(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144952
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】回転電機、および回転電機の製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 5/16 20060101AFI20241004BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20241004BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20241004BHJP
【FI】
H02K5/16
H02K15/14 Z
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057146
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】ニデックモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】服部 隆志
(72)【発明者】
【氏名】荒尾 慶宣
(72)【発明者】
【氏名】関 健太
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼▲崎▼ 真充
(72)【発明者】
【氏名】砥川 真一
(72)【発明者】
【氏名】安田 武史
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
5H615
【Fターム(参考)】
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC06
5H605CC08
5H605DD01
5H605DD09
5H605EB10
5H605EB16
5H605EC05
5H605EC18
5H605GG06
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615PP28
5H615SS20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み立て工程を簡素化できる、回転電機、および回転電機の製造方法を提供する。
【解決手段】ハウジング21は、ハウジングを第2方向D2に貫通する貫通孔25aを有する。蓋部材40は、第1端子53と第1端子を保持する保持部52とを有するコネクタ50と、開口部24aを覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバー41と、を有する。第1端子は、第1方向D1に延び、保持部に保持される第1延伸部53aと、第2方向に延び、貫通孔を第2方向に通され、第1基板と接続される第2延伸部53bと、を有する。ハウジングの第1方向の一方側の端部のうち貫通孔と第2方向に対向する部分は、貫通孔の第1方向の一方側の端部よりも第1方向の他方側に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、
を備え、
前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、
前記蓋部材は、
第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、
前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、
を有し、
前記第1端子は、
前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、
前記第2方向に延び、前記貫通孔を前記第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、
を有し、
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、回転電機。
【請求項2】
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部は、前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に向かうにしたがって前記第1方向の他方側へ位置し、
前記カバーと前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部との間には、前記カバーと前記ハウジングとの間を封止する封止材が配置される、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第1方向および前記第2方向の両方と直交する第3方向に見て、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部は、直線状に傾斜する、請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記第1端子よりも前記第1方向の他方側に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記第1方向と直交する方向に広がり、前記コネクタよりも前記第1方向の他方側に配置される第2基板を備え、
前記コネクタは、前記第2基板と接続される第2端子を有し、
前記第2基板は、前記蓋部材および前記ハウジングのうちの前記蓋部材にのみ固定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項6】
第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、
を備え、
前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、
前記蓋部材は、
第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、
前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、
を有し、
前記第1端子は、
前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、
前記第2方向に延び、前記貫通孔を第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、
を有し、
前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、回転電機の製造方法であって、
前記コネクタおよび前記カバーを、前記ハウジングの前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に移動させて、前記第2延伸部を前記貫通孔に通す第1工程と、
前記第2延伸部を前記第1基板に接続する第2工程と、
