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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144948
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】フォイル軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/02 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
F16C27/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057142
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】篠田 史也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 文博
(72)【発明者】
【氏名】中根 健太
(72)【発明者】
【氏名】岩切 雄二
(72)【発明者】
【氏名】山田 智久
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖裕
(72)【発明者】
【氏名】服部 治博
【テーマコード(参考)】
3J012
【Fターム(参考)】
3J012AB20
3J012BB01
3J012CB05
3J012DB05
3J012EB10
3J012GB10
(57)【要約】
【課題】第1支持部及び第2支持部の各々について信頼性の低下を抑制できるフォイル軸受を提供すること。
【解決手段】フォイル軸受10において、バンプフォイル40は、回転体からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50、及びハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60のいずれか一方の数が増加した後に他方の数が増加するように変形する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体が挿通される挿通孔が形成されたハウジングと、
前記回転体に対向する軸受面を備える薄板状のトップフォイルと、
前記トップフォイルの外周面に接触する第1支持部、前記ハウジングの内周面に接触する第2支持部、及び前記第1支持部と前記第2支持部とが前記回転体の回転方向に沿って交互に配置されるように連結する連結部を備え、前記第1支持部及び前記第2支持部が前記回転方向に伸長することで前記トップフォイルを弾性的に支持する薄板状のバンプフォイルと、を備え、
前記バンプフォイルは、前記回転体からの荷重が高まると、前記トップフォイルの外周面に接触する前記第1支持部の数と、前記ハウジングの内周面に接触する前記第2支持部の数とが増加するように変形するフォイル軸受であって、
前記バンプフォイルは、前記回転体からの荷重が高まると、前記トップフォイルの外周面に接触する前記第1支持部、及び前記ハウジングの内周面に接触する前記第2支持部のいずれか一方の数が増加した後に他方の数が増加するように変形することを特徴とするフォイル軸受。
【請求項2】
前記バンプフォイルは、縮径するように前記ハウジングと前記トップフォイルとの間に円弧状に配置され、前記回転体からの荷重が高まると、前記連結部の前記第1支持部側の一端が前記第2支持部となり、前記連結部の前記第2支持部側の他端が前記第1支持部となり、
前記連結部の他端が前記トップフォイルの外周面に接触した後に、前記連結部の一端が前記ハウジングの内周面に接触する請求項1に記載のフォイル軸受。
【請求項3】
前記バンプフォイルは、前記連結部の一端から前記第1支持部までの前記回転体の径方向の高さが、前記連結部の他端から前記第2支持部までの前記回転体の前記径方向の高さよりも低くなるように配置されている請求項2に記載のフォイル軸受。
【請求項4】
前記連結部の一端は、前記第1支持部にかけて円弧状に屈曲し、
前記連結部の他端は、前記第2支持部にかけて円弧状に屈曲し、
前記バンプフォイルは、前記連結部の一端の円弧半径が前記連結部の他端の円弧半径よりも大きくなるように配置されている請求項2に記載のフォイル軸受。
【請求項5】
前記バンプフォイルは、拡径するように前記ハウジングと前記トップフォイルとの間に円弧状に配置され、前記回転体からの荷重が高まると、前記連結部の前記第1支持部側の一端が前記第2支持部となり、前記連結部の前記第2支持部側の他端が前記第1支持部となり、
前記連結部の一端が前記ハウジングの内周面に接触した後に、前記連結部の他端が前記トップフォイルの外周面に接触する請求項1に記載のフォイル軸受。
【請求項6】
前記バンプフォイルは、前記連結部の他端から前記第2支持部までの前記回転体の径方向の高さが、前記連結部の一端から前記第1支持部までの前記回転体の前記径方向の高さよりも低くなるように配置されている請求項5に記載のフォイル軸受。
【請求項7】
前記連結部の一端は、前記第1支持部にかけて円弧状に屈曲し、
前記連結部の他端は、前記第2支持部にかけて円弧状に屈曲し、
前記バンプフォイルは、前記連結部の他端の円弧半径が前記連結部の一端の円弧半径よりも大きくなるように配置されている請求項5に記載のフォイル軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォイル軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
フォイル軸受は、回転軸をラジアル方向に支持する。フォイル軸受は、ハウジングと、トップフォイルと、バンプフォイルと、を備える。ハウジングには、回転体が挿通される挿通孔が形成されている。トップフォイルは、回転体に対向するとともに、軸受面を備える薄板状である。バンプフォイルは、薄板状である。バンプフォイルは、ハウジングとトップフォイルとの間に配置されている。
【0003】
バンプフォイルは、トップフォイルの外周面に接触する第1支持部と、ハウジングの内周面に接触する第2支持部と、を備えている。このようなフォイル軸受においては、回転体からの荷重が高まると、トップフォイルの外周面に接触する第1支持部の数と、ハウジングの内周面に接触する第2支持部の数とが同時に増加してトップフォイルを弾性的に支持する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭58-048769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2段バネ構造のバンプフォイルを備えるフォイル軸受においては、荷重を支承することとなる第1支持部及び第2支持部の各々について信頼性の低下の抑制が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するためのフォイル軸受は、回転体が挿通される挿通孔が形成されたハウジングと、前記回転体に対向する軸受面を備える薄板状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に接触する第1支持部、前記ハウジングの内周面に接触する第2支持部、及び前記第1支持部と前記第2支持部とが前記回転体の回転方向に沿って交互に配置されるように連結する連結部を備え、前記第1支持部及び前記第2支持部が前記回転方向に伸長することで前記トップフォイルを弾性的に支持する薄板状のバンプフォイルと、を備え、前記バンプフォイルは、前記回転体からの荷重が高まると、前記トップフォイルの外周面に接触する前記第1支持部の数と、前記ハウジングの内周面に接触する前記第2支持部の数とが増加するように変形するフォイル軸受であって、前記バンプフォイルは、前記回転体からの荷重が高まると、前記トップフォイルの外周面に接触する前記第1支持部、及び前記ハウジングの内周面に接触する前記第2支持部のいずれか一方の数が増加した後に他方の数が増加するように変形することを要旨とする。
