(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144884
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】検体測定装置及びメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
B01L 7/00 20060101AFI20241004BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B01L7/00
G01N35/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057050
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】川元 祐峰
(72)【発明者】
【氏名】勝見 宏則
【テーマコード(参考)】
2G058
4G057
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB12
2G058BB14
4G057AD07
(57)【要約】
【課題】試薬容器収納部を冷却する冷却部の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行う。
【解決手段】検体測定装置1は、試薬を用いて検体を測定する測定部170と、試薬を収容する試薬容器220~222を収納する試薬容器収納部140と、試薬容器収納部140を冷却する冷却部500と、冷却部500を保持した状態で試薬容器収納部140にスライド自在に取り付けられたホルダ510と、を備えている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を用いて検体を測定する測定部と、
前記試薬を収容する試薬容器を収納する試薬容器収納部と、
前記試薬容器収納部を冷却する冷却部と、
前記冷却部を保持した状態で前記試薬容器収納部にスライド自在に取り付けられたホルダと、を備えている、
検体測定装置。
【請求項2】
前記ホルダは前記試薬容器収納部の底部に沿って移動自在に構成されている、
請求項1に記載の検体測定装置。
【請求項3】
前記検体測定装置は、前記底部に水平方向に沿って配置されたレールを、さらに備え、
前記ホルダは、前記レールに取り付けられ、前記レールに沿って移動自在である、
請求項2に記載の検体測定装置。
【請求項4】
前記レールは、前記底部に形成された溝内に配置されている、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項5】
前記ホルダは、前記レールに取り付けられた状態で前記底部と面接触するように構成されている、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項6】
前記ホルダは、複数の前記冷却部を保持する、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項7】
前記検体測定装置は、複数の前記レールと、前記各レールを移動する複数の前記ホルダを備える、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項8】
前記検体測定装置は、前記複数のホルダ同士を接続する接続部材を、さらに備える、
請求項7に記載の検体測定装置。
【請求項9】
前記ホルダは、前記レールに対し着脱自在である、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項10】
前記ホルダは、前記レールの延長線上に移動することで前記レールから取り外されるように構成されている、
請求項9に記載の検体測定装置。
【請求項11】
前記検体測定装置は、前記冷却部が所定の冷却位置に移動した時に、前記ホルダの移動を止めるストッパを、さらに備える、
請求項1に記載の検体測定装置。
【請求項12】
前記検体測定装置は、前記冷却部が所定の冷却位置に移動した時に、前記ホルダを前記底部に押し付ける押し付け部を、さらに備える、
請求項2に記載の検体測定装置。
【請求項13】
前記押し付け部は、
前記ホルダの先端部に設けられ、先端に近づくにつれて次第に上昇するように傾斜した傾斜下面と、
前記底部における前記ホルダの前記先端部に対向する位置に設けられ、先端に近づくにつれて次第に下降するように傾斜した傾斜上面と、を有し、
前記冷却部が前記冷却位置に移動した時に、前記傾斜下面と前記傾斜上面が嵌合するように構成されている、
請求項12に記載の検体測定装置。
【請求項14】
前記検体測定装置は、前記冷却部が所定の冷却位置に位置した状態で、前記ホルダを前記底部に留める留め部材をさらに備える、
請求項2に記載の検体測定装置。
【請求項15】
前記留め部材は、前記ホルダにおける前記底部の外側に近い端部に配置されている、
請求項14に記載の検体測定装置。
【請求項16】
前記ホルダは、前記レールに沿って前記底部の外側まで移動可能である、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項17】
前記ホルダは、前記レールに沿って前記検体測定装置の装置筐体の外側まで移動可能である、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項18】
前記検体測定装置の装置筐体は、取り外し可能なカバーを有し、
前記試薬容器収納部及び前記ホルダは、前記カバーの近傍に配置されている、
請求項3に記載の検体測定装置。
【請求項19】
前記ホルダは、前記カバーを取り外した状態で前記試薬容器収納部から取り外し可能なように構成されている、
請求項18に記載の検体測定装置。
【請求項20】
前記カバーは、前記レールの延長線上に配置されている、
請求項19記載の検体測定装置。
【請求項21】
