(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144919
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】印刷装置および実装基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
B41F 15/08 20060101AFI20241004BHJP
B41F 15/00 20060101ALI20241004BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41F15/00 B
H05K3/34 505D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057098
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮原 清一
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 亮
(72)【発明者】
【氏名】末安 祐介
【テーマコード(参考)】
2C035
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FA29
2C035FB28
2C035FD01
5E319AA03
5E319AA08
5E319AB05
5E319AC01
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD29
5E319GG09
(57)【要約】
【課題】簡素な構成により基板の下面を支持して保持し、保持した基板をマスクに近接させることができる印刷装置および実装基板の製造方法を提供する。
【解決手段】印刷装置M1は、基板Bの下面を支持する基板下受け部14と、基板下受け部14が載置され、上下方向に移動するリフト部12と、基板Bのうちはんだペーストが印刷される印刷領域以外の領域にて、基板Bの上面に当接する当接部24と、リフト部12を上昇させて当接部24を上昇させる動力部Eを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の開口を有するマスクを介して、基板にはんだペーストを印刷する印刷装置であって、
前記基板の下面を支持する基板下受け部と、
前記基板下受け部が載置され、上下方向に移動するリフト部と、
前記基板のうち前記はんだペーストが印刷される印刷領域以外の領域にて、前記基板の上面に当接する当接部と、
前記リフト部を上昇させて前記当接部を上昇させる動力部を有する印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、さらに、
前記当接部を下降させて、前記当接部を前記基板の上面に当接させる当接部昇降部を有する印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記動力部は前記リフト部を上昇させて、前記基板下受け部と前記当接部で前記基板を挟んで固定させる印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記動力部は前記リフト部を上昇させて、前記当接部を前記マスクの下面に当接させる印刷装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
前記基板を搬送するコンベアと、
前記コンベアを支持するコンベア支持部を有し、
前記動力部は、前記コンベア支持部を上昇させる印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置であって、
前記動力部は前記リフト部を上昇させて、前記リフト部を前記コンベア支持部に当接させて、前記コンベア支持部を上昇させる印刷装置。
【請求項7】
請求項5に記載の印刷装置であって、
前記当接部は、前記コンベア支持部の上面側に設けられる印刷装置。
【請求項8】
請求項6に記載の印刷装置であって、さらに、
前記コンベア支持部の下限位置を規制する規制部を有し、
前記リフト部は、前記下限位置の前記コンベア支持部から離れる位置まで下降する印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置であって、さらに、
前記コンベア支持部に下降する方向の下降力を与える下降力発生部を有する印刷装置。
【請求項10】
所定の開口を有するマスクを介して、基板にはんだペーストを印刷する印刷工程を含む実装基板の製造方法であって、
コンベアで作業位置まで前記基板を搬送し、
前記作業位置の前記基板の上面のうちの前記はんだペーストが印刷される印刷領域以外の領域に当接部を当接させ、
前記基板の下面を支持する基板下受け部が載置されたリフト部を上昇させて、前記基板下受け部と前記当接部で前記基板を挟んで固定し、前記コンベアを支持するコンベア支持部に前記リフト部を当接させ、
さらに前記リフト部を上昇させて、前記当接部と前記コンベア支持部を一緒に上昇させて前記当接部を前記マスクの下面に当接させ、
前記マスクを介して前記基板の前記印刷領域に前記はんだペーストを印刷する、実装基板の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の実装基板の製造方法であって、さらに、
前記リフト部を下降させて、前記コンベア支持部を下限位置まで下降させ、
さらに前記リフト部を下降させて、前記基板下受け部を前記基板の下面から離し、
前記当接部を前記基板の上面から離し、
