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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144939
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電子機器収納ラック
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20241004BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241004BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20241004BHJP
   H02B 1/20 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
H05K7/18 L
H05K5/02 Z
A47B55/00
H02B1/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057124
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(72)【発明者】
【氏名】松本 一夫
【テーマコード(参考)】
3B067
4E360
【Fターム(参考)】
3B067AA00
4E360AB08
4E360AB23
4E360BA06
4E360BB02
4E360BB23
4E360BC13
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA21
4E360EC14
4E360ED02
4E360GA24
4E360GA53
4E360GB25
(57)【要約】
【課題】内部に電子部品を収納する電子機器収納ラックにおいて、重量のある電子機器が収容可能であり、部品コストも抑えた電子機器収納ラックを提供する。
【解決手段】前面に扉を備え、左側面板と右側面板と背面板と天面板と底板を有し、内部に電子機器を収納する電子機器収納ラックにおいて、前記電子機器収納ラックは、前記左側面板および前記右側面板の少なくともいずれか一方の内側にケーブル収容板を備え、前記ケーブル収容板には、前記電子機器収納ラックの内側面に対し垂直方向へ突出するレール部を備えた前記電子機器を支持する固定板が取り付けられる。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に扉を備え、左側面板と右側面板と背面板と天面板と底板を有し、内部に電子機器を収納する電子機器収納ラックにおいて、
前記電子機器収納ラックは、前記左側面板および前記右側面板の少なくともいずれか一方の内側にケーブル収容板を備え、
前記ケーブル収容板には、前記電子機器収納ラックの内側面に対し垂直方向へ突出するレール部を備えた前記電子機器を支持する固定板が取り付けられることを特徴とする電子機器収納ラック。
【請求項2】
前記ケーブル収容板は、中央部がラック内側へ突出した台形形状であり、前記中央部から前記左側面板または前記右側面板に向かって広がるように傾斜した傾斜面が前面方向と背面方向の少なくともいずれか一方にあり、前記固定板は、前記ケーブル収容部の中央部および傾斜面に対応する形状に形成され、前記固定板は、前記ケーブル収容板の傾斜面で固定されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器収納ラック。
【請求項3】
前記固定板は、前記ケーブル収容板の傾斜部へねじ止めされることを特徴とする請求項2に記載の電子機器収納ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば図21に示す電子機器収納ラックのように、箱型のラックに複数の電子機器(コンピュータ装置)を上下に多段に収容するものが存在し、その収容は前記ラック内の側面に備えたサイドレールを用いて行われていた。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-217301号公報
【0004】
しかしながら例えば、サイドレールをラックにねじ止めしようとすれば、通常はラックの側板に対して垂直方向からネジ止めする必要があり、その場合にはドライバー等のねじ止めのための器具も側板に対して垂直にして使用しなければならず、ラック内に他の機器が存在したり、ラック内のスペースが少なかったりする場合には作業性が悪い。