前記冷却部は、前記ホルダに対し着脱自在である、
請求項1に記載の検体測定装置。
【請求項22】
前記冷却部は、ペルチェ素子と、放熱部材と、放熱ファンとを有するペルチェユニットである、
請求項1に記載の検体測定装置。
【請求項23】
試薬を用いて検体を測定する測定部と、
前記試薬を収容する試薬容器を収納する試薬容器収納部と、
前記試薬容器収納部を冷却する冷却部と、
前記冷却部を保持した状態で前記試薬容器収納部にスライド自在に取り付けられたホルダと、を備える、検体測定装置をメンテナンスする方法であって、
前記冷却部を保持した前記ホルダを前記試薬容器収納部から取り外す工程と、
新たな冷却部を保持した前記ホルダ又は新たな冷却部を保持した新たなホルダを前記試薬容器収納部に取り付ける工程と、
を含む、メンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体測定装置及びメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検体測定装置は、複数の試薬容器を収納する試薬容器収納部を備える。例えば、特許文献1に記載された装置は、試薬ボトルテーブルを備えている。この試薬ボトルテーブルの底部には、試薬ボトルテーブル内の試薬を保冷するための電子冷却手段が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の電子冷却手段のような冷却部は、長期間の使用により、劣化したり故障することがあり、このような場合に冷却部を交換することがある。しかしながら、特許文献1に記載された装置は、上記試薬ボトルテーブルに設置された冷却部の交換については何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、試薬容器収納部を冷却する冷却部の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる検体測定装置及びそのメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図2、
図6乃至
図12に示すように、本発明の検体測定装置は、試薬を用いて検体を測定する測定部(170)と、試薬を収容する試薬容器(220~222)を収納する試薬容器収納部(140)と、試薬容器収納部(140)を冷却する冷却部(500)と、冷却部(500)を保持した状態で試薬容器収納部(140)にスライド自在に取り付けられたホルダ(510)と、を備えている。
【0007】
本発明の検体測定装置によれば、冷却部(500)を保持した状態でホルダ(510)を試薬容器収納部(140)に対しスライドできるので、試薬容器収納部(140)に対する冷却部(500)の位置を作業に適した位置にずらずことができ、その結果、冷却部(500)の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0008】
図2、
図6乃至
図12に示すように、本発明のメンテナンス方法は、試薬を用いて検体を測定する測定部(170)と、試薬を収容する試薬容器(220~222)を収納する試薬容器収納部(140)と、試薬容器収納部(140)を冷却する冷却部(500)と、冷却部(500)を保持した状態で試薬容器収納部(140)にスライド自在に取り付けられたホルダ(510)と、を備える、検体測定装置(1)をメンテナンスする方法であって、冷却部(500)を保持したホルダを試薬容器収納部(140)から取り外す工程と、新たな冷却部(500)を保持したホルダ(510)又は新たな冷却部(500)を保持した新たなホルダ(510)を試薬容器収納部(140)に取り付ける工程と、を含む。
【0009】
本発明のメンテナンス方法によれば、冷却部(500)を保持した状態で試薬容器収納部(140)にスライド自在に取り付けられたホルダ(510)を、試薬容器収納部(140)から取り外したり、取り付けたりするので、試薬容器収納部(140)に対する冷却部(500)の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、試薬容器収納部を冷却する冷却部の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる検体測定装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、検体測定装置の内部構成の一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、試薬容器収納部の外観を説明するための図である。
【
図4】
図4は、試薬容器収納部の内部構造を説明するための図である。
【
図5】
図5は、試薬容器収納部の内部構造を説明するための図である。
【
図6】
図6は、試薬容器収納部の底部に設けられた冷却機構の構成を説明するための斜視図である。
【
図7】
図7は、試薬容器収納部の冷却機構の構成を説明するための部分断面図である。
【
図8】
図8は、冷却部を保持するホルダを説明するための斜視図である。
【
図9】
図9は、試薬容器収納部におけるホルダの移動機構を説明するための図である。
【
図10】
図10は、ホルダの移動機構を説明するための図である。
【
図11】
図11は、ホルダが移動した状態を説明するための図である。
【
図12】
図12は、ホルダが試薬容器収納部から取り外された状態を説明するための図である。
【
図13】
図13は、検体測定装置の制御装置の構成例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、免疫測定の主な工程の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、免疫測定の一例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、複数のホルダ同士を接続する接続部材を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る検体測定装置及びそのメンテナンス方法の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0013】
