(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014494
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】操作入力装置
(51)【国際特許分類】
G05G 5/03 20080401AFI20240125BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240125BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20240125BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20240125BHJP
G05G 1/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G05G5/03 Z
G06F3/01 560
G06F3/02 400
H01H9/16 G
G05G1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117367
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】横塚 力
【テーマコード(参考)】
3J070
5B020
5E555
5G052
【Fターム(参考)】
3J070AA07
3J070BA19
3J070BA51
3J070BA71
3J070CB02
3J070CB37
3J070CC12
3J070CC43
3J070CC45
3J070CC71
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5B020AA15
5B020DD02
5E555AA08
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5E555BA06
5E555BA20
5E555BB02
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5E555BB20
5E555BC04
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5E555CB20
5E555DA01
5E555DA24
5E555FA00
5G052AA21
5G052BB10
5G052JA02
5G052JB20
5G052JC20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小型化を可能としつつ、設計の自由度を向上させることができる操作入力装置を提供する。
【解決手段】ボタン2と、反力部と、駆動部と、を備え、ボタンは、使用者が押し込む操作を行う操作面3と、前記操作面と反対側に設けられた第1接触部5とを有し、第1回転軸L1回りに回転可能に設けられている。反力部は、前記第1接触部に接触する第2接触部を有し、第2回転軸L2回りに回転可能に設けられている。駆動部は、前記反力部に対して前記第2回転軸回りに回転駆動力を与える。前記駆動部は、前記第2接触部及び前記第1接触部を介して、前記操作面への押し込み方向と反対向きの反力を前記ボタンに与える。前記第2回転軸は、前記第1回転軸を中心とする径方向において前記第1接触部に比して外側に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が押し込む操作を行う操作面と、前記操作面と反対側に設けられた第1接触部とを有し、第1回転軸回りに回転可能に設けられたボタンと、
前記第1接触部に接触する第2接触部を有し、第2回転軸回りに回転可能に設けられた反力部と、
前記反力部に対して前記第2回転軸回りに回転駆動力を与える駆動部と、を備え、
前記駆動部は、前記第2接触部及び前記第1接触部を介して、前記操作面への押し込み方向と反対向きの反力を前記ボタンに与え、
前記第2回転軸は、前記第1回転軸を中心とする径方向において前記第1接触部に比して外側に位置する、
操作入力装置。
【請求項2】
前記反力部は、前記第2回転軸と同軸のギヤを備え、
前記駆動部は、前記ギヤに噛み合うピニオンギヤを備え、前記ピニオンギヤを回転駆動し前記反力部に前記第2回転軸回りの回転駆動力を与える、
請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記第2接触部は、前記第2回転軸を中心とする径方向の位置が前記第2回転軸回りに変化するカム面である、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
前記カム面は、前記第2回転軸を中心とする径方向の内側に窪む凹部と前記第2回転軸を中心とする径方向の外側に突出する凸部との少なくとも一方を備える、
請求項3に記載の操作入力装置。
【請求項5】
前記反力部は、先端部に前記第2接触部が設けられたレバー部を備え、
前記第1接触部は、前記第2接触部に対して前記第2回転軸回りの周方向に接触する、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項6】