を有する、回転電機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機、および回転電機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ部を内部に収容するハウジングの径方向外側に回路基板を含む制御ユニットを配置する構成の電動モータが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電動モータにおいて、ハウジング内部で回路基板に接続されるコネクタを有する場合、コネクタと回路基板の向きによっては、コネクタをハウジングに取り付ける組み立て工程が複雑化するという問題がある。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、組み立て工程を簡素化できる、回転電機、および回転電機の製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回転電機の一つの態様は、第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、前記ハウジングに対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、を備える。前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有する。前記蓋部材は、第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、を有する。前記第1端子は、前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、前記第2方向に延び、前記貫通孔を前記第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、を有する。前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する。
【0007】
本発明の回転電機の製造方法の一つの態様は、第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、前記ハウジングよりも前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、を備える。前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有する。前記蓋部材は、第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、を有する。前記第1端子は、前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、前記第2方向に延び、前記貫通孔を第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、を有する。前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、回転電機の製造方法であって、前記コネクタおよび前記カバーを、前記ハウジングの前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に移動させて、前記第2延伸部を前記貫通孔に通す第1工程と、前記第2延伸部を前記第1基板に接続する第2工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、回転電機、および回転電機の製造方法において、組み立て工程を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態の回転電機を示す断面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の回転電機の一部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のハウジングの一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の蓋部材を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態の回転電機の製造方法を示す第1の断面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態の回転電機の製造方法を示す第2の断面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態の回転電機の製造方法を示す第2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る回転電機および回転電機の製造方法について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0011】
各図に示す第1方向D1は、本実施形態の回転電機におけるハウジングが延びる方向である。本実施形態において、第1方向D1は鉛直方向である。以下の説明では、第1方向D1の矢印が向く側(+D1側)を「上側」または「第1方向D1の一方側」と呼び、第1方向D1の矢印が向く側と反対側(-D1側)を「下側」または「第1方向D1の他方側」と呼ぶ。
【0012】
各図に示す第2方向D2は、第1方向D1と交差する方向である。本実施形態において、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。以下の説明では、第2方向D2の矢印が向く側(+D2側)を「第2方向D2の一方側」と呼び、第2方向D2の矢印が向く側と反対側(-D2側)を「第2方向D2の他方側」と呼ぶ。
【0013】
各図に示す第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2の両方と直交する方向である。以下の説明では、第3方向D3の矢印が向く側(+D3側)を「第3方向D3の一方側」と呼び、第3方向D3の矢印が向く側と反対側(-D3側)を「第3方向D3の他方側」と呼ぶ。
【0014】
各図に示す中心軸線Jは、第1方向D1に延びる仮想軸線である。以下の説明では、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。周方向は、各図において矢印θで示される。以下の説明では、周方向のうち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼び、周方向のうち矢印θが向く側と反対側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、上側(+D1側)から見て中心軸線J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、上側(+D1側)から見て中心軸線J回りに反時計回りに進む側である。
【0015】
なお、本明細書において「環状」とは、一周に亘って連続して延びる形状であればどのような形状であってもよく、円環状であってもよいし、角環状であってもよいし、曲線状に延びる部分と直線状に延びる部分とを有する形状であってもよい。
【0016】
図1に示す本実施形態の回転電機1は、例えば、車両の電動パワーステアリングシステムに搭載されるモータである。回転電機1は、機電一体型のモータである。回転電機1は、モータ部10と、ケース20と、制御部70と、を備える。
【0017】
モータ部10は、ロータ11と、ステータ12と、を有する。ロータ11は、中心軸線J回りに回転可能である。ロータ11は、中心軸線Jを中心とする円環状のロータコア11aと、中心軸線Jを中心として第1方向D1に延びる円柱状のシャフト11cと、図示しないマグネットと、を有する。シャフト11cは、ロータコア11aの内部を第1方向D1に通される。シャフト11cは、ロータコア11aに固定される。図示しないマグネットは、ロータコア11aに固定されている。ステータ12は、ロータ11を囲む環状である。ステータ12は、ロータ11の径方向外側に配置される。
【0018】
ケース20は、モータ部10および制御部70を内部に収容する。ケース20は、ハウジング21と、蓋部材40と、基板カバー部材60と、を備える。
【0019】