<検体測定装置の構成>
図1は、本実施の形態にかかる検体測定装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、検体測定装置1の内部構成の一例を説明するための図である。一例において、検体測定装置1は、試薬を用いて検体を測定し分析する検体分析装置である。
【0014】
図1に示すように、検体測定装置1は、略直方体状の筐体(装置筐体)10を有する。筐体10は、前面部20、後面部21、右側面部22、左側面部23、上面部24及び底面部25を有する。なお、本明細書において、検体測定装置1の「左」、「右」は、前面部20を正面から見たときの方向を基準にする。本明細書において、検体測定装置1の前後方向をY方向(後方向をY1方向、前方向をY2方向)、左右方向をX方向(右方向をX1方向、左方向をX2方向)、上下方向をZ方向ともいう。
【0015】
前面部20は、筐体10の内部空間にアクセスするための複数の開閉部を有する。例えば、前面部20は、後述の試薬容器収納部140に試薬容器を出し入れするための開閉部30を有する。前面部20は、メンテナンス時に試薬容器収納部140に前面側からアクセスするための前面カバー40を有する。前面カバー40は、ボルトやネジなどにより筐体10に対し取り外し自在に構成されている。後述の試薬容器収納部140やホルダ510は、前面カバー40の近傍、例えば1m以内に配置されている。これにより、ホルダ510は、前面カバー40を取り外した状態で試薬容器収納部140から取り外し可能なように構成されている。また、前面カバー40は、ホルダ510を移動させるための後述のレール620の延長線上に配置されている。前面カバー40と試薬容器収納部140との間には、取り外し自在な断熱材が配置されてよい。
【0016】
右側面部22及び後面部21は、検体ラックに保持された検体容器を搬送する検体搬送部50を有する。右側面部22に搬入された検体容器は、検体搬送部50によって、右側面部22から後面部21に搬送される。
【0017】
上面部24は、表示部としてのモニター60を有する。モニター60は、タッチパネル式のディスプレイであり、検体測定に必要な操作のための情報を入力したり、各種情報の表示や検体測定の結果情報を表示することができる。
【0018】
図2に示すように、検体測定装置1は、筐体10の内部に、検体分注部100と、容器移送部110と、容器供給部120と、試薬分注部130(130a~130e)と、試薬容器収納部140と、反応部150と、BF分離部160と、測定部170を有する。
【0019】
検体分注部100は、検体搬送部50により検体吸引位置P1に搬送された検体容器200から検体を吸引し、吸引した検体を、検体分注位置P2に配置された反応容器210に分注することができる。検体分注部100は、筐体10内の後面側(Y1方向側)の端部付近で、なおかつ、左側(X2方向側)の端部付近に設けられている。
【0020】
検体分注部100は、吸引および分注を行うためのノズル100aと、ノズル100aを移動させるノズル移動機構100bを有する。ノズル移動機構100bは、ノズル100aを回転軸100c周りに回動させる動作と、ノズル100aを上下方向に移動させる動作を行うことができる。検体分注部100は、回転軸100c周りの回動により、ノズル100aを、検体搬送部50の搬送路51上の検体吸引位置P1と、検体分注位置P2に移動させることができる。検体分注部100は、ノズル100aを上下方向に移動させることにより、ノズル100aを検体吸引位置P1の検体容器200内に進入させたり、検体容器200内から退避させたりすることができる。検体分注部100は、ノズル100aを上下方向に移動させることにより、ノズル100aを検体分注位置P2の反応容器210内に進入させたり、反応容器210内から退避させたりすることができる。
【0021】
容器移送部110は、筐体10内において反応容器210を移送することができる。容器移送部110は、容器供給部120から、空の反応容器210を取得し、検体分注部100、試薬分注部130(130a~130e)、反応部150、BF分離部160及び測定部170の各々の処理位置に反応容器210を移送することができる。容器移送部110は、反応容器210を把持するキャッチャ110aと、キャッチャ110aを移動させる移動機構とを有する。移動機構は、上下方向、左右方向及び前後方向を含む直交3軸方向に移動可能な直交ロボットであってよい。移動機構は、回転軸回りに水平回転するアーム機構や、多関節ロボット機構を含んでいてよい。
【0022】
容器供給部120は、未使用の反応容器210を複数貯留することができる。容器供給部120は、所定の容器供給位置P3において、容器移送部110に未使用の空の反応容器210を供給することができる。
【0023】
試薬分注部130は、試薬容器220~222内の試薬を吸引し、吸引した試薬を反応容器210に分注することができる。試薬分注部130は、試薬容器220内のR1試薬を分注するための第1試薬分注部130aと、試薬容器221内のR2試薬を分注するための第2試薬分注部130bと、試薬容器222内のR3試薬を分注するための第3試薬分注部130cとを含む。また、試薬分注部130は、R4試薬を分注するための第4試薬分注部130dと、R5試薬を分注するための第5試薬分注部130eをさらに含む。試薬容器220、221、222は、試薬容器収納部140に収容されている。
【0024】