【0007】
これによれば、フォイル軸受は、回転体からの荷重が高まると、トップフォイルの外周面に接触する第1支持部、及びハウジングの内周面に接触する第2支持部のうちの一方の数が増加した後、他方の数が増加する。このため、第1支持部及び第2支持部の各々について、荷重を支承する支持部の数を増加させることができる。このため、第1支持部及び第2支持部の各々について、信頼性の低下を抑制できる。
【0008】
フォイル軸受について、前記バンプフォイルは、縮径するように前記ハウジングと前記トップフォイルとの間に円弧状に配置され、前記回転体からの荷重が高まると、前記連結部の前記第1支持部側の一端が前記第2支持部となり、前記連結部の前記第2支持部側の他端が前記第1支持部となり、前記連結部の他端が前記トップフォイルの外周面に接触した後に、前記連結部の一端が前記ハウジングの内周面に接触してもよい。
【0009】
これによれば、バンプフォイルのトップフォイル側の面には圧縮応力が発生するとともにハウジング側の面には引張応力が発生している。また、バンプフォイルに荷重が入力されると、第2支持部のトップフォイル側の面には引張応力が発生するとともに第2支持部のハウジング側の面には圧縮応力が発生する。同時に、バンプフォイルに荷重が入力されると、第1支持部のトップフォイル側の面には圧縮応力が発生するとともに第1支持部のハウジング側の面には引張応力が発生する。つまり、第1支持部のトップフォイル側の面には、バンプフォイルの弾性変形に伴う圧縮応力に加え、荷重の入力に伴う圧縮応力が発生する。同時に、第1支持部のハウジング側の面には、バンプフォイルの弾性変形に伴う引張応力に加え、荷重の入力に伴う引張応力が発生する。
【0010】
このようなバンプフォイルにおいて、回転体からの荷重が高まると、連結部の他端が第1支持部となるため、荷重は、第1支持部だけでなく、連結部の他端側にも支承される。その後、連結部の一端が第2支持部となる。したがって、連結部の両端を利用して荷重を支承できる。
【0011】
このため、連結部の他端を利用して荷重を支承するまで、第1支持部だけで荷重を支承し続ける場合と比べると、第1支持部に発生する応力を低減できる。その結果、バンプフォイルの湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する第1支持部であっても、その損傷を抑制しやすくなる。
【0012】
フォイル軸受について、前記バンプフォイルは、前記連結部の一端から前記第1支持部までの前記回転体の径方向の高さが、前記連結部の他端から前記第2支持部までの前記回転体の前記径方向の高さよりも低くなるように配置されていてもよい。
【0013】
これによれば、トップフォイルから入力される荷重が高まって連結部の両端が屈曲すると、高さの低い第1支持部側へ屈曲した連結部の他端が、第2支持部側へ屈曲した連結部の一端よりも先にトップフォイルの外周面に接触する。このため、連結部の他端を第1支持部としてトップフォイルに接触させることができる。そして、連結部の他端が第1支持部としてトップフォイルに接触した後、さらに、荷重が高まると、連結部の一端を第2支持部としてハウジングに接触させることができる。
【0014】
フォイル軸受について、前記連結部の一端は、前記第1支持部にかけて円弧状に屈曲し、前記連結部の他端は、前記第2支持部にかけて円弧状に屈曲し、前記バンプフォイルは、前記連結部の一端の円弧半径が前記連結部の他端の円弧半径よりも大きくなるように配置されていてもよい。
【0015】
これによれば、連結部の他端よりも一端の方が屈曲しやすいため、連結部の他端が、連結部の一端よりも先にトップフォイルの外周面に接触する。このため、連結部の他端を第1支持部としてトップフォイルに接触させることができる。そして、連結部の他端が第1支持部としてトップフォイルに接触した後、さらに、荷重が高まると、連結部の一端を第2支持部としてハウジングに接触させることができる。
【0016】
フォイル軸受について、前記バンプフォイルは、拡径するように前記ハウジングと前記トップフォイルとの間に円弧状に配置され、前記回転体からの荷重が高まると、前記連結部の前記第1支持部側の一端が前記第2支持部となり、前記連結部の前記第2支持部側の他端が前記第1支持部となり、前記連結部の一端が前記ハウジングの内周面に接触した後に、前記連結部の他端が前記トップフォイルの外周面に接触してもよい。
【0017】
これによれば、バンプフォイルのトップフォイル側の面には引張応力が発生するとともにハウジング側の面には圧縮応力が発生している。また、バンプフォイルに荷重が入力されると、第1支持部のトップフォイル側の面には圧縮応力が発生するとともに第1支持部のハウジング側の面には引張応力が発生する。同時に、バンプフォイルに荷重が入力されると、第2支持部のトップフォイル側の面には引張応力が発生するとともに第2支持部のハウジング側の面には圧縮応力が発生する。つまり、第2支持部のトップフォイル側の面には、バンプフォイルの弾性変形に伴う引張応力に加え、荷重の入力に伴う引張応力が発生する。同時に、第2支持部のハウジング側の面には、バンプフォイルの弾性変形に伴う圧縮応力に加え、荷重の入力に伴う圧縮応力が発生する。
【0018】
このようなバンプフォイルにおいて、回転体からの荷重が高まると、連結部の一端が第2支持部となるため、荷重は、第2支持部だけでなく、連結部の一端側にも支承される。その後、連結部の他端が第1支持部となる。したがって、連結部の両端を利用して荷重を支承できる。
【0019】
このため、連結部の一端を利用して荷重を支承するまで、第2支持部だけで荷重を支承し続ける場合と比べると、第2支持部に発生する応力を低減できる。その結果、バンプフォイルの湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する第2支持部であっても、その損傷を抑制しやすくなる。
【0020】
フォイル軸受について、前記バンプフォイルは、前記連結部の他端から前記第2支持部までの前記回転体の径方向の高さが、前記連結部の一端から前記第1持部までの前記回転体の前記径方向の高さよりも低くなるように配置されていてもよい。
【0021】
これによれば、トップフォイルから入力される荷重が高まって連結部の両端が屈曲すると、高さの低い第2支持部側へ屈曲した連結部の一端が、第1支持部側へ屈曲した連結部の他端よりも先にハウジングの内周面に接触する。このため、連結部の一端を第2支持部としてハウジングに接触させることができる。そして、連結部の一端が第2支持部としてハウジングに接触した後、さらに、荷重が高まると、連結部の他端を第1支持部としてトップフォイルに接触させることができる。
【0022】
フォイル軸受について、前記連結部の一端は、前記第1支持部にかけて円弧状に屈曲し、前記連結部の他端は、前記第2支持部にかけて円弧状に屈曲し、前記バンプフォイルは、前記連結部の他端の円弧半径が前記連結部の一端の円弧半径よりも大きくなるように配置されていてもよい。
【0023】
これによれば、連結部の一端よりも他端の方が屈曲しやすいため、連結部の一端が、連結部の他端よりも先にハウジングの内周面に接触する。このため、連結部の一端を第2支持部としてハウジングに接触させることができる。そして、連結部の一端が第2支持部としてハウジングに接触した後、さらに、荷重が高まると、連結部の他端を第1支持部としてトップフォイルに接触させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1支持部及び第2支持部の各々について信頼性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、フォイル軸受が搭載された遠心圧縮機を示す概略構成図である。
