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  • 特開-貯湯式給湯機 図1
  • 特開-貯湯式給湯機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144929
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】貯湯式給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/429 20220101AFI20241004BHJP
   F24H 15/219 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/414 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/421 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/269 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/174 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/32 20220101ALI20241004BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
F24H15/429
F24H15/219
F24H15/281
F24H15/414
F24H15/421
F24H15/238
F24H15/212
F24H15/269
F24H15/174
F24H1/18 H
F24H15/32
F24H15/196 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057112
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 直也
【テーマコード(参考)】
3L024
3L122
【Fターム(参考)】
3L024CC30
3L024DD03
3L024DD04
3L024GG05
3L024GG06
3L024GG23
3L024GG25
3L024HH12
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA24
3L122AA28
3L122AA33
3L122AA34
3L122AA62
3L122AA63
3L122AA64
3L122BA13
3L122BA14
3L122BA27
3L122BB14
3L122DA13
3L122EA09
3L122FA02
3L122FA04
3L122FA12
3L122FA13
3L122FA24
3L122FA27
(57)【要約】
【課題】浴槽追い焚き運転と給湯運転が重複した場合に、実給湯温度と設定給湯温度との乖離を生じさせないようにする上で有利になる貯湯式給湯機を提供する。
【解決手段】本開示に係る貯湯式給湯機は、貯湯タンクと、追い焚き熱交換器と、貯湯タンクから供給される温水と、当該温水よりも温度が低い水とを混合させる給湯用混合弁と、水回路装置と、を備える。水回路装置は、加熱手段により加熱された温水を貯湯タンクに流入させることなく追い焚き熱交換器に流入させ、追い焚き熱交換器から流出した温水を加熱手段に流入させる第一回路と、貯湯タンクから流出した温水を追い焚き熱交換器に流入させ、追い焚き熱交換器から流出した温水を給湯用混合弁に流入させる第二回路とを形成可能である。給湯及び追い焚き同時運転時において、第一回路による第一運転を実施可能である。第一運転を実施しない場合には第二回路による第二運転を実施する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、
浴槽から循環する浴水を加熱可能な追い焚き熱交換器と、
前記浴槽と前記追い焚き熱交換器との間で前記浴水を循環させる風呂ポンプと、
前記貯湯タンクから供給される温水と、当該温水よりも温度が低い水とを混合させる給湯用混合弁と、
水を循環させる循環ポンプを有する水回路装置と、
を備え、
前記水回路装置は、前記加熱手段により加熱された温水を前記貯湯タンクに流入させることなく前記追い焚き熱交換器に流入させ、前記追い焚き熱交換器から流出した温水を前記加熱手段に流入させる第一回路と、前記貯湯タンクから流出した温水を前記追い焚き熱交換器に流入させ、前記追い焚き熱交換器から流出した温水を前記給湯用混合弁に流入させる第二回路とを形成可能であり、
給湯及び追い焚き同時運転時において、前記第一回路による第一運転を実施可能であり、前記第一運転を実施しない場合には前記第二回路による第二運転を実施する貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記給湯用混合弁から流出する湯の温度である実給湯温度を検知する給湯温度検知手段と、