第1試薬分注部130aは、R1試薬を吸引し分注するノズル250を有する。第1試薬分注部130aは、ノズル250を、試薬容器220内のR1試薬を吸引するための吸引位置P4aと、R1試薬を反応容器210に分注するためのR1試薬分注位置P4bに移動させることができる。
【0025】
第2試薬分注部130bは、R2試薬を吸引し分注するノズル260を有する。第2試薬分注部130bは、ノズル260を、試薬容器221内のR2試薬を吸引するための吸引位置P5aと、R2試薬を反応容器210に分注するためのR2試薬分注位置P5bに移動させることができる。
【0026】
第3試薬分注部130cは、R3試薬を吸引し分注するノズル270を有する。第3試薬分注部130cは、ノズル270を、試薬容器222内のR3試薬を吸引するための吸引位置P6aと、R3試薬を反応容器210に分注するためのR3試薬分注位置P6bに移動させることができる。
【0027】
第4試薬分注部130dおよび第5試薬分注部130eは、試薬容器収納部140と異なる位置に設けられている。第4試薬分注部130dおよび第5試薬分注部130eは、それぞれR4試薬およびR5試薬を収容した試薬容器と送液チューブを介して接続されており、容器移送部110によって移送された反応容器210内に試薬を分注することができる。なお、R4試薬とR5試薬を収容する試薬容器は、筐体10の前面部20の近傍に設けられていてよい。
【0028】
試薬容器収納部140は、R1~R3試薬の試薬容器220、221、222を収納することができる。試薬容器収納部140は、筐体10の前面部20に近接配置さている。試薬容器収納部140の構成の詳細は後述する。
【0029】
反応部150は、ヒーター及び温度センサを備え、反応容器210を保持して、反応容器210内に収容された試料(検体及び試薬)を加温して反応させることができる。
【0030】
BF分離部160は、反応容器210内の試料を分離するBF分離処理を行うことができる。例えば、BF分離部160は、磁性粒子を含む複合体を磁力により集めた状態で、吸引管により反応容器210内の液体成分を吸引することができる。これにより、BF分離部160は、反応容器210内の磁性粒子と結合していない液体成分に含まれる不要物質を、複合体から分離して除去することができる。
【0031】
測定部170は、反応容器210内の試料を光学的に測定することができる。例えば、測定部170は、検体の抗原に結合する標識抗体(標識物質)と化学発光基質との反応過程で生じる光を光検出器で検出し、検出した光の量に応じた測定データを出力することができる。光検出器は、光電子増倍管を含んでよい。
【0032】
<試薬容器収納部の構成>
図2に示すように、試薬容器収納部140は、断熱構造のケース300と、ケース300内で試薬容器220~222を保持する容器保持部301と、ファン302を有する。
図3は、試薬容器収納部140の外観を説明するための図であり、
図4及び
図5は、試薬容器収納部140の内部構造を説明するための図である。
【0033】
図3及び
図4に示すように、ケース300は、略円柱形状の外観を有している。ケース300は、円筒状の周側部310と、円板状の上部311と、円板状の底部312を有する。ケース300は、外表面の一部又は全部を覆う断熱材を有していてよい。
【0034】
図3に示すように、上部311は、試薬容器220~222を出し入れするための開閉部30を有する。上部311は、試薬分注部130のノズル250、260及び270の吸引位置P4a、P5a及びP6aに対応する位置に形成された孔330を有する。孔330は、開閉自在に構成されている。試薬分注部130のノズル250、260及び270は、孔330からケース300内に進入して試薬容器内の試薬を吸引することができる。
【0035】
図4に示すように、底部312は、熱伝導性の高い底板340を有する。底板340は、円盤形状有し、その中心に、後述の回転軸450、460が挿通する孔350を有する。底板340は、アルミなどの金属により形成されてよい。底板340は、ケース300の内部空間に露出し、底板340の上面が、内部空間の底面を構成している。底部312における底板340の外側部分は、断熱材により覆われてよい。
【0036】
周側部310は、上下方向に立設される複数の支柱360を有する。複数の支柱360は、同一円周上の周方向に沿って等間隔に配置される。支柱360は、底板340の上面に立設されている。周側部310における支柱360の周辺部分は、断熱材により覆われている。
【0037】
容器保持部301は、第1の保持部材400と、第1の保持部材400を回転させる第1の回転機構401と、第2の保持部材410と、第2の保持部材410を回転させる第2の回転機構411を有する。
【0038】
図5に示すように、第1の保持部材400は、環状に形成され、複数の試薬容器を周方向に並べて保持することができる。第1の保持部材400は、試薬容器を同心円状の2重に保持することができる。第1の保持部材400は、内周側に試薬容器222を保持し、外周側に試薬容器220を保持することができる。試薬容器222と試薬容器220は、一体化されていてよい。
【0039】
図4に示すように、第1の回転機構401は、第1の保持部材400に接続された回転軸450と、回転軸450をベルト451を介して回転させるモータ452を有する。回転軸450は、ケース300の中心軸C1上に上下方向に沿って配置されている。回転軸450は、底板340の孔350を貫通し、底部312の下方まで延設されている。モータ452は、底部312の下面に固定されている。ベルト451は、底部312の下面において回転軸450とモータ452を接続している。第1の回転機構401により、第1の保持部材400を中心軸C1周りに回転させ、第1の保持部材400に保持された所定の試薬容器222、220を吸引位置P4a、P6a(孔330)の直下に移動させることができる。
【0040】