図2図2は、弾性変形する前のバンプフォイルを示す図である。
図3図3は、フォイル軸受の断面図である。
図4図4は、第1所定値に到達する前のバンプフォイルの部分断面図である。
図5図5は、第1所定値に到達したバンプフォイルの部分断面図である。
図6図6は、第2所定値に到達したバンプフォイルの部分断面図である。
図7図7は、第2実施形態のバンプフォイルの部分断面図である。
図8図8は、弾性変形する前のバンプフォイルの断面図である。
図9図9は、第3の実施形態のバンプフォイルの部分断面図である。
図10図10は、第1所定値に到達したときのバンプフォイルを示す部分断面図である。
図11図11は、第2所定値に到達したときのバンプフォイルを示す部分断面図である。
図12図12は、第4の実施形態のバンプフォイルを示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、フォイル軸受を具体化した第1の実施形態を図1図6にしたがって説明する。なお、本実施形態のフォイル軸受は、遠心圧縮機に搭載されている。
【0027】
<遠心圧縮機>
図1に示すように、遠心圧縮機100は、2つのフォイル軸受10と、ハウジング101と、電動モータ102と、回転体103と、インペラ104と、を備えている。ハウジング101には、モータ室101aと、インペラ室101bとが形成されている。電動モータ102は、モータ室101aに収容されている。回転体103は、電動モータ102の駆動によって回転する回転軸である。回転体103は、モータ室101a及びインペラ室101bに延在する。インペラ104は、回転体103に取り付けられている。
【0028】
インペラ104は、インペラ室101bに収容されている。電動モータ102、回転体103、及びインペラ104は、ハウジング101に収容されている。電動モータ102の駆動により回転体103が回転すると、インペラ104が回転する。インペラ104が回転すると、ハウジング101の外部からインペラ室101bに流体が引き込まれる。インペラ室101b内に引き込まれた流体は、インペラ104の回転に伴い圧縮される。圧縮された流体は、ハウジング101の外部に吐出される。
【0029】
2つのフォイル軸受10は、回転体103をラジアル方向Rdに支持している。ラジアル方向Rdは、回転体103の径方向である。2つのフォイル軸受10は、回転体103の軸方向において電動モータ102を挟む位置に設けられている。2つのフォイル軸受10は、ハウジング101に固定されている。
【0030】
<フォイル軸受>
図3に示すように、フォイル軸受10は、筒状のハウジング20と、薄板状のトップフォイル30と、3つの薄板状のバンプフォイル40と、を備えている。なお、図3に示すフォイル軸受10は、回転体103が回転していないときの状況を記載している。
【0031】
<軸受ハウジング>
ハウジング20には、回転体103が挿通される挿通孔20cが形成されている。ハウジング20の挿通孔20cには、回転体103が挿通されている。以下の説明では、ハウジング20の軸方向を単に「軸方向A」と記載するとともに、ハウジング20の周方向を回転体103の回転方向として単に「回転方向B」と記載する。また、ハウジング20の径方向を単に「径方向C」と記載する。
【0032】
ハウジング20は、内周面20aを備えている。ハウジング20の内周面20aには、保持溝20bが形成されている。保持溝20bは、内周面20aに3つ形成されている。3つの保持溝20bは、回転方向Bに等間隔おきに配置されている。保持溝20bは、軸方向Aに延びている。なお、ハウジング20を形成する材料は、例えばアルミニウムである。
【0033】
<トップフォイル>
トップフォイル30は、ハウジング20の内側に配置されている。トップフォイル30は、回転体103に対向する軸受面30bを備えるとともに、トップフォイル30の板厚方向における軸受面30bの反対面に外周面30aを備える。ハウジング20の内周面20aと、トップフォイル30の外周面30aとの間には、空隙Kが画定されている。トップフォイル30は、回転体103とハウジング20との間に配置される薄板状である。トップフォイル30は、可撓性を有する長尺状の金属板材を湾曲させることにより形成されている。トップフォイル30は、略円筒状である。トップフォイル30の軸方向は、軸方向Aと一致している。トップフォイル30の軸方向を「軸方向A」と記載する。トップフォイル30の周方向は、回転方向Bと一致している。トップフォイル30の周方向を「回転方向B」と記載する。トップフォイル30の径方向は、径方向Cと一致している。トップフォイル30の径方向を「径方向C」と記載する。トップフォイル30は、長尺状の金属板材の長縁を回転方向Bに延ばすとともに短縁を軸方向Aに延ばすように筒状に湾曲させることで形成されている。トップフォイル30を形成する金属板材は、例えば、ステンレス鋼やインコネル(登録商標)型のニッケル合金により形成されている。すなわち、トップフォイル30は、ハウジング20を形成する材料よりも硬度が高い材料により形成されている。
【0034】
トップフォイル30は、固定端部31と、自由端部32と、を備えている。固定端部31は、トップフォイル30を形成する金属板材の長辺方向の両端部のうちの一方の端部に位置するとともに、自由端部32は他方の端部に位置する。固定端部31は、回転方向Bにおけるトップフォイル30の一方の端部に位置するとともに、自由端部32は、回転方向Bにおけるトップフォイル30の他方の端部に位置する。固定端部31は、トップフォイル30を形成する金属板材を折り曲げることにより形成されている。固定端部31は、3つの保持溝20bのうちの1つに挿入されている。固定端部31は、例えばサークリップ等の軸方向抜け止め部材により保持溝20bに固定されている。自由端部32は、固定端部31の基端に対して回転方向Bで離れた状態で対向している。したがって、トップフォイル30は、一部が切り欠かれた非環状である。
【0035】
<バンプフォイル>
3つのバンプフォイル40は、ハウジング20とトップフォイル30との間の空隙Kに配置されている。3つのバンプフォイル40の各々は、トップフォイル30よりも径方向Cの外側、かつハウジング20よりも径方向Cの内側に配置されている。3つのバンプフォイル40の各々は、ハウジング20とトップフォイル30との間において、トップフォイル30を弾性的に支持している。3つのバンプフォイル40は、回転方向Bに所定の間隔を空けて配置されている。3つのバンプフォイル40の各々の板厚は、トップフォイル30の板厚よりも薄い。つまり、3つのバンプフォイル40の各々は、薄板状である。
【0036】
3つのバンプフォイル40の各々は、可撓性を有する長尺状の金属板材49に第1支持部50、第2支持部60及び連結部70を形成しつつ、略円弧状に弾性変形させることにより形成されている。つまり、3つのバンプフォイル40の各々は、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60、及び第1支持部50と第2支持部60とが回転体103の回転方向Bに沿って交互に配置されるように連結する連結部70を備える。
【0037】
3つのバンプフォイル40の各々は、回転体103の回転方向Bへ湾曲するように弾性変形している。金属板材49は、板厚方向の両面のうちの一方面に第1面49aを備えるとともに他方面に第2面49bを備えている。第1面49aは、板厚方向の両面のうちハウジング20側の面である。第2面49bは、板厚方向の両面のうちトップフォイル30側の面である。
【0038】