【0005】
また、ラック内に複数の電子機器を収容した場合には、各電子機器に接続されているケーブルの配線が入り乱れることになり、これも作業性を悪くする要因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、電子機器を収容する電子機器収納ラックにおいて、電子機器を支持するためのサイドレール等の支持部材の取り付けを容易にし、また電子機器に接続されているケーブルの配線を改善し、製造時やメンテナンス時の作業性を改善する電子機器収納ラックを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、前面に扉を備え、左側面板と右側面板と背面板と天面板と底板を有し、内部に電子機器を収納する電子機器収納ラックにおいて、前記電子機器収納ラックは、前記左側面板および前記右側面板の少なくともいずれか一方の内側にケーブル収容板を備え、前記ケーブル収容板には、前記電子機器収納ラックの内側面に対し垂直方向へ突出するレール部を備えた前記電子機器を支持する固定板が取り付けられる。
【0008】
前記ケーブル収容板は、中央部がラック内側へ突出した台形形状であり、前記中央部から前記左側面板または前記右側面板に向かって広がるように傾斜した傾斜面が前面方向と背面方向の少なくともいずれか一方にあり、前記固定板は、前記ケーブル収容部の中央部および傾斜面に対応する形状に形成され、前記固定板は、前記ケーブル収容板の傾斜面で固定される
【0009】
前記固定板は、前記ケーブル収容板の傾斜部へねじ止めされる。
【発明の効果】
【0010】
本願の実施形態の電子機器収納ラックによれば、内部に電子部品を収納する電子機器収納ラックにおいて、重量のある電子機器が収容可能であり、部品コストも抑えた電子機器を収納する電子機器収納ラックとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る電子機器が搭載される基地局無線装置を設置した消防署を示す図である。
図2】基地局無線装置の前面図である。
図3】基地局無線装置の斜視図である。
図4】基地局無線装置の扉を開いた状態の斜視図である。
図5】基地局無線装置の背面図である。
図6】基地局無線装置の天面図である。
図7】基地局無線装置の扉を取り外した状態の前面図である。
図8図2のA-A断面図である。
図9】基地局無線装置の扉を取り外した状態の斜視図である。
図10】(a)は上部ファンケースを下から見た図で、(b)は上部ファンケースを上から見た図である。
図11図2のB-B拡大断面図である。
図12】電子機器の分解図である。
図13図8のC部拡大図である。
図14】通風経路を示す分解図である。
図15図6のD-D断面図である。
図16図15のE部拡大図である。
図17図9の内部部品と左側面板を外した状態の斜視図である。
図18図2のF-F拡大断面図である。
図19】基地局無線装置の扉と左側面板を外した状態で下部を拡大した斜視図である。
図20図18のG部拡大図である。
図21】固定板をケーブル収容板に取り付ける状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は消防署1の模式図である。図1に示すように、消防署1内には基地局無線装置2が設置される。基地局無線装置2は、基地局(消防本部・消防指令センターなどに設置)と移動局(消防・救急車両などに装備する車載無線機10a/消防・救急隊員が携帯する無線機10b)の間での通信に利用する無線通信システムの一部で、消防署所轄に設置された無線電波を受信するためのアンテナ10とアンテナ線11で接続される。
【0014】
図2は基地局無線装置2の前面図で、図3は基地局無線装置2の斜視図である。図4は基地局無線装置の扉を開いた状態の斜視図である。図2図3図4に示すように、基地局無線装置2は消防署1内の床面12に設置され、鋼板で形成された電子機器収納ラック21(以下では単にラック21と呼ぶ)とそのラック21の内部に縦方向に並べて収納される後述するアンテナ切換器26、複数の電子機器5、無線機66等を有する。尚、図2でラック21の上扉22a、下扉22bのある面を前面とし、その対面を背面、後述するアンテナコネクタ23のある面を天面、その対面を底面、図2上で右側を左側面、左側を右側面、図3に示す天面と底面に直交する方向を上下方向もしくは縦方向、左側面と右側面に直交する方向を左右方向もしくは横方向、前面と背面に直交する方向を前後方向として以下説明する。