前記第1接触部と前記第2接触部との少なくとも一方には、前記第1回転軸が延びる方向に延びる第4回転軸回りに回転可能に支持されたベアリングが設けられている、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項7】
前記駆動部と前記反力部との間に設けられ、前記駆動部の無通電時に前記ボタンが操作された場合、前記ボタンに操作量に応じた反力を生じさせる、バックドライブを可能とする減速機構を備える、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項8】
前記駆動部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、操作対象の状態に対する前記操作面への操作度合いに応じて前記反力部に与える回転駆動力を調整し、前記操作面に生じる反力を調整する、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ゲーム機器等に用いられる操作を入力するための操作入力装置が記載されている。特許文献1に記載された操作入力装置は、トリガ操作を入力するボタンと、ボタンに反力を与える反力部と、反力部を駆動する駆動部とを備えている。この操作入力装置は、駆動部が反力部を駆動することにより、操作者がボタンを操作した際にボタンから伝達される反力に基づいて指先に触力覚を得られるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された操作入力装置によれば、ボタンに反力を与える反力部の配置位置に制約があり、小型化及び設計の自由度に制限が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、小型化を可能としつつ、設計の自由度を向上させることができる操作入力装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の操作入力装置の一つの態様は、ボタンと、反力部と、駆動部と、を備える。ボタンは、使用者が押し込む操作を行う操作面と、前記操作面と反対側に設けられた第1接触部とを有し、第1回転軸回りに回転可能に設けられている。反力部は、前記第1接触部に接触する第2接触部を有し、第2回転軸回りに回転可能に設けられている。駆動部は、前記反力部に対して前記第2回転軸回りに回転駆動力を与える。前記駆動部は、前記第2接触部及び前記第1接触部を介して、前記操作面への押し込み方向と反対向きの反力を前記ボタンに与える。前記第2回転軸は、前記第1回転軸を中心とする径方向において前記第1接触部に比して外側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、小型化を可能としつつ、設計の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の操作入力装置の構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の操作入力装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の操作入力装置が適用される操作対象機器を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の操作入力装置の使用状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の操作入力装置の変形例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の操作入力装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図には、本実施形態の操作入力装置の基準となる軸L(L1~L3)が延びる方向を示すZ軸を示している。以下の説明においては、軸Lを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。軸Lを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
[第1実施形態]
以下に示す、操作入力装置は、例えば、ゲーム機器等が表示する操作対象に対して使用者が入力操作を行い、操作対象を動作させるコントローラ等の一部に設けられている。第1実施形態の操作入力装置は、操作対象の状態に応じてボタンに反力を与え、使用者に触力覚を与える。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、操作入力装置1は、使用者の操作が入力されるボタン2と、ボタン2を支持するボタン支持部30と、ボタン2に反力を与える反力部10と、反力部10を駆動する駆動部20とを備えている。ボタン支持部30は、コントローラの図示しない筐体の一部分である。ボタン2は、例えば、トリガ形状である。ボタン2は、コントローラに1つのみ設けられてもよいし、2つ以上設けられていてもよい。
【0012】