バンプフォイル40の周方向は、回転方向Bと一致している。バンプフォイル40の周方向を「回転方向B」と記載する。バンプフォイル40の径方向は、径方向Cと一致している。バンプフォイル40の径方向を「径方向C」と記載する。金属板材49の短辺方向は、軸方向Aに一致している。金属板材49の長辺方向は、回転方向Bに一致している。金属板材49は、例えば、ステンレス鋼やインコネル型のニッケル合金により形成されている。金属板材49は、ハウジング20を形成する材料よりも硬度が高い材料によって形成されている。
【0039】
3つのバンプフォイル40の各々は、固定端部41と、自由端部42と、を備えている。固定端部41は、金属板材49の長辺方向の両端部のうちの一方の端部に位置するとともに、自由端部42は他方の端部に位置する。各バンプフォイル40の固定端部41は、各保持溝20bに挿入されている。1つの固定端部41は、トップフォイル30の固定端部31とともに1つの保持溝20bに挿入されている。トップフォイル30の固定端部31とともに保持溝20bに挿入された固定端部41は、例えばサークリップ等の軸方向抜け止め部材によりトップフォイル30の固定端部31とともに保持溝20bに固定されている。残り2つの固定端部41は、残り2つの保持溝20bの各々に例えばサークリップ等の軸方向抜け止め部材により固定されている。回転方向Bで隣り合うバンプフォイル40において、一方のバンプフォイル40の自由端部42は、他方のバンプフォイル40の固定端部41と所定の間隔を空けて配置されている。なお、固定端部31,41の保持溝20bへの固定手段は適宜変更してもよい。
【0040】
3つのバンプフォイル40は、全て同じ形状であるため、1つのバンプフォイル40を例に挙げて具体的に説明するとともに、残りの2つのバンプフォイル40の具体的な説明は省略する。
【0041】
以下の説明では、回転体103が回転していないときのバンプフォイル40について説明する。
バンプフォイル40は、複数の第1支持部50と、複数の第2支持部60と、複数の連結部70と、複数の第1屈曲部71と、複数の第2屈曲部72と、第1端板部81と、第2端板部82と、を備えている。
【0042】
複数の第1支持部50の各々は、トップフォイル30の外周面30aと接触している。複数の第2支持部60の各々は、ハウジング20の内周面20aと接触している。複数の連結部70の各々は、第1支持部50と第2支持部60とが回転体103の回転方向Bに沿って交互に配置されるように第1支持部50と第2支持部60とを連結する。バンプフォイル40は、第1支持部50及び第2支持部60が、回転体103の回転方向Bに伸長することでトップフォイル30を弾性的に支持する。
【0043】
連結部70は、径方向Cに見て長四角形状である。連結部70を径方向Cに見て、長四角の長辺は、軸方向Aに延びるとともに、長四角の短辺は、回転方向Bに延びている。軸方向Aに見て、連結部70は、ほぼ回転方向Bに延びている。
【0044】
図4に示すように、空隙Kにおいて、連結部70は、径方向Cでの中間位置よりもトップフォイル30の外周面30a寄りに位置している。空隙Kにおいて、連結部70は、径方向Cでのハウジング20の内周面20aよりもトップフォイル30の外周面30a寄りに位置している。連結部70での第1面49aとハウジング20の内周面20aとの間の距離は、距離K1である。連結部70での第2面49bとトップフォイル30の外周面30aとの間の距離は、距離K2である。トップフォイル30に回転体103からの荷重が入力されていないとき、連結部70における回転方向Bでのいずれの位置でも、距離K1は、距離K2より長い。
【0045】
複数の第1支持部50の各々は、連結部70での第2面49bからトップフォイル30の外周面30aに向けて突出している。複数の第1支持部50の各々は、一対の連結部70によって挟まれている。複数の第1支持部50の各々は、バンプフォイル40を形成する金属板材49を折り曲げて形成されている。複数の第1支持部50の各々は、連結部70からの突出方向の先端に第1円弧部50aを備えている。軸方向Aに第1支持部50を見て、第1円弧部50aの内面及び外面は円弧状に屈曲している。第1円弧部50aは、第1円弧部50aでの第2面49bにてトップフォイル30の外周面30aに接触している。
【0046】
複数の第2支持部60の各々は、連結部70での第1面49aからハウジング20の内周面20aに向けて突出している。複数の第2支持部60の各々は、一対の連結部70によって挟まれている。複数の第2支持部60の各々は、バンプフォイル40を形成する金属板材49を折り曲げて形成されている。複数の第2支持部60の各々は、連結部70からの突出方向の先端に第2円弧部60aを備えている。軸方向Aに第2支持部60を見て、第2円弧部60aの内面及び外面は円弧状に湾曲している。第2円弧部60aは、第2円弧部60aでの第1面49aにてハウジング20の内周面20aに接触している。
【0047】
複数の連結部70の各々は、バンプフォイル40を形成する金属板材49に第1支持部50及び第2支持部60を形成すると、第1支持部50と第2支持部60の間に形成される。
【0048】
第1屈曲部71は、第1支持部50と連結部70との境界に設けられるとともに、第2屈曲部72は、第2支持部60と連結部70との境界に設けられている。第1屈曲部71は、金属板材49に第1支持部50を形成するために金属板材49を折り曲げることによって形成される。第1屈曲部71は、連結部70の一端に形成されているとともに、第2屈曲部72は、連結部70の他端に形成されている。第1屈曲部71、つまり連結部70の一端は、第1支持部50にかけて円弧状に屈曲している。第2屈曲部72、つまり連結部70の他端は、第2支持部60にかけて円弧状に屈曲している。第1屈曲部71及び第2屈曲部72は、トップフォイル30からの荷重を受けて屈曲することで弾性力を発生させる2段ばね構造である。回転体103が回転していない場合、第1屈曲部71は、ハウジング20及びトップフォイル30と非接触であるとともに、第2屈曲部72はハウジング20及びトップフォイル30と非接触である。
【0049】
連結部70は、第1屈曲部71側を第2屈曲部72側よりもハウジング20に近付けるように傾斜している。つまり、連結部70は、回転方向Bにおいて第1屈曲部71から第2屈曲部72に向かうにつれて徐々にトップフォイル30に近づくように延びている。
【0050】
バンプフォイル40は、第1境界T1と、第2境界T2とを備えている。第1境界T1は、金属板材49の第2面49bにおいて、連結部70と第1支持部50との境界である。第1境界T1は、金属板材49において第1支持部50を形成するために折り曲げられた箇所である。第2境界T2は、金属板材49の第1面49aにおいて、連結部70と第2支持部60との境界である。第2境界T2は、金属板材49において第2支持部60を形成するために折り曲げられた箇所である。
【0051】
バンプフォイル40の第1境界T1を回転方向Bに沿って繋いだ仮想線を仮想円Fとする。バンプフォイル40は、弾性変形させた状態で空隙Kに配置されている。
図2に示すように、空隙Kに配置される前のバンプフォイル40、つまり、弾性変形させる前のバンプフォイル40は、軸方向Aに見た場合、ほぼ平板に近い円弧状である。空隙Kに配置される前のバンプフォイル40の仮想円Fの半径は、空隙Kに配置させるために弾性変形させた後のバンプフォイル40の半径よりも大きい。このため、空隙Kに配置させるために弾性変形させた後のバンプフォイル40の円弧の半径は、空隙Kに配置される前のバンプフォイル40の円弧の半径よりも小さい。したがって、空隙Kに配置されたバンプフォイル40は、縮径するようにハウジング20とトップフォイル30との間に円弧状に配置されている。
【0052】
図3に示すように、空隙Kに配置されたバンプフォイル40は、弾性変形した状態から原形状への復帰力により、径方向Cの外側に向けて付勢されている。バンプフォイル40の付勢方向Nは、トップフォイル30からハウジング20に向かう方向である。
【0053】
