(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144961
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057158
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】数野 修一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC60
5L050CC60
(57)【要約】
【課題】蓄電装置をより適切に管理することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体を提供すること。
【解決手段】実施形態の一態様に係る情報処理装置は、蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を、該材料が存在する存在位置に関する情報と対応付けて記憶する記憶部を備える情報処理装置である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を、該材料が存在する存在位置に関する情報と対応付けて記憶する記憶部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記蓄電装置の識別情報と、前記材料量に関する情報とが紐付けられた紐付情報を記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
少なくとも前記識別情報を外部から受信する受信部を更に備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信部により受信された前記識別情報と、前記記憶部に記憶された前記紐付情報とに基づいて、
前記識別情報に対応する前記材料量を抽出する抽出部を更に備える、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記紐付情報に含まれる前記識別情報を有する前記蓄電装置に該当しない他の蓄電装置の前記材料の材料量に関する情報を受信する、
請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記他の蓄電装置の前記材料の材料量に関する情報を記憶する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記蓄電装置に内在する前記材料の産出地に関する情報を記憶する、
請求項1から6のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記蓄電装置の生産から廃棄に至る各段階で排出される二酸化炭素の量である二酸化炭素排出量に関する情報を記憶する、
請求項1から7のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記蓄電装置は、複数の所有者の間で所有権が移転可能であり、
前記記憶部は、前記蓄電装置の現在および/または過去の所有者に関する情報を記憶する、
請求項1から8のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記蓄電装置に内在する前記材料を利用する利用施設、または、再利用する再利用施設に関する施設に関する情報を記憶する、
請求項1から9のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記施設に関する情報は、前記施設の前記利用施設または前記再利用施設の存在位置に関する情報を含む、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記施設に関する情報は、前記材料の受け入れ可否または受け入れ能力に関する情報を含む、
請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記蓄電装置の管理者、所有者、又は、使用者の何れかである管理者等が使用する端末の表示部で表示するための表示情報を生成する生成部を更に備える、
請求項1から12のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示情報は、前記材料量を視覚的に表す表示領域を含む、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示情報は、前記材料の前記存在位置と、地図情報とが重ね合わされた表示領域を含む、
請求項13または14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示情報は、前記材料量の大きさに応じた表示態様で前記表示領域に表示される、
請求項14または15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記材料は、複数の材料を含み、
前記表示情報は、複数の前記材料ごとに前記表示領域に表示される、
請求項14から16のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記材料の価値に関する情報を取得する取得部を更に備える、
請求項1から17のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記記憶部は、前記取得部により取得された前記材料の価値に関する情報に基づいて、前記材料量を記憶する材料の種類を変更する、
請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記記憶部に記憶された前記材料の材料量に関する情報と、前記取得部により取得された前記価値に関する情報とに基づいて、前記材料の価値を算出する算出部を更に備える、
請求項18または19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記蓄電装置は、複数の蓄電装置を含み、
複数の前記蓄電装置の前記材料ごとの複数の前記材料量に関する情報を合計する合計部を更に備える、
請求項1から20のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記記憶部は、前記蓄電装置の使用履歴に関する情報に基づいて、前記蓄電装置の前記材料の前記材料量を調整して記憶する、
請求項1から21のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項23】
蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を取得するステップと、
前記材料が存在する存在位置に関する情報を取得するステップと、
前記材料量に関する情報と、前記存在位置に関する情報とを対応付けて記憶するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項24】
蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を取得するステップと、
前記材料が存在する存在位置に関する情報を取得するステップと、
前記材料量に関する情報と、前記存在位置に関する情報とを対応付けて記憶するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載されたプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動車両に搭載される二次電池に関するデータと、二次電池の市場の存在量とを用いて、二次電池の再利用による供給可能量および二次電池の需要量に基づいて、二次電池の再利用による製造量を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような技術においては、二次電池等の蓄電装置を、蓄電装置ごとではなく該装置に内在する材料までを考慮して管理されていなかった。そのため、蓄電装置を適切に管理することができない可能性があるという課題があった。
【0005】
本願は上記課題の解決のため、蓄電装置をより適切に管理することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体は、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報処理装置は、蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を、該材料が存在する存在位置に関する情報と対応付けて記憶する記憶部を備える、情報処理装置である。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記記憶部は、前記蓄電装置の識別情報と、前記材料量に関する情報とが紐付けられた紐付情報を記憶するものである。