前記実給湯温度と、ユーザが指定した設定給湯温度との標準偏差を基準と比較し、前記標準偏差が前記基準よりも大きい場合には前記第一運転を実施し、前記標準偏差が前記基準よりも小さい場合には前記第二運転を実施する制御部と、
を備える請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項3】
前記給湯用混合弁から流出する湯の温度である実給湯温度を検知する給湯温度検知手段と、
前記実給湯温度と、ユーザが指定した設定給湯温度との差分を基準と比較し、前記差分が前記基準よりも大きい場合には前記第一運転を実施し、前記差分が前記基準よりも小さい場合には前記第二運転を実施する制御部と、
を備える請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項4】
前記給湯用混合弁から流出する湯の流量である給湯流量を検知する給湯流量検知手段と、
前記循環ポンプにより前記追い焚き熱交換器に循環する温水の流量である浴槽追い焚き流量を検知する浴槽追い焚き流量検知手段と、
前記給湯流量と前記浴槽追い焚き流量との差分を基準と比較し、前記差分が前記基準よりも大きい場合には前記第一運転を実施し、前記差分が前記基準よりも小さい場合には前記第二運転を実施する制御部と、
を備える請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項5】
前記浴槽の水温である浴槽水温を検知する浴槽水温検知手段と、
前記浴槽水温と、ユーザが指定した設定浴槽追い焚き温度との差分を基準と比較し、前記差分が前記基準よりも大きい場合には前記第一運転を実施し、前記差分が前記基準よりも小さい場合には前記第二運転を実施する制御部と、
を備える請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項6】
前記第一運転から前記第二運転に切り替えた後に再度前記第一運転に切り替える場合には、前記加熱手段の停止後から所定の時間が経過するまでは前記第一運転に切り替えない請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯湯式給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、浴槽追い焚き後の中温水を給湯に利用することで沸き上げ効率を低下させることなく運転を実施することが可能なシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-226695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の運転制御では、浴槽追い焚き運転と給湯運転が重複した場合において、追い焚き後の中温水が直接給湯運転へ使用されるため、追い焚き後の中温水と設定給湯温度との差分が大きい場合、ユーザ側へ供給される温水の湯温が設定温度から乖離し、実給湯温度が設定給湯温度を満足しないという課題がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、浴槽追い焚き運転と給湯運転が重複した場合に、実給湯温度と設定給湯温度との乖離を生じさせないようにする上で有利になる貯湯式給湯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る貯湯式給湯機は、水を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、浴槽から循環する浴水を加熱可能な追い焚き熱交換器と、浴槽と追い焚き熱交換器との間で浴水を循環させる風呂ポンプと、貯湯タンクから供給される温水と、当該温水よりも温度が低い水とを混合させる給湯用混合弁と、水を循環させる循環ポンプを有する水回路装置と、を備え、水回路装置は、加熱手段により加熱された温水を貯湯タンクに流入させることなく追い焚き熱交換器に流入させ、追い焚き熱交換器から流出した温水を加熱手段に流入させる第一回路と、貯湯タンクから流出した温水を追い焚き熱交換器に流入させ、追い焚き熱交換器から流出した温水を給湯用混合弁に流入させる第二回路とを形成可能であり、給湯及び追い焚き同時運転時において、第一回路による第一運転を実施可能であり、第一運転を実施しない場合には第二回路による第二運転を実施するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、本開示の目的は、浴槽追い焚き運転と給湯運転が重複した場合に、実給湯温度と設定給湯温度との乖離を生じさせないようにする上で有利になる貯湯式給湯機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る貯湯式給湯機を示す図である。
