘッドランプLの下方に配置されたフロントバンパB等を備えている。
【0017】
なお、本実施形態において車両10に搭載される車両パーツは一例であり、車両10に対しては他の車両パーツが搭載可能である。また本実施形態における車両パーツの表面形状は平面ではない三次元形状であってもよい。ただし、全ての車両パーツの表面形状が三次元形状である必要は必ずしもない。
【0018】
本実施形態の車両用外装部品1は、例えば電気自動車等のフードHの内部に外気を取り込む必要がないあるいは少ない車両10に対して設けられている。ただし、本実施形態の車両用外装部品1は、フードHの下方に内燃機関が設置された車両10に対して設けてもよい。本実施形態の車両用外装部品1は、車両10の外部のものに対して、加飾パターンPを視認させる。なお、本実施形態の加飾パターンPは、
図1に示すように、各々が車幅方向に延伸すると共に互いに平行に配置された2つの帯状パターンからなる。ただし、加飾パターンPの形状は、特に限定されるものではない。加飾パターンPは、例えばマークであったり文字であったりしてもよい。
【0019】
本実施形態においては、
図1に示すように、車両用外装部品1は、フードHの下方、フロントバンパBの上方、かつ、左右のヘッドランプLの間に配置されている。ただし、車両用外装部品1の設置場所は、特に限定されるものではない。
【0020】
図2は、本実施形態の車両用外装部品1の模式的な断面図である。
図2に示すように本実施形態の車両用外装部品1は、支持フレーム2と、発光ユニット3と、外側透光パネル4と、内側透光パネル5とを備える。
【0021】
支持フレーム2は、
図2に示すように、不図示の車体に対して固定される部材であり、発光ユニット3、外側透光パネル4及び内側透光パネル5を支持する。本実施形態においては、支持フレーム2は、車両10の外側から内側に向けて窪む凹部2aを有する形状に形成されている。つまり、凹部2aは、車両10の外側に向け開放された箱状に形成されている。このような支持フレーム2は、樹脂によって形成されており、不図示の車体に対して係止される複数の係止爪2bを備える。
【0022】
発光ユニット3は、支持フレーム2の凹部2aの底部に対して固定されており、不図示の制御装置の制御に基づいて点灯及び消灯可能である。発光ユニット3は、制御装置によって点灯されることで、凹部2aの開口端に向けて光を射出する。なお、以下の説明においては、発光ユニット3から射出される光を射出光Laと称する。例えば、発光ユニット3は、プリント配線板と、このプリント配線板に実装された複数のLED(light-emitting diode)素子とを備える。
【0023】
本実施形態の車両用外装部品1においては、発光ユニット3に対して支持フレーム2の凹部2aの開口端側には、外側透光パネル4及び内側透光パネル5が位置する。したがって、発光ユニット3から射出される射出光Laは、外側透光パネル4及び内側透光パネル5に向けて射出される。
【0024】
外側透光パネル4及び内側透光パネル5は、車両10の外部から視認可能な加飾パターンPを形成するための部材である。
図3(a)は、外側透光パネル4の概略構成を示す模式的な断面図である。この図に示すように外側透光パネル4は、外側本体パネル4aと、外側加飾膜4b(第1加飾層)とを備える。また、
図3(b)は、内側透光パネル5は、内側本体パネル5aと、内側加飾膜5b(第2加飾層)とを備える。
【0025】
外側透光パネル4は、
図2に示すように、縁部が支持フレーム2に接続されることで、支持フレーム2によって支持されている。外側透光パネル4は、支持フレーム2の凹部2aの開口端を封止するように配置されている。外側本体パネル4aは、透明材料によって形成された板状の部位である。外側本体パネル4aは、外側面4a1を車両10の外側に向け、内側面4a2を車両10の内側に向けるように配置されている。このような外側本体パネル4aは、例えば樹脂やガラスによって形成できる。
【0026】
外側加飾膜4bは、
図3(a)に示すように、外側本体パネル4aの内側面4a2に対して形成された遮光膜である。外側加飾膜4bは、加飾パターンPの形状に形成されており、外側本体パネル4aの内側面4a2の一部に設けられている。つまり、外側加飾膜4bは、外側透光パネル4を透過しようとする光を部分的に遮る部位であり、外側透光パネル4において部分的に遮光する。このような外側加飾膜4bは、例えば印刷や塗装によって形成できる。なお、外側加飾膜4bは、外側加飾膜4bに入射する光の全てを遮光できる必要はない。つまり、外側加飾膜4bに入射する光の一部は、外側加飾膜4bを透過してもよい。
【0027】
内側透光パネル5は、