【0015】
ラック21は、左側面板271と右側面板272と上背面板270aと下背面板270bと天板274と底板273を有し、それぞれ溶接により接合され前面および背面が開口し、ラック21の前面に開閉可能に設けられた上扉22aと下扉22bとを備える。上扉22aと下扉22bは、ラック21を上下にほぼ均等に2分割する2枚の扉で構成される。
【0016】
上扉22aと下扉22bは、上扉22aと下扉22bのそれぞれの内側の左側端の上下2箇所と、ラック21の左側面板271側の前面の端4箇所に設けた蝶番22cの回動で開閉することができ、上扉22aと下扉22b内側の右側端の上下2箇所およびラック21の右側面板272の前面に設けた4箇所の磁石227で閉じた状態を維持することができる。また、上扉22aと下扉22bの前面には開閉時に利用する把手221とラック21の内外で空気を流通させるための通気口222が備えられている。
【0017】
ラック21の背面は、左側面板271、右側面板272が背面まで回り込んだ取付面271a、272aに上背面板270a、下背面板270bの2枚の鋼板がねじ止めにより固定されている。前記上背面板270aと下背面板270bには取付面271a、272aに着脱するときに持ち手となる把手223があり、上背面板270aには下部開口82と上部開口28があり、前記下背面板270bには、ラック21の内外で空気を流通させるための通気口224が設けられている。
【0018】
図6は基地局無線装置の天面図である。図6に示す基地局無線装置2の天板274には、アンテナ線11を接続する複数個のアンテナコネクタ23が4×4の配置で前後左右に複数個(図6上では14個)等間隔に配置されている。天板274の背面側には楕円形の配線用開口2741が設けられる。配線用開口2741は配線用開口2741からラック21内部に埃等の侵入を防ぐための配線用開口2741より大形の四角形のゴム製の配線用開口カバー251で覆われている。配線用開口カバー251には複数の十字の切り込み252があり、切り込み252からアンテナ10に繋がる制御ケーブル25が引き出される。
【0019】
次にラック21内に収容された各機器について説明する。図7は基地局無線装置2の上扉22aと下扉22bを取り外し、ラック21内部を前面から見た時の前面図である。図7に示すように、ラック21内の上部には、アンテナコネクタ23とアンテナケーブル(図示無し)で接続されるアンテナ切換器26が上下に2台並べて収容されている。アンテナ切換器26は無線機66と接続されるアンテナ10を切り替える装置である。
【0020】
図8図2のA-A断面図である。図9は基地局無線装置の扉を取り外した状態の斜視図である。図10(a)は上部ファンケースを下から見た図で、(b)は上部ファンケースを上から見た図である。図11図2のB-B拡大断面図で電子機器の断面を表す図である。図12は電子機器の分解図である。図13図8のC部拡大図で通風経路を示す図である。図14は通風経路を示す分解図である。図15図6のD-D断面図である。図16図15のE部拡大図である。
【0021】
図8に示すようにアンテナ切換器26の下方には上部ファンケース4がある。上部ファンケース4は図10図13図14に示すように、内部が空洞で上面4aと左右側面4b、4bと左右側面4b、4bの下端から内側に折り返された左右の折返片4c、4cを備えたケース40と、左右の折返片4cに載置されるトレイ401を有する。上面4aは、背面側から左右側面4b、4bの前後方向の中間位置まで延び、その前端部は下方に折れ曲がる折曲片4a1を有する。左右側面4bの折曲片4a1がある位置から前方は上面4aより高さが低くなって上扉22a近傍まで延出する延出片4b1となり、延出片4b1の先に外側へ折れ曲がるネジ固定延出部98がある。またトレイ401には中央に上部ファン44が空気Sを吸込むためのトレイ開口部401aがある。
【0022】
図13に示すように、上部ファンケース4は延出片4b1の中間位置でトレイ401の上に立設する仕切壁42を備える。仕切壁42は上部ファン44に電源を供給するコード接続口421がある。
【0023】
図8図13に示すように仕切壁42は仕切壁42の背面(上背面板270a側)に延出片4b1,4b1の間を塞ぎ前述した折曲片4a1の裏面を通り上部ファンケース4の上面4a(後述する上部通風用空間41側の面)まで延出する傾斜板43を有する。傾斜板43は仕切壁42の背面(上背面板270a側)にネジ422によって下端が螺着され、上端は上部ファンケース4の上面4aにネジ423でネジ止めされる。