ボタン2は、使用者が押し込む操作を行う操作面3を備えている。操作面3は、使用者の指先が接触する面である。操作面3の周囲には周壁部4が設けられている。周壁部4の端部には、フランジ部4Aが設けられている。フランジ部4Aは、例えば、コントローラの筐体に接触し、ボタン2の動きを規制している。操作面3の裏面側には、ボタン2に設けられる第1シャフトS1を支持する一対の第1軸支持部4Bが設けられている。第1軸支持部4Bは、操作面3の裏面側から突出している。一対の第1軸支持部4Bは、棒状の第1シャフトS1を支持している。
【0013】
第1シャフトS1は、第1回転軸L1方向に沿って配置されている。第1シャフトS1の両端は、ボタン支持部30に設けられた第1貫通孔30Aに支持されている。第1シャフトS1は、一対の第1軸支持部4Bに回転可能に支持されると共に、第1貫通孔30Aに嵌め込まれている。第1シャフトS1は、一対の第1軸支持部4Bに嵌め込まれると共に、第1貫通孔30Aに回転可能に支持されていてもよい。
【0014】
上記構成により、ボタン2は、第1シャフトS1を介してボタン支持部30に対して第1回転軸L1を中心に回転可能に設けられている。ボタン2は、第1回転軸L1を中心に回転する方向に押し込み操作が行われると元の位置に戻る方向に反力を与えるバネを備えている。周壁部4に囲まれた空間に面する面のうち操作面3と周方向の反対側に位置する面には、周方向に突出した第1接触部5が設けられている。
図1及び
図2の例では、第1接触部5の先端部には、反力部10が接触している。
【0015】
反力部10は、ボタン支持部30に第2回転軸L2を中心に回転可能に設けられている。第2回転軸L2は、第1回転軸L1と同じ方向に沿って設けられている。第2回転軸L2は、第1回転軸L1を中心とする径方向において第1接触部5に比して外側に位置する。反力部10は、第2回転軸L2を中心に回転するカム11を備えている。反力部10には、第2回転軸L2を中心とする第2シャフトS2が設けられている。第2シャフトS2は、反力部10と一体であってもよいし、別体であってもよい。第2シャフトS2の両端は、ボタン支持部30に設けられた一対の第2貫通孔30Bに回転可能に支持されている。
【0016】
カム11は、第2回転軸L2を中心とする径方向の外側に設けられている。カム11の径方向外側の端部には、第2接触部12が設けられている。第2接触部12は、第1接触部5に接触する。第2接触部12は、第2回転軸L2を中心とする周方向において所定範囲に設けられている。第2接触部12は、第2回転軸L2を中心とする径方向の位置が第2回転軸L2回りに変化するカム面である。第2接触部12には、第2回転軸L2を中心とする径方向の内側に窪む凹部13と第2回転軸L2を中心とする径方向の外側に突出する凸部14とを備えている。凹部13及び凸部14は、いずれか一方のみが設けられてもよいし、それぞれ2つ以上ずつ設けられていてもよい。
【0017】
上記構成により、ボタン2が押し込まれて第1接触部5と第2接触部12とが接触した状態においてカム11が第2回転軸L2を中心に回転すると、カム面となる第2接触部12に沿ってボタン2の第1接触部5が移動する。このとき、第1接触部5は、凸部14及び凹部13を通過する際に第2回転軸L2の径方向に対する距離が変化し、ボタン2の第1回転軸L1を中心とする回転角が変化する。
【0018】
反力部10は、第2回転軸L2と同軸のギヤ15を備えている。ギヤ15は、第2回転軸L2の径方向に関してカム11と反対側に設けられている。ギヤ15は、例えば、内歯16を有する内歯ギヤである。内歯16の歯は、第2回転軸L2を中心とする径方向の内側に突出している。ギヤ15は、外歯ギヤであってもよい。ギヤ15は、内歯16を備えているため、外歯ギヤに比して高いトルクを生じさせつつ、装置構成を小型化することができる。内歯16は、第2回転軸L2を中心としてカム11を所定角度範囲に回転させる所定のピッチに基づく歯数を有する。ギヤ15には、駆動部20に設けられた後述の第2ピニオンギヤ26が噛み合っている。
【0019】
駆動部20は、反力部10に対して第2回転軸L2回りに回転駆動力を与える。駆動部20は、例えば、駆動源である回転出力を出力するモータ21と、モータ21の回転出力をギヤ15に伝達する減速機構22とを備えている。モータ21は、ボタン支持部30に支持されている。モータ21は、例えば、ステッピングモータである。モータ21は、回転出力を出力する出力軸21Sを備えている。モータ21の出力軸21Sが延びる方向は、第1回転軸L1及び第2回転軸L2と直交する方向である。
【0020】
減速機構22は、例えば、出力軸21Sに設けられたウォームギヤ23と、ウォームギヤ23に回転駆動されるピニオンギヤ24とを備えている。ピニオンギヤ24は、ボタン支持部30に回転可能に支持されている。ピニオンギヤ24は、同軸の2段に設けられた第1ピニオンギヤ25と、第2ピニオンギヤ26とを備えている。
【0021】