【0008】
(3):上記(2)の態様において、少なくとも前記識別情報を外部から受信する受信部を更に備えるものである。
【0009】
(4):上記(3)の態様において、前記受信部により受信された前記識別情報と、前記記憶部に記憶された前記紐付情報とに基づいて、前記識別情報に対応する前記材料量を抽出する抽出部を更に備えるものである。
【0010】
(5):上記(3)または(4)の態様において、前記受信部は、前記紐付情報に含まれる前記識別情報を有する前記蓄電装置に該当しない他の蓄電装置の前記材料の材料量に関する情報を受信するものである。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、前記記憶部は、前記他の蓄電装置の前記材料の材料量に関する情報を記憶するものである。
【0012】
(7):上記(1)~(6)のうち何れか一つの態様において、前記記憶部は、前記蓄電装置に内在する前記材料の産出地に関する情報を記憶するものである。
【0013】
(8):上記(1)~(7)のうち何れか一つの態様において、前記記憶部は、前記蓄電装置の生産から廃棄に至る各段階で排出される二酸化炭素の量である二酸化炭素排出量に関する情報を記憶するものである。
【0014】
(9):上記(1)~(8)のうち何れか一つの態様において、前記蓄電装置は、複数の所有者の間で所有権が移転可能であり、前記記憶部は、前記蓄電装置の現在および/または過去の所有者に関する情報を記憶するものである。
【0015】
(10):上記(1)~(9)のうち何れか一つの態様において、前記記憶部は、前記蓄電装置に内在する前記材料を利用する利用施設、または、再利用する再利用施設に関する施設に関する情報を記憶するものである。
【0016】
(11):上記(10)の態様において、前記施設に関する情報は、前記施設の前記利用施設または前記再利用施設の存在位置に関する情報を含むものである。
【0017】
(12):上記(10)または(11)の態様において、前記施設に関する情報は、前記材料の受け入れ可否または受け入れ能力に関する情報を含むものである。
【0018】
(13):上記(1)~(12)のうち何れか一つの態様において、前記蓄電装置の管理者、所有者、又は、使用者の何れかである管理者等が使用する端末の表示部で表示するための表示情報を生成する生成部を更に備えるものである。
【0019】
(14):上記(13)の態様において、前記表示情報は、前記材料量を視覚的に表す表示領域を含むものである。
【0020】
(15):上記(13)または(14)の態様において、前記表示情報は、前記材料の前記存在位置と、地図情報とが重ね合わされた表示領域を含むものである。
【0021】
(16):上記(14)または(15)の態様において、前記表示情報は、前記材料量の大きさに応じた表示態様で前記表示領域に表示されるものである。
【0022】
(17):上記(14)~(16)のうち何れか一つの態様において、前記材料は、複数の材料を含み、前記表示情報は、複数の前記材料ごとに前記表示領域に表示されるものである。
【0023】
(18):上記(1)~(17)のうち何れか一つの態様において、前記材料の価値に関する情報を取得する取得部を更に備えるものである。
【0024】
(19):上記(18)の態様において、前記記憶部は、前記取得部により取得された前記材料の価値に関する情報に基づいて、前記材料量を記憶する材料の種類を変更するものである。
【0025】
(20):上記(18)または(19)の態様において、前記記憶部に記憶された前記材料の材料量に関する情報と、前記取得部により取得された前記価値に関する情報とに基づいて、前記材料の価値を算出する算出部を更に備えるものである。
【0026】
(21):上記(1)~(17)のうち何れか一つの態様において、前記蓄電装置は、複数の蓄電装置を含み、複数の前記蓄電装置の前記材料ごとの複数の前記材料量に関する情報を合計する合計部を更に備えるものである。
【0027】
(22):上記(1)~(21)のうち何れか一つの態様において、前記記憶部は、前記蓄電装置の使用履歴に関する情報に基づいて、前記蓄電装置の前記材料の前記材料量を調整して記憶するものである。
【0028】
(23):本発明の他の態様に係る情報処理方法は、蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を取得するステップと、前記材料が存在する存在位置に関する情報を取得するステップと、前記材料量に関する情報と、前記存在位置に関する情報とを対応付けて記憶するステップと、を有する情報処理方法である。
【0029】
(24):本発明の他の態様に係るプログラムは、蓄電装置に内在する材料の材料量に関する情報を取得するステップと、前記材料が存在する存在位置に関する情報を取得するステップと、前記材料量に関する情報と、前記存在位置に関する情報とを対応付けて記憶するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0030】
(25):本発明の他の態様に係る記憶媒体は、上記(24)に記載されたプログラムを記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0031】
上記(1)~(25)の態様によれば、蓄電装置をより適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置を含む管理システム1の構成図である。
【
図3】バッテリ交換装置200の構成の一例を示す図である。
【
図4】管理者端末300の構成の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態の管理サーバ400の構成の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態のバッテリ情報DB452について説明するための図である。
【
図7】生成部442により生成される画像の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態の管理サーバ400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施形態の変形例における管理システム1Aの構成図である。
【
図10】第2の実施形態の管理サーバ400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第3の実施形態の管理システム1Bの構成図である。
【
図12】第3の実施形態の管理サーバ400Aの構成の一例を示す図である。
【
図13】施設情報DB456について説明するための図である。
【
図14】第3の実施形態において、管理者等に提供される画像IM30の一例を示す図である。
【
図15】第3の実施形態の管理サーバ400Aで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第4の実施形態のバッテリ情報DB452Aについて説明するための図である。
【
図17】第5の実施形態の管理システム1Cの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および記憶媒体の実施形態について説明する。以下の説明では、実施形態の情報処理装置が、移動体に着脱可能に搭載される蓄電装置や、蓄電装置の貸出および返却を行う交換装置内の蓄電装置等を管理する管理システムに適用された場合について説明する。蓄電装置とは、例えば、鉛蓄電池やリチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池等のバッテリである。また、蓄電装置は、可搬型でもよく、定置型でもよい。以下の例では、蓄電装置が、主に可搬型のバッテリ(移動体に対する着脱式バッテリ)であるものとして説明する。また以下では、バッテリが搭載される移動体の一例として、電動車両を用いる。ただし、移動体は、電動車両に代えて、移動ロボット、自律走行装置、その他の電動車両、ドローン飛行体、またはその他の電動式移動装置(電動モビリティ)等であってもよい。また、蓄電装置は、移動体以外の給電器の電源に用いられるものであってもよい。
【0034】
(第1の実施形態)
[全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置を含む管理システム1の構成図である。
図1に示す管理システム1は、例えば、電動車両10と、バッテリ交換装置200と、管理者端末300と、管理サーバ400とを備える。電動車両10と、バッテリ交換装置200と、管理者端末300と、管理サーバ400とは、例えば、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のうち1つ以上を含む。管理サーバ400は、「情報処理装置」の一例である。