図4に示すように、空隙Kへの配置のために、バンプフォイル40は縮径されている。このため、矢印Y1に示すように、バンプフォイル40の第1面49a側には引張応力が発生しているとともに、矢印Y2に示すように、バンプフォイル40の第2面49b側には圧縮応力が発生している。
【0054】
第1境界T1からトップフォイル30の外周面30aまでの径方向Cへの寸法は、第1支持部50の連結部70からの高さH1である。高さH1は、連結部70の一端から第1支持部50までの回転体103の径方向Cの高さである。第1支持部50の高さH1は、径方向Cにおける第1屈曲部71から第1支持部50の先端までの長さである。第2境界T2からハウジング20の内周面20aまでの径方向Cへの寸法は、第2支持部60の連結部70からの高さH2である。高さH2は、連結部70の他端から第2支持部60までの回転体103の径方向Cの高さである。第2支持部60の高さH2は、径方向Cにおける第2屈曲部72から第2支持部60の先端までの長さである。
【0055】
第1支持部50の高さH1は、第2支持部60の高さH2より低い。言い換えると、第2支持部60の高さH2は、第1支持部50の高さH1より高い。高さH1と高さH2との関係により、連結部70は、空隙Kにおける径方向Cの中間位置よりもトップフォイル30寄りに位置している。
【0056】
第1支持部50の高さH1と第2支持部60の高さH2との差をΔHとする。また、第1支持部50及び第2支持部60について、荷重を入力させたときの損傷のし難さを安全率とする。第1支持部50の安全率、及び第2支持部60の安全率は、高さH1,H2が高いほど低く、高さH1,H2が低いほど高い。また、バンプフォイル40を湾曲させたときに発生する応力が大きいほど、第1支持部50及び第2支持部60の安全率は低くなる。
【0057】
バンプフォイル40の配置される空隙Kの寸法の上限は、トップフォイル30に荷重が入力されていないときである。つまり、空隙Kの上限は予め決まっている。したがって、高さH1及び高さH2は、バンプフォイル40の湾曲度合いと、空隙Kの上限によって決まる。高さH1及び高さH2の一方の値が大きくなれば、他方の値は小さくなる。したがって、ΔHが大きくなるほど、高さの高い支持部の安全率は低くなるとともに、高さの低い支持部の安全率は高くなる。
【0058】
具体的には、第1支持部50の高さH1は、第2支持部60の高さH2より低い。第1支持部50の高さH1が低いほど、第1支持部50の安全率は高くなる。第1支持部50の高さH1が低くなれば、第2支持部60の高さH2は高くなるため、第2支持部60の安全率は低くなる。高さH1と高さH2は、第1支持部50の安全率と、第2支持部60の安全率とが同じになるように設定されている。ただし、所望する安全率の範囲内であって、第1支持部50及び第2支持部60のいずれも損傷し難いのであれば、第1支持部50の安全率と、第2支持部60の安全率とは異なっていてもよい。
【0059】
図3に示すように、第1端板部81は、バンプフォイル40の固定端部41の基端と第2支持部60との間に設けられている。第2端板部82は、バンプフォイル40の自由端部42と第2支持部60との間に設けられている。
【0060】
<トップフォイルの変形及びバンプフォイルの変形>
遠心圧縮機100が駆動し始めると、回転体103が回転する。回転体103の回転数が所定の回転数に到達したとき、回転体103とトップフォイル30との間に流体膜が形成される。この流体膜の動圧によって、回転体103がトップフォイル30に対して浮上する。この流体膜により回転体103がトップフォイル30と非接触である状態でラジアル方向Rdに支持される。
【0061】
回転体103が回転して流体膜が形成されると、流体膜によりトップフォイル30がハウジング20の径方向C外側方向に向けて膨らむように弾性変形する。径方向C外側方向とは、径方向Cのうちハウジング20の軸線から内周面20aに向かう方向である。すると、トップフォイル30におけるハウジング20の径方向C外側方向への変位によってトップフォイル30から第1支持部50に荷重が入力される。第1支持部50への荷重の入力に伴い、第2支持部60にも荷重が入力される。
【0062】
回転体103の回転数が所定の回数数から上昇していくと、荷重も上昇していく。荷重が上昇していくことにより、トップフォイル30がバンプフォイル40の第1支持部50をハウジング20に向けて押圧する。
【0063】
図5に示すように、第1支持部50が回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72が屈曲して、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに徐々に近づく。同時に、第2屈曲部72が屈曲して、第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに徐々に近付いていく。つまり、トップフォイル30から入力される荷重が高まって連結部70の両端が屈曲する。
【0064】
このような弾性変形に伴い、第1支持部50のトップフォイル30側の面たる第2面49b側には矢印Y3に示す圧縮応力が発生するとともに、第1支持部50のハウジング20側の面たる第1面49a側には矢印Y4に示す引張応力が発生する。同時に、第2支持部60のトップフォイル30側の面たる第2面49b側には矢印Y4に示す引張応力が発生するとともに、第2支持部60のハウジング20側の面たる第1面49a側には矢印Y3に示す圧縮応力が発生する。つまり、矢印Y2及び矢印Y3に示すように、第1支持部50の第2面49b側には、バンプフォイル40の弾性変形に伴う圧縮応力に加え、荷重の入力に伴う圧縮応力が発生する。同時に、矢印Y1及び矢印Y4に示すように、第1支持部50の第1面49a側には、バンプフォイル40の弾性変形に伴う引張応力に加え、荷重の入力に伴う引張応力が発生する。つまり、第1支持部50においては、バンプフォイル40の湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する。
【0065】
そして、図5に示すように、荷重が第1所定値に到達すると、連結部70の他端である第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに接触する。つまり、連結部70の他端である第2屈曲部72が、第1支持部50としてトップフォイル30の外周面30aに接触する。荷重が第1所定値に到達するまでは、トップフォイル30の外周面30aとの接触箇所は第1支持部50のみであったが、荷重が第1所定値に到達すると、トップフォイル30の外周面30aとの接触箇所は、第1支持部50及び第2屈曲部72となる。つまり、回転体103からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加する。
【0066】
また、荷重が第1所定値に到達すると、荷重は、第1支持部50及び第2支持部60だけでなく、第2屈曲部72にも支承される。このとき、第1屈曲部71は、ハウジング20に非接触であるため、第1屈曲部71には応力集中が発生しない。
【0067】
図6に示すように、荷重がさらに第1所定値を上回って回転体103からの荷重が高まると、第1支持部50及び第2支持部60は回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72の屈曲が進む。そして、荷重が第2所定値に到達すると、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに接触する。つまり、連結部70の一端である第1屈曲部71が、第2支持部60としてハウジング20の内周面20aに接触する。その結果、回転体103からの荷重が高まると、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加する。よって、バンプフォイル40は、回転体103からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加した後に、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加するように変形する。これにより、荷重は、第1支持部50、第2支持部60、第1屈曲部71、及び第2屈曲部72によって支承される。
