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  • 特開-充電制御システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144946
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】充電制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20241004BHJP
【FI】
H02J7/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057138
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】卜部 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 佑紀
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
(57)【要約】
【課題】バッテリモジュールをリユースする際のコストを抑制することができる充電制御システムを提供すること。
【解決手段】充電制御システム1は、充電装置2と、IPU3-1~IPU3-nと、CANバス4と、を備え、複数のIPU3-1~IPU3-nは、それぞれ、バッテリ301と、コンタクタ302と、バッテリECU303と、を備え、バッテリECU303は、CANバス4によって供給される動作情報に基づいて、複数のIPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPUのコンタクタ302によって当該1つのIPUのバッテリ301への電力の供給を行わせ、他のIPUのコンタクタ302によって当該他のIPUのバッテリ301への電力の供給を遮断させ当該1つのIPUへ充電装置2から充電を行い、他のIPUへ充電を行わないように制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置と、
前記充電装置と電気的に接続される複数のバッテリモジュールと、
各バッテリモジュール間を相互に通信するための通信線と、
を備え、
前記複数のバッテリモジュールは、それぞれ、
バッテリと、
前記充電装置から前記バッテリへの電力の供給を遮断する遮断装置と、
各バッテリモジュールを制御するバッテリ制御装置と、を備え、
前記通信線は、前記遮断装置の動作情報を各バッテリモジュール間で送受信可能であり、
前記バッテリ制御装置は、前記通信線によって供給される前記動作情報に基づいて、前記複数のバッテリモジュールのうちの1つのバッテリモジュールの前記遮断装置によって当該1つのバッテリモジュールのバッテリへの電力の供給を行わせ、他のバッテリモジュールの前記遮断装置によって当該他のバッテリモジュールのバッテリへの電力の供給を遮断させ、前記1つのバッテリモジュールへ前記充電装置から充電を行い、前記他のバッテリモジュールへ充電を行わないように制御する、
充電制御システム。
【請求項2】
各バッテリモジュールにおいて、前記通信線を介して各バッテリモジュール間を相互に通信するための識別子は同一である、請求項1に記載の充電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載するモビリティにおける充給電に関する研究開発が行われている。
【0003】
車両で使用されたバッテリモジュールは、家庭用等の他の用途にリユースすることができる。バッテリモジュールをリユースする技術としては、例えば特許文献1のような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-175595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、二次電池を搭載するモビリティに関する技術においては、リユースする前にバッテリモジュールを一時保管する必要があるが、バッテリモジュールを構成するバッテリの劣化を抑制するために、バッテリを定期的に充電する必要がある。
【0006】
しかし、このようなバッテリモジュールを複数保管する場合、全てのバッテリモジュールを充電するためには、充電装置が複数必要となり、バッテリモジュールをリユースするためのコストが増大する。
【0007】
本願は上記課題の解決のため、バッテリモジュールをリユースする際のコストを抑制することができる充電制御システムの達成を目的としたものである。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る充電制御システムは、充電装置と、前記充電装置と電気的に接続される複数のバッテリモジュールと、各バッテリモジュール間を相互に通信するための通信線と、を備え、前記複数のバッテリモジュールは、それぞれ、バッテリと、前記充電装置から前記バッテリへの電力の供給を遮断する遮断装置と、各バッテリモジュールを制御するバッテリ制御装置と、を備え、前記通信線は、前記遮断装置の動作情報を各バッテリモジュール間で送受信可能であり、前記バッテリ制御装置は、前記通信線によって供給される前記動作情報に基づいて、前記複数のバッテリモジュールのうちの1つのバッテリモジュールの前記遮断装置によって当該1つのバッテリモジュールのバッテリへの電力の供給を行わせ、他のバッテリモジュールの前記遮断装置によって当該他のバッテリモジュールのバッテリへの電力の供給を遮断させ、当該1つのバッテリモジュールへ前記充電装置から充電を行い、他のバッテリモジュールへ充電を行わないように制御する。
【0009】