【0035】
電動車両10は、例えば、搭載された走行用のバッテリ(二次電池)100から供給される電力によって駆動される電動機(電動モータ)によって走行するBEV(Battery Electric Vehicle:電気自動車)である。代替的に、電動車両10は、ハイブリッド車両に外部充電機能を持たせたPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)又はPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であってもよい。なお、電動車両10は、例えば、四輪の車両のみならず、鞍乗り型の二輪の車両や、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両、アシスト式の自転車、電動キックボード等、バッテリ100から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する「移動体」の全般が含まれる。電動車両10には、一以上のバッテリ100が搭載される。電動車両10は、例えば、バッテリ100の識別情報(バッテリID)、電動車両10の位置情報等を、ネットワークを介して管理サーバ400に送信する。
【0036】
バッテリ交換装置200は、例えば、電動車両10や移動体以外の給電器等から取り外されたバッテリ100を収容して、既に収容されている充電された他のバッテリ100を貸し出す。バッテリ100は、例えば、電動車両10等の対象機器に対して着脱自在に装着されるカセット式等の着脱式バッテリであり、MPP(Mobile Power Pack;モバイルパワーパック)と称される場合がある。また、バッテリ交換装置200は、収容しているバッテリ100の充電を制御したり、バッテリ100の識別情報(バッテリID)、バッテリ交換装置200の位置情報等を、ネットワークNWを介して管理サーバ400に送信する。
【0037】
管理者端末300は、管理システム1または管理サーバ400を管理する管理者、バッテリ100の所有者、またはバッテリ100の使用者の何れかである管理者等が使用する端末である。管理者端末300は、例えば、PC(Personal Computer)でもよく、スマートフォンやタブレット端末等でもよい。管理者端末300は、管理サーバ400にアクセスして管理サーバ400が管理する各種情報(例えば、バッテリ100に関する情報)を取得したり、閲覧したりする。
【0038】
管理サーバ400は、例えば、サーバ装置やPC(Personal Computer)でもよく、クラウドサーバでもよい。管理サーバ400は、電動車両10に搭載されたバッテリ100やバッテリ交換装置200に収容されたバッテリ100の識別情報(バッテリID)および存在位置等を管理する。例えば、管理サーバ400は、管理者端末300からの問い合わせ等に基づいて、バッテリ100に関する情報を示す表示情報を生成し、生成した表示情報を管理者端末300に送信する。また、管理サーバ400は、例えば、電動車両10の乗員からの交換可能なバッテリ100の問い合わせ(交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置200の問い合わせ)を受け付けて、電動車両10の位置情報に基づいて交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置200の位置を取得し、取得した位置等を乗員に提供してもよい。交換可能なバッテリ100とは、例えば、充電率が閾値以上のバッテリである。
【0039】
図1に示す管理システム1は、電動車両10、バッテリ交換装置200、管理者端末300、および管理サーバ400のうち、少なくとも一つが複数有してもよい。例えば、バッテリ交換装置200が複数ある場合には、異なる位置に設置される。以下、電動車両10、バッテリ交換装置200、および管理サーバ400の各構成について説明する。
【0040】
[電動車両10]
図2は、電動車両10の構成の一例を示す図である。電動車両10は、例えば、モータ(電動機)12と、駆動輪14と、ブレーキ装置16と、車両センサ20と、PCU(Power Control Unit)30と、制御部36と、バッテリ100と、バッテリセンサ42と、通信装置50と、入力装置60と、出力装置70とを備える。
【0041】
モータ12は、例えば、三相交流電動機である。モータ12の回転子(ロータ)は、駆動輪14に連結される。モータ12は、バッテリ100が備える蓄電部(不図示)から供給される電力によって駆動され、回転の動力を駆動輪14に伝達させる。また、モータ12は、電動車両10の減速時に電動車両10の運動エネルギーを用いて発電する。
【0042】
ブレーキ装置16は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、を備える。ブレーキ装置16は、ブレーキペダル(不図示)に対する電動車両10の利用者(乗員)による操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてもよい。なお、ブレーキ装置16は、上記説明した構成に限らず、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0043】
車両センサ20は、例えば、車速センサや電動車両10の位置を取得する位置センサを備える。位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機(不図示)によってバッテリ100の位置を検出する。GNSS受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星等のGNSS衛星から到来する電波に基づいてバッテリ100の位置を測位する。GNSS受信機により測位される位置情報には、緯度経度が含まれる。また、車両センサ20は、例えば、アクセル開度センサと、車速センサと、ブレーキ踏量センサと、を備える。アクセル開度センサは、アクセルペダルに取り付けられ、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出し、検出した操作量をアクセル開度として後述する制御部36に出力する。車速センサは、例えば、電動車両10の各車輪に取り付けられた車輪速センサと速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合して電動車両10の速度(車速)を導出し、制御部36に出力する。ブレーキ踏量センサは、ブレーキペダルに取り付けられ、運転者によるブレーキペダルの操作量を検出し、検出した操作量をブレーキ踏量として制御部36に出力する。
【0044】
PCU30は、例えば、変換器32と、VCU(Voltage Control Unit)34とを備える。なお、
図1においては、これらの構成要素をPCU30として一まとまりの構成としたのは、あくまで一例であり、電動車両10におけるこれらの構成要素は分散的に配置されても構わない。変換器32は、例えば、AC-DC変換器である。変換器32の直流側端子は、直流リンクDLに接続されている。直流リンクDLには、VCU34を介してバッテリ100が接続されている。変換器32は、モータ12により発電された交流を直流に変換して直流リンクDLに出力する。VCU34は、例えば、DC-DCコンバータである。VCU34は、バッテリ100から供給される電力を昇圧して直流リンクDLに出力する。
【0045】
制御部36は、車両センサ20が備えるアクセル開度センサからの出力に基づいて、モータ12の駆動を制御する。制御部36は、また、車両センサ20が備えるブレーキ踏量センサからの出力に基づいて、ブレーキ装置16を制御する。制御部36は、また、バッテリ100に接続された後述するバッテリセンサ42からの出力に基づいて、例えば、バッテリ100のSOC(State Of Charge;以下「充電率」ともいう)を算出し、VCU34に出力する。VCU34は、制御部36からの指示に応じて、直流リンクDLの電圧を上昇させる。
【0046】
バッテリ100は、電動車両10の走行用の電力を供給する。電動車両10に対して一または複数のバッテリ100が着脱自在に装着される、バッテリ100は、例えば、複数のバッテリを有するカセット式等のバッテリパックであってもよい。バッテリ100は、電動車両10の外部の充電器(不図示)から供給される電力や回生エネルギーによって得られる電力を蓄えて充電し、電動車両10の走行のための放電を行う。
【0047】