ハウジング21は、内部にモータ部10および制御部70の一部を収容する。ハウジング21は、第1方向D1に延びる筒状である。ハウジング21は、中心軸線Jを囲んでいる。本実施形態において、ハウジング21は、金属製である。ハウジング21は、樹脂製であってもよい。
図1に示すように、ハウジング21は、モータ収容部22と、軸受保持部23と、周壁部24と、を有する。
【0020】
モータ収容部22は、第1方向D1に延びる筒状である。モータ収容部22は、中心軸線Jを囲んでいる。モータ収容部22の内部には、モータ部10が収容される。モータ収容部22の内周面には、ステータ12が固定されている。軸受保持部23は、モータ収容部22の上端から径方向内側に突出する略円環状である。第1方向D1に見て、軸受保持部23の内周面は、中心軸線Jを中心とする円形状である。軸受保持部23の内周面には、軸受91が保持される。軸受91は、シャフト11cを中心軸線J回りに回転可能に支持する。これにより、ロータ11は中心軸線J回りに回転可能である。
【0021】
図3に示すように、周壁部24は、モータ収容部22の上端から上側に延びる筒状である。周壁部24は、中心軸線Jを囲んでいる。周壁部24の内部には、制御部70の一部が収容される。周壁部24は、開口部24aと、第1突出部24bと、第1周壁部25と、第2周壁部26と、第3周壁部27と、第4周壁部28と、を有する。第1周壁部25と第4周壁部28とは、第2方向D2に対向する。第2周壁部26と第3周壁部27とは、第3方向D3に対向する。開口部24aは、上側、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)に開口する。開口部24aを介して、周壁部24の内部と、蓋部材40の内部とが繋がる。
【0022】
第1周壁部25は、周壁部24の第2方向D2の一方側(+D2側)の部分である。第1周壁部25は、第1方向D1に延びる板状である。第1周壁部25の板面は、第2方向D2を向く。第2方向D2に見て、第1周壁部25は、長辺が第1方向D1に延びる略長方形状である。第1周壁部25には、貫通孔25aが設けられる。貫通孔25aは、第1周壁部25を第2方向D2に貫通する孔である。すなわち、ハウジング21は、ハウジング21を第2方向D2に貫通する貫通孔25aを有する。
図1に示すように、貫通孔25aを介して、周壁部24の内部と基板カバー部材60の内部とが繋がる。
【0023】
図3に示すように、第2周壁部26は、周壁部24の第3方向D3の他方側(-D3側)の部分である。第3周壁部27は、周壁部24の第3方向D3の一方側(+D3側)の部分である。第1方向D1に見て、第2周壁部26および第3周壁部27それぞれの第2方向D2の一方側(+D2側)の部分は、第2方向D2に延びる直線状である。第1方向D1に見て、第2周壁部26および第3周壁部27それぞれの第2方向D2の他方側(-D2側)の部分は、径方向外側に凸となる略円弧状である。第2周壁部26および第3周壁部27それぞれの上端は、第2方向D2の一方側から第2方向D2の他方側に向かうにしたがって下側へ位置する。すなわち、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部は、第2方向D2の一方側から第2方向D2の他方側に向かうにしたがって下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)へ位置する。本実施形態において、第3方向D3に見て、ハウジング21の上端は、第2方向D2の一方側から第2方向D2の他方側に向かうにしたがって下側へ位置するように直線状に傾斜する。第3方向D3に見て、ハウジングの上端は、第2方向D2の一方側から第2方向D2の他方側に向かうにしたがって曲線状に下側へ位置してもよい。また、第3方向D3に見て、ハウジングの上端は、曲線および複数の直線によって構成された形状であってもよい。
【0024】
第4周壁部28は、周壁部24の第2方向D2の他方側(-D2側)の部分である。第1方向D1に見て、第4周壁部28は、第3方向D3に延びる略直線状である。第4周壁部28の上端は、第2周壁部26および第3周壁部27の上端と繋がる。第4周壁部28は、貫通孔25aと第2方向D2に対向する。
図1に示すように、第1方向D1において、第4周壁部28の上端は、第1周壁部25の上端よりも下側に位置する。第1方向D1において、第4周壁部28の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部は、貫通孔25aの上端よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。
【0025】
図2に示すように、第1突出部24bは、周壁部24から径方向外側に突出する。周壁部24には、3個の第1突出部24bが設けられる。各第1突出部24bは、周方向に沿って間隔をあけて配置される。図示は省略するが、各第1突出部24bには、第1方向D1に貫通する雌ねじ穴が設けられている。
【0026】
図1に示すように、蓋部材40は、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部に固定されている。蓋部材40は、開口部24aを塞いでいる。
図2に示すように、第1方向D1から見た蓋部材40の形状は、第1方向D1から見たハウジング21の形状と同様である。蓋部材40は、カバー41と、コネクタ50と、を有する。
【0027】
図1に示すように、カバー41は、開口部24aを塞いでいる。カバー41は、蓋部材40のうち、コネクタ50以外の部分である。カバー41は、天壁部42と、側壁部43と、取付部47と、第2基板固定部48と、を有する。
【0028】
天壁部42は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。
図2に示すように、第1方向D1に見て、天壁部42は、略矩形状である。側壁部43は、天壁部42の縁部から下側に突出する板状である。側壁部43は、第1側壁部44と、第2側壁部45と、第3側壁部46と、を有する。
【0029】
図4に示すように、第1側壁部44は、天壁部42の第3方向D3の他方側(-D3側)の縁部から下側に突出する板状である。第1側壁部44の板面は、第3方向D3を向く。第3方向D3に見て、第1側壁部44の上端は、第2方向D2に延びる。第1側壁部44の下端は、第2方向D2の一方側(+D2側)から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側へ位置するように直線状に傾斜する。図示は省略するが、第3方向D3に見て、第1側壁部44の下端が延びる方向は、ハウジング21の第2周壁部26の上端が延びる方向と平行である。第3方向D3に見て、第1側壁部44は、下端を斜辺とする略直角三角形状である。
【0030】
図2に示すように、第2側壁部45は、天壁部42の第3方向D3の一方側(+D3側)の縁部から下側に突出する板状である。第3方向D3に見て、第2側壁部45は、第1側壁部44と重なる。第3方向D3に見て、第2側壁部45の形状は、第1側壁部44の形状と同一である。図示は省略するが、第3方向D3に見て、第2側壁部45の下端が延びる方向は、ハウジング21の第3周壁部27の上端が延びる方向と平行である。
【0031】
図1に示すように、第3側壁部46は、天壁部42の第2方向D2の他方側(-D2側)の縁部から下側に突出する板状である。第3側壁部46の板面は、第2方向D2を向く。
図2に示すように、第2方向D2に見て、第3側壁部46は、長辺が第3方向D3に延びる略長方形状である。第3側壁部46の第3方向D3の他方側(-D3側)の端部は、第1側壁部44の第2方向D2の他方側の端部と繋がる。第3側壁部46の第3方向D3の一方側(+D3側)の端部は、第2側壁部45の第2方向D2の他方側の端部と繋がる。第2方向D2において、第3側壁部46は、第1周壁部25の一部と対向する。第2方向に見て、第3側壁部46は、貫通孔25aと重なる。