また、各バッテリモジュールにおいて、前記通信線を介して各バッテリモジュール間を相互に通信するための識別子は同一であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バッテリモジュールをリユースする際のコストを抑制することができる充電制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る充電制御システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るIPUの構成を示すブロック図である。
図3】CANバスを介して送信されるCANデータの送信内容を示す図である。
図4】本実施形態に係る、2つのIPUにおける充電動作の例を時系列で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の充電制御システムの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0013】
図1は、本実施形態に係る充電制御システム1の構成を示すブロック図である。充電制御システム1は、車両に搭載されていたIPU(Intelligent Power Unit)3-1~3-nをリユースする前に、IPU3-1~3-nを一時的に保管するために用いられる。充電制御システム1は、複数のIPU3-1~3-nを構成するバッテリの劣化を抑制するために、当該バッテリを定期的に充電する。
【0014】
ここで、複数のIPU3-1~3-nは、同時に充電すると、充電装置2や外部の電源装置に過大な負荷がかかる。また、定格電圧が異なる複数のIPU3-1~3-nは、同時に充電することができない。また、別々の充電装置を用いると、充電制御システムを複数用意する必要があり、充電のためのコストが増大する。そこで、本実施形態に係る充電制御システム1は、IPU3-1~3-nのうちの1つのみを充電するように制御を行う。
【0015】
図1に示すように、充電制御システム1は、充電装置2と、バッテリモジュールとしての複数のIPU3-1~IPU3-nと、CAN(Controller Area Network)バス4と、ケーブル5と、を備える。
【0016】
充電装置2は、例えば、外部電源装置等で構成され、IPU3-1~IPU3-nと電気的に接続され、各IPU3-1~IPU3-nへ電力を供給する。詳細には、充電装置2は、ケーブル5を介して、複数のIPU3のそれぞれと並列接続される。充電装置2は、各IPU3-1~IPU3-nへ電力を供給することによって、各IPU3-1~IPU3-nにおけるバッテリを充電する。
【0017】
また、IPU3-1~IPU3-nは、それぞれ、IPUについて同一の仕様を実装している製造者(同一製造者又は実質的に同一な2以上の協働製造者)によって製造され、同一の仕様を実装している製造者によって製造された別々の車両に搭載されていたIPUである。
【0018】
図2は、本実施形態に係るIPU3-1~3-nの構成を示すブロック図である。IPU3-1~IPU3-nは、それぞれ、同様の構成であるため、以下ではIPU3-1の構成について説明する。図2に示すように、IPU3-1は、バッテリ301と、コンタクタ302と、バッテリECU(Electric Control Unit)303と、を備える。
【0019】
バッテリ301は、充電装置2によって充電されると共に、放電することによって他の機器に電力を供給する高圧バッテリである。バッテリ301は、例えば、リチウムイオン二次電池で構成される複数のバッテリセルが直列に接続された大容量バッテリである。
【0020】
コンタクタ302は、バッテリECU303の制御に従い、バッテリ301から他の電子機器への電力の供給及び充電装置2からバッテリ301への電力の供給を遮断及び開通する。本実施形態に係る充電制御システム1では、コンタクタ302は、充電装置2からバッテリ301へ電力の供給を遮断及び開通する。
【0021】
バッテリECU303は、IPU3-1を統括的に制御する。バッテリECU303は、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶装置、外部装置とのインターフェース等を含む。
【0022】
CANバス4は、各IPU3-1~IPU3-nを電気的に相互接続し、各IPU3-1~IPU3-n間を相互に通信するための通信線である。CANバス4は、コンタクタ302の動作情報を各バッテリモジュール間で送受信可能である。具体的には、CANバス4は、動作情報として、コンタクタ302をON/OFFするときのビットを送受信するために使用される。
【0023】
また、各IPU3-1~IPU3-nにおいて、CANバス4を介して各IPU3-1~IPU3-n間を相互に通信するための識別子であるCAN_IDは同一である。具体的には、上述したように、IPU3-1~IPU3-nは、それぞれ、同一製造者によって製造された別々の車両に搭載されていたため、各IPU3-1~IPU3-nにおけるCAN_IDは同一である。
【0024】
そこで、本実施形態に係る充電制御システム1において、バッテリECU303は、CANバス4によって供給される動作情報に基づいて、複数のIPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPU(例えば、IPU3-1)のコンタクタ302によって当該1つのIPUのバッテリ301への電力の供給を行わせ、他のIPU(例えば、IPU3-2~IPU3-n)のコンタクタ302によって当該他のIPUのバッテリ301への電力の供給を遮断させ、当該1つのIPUへ充電装置2から充電を行い、他のIPUへ充電を行わないように制御する。