前記コンベアで前記基板を前記作業位置から搬出する、実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にはんだペーストを印刷する印刷装置および実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置は、基板の下面を支持して保持し、保持した基板をマスクに近接させて基板の上面にはんだペーストを印刷する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、複数のバックアップピンを備えて基板を下から支える基板支持装置と、モータの出力を昇降運動に変換して基板支持装置を昇降させるボールねじ機構と、基板を左右からクランプする基板保持装置と、基板支持装置と基板保持装置を一緒に昇降させる昇降装置とを備える印刷装置が開示されている。特許文献1の印刷装置は、モータとボールねじ機構で基板支持装置を上昇させて基板を下から支え、基板保持装置で基板支持装置が支持する基板を保持し、さらに昇降装置により基板支持装置と基板保持装置を一緒に上昇させてマスクに近接させ、基板の上面にはんだペーストを印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、基板支持装置を昇降させる軸と、基板支持装置と基板保持装置を一緒に昇降させる軸という2軸が必要であるため次の問題点があった。すなわち、各軸にはボールねじ機構を含む昇降機構及び昇降機構を駆動するモータがそれぞれ必要であるため構成が複雑でコストが高くなるという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、簡素な構成により基板の下面を支持して保持し、保持した基板をマスクに近接させることができる印刷装置および実装基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置は、所定の開口を有するマスクを介して、基板にはんだペーストを印刷する印刷装置であって、前記基板の下面を支持する基板下受け部と、前記基板下受け部が載置され、上下方向に移動するリフト部と、前記基板のうち前記はんだペーストが印刷される印刷領域以外の領域にて、前記基板の上面に当接する当接部と、前記リフト部を上昇させて前記当接部を上昇させる動力部を有する。
【0007】
本発明の実装基板の製造方法は、所定の開口を有するマスクを介して、基板にはんだペーストを印刷する印刷工程を含む実装基板の製造方法であって、コンベアで作業位置まで前記基板を搬送し、前記作業位置の前記基板の上面のうちの前記はんだペーストが印刷される印刷領域以外の領域に当接部を当接させ、前記基板の下面を支持する基板下受け部が載置されたリフト部を上昇させて、前記基板下受け部と前記当接部で前記基板を挟んで固定し、前記コンベアを支持するコンベア支持部に前記リフト部を当接させ、さらに前記リフト部を上昇させて、前記当接部と前記コンベア支持部を一緒に上昇させて前記当接部を前記マスクの下面に当接させ、前記マスクを介して前記基板の前記印刷領域に前記はんだペーストを印刷する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡素な構成により基板の下面を支持して保持し、保持した基板をマスクに近接させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の印刷装置の構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の印刷装置が備える基板保持機構の構成を示す(a)平面図(b)正面図
【
図4】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態の印刷装置による印刷工程の説明図
【
図5】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態の印刷装置による印刷工程の説明図
【
図6】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態の印刷装置による印刷工程の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装ライン、印刷装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における上下方向)が示される。
図2、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図2における上下方向)が示される。
【0011】
まず
図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、部品実装ラインLを通信ネットワーク2によって管理装置3と接続し、管理装置3によって管理する構成となっている。各部品実装ラインLは、後述するように印刷装置M1を含む複数の作業装置が連結されて構成され、基板Bに部品Dを実装した実装基板を生産する機能を有している。管理装置3は、部品実装ラインLが備える作業装置による実装基板の生産を統括して管理する機能を有している。
【0012】
次に
図1を参照して、部品実装ラインLの詳細な構成を説明する。部品実装ラインLは、基板搬送方向の上流(紙面左側)から下流(紙面右側)に向けて、印刷装置M1、部品実装装置M2~M5、リフロー装置M6などの作業装置が直列に連結されて構成されている。印刷装置M1、部品実装装置M2~M5、リフロー装置M6は、通信ネットワーク2を介して管理装置3に接続されている。印刷装置M1は、はんだ印刷作業部によって上流から搬入された基板Bに所定の開口4aを有するマスク4を介してはんだペーストSを印刷する印刷作業を実行する(