【0032】
第1方向D1に見て、取付部47は、天壁部42および側壁部43を径方向外側から囲む板状である。第1方向D1に見て、取付部47の径方向外縁は、カバー41の径方向外縁である。取付部47は、第1取付部47aと、第2取付部47bと、第3取付部47cと、第4取付部47dと、第2突出部47hと、を有する。また、
図4に示すように、取付部47は、環状溝部47fを有する。
【0033】
図2に示すように、第1取付部47aは、第3方向D3に延びる板状である。第1取付部47aは、天壁部42よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。第1取付部47aは、天壁部42の第2方向D2の一方側の縁部と繋がる。
【0034】
第2取付部47bは、第2方向D2の一方側(+D2側)から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側へ位置する板状である。第2取付部47bは、第1側壁部44の下端が延びる方向と略平行な方向に延びる。第2取付部47bは、第1側壁部44よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。第2取付部47bは、第1側壁部44の下端と繋がる。第2取付部47bは、第1取付部47aの第3方向D3の他方側の部分と繋がる。
【0035】
第3取付部47cは、第2方向D2の一方側(+D2側)から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側へ位置する板状である。図示は省略するが、第3取付部47cは、第2側壁部45の下端が延びる方向と平行な方向に延びる。第3取付部47cは、第2側壁部45よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。第3取付部47cは、第2側壁部45の下端と繋がる。第3取付部47cは、第1取付部47aの第3方向D3の一方側の部分と繋がる。
【0036】
第4取付部47dは、第3方向D3に延びる板状である。第4取付部47dは、第3側壁部46よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。第4取付部47dは、第3側壁部46の下端と繋がる。第4取付部47dは、第2取付部47bおよび第3取付部47cと繋がる。
【0037】
図4に示すように、環状溝部47fは、取付部47の下側を向く面から上側に窪む溝である。環状溝部47fは、中心軸線Jを囲む環状である。
図1に示すように、環状溝部47fの内部には、周壁部24の上端が周方向一周に亘って挿入される。
図4に示すように、環状溝部47fの第2方向D2の一方側(+D2側)の部分は、第3方向D3に直線状に延び、
図1に示すように第1周壁部25の上端が挿入される。
図4に示すように、環状溝部47fの第3方向D3の他方側(-D3側)の部分および第3方向D3の一方側(+D3側)の部分のそれぞれは、第2方向D2の一方側から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側へ位置するように直線状に傾斜し、図示は省略するが第2周壁部26の上端および第3周壁部27の上端のそれぞれが挿入される。環状溝部47fの第2方向D2の他方側の部分は、第3方向D3に直線状に延び、
図1に示すように第4周壁部28の上端が挿入される。
【0038】
環状溝部47fの内側面と周壁部24の上端との間には、封止材94が配置される。すなわち、カバー41とハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部との間には、封止材94が配置される。封止材94は、環状溝部47fの内側面および周壁部24の両方と接触する。封止材94は、カバー41とハウジング21との間を封止する。図示は省略するが、封止材94は、環状溝部47fの内部に周方向一周に亘って配置される。これにより、カバー41とハウジング21との間は、周方向一周に亘って封止される。本実施形態において、封止材94としては、例えば、シリコーン系ガスケットおよびアクリル系ガスケット等の弾性を有する液状ガスケットを用いることができる。ハウジング21に蓋部材40を取り付ける工程において、液状の封止材94を環状溝部47fの内部に塗布し、蓋部材40をハウジング21に取り付けた後に液状の封止材94を硬化させることによって、封止材94は構成される。なお、封止材94は、環状のOリングであってもよい。
【0039】
図2に示すように、第2突出部47hは、取付部47から径方向外側に突出する。取付部47には、3個の第2突出部47hが設けられる。各第2突出部47hは、周方向に沿って間隔をあけて配置される。各第2突出部47hは、第1突出部24bと第1方向D1に重なる。各第2突出部47hは、第1突出部24bと第1方向D1に接触する。各第2突出部47hには、第1方向D1に貫通する孔で設けられる。図示しないボルトが、各第2突出部47hの孔を第1方向D1に通され、第1突出部24bの雌ねじ孔に締め込まれると、カバー41はハウジング21に固定される。これにより、蓋部材40はハウジング21に固定される。なお、
図1に示すように、第2突出部47hの下端は、カバー41の下端である。第2突出部47hの下端は、貫通孔25aの下端よりも上側に位置する。すなわち、貫通孔25aの下端は、カバー41の下端よりも下側に位置する。
【0040】
図4に示すように、第2基板固定部48は、第1方向D1に突出する柱状である。本実施形態において、第2基板固定部48は、2個の第1固定部48aと、2個の第2固定部48eと、を有する。
【0041】
2個の第1固定部48aのそれぞれは、取付部47の第2方向D2の一方側(+D2側)の部分から下側に突出する。2個の第1固定部48aは、第3方向D3に間隔をあけて配置される。一方の第1固定部48aは、第2取付部47bと繋がる。他方の第1固定部48aは、第3取付部47cと繋がる。各第1固定部48aの下側を向く面には上側に窪む雌ねじ穴が設けられる。各第1固定部48aには、挿通部48bが設けられる。挿通部48bは、第1固定部48aの下側を向く面から下側に突出する円柱状である。
【0042】
2個の第2固定部48eのそれぞれは、天壁部42の第2方向D2の他方側(-D2側)の部分から下側に突出する。2個の第2固定部48eは、第1固定部48aよりも第2方向D2の他方側に配置される。2個の第2固定部48eは、第3方向D3に間隔をあけて配置される。各第2固定部48eの下側を向く面には上側に窪む雌ねじ孔が設けられる。
図1に示すように、第1方向D1において、第2固定部48eの下端は、第1固定部48aの下端と略同じ位置である。
【0043】
コネクタ50は、制御部70と図示しない外部コネクタとを電気的に接続する。外部コネクタは、車両が有する電源部およびメイン制御部等の各部と電気的に接続される。これらにより、制御部70は、車両が有する電源部およびメイン制御部等の各部と電気的に接続される。コネクタ50には、外部コネクタが挿抜可能である。
図1に示すように、コネクタ50は、ハウジング21よりも上側、すなわち第1方向の一方側(+D1側)に配置される。
図2に示すように、コネクタ50は、第1コネクタ51と、第2コネクタ55と、を有する。第1コネクタ51は、天壁部42の第2方向D2の一方側(+D2側)の部分と繋がる。第2コネクタ55は、天壁部42の第2方向D2の他方側(-D2側)の部分と繋がる。これらにより、コネクタ50は、カバー41と繋がる。第2コネクタ55は、第1コネクタ51よりも第2方向D2の他方側に配置される。