図2】実施の形態1の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。以下の説明において、「水」、「湯」、「温水」、「湯水」等の記載は、原則として、液体の水を意味し、冷水から熱湯までもが含まれうるものとする。また、以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示に係る技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による貯湯式給湯機100を示す図である。図1に示すように、貯湯式給湯機100は、ヒートポンプサイクルを利用する加熱手段117と、貯湯タンク102を有する貯湯ユニット118と、リモコン144とを備える。加熱手段117は、電力を消費して水を加熱する加熱手段に相当する。加熱手段117と貯湯ユニット118とは、屋外に設置される。リモコン144は、屋内に設置される。
【0011】
加熱手段117は、圧縮機113、水-冷媒熱交換器119、減圧手段120、空気-冷媒熱交換器121、及び室外ファン122を含む冷媒回路を有している。
【0012】
貯湯式給湯機100は、わき上げ運転を実施できる。わき上げ運転は、加熱手段117により貯湯タンク102の水を加熱する運転である。本実施の形態における貯湯式給湯機100は、水を加熱手段117に1回だけ通すことで水を目標温度まで加熱する一過式わき上げを実施する。本開示における加熱手段は、上述した加熱手段117に限定されない。加熱手段は、例えば、貯湯ユニット118内に設けられた電熱ヒータでもよい。その他、加熱手段は、燃料の燃焼熱を熱源として利用するものでもよいし、太陽熱を熱源として利用するものでもよいし、燃料電池の廃熱を熱源として利用するものでもよいし、複数種類の熱源を組み合わせて利用するものでもよい。
【0013】
貯湯ユニット118内には、追い焚き熱交換器103と、循環ポンプ104と、給湯用混合弁123と、市水用減圧弁124と、風呂ポンプ125と、四方弁127と、三方弁128とがさらに設けられている。風呂ポンプ125は、浴槽126内の浴水を追い焚き熱交換器103に循環させる浴槽循環回路に接続されている。
【0014】
配管137は、追い焚き熱交換器103の一次側流路の出口と、循環ポンプ104の吸入口との間をつないでいる。市水用減圧弁124は、給水配管138に設けられている。給水配管138は、貯湯タンク102の下部に接続されている。給水配管138から分岐した給水配管139は、給湯用混合弁123に接続されている。
【0015】
四方弁127は、aポート、bポート、cポート及びdポートを有する。HP往き配管140は、循環ポンプ104の吐出口と、水-冷媒熱交換器119の水入口との間をつないでいる。HP戻り配管141は、水-冷媒熱交換器119の水出口と、四方弁127のaポートとの間をつないでいる。バイパス配管142は、循環ポンプ104の吐出口の下流から分岐して四方弁127のcポートに接続されている。バイパス配管143は、四方弁127のdポートと、貯湯タンク102の下部との間をつないでいる。
【0016】
三方弁128は、aポート、bポート、及びcポートを有する。配管145は、四方弁127のbポートと、三方弁128のaポートとの間をつないでいる。追い焚き戻り配管129は、三方弁128のbポートと、給湯用混合弁123との間をつないでいる。追い焚き往き配管146は、三方弁128のcポートと、追い焚き熱交換器103の一次側流路の入口との間をつないでいる。
【0017】
第一タンク上部配管147は、貯湯タンク102の上部と、追い焚き戻り配管129との間をつないでいる。第二タンク上部配管148は、貯湯タンク102の上部と、追い焚き往き配管146との間をつないでいる。第二タンク上部配管148には、逆止弁149が設けられている。タンク下部配管151は、配管137と貯湯タンク102の下部との間をつないでいる。
【0018】
給湯用混合弁123は、追い焚き戻り配管129からの温水と、給水配管139からの低温水とを混合して給湯配管150に流入させる。給湯配管150には、給湯用混合弁123から流出する湯の温度である実給湯温度を検知する給湯温度検知手段130と、給湯用混合弁123から流出する湯の流量である給湯流量を検知する給湯流量検知手段131が設けられている。また、配管137を流れる温水の流量を検知する浴槽追い焚き流量検知手段132が配管137に設けられている。
【0019】
貯湯式給湯機100の動作を制御する制御部136が貯湯ユニット118に設けられている。制御部136は、制御基板により構成されている。制御基板にマイコンが設けられている。マイコンは、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つのメモリとを含む。制御部136は、年月日と、時刻とを管理するタイマー機能を有していてもよい。
【0020】
リモコン144は、制御部136に対し、双方向にデータ通信可能に接続されている。リモコン144は、ユーザーの要求を受け付けるユーザーインターフェースに相当する。制御部136とリモコン144との間の通信は、有線通信でも無線通信でもよい。リモコン144は、浴室に設置されてもよい。リモコン144は、台所に設置されてもよい。異なる場所に複数のリモコン144が設置されてもよい。リモコン144のほかに、例えばスマートフォンのような携帯端末、あるいはスマートスピーカなどをユーザーインターフェースとして使用できるように構成してもよい。