【0068】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1-1)フォイル軸受10は、回転体103からの荷重が高まると、荷重が高まる前に比べて、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加する。さらに、フォイル軸受10は、回転体103からの荷重がさらに高まると、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加する。このため、第1支持部50及び第2支持部60の各々について、荷重を支承できる数が増えるため、信頼性の低下を抑制できる。
【0069】
(1-2)回転体103からの荷重が高まると、第2屈曲部72が第1支持部50となるため、荷重は、第1支持部50だけでなく、第2屈曲部72にも支承される。その後、第1屈曲部71が第2支持部60となる。したがって、連結部70の両端を利用して荷重を支承できる。このため、第2屈曲部72を利用して荷重を支承するまで、第1支持部50だけで荷重を支承し続ける場合と比べると、第1支持部50に発生する応力を低減できる。その結果、バンプフォイル40の湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する第1支持部50であっても、その損傷を抑制しやすくなる。
【0070】
(1-3)第1支持部50の高さH1は、第2支持部60の高さH2よりも低いため、トップフォイル30から入力される荷重が高まって連結部70の両端が屈曲すると、高さの低い第1支持部50側へ屈曲した第2屈曲部72が、第2支持部60側へ屈曲した第1屈曲部71よりも先にトップフォイル30の外周面30aに接触する。このため、第2屈曲部72を第1支持部50としてトップフォイル30に接触させることができる。
【0071】
(1-4)フォイル軸受10は、3枚のバンプフォイル40を備え、縮径している。例えば、1枚のバンプフォイル40だけとする場合と比べて、バンプフォイル40における自励振動を抑制できる。
【0072】
(1-5)バンプフォイル40の縮径に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する第1支持部50であっても、トップフォイル30の外周面30aに接触するタイミングをずらすことができる。これにより、トップフォイル30の損傷を抑制しやすくなる。
【0073】
(第2の実施形態)
次に、フォイル軸受10を具体化した第2の実施形態を図7にしたがって説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0074】
バンプフォイル40の付勢方向Nは、第1の実施形態と同様に、トップフォイル30からハウジング20に向かう方向である。
図7に示すように、ハウジング20の内周面20aと、トップフォイル30の外周面30aとの間の空隙Kにおいて、連結部70は、径方向Cでの中間位置に位置している。連結部70での第1面49aとハウジング20の内周面20aとの間の距離は、距離K1である。連結部70での第2面49bとトップフォイル30の外周面30aとの間の距離は、距離K2である。距離K1と距離K2は同じである。
【0075】
第1支持部50の第1円弧部50aは、円弧半径r1の円弧である。第2支持部60の第2円弧部60aは、円弧半径r2の円弧である。第2円弧部60aの円弧半径r2は、第1円弧部50aの円弧半径r1より小さい。このため、荷重が入力されたとき、第2支持部60は、第1支持部50よりも回転方向Bに広がり難い。
【0076】
回転方向Bへの第1支持部50の寸法は、幅W1である。第1支持部50の幅W1は、回転方向Bへの第1支持部50の両端の第1屈曲部71同士の間隔である。回転方向Bへの第2支持部60の寸法は、幅W2である。第2支持部60の幅W2は、回転方向Bへの第2支持部60の両端の第2屈曲部72同士の間隔である。第2支持部60の円弧半径r2は、第1支持部50の円弧半径r1より小さいため、幅W2は、幅W1より小さい。第1屈曲部71は、円弧半径r3の円弧である。第2屈曲部72は、円弧半径r4の円弧である。
【0077】
第1屈曲部71の円弧半径r3は、第2屈曲部72の円弧半径r4より大きい。言い換えると、第2屈曲部72の円弧半径r4は、第1屈曲部71の円弧半径r3より小さい。このため、荷重が入力されたとき、第1屈曲部71は、第2屈曲部72よりも屈曲しやすい。
【0078】
<トップフォイルの変形及びバンプフォイルの変形>
荷重が第1所定値未満である場合、第1屈曲部71はトップフォイル30の外周面30aと非接触であるとともに、第2屈曲部72はハウジング20の内周面20aに非接触である。
【0079】
第1支持部50の第1円弧部50aの円弧半径1は、第2支持部60の第2円弧部60aの円弧半径2より大きく、かつ、第1屈曲部71の円弧半径3は、第2屈曲部72の円弧半径4より大きい。このため、第1支持部50は、第2支持部60より弾性変形し易いとともに、第1屈曲部71は、第2屈曲部72より屈曲しやすい。このため、荷重が第1所定値に到達すると、第1支持部50は、第2支持部60よりも回転方向Bへ伸長するように変形するとともに、第1屈曲部71は、第2屈曲部72よりも屈曲する。
【0080】
その結果、図5に示すように、荷重が第1所定値に到達すると、第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに接触する。つまり、連結部70の他端である第2屈曲部72が、第1支持部50としてトップフォイル30の外周面30aに接触する。荷重が第1所定値に到達するまでは、トップフォイル30の外周面30aとの接触箇所は第1支持部50のみであったが、荷重が第1所定値に到達すると、トップフォイル30の外周面30aとの接触箇所は、第1支持部50及び第2屈曲部72となる。つまり、回転体103からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加する。
【0081】
また、荷重が第1所定値に到達すると、荷重は、第1支持部50及び第2支持部60だけでなく、第2屈曲部72にも支承される。このとき、第1屈曲部71は、ハウジング20に非接触であるため、第1屈曲部71には応力集中が発生しない。
【0082】
荷重がさらに第1所定値を上回って回転体103からの荷重が高まると、第1支持部50及び第2支持部60は、さらに回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72の屈曲が進む。そして、荷重が第2所定値に到達すると、図6に示すように、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに接触する。つまり、連結部70の一端である第1屈曲部71が、第2支持部60としてハウジング20の内周面20aに接触する。その結果、回転体103からの荷重が高まると、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加する。よって、バンプフォイル40は、回転体103からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加した後に、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加するように変形する。