【0024】
図10に示すように、上部ファンケース4は前面側が仕切壁42で閉塞され、背面側は矩形の開口部45となっている。すなわち、上部ファンケース4の内側でトレイ開口部401aと開口部45を繋ぐ空間が上部通風用空間41となる。上部通風用空間41の下端中央には上部ファン44が配置される。上部ファン44は軸流ファンで、上部ファン44の下方の空気を吸い込み、上方に吹き出すようにファン吹出口440を上に向けて左右方向に2台並ぶ。上部通風用空間41の背面にある上背面板270aには、上部ファンケース4の開口部45と向き合う位置に複数個の孔からなる上部開口28を備える。
【0025】
図11図13図14に示すように、上部通風用空間41の下には箱状の基板ケース51がある。基板ケース51は、上端に上部通風室52があり、その下に後述する無線機66を制御する複数の電子機器5(本発明では4台)がある。電子機器5は、基板ケース51の中に4台が左右方向に並んで収納される。また基板ケース51の下端で電子機器5の下には下部通風室83がある。下部通風室83は後述する傾斜板81で向きを変えた空気Sが基板通風路58を通過する前に集約するところである。
【0026】
図11図12に示すように電子機器5は電子回路基板54を有する。電子回路基板54は発熱部品であるFET等のトランジスタ55、59を有する。電子回路基板54はFET等のトランジスタ55、59が配置された面の対面に基板ベース541備える。基板ベース541は、電子回路基板54の反対面側に基板ベース541の全面またはそれに近い面積のヒートシンク56を備える。このヒートシンク56によりFET等のトランジスタ55、59で発生した熱が放熱される。ヒートシンク56は基板ベース541のある面の反対面側に基板通風壁57を備える。基板通風壁57は、ヒートシンク56の前面側に壁571と背面側に壁572とヒートシンク56の対面に壁573を有する。壁571は、ヒートシンク56側にヒートシンク56の基板ベース541側の面に固定される取付片574を有し、壁572は、ヒートシンク56側にヒートシンク56の基板ベース541側の面に固定される取付片575を有する。取付片574/575がヒートシンク56を囲むことで、ヒートシンク56と基板通路壁57の壁573の間に隙間ができ、この隙間が基板通風路58となる。
【0027】
図8を参照して、下部通風室83の下には、モニター室6がある。モニター室6には、基地局無線装置2に関する各種情報を表示するモニター61がある。
【0028】
下部通風室83の下方でモニター室6の背面側には、下部ファンケース8がある。図13図14を参照して、下部ファンケース8は底面8aと左右側面8b、8bと、モニター室6との間を仕切る傾斜板81と、左右側面8b、8bの上端から前面側まで延出したネジ固定延出部3を有する。下部ファンケース8の内側で傾斜板81から上背面板270aまで貫通した空間が下部通風用空間84となる。下部ファンケース8の背面側には下部ファンケース8の底面8aの端部と、左右側面8b、8bの端部に固定されるファン固定板85がある。また、ファン固定板85の内側にファンガイドケース86がある。ファンガイドケース86は、内側に下部ファン70を収納する。下部ファン70とファンガイドケース86を合わせてネジ87でファン固定板85に固定される。
【0029】
ラック21の上背面板270aは、ファンガイドケース86と向き合う位置に下部開口82を有する。下部ファン70は軸流ファンであり、背面の下部開口82から空気Sを吸い込み前面側に送風するためにファン吹出口71を前方に向けて、2台左右並びで設置される。
【0030】
図14図15図16を合わせて参照して、下部ファン70により下部開口82から吸い込まれた空気Sは、下部通風空間84を通り傾斜板81で上方に誘導され下部通風室83を通過し電子機器5に至る。電子機器5の基板通風路58を通過する際にFET等のトランジスタ55、59の熱を吸熱したヒートシンク56を冷却する。
【0031】
ヒートシンク56を冷却した空気Sは、上部ファン44によって、ヒートシンク56の上端にある上部通風室52を通過して、上部ファン44のファン吹出口440から上方に吹き出され上部通風空間41に至る。上部通風空間41の傾斜板43により後方に誘導された空気Sは、上背面板270aにある上部開口28から外部に吹き出される。
【0032】