また、バッテリ100には、記憶部等が設けられており、バッテリ100に対して割り当てられたバッテリID等のバッテリ状態情報を記憶している。バッテリ状態情報には、バッテリIDの他に、例えば、製造日、初期状態の容量、充電回数や充電頻度、充電率等の情報(バッテリ使用履歴)が含まれてもよい。また、バッテリ100内に位置センサが設けられている場合には、バッテリ状態情報に位置情報が含まれてもよい。また、バッテリ100は、例えば、電動車両10に装着された際に、電動車両10の駆動源である電動モータに電力を供給すると共に、記憶部に記憶されたバッテリ状態情報を制御部36に出力してもよい。なお、バッテリ100は、バッテリ交換装置200のスロット等の収容部に設けられた接続部とも接続可能であり、バッテリ100とバッテリ交換装置200との間でバッテリ状態情報の送信等を行い、バッテリ交換装置200からの電力を蓄積して充電を行う。
【0048】
バッテリセンサ42は、バッテリ100の電流や、電圧、温度等の物理量を測定する。バッテリセンサ42は、例えば、電流センサ、電圧センサ、温度センサを備える。バッテリセンサ42は、電流センサによってバッテリ100の電流を測定し、電圧センサによってバッテリ100の電圧を測定し、温度センサによってバッテリ100の温度を測定する。また、バッテリセンサ42は、搭載されたバッテリ100ごとの充電率を測定してもよい。バッテリセンサ42は、測定結果を制御部36や通信装置50に出力する。
【0049】
通信装置50は、例えば、TCU(Telematics Control Unit)であり、ネットワークNWを介して管理サーバ400等と通信を行う。また、通信装置50は、セルラー網やWi-Fi網を接続するための無線モジュールを含む。通信装置50は、Bluetooth(登録商標)等利用するための無線モジュールを含んでもよい。通信装置50は、無線モジュールにおける通信によって、電動車両10とバッテリ100との間で送受信を行ってもよい。通信装置50は、制御部36の制御により、例えば、電動車両10の位置情報とバッテリID等とを所定周期または所定タイミングで管理サーバ400に送信する。なお、通信装置50は、バッテリ100自体から位置情報を取得した場合には、電動車両10の位置情報に代えて、バッテリ100の位置情報を送信してもよい。また、通信装置50は、電動車両10の識別情報(車両ID)や、バッテリID以外のバッテリ状態情報等を管理サーバ400に送信してもよい。また、通信装置50は、管理サーバ400から提供された情報を受信する。
【0050】
入力装置60は、例えば、各種キーやボタン等の操作による利用者の入力を受け付ける。入力装置60は、例えば、マイクを備え利用者の音声の入力を受け付けてもよい。また、入力装置60は、タッチパネルとして出力装置70と一体に構成されていてもよい。出力装置70は、例えば、ディスプレイやスピーカを備え、電動車両10の走行状況や管理システム1の利用時における各種情報を出力する。また、出力装置70は、例えば、電動車両10にナビゲーション装置(不図示)が搭載されている場合や、管理サーバ400から取得した地図情報や経路情報等提供情報を出力する。
【0051】
[バッテリ交換装置200]
図3は、バッテリ交換装置200の構成の一例を示す図である。バッテリ交換装置200は、例えば、交換装置側通信部210と、入力部220と、出力部230と、交換装置位置取得部240と、充電制御部250と、測定センサ260と、情報取得部270と、処理部280と、交換装置側記憶部290とを備える。交換装置位置取得部240、充電制御部250と、情報取得部270と、処理部280とは、それぞれ、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めバッテリ交換装置200が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、バッテリ交換装置200が備えるドライブ装置に装着されることでバッテリ交換装置200が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0052】
交換装置側記憶部290は、上記の各種記憶装置、或いはSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。交換装置側記憶部290には、例えば、プログラム、その他各種情報が格納される。また、交換装置側記憶部290には、バッテリ交換装置200の識別情報(例えば、交換装置ID)等が格納されてもよい。
【0053】
交換装置側通信部210は、ネットワークNWを介して、管理サーバ400、その他の外部装置と通信を行う。また、交換装置側通信部210は、例えば、ネットワークNWを介して管理サーバ400から提供された情報を受信したり、管理サーバ400にバッテリ交換装置200の位置情報や収容されたバッテリ100に関する情報(バッテリID)等を送信する。
【0054】
入力部220は、例えば、各種キーやボタン等の操作によって、バッテリ100の交換を行いに来た利用者の入力を受け付ける。入力部220は、タッチパネルとして出力部230と一体に構成されていてもよい。出力部230は、例えば、ディスプレイやスピーカを備え、処理部280の制御により、バッテリ交換時における各種情報や管理サーバ400から取得した情報等を出力する。
【0055】
交換装置位置取得部240は、内蔵されたGPS装置(不図示)によりバッテリ交換装置200の位置情報を取得する。また、バッテリ交換装置200が設置型である場合に、予め交換装置側記憶部290に記憶されたバッテリ交換装置200の位置情報を取得する。取得する位置情報には、緯度経度が含まれる。
【0056】
充電制御部250は、バッテリ100を個々に収容するスロット等の収容部に収容されたバッテリ100ごとの充電状態を制御する。バッテリ交換装置200とバッテリ100とは、スロット等に設けられた接続部により接続される。充電制御部250は、バッテリ100ごとの充電率を取得し、取得した充電率が閾値未満である場合に充電を行い、充電率が上限値を超える場合に充電を停止する。
【0057】
測定センサ260は、スロット等に収容されたバッテリ100ごとの電力残量(例えば、SOC等の充電率)や温度、充電回数等に基づく劣化度等を計測する。
【0058】
情報取得部270は、スロット等に収容されたバッテリ100ごとに、バッテリID等を含むバッテリ状態情報を取得する。
【0059】
処理部280は、利用者からのバッテリ100の返却指示を受け付けてバッテリ100をスロット内に収容したり、バッテリ100の貸出指示を受け付けて、交換可能なバッテリ100をスロット等から取り出し可能にする。なお、これらの処理は、管理サーバ400と通信を行いながら実行される。また、処理部280は、測定センサ260により測定されたバッテリ100ごとの充電率や、収容している全てのバッテリ100の総電力残量を導出して、管理サーバ400に送信する。また、処理部280は、交換装置位置取得部240により取得されたバッテリ交換装置200の位置情報等や情報取得部270により取得された情報(例えば、バッテリID)を所定周期または所定タイミングで管理サーバ400に送信してもよい。なお、処理部280は、バッテリ100自体から位置情報を取得した場合には、バッテリ交換装置200の位置情報に代えて、バッテリ100の位置情報を送信してもよい。また、処理部280は、管理サーバ400より稼働状況の問い合わせがあった場合に、稼働情報(例えば、正常に動作しているか否かを示す情報や、測定センサ260により測定されたバッテリ100に関する情報等を管理サーバ400に送信してもよい。
【0060】
[管理者端末]
図4は、管理者端末300の構成の一例を示す図である。管理者端末300は、例えば、端末側通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、端末側記憶部350とを備える。制御部340は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、この構成要素は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め管理者端末300が備えるHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、管理者端末300が備えるドライブ装置に装着されることで管理者端末300が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0061】