図2に示すように、縁部が支持フレーム2に接続されることで、支持フレーム2によって支持されている。内側透光パネル5は、支持フレーム2の凹部2aの内部であって、外側透光パネル4よりも車両10の内側に配置されている。内側本体パネル5aは、透明材料によって形成された板状の部位である。内側本体パネル5aは、外側面5a1を車両10の外側に向け、内側面5a2を車両10の内側に向けるように配置されている。このような内側本体パネル5aは、外側本体パネル4aと同様に、例えば樹脂やガラスによって形成できる。
【0028】
内側加飾膜5bは、
図3(b)に示すように内側本体パネル5aの内側面5a2に対して形成された遮光膜である。内側加飾膜5bは、加飾パターンPの形状に形成されており、内側本体パネル5aの内側面5a2の一部に設けられている。つまり、内側加飾膜5bは、内側透光パネル5を透過しようとする光を部分的に遮る部位であり、内側透光パネル5において部分的に遮光する。このような内側加飾膜5bは、外側加飾膜4bと同様に、例えば印刷や塗装によって形成できる。なお、内側加飾膜5bは、内側加飾膜5bに入射する光の全てを遮光できる必要はない。つまり、内側加飾膜5bに入射する光の一部は、内側加飾膜5bを透過してもよい。
【0029】
外側透光パネル4及び内側透光パネル5は、車両10の内側と外側とを結ぶ方向に配列されている。外側透光パネル4は、外側本体パネル4aの内側面4a2が内側本体パネル5aの外側面5a1に対向するように、内側透光パネル5に対向配置されている。このような外側透光パネル4は、
図2に示すように、内側透光パネル5よりも車両10の外側に位置する。つまり、内側透光パネル5は、外側透光パネル4よりも車両10の内側に位置する。
【0030】
また、本実施形態の車両用外装部品1において外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとは、完全に同一の形状に形成されている。また、外側透光パネル4と内側透光パネル5との配列方向から見て、外側加飾膜4bの縁部4b1と内側加飾膜5bの縁部5b1とが重なるように配置されている。つまり、本実施形態の車両用外装部品1において、内側加飾膜5bは、外側透光パネル4の外側から見て外側加飾膜4bと重なるように配置されている。ただし、外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとは、車両10の外側と内側とを結ぶ方向に、一定距離離間して配置されている。このため、内側加飾膜5bの縁部5b1は、外側透光パネル4の外側から視認することができる。つまり、内側加飾膜5bは、外側透光パネル4の外側から見て、外側加飾膜4bに少なくとも一部が重なりかつ縁部5b1が視認可能に形成されている。
【0031】
このような本実施形態の車両用外装部品1では、例えば、外側透光パネル4の外側から外光が外側透光パネル4に入射すると、外側透光パネル4に入射された外光の一部は、外側透光パネル4を透過して内側透光パネル5に入射する。この結果、外側透光パネル4の外部から外側加飾膜4bの縁部4b1と内側加飾膜5bの縁部5b1とを視認することができ、加飾パターンPが視差によって立体的に視認される。
【0032】
また、本実施形態の車両用外装部品1では、例えば、発光ユニット3から射出光Laが射出されると、車両10の内側方向から射出光Laが内側透光パネル5に入射する。射出光Laが内側透光パネル5に入射すると、内側透光パネル5に入射された射出光Laの一部は、内側透光パネル5を透過して外側透光パネル4に入射する。この結果、外側透光パネル4の外部から外側加飾膜4bの縁部4b1と内側加飾膜5bの縁部5b1とを視認することができ、加飾パターンPが視差によって立体的に視認される。
【0033】
さらに、本実施形態の車両用外装部品1では、発光ユニット3から射出光Laが射出されると、外側透光パネル4の外側から見て、内側加飾膜5b及び外側加飾膜4bが形成されていない領域が明るく視認される。このため、発光ユニット3を点灯させた場合と消灯させた場合とで、加飾パターンPの印象を変化させることができる。
【0034】
以上のような本実施形態の車両用外装部品1は、車両10に設置される。また、車両用外装部品1は、外側透光パネル4と、外側透光パネル4の内側に配置される内側透光パネル5とを備える。外側透光パネル4は、部分的に遮光する外側加飾膜4bを備える。また、内側透光パネル5は、部分的に遮光する内側加飾膜5bを備える。さらに、内側加飾膜5bは、外側透光パネル4の外側から見て、外側加飾膜4bに少なくとも一部が重なりかつ縁部5b1が視認可能に形成されている。
【0035】
このような本実施形態の車両用外装部品1によれば、外側透光パネル4の外側から見ると、外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとが重なって配置される。さらに、内側加飾膜5bの縁部5b1が外側透光パネル4の外側から見て視認可能である。このため、外側透光パネル4の外側に位置する者は、外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとによって形成される加飾パターンPを立体的に視認することができる。したがって、本実施形態の車両用外装部品1は、加飾パターンPを立体的に視認させることができる。