ウォームギヤ23は、斜歯を備え、モータ21の出力軸21Sにより回転駆動される。ウォームギヤ23は、ウォームホイールとなる第1ピニオンギヤ25と噛み合っている。第1ピニオンギヤ25は、第1回転軸L1が延びる方向と同方向に延びる第3回転軸L3を中心に回転する。第1ピニオンギヤ25は、ボタン支持部30に回転可能に支持されている。第1ピニオンギヤ25には、第3回転軸L3を同軸とする第2ピニオンギヤ26が設けられている。第1ピニオンギヤ25と第2ピニオンギヤ26とは一体成型されている。第2ピニオンギヤ26の歯数は、第1ピニオンギヤ25の歯数に比して小さい。第2ピニオンギヤ26は、第1ピニオンギヤ25の回転に連動して回転する。第2ピニオンギヤ26は、反力部10に設けられたギヤ15に噛み合っている。
【0022】
上記構成により、モータ21の出力軸21Sから出力される回転駆動力は、ウォームギヤ23に伝達される。ウォームギヤ23が回転することにより、ウォームギヤ23に噛み合う第1ピニオンギヤ25が回転する。第1ピニオンギヤ25の回転に連動して、第2ピニオンギヤ26が第3回転軸L3回りに回転する。このとき、ウォームギヤ23の回転数は、ギヤ15の回転が所定の回転角度範囲内となる回転数にモータ21により調整される。
【0023】
上記構成により、駆動部20は、出力軸21Sから回転出力を出力することにより、減速機構22を介して反力部10を回転駆動することができる。駆動部20は、ギヤ15に噛み合う第2ピニオンギヤ26(ピニオンギヤ24)を備え、第2ピニオンギヤ26を回転駆動し反力部10に第2回転軸L2回りの回転駆動力を与える。駆動部20は、第2接触部12及び第1接触部5を介して、ボタン2の操作面3への押し込み方向と反対向きの反力をボタン2に与える。
【0024】
図3に示されるように、操作入力装置1は、表示装置46を備える操作対象機器40に接続されて使用される。操作対象機器40は、例えば、ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯端末装置、シミュレーション装置等の装置である。操作対象機器40は、液晶ディスプレイ等の表示装置46に操作対象を表示させる。表示装置46は、操作対象機器40と一体に構成されていてもよい。この他、操作入力装置1、操作対象機器40、表示装置46に電力を供給する図示しない電源装置が設けられている。
【0025】
操作入力装置1は、例えば、操作対象機器40に有線接続されている。操作入力装置1は、ボタン2に対する操作内容に基づく入力信号を操作対象機器40に出力する。操作入力装置1は、無線により操作対象機器40に通信可能に接続されていてもよい。この場合、操作入力装置1は、操作対象機器40と通信する図示しない通信装置及び電力を供給する図示しない電源装置を別途備えていてもよい。
【0026】
操作対象機器40は、例えば、操作対象を制御する制御部42と、操作対象の制御に必要な情報を記憶する記憶部44とを備えている。記憶部44は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶媒体である。記憶部44には、操作対象を動作させるためのプログラムやデータが記憶されている。
【0027】
制御部42は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。これらの各機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部44が有するHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0028】
制御部42は、表示装置46に操作対象を表示させると共に、駆動部20のモータ21を制御する。制御部42は、モータ21を制御することにより、操作対象の状態に対するボタン2の操作面3への操作度合いに応じて反力部10に与える回転駆動力を調整し、操作面3に生じる反力を調整する。
【0029】
制御部42は、例えば、モータ21に通電し、反力部10を駆動してボタン2に反力を与える。制御部42は、例えば、ボタン2が押し戻される方向にモータ21に通電する。制御部42は、ボタン2が操作された際のモータ21の負荷に基づいてボタン2の操作量(操作度合い)と、出力軸21Sに接続された図示しないロータの回転角を検出する。このとき、制御部42は、表示装置46に表示される操作対象の状態と、ボタン2の操作量と、ロータの回転角に応じてモータ21に供給する電力を調整すると共に、ロータの回転角を調整する。制御部42は、ボタン2に別途設けられた図示しない角度センサに基づいてボタン2の操作量を検出してもよい。
【0030】
図4に示されるように、制御部42は、モータ21を制御して操作対象の状態に応じて反力部10を回転させ、第1接触部5が接触する第2接触部12の位置を調整する。制御部42は、モータ21を制御して操作対象の状態に応じて第1接触部5を凹部13または凸部14に接触させ、ボタン2の操作面3に生じる触力覚の感度を変化させる。制御部42は、モータ21を制御して操作対象の状態に応じて反力部10を回転させ、反力、振動、衝撃等の触力覚をボタン2の操作面3に生じさせてもよい。
【0031】
また、モータ21及び減速機構22は、モータ21の無通電時にボタン2が操作された場合、ボタン2に操作量に応じた反力を生じさせるバックドライブを可能とする構成であってもよい。反力部10には、ボタン2が押し込まれた際に第2回転軸L2回りに元の位置に戻る向きに復元力を加えるバネが設けられていてもよい。また、