【0044】
図1に示すように、第1コネクタ51は、保持部52と、第1端子53と、を有する。保持部52は、絶縁性を有する。本実施形態において、保持部52は、樹脂製である。保持部52は、第1端子53を保持する。保持部52は、第1筒状部52aと、第1底壁部52bと、を有する。
【0045】
第1筒状部52aは、天壁部42から上側に突出する。
図2に示すように、第1筒状部52aは、上側に開口し、第3方向D3に長い略四角筒状である。第1筒状部52aは、天壁部42と繋がる。
図1に示すように、第1底壁部52bは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。第1底壁部52bの外縁は、第1筒状部52aの下端と繋がる。第1底壁部52bは、第1端子53を保持する。
【0046】
第1端子53は、金属製の細長の部材である。本実施形態において、第1端子53は、一部が第1底壁部52bに埋め込まれる。これにより、第1端子53は、保持部52に保持される。
図2に示すように、本実施形態において、第1コネクタ51は、2個の第1端子53を有する。各第1端子53は、第3方向D3に間隔をあけて配置される。
図1に示すように、第1端子53は、第1延伸部53aと、第2延伸部53bと、を有する。第1延伸部53aは、第1方向D1に延びる。第1延伸部53aは、第1底壁部52bを第1方向D1に通される。第1延伸部53aは、保持部52に保持される。第1延伸部53aの上端は、第1筒状部52aの内部に位置する。第1延伸部53aが第1筒状部52a内に露出することで、第1端子53は、ケース20の外部に露出する。第1延伸部53aの下端は、ケース20の内部に位置する。
【0047】
第2延伸部53bは、第1延伸部53aの下端から第2方向D2の一方側(+D2側)に延びる。第2延伸部53bは、貫通孔25aを第2方向D2に通される。第2延伸部53bの第2方向D2の一方側の端部は、基板カバー部材60の内部に位置する。第2延伸部53bは、第4周壁部28の上端よりも上側に位置する。つまり、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部のうち貫通孔25aと第2方向D2に対向する部分である第4周壁部28の上端は、第1端子53よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。
【0048】
図2に示すように、第2コネクタ55は、第2保持部56と、第3保持部57と、第2端子と、を有する。第2保持部56および第3保持部57は、絶縁性を有する。本実施形態において、第2保持部56および第3保持部57は、樹脂製である。第2保持部56および第3保持部57のそれぞれは、第2端子58を保持する。第2保持部56と第3保持部57とは第3方向D3に間隔をあけて配置される。第2保持部56は、第3保持部57よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。第2保持部56は、第2筒状部56aと、第2底壁部56bと、を有する。第3保持部57は、第3筒状部57aと、第3底壁部57bと、を有する。
【0049】
第2筒状部56aは、天壁部42から上側に突出する。第2筒状部56aは、上側に開口し、第3方向D3に長い略四角筒状である。第2筒状部56aは、天壁部42と繋がる。
図1に示すように、第2底壁部56bは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。第2底壁部56bの外縁は、第2筒状部56aの下端と繋がる。第2底壁部56bは、第2端子58を保持する。
【0050】
図2に示すように、第3筒状部57aは、天壁部42から上側に突出する。第3筒状部57aは、上側に開口し、第3方向D3に長い略四角筒状である。第3筒状部57aは、天壁部42と繋がる。第3底壁部57bは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。第3底壁部57bの外縁は、第3筒状部57aの下端と繋がる。第3底壁部57bは、第2端子58を保持する。
【0051】
第2端子58は、金属製の細長の部材である。本実施形態において、コネクタ50は、複数の第2端子58を有する。一部の第2端子58は、第2底壁部56bに埋め込まれ、第2保持部56に保持される。他の第2端子58は、第3底壁部57bに埋め込まれ、第3保持部57に保持される。第2端子58の上端は、第2筒状部56aおよび第3筒状部57aの内部に位置し、ケース20の外部に露出する。
図1に示すように、第2端子58の下端は、ケース20の内部に位置する。
【0052】
本実施形態において、カバー41、保持部52、第2保持部56、および第3保持部のそれぞれは互いに同一の単一部材の一部である。つまり、カバー41は、保持部52と同一の部材を用いて形成されている。本実施形態において、蓋部材40は、第1端子53および第2端子58をインサート部材とするインサート成形によって作られている。
【0053】
図1に示すように、基板カバー部材60は、ハウジング21の外側面に図示しないボルトによって固定されている。より詳細には、基板カバー部材60は、第1周壁部25の第2方向D2の一方側(+D2側)を向く外側面に固定されている。基板カバー部材60は、第2方向D2と直交する方向に広がる板状である。基板カバー部材60は、貫通孔25aよりも第2方向D2の一方側に配置される。
【0054】
制御部70は、モータ部10の動作を制御する。制御部70は、ケース20の内部に収容されている。制御部70は、第1基板71と、第2基板72と、基板間コネクタ75と、を有する。第1基板71と第2基板72とは、基板間コネクタ75を介して電気的に接続される。第1基板71および第2基板72は、図示しないバスバー等を介してモータ部10と電気的に接続される。
【0055】
第1基板71は、ハウジング21と基板カバー部材60との間に配置される。第1基板71は、ハウジング21に対して第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。第1基板71は、第2方向D2と直交する方向に広がる板状である。第1基板71には、図示しないインバータ回路等を構成する複数の電子素子が実装されている。第1基板71に設けられたインバータ回路は、ステータ12に電力を供給する。第1基板71は、ハウジング21に固定される。第1基板71は、図示しないねじによってハウジング21に固定されている。より詳細には、第1基板71は、第1周壁部25の第2方向D2の一方側を向く外側面に固定されている。第2方向D2に見て、第1基板71の一部は、貫通孔25aと重なる。第1基板71には、第1端子53の第2延伸部53bが接続される。第2延伸部53bは、例えば、はんだ付けによって第1基板71と接続される。これにより、第1基板71と第1コネクタ51とが電気的に接続される。また、第1コネクタ51を介して、第1基板71と図示しない外部コネクタとが電気的に接続される。
【0056】
第2基板72は、周壁部24と蓋部材40とによって構成される空間に収容される。第2基板72は、コネクタ50よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。第1方向D1に見て、第2基板72は、コネクタ50と重なる。第2基板72は、モータ部10よりも上側に配置される。第1方向D1に見て、第2基板72は、モータ部10と重なる。第1方向D1において、カバー41の下端、すなわち第2突出部47hの下端は、第2基板72よりも下側に位置する。第2基板72は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。第2基板72には、複数の第2端子58が接続される。複数の第2端子58は、例えば、はんだ付けによって第2基板72と接続される。これにより、制御部70と第2コネクタ55とが電気的に接続される。また、第2コネクタ55を介して、第2基板72と図示しない外部コネクタとが電気的に接続される。第2基板72には、第1孔部72aおよび第2孔部72bが設けられる。