【0025】
具体的には、IPU3-1~IPU3-nにおけるバッテリECU303は、CANデータにおいて、動作情報として、コンタクタ302をON/OFFするときのビットを用いる。すなわち、IPU3-1~IPU3-nにおけるバッテリECU303は、コンタクタ302をONしたときのビットを“0”に設定し、コンタクタ302をOFFしたときのビットを“1”に設定する。
【0026】
そして、例えば、IPU3-1におけるバッテリECU303は、CANバス4を介してビット“0”を他のIPU3-2~IPU3-nに送信する際に、CANバス4を介して他のIPU3-2~IPU3-nのいずれかからビット“1”を受信した場合、他のIPU3-2~IPU3-nのいずれかにおけるコンタクタ302がONしていると判断し、IPU3-1におけるコンタクタ302をONしない。
【0027】
図3は、CANバス4を介して送信されるCANデータの送信内容を示す図である。図3に示す例では、送信ビット“1”は、リセッシブ(劣勢)を意味し、全てのIPUが送信ビット“1”を送信するとき、CANバス4には、送信ビット“1”が伝達される。また、送信ビット“0”は、ドミナント(優勢)を意味し、1つのIPUが送信ビット“0”を送信するとき、CANバス4には、送信ビット“0”が伝達される。従来の例では、全てのIPUが“1”を送信するとき、CANバスには、送信ビット“1”が伝達される。この場合、全てのIPUは、ビット“0”を送信しているIPUがないと認識する。
【0028】
1つのIPUがビット“0”を送信し、他のIPUがビット“1”を送信するとき、CANバスには、送信ビット“0”が伝達される。この場合、“0”を送信したIPUは、そのIPU自体のデータが優先されていると認識し、ビット“1”を送信したIPUは、ビット“0”を送信しており、優先される他のIPUが存在することを認識する。
【0029】
2つのIPUがビット“0”を送信し、他のIPUがビット“1”を送信するとき、CANバスには、送信ビット“0”が伝達される。この場合、ビット“0”を送信したIPUは、そのIPU自体のデータが優先されていると認識できるが、他に“0”を送信しているIPUが存在することは認識できない。ビット“1”を送信したIPUは、他にビット“0”を送信しており、優先されるIPUが存在することを認識する。
【0030】
従来の例では、同時にデータを送信したいIPUが複数存在する場合、図3に示すCANデータのIDにおいて上述したIPUの優劣が決定され、他に優先するIPUが存在すると認識された場合、その時点でCANデータの送信を停止する。優先されるIPUは、最後までIDを送信でき、その後のCANデータについても送信を継続できる。
【0031】
本実施形態に係る充電制御システム1は、IPUの優劣決定機能を、図3に示すCANデータのIDだけでなく、データフィールドにまで拡張する。すなわち、充電制御システム1は、動作情報としてのコンタクタ302をON/OFFするときのビットを、CANデータのデータフィールドにおいて保持する。これにより、充電制御システム1は、優劣決定機能をCANデータのデータフィールドに拡張し、コンタクタ302がONしているIPUが存在することを他のIPUが認識できるようにする。
【0032】
また、IPU3-1~IPU3-nにおけるバッテリECU303は、同一の仕様であるため、バッテリECU303によって送信される動作情報より前のID情報などは、全てのIPU3-1~IPU3-nが同一のデータを送信し、各IPUは、各IPU自体のデータが伝達されていると判断する。コンタクタ302をONすることが優先されるように、バッテリECU303は、コンタクタ302をONしたときのビットを“0”に設定し、コンタクタ302をOFFしたときのビットを“1”に設定する。
【0033】
全てのIPU3-1~IPU3-nがビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信するとき、CANバス4には、送信ビット“1”が伝達される。この場合、各IPUでは、全てのIPU3-1~IPU3-nがビット“0”を送信しているIPUがないと認識できるため、コンタクタ302をONして充電を行っているIPUは無いと認識する。これにより、全てのIPU3-1~IPU3-nは、その後のCANデータについても送信を継続できる。
【0034】
1つのIPU(例えば、IPU3-1)がビット“0”(コンタクタ302をON)を送信し、他のIPU(例えば、IPU3-2~IPU3-n)がビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信するとき、CANバス4には、送信ビット“0”が伝達される。この場合、ビット“0”を送信する1つのIPUは、当該IPU自体のデータが優先されていることを認識できる。ビット“1”を送信する他のIPUは、他のIPUがビット“0”を送信し、他のIPUコンタクタ302がONされ、充電中であることを認識できる。
【0035】
これにより、ビット“0”を送信する1つのIPUは、その後のCANデータの送信を継続し、バッテリの電圧情報などのような充電に必要な情報を充電装置2へ送信する。ビット“1”を送信する他のIPUは、その後のCANデータの送信を停止し、コンタクタ302をONにしない。
【0036】
2つのIPU(例えば、IPU3-1及びIPU3-2)がビット“0”(コンタクタ302をON)を送信し、他のIPU(例えば、IPU3-3~IPU3-n)がビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信するとき、CANバス4には、送信ビット“0”が伝達される。しかし、上述した1つのIPU(例えば、IPU3-1)がビット“0”(コンタクタ302をON)を送信し、他のIPU(例えば、IPU3-2~IPU3-n)がビット“1”を送信する場合の制御によって、同時に2つ以上のIPUがビット“0”を送信する状況にはならない。