図2、
図5(c)参照)。
【0013】
図1において、部品実装装置M2~M5は、搬送コンベア、部品供給部、実装ヘッドを含む部品実装作業部によって基板Bの実装点に部品Dを実装する部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインLが備える部品実装装置M2~M5は4台に限定されることはなく、1台~3台、または、5台以上であってもよい。リフロー装置M6は、装置内に搬入された基板Bを搬送コンベアで搬送しながら基板加熱部によって加熱して、基板B上のはんだペーストSを融解させた後に硬化させ、基板Bの電極部(ランド)と部品Dとを接合する基板加熱作業を実行する。
【0014】
次に
図2、
図3を参照して、印刷装置M1の要部の構成を説明する。印刷装置M1は、複数の開口4aが設けられたマスク4を介して基板Bの印刷領域Rp(
図4(c)参照)にはんだペーストSを印刷する機能を有している。開口4aは、基板Bに形成されたランド(電極)の形状、位置に対応して形成されている。印刷装置M1は、基板保持移動ユニット5、スキージユニット6及びペースト供給装置(図示省略)を備えている。
【0015】
基板保持移動ユニット5は、基台7上に設けられており、基板Bの保持及び移動を行う。マスク4は、基板保持移動ユニット5に保持される基板Bの上方に水平姿勢で保持されている。スキージユニット6は、マスク4の上方に設けられている。ペースト供給装置は、スキージユニット6と一体に設けられており、マスク4上にはんだペーストSを供給する。印刷装置M1の各部は、印刷装置M1が備える印刷制御装置8によって制御される。
【0016】
次に、印刷装置M1が備える各部の詳細について順に説明する。
図2において、基板保持移動ユニット5は、XYθ移動機構9と基板保持機構10を備えて構成されている。XYθ移動機構9は印刷制御装置8によって制御され、基板保持機構10を水平面内(X軸方向、Y軸方向)で移動させ、Z軸回りにθ回転させる。
【0017】
図2、
図3において、基板保持機構10は、ベーステーブル11、リフト部12、一対のコンベア支持部13を下方から順に備えている。リフト部12の中央には、基板Bの下面を支持する基板下受け部14が載置されている。ベーステーブル11には、4本のボールねじ15がベーステーブル11を上下(Z軸方向)に貫通して配置されている。ベーステーブル11の下方に突出するボールねじ15の下端には、被駆動プーリ15aが装着されている。また、ベーステーブル11には、出力軸に駆動プーリ16aが装着されたモータ16が配置されている。モータ16は、印刷制御装置8によって制御される。駆動プーリ16aと4つの被駆動プーリ15aには、無端の伝動ベルト17が周回して調帯されている。
【0018】
リフト部12には、4本のボールねじ15に係合するナット18が配置されている。ナット18に係合したボールねじ15の先端は、コンベア支持部13を上下に貫通して形成されたボールねじ貫通孔13aに挿入されている。印刷制御装置8がモータ16を駆動させることにより4本のボールねじ15が回転し、ナット18と一体となってリフト部12が昇降する。このように、モータ16、駆動プーリ16a、被駆動プーリ15a、伝動ベルト17、ボールねじ15、ナット18は、リフト部12を昇降させる動力部Eを構成する。
【0019】
図2、
図3において、ベーステーブル11には、4本のロッド19が上方に突出して配置されている。ロッド19の中間の高さ位置には、上面がコンベア支持部13の下面に当接する規制部20が配置されている。ロッド19の先端は、コンベア支持部13に貫通して形成されたロッド貫通孔13bに挿入されている。一対のコンベア支持部13は、ロッド19に沿って上下に移動する。コンベア支持部13とベーステーブル11の間には、弦巻ばねなどのコンベア支持部13に下降する方向の下降力を与える下降力発生部21が配置されている。下降するコンベア支持部13は、規制部20に当接して停止する。すなわち、規制部20は、コンベア支持部の下限位置Hlを規制する。なお、コンベア支持部13の自重を利用して、コンベア支持部13を下降させてもよい。また、コンベア支持部13が規定の位置まで下降したことを検出する検出センサを使用してもよい。
【0020】
一対のコンベア支持部13は、X軸に沿って延びてY軸方向に対向配置され、基板Bを搬送する一対のコンベア22を支持している。コンベア22は印刷制御装置8によって制御され、基板Bを下方から支持して搬送する。コンベア支持部13の上面には、没突するピストン23aを上方に向けたシリンダ23がコンベア22に沿ってそれぞれ2つ配置されている。
【0021】
シリンダ23は印刷制御装置8によって制御され、エアや電気によりピストン23aを没突させる。コンベア支持部13の2つのシリンダ23のピストン23aには、薄い金属板などからなる当接部24が固定されている。すなわち、当接部24は、コンベア支持部13の上面側に設けられている。このように、コンベア支持部13の上面に配置された2つのシリンダ23は、当接部24を昇降させる当接部昇降部25を構成する。当接部24は軽量であるため、当接部24を昇降させるシリンダ23は小さなサイズ(小型)でよい。
【0022】