この空気Sの流れにより排熱部品であるFET等のトランジスタ55、59の熱がヒートシンク56を介して外部に放出され、FET等のトランジスタ55、59が冷却される。
【0033】
本実施例のような冷却方法であれば、FET等のトランジスタ55、59を冷却した空気は上部開口から排気されるため、キャビネット内の他の機器に熱の影響を与えることはない。
【0034】
なお、本実施例では、下部ファン70で下部開口82から吸い込んだ空気Sを上部ファン44によって上部開口28から外部に吹き出すようにしているが、空気の流れを逆に、即ち上部ファン44で上部開口28から吸い込んだ空気Sを下部ファン70で下部開口82から外部に吹き出すようにしてもよい。
【0035】
また、下部開口82から上部開口28へ、あるいは上部開口28から下部開口82への空気の流れは、上部ファン44あるいは下部ファン70のいずれか一方のファンで実現してもよい。その場合は当然ながら上部ファン44あるいは下部ファン70のいずれか一方のファンを搭載すればよく、両方のファンを搭載するよりもコスト面で有利になる。
【0036】
さらに、本実施例では、上部ファン44、および下部ファン70の両方とも左右に2台ずつ搭載しているが、必ずしも2台必要になるわけでなく、必要な風量に応じてファンの台数は1台、あるいは3台など適宜選択可能である。
【0037】
尚、再び図7を参照して基地局無線装置2は、モニター室6の下に音声室62を備える。音声室62にはスピーカ63と受話器接続口64および受話器65が配置されている。音声室62の下には、4台の無線機66が縦に並べて収納されている。無線機66の下には、上から順に制御/電源ユニット収納部68、外線端子部69が配置されている。
【0038】
次に、図17図9の内部部品と上扉22aと下扉22bと左側面板271を外した状態の斜視図である。図18図2のF-F拡大断面図である。図19は基地局無線装置の扉と左側面板を外した状態で下部を拡大した斜視図である。ラック21は左側面板271および右側面板272の少なくともいずれか一方の内側にケーブル収容板9を備える。図11を参照して、ケーブル収容板9は中央部90がラック21内側の基板ケース51近くまで突出した台形形状である。中央部90から左側面板271または右側面板272に向かって広がるように約30度傾斜した傾斜面91が前面方向と背面方向にある。傾斜面91は左側面板271と右側面板272に近接すると曲がり前面方向および背面方向へ延出する側板92、92となる。側板92、92が左側面板271と右側面板272に溶接により固定される。ケーブル収容板9は、上端901および下端902が左側面板271と右側面板272の上下方向の長さより上下ともに短く形成され、制御ケーブル25を引き入れ、または引き出すスペースを確保している。左側面板271および右側面板272とケーブル収容板9の上端901との間にできる隙間がケーブル入口93となり、左側面板271および右側面板272とケーブル収容板90の下端902との間にできる隙間がケーブル出口94となる。ケーブル収容板9と左側面板271との空間が制御ケーブル25のケーブル収容部951となる。制御ケーブル25がこのケーブル収容部951を通り、上部外線端子部691に接続される。また、下部外線端子部692にラック21の底板273にある底板開口96から床面12を貫通して、図1に示す消防署1内の指令卓1bのケーブル251が接続される。
【0039】
このように、ラック21の左側面板271および右側面板272に沿って制御ケーブル25のケーブル収容部95を設けたことで、ラック21の内部部品(アンテナ切換器26、基板ケース51、無線機66等)に干渉することなく制御ケーブル25を容易に配線することが可能となる。
【0040】
次に、ラック21への部品の取り付け方について図20図21を合わせて説明する。図20図18のG部拡大図である。図21は固定板をケーブル収容板に取り付ける状態を示す図である。左右のケーブル収容板9の中央部90においてラック21の内側面90aには、内側面90aに対し垂直方向へ突出するレール部971を備えた電子機器5を支持する固定板97が取り付けられる。固定板97はケーブル収容板9の台形形状に合わせ中央部90に接する固定板中央部972および固定板中央部972の前後方向に延びケーブル収容板9の傾斜面91に対応する形状に形成された前後にあるネジ固定部973を有する。
【0041】