【0021】
リモコン144は、表示部144aと、スピーカ144bと、操作部144cとを備える。表示部144aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイでもよい。表示部144aは、例えば、貯湯式給湯機100の状態に関する情報、貯湯式給湯機100の設定内容に関する情報などを表示できる。操作部144cは、ユーザーが操作するためのボタン、ダイヤル、キーなどを含んでもよい。表示部144aは、操作部の機能を兼ね備えるタッチスクリーンでもよい。リモコン144は、マイク等をさらに備えてもよい。リモコン144の表示部144aは、情報を報知する報知手段としての機能を有する。また、リモコン144は、スピーカ144bから発する音声により情報を報知する音声報知部を有する。
【0022】
貯湯式給湯機100は、加熱手段117によって生成された温水を貯湯タンク102内に貯湯し、需要側の給湯、暖房、浴槽湯はり、浴槽追い焚き等の要求に対応するため貯湯タンク102内に貯湯されている温水を供給する。なお、図1では暖房回路については図示を省略している。
【0023】
給湯配管150に給湯する給湯運転のとき、制御部136は、給湯温度検知手段130で検知される実給湯温度が、ユーザがリモコン144にて指定した設定給湯温度に等しくなるように、給湯用混合弁123の動作を制御する。
【0024】
追い焚き単独運転のとき、制御部136は、四方弁127のbポートとcポートが連通し、三方弁128のaポートとbポートが連通するようにして、循環ポンプ104と風呂ポンプ125を運転する。これにより、貯湯タンク102の上部から第二タンク上部配管148へ流出した高温水が追い焚き往き配管146を通って追い焚き熱交換器103に供給される。追い焚き熱交換器103を通過した中温水は、配管137、循環ポンプ104、バイパス配管142、四方弁127、配管145、三方弁128、追い焚き戻り配管129、第一タンク上部配管147を通って貯湯タンク102内に戻る。
【0025】
本実施の形態の貯湯式給湯機100は、循環ポンプ104と上述した配管類からなる水回路装置を備えている。水回路装置は、第一回路と、第二回路とを形成可能である。第一回路は、加熱手段117により加熱された温水を貯湯タンク102に流入させることなく追い焚き熱交換器103に流入させ、追い焚き熱交換器103から流出した温水を加熱手段117に流入させる回路である。第一回路では、四方弁127のaポートとbポートを連通させ、三方弁128のaポートとcポートを連通させる。この第一回路による第一運転のときには、加熱手段117から流出した高温水がHP戻り配管141、四方弁127、配管145、三方弁128、追い焚き往き配管146を通って追い焚き熱交換器103に供給される。追い焚き熱交換器103を通過した中温水は、配管137、循環ポンプ104、HP往き配管140を通って加熱手段117に戻り、再度加熱されて循環する。
【0026】
第二回路は、貯湯タンク102から流出した温水を追い焚き熱交換器103に流入させ、追い焚き熱交換器103から流出した温水を給湯用混合弁123に流入させる回路である。第二回路では、四方弁127のbポートとcポートを連通させ、三方弁128のaポートとbポートを連通させる。
【0027】
給湯運転と追い焚き運転を同時に行う運転を給湯及び追い焚き同時運転と称する。本実施の形態の貯湯式給湯機100では、給湯及び追い焚き同時運転時において、第一回路による第一運転を実施可能であり、第一運転を実施しない場合には第二回路による第二運転を実施する。第二回路による第二運転のときには、貯湯タンク102の上部から第二タンク上部配管148へ流出した高温水が追い焚き往き配管146を通って追い焚き熱交換器103に供給される。追い焚き熱交換器103を通過した中温水は、配管137、循環ポンプ104、バイパス配管142、四方弁127、配管145、三方弁128、追い焚き戻り配管129を通って給湯用混合弁123に流れる。このようにして、追い焚き熱交換器103を通過した中温水を、給湯運転に利用することができるので、エネルギー効率が向上する。
【0028】
その一方で、第二回路による第二運転では、実給湯温度が設定給湯温度から乖離する可能性がある。そのような場合に、本実施の形態であれば、第一回路による第一運転を行うことで、実給湯温度が設定給湯温度から乖離することを確実に防止することが可能となる。
【0029】
制御部136は、一定時間内における実給湯温度と設定給湯温度との標準偏差を基準と比較し、当該標準偏差が当該基準よりも大きい場合には第一運転を実施し、当該標準偏差が当該基準よりも小さい場合には第二運転を実施するようにしてもよい。これにより、実給湯温度と設定給湯温度との乖離が大きい場合には第一運転を行うことで、実給湯温度と設定給湯温度との乖離を小さくすることが可能となる。
【0030】