【0083】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1-1)、(1-2)、(1-4)及び(1-5)に記載の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(2-1)第1屈曲部71の円弧半径r3は、第2屈曲部72の円弧半径r4より大きい。このため、第2屈曲部72よりも第1屈曲部71の方が屈曲しやすいため、第2屈曲部72が、第1屈曲部71よりも先にトップフォイル30の外周面30aに接触する。このため、第2屈曲部72を第1支持部50としてトップフォイル30に接触させることができる。そして、第2屈曲部72が第1支持部50としてトップフォイル30に接触した後、さらに、荷重が高まると、第1屈曲部71を第2支持部60としてハウジング20に接触させることができる。
【0084】
(第3の実施形態)
次に、フォイル軸受10を具体化した第3の実施形態を図8図11にしたがって説明する。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0085】
図8に示すように、空隙Kに配置される前のバンプフォイル40、つまり、弾性変形させる前のバンプフォイル40は、軸方向Aに見た場合、円弧状である。空隙Kに配置される前のバンプフォイル40の仮想円Fの半径は、空隙Kに配置させるために弾性変形させた後のバンプフォイル40の半径よりも小さい。このため、空隙Kに配置させるために弾性変形させた後のバンプフォイル40の円弧の半径は、空隙Kに配置される前のバンプフォイル40の円弧の半径よりも大きい。したがって、空隙Kに配置されたバンプフォイル40は、拡径するようにハウジング20とトップフォイル30との間に円弧状に配置されている。
【0086】
図9に示すように、バンプフォイル40は、円弧の半径を、空隙Kへの配置前より大きくするように湾曲した状態で空隙Kに配置されている。空隙Kに配置されたバンプフォイル40は、弾性変形した状態から原形状への復帰力により、径方向Cの内側に向けて付勢されている。バンプフォイル40の付勢方向Nは、ハウジング20からトップフォイル30に向かう方向である。
【0087】
空隙Kへの配置のために、バンプフォイル40は拡径されている。このため、矢印Y1に示すように、バンプフォイル40の第2面49b側には引張応力が発生しているとともに、矢印Y2に示すように、バンプフォイル40の第1面49a側には圧縮応力が発生している。
【0088】
第1境界T1からトップフォイル30の外周面30aまでの径方向Cへの寸法は、第1支持部50の連結部70からの高さH1である。高さH1は、連結部70の一端から第1支持部50までの回転体103の径方向Cの高さである。第2境界T2からハウジング20の内周面20aまでの径方向Cへの寸法は、第2支持部60の連結部70からの高さH2である。高さH2は、連結部70の他端から第2支持部60までの回転体103の径方向Cの高さである。
【0089】
第1支持部50の高さH1は、第2支持部60の高さH2より高い。言い換えると、第2支持部60の高さH2は、第1支持部50の高さH1より低い。高さH1と高さH2との関係により、連結部70は、径方向Cの中間位置よりもハウジング20寄りに位置している。
【0090】
<トップフォイルの変形及びバンプフォイルの変形>
回転体103の回転数が所定の回数数から上昇していくと、荷重も上昇していく。荷重が上昇していくことにより、トップフォイル30がバンプフォイル40の第1支持部50をハウジング20に向けて押圧する。
【0091】
図10に示すように、第1支持部50及び第2支持部60が回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72が屈曲して、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに徐々に近づく。同時に、第2屈曲部72が屈曲して、第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに徐々に近付いていく。
【0092】
このような弾性変形に伴い、第1支持部50の第2面49b側には矢印Y3に示す圧縮応力が発生するとともに第1支持部50の第1面49a側には矢印Y4に示す引張応力が発生する。同時に、第2支持部60の第2面49b側には矢印Y4に示す引張応力が発生するとともに第2支持部60の第1面49a側には矢印Y3に示す圧縮応力が発生する。つまり、矢印Y1及び矢印Y4に示すように、第2支持部60の第2面49b側には、バンプフォイル40の弾性変形に伴う引張応力に加え、荷重の入力に伴う引張応力が発生する。同時に、第2支持部60の第1面49a側には、矢印Y2及び矢印Y3に示すように、バンプフォイル40の弾性変形に伴う圧縮応力に加え、荷重の入力に伴う圧縮応力が発生する。つまり、第2支持部60においては、バンプフォイル40の湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する。
【0093】
そして、図10に示すように、荷重が第1所定値に到達すると、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに接触する。つまり、連結部70の一端である第1屈曲部71が、第2支持部60としてハウジング20の内周面20aに接触する。荷重が第1所定値に到達するまでは、ハウジング20の内周面20aとの接触箇所は第2支持部60のみであったが、荷重が第1所定値に到達すると、ハウジング20の内周面20aとの接触箇所は、第2支持部60及び第1屈曲部71となる。つまり、回転体103からの荷重が高まると、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加する。
【0094】
また、荷重が第1所定値に到達すると、荷重は、第1支持部50及び第2支持部60だけでなく、第1屈曲部71にも支承される。このとき、第2屈曲部72は、トップフォイル30に非接触であるため、第2屈曲部72には応力集中が発生しない。
【0095】
図11に示すように、荷重がさらに第1所定値を上回って回転体103からの荷重が高まると、第1支持部50及び第2支持部60は回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72の屈曲が進む。そして、荷重が第2所定値に到達すると、第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに接触する。つまり、連結部70の他端である第2屈曲部72が、第1支持部50としてトップフォイル30の外周面30aに接触する。その結果、回転体103からの荷重が高まると、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加する。よって、バンプフォイル40は、回転体103からの荷重が高まると、ハウジング20の内周面20aに接触する第2支持部60の数が増加した後に、トップフォイル30の外周面30aに接触する第1支持部50の数が増加するように変形する。これにより、荷重は、第1支持部50、第2支持部60、第1屈曲部71、及び第2屈曲部72によって支承される。
【0096】
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(1-1)及び(1-4)に記載の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(3-1)回転体103からの荷重が高まると、第1屈曲部71が第2支持部60となるため、荷重は、第2支持部60だけでなく、第1屈曲部71にも支承される。その後、第2屈曲部72が第1支持部50となる。したがって、連結部70の両端を利用して荷重を支承できる。このため、第1屈曲部71を利用して荷重を支承するまで、第2支持部60だけで荷重を支承し続ける場合と比べると、第2支持部60に発生する応力を低減できる。その結果、バンプフォイル40の湾曲に伴って発生する応力と、荷重の入力に伴って発生する応力とが、圧縮方向又は引張方向に一致する第2支持部60であっても、その損傷を抑制しやすくなる。