図5に示されるように、カム11の第2接触部12には、凹部13及び凸部14が設けられていなくてもよく、カム11の第2接触部12は、平滑なカム面であってもよい。
【0032】
上述したように、操作入力装置1によれば、カム11を有する反力部10の回転に基づいてボタン2の操作面3に触力覚を生じさせることができる。操作入力装置1によれば、ボタン2の第1回転軸L1を中心とする径方向においてカム11を回転させる第2回転軸L2が第1接触部5に比して外側に位置するため、第1回転軸L1を中心とする径方向において第2回転軸L2が第1接触部5に比して内側に位置する場合に比べて、第2回転軸L2を配置できる範囲を広くすることができる。これにより、第2回転軸L2回りに回転する反力部10の配置自由度を向上させることができる。また、第2回転軸L2が第1回転軸L1を中心とする径方向において第1接触部5よりも外側に配置されているため、ボタン2を第1回転軸L1回りに押し込んだ際、ボタン2の押し込みに伴って第2回転軸L2回りに回転した反力部10がボタン2とは異なる向き移動する。これにより、ボタン2が押し込まれる向きに反力部10が移動する場合に比べて、ボタン2の押し込み方向に反力部10を逃がす空間を設ける必要がない。したがって、操作入力装置1を小型化しやすい。具体的に本実施形態では、
図4に示すように、ボタン2が押し込まれた際に、反力部10の一部をボタン2の周壁部4内に収容することができるため、反力部10を設ける空間が大きくなることを抑制でき、操作入力装置1を小型化できる。以上により、本実施形態によれば、操作入力装置1の小型化を可能としつつ、操作入力装置1の設計の自由度を向上させることができる。
【0033】
操作入力装置1によれば、反力部10にカム11を備えるため、ボタン2の位置に応じて第1接触部5に接触するカム面となる第2接触部12の位置を変化させることにより、触力覚の感度を微妙に変化させることができる。操作入力装置1によれば、反力部10にカム11を備えるため、カム面である第2接触部12を介してボタン2の操作性にダイレクト感を与えやすい。操作入力装置1によれば、第2接触部12に凹部13及び凸部14を設けることにより、ボタン2の操作面3に様々な触力覚を生じさせやすくできる。
【0034】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る操作入力装置について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、同一の名称及び符号を用い、重複する説明については、適宜省略する。
【0035】
図6に示されるように、第2実施形態に係る操作入力装置1Aにおいて、反力部10Aは、第2回転軸L2回りに回転するレバー部11Kを備えている。レバー部11Kは、先端部に第2接触部12Aが設けられている。第1接触部5Aは、第2接触部12Aに対して第2回転軸L2回りの周方向の一部に接触する。第1接触部5Aの先端部には、第1回転軸L1が延びる方向に延びる第4回転軸L4回りに回転可能に支持されたベアリングBが設けられている。ベアリングBは、例えば、ボールベアリングである。ベアリングBは、他の種類のものが用いられてもよい。
【0036】
ベアリングBは、第2接触部12Aの先端部に設けられていてもよい。即ち、ベアリングBは、第1接触部5Aと第2接触部12Aとの少なくとも一方に設けられていればよい。ボタン2の第1回転軸L1から第1接触部5Aまでの第1距離と、レバー部11Kの第2回転軸L2から第2接触部12Aまでの第2距離とは、略等間隔である。第1接触部5Aと第2接触部12Aとは、第1距離と第2距離とが略等間隔となる位置に配置されている。なお、当該第1距離と当該第2距離とは、互いに異なっていてもよい。
【0037】
反力部10Aには、第2回転軸L2と同軸のギヤ15Aを備えている。ギヤ15Aは、第2回転軸L2の径方向に関してレバー部11Kと反対側に設けられている。ギヤ15Aは、例えば、内歯16Aを有する内歯ギヤである。内歯16Aの歯は、第2回転軸L2を中心とする径方向の内側に突出している。ギヤ15Aは、外歯ギヤであってもよい。ギヤ15Aは、内歯16Aを備えているため、外歯ギヤに比して高いトルクを生じさせつつ、装置構成を小型化することができる。内歯16Aは、第2回転軸L2を中心としてレバー部11Kを所定角度範囲に回転させる所定のピッチに基づく歯数を有する。ギヤ15には、駆動部20Aに設けられたピニオンギヤ24Aが噛み合っている。
【0038】
駆動部20Aは、例えば、駆動源である回転出力を出力するモータ21Aの回転出力をギヤ15Aに伝達するピニオンギヤ24Aを備えている。モータ21Aは、ボタン支持部30Cに支持されている。モータ21Aは、回転出力を出力する出力軸21Sを備えている。モータ21は、出力軸21Sが第1回転軸L1や第2回転軸L2が延びる方向に配置されている。出力軸21Sには、ピニオンギヤ24Aが同軸に設けられている。
【0039】
上記構成により、モータ21Aの出力軸21Sから出力される回転駆動力は、ピニオンギヤ24Aに伝達される。ピニオンギヤ24Aが回転することにより、ピニオンギヤ24Aに噛み合うギヤ15Aが第2回転軸L2回りに回転する。このとき、ピニオンギヤ24Aは、ギヤ15Aの回転が回転角度範囲内となるように回転角度が調整される。