【0037】
図4は、本実施形態に係る、2つのIPU3-1及びIPU3-2における充電動作の例を時系列で示す図である。なお、図4における充電量の変動率は、概略的なものであり、実際の充電量の変動率とは異なる。また、充電開始閾値及び充電完了閾値も実際に使用されるものとは異なる。
【0038】
IPU3-1は、時間t0から自然放電され、ビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信する。その後、IPU3-1は、時間t1において、充電開始閾値(満充電の10%)に到達したため、ビット“0”(コンタクタ302をON)を送信し、充電を開始する。その後、IPU3-1は、時間t3において、充電完了閾値(満充電の90%)に到達したため、ビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信し、自然放電される。
【0039】
IPU3-2は、時間t0から自然放電され、ビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信する。その後、IPU3-2は、時間t2において、充電開始閾値(満充電の10%)に到達しているが、IPU3-1が送信したビット“0”(コンタクタ302をON)を受信しているため、充電を開始せず、自然放電のまま待機する。
【0040】
その後、時間t3において、IPU3-1がビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信し、CANバス4において伝達されるビットが“1”になると、IPU3-2は、ビット“0”(コンタクタ302をON)を送信し、充電を開始する。なお、時間t3において、CANバス4において伝達されるビットは、一瞬だけ“1”(コンタクタ302をOFF)になり、直ぐに“0”(コンタクタ302をON)になる。その後、IPU3-2は、時間t4において、充電完了閾値(満充電の90%)に到達したため、ビット“1”(コンタクタ302をOFF)を送信し、自然放電される。
【0041】
本実施形態に係る充電制御システム1は、上述したような制御を行うことによって、同一のCAN_IDを用いて、IPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPUにおけるコンタクタ302だけを自動的にONし、他のIPUにおけるコンタクタ302を自動的にOFFすることができる。よって、充電制御システム1は、IPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPUにおけるバッテリ301のみを充電し、他のIPUにおけるバッテリ301を充電しないように制御することができる。
【0042】
本実施形態に係る充電制御システム1によれば、以下の効果を奏する。
充電制御システム1は、充電装置2と、充電装置2と電気的に接続される複数のIPU3-1~IPU3-nと、各IPU3-1~IPU3-n間を相互に通信するためのCANバス4と、を備え、複数のIPU3-1~IPU3-nは、それぞれ、バッテリ301と、充電装置2からバッテリ301への電力の供給を遮断するコンタクタ302と、各IPU3-1~IPU3-nを制御するバッテリECU303と、を備え、CANバス4は、コンタクタ302の動作情報を各IPU3-1~IPU3-n間で送受信可能であり、バッテリECU303は、CANバス4によって供給される動作情報に基づいて、複数のIPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPU(例えば、IPU3-1)のコンタクタ302によって当該1つのIPUのバッテリ301への電力の供給を行わせ、他のIPU(例えば、IPU3-2~IPU3-n)のコンタクタ302によって当該他のIPUのバッテリ301への電力の供給を遮断させ、当該1つのIPUへ充電装置2から充電を行い、他のIPUへ充電を行わないように制御する。
【0043】
上述したような制御を行うことによって、充電制御システム1は、IPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPUにおけるバッテリ301のみを充電し、他のIPUにおけるバッテリ301を充電しないように制御することができる。よって、充電制御システム1は、充電装置2に対して新たな仕組みを導入する必要がなく、1つのIPUにおけるバッテリ301のみを充電することができるため、IPU3-1~IPU3-nをリユースする際のコストを抑制することができる。
【0044】
また、各IPU3-1~IPU3-nにおいて、CANバス4を介して各IPU3-1~IPU3-n間を相互に通信するための識別子であるCAN_IDは同一である。このような構成を備えることによって、充電制御システム1は、各IPU3-1~IPU3-n間で同一のCAN_IDを用いることによって、IPU3-1~IPU3-nのうちの1つのIPUにおけるコンタクタ302だけを自動的にONすることができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 充電制御システム
2 充電装置
3-1~3-n IPU(バッテリモジュール)
4 CANバス(通信線)
5 ケーブル
301 バッテリ
302 コンタクタ(遮断装置)
303 バッテリECU
図1
図2
図3
図4