【0057】
第1孔部72aおよび第2孔部72bのそれぞれは、第2基板72を第1方向D1に貫通する孔である。本実施形態において、第2基板72には、4個の第1孔部72aおよび2個の第2孔部72bが設けられる。図示は省略するが、第1方向D1に見て、2個の第1孔部72aは、第1固定部48aの雌ねじ穴と重なる。図示は省略するが、第1方向D1に見て、他の2個の第1孔部72aは、第2固定部48eの雌ねじ穴と重なる。ねじ93が各第1孔部72aに通され、第1固定部48aおよび第2固定部48eそれぞれの雌ねじ穴に締め込まれると、第2基板72は、蓋部材40に固定される。つまり、第2基板72は、蓋部材40およびハウジング21のうちの蓋部材40にのみ固定される。2個の第2孔部72bのそれぞれには、挿通部48bが第1方向D1に通される。これにより、蓋部材40に対する第2基板72の周方向および径方向の位置が決まる。
【0058】
本実施形態によれば、回転電機1は、コネクタ50よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される第2基板72を備え、コネクタ50は、第2基板72と接続される第2端子58を有し、第2基板72は、蓋部材40およびハウジング21のうちの蓋部材40にのみ固定される。コネクタ50に外部コネクタを挿抜する際に、コネクタ50と外部コネクタとの間の摩擦力等によって蓋部材40が第1方向D1に弾性変形すると、第2基板72には第2端子58を介して第1方向D1を向く力が加わる。本実施形態の構成と異なり、第2基板72がハウジング21に固定される構成の場合、第2端子58と第2基板72とを接続する例えばはんだ等の接続部に応力が加わるため、第2端子58と第2基板72との接続が不安定になる虞がある。これに対して、本実施形態では、上述のように、第2基板72が蓋部材40にのみ固定されるため、コネクタ50に外部コネクタを挿抜する際に蓋部材40が第1方向D1に変形しても、第2基板72は蓋部材40の変形に合わせて第1方向D1に移動する。これにより、上述の第2基板72がハウジング21に固定される構成と比較して、第2端子58と第2基板72とを接続する接続部に加わる応力を大幅に低減できる。したがって、第2端子58と第2基板72との接続が安定するため、回転電機1を安定的に動作させることができる。
【0059】
基板間コネクタ75は、第1基板71および第2基板72のそれぞれに接続される。基板間コネクタ75は、第2基板72よりも下側、かつ、第1基板71よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。基板間コネクタ75は、貫通孔25aを第2方向D2に通される。基板間コネクタ75は、複数のコネクタピンを有する、各コネクタピンの一端は、第1基板71に接続され、各コネクタピンの他端は、第2基板72に接続される。各コネクタピンは、例えば、はんだ付けによって第1基板71および第2基板72のそれぞれに接続される。
【0060】
次に、本実施形態の回転電機1の製造方法について説明する。本実施形態の回転電機1の製造工程は、ハウジング21に蓋部材40を固定する蓋部材固定工程Mcを含む。蓋部材固定工程Mcは、第1工程S1と、第2工程S2と、を有する。なお、本明細書において「作業者等」とは、蓋部材固定工程Mcの各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
【0061】
第1工程S1は、蓋部材40、すなわちコネクタ50およびカバー41を、ハウジング21の第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2側)に移動させて、第1端子53の第2延伸部53bを貫通孔25aに通す工程である。第1工程S1では、作業者等は、
図5に示すように、図示しない治具等に固定されたハウジング21の第2方向D2の他方側に蓋部材40を配置する。なお、蓋部材40には、あらかじめ第2基板72が固定されている。また、蓋部材固定工程Mcでは、第1工程S1よりも前に、蓋部材40の環状溝部47fの内部に周方向一周に亘って液状の封止材94を塗布する塗布工程Saを行っている。このとき、作業者等は、第1方向D1において、第2基板72を、第4周壁部28の上端よりも上側に配置し、第1端子53の第2延伸部53bを、貫通孔25aの上端よりも下側に配置する。上述のように、本実施形態では、ハウジング21の上端のうち貫通孔25aと第2方向D2に対向する第4周壁部28の上端が、貫通孔25aの上端よりも下側に位置するため、ハウジング21に対して蓋部材40を上記のように配置できる。なお、本実施形態では、封止材94として環状のOリングが、環状溝部47fの内部の周方向一周に亘って配置されていてもよい。
【0062】
次に、作業者等は、蓋部材40を第2方向D2の一方側(+D2側)に移動させる。上述のように、第2基板72は、第4周壁部28よりも上側に配置されるため、
図6に示すように、蓋部材40および第2基板72のそれぞれは、第4周壁部28の上側を第2方向D2の一方側に向けて通過できる。つまり、蓋部材40および第2基板72のそれぞれは、第4周壁部28と干渉することなく、周壁部24の内部を第2方向D2の一方側に向けて移動できる。上述のように、第2延伸部53bは、貫通孔25aの上端よりも下側に配置されるため、蓋部材40を第2方向D2の一方側にさらに移動すると、第2延伸部53bは貫通孔25aを第2方向D2に通される。作業者等は、環状溝部47fが周壁部24の上側に位置するまで蓋部材40を第2方向D2の一方側に移動すると、蓋部材40の移動を停止する。
【0063】
次に、作業者等は、蓋部材40を下側に移動させ、
図7に示すように、環状溝部47fの内部に周壁部24の上端を挿入しつつ、第2突出部47hを第1突出部24bに接触させる。このとき、封止材94は、周壁部24と接触する。これにより、封止材94は、周方向一周に亘って、カバー41および周壁部24の両方と接触する。次に、作業者等は、図示しないボルトによって、第2突出部47hを第1突出部24bに固定すると、蓋部材40はハウジング21に固定される。ハウジング21および蓋部材40を封止する封止材94は、時間経過により硬化する。これにより、カバー41とハウジング21との間は、周方向一周に亘って封止される。封止材94の硬化が終了すると、第1工程S1は終了する。
【0064】
本実施形態によれば、ハウジング21の上端すなわち、第1方向D1の一方側(+D1側)の端部は、第2方向D2の一方側(+D2側)から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)へ位置する。また、カバー41とハウジング21の上端との間には、カバー41とハウジング21との間を封止する封止材94が配置される。よって、第3方向D3に見て、ハウジング21の上端の形状を、角部を有しない形状、または、角部を有していても角部の角度が大きい形状にし易い。そのため、塗布工程Saにおいて、液状の封止材94を蓋部材40の環状溝部47fに塗布する際に、均一に封止材94を塗布し易い。よって、第1工程S1において、液状の封止材94の内部に空気が巻き込まれることを抑制し易い。したがって、硬化した封止材94に巣が発生することを抑制し易いため、カバー41とハウジング21との間の封止性能を高めることができる。また、液状の封止材94を蓋部材40の環状溝部47fに塗布する際に、均一に封止材94を塗布し易いため、塗布工程Saを簡略化し易い。