図5に示すように、第2の保持部材410は、環状に形成され、複数の試薬容器221を周方向に並べて保持することができる。第2の保持部材410は、第1の保持部材400の外周に配置されている。
【0041】
図4に示すように、第2の回転機構411は、第2の保持部材410に接続された回転軸460と、回転軸460をベルト461を介して回転させるモータ462を有する。回転軸460は、ケース300の中心軸C1に上下方向に沿って配置されている。回転軸460は、管状に形成され、回転軸450の外周に配置されている。回転軸460は、底板340の孔350を貫通し、底部312の下方まで延設されている。モータ462は、底部312の下面に固定されている。ベルト461は、底部312の下面において回転軸460とモータ462を接続している。第2の回転機構411により、第2の保持部材410を中心軸C1周りに回転させ、第2の保持部材410に保持された所定の試薬容器221を吸引位置P5a(孔330)の直下に移動させることができる。
【0042】
ファン302は、ケース300の内部空間に配置される。ファン302は、ケース300の中心軸C1上に配置される。ファン302は、ケース300の内部空間の上下方向の中央付近に配置される。ファン302は、下に向けられており、底板340に向けて送風することができる。
【0043】
<試薬容器収納部の冷却機構の構成>
検体測定装置1は、試薬容器収納部140の試薬容器内の試薬を所定温度に保冷するための冷却機構を有する。
図6は、試薬容器収納部140の底部312に設けられた冷却機構の構成を説明するための斜視図である。
図7は、試薬容器収納部140の冷却機構の構成を説明するための部分断面図である。
【0044】
図6及び
図7に示すように、検体測定装置1は、試薬容器収納部140の所定の部分を冷却するための冷却部500と、冷却部500を保持し、試薬容器収納部140の部分に接触し、なおかつ当該部分に対しスライド自在に構成されたホルダ510と、を有する。
【0045】
冷却部500は、試薬容器収納部140の底部312の底板340を冷却することができる。
図7に示すように、冷却部500は、ペルチェ素子600と、放熱部材601と、放熱ファン602とを一体で有するペルチェユニットであってよい。冷却部500は、放熱ファン602、放熱部材601及びペルチェ素子600をこの順番で下から積層した構造を有する。ペルチェ素子600は、冷却部500の上面に位置する冷却面500aを有する。冷却部500は、直方体形状を有してよい。冷却面500aは平面であってよい。
【0046】
ホルダ510は、冷却面500aと接触した状態で冷却部500を保持する下面(保持面)510bと、試薬容器収納部140の底板340と接触する上面(接触面)510aを有する。すなわち、冷却部500は、ホルダ510を介して試薬容器収納部140の底板340を冷却することができる。ホルダ510の材質には、アルミなどの熱伝導性の高い金属が用いられる。ホルダ510の保持面510bと接触面510aは、平面であってよい。ペルチェ素子600の冷却面500a、ホルダ510の保持面510b、接触面510a及び底板340の冷却面(下面)が平面であり、互いに密着することで、冷却部500の熱を効率よく底板340に伝熱することができる。
【0047】
図8に示すように、ホルダ510は、Y方向に長い長方形の板形状を有する。ホルダ510は、2つの冷却部500をY方向に並べて保持している。
図6に示すように、試薬容器収納部140の底部312には、X方向における中心軸C1を挟んだ両側に2つのホルダ510が配置されている。2つのホルダ510は、試薬容器収納部140の底部312において4つの冷却部500が所定の冷却位置P10に位置するように冷却部500を保持している。冷却位置P10は、各々の冷却部500から中心軸C1までの距離が等しくなる位置であってよい。
【0048】
ホルダ510は、試薬容器収納部140の底板340から着脱自在に構成されている。
図9に示すように、試薬容器収納部140の底部312は、X方向における中心軸C1を挟んだ両側に、Y方向に延設する2本のレール620を有している。2本のレール620は、中心軸C1から等距離に位置する。レール620は、試薬容器収納部140の底部312の下面に形成された、Y方向に延設する溝610内に配置されている。
【0049】
図10に示すように、ホルダ510の上面510aの中央には、Y方向に延設する溝520が形成され、当該溝520にレール620が嵌め込まれている。ホルダ510は、レール620に沿ってY方向に移動することができる。すなわち、ホルダ510は、スライダとして機能し、2つの冷却部500を冷却位置P10からY方向に移動させることができる。
【0050】
図9及び
図11に示すように、ホルダ510は、レール620に沿って底部312(周側部310)の外側まで移動可能に構成されている。さらに、
図2に示すように、ホルダ510は、レール620に沿って筐体10の外側まで移動可能に構成されている。ホルダ510は、筐体10の前面カバー40を外すことによって筐体10の外側まで移動できてよい。
【0051】
図12に示すように、ホルダ510は、さらにレール620の延長線上に移動することでレール620から取り外されるように構成されている。これにより、ホルダ510を、冷却部500と共に試薬容器収納部140の底板340(底部312)から取り外すことができる。また、ホルダ510をレール620に取り付けることで、冷却部500を試薬容器収納部140の底板340(底部312)に取り付けることができる。
【0052】
図7、
図9乃至
図11に示すように、試薬容器収納部140の底部312は、冷却部500が冷却位置P10に移動した時に、ホルダ510の移動を止めるストッパ630を有する。
【0053】
図7、
図10及び