図2において、スキージユニット6は、X軸に沿って延びて設けられたスキージベース26の下方にY軸方向に対向配置された2つのスキージ27を備えている。スキージベース26は、スキージユニット移動機構(図示省略)によってY軸に沿って移動する。2つのスキージ27は、スキージベース26に設けられたスキージ昇降シリンダ28によって個別に昇降する。スキージユニット移動機構とスキージ昇降シリンダ28は、印刷制御装置8によって制御される。印刷制御装置8は、はんだペーストSが供給されたマスク4上に一のスキージ27を下降(矢印d)させて当接させ、Y軸に沿って移動(矢印e)させるスキージ動作を実行させる(
図5(c)参照)。
【0023】
次に、
図4~
図6を参照して、基板BにはんだペーストSを印刷し、はんだペーストSが印刷された基板Bに部品Dを実装してリフローする実装基板の製造方法について説明する。以下では、実装基板の製造方法のうち、印刷装置M1において実行される、所定の開口4aを有するマスク4を介して基板BにはんだペーストSを印刷する印刷工程について説明する。
図4(a)は、基板Bが搬送される前の基板保持機構10をX軸側から見た側面図である。この状態で、一対のコンベア支持部13は、下降力発生部21による下降力によって規制部20に当接して下限位置Hlに位置している。また、リフト部12は、一対のコンベア支持部13の下面から下方に離れた待機位置Hrに位置している。
【0024】
まず、印刷制御装置8は一対のコンベア22を制御して、コンベア22により基板下受け部14の上方の作業位置まで基板Bを搬送させる(基板搬入工程)(
図4(b))。次いで印刷制御装置8は当接部昇降部25を制御して当接部24を下降させ(
図4(c)の矢印a)、作業位置の基板Bの上面のうちのはんだペーストSが印刷される印刷領域Rp以外の領域に当接させる(当接部下降工程)。
【0025】
次いで印刷制御装置8は動力部Eを制御して基板下受け部14が載置されたリフト部12を上昇させて(
図5(a)の矢印b)、基板下受け部14と当接部24で基板Bを挟んで固定させる(基板固定工程)。この過程で、リフト部12の上面が一対のコンベア支持部13の下面に当接する(
図5(a))。さらに印刷制御装置8は動力部Eを制御してリフト部12を上昇させて(
図5(b)の矢印c)、当接部24と一対のコンベア支持部13を一緒に上昇させて当接部24の上面をマスク4の下面に当接させる(当接部当接工程)。
【0026】
次いで印刷制御装置8はスキージ昇降シリンダ28を制御して印刷領域Rpにおいて一方のスキージ27を下降させ(
図5(c)の矢印d)、スキージ27をマスク4上に当接させてマスク4の下面が基板Bの上面に当接するまで押し込ませる。次いで印刷制御装置8はスキージユニット移動機構を制御してスキージ27をY軸に沿って移動させ(
図5(c)の矢印e)、マスク4の開口4aにはんだペーストSを押し込む(印刷工程)。これにより、マスク4を介して基板Bの印刷領域RpにはんだペーストSが印刷される。印刷制御装置8はスキージ27を印刷領域Rpの端まで移動させると、スキージ昇降シリンダ28を制御してスキージ27を上昇させる。
【0027】
次いで印刷制御装置8は動力部Eを制御してリフト部12を下降させ(
図6(a)の矢印f)、基板Bをマスク4から離反させる(版離れ工程)。これにより、基板BにはんだペーストSが転写(印刷)される(
図6(a))。リフト部12が下降すると、一対のコンベア支持部13は下降力発生部21による下降力によってリフト部12と一緒に下降する。リフト部12がさらに下降すると、一対のコンベア支持部13は規制部20に当接して下限位置Hlで停止する(
図6(a))。
【0028】
さらに印刷制御装置8は動力部Eを制御してリフト部12を下降させ(
図6(b)の矢印g)、リフト部12を待機位置Hrで停止させる。すなわち、リフト部12は、下限位置Hlのコンベア支持部13から離れる位置(待機位置Hr)まで下降する。この過程で、基板下受け部14が基板Bの下面から離れて基板Bの固定が解除される(基板固定解除工程)(
図6(b))。次いで印刷制御装置8は当接部昇降部25を制御して当接部24を上昇させ(
図6(c)の矢印h)、当接部24を基板Bの上面から離す(当接部上昇工程)。
【0029】
次いで印刷制御装置8は一対のコンベア22を制御して、コンベア22で基板Bを作業位置から搬出させる(基板搬出工程)。印刷装置M1から搬出された基板Bは、部品実装装置M2~M5で順に部品Dが実装され(部品実施工程)、リフロー装置M6で基板加熱作業が実行される(リフロー工程)。
【0030】
上記説明したように、本実施の形態の印刷装置M1は、基板Bの下面を支持する基板下受け部14と、基板下受け部14が載置され、上下方向に移動するリフト部12と、基板BのうちはんだペーストSが印刷される印刷領域Rp以外の領域にて、基板Bの上面に当接する当接部24と、リフト部12を上昇させて当接部24を上昇させる動力部Eを有する。これによって、1つの動力部Eにより当接部24とリフト部12を上昇させる簡素な構成により基板Bの下面を支持して保持し、保持した基板Bをマスク4に近接させて、基板BにはんだペーストSを印刷させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の印刷装置および実装基板の製造方法は、簡素な構成により基板の下面を支持して保持し、保持した基板をマスクに近接させることができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0032】
4 マスク
4a 開口
12 リフト部
13 コンベア支持部
14 基板下受け部
20 規制部
21 下降力発生部
22 コンベア
24 当接部
25 当接部昇降部
B 基板
E 動力部
Hl 下限位置
Hr 待機位置
M1 印刷装置
Rp 印刷領域
S はんだペースト