端末側記憶部350は、上記の各種記憶装置、或いはSSD、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現されてもよい。端末側記憶部350には、例えば、プログラム、その他各種情報が格納される。また、端末側記憶部350には、管理者端末300の識別情報(例えば、端末ID)等が格納されてもよい。
【0062】
端末側通信部310は、ネットワークNWを介して、管理サーバ400、その他の外部装置と通信を行う。また、端末側通信部310は、例えば、ネットワークNWを介して管理サーバ400から提供された情報を受信したり、管理サーバ400に問い合わせ情報等の各種情報を送信する。
【0063】
入力部320は、例えば、各種キーやボタン等の操作によって、管理者等の入力を受け付ける。入力部320は、タッチパネルとして出力部330の表示部332と一体に構成されていてもよい。出力部330は、例えば、表示部332やスピーカを備え、制御部340の制御により、入力部320により入力された情報や管理サーバ400から取得した情報等を出力する。表示部332は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等の表示装置である。
【0064】
制御部340は、管理者端末300の各機能構成全体を制御する。例えば、制御部340は、入力部320により入力された情報を管理サーバ400に送信したり、端末側通信部310により受信された管理サーバ400からの情報を表示部332に表示させたり、スピーカから音声出力させたりする。また、制御部340は、入力部320により入力された情報や出力部に330に出力される情報を端末側記憶部350に記憶させてよい。
【0065】
[管理サーバ400]
図5は、第1の実施形態の管理サーバ400の構成の一例を示す図である。管理サーバ400は、例えば、サーバ側通信部410と、取得部420と、管理部430と、提供部440と、サーバ側記憶部450とを備える。取得部420と、管理部430と、提供部440とは、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め管理サーバ400が備えるHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、管理サーバ400が備えるドライブ装置に装着されることで管理サーバ400が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。サーバ側記憶部450は、「記憶部」の一例である。
【0066】
サーバ側通信部410は、ネットワークNWを介して、電動車両10、バッテリ交換装置200、管理者端末300、その他の外部装置と通信する。サーバ側通信部410は、例えば、受信部412と、送信部414とを備える。
【0067】
受信部412は、電動車両10およびバッテリ交換装置200のうち少なくとも一つから、少なくともバッテリ100を識別するバッテリIDを受信する。また、受信部412は、バッテリ100の位置情報を受信してもよい。バッテリ100の位置情報とはバッテリ100を搭載した電動車両10の位置情報でもよく、バッテリ交換装置200の位置情報でもよく、バッテリ100自体から取得した位置情報でもよい。受信部412は、バッテリIDと共に受信した位置情報をバッテリ100の位置情報として取得する。
【0068】
送信部414は、提供部440の制御情報に基づきバッテリ100に関する情報を、ネットワークNWを介して外部装置に提供する。
【0069】
取得部420は、例えば、受信部412により受信された各種情報を取得する。また、取得部420は、ネットワークNWを介して外部装置からバッテリ100に内在する材料(バッテリ100を構成する構成部材の材料)の価値に関する情報を取得する。材料の価値に関する情報とは、例えば、材料の市場価値情報であり、より具体的には材料ごとのグラム当たりの価格(単価)である。取得部420は、過去からの市場価値の経時的変化に関する情報を取得してもよく、将来の市場価値予測情報を取得してもよい。また、取得部は、材料ごとの希少価値に関する情報を取得してもよい。
【0070】
管理部430は、バッテリ利用サービスで使用されるバッテリ100に関する情報を管理する。例えば、管理部430は、予めバッテリIDと、バッテリ100に含まれる材料情報とが紐付けられた(対応付けられた)紐付情報を管理する。材料情報には、例えば、バッテリ100に内在する材料の材料量(資源量、存在量)に関する情報が含まれる。上述の紐付情報は、例えば、バッテリ100の製造出荷時やバッテリ100が搭載された電動車両10の出荷時等に製造工場や販売会社等から送信されることで取得される。紐付情報は、例えば、サーバ側記憶部450に記憶される。
【0071】
また、管理部430は、例えば、抽出部432と、算出部434と、合計部436とを備える。抽出部432は、受信部412により受信された情報(例えば、バッテリIDや管理者端末300からのバッテリ100に関する問い合わせがあった場合に、後述するバッテリ情報DB452(紐付情報を含む)を参照して、該当する情報を抽出する。算出部434は、バッテリ情報DB452が記憶するバッテリ100に内在する材料の材料量に関する情報と、取得部420により取得された材料の価値(例えば、グラム単価)に関する情報とに基づいて、バッテリ100に内在する材料の価値(例えば、バッテリごと、材料ごと、または地域ごとの価値でもよい)を算出する。例えば、算出部434は、材料量にその材料のグラム単価を乗算して金額(貨幣価値)を算出してもよく、更に材料ごとに希少価値に応じた重み付けを行って価値を算出してもよい。この場合、希少価値が高い材料ほど、価値が大きくなるように重み付けされる。
【0072】
合計部436は、バッテリ情報DB452に複数のバッテリ100が含まれる場合に、複数のバッテリ100の材料ごとの複数の材料量に関する情報を合計する。また、合計部436は、バッテリパックのようにバッテリ100に複数のバッテリを有する場合に、複数のバッテリの材料ごとの複数の材料量に関する情報を合計してもよい。また、合計部436は、所定地域における材料ごとの材料量を合計(集計)してもよく、所定期間における材料ごとの材料量を合計(集計)してもよい。また、合計部436は、例えば、管理者等により指定された複数種類の材料の材料量を合計(総計)してもよい。また、合計部436は、算出部434により算出された材料の価値を合計してもよい。
【0073】
提供部440は、管理サーバ400が管理する情報(例えば、サーバ側記憶部450が記憶した情報、抽出部432、算出部434、合計部436による処理結果)を外部の端末(例えば、管理者端末300)に提供する。提供部440は、例えば、生成部442を備える。生成部442は、例えば、管理者端末300の表示部332等に表示させる表示情報を生成する。
【0074】
サーバ側記憶部450は、上記の各種記憶装置、或いはSSD、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現されてもよい。サーバ側記憶部450には、例えば、バッテリ情報DB(Data Base)452、地図情報454、プログラム、その他各種情報が格納される。
【0075】
図6は、第1の実施形態のバッテリ情報DB452について説明するための図である。サーバ側記憶部450は、バッテリ100に内在する材料の材料量(資源量、存在量)に関する情報を、該材料が存在する存在位置(地理的な位置情報)に関する情報と対応付けて記憶する。この場合、サーバ側記憶部450は、バッテリ100の識別情報(バッテリID)に上述した紐付情報を更に対応付けて記憶してもよい。サーバ側記憶部450は、例えば、受信部412により電動車両10およびバッテリ交換装置200からバッテリIDと位置情報とを取得した場合に、バッテリIDに基づいてバッテリ情報DB452を参照し、合致するバッテリIDの位置情報に電動車両10から取得した位置情報を格納する。
【0076】
図6に示すバッテリ情報DB452には、例えば、バッテリ100の識別情報であるバッテリIDに、位置情報と紐付情報とが対応付けられている。なお、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに位置情報が対応付けられた情報と、バッテリIDに紐付情報が対応付けられた情報とを別々に記憶してもよい。
【0077】
図6に示す紐付情報には、材料情報と、所有者情報と、CO
2排出量[kg]とが含まれる。材料情報には、バッテリ100に内在する材料の材料量に関する情報(例えば、含有量、成分量)が含まれる。材料は、一つの材料でもよく、複数の材料が含まれてもよい。第1の実施形態において、材料情報に含まれる材料は、例えば、レアメタルやレアアース等の価値が高い(希少性が高い)材料(例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)等の正極材)であるが、他の材料が含まれてよい。サーバ側記憶部450は、材料情報に含まれる材料の種類を、各材料の価値に関する情報(例えば、市場価値の変動)に応じて適宜変更(例えば、増減)してもよい。