図11に示すように、検体測定装置1は、冷却部500が冷却位置P10に移動した時に、ホルダ510を底板340に押し付ける押し付け部640を有する。押し付け部640は、ホルダ510のY1方向側の先端部に設けられ、先端に近づくにつれて次第に上昇するように傾斜した傾斜下面651と、ホルダ510の先端部に対向する位置に設けられ、Y2方向の先端に近づくにつれて次第に下降するように傾斜した傾斜上面650を有する。傾斜上面650は、ストッパ630に設けられてよい。押し付け部640は、
図7に示すように、冷却部500が冷却位置P10に移動した時に、傾斜下面651と傾斜上面650が互いに嵌合し、これによりホルダ510が押し上げられ、底板340に押し付けられる。
【0054】
検体測定装置1は、冷却部500が冷却位置P10に位置した状態で、ホルダ510を底部312(底板340)に締結するボルトなどの留め部材(締結部材)670を有してよい。留め部材670は、ホルダ510のY2方向側の後端部に設けられている。
図6に示したように、ホルダ510の周辺は、底部312の一部を構成する断熱カバー680で覆われていてよい。ホルダ510は、断熱カバー680と共に移動してよい。断熱カバー680には、ホルダ510を引き出すための取手681が形成されてよい。
【0055】
図10に示すように、冷却部500は、ホルダ510に対し着脱自在であってよい。冷却部500は、ボルトなどの締結部材によりホルダ510から取り外しできてよい。
【0056】
<検体測定装置の制御装置の構成>
図13は、検体測定装置1の制御装置の構成例を示す。検体測定装置1は、主制御装置700と測定制御装置701を有する。
【0057】
主制御装置700は、制御部710と、通信部711と、記憶部712を有する。制御部710は、CPUまたはFPGAから構成されたプロセッサと、メモリとを含み、記憶部712に記憶されたプログラムを実行することにより、検体測定装置1の各部を制御することができる。記憶部712は、半導体記憶素子からなり、制御部710が実行するプログラム、測定部170により取得された測定情報等を記憶することができる。通信部711は、分析部800や測定制御装置701と通信を行うためのI/Oインターフェースおよび通信インターフェースを有する。
【0058】
測定制御装置701は、検体測定装置1の各部や主制御装置700と通信を行うための通信回路を有する。測定制御装置701は、主制御装置700の制御部710からの指示により、検体分注部100と、容器移送部110と、容器供給部120と、試薬分注部130(130a~130e)と、試薬容器収納部140と、反応部150と、BF分離部160と、測定部170の動作を制御することができる。測定制御装置701は、検体測定処理によって測定部170により取得された測定情報を主制御装置700に出力することができる。
【0059】
分析部800は、パーソナルコンピュータ(PC)からなり、CPU、ROM、RAM、ソリッドステートドライブ(SSD)などからなる本体と、液晶ディスプレイからなる表示部と、キーボードおよびマウスからなる入力デバイスと、を主に有してよい。
【0060】
分析部800は、主制御装置700の通信部711やホストコンピュータ900と通信可能に接続されている。制御部710は、測定部170により検体を測定して得られた測定情報を、通信部711を介して分析部800に送信できる。分析部800は、取得した測定情報に基づいて、検体中の被検物質の含有量などを分析することができる。また、分析部800は、分析結果を、表示部(モニター60)の表示画面に表示したりホストコンピュータ900に送信することができる。
【0061】
<検体測定処理>
次に、検体測定装置1を用いた検体測定処理について説明する。検体測定処理は、主制御装置700及び測定制御装置701により実行される。検体測定処理は、一例として、免疫測定を含む。免疫測定の一例として、検体に含まれる被検物質がB型肝炎表面抗原(HBsAg)である例について説明する。
図14は、免疫測定の一例を示すフローチャートである。
図15は、免疫測定を説明するための図である。
【0062】
図14に示すステップST1において、R1試薬が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210がR1試薬分注位置P4bに移送される。第1試薬分注部130aのノズル250が、試薬容器収納部140の吸引位置P4aで試薬容器220内のR1試薬を吸引し、R1試薬分注位置P4bで反応容器210にR1試薬を分注する。
図15に示すように、R1試薬は、捕捉物質1000を含む。捕捉物質1000は、ビオチンで修飾された抗体(biotin抗体)であってよい。
【0063】
図14に示すステップST2において、検体が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210が検体分注位置P2に移送される。検体分注部100のノズル100aが、検体吸引位置P1で検体容器200内の検体を吸引し、検体分注位置P2で反応容器210に検体を分注する。
図15に示すように、検体は、被検物質1001を含む。検体に含まれる被検物質1001が捕捉物質1000と反応して結合する。
【0064】
図14に示すステップST3において、R2試薬が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210がR2試薬分注位置P5bに移送される。第2試薬分注部130bのノズル260が、試薬容器収納部140の吸引位置P5aで試薬容器221内のR2試薬を吸引し、R2試薬分注位置P5bで反応容器210にR2試薬を分注する。この後、容器移送部110により反応容器210が反応部150に移送され、反応部150において、反応容器210が所定時間加温される。
図15に示すように、R2試薬は、捕捉物質1000と結合する磁性粒子(固相担体)1002を含む。磁性粒子1002は、ビオチンと結合するストレプトアビジンを固定した磁性粒子(StAvi結合磁性粒子)であってよい。被検物質1001と捕捉物質1000は、磁性粒子1002と結合する。