【0065】
なお、本実施形態において、封止材94として環状のOリングを用いる場合、上述のように、ハウジング21の上端の形状を、角部を有しない形状、または、角部を有していても角部の角度が大きい形状にし易いため、Oリングとハウジング21の上端とを安定して接触させ易い。したがって、Oリングとハウジング21の上端との間に隙間が生じることを抑制し易いため、カバー41とハウジング21との間の封止性能を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態では、上述のように、第1方向D1において、第4周壁部28の上端は、第1周壁部25の上端よりも下側に位置する。また、第3方向D3に見て、第2周壁部26および第3周壁部27の上端は、第2方向D2の一方側(+D2側)から第2方向D2の他方側(-D2側)に向かうにしたがって下側へ位置する。そのため、第1方向D1において、第2周壁部26、第3周壁部27、および第4周壁部28の上端が、第1周壁部25の上端と同じ位置に位置する構成のハウジングと比較して、ハウジング21の体積を小さくし易い。また、本実施形態では、カバー41が有する第1側壁部44、第2側壁部45、第3側壁部46によって、周壁部24の上側を覆っている。したがって、本実施径形態では、金属製のハウジング21の体積を削減し易いとともに、樹脂製のカバー41の体積を増大させ易い。したがって、ケース20の軽量化を図ることができるとともに、ケース20の製造コストを削減できる。
【0067】
本実施形態によれば、第3方向D3に見て、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部は、直線状に傾斜する。よって、塗布工程Saにおいて、液状の封止材94を蓋部材40の環状溝部47fに塗布する際に、均一に封止材94を塗布し易い。よって、第1工程S1において液状の封止材94に空気が巻き込まれることをより好適に抑制し易い。したがって、硬化した封止材94に巣が発生することをより好適に抑制し易いため、カバー41とハウジング21との間の封止性能をより高めることができる。また、液状の封止材94を蓋部材40の環状溝部47fに塗布する際に、均一に封止材94を塗布し易いため、塗布工程を簡略化し易い。
【0068】
また、本実施形態では、治具等によって、液状の封止材94を環状溝部47fの内部に塗布する際に、治具等が有するノズルを直線状にのみ移動させることによって、液状の封止材94を環状溝部47fの内部の周方向一周に亘って塗布できる。よって、係る治具等の構成の簡易化を図ることができるとともに、治具等を動作させる制御プログラムの簡素化を図ることができる。
【0069】
なお、本実施形態において、封止材94として環状のOリングを用いる場合、上述のように、ハウジング21の上端の形状は直線状に傾斜するため、Oリングとハウジング21の上端とをより安定して接触させ易い。したがって、Oリングとハウジング21の上端との間に隙間が生じることをより抑制し易いため、カバー41とハウジング21との間の封止性能をより高めることができる。
【0070】
第2工程S2は、第1端子53の第2延伸部53bを第1基板71に接続する工程である。
図7に示すように、作業者等は、ハウジング21の第2方向D2の一方側(+D2側)に第1基板71を配置し、第1基板71を第2方向D2の他方側(-D2側)に移動する。次に、作業者等は、第1基板71の図示しない孔部に第2延伸部53bを第2方向D2に通す。次に、作業者等は、第1基板71を第1周壁部25の第2方向D2の一方側を向く面に図示しないねじ等によって固定する。次に、作業者等は、例えば、はんだ付けによって第2延伸部53bを第1基板71に接続する。これにより、第1コネクタ51は、第1基板71と電気的に接続される。第2延伸部53bを第1基板71に接続すると、第2工程S2は終了する。第2工程S2が終了すると、
図1に示すように、第1基板71はハウジング21に固定され、第2延伸部53bは第1基板71に接続される。第2工程S2において、作業者等は、あらかじめ第2基板72に接続されている基板間コネクタ75の複数のコネクタピンを第1基板71に接続する作業も併せて行う。
【0071】
なお、第1基板71をハウジング21に固定する作業は、第1工程S1よりも以前の工程で行ってもよい。この場合、上述の第1工程S1において、作業者等は、蓋部材40を第2方向D2の一方側(+D2側)に移動する際に、第1基板71の図示しない孔部に第2延伸部53bを通す。この場合、第2工程S2において、作業者等は、例えば、はんだ付けによって第2延伸部53bを第1基板71に接続する作業のみを行う。
【0072】
本実施形態によれば、回転電機1は、ハウジング21と、ハウジング21に対して第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される第1基板71と、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部に固定される蓋部材40と、を備える。ハウジング21は、ハウジング21を第2方向D2に貫通する貫通孔25aを有し、蓋部材40は、第1端子53と第1端子53を保持する保持部52とを有するコネクタ50と、開口部24aを覆い、保持部52と同一の部材を用いて形成されたカバー41と、を有する。第1端子53は、第2方向D2に延び、貫通孔25aを第2方向D2に通され、第1基板71と接続される第2延伸部53bと、を有する。ハウジング21の上端のうち貫通孔25aと第2方向D2に対向する部分である第4周壁部28の上端は、貫通孔25aの上端よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。よって、ハウジング21の第4周壁部28の上端が貫通孔25aの上端よりも下側に位置するため、上述のように、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1において、ハウジング21に対して蓋部材40を第2方向D2の一方側に移動させる簡易な作業によって、カバー41および第1端子53がハウジング21に干渉することを抑制しつつ、第1端子53の第2延伸部53bを貫通孔25aに通すことができる。したがって、コネクタ50とカバー41とが単一部材である構成においても、容易にコネクタ50およびカバー41を含む蓋部材40をハウジング21に取り付けることができる。また、上述のように、コネクタ50とカバー41とが単一部材であるため、コネクタ50とカバー41とが別個に設けられる構成と比較して、カバー41にコネクタ50を取り付ける作業が不要になる。したがって、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1の工数を削減できるため、回転電機1の製造工数を削減できる。すなわち、本実施形態によれば、回転電機1の組み立て工程を簡素化できる。
【0073】
また、本実施形態では、上述のように、コネクタ50とカバー41とが単一部材であるため、コネクタ50とカバー41とが別個に設けられる構成と比較して、回転電機1の部品点数を削減できる。したがって、回転電機1の製造コストが増大することを抑制できる。
【0074】