【0097】
(3-2)第2支持部60の高さH2は、第1支持部50の高さH1よりも低い。トップフォイル30から入力される荷重が高まって連結部70の両端が屈曲すると、高さの低い第2支持部60側へ屈曲した第1屈曲部71が、第1支持部50側へ屈曲した第2屈曲部72よりも先にハウジング20の内周面20aに接触する。このため、第1屈曲部71を第2支持部60としてハウジング20に接触させることができる。そして、第1屈曲部71が第2支持部60としてハウジング20に接触した後、さらに、荷重が高まると、第2屈曲部72を第1支持部50としてトップフォイル30に接触させることができる。
【0098】
(第4の実施形態)
次に、フォイル軸受10を具体化した第4の実施形態を図12にしたがって説明する。なお、第4の実施形態では、第3の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0099】
バンプフォイル40の付勢方向Nは、第3の実施形態と同様に、ハウジング20からトップフォイル30に向かう方向である。
ハウジング20の内周面20aと、トップフォイル30の外周面30aとの間の空隙Kにおいて、連結部70は、径方向Cでの中間位置に位置している。連結部70での第1面49aとハウジング20の内周面20aとの間の距離は、距離K1である。連結部70での第2面49bとトップフォイル30の外周面30aとの間の距離は、距離K2である。距離K1と距離K2は同じである。
【0100】
第1支持部50の第1円弧部50aは、円弧半径r1の円弧である。第2支持部60の第2円弧部60aは、円弧半径r2の円弧である。第2円弧部60aの円弧半径r2は、第1円弧部50aの円弧半径r1より大きい。つまり、第1円弧部50aの円弧半径r1は、第2円弧部60aの円弧半径r2より小さい。このため、荷重が入力されたとき、第2支持部60は、第1支持部50よりも回転方向Bに広がりやすい。また、第2支持部60の幅W2は、第1支持部50の幅W1より大きい。
【0101】
第1屈曲部71は、円弧半径r3の円弧である。第2屈曲部72は、円弧半径r4の円弧である。第1屈曲部71の円弧半径r3は、第2屈曲部72の円弧半径r4より小さい。このため、荷重が入力されたとき、第2屈曲部72は、第1屈曲部71よりも屈曲しやすい。
【0102】
<トップフォイルの変形及びバンプフォイルの変形>
荷重が第1所定値未満である場合、第1屈曲部71はトップフォイル30の外周面30aと非接触であるとともに、第2屈曲部72はハウジング20の内周面20aに非接触である。
【0103】
第1支持部50の第1円弧部50aの円弧半径r1は、第2支持部60の第2円弧部60aの円弧半径r2より小さく、かつ、第2屈曲部72の円弧半径r4は、第1屈曲部71の円弧半径r3より大きい。このため、第2支持部60は、第1支持部50より弾性変形し易いとともに、第2屈曲部72は、第1屈曲部71より屈曲しやすい。このため、荷重が第1所定値に到達すると、第2支持部60は、第1支持部50より回転方向Bへ伸長するように変形するとともに、第2屈曲部72は、第1屈曲部71よりも屈曲する。
【0104】
その結果、図10に示すように、荷重が第1所定値に到達すると、第1屈曲部71がハウジング20の内周面20aに接触する。つまり、連結部70の一端である第1屈曲部71が、第2支持部60としてハウジング20の内周面20aに接触する。荷重が第1所定値に到達するまでは、ハウジング20の内周面20aとの接触箇所は第2支持部60のみであったが、荷重が第1所定値に到達すると、ハウジング20の内周面20aとの接触箇所は、第2支持部60及び第1屈曲部71となる。このため、荷重が第1所定値に到達すると、荷重は、第1支持部50及び第2支持部60だけでなく、第1屈曲部71にも支承される。このとき、第2屈曲部72は、トップフォイル30に非接触であるため、第2屈曲部72には応力集中が発生しない。
【0105】
荷重がさらに第1所定値を上回ると、第1支持部50及び第2支持部60は回転方向Bに伸長するように弾性変形するとともに、第1屈曲部71及び第2屈曲部72の屈曲が進む。そして、図11に示すように、第2屈曲部72がトップフォイル30の外周面30aに接触する。その結果、荷重は、第1支持部50、第2支持部60、第1屈曲部71、及び第2屈曲部72によって支承される。
【0106】
上記第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1-1)、(1-4)及び第3の実施形態の(3-1)に記載の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(4-1)第2屈曲部72の円弧半径r4は、第1屈曲部71の円弧半径r3より大きい。第1屈曲部71よりも第2屈曲部72の方が屈曲しやすいため、第1屈曲部71が、第2屈曲部72よりも先にハウジング20の内周面20aに接触する。このため、第1屈曲部71を第2支持部60としてハウジング20に接触させることができる。そして、第1屈曲部71が第2支持部60としてハウジング20に接触した後、さらに、荷重が高まると、第2屈曲部72を第1支持部50としてトップフォイル30に接触させることができる。
【0107】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
○連結部70は、第1屈曲部71側を第2屈曲部72側よりもトップフォイル30に近付けるように傾斜していなくてもよい。つまり、連結部70は、傾斜することなく回転方向Bに延びていてもよい。
【0108】
○ 第1の実施形態のバンプフォイル40は、第2支持部60の第2円弧部60aにおける円弧半径r2を、第1支持部50の第1円弧部50aにおける円弧半径r1より小さくしつつ、第2屈曲部72の円弧半径r4を、第1屈曲部71の円弧半径r3より小さくしてもよい。
【0109】
○ 第3の実施形態のバンプフォイル40は、第1支持部50の第1円弧部50aにおける円弧半径r1を、第2支持部60の第2円弧部60aにおける円弧半径r2より小さくしつつ、第1屈曲部71の円弧半径r3を、第2屈曲部72の円弧半径r4より小さくしてもよい。
【0110】
○ 各バンプフォイル40において、第1支持部50の数及び第2支持部60の数は適宜変更してもよい。
○ 3つのバンプフォイル40が採用されたが、1つの略円筒状のバンプフォイル40を採用してもよい。この場合、ハウジング20の保持溝20bは、1つのみでよい。なお、第1支持部50の数及び第2支持部60の数は、バンプフォイル40がトップフォイル30を適切に弾性的に支持できる程度の数に変更する。
【0111】
○ バンプフォイル40の第1端板部81及び第2端板部82は、省略してもよい。
○ フォイル軸受10は、遠心圧縮機100の回転体103をラジアル方向Rdに支持するもの限らない。フォイル軸受10の適用先は、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0112】
C…径方向、H1,H2…高さ、Rd…ラジアル方向、r1~r4…円弧半径、10…フォイル軸受、20…ハウジング、20a…内周面、30…トップフォイル、30a…外周面、30b…軸受面、40…バンプフォイル、50…第1支持部、60…第2支持部、70…連結部、103…回転体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12