【0065】
図14に示すステップST4において、1次BF分離処理が行われる。
図2に示す容器移送部110により反応容器210がBF分離部160に移送される。BF分離部160において、反応容器210中の試料に対し1次BF分離処理が行われる。
図15に示すように、BF分離部160において、磁性粒子1002と結合していない未反応の捕捉物質1000などの不要成分が、反応容器210中から除去される。
【0066】
図14に示すステップST5において、R3試薬が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210がR3試薬分注位置P6bに移送される。第3試薬分注部130cのノズル270が、試薬容器収納部140の吸引位置P6aで試薬容器222内のR3試薬を吸引し、R3試薬分注位置P6bで反応容器210にR3試薬を分注する。この後、容器移送部110により反応容器210が反応部150に移送され、反応部150において、反応容器210が所定時間加温される。
図15に示すように、R3試薬は、標識物質1003を含む。標識物質1003は、ALP(アルカリホスファターゼ)標識抗体であってよい。標識物質1003は、被検物質1001と反応して結合する。磁性粒子1002上に被検物質1001と、標識物質1003と、捕捉物質1000とを含む免疫複合体1004が形成される。
【0067】
図14に示すステップST6において、2次BF分離処理が行われる。
図2に示す容器移送部110により反応容器210がBF分離部160に移送される。BF分離部160において、反応容器210中の試料に対し2次BF分離処理が行われる。
図15に示すように、BF分離部160において、磁性粒子1002と結合していない未反応の標識物質1003などの不要成分が、反応容器210内から除去される。
【0068】
図14に示すステップST7において、R4試薬が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210が第4試薬分注部130dに移送され、第4試薬分注部130dにより反応容器210にR4試薬が分注される。R4試薬は、緩衝液を含有する。
図15に示すように、反応容器210内の磁性粒子1002と結合した免疫複合体1004が緩衝液中に分散される。
【0069】
図14に示すステップST8において、R5試薬が反応容器210に分注される。
図2に示す容器移送部110により反応容器210が第5試薬分注部130eに移送され、第5試薬分注部130eにより反応容器210にR5試薬が分注される。R5試薬の分注後、容器移送部110により、反応容器210が反応部150に移送され、反応部150において、反応容器210が所定時間加温される。R5試薬は、化学発光基質を含有する。
図15に示すように、R4試薬に含有される緩衝液は、免疫複合体1004に含まれる標識物質1003の標識(酵素)と化学発光基質との反応を促進する組成を有する。加温により、標識に対して基質を反応させることによって光が発生する。
【0070】
図14に示すステップST9において、免疫複合体1004の検出処理が行われる。
図2に示す容器移送部110により反応容器210が測定部170に移送される。
図15に示すように、測定部170において、標識に対して基質を反応させることによって生じる光の強度が測定される。測定部170で測定された測定データは、測定制御装置701、主制御装置700を介して、分析部800に送られ、分析部800において、検体中の被検物質の含有量などが測定される。
【0071】
図14に示すステップST10において、容器移送部110により反応容器210が測定部170から取り出され、廃棄口に廃棄される。
【0072】
<メンテナンス>
検体測定装置1において冷却部500のメンテナンスを行う場合、先ず筐体10の前面部20にある前面カバー40を外し、引き続いて断熱カバー680を外し、露出した留め部材670によるホルダ510と底板340との固定を解除した後にホルダ510が引き出される。具体的には、ホルダ510がレール620に沿ってY2方向に移動され、レール620から引き抜かれる。これにより、ホルダ510によって、冷却部500が試薬容器収納部140の底板340から取り外される。この後、冷却部500がホルダ510から取り外されてよい。
【0073】
次に、新しい冷却部500を保持したホルダ510が、レール620に取り付けられ、レール620に沿ってY1方向に移動される。冷却部500が冷却位置P10まで移動すると、ホルダ510は、ストッパ630により止められ、押し付け部640により底板340に押し付けられる。この状態で、ホルダ510と底板340が留め部材670により固定される。その後、前面カバー40が筐体10の前面部20に取り付けられる。
【0074】
本実施の形態によれば、検体測定装置1は、冷却部500を保持した状態で試薬容器収納部140にスライド自在に取り付けられたホルダ510を備えるので、試薬容器収納部140に対する冷却部500の位置を作業に適した位置にずらずことができ、その結果、試薬容器収納部140に対する冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0075】
検体測定装置1が、冷却面500aと接触した状態で冷却部500を保持する保持面510bと、試薬容器収納部140の底板340に接触する接触面510aを有するホルダ510を備える。これにより、冷却部500と底板340の間の熱の伝達を効率的に行うことができる。そして、冷却部500を交換する際に、冷却部500と底板340との間に空気が入らないように注意したり、冷却部500を底板340に固定するためのネジやボルトをペルチェ素子が破損しないように注意して締る必要がなく、冷却部500の交換作業が簡単になる。
【0076】