【0040】
上記構成により、駆動部20Aは、出力軸21Sから回転出力を出力することにより、ピニオンギヤ24Aを介して反力部10Aを回転駆動することができる。駆動部20Aは、ピニオンギヤ24Aを回転駆動し反力部10Aに第2回転軸L2回りの回転駆動力を与える。駆動部20Aは、第2接触部12A、ベアリングB、及び第1接触部5Aを介して、ボタン2の操作面3への押し込み方向と反対向きの反力をボタン2に与える。
【0041】
第2実施形態に係る操作入力装置1Aによれば、反力部10Aは、先端部に第2接触部12Aが設けられたレバー部11Kを備える。第1接触部5Aは、第2接触部12Aに対して第2回転軸L2回りの周方向に接触する。そのため、ボタン2が押し込まれて第1回転軸L1回りに回転した場合に、第2接触部12Aが第2回転軸L2回りの周方向に押されて、反力部10Aが第2回転軸L2回りに回転しても、第2回転軸L2を中心とする径方向において第2回転軸L2から第1接触部5Aまでの距離が変化しにくい。そのため、反力部10Aから第1接触部5Aに加えられる反力のモーメントがボタン2の回転位置によらず変化しにくい。これにより、ボタン2の回転位置に応じて駆動部20Aから反力部10Aに加える力を調整しなくても、ボタン2の回転位置によらず反力部10Aからボタン2に伝えられる反力を同等の大きさにしやすい。したがって、駆動部20Aの制御を簡単化できる。操作入力装置1Aによれば、第1接触部5A或いは第2接触部12AのいずれかにベアリングBの回転軸受けを配置することで、第1接触部5Aと第2接触部12Aとが接触することによって生じる摩擦損失を低減することができる。
【0042】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 使用者が押し込む操作を行う操作面と、前記操作面と反対側に設けられた第1接触部とを有し、第1回転軸回りに回転可能に設けられたボタンと、前記第1接触部に接触する第2接触部を有し、第2回転軸回りに回転可能に設けられた反力部と、前記反力部に対して前記第2回転軸回りに回転駆動力を与える駆動部と、を備え、前記駆動部は、前記第2接触部及び前記第1接触部を介して、前記操作面への押し込み方向と反対向きの反力を前記ボタンに与え、前記第2回転軸は、前記第1回転軸を中心とする径方向において前記第1接触部に比して外側に位置する、操作入力装置。
(2) 前記反力部は、前記第2回転軸と同軸のギヤを備え、前記駆動部は、前記ギヤに噛み合うピニオンギヤを備え、前記ピニオンギヤを回転駆動し前記反力部に前記第2回転軸回りの回転駆動力を与える、(1)に記載の操作入力装置。
(3) 前記第2接触部は、前記第2回転軸を中心とする径方向の位置が前記第2回転軸回りに変化するカム面である、(1)又は(2)に記載の操作入力装置。
(4) 前記カム面は、前記第2回転軸を中心とする径方向の内側に窪む凹部と前記第2回転軸を中心とする径方向の外側に突出する凸部との少なくとも一方を備える、(3)に記載の操作入力装置。
(5) 前記反力部は、先端部に前記第2接触部が設けられたレバー部を備え、前記第1接触部は、前記第2接触部に対して前記第2回転軸回りの周方向に接触する、(1)又は(2)に記載の操作入力装置。
(6) 前記第1接触部と前記第2接触部との少なくとも一方には、前記第1回転軸が延びる方向に延びる第4回転軸回りに回転可能に支持されたベアリングが設けられている、
(1)又は(2)に記載の操作入力装置。
(7) 前記駆動部と前記反力部との間に設けられ、前記駆動部の無通電時に前記ボタンが操作された場合、前記ボタンに操作量に応じた反力を生じさせる、バックドライブを可能とする減速機構を備える、(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の操作入力装置。
(8) 前記駆動部を制御する制御部を備え、前記制御部は、操作対象の状態に対する前記操作面への操作度合いに応じて前記反力部に与える回転駆動力を調整し、前記操作面に生じる反力を調整する、(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の操作入力装置。
【0043】
なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。例えば、ベアリングBは、第1実施形態の操作入力装置1に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1、1A…操作入力装置、…操作入力装置、2…ボタン、3…操作面、4…周壁部、4A…フランジ部、4B…第1軸支持部、5、5A…第1接触部、10、10A…反力部、11…カム、11K…レバー部、12、12A…第2接触部、13…凹部、14…凸部、15、15A…ギヤ、16、16A…内歯、20、20A…駆動部、21S…出力軸、22…減速機構、30、30C…ボタン支持部、40…操作対象機器、42…制御部、B…ベアリング、L1…第1回転軸、L2…第2回転軸、L3…第3回転軸、L4…第4回転軸