【0078】
また、材料量は、例えば、電動車両10やバッテリ交換装置200から得られるバッテリ状態情報に含まれるバッテリ使用履歴に基づいて調整されてよい。例えば、充電回数や充電頻度、上記情報に基づき推定される劣化度合に応じて、材料ごとに所定量を減少させる等の調整が行われてよい。
【0079】
また、材料情報には、材料ごとの材料量の他、材料ごとのの産出地(例えば、国名や地名)等の情報が含まれてよい。産出地が不明の場合には、「不明」等の情報が格納される。また、材料情報には、その材料がリサイクルされた材料であるか否かを示す情報が含まれてよい。
【0080】
所有者情報は、バッテリIDに対応するバッテリ100の現在の所有者(現権利所有者)および過去の所有者(前権利所有者)のうち少なくとも1つが格納されている。つまり、バッテリ100は、複数の所有者の間で移転(譲渡)可能なものである。また、バッテリ100の所有者が複数存在する場合、所有者情報には各所有者の所有権の割合に関する情報が含まれてよい。上述した産出地に関するや所有者情報は、バッテリ100の履歴情報の一例である。
【0081】
CO
2排出量は、バッテリ100の生産から廃棄に至る各段階で排出される二酸化炭素の量である二酸化炭素排出量に関する情報である。
図6の例において、CO
2排出量は、バッテリ100の材料情報(特に産出地)や所有者情報に対応付けられた排出量が格納される。上述した紐付情報の少なくとも一部は、受信部412により受信された情報等に基づいて、取得部420や管理部430等により導出されてよい。
【0082】
これにより、管理サーバ400は、バッテリ100の材料の中でも、特に高価な材料(例えば、Ni、Co、Mn等の正極材)の管理に特化させることで、管理する情報が煩雑化したり、複雑化することがなく、より適切にバッテリ100を管理することができる。また、管理サーバ400は、バッテリ100の材料の履歴情報(例えば、産出地、所有者経緯)に基づいて、より適切なCO2排出量を取得することができる。例えば、管理サーバ400は、管理しているバッテリ100(例えば、バッテリ情報DB452に含まれるバッテリID「B011」、「B014」、「B019」のバッテリ)をリサイクルする場合にCO2排出量(合計排出量)や所有者情報等も含めてリサイクル工場等の施設に通知することで、施設側でバッテリ製品のCO2排出削減ポテンシャルの対策や所有権の引継ぎ等の管理をし易くさせることができる。
【0083】
次に、提供部440により管理者端末300に提供される画像の一例について図を用いて説明する。
図7は、生成部442により生成される画像の一例を示す図である。
図7では、一例として、異なる材料別(例えば、材料A、材料B)に対して、材料の存在位置と、地図情報454から抽出した所定地域のマップ(地図画像)とが重ね合わされた表示領域を含む画像IM10、IM20が示されている。画像IM10、IM20は、「表示情報」の一例である。
【0084】
生成部442は、例えば、画像IM10、IM20に示すように、材料の材料量を視覚的に表す表示領域を、材料量の大きさに応じて、異なる色や色の濃淡、模様、グラデーション等の表示態様で識別できるように表示する。このような、いわゆるヒートマップ表示によって材料ごとに材料量を提示することにより、バッテリの管理者等(管理者、所有者、使用者)に、どの辺の地域でどの程度の材料が存在しているか(保管されているか)等の分布状況を、より明確に把握することができる。
【0085】
なお、生成部442は、
図7に示すような材料ごとの材料量に代えて(または加えて)、グラム別に同様の図を作成してもよく、取得部420により取得された市場価値情報に基づく金額別に可視化した画像を生成してもよい。また、生成部442は、現在の材料量だけでなく、過去の材料量からの経時変化を示す画像(例えば、5年前の画像と現在の画像)を生成してもよく、過去からの経時変化に基づく将来(例えば、3年後)の材料量を示す画像等を生成してもよい。これにより、管理者等は、経時変化に基づき、将来も想定したより適切な材料の管理や再利用等を実現できる。また、生成部442は、ヒートマップに代えて(材料量やグラム数)を地図上にグラフ化した画像を生成してもよい。
【0086】
提供部440は、例えば管理者端末300から画像生成の要求(問い合わせ)があった場合に、生成部442により上述した画像を生成して提供してもよく、予め管理者等により設定された周期(例えば、1年ごと)で画像を自動生成して管理者端末300に提供してもよい。
【0087】
[第1の実施形態:処理フロー]
図8は、第1の実施形態の管理サーバ400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図8に示す処理が実行される前段階において、管理サーバ400には、上述した紐付情報がサーバ側記憶部450に記憶されているものとする。
【0088】
図8の例において、受信部412は、バッテリIDと位置情報とを受信する(ステップS100)。次に、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに基づいてバッテリ情報DB452を参照し(ステップS110)、合致するバッテリIDが存在するか否かを判定する(ステップS120)。合致するバッテリIDが存在すると判定した場合、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに位置情報と紐付情報と対応付けてバッテリ情報DB452に記憶する(ステップS130)。また、合致するバッテリIDが存在しないと判定した場合、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに位置情報のみを対応付けてバッテリ情報DB452に記憶する(ステップS140)。次に、生成部442は、例えば、管理者等からの要求等があった場合に、記憶した情報に基づいて表示情報を生成し(ステップS150)、生成した表示情報を、管理者等に提供する(ステップS160)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
【0089】
上述した第1の実施形態によれば、バッテリIDを位置情報と、バッテリに内在する材料の材料量と共に管理することができる。したがって、例えば、正極材ごとに、どの位置にどの程度存在するか等を常時管理することができる。したがって、第1の実施形態は、電動車両10の材料や部品管理にも特に有益である。また、第1の実施形態によれば、バッテリ100が搭載された電動車両10の位置やバッテリ100が収容されたバッテリ交換装置200の位置をバッテリ100の位置として紐付けて管理することで、バッテリ100が内在する材料の現在の位置(分布)に関する情報を管理者等に提供することができる。
【0090】
[変形例]
上述した第1の実施形態では、電動車両10やバッテリ交換装置で利用されるバッテリ100について説明したが、例えば、ネットワークNWに接続されるサードパーティ等が倉庫等で管理(保管)している他のバッテリについても一元管理を行ってもよい。上記内容を変形例として説明する。
【0091】
図9は、第1の実施形態の変形例における管理システム1Aの構成図である。
図9の例では、
図1に示す管理システム1の構成と比較して、他事業者端末500が設けられている。他事業者端末500は、例えば、他のバッテリ100A等を自社倉庫等で管理する事業者が利用する端末である。他事業者端末500の構成は、管理者端末300の同様の構成が適用できるため、ここでの説明は省略する。他事業者端末500の利用者は、例えば、手入力(オフライン)によって倉庫で管理しているバッテリ100Aの情報を入力して、管理サーバ400に送信する。バッテリ100Aの情報には、バッテリ100Aに内在する材料や材料量に関する情報が含まれる。また、バッテリ100Aの情報には、例えば紐付情報に含まれる他の情報が含まれてもよく、バッテリIDが含まれてもよい。受信部412は、他事業者端末500からバッテリ100Aの情報を受信する。そして、サーバ側記憶部450は、他のバッテリ100Aの情報をバッテリ情報DB452に記憶する。なお、他事業者端末500から入力されるバッテリ情報は、他社ブランドの管理情報であるため、正確な情報が分からない場合がある。そのため、サーバ側記憶部450は、大まかな材料量のみを記憶してもよい。
【0092】