【0036】
また、本実施形態の車両用外装部品1において外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとは、外側透光パネル4の外側から見て同一形状に形成されている。このような本実施形態の車両用外装部品1によれば、外側加飾膜4bと内側加飾膜5bとが同一形状であることから、視認者が外側加飾膜4bと内側加飾膜5bと同一の物体と認識しやすくなり、加飾パターンPをより立体的に視認させることができる。
【0037】
また、本実施形態の車両用外装部品1において外側透光パネル4は、透明材料からなる板状の外側本体パネル4aと、外側本体パネル4aの内側面4a2に設けられた外側加飾膜4bとを備える。また、内側透光パネル5は、透明材料からなる板状の内側本体パネル5aと、内側本体パネル5aの内側面5a2に設けられた内側加飾膜5bとを備える。
【0038】
このような本実施形態の車両用外装部品1によれば、板状の外側本体パネル4aの内側面4a2に外側加飾膜4bを形成することで、外側加飾膜4bを容易に設けることが可能となる。また、本実施形態の車両用外装部品1によれば、板状の内側本体パネル5aの内側面5a2内側加飾膜5bを形成することで、内側加飾膜5bを容易に設けることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態の車両用外装部品1は、発光ユニット3を備える。発光ユニット3は、内側透光パネル5の内側に配置されると共に内側透光パネル5に向けて光を射出する。
【0040】
このような本実施形態の車両用外装部品1によれば、発光ユニット3を点灯させた場合と消灯させた場合とで、視認者の加飾パターンPの印象を変化させることができる。このため、本実施形態の車両用外装部品1は、視認者により印象に残る加飾パターンPを形成することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0042】
図4は、本実施形態の車両用外装部品1Aの模式的な断面図である。本実施形態の車両用外装部品1Aでは、外側透光パネル4の外側本体パネル4aが着色透明材料によって形成されている。本実施形態では、外側本体パネル4aは、430~490nmの波長成分(青色成分)を散乱しやすいように着色されている。つまり、本実施形態において外側本体パネル4aは、青色の着色透明材料によって形成されている。
【0043】
また、内側透光パネル5の内側本体パネル5aは、着色透明材料によって形成されている。本実施形態では、内側本体パネル5aは、590~640nmの波長成分(オレンジ成分)を散乱しやすいように着色されている。つまり、本実施形態において内側本体パネル5aは、オレンジ色の着色透明材料によって形成されている。このように、本実施形態の車両用外装部品1Aでは、内側本体パネル5aは、外側本体パネル4aと比較して波長が長い光を散乱可能に着色されている。
【0044】
波長の長い光は、波長が短い光よりも遠方に届きやすい性質を持つ。このため、本実施形態の車両用外装部品1Aにおいて、発光ユニット3を点灯させると、射出光Laの内側本体パネル5aで散乱された成分が外部の視認者に視認されやすくなり、車両用外装部品1Aの全体がオレンジ色に発光しているように視認される。一方で、本実施形態の車両用外装部品1Aにおいて、発光ユニット3を消灯させると、外光が外側本体パネル4aで散乱し、内側本体パネル5aまで到達しにくくなり、この結果、車両用外装部品1Aの全体が青色に着色されているように視認される。つまり、本実施形態の車両用外装部品1Aでは、発光ユニット3を点灯させた場合と消灯させた場合とにおける色調を変化させることができる。
【0045】
以上のような本実施形態の車両用外装部品1Aにおいて外側本体パネル4aと内側本体パネル5aとは、着色透明材料から形成されている。このような本実施形態の車両用外装部品1Aによれば、加飾パターンPの周囲を着色することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態の車両用外装部品1Aにおいて内側本体パネル5aは、外側本体パネル4aと比較して波長が長い光を散乱可能に着色されている。このような本実施形態の車両用外装部品1Aによれば、光の車両用外装部品1Aへの入射方向によって、車両用外装部品1Aの色調を変化させることができる。例えば発光ユニット3と点灯させた場合と消灯させた場合とで、車両用外装部品1Aの色調を変化させることができる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、