レール部971は固定板中央部972の上端から直角に折れ曲がりラック21の内側に延出している。ネジ固定部973にはネジ孔974があり、ネジ99でネジ孔974と傾斜面91にあるネジ孔91aが固定される。傾斜面91は前面から見て約30度傾斜していることから、ドライバーDを斜めに挿入してネジ止めができるので、ネジ止めが容易となる。
【0042】
図17を参照して、固定板97は、アンテナ切換器26、上部ファンケース42の下端、下部通風路8の上端、モニター室6の下端、音声室62の下端および4台の無線機66の下端、制御/電源ユニット収納部68の下および外線端子部69の下端の片側に13箇所あり、両側で26か所が設けられている。
【0043】
ラック21の前面側の左右端には、ラック21の内側に延出するネジ固定延出部3が設けられている。また図7を参照して、アンテナ切換器26、仕切壁42、基板ケース51、モニター室6、音声室62、各無線機66、制御/電源ユニット収納部68の前面の左右端には外側に延出するネジ固定片98が設けられる。
【0044】
アンテナ切換器26、上部通風路4、基板ケース51、音声室62、各無線機66、制御/電源ユニット収納部68をラック21に収納する際は、前面から固定板9のレール部971の上に各装置を載せ、レール部971に沿って各部品をスライドさせて挿入する。固定板9の上に仮置きされた各装置は、ラック21の前面にあるネジ固定延出部3に夫々のネジ固定片98をネジ止めすることで固定される。
尚、ケーブル収容板9の側板92の内側の隙間Hは、電源ケーブル32や無線機66と電子機器5とアンテナ切換器26を繋ぐケーブル29などの通路となる。また図示しないが固定された各装置を背面側から必要なケーブルおよび電源線(図示無し)を取り付けることで各部品が接続される。
【0045】
これにより、重量のある装置でも前面から固定板9のレール部971の上に各装置を載せ、レール部971に沿って各部品をスライドさせて挿入することで容易にラック21に収納することが可能となる。仮置きした装置は、ラック21のネジ固定延出部3に夫々のケースのネジ固定部98をネジ991でネジ止めすることで安定して固定できる。
【0046】
なお、本実施例においては、傾斜面91が前面方向と背面方向の両方に備わっているが、必ずしも前面方向、背面方向の両方に存在する必要はなく、前面方向あるいは背面方向のいずれか一方であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1:消防署、1a:大形モニター、1b:操作卓、10:アンテナ、11:アンテナ線、12:床面
2:基地局無線装置、21:ラック、22a:上扉、22b:下扉、221/223:把手、222/224:通気口、22c:蝶番、227:磁石、23:アンテナコネクタ、25:制御ケーブル、251:配線用開口カバー、252:切り込み、26:アンテナ切換器、270a:上背面板、270b:下背面板、271:左側面板、272:右側面板、273:底板、274:天板、2741:配線用開口、28:上部開口、29:ケーブル
3:ネジ固定延出部、31:電源端子、32:電源ケーブル、33:コネクタ、34:ケーブル押さえ
4:上部ファンケース、4a:上面、4a1:折曲片、4b:左右側面、4b1:延出片、4c:折返片、40:ケース、401:トレイ、401a:トレイ開口部、41:上部通風空間、42:仕切壁、421:コード接続口、422、423:ネジ、43:傾斜板、44:上部ファン、440:ファン吹出口、45:開口部
5:電子機器、51:基板ケース、52:上部通風室、54:電子回路基板、541:基板ベース、55:トランジスタ、56:ヒートシンク、57:基板通風壁、58:基板通風路、59:トランジスタ
6:モニター室、61:モニター、62:音声室、63:スピーカ、64:受話器接続口、65:受話器、66:無線機、68:制御/電源ユニット収納部、69:外線端子部
70:下部ファン、71:ファン吹出口
8:下部ファンケース、8a:底面、8b:左右側面、81:傾斜板、82:下部開口、83:下部通風室、84:下部通風空間
9:ケーブル収容板、90:中央部、90a:内側面、901:上端、902:下端、91:傾斜面、91a:ネジ孔、92:側板、93:ケーブル入口、94:ケーブル出口、95:ケーブル収容部、96:底板開口、97:固定板、971:レール部、972:固定板中央部、973:固定部、974:ネジ孔、978:ネジ固定部、98:ネジ固定片、99/991:ネジ
D:ドライバー、H:隙間、S:空気
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