これにより、バッテリ100Aを管理する他の事業者のバッテリ情報も含めて、管理サーバ400で一元管理することができる。また、第1の実施形態の変形例によれば、管理サーバ400は、例えば、電動車両10やバッテリ交換装置200から所定周期(オンライン)で送信される情報と、他事業者端末500から送信されるオフラインのバッテリ情報とを一元管理することで、より多くの材料量を把握することができる。したがって、例えば、材料の市場価値を取得して、その市場価値と材料量とから金額(貨幣価値)に換算したり、材料量が正確に管理できるオンラインでの価値換算と、材料量が正確に管理できないオフラインでの大まかな価値換算を分けた情報を提供することができる。
【0093】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様のシステム構成が適用可能である。第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、電動車両10やバッテリ交換装置200からバッテリIDと位置情報だけでなく、バッテリ100の材料の材料量に関する情報(紐付情報でもよい)も受信する点で相違する。この場合、材料の材料量(紐付情報)をサーバ側に事前登録しておく必要がなく、受信した情報をそのままバッテリ情報DB452に記憶すればよい。また、第2の実施形態では、サーバ側で事前に記憶された紐付情報とのマッチング等を行う必要がないため、バッテリIDが送信されなくてもよい。
【0094】
[第2の実施形態:処理フロー]
図10は、第2の実施形態の管理サーバ400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、一例として、電動車両10やバッテリ交換装置200からバッテリIDと位置情報と紐付情報とが送信される場合についての処理を説明する。
図10の例において、受信部412は、電動車両10やバッテリ交換装置200から所定周期または所定のタイミングで送信されたバッテリIDと位置情報と紐付情報とを受信する(ステップS200)。次に、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに基づいてバッテリ情報DB452を参照し(ステップS210)、合致するバッテリIDが存在するか否かを判定する(ステップS220)。合致するバッテリIDが存在すると判定した場合、サーバ側記憶部450は、合致したレコードの位置情報のみを更新する(ステップS230)。また、合致するバッテリIDが存在しないと判定した場合、サーバ側記憶部450は、バッテリIDに位置情報と紐付情報とを記憶する(ステップS240)。次に、生成部442は、例えば、管理者等からの要求等があった場合に、記憶した情報に基づいて表示情報を生成し(ステップS250)、生成した表示情報を、管理者等に提供する(ステップS260)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
【0095】
上述した第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、紐付情報(より具体的には材料情報)を予め記憶しておく必要がなく、バッテリ100の位置情報と同時に受信した紐付情報等を記憶して管理することができる。
【0096】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態と比較して、バッテリ100に関して所定の処理(例えば、バッテリ100の管理や再利用)等を行う施設に関する情報を管理し、稼働状況やコストに応じた施設を検索可能にする点で相違する。以下では、主に相違点を中心として説明する。
【0097】
図11は、第3の実施形態の管理システム1Bの構成図である。管理システム1Bは、電動車両10と、バッテリ交換装置200と、管理者端末300と、管理サーバ400Aと、一以上の施設端末600とを備える。また、管理システム1Bには、上述した他事業者端末500を備えていてもよい。これらの各装置は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の名前および符号を付するものとし、具体的な説明は省略する。
【0098】
施設端末600は、例えば、バッテリ100に内在する材料の利用施設、又は、再利用施設(例えば、リサイクル工場)に設けられる端末であり、例えば、管理者端末300と同様の構成を有する。施設端末600は、施設を識別するための識別情報(施設ID)と、稼働状況(例えば、施設がリサイクル工場である場合には、リサイクル能力)に関する情報を所定周期または所定のタイミングで管理サーバ400Aに送信する。管理サーバ400Aか施設端末600から送信された情報を受信し、受信した情報をサーバ側記憶部に記憶する。
【0099】
図12は、第3の実施形態の管理サーバ400Aの構成の一例を示す図である。管理サーバ400Aは、例えば、サーバ側通信部410と、取得部420と、管理部430Aと、提供部440と、サーバ側記憶部450Aとを備える。第1の実施形態の管理サーバ400と比較すると、管理部430およびサーバ側記憶部450に代えて、管理部430Aおよびサーバ側記憶部450Aを備える点で相違する。したがって、以下では管理部430Aおよびサーバ側記憶部450Aについて説明する。
【0100】
サーバ側記憶部450Aは、上述したバッテリ情報DB452、地図情報454、プログラム等に加えて、施設情報DB456が格納されている。
図13は、施設情報DB456について説明するための図である。施設情報DB456は、例えば、施設IDに、位置情報、作業費用、稼働情報、および対応可能材料情報が対応付けられている。サーバ側記憶部450Aは、記憶部は、蓄電装置に内在する材料の利用施設、又は、再利用施設(リサイクル工場)に関する情報である施設情報を記憶する。位置情報は、利用施設、又は、再利用施設の存在位置(地理的位置、所在位置)に関する情報である。作業費用は、例えば、所定量のバッテリ100または材料に対するリサイクル処理に係る作業費用に関する情報である。稼働情報とは、例えばその施設が現在処理できるリサイクル能力の関する情報である。リサイクル能力には、例えば、利用施設、又は、再利用施設における材料の受け入れ可否に関する情報と、受け入れ能力(受入れ可能量)に関する情報のうち少なくとも一つの情報が格納される。対応可能材料情報とは、例えば、その施設が対応可能(例えば、リサイクル処理が可能)な材料の種類(またはバッテリ100の種類)に関する情報である。対応可能材料情報には、バッテリ専門で処理可能な施設な否かを示す情報、または対応可能な材料の種類に関する情報が含まれてよい。
【0101】
管理部430Aは、例えば、抽出部432、算出部434、合計部436に加えて、検索部438を備える。検索部438は、例えば、管理者端末300からの施設の検索要求に対して、施設情報DB456を参照して、要求内容に対応する(または要求内容に近い)施設を検索する。要求時の検索キーとしては、位置情報、作業費用、稼働情報(より具体的には、受け入れ可能量が閾値以上の施設)、および対応可能材料情報のうち、少なくとも一つである。検索要求としては、例えば「作業費用が10万円以下で、且つ、材料の受け入れ可」等であるが、これに限定されるものではない。なお、検索部438は、管理者等からの問い合わせがあった時点で、予め施設情報DB456に登録された施設に問い合わせを行い、最新の作業費用、稼働情報、対応可能材料情報を取得して、取得した結果に基づいて要求に対応する施設を検索してもよい。これにより、最新の情報を用いて検索することができる。
【0102】
また、検索部438は、正極材等の高価な材料(例えば、バッテリ情報DB452の材料情報に登録された材料)に特化して、リサイクル率が高い施設や、リサイクル時のコストが安い施設を検索してもよい。高価な材料に特化した検索を行うことで、有益性の高い材料のリサイクル効率を向上させることができる。また、管理する材料の種類を軽減させることができるため、よりシンプルで処理負荷の少ないシステム構成が構築可能となる。
【0103】
第3の実施形態において、提供部440(生成部442)は、上述した検索結果として得られた施設に関する情報を示す表示情報(例えば、画像)を生成し、生成した情報を問い合わせのあった管理者端末300等に提供する。
【0104】
図14は、第3の実施形態において、管理者等に提供される画像IM30の一例を示す図である。
図14に示す画像IM40は、管理者等からの要求に応じて地図情報454から抽出した所定地域のマップ(地図画像)上に、検索部438により検索された3つの施設の位置を示すマーク画像MK1~MK3がマップの位置情報に対応付けられて重畳表示されている。なお、マーク画像MK1~MK3は、それぞれの施設が識別可能に表示されると共に、少なくとも材料の受け入れ可否が識別可能に表示される。