図5を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0048】
図5は、本実施形態の車両用外装部品1Bの模式的な断面図である。本実施形態の車両用外装部品1Bでは、内側加飾膜5bが外側加飾膜4bよりも大きく形成されている。例えば内側加飾膜5bは、外側加飾膜4bと相似形であり、外側透光パネル4と内側透光パネル5との配列方向から見て、縁部5b1の全体が外側加飾膜4bの縁部4b1の外側に位置する。
【0049】
このような本実施形態の車両用外装部品1Bによれば、車両10の正面位置から車両10を中心として円弧状に移動した場合に、内側加飾膜5bの縁部5b1が視認できる範囲を上記第1実施形態よりも広くすることができる。このため、本実施形態の車両用外装部品1Bによれば、加飾パターンPが立体的に見える範囲を広くすることができる。
【0050】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、
図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0051】
図6は、本実施形態の車両用外装部品1Cの模式的な断面図である。本実施形態の車両用外装部品1Cでは、内側加飾膜5bが外側加飾膜4bよりも小さく形成されている。例えば内側加飾膜5bは、外側加飾膜4bと相似形であり、外側透光パネル4と内側透光パネル5との配列方向から見て、縁部5b1の全体が外側加飾膜4bの縁部4b1で囲まれた範囲に位置する。
【0052】
このような本実施形態の車両用外装部品1Cによれば、車両10の正面位置から車両10を中心として円弧状に移動した場合に、内側加飾膜5bの縁部5b1が視認できる範囲を上記第1実施形態よりも狭くすることができる。このため、本実施形態の車両用外装部品1Cによれば、加飾パターンPが立体的に見える範囲を狭くすることができる。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、
図7を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0054】
図7は、本実施形態の車両用外装部品1Dの模式的な断面図である。この図に示すように、本実施形態の車両用外装部品1Dにおいて内側本体パネル5aの外側面5a1に複数の凹凸5a3が設けられている。このような凹凸5a3によって、外側面5a1は光を散乱する散乱面に形成されている。
【0055】
このような本実施形態の車両用外装部品1Dによれば、内側加飾膜5bをぼやけさせて視認させることができる。したがって、本実施形態の車両用外装部品1Dによれば、加飾パターンPの印象を上記第1実施形態と比較して異なるものとできる。
【0056】
なお、
図7に示すように、本実施形態の車両用外装部品1Dでは、外側透光パネル4と内側透光パネル5との配列方向から見て、凹凸5a3が内側加飾膜5bを形成した範囲に局所的に形成されている。しかしながら、凹凸5a3を外側面5a1の全体に形成してもよい。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態においては、本発明の第1加飾層が外側加飾膜4bである構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1加飾層を膜状部材でなく、板状部材やブロック状部材で形成することも可能である。また、本発明では、同様に、第2加飾層を板状部材やブロック状部材で形成することも可能である。
【0059】
また、上記実施形態においては、発光ユニット3を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は発光ユニット3を備えない構成を採用することも可能である。例えば、車外の外光を車両10の内側から内側透光パネル5に導光する導光部を備える場合には、発光ユニット3を備えない構成を採用することも可能である。
【0060】
また、上記実施形態においては、車両用外装部品が車両10の前部に配置された構成について説明した。しかしながら、車両用外装部品が配置位置は特に限定されるものではなく、車両10の側部や後部に配置することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1……車両用外装部品、1A……車両用外装部品、1B……車両用外装部品、1C……車両用外装部品、1D……車両用外装部品、2……支持フレーム、2a……凹部、2b……係止爪、3……発光ユニット、4……外側透光パネル、4a……外側本体パネル、4a1……外側面、4a2……内側面、4b……外側加飾膜、4b1……縁部、5……内側透光パネル、5a……内側本体パネル、5a1……外側面、5a2……内側面、5a3……凹凸、5b……内側加飾膜、5b1……縁部、10……車両、La……射出光、P……加飾パターン