ホルダ510は底板340に沿って水平方向に移動自在に構成されているので、冷却部500を保持したホルダ510を、試薬容器収納部140の水平方向の外部から引き出すことができる。これにより、冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0077】
検体測定装置1は、底板340に水平方向に沿って配置されたレール620を、さらに備え、ホルダ510は、レール620に沿って移動自在であるので、ホルダ510の水平方向の移動を好適に行うことができる。
【0078】
レール620は、底部312に形成された溝610内に配置されているので、ホルダ510が冷却部500と底板340との間で熱を効率的に伝えることができる。
【0079】
ホルダ510は、レール620に取り付けられた状態で底板340と面接触するように構成されているので、ホルダ510が冷却部500と底板340との間で熱を効率的に伝えることができる。
【0080】
ホルダ510は、複数の冷却部500を保持するので、複数の冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0081】
検体測定装置1は、複数のレール620と、各レール620を移動する複数のホルダ510を備えるので、複数の冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0082】
ホルダ510は、レール620に対し着脱自在であるので、ホルダ510をレール620から着脱することで、冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0083】
ホルダ510は、レール620の延長線上に移動することでレール620から取り外されるように構成されているので、レール620に対するホルダ510の着脱を好適に行うことができる。
【0084】
検体測定装置1は、冷却部500が所定の冷却位置P10に移動した時に、ホルダ510の移動を止めるストッパ630を備えるので、冷却部500の位置調整を簡単かつ適切に行うことができる。
【0085】
検体測定装置1は、冷却部500が所定の冷却位置P10に移動した時に、ホルダ510を底板340に押し付ける押し付け部640を備えるので、ホルダ510と底板340との密着性が上がり、ホルダ510が冷却部500と底板340との間で熱を効率的に伝えることができる。
【0086】
押し付け部640は、傾斜下面651と傾斜上面650と、を有し、冷却部500が冷却位置P10に移動した時に、傾斜下面651と傾斜上面650が嵌合するように構成されている。これにより、底板340に対するホルダ510の押し付けを好適に行うことができる。
【0087】
検体測定装置1は、冷却部500が所定の冷却位置P10に位置した状態で、ホルダ510を底板340に留める留め部材670を備えるので、ホルダ510を底板340に固定(位置固定)することができる。
【0088】
留め部材670は、ホルダ510における底板340の外側に近い端部に配置されているので、作業者が試薬容器収納部140の外部から留め部材670にアクセスしやすい。
【0089】
ホルダ510は、レール620に沿って底板340の外側まで移動可能であるので、作業者が、冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を行いやすい。
【0090】
ホルダ510は、レール620に沿って検体測定装置1の装置筐体10の外側まで移動可能であるので、作業者が、冷却部500の取外し作業及び取り付け作業を行いやすい。
【0091】
冷却部500は、ホルダ510に対し着脱自在であるので、例えば、ホルダ510から冷却部500を取り外し、新しい冷却部500に交換することができる。
【0092】
<変形例>
以上の実施の形態において、
図16に示すように、検体測定装置1は、複数のホルダ510同士を接続する接続部材1100をさらに備えてよい。この場合、複数のホルダ510の移動を一体的に行うことができる。
【0093】
ホルダ510に保持される冷却部500の数は、2つに限られず、1つ又は3つ以上であってよい。ホルダ510の数も2つに限られず、1つ又は3つ以上であってよい。また、複数のホルダ510がある場合に、各ホルダ510が保持する冷却部500の数が異なっていてよい。試薬容器収納部140が冷却される部分は、底部312(底板340)に限られず、他の部分であってよい。冷却部で冷却される試薬容器収納部の構成は、上記実施の形態のものに限られない。冷却部で冷却される試薬容器収納部は、R1試薬、R2試薬、R3試薬以外の、R4試薬、R5試薬などの他の試薬の試薬容器を収納するものであってよい。
【0094】
上記実施の形態において、ホルダ510は、水平方向に移動することで、試薬容器収納部140の底板340から取り外されるように構成されていたが、ホルダ510が移動する方向はこれに限られない。例えば、ホルダ510は、上下方向に移動することで、試薬容器収納部140の底板340から取り外されるように構成されてよい。
【0095】
上記実施の形態における検体測定装置は、免疫測定を行うものであったが、本発明は、試薬を用いて検体を測定する検体測定装置であれば、他の検体測定を行う検体測定装置にも適用することができる。
【0096】
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、試薬容器収納部を冷却する冷却部の取外し作業及び取り付け作業を簡単に行うことができる検体測定装置及びそのメンテナンス方法を提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0098】
1……検体測定装置、10……筐体、140……試薬容器収納部、170……測定部、340……底板、500……冷却部、500a……冷却面、510……ホルダ、510a……接触面(上面)、510b……保持面(下面)