本実施形態によれば、ハウジング21の上端、すなわち第1方向D1の一方側(+D1側)の端部のうち貫通孔25aと第2方向D2に対向する部分である第4周壁部28の上端は、第1端子53よりも下側、すなわち第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。よって、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1において、蓋部材40を第2方向D2の一方側(+D2側)に移動する際に、第1端子53がハウジング21に干渉することをより好適に抑制できる。そのため、より容易に蓋部材40をハウジング21に取り付けることができる。したがって、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1の工数をより削減できるため、回転電機1の製造工数をより削減できる。すなわち、本実施形態によれば、回転電機1の組み立て工程を簡素化できる。
【0075】
本実施形態によれば、回転電機1の製造方法は、コネクタ50およびカバー41を、ハウジング21の第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2側)に移動させて、第2延伸部53bを貫通孔25aに通す第1工程S1と、第2延伸部53bを第1基板71に接続する第2工程S2と、を有する。よって、上述のように、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1において、ハウジング21に対して蓋部材40を第2方向D2の一方側に移動させる簡易な作業によって、蓋部材40がハウジング21に干渉することを抑制しつつ、第1端子53の第2延伸部53bを貫通孔25aに通すことができる。したがって、コネクタ50とカバー41とが単一部材である構成においても、容易に蓋部材40をハウジング21に取り付けることができる。また、上述のように、コネクタ50とカバー41とが単一部材であるため、カバー41にコネクタ50を取り付ける作業が不要になる。したがって、蓋部材固定工程Mcの第1工程S1の工数を削減できるため、回転電機1の製造工数を削減できる。すなわち、本実施形態によれば、回転電機1の組み立て工程を簡素化できる。
【0076】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0077】
第1方向において、第4周壁部の上端が、貫通孔の上端よりも下側に位置するならば、周壁部の形状は特に限定されない。例えば、第3方向に見て第2周壁部の上端および第3周壁部の上端の形状は、上側に突出する円弧状および下側に突出する円弧状等の曲線状であってもよいし、角部を有していてもよい。また、第2周壁部の上端および第3周壁部の上端のそれぞれは、第2方向に直線状に延びてもよい。この場合、第3方向に見て、第2周壁部および第3周壁部それぞれの形状は矩形状であり、周壁部は第2方向の他方側に開口する。
【0078】
封止材を構成する材料は特に限定されず、ゴム等のエラストマーであってもよいし、シリコーン系接着剤および変成シリコーン系接着剤等の弾性接着剤であってもよい。また、封止材は、ゴムシート等の弾性体であってもよい。
【0079】
本発明が適用される回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、どのような機器に搭載されてもよい。回転電機は、車両に搭載されなくてもよい。本発明が適用される電子機器は、回転電機以外の機器であってもよい。なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0080】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、前記ハウジングに対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、を備え、前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、前記蓋部材は、第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、を有し、前記第1端子は、前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、前記第2方向に延び、前記貫通孔を前記第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、を有し、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、回転電機。
(2) 前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部は、前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に向かうにしたがって前記第1方向の他方側へ位置し、前記カバーと前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部との間には、前記カバーと前記ハウジングとの間を封止する封止材が配置される、(1)に記載の回転電機。
(3) 前記第1方向および前記第2方向の両方と直交する第3方向に見て、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部は、直線状に傾斜する、(2)に記載の回転電機。
(4) 前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記第1端子よりも前記第1方向の他方側に位置する、(1)から(3)のいずれか一項に記載の回転電機。
(5) 前記第1方向と直交する方向に広がり、前記コネクタよりも前記第1方向の他方側に配置される第2基板を備え、前記コネクタは、前記第2基板と接続される第2端子を有し、前記第2基板は、前記蓋部材および前記ハウジングのうちの前記蓋部材にのみ固定される、(1)から(4)のいずれか一項に記載の回転電機。
(6)第1方向に延びる筒状であって、前記第1方向の一方側に開口する開口部を有するハウジングと、前記ハウジングよりも前記第1方向と交差する第2方向の一方側に配置される第1基板と、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部に固定される蓋部材と、を備え、前記ハウジングは、前記ハウジングを前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、前記蓋部材は、第1端子と前記第1端子を保持する保持部とを有するコネクタと、前記開口部を覆い、前記保持部と同一の部材を用いて形成されたカバーと、を有し、前記第1端子は、前記第1方向に延び、前記保持部に保持される第1延伸部と、前記第2方向に延び、前記貫通孔を第2方向に通され、前記第1基板と接続される第2延伸部と、を有し、前記ハウジングの前記第1方向の一方側の端部のうち前記貫通孔と前記第2方向に対向する部分は、前記貫通孔の前記第1方向の一方側の端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、回転電機の製造方法であって、前記コネクタおよび前記カバーを、前記ハウジングの前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に移動させて、前記第2延伸部を前記貫通孔に通す第1工程と、前記第2延伸部を前記第1基板に接続する第2工程と、を有する、回転電機の製造方法。
【符号の説明】
【0081】
1…回転電機、21…ハウジング、24a…開口部、25a…貫通孔、40…蓋部材、41…カバー、50…コネクタ、52…保持部、53…第1端子、53a…第1延伸部、53b…第2延伸部、58…第2端子、71…第1基板、72…第2基板、94…封止材、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、S1…第1工程、S2…第2工程