図14の例では、マーク画像MK2~MK3が受け入れ可能であることを示している。なお、管理者等が表示部332に表示された画像IM30のうち、マーク画像MK1~MK3を選択することで、そのマーク画像MK1~MK3に対応付けられた施設に関する情報(施設情報DBに格納された情報等の特徴情報)が表示されてよい。これにより、管理者等の要求に応じた検索結果をより分かり易く提供することができる。
【0105】
[第3の実施形態:処理フロー]
図15は、第3の実施形態の管理サーバ400Aで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図15の例の実行前に、サーバ側記憶部450Aは、施設情報DB456を記憶しているものとする。
図15の例において、検索部438は、例えば、管理者端末300等から施設の検索要求があったか否かを判定する(ステップS300)。検索要求があったと判定した場合、検索部438は、施設情報DB456を参照し、検索要求に対応する施設を検索する(ステップS310)。次に、生成部442は、検索結果に基づいて表示情報を生成し(ステップS320)、生成した表示情報を、問い合わせのあった端末(例えば、管理者端末300等)に提供する(ステップS330)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。また、ステップS300の処理において、施設の検索要求がないと判定された場合、本フローチャートの処理は終了する。
【0106】
上述した第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様の効果を奏する他、バッテリ100に内在する材料やリサイクルに関する所定の処理を行う施設に関する情報も管理できる。したがって、バッテリ100の材料が存在する位置だけでなく、再利用までも含めて一元管理することができる。したがって、バッテリ100の材料を効率的且つ有効に活用することができる。
【0107】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、第1の実施形態と比較して、バッテリ情報DB452に記憶する材料を正極材等の高価な材料だけでなく、他の材料の材料量も含めて記憶する。他の材料とは、例えば、負極材に用いられるカーボン(C)、基板に用いられる銅(Cu)、バッテリ筐体に用いられるアルミニウム(AL)等のリサイクル容易性材料である。この場合は、サーバ側記憶部450は、バッテリ情報DB452に格納される情報に、リサイクル容易性材料に関する情報を更に記憶する。なお、第4の実施形態の管理システム1は、第1~第3の実施形態の管理システム1、1A、1Bの何れも適用できるため、ここでの具体的な説明は省略し、第4の実施形態においてサーバ側記憶部450が記憶するバッテリ情報DB452Aについて説明するものとする。
【0108】
図16は、第4の実施形態のバッテリ情報DB452Aについて説明するための図である。バッテリ情報DB452Aは、
図6に示すバッテリ情報DB452と比較して、材料情報に、正極材と、リサイクル容易性材料と、正極材とリサイクル容易性材料との混合比率に関する情報とが追加されている点で相違する。リサイクル容易性材料は、例えば、カーボン(C)、銅(Cu)、アルミニウム(AL)等であり、それぞれの材料量が記憶される。この場合、材料量に加えて、産出地(例えば、国名や地名)等の情報が追加されてよい。また、混合比率は、例えば、正極材とリサイクル容易性材料との重量比率である。
【0109】
バッテリ情報DB452Aのようにリサイクル容易性材料の情報も含めて管理することで、例えば、第3の実施形態の管理サーバ400Aの管理部430Aは、例えば混合比率と、施設情報DB456の対象可能材料情報とに基づいて、リサイクル容易性材料の比率が閾値以上であるバッテリについては、そのリサイクル容易性材料の対応が可能な施設(例えば、施設ID「F00A」)でリサイクルを行うことを決定する。施設に応じてリサイクルが可能な材料の種類も異なるため、第4の実施形態により、材料の種類に基づいてより適切なリサイクル施設の情報を管理者等に提供することができる。
【0110】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、正極材の材料量だけでなく、他のリサイクル容易性材料の材料量も管理することで、これにより、再利用可能なより多くの材料を一元管理して、各材料を有効に活用(再利用)することができる。
【0111】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、上述した実施形態の管理システム1(1A、1B)において、更に複数の管理サーバ400を有し、一方の管理サーバが災害等により異常が発生して稼働できない状況となった場合に、電動車両10やバッテリ交換装置200から送信される情報を他方の管理サーバで管理する。
【0112】
図17は、第5の実施形態の管理システム1Cの構成図である。管理システム1Cは、電動車両10と、バッテリ交換装置200と、管理者端末300と、複数の管理サーバ400B(
図17の例では、管理サーバ400B-1、400B-2)と、他事業者端末500を備える。管理サーバ400B-1は「第1サーバ」の一例(メインサーバ、上位サーバと言い換えてもよい)であり、管理サーバ400B-2は「第2サーバ」の一例(サブサーバ、下位サーバ、バックアップサーバと言い換えてもよい)である。管理サーバ400B-1、400B-2とは、例えば
図5に示す管理サーバ400と同様の機能を有する。更に、管理サーバ400B-2には、UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)460が接続されている。UPS460は、コンセント電源(商用電源)が途切れた場合も、一定時間、管理サーバ400B-2に対して停電することなく電力を供給し続けることが可能な電源装置である。
【0113】
第5の実施形態において、電動車両10、バッテリ交換装置200、管理者端末300、および他事業者端末500の各装置は、バッテリ100(バッテリ100A)のバッテリIDや位置情報、材料の材料量に関する情報等を管理サーバ400B-1に送信する。ここで、管理サーバ400B-1が、電源遮断、故障、通信システム遮断等の異常が発生している場合、各装置は、管理サーバ400B-1が情報を受信できないことを示す情報(異常通知信号)を受け付ける。異常通知信号を受け付けた場合、各装置は、管理サーバ400B-1から管理サーバ400B-1に切り替えて情報を送信する。管理サーバ400B-2は、各装置から受け付けた情報を自己が管理するバッテリ情報DB452に記憶する。
【0114】
また、管理サーバ400B-2の管理部430は、管理サーバ400B-1が復旧したか否かを監視し、復旧した場合に記憶していたデータ(バッテリ情報DB452)を管理サーバ400B-1に送信する。また、復旧時には、管理サーバ400B-2は、上記各装置に、管理サーバ400B-1に切り替えて(元に戻して)情報を送信するように指示してもよい。
【0115】
また、第5の実施形態において、各装置は、管理サーバ400B-1および管理サーバ400B-2の両方に情報を送信して管理させてもよい。この場合、管理サーバ400B-2は、定期的に管理サーバ400B-1に記憶された情報を比較し、一致度によって管理サーバ400B-1に異常が生じているか否かを判定したり、所定回数(例えば、5回)以上、一致した場合に異常状態から復旧したと判定してもよい。なお、管理サーバ400B-1は、データの管理を特化した機能(サーバ側通信部410、サーバ側記憶部450)を有し、提供部440等の機能を有していないデータベースサーバ(ミラーリングサーバ)であってもよい。
【0116】
以上説明した第5の実施形態によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏する他、より稼働率の高いシステムを構築することができる。
【0117】
なお、上述した第1~第5の実施形態のそれぞれは、他の実施形態の一部または全部を組み合わせてもよい。
【0118】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0119】
1、1A、1B、1C…管理システム、10…電動車両、100、100A…バッテリ、200…バッテリ交換装置、300…管理者端末、400、400A、400B…管理サーバ、410…サーバ側通信部、412…受信部、414…送信部、420…取得部、430、430A…管理部、432…抽出部、434…算出部、436…合計部、438…検索部、440…提供部、442…生成部、450…サーバ側記憶部、500…他事業者端末、600…施設端末