制御部136は、一定時間内における実給湯温度と設定給湯温度との差分を基準と比較し、当該差分が当該基準よりも大きい場合には第一運転を実施し、当該差分が当該基準よりも小さい場合には第二運転を実施するようにしてもよい。これにより、実給湯温度と設定給湯温度との乖離が大きい場合には第一運転を行うことで、実給湯温度と設定給湯温度との乖離を小さくすることが可能となる。上記の場合において、制御部136は、一定時間内における実給湯温度と設定給湯温度との差分の平均値を基準と比較してもよい。
【0031】
追い焚き運転のときに循環ポンプ104により追い焚き熱交換器103に循環する温水の流量を浴槽追い焚き流量と称する。配管137に設けられた浴槽追い焚き流量検知手段132により浴槽追い焚き流量を検知することができる。
【0032】
制御部136は、一定時間内において、給湯流量検知手段131が検知した給湯流量と、浴槽追い焚き流量検知手段132が検知した浴槽追い焚き流量との差分を基準と比較し、当該差分が当該基準よりも大きい場合には第一運転を実施し、当該差分が当該基準よりも小さい場合には第二運転を実施するようにしてもよい。これにより、第一運転と第二運転とを適切に切り替えることが可能となる。
【0033】
浴槽循環回路には、浴槽の水温である浴槽水温を検知する浴槽水温検知手段152が設けられている。制御部136は、一定時間内において、浴槽水温検知手段152が検知した浴槽水温と、ユーザがリモコン144にて指定した設定浴槽追い焚き温度との差分を基準と比較し、当該差分が当該基準よりも大きい場合には第一運転を実施し、当該差分が当該基準よりも小さい場合には第二運転を実施するようにしてもよい。これにより、第一運転と第二運転とを適切に切り替えることが可能となる。
【0034】
図2は、実施の形態1の制御フローチャートである。制御部136は、図2のフローチャートの処理を所定時間ごとに繰り返し実行する。ステップS1で給湯及び追い焚き同時運転が開始する。この開始時に、制御部136は、第二回路による第二運転を実施する。次いで、ステップS2として、制御部136は、給湯温度、給湯流量、追い焚き流量を取得する。次いで、ステップS3として、制御部136は、任意の一定時間が経過したかどうかを判断する。一定時間が経過した後、制御部136は、一定時間内の実給湯温度と設定値との標準偏差が基準値以上であるかどうかを判断する(ステップS4)。
【0035】
ステップS4で、標準偏差が基準値以上である場合には、制御部136は、四方弁127の水-冷媒熱交換器119側と三方弁128側とを開通させ、三方弁128の四方弁127側と追い焚き熱交換器103側を開通させる(ステップS5)。次いで、熱源機である加熱手段117を起動し、通常のわき上げ運転時と同様の出湯温度目標で追い焚き戻り循環水を加熱する(ステップS6)。これにより、第一回路による第一運転の状態となる。
【0036】
次いで、ステップS7として、制御部136は、一定時間内の実給湯温度と設定給湯温度との標準偏差が基準値以下であるかどうかを判断する。標準偏差が基準値以下である場合には、四方弁127のbポートとcポートを連通させ、三方弁128のaポートとbポートとを連通させる(ステップS8)。これにより、第二回路による第二運転の状態となる。
【0037】
第一運転から第二運転に切り替えると、加熱手段117は停止される。その後、再度第一運転に切り替える場合には、加熱手段117を再起動する。このような場合に、加熱手段117の発停が過度になる可能性がある。そこで、制御部136は、第一運転から第二運転に切り替えた後に再度第一運転に切り替える場合には、加熱手段117の停止後から所定の時間が経過するまでは第一運転に切り替えないようにしてもよい。これにより、加熱手段117の運転停止後から再起動までに任意の時間間隔をあけることができるので、加熱手段117の過度な発停を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
100 貯湯式給湯機、 102 貯湯タンク、 103 追い焚き熱交換器、 104 循環ポンプ、 113 圧縮機、 117 加熱手段、 118 貯湯ユニット、 119 水-冷媒熱交換器、 120 減圧手段、 121 冷媒熱交換器、 122 室外ファン、 123 給湯用混合弁、 124 市水用減圧弁、 125 風呂ポンプ、 126 浴槽、 127 四方弁、 128 三方弁、 129 追い焚き戻り配管、 130 給湯温度検知手段、 131 給湯流量検知手段、 132 浴槽追い焚き流量検知手段、 136 制御部、 137 配管、 138 給水配管、 139 給水配管、 140 HP往き配管、 141 HP戻り配管、 142 バイパス配管、 143 バイパス配管、 144 リモコン、 144a 表示部、 144b スピーカ、 144c 操作部、 145 配管、 146 追い焚き往き配管、 147 第一タンク上部配管、 148 第二タンク上部配管、 149 逆止弁、 150 給湯配管、 151 タンク下部配管、 152 浴槽水温検知手段
図1
図2