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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144972
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
E04H17/16 104
E04H17/16 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057177
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒川 義一
(72)【発明者】
【氏名】田近 悟
(72)【発明者】
【氏名】牟田 圭助
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142EE02
2E142EE12
2E142HH05
(57)【要約】
【課題】枠体が有する深さが異なる溝部に取付け可能な溝カバーを備えたフェンスを提供することを目的とする提供する。
【解決手段】上下左右の枠の長手方向に形成されたレール溝33と、レール溝33の開口35を塞ぐ溝カバー50とを備えたフェンス100であって、レール溝33には、係止部38が浅い位置にある浅溝と、前記係止部38が深い位置ある深溝とがあり、溝カバー50は、幅広の蓋部51と、前記レール溝33に固定される固定部52を備え、固定部52は、垂下方向の中間部において両側方に突出して、浅溝の係止部38に係合可能な第1係合部53と、第1係合部53より下方から両側方に突出して深溝の係止部47に係合可能な第2係合部54と、第1係合部53の間に形成された中空部55とを備えるように構成する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル材と、
上下左右の枠から構成され、内側に前記パネル材を保持する枠体と、
前記枠の長手方向に沿って形成されて外方に向けて開口するレール溝と、
前記レール溝の開口を塞ぐ溝カバーとを備えたフェンスであって、
前記レール溝は、一対の前壁部によって前記開口が形成され、開口幅が該レール溝の奥部よりも狭く形成され、前記前壁部の奥側に形成された係止部とを備え、
前記レール溝には、前記係止部が浅い位置にある浅溝と、前記係止部が深い位置ある深溝とがあり、
前記溝カバーは、前記レール溝の開口幅より幅広の蓋部と、
前記蓋部から垂下して前記レール溝に固定される固定部を備え、
前記固定部は、垂下方向の中間部において両側方に突出して、前記浅溝の係止部に係合可能な第1係合部と、
前記第1係合部より下方から両側方に突出して前記深溝の係止部に係合可能な第2係合部と、
前記第1係合部の間に形成された中空部とを備えている
ことを特徴とするフェンス。
【請求項2】
前記溝カバーは、第1係合部と第2係合部との間に、内側に向けて切り欠かれた切り欠き部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のフェンス。
【請求項3】
前記溝カバーにおいて、中空部の下端は、左右の第2係合部の上端を結ぶ位置よりも下方に達していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェンス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、工場内の設備周り等に設置されるフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等の施設内には各種産業機械等の設備が多数配置されており、施設内の作業者の安全性を確保するために、設備周辺の危険領域を囲むようにパネルを並べて危険領域への作業者の立入りを制限するフェンスが設けられている。例えば、本出願人は、特許文献1に場内の設備周り等に設置されるフェンスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-153214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されているフェンスは、パネル材を上下左右の枠からなる枠体の内側に保持して、それを横に並べたものである。枠材は、断面矩形状で、前後左右側面において長手方向に沿って形成された凹部を有しており、凹部としては、パネル材の側端部を差し込んで挿入してパネル材を保持するための差し込み溝と、枠同士を連結するためや、枠に脚部や取手を取付けるために利用される溝状のレール部とがある。レール部においては、レール用ナットをレール部に挿入して前述の枠材同士の連結等に用いられており、レール部で利用されない箇所には、ゴミ・埃等が入らないようにカバー材を取付けることが多いが、型材は必要な強度等に応じて2種類以上用いる場合があり、そうすると、溝部の深さが異なることがあるので、カバー材をそれぞれ準備する必要が生じて、手間であった。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、深さが異なる溝部にも取付け可能な溝カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係るフェンスは、パネル材と、上下左右の枠から構成され、内側に前記パネル材を保持する枠体と、前記枠の長手方向に沿って形成されて外方に向けて開口するレール溝と、前記レール溝の開口を塞ぐ溝カバーとを備えたフェンスであって、前記レール溝は、一対の前壁部によって前記開口が形成され、開口幅が該レール溝の奥部よりも狭く形成され、前記前壁部の奥側に形成された係止部とを備え、前記レール溝には、前記係止部が浅い位置にある浅溝と、前記係止部が深い位置ある深溝とがあり、前記溝カバーは、前記レール溝の開口幅より幅広の蓋部と、前記蓋部から垂下して前記レール溝に固定される固定部を備え、前記固定部は、垂下方向の中間部において両側方に突出して、前記浅溝の係止部に係合可能な第1係合部と、前記第1係合部より下方から両側方に突出して前記深溝の係止部に係合可能な第2係合部と、前記第1係合部の間に形成された中空部とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係るフェンスにおいて、前記溝カバーは、第1係合部と第2係合部との間に、内側に向けて切り欠かれた切り欠き部を有したものとしてもよい。
【0008】
また本発明に係るフェンスおいて、前記溝カバーにおいて、中空部の下端は、左右の第2係合部の上端を結ぶ位置よりも下方に達しているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、枠体において深さの異なるレール溝があっても、それぞれのレール溝に同じ溝カバーを取付けることができるので、レール溝の深さに応じた溝カバーを準備する必要がなくなり、フェンスの組立が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るフェンスの実施の一形態を示す正面図である。
図2図1のA-A線拡大断面図である。
図3図1のB-B線拡大断面図である。
図4図1のC-C線拡大断面図である。
図5図1のD-D線拡大断面図である。
図6】溝カバーの説明図である。
図7】溝カバーの他の説明図である。
図8】横枠に対する溝カバーの取付構造を示す説明図である。
図9】横枠に対する溝カバーの取付構造を示す他の説明図である。
図10】縦枠に対する溝カバーの取付構造を示す説明図である。
図11】縦枠に対する溝カバーの取付構造を示す他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るフェンスを示す正面図である。フェンス100は、パネル材10と、パネル材10を内側に保持する枠体20とから構成されている。なお、本形態においては、フェンス100において、正面側である前側が通路側、背面側である後側が設備側として説明する。
【0013】
パネル材10は、合成樹脂からなる板材であり、略矩形状に形成されたものである。板材は、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の透明材料から構成されている。パネル材10は、例えば、金属板、金属板と樹脂板とを積層して構成された積層板、金属線材、又は合成樹脂からなる格子状パネル等を利用することができる。
【0014】
枠体20は、図1に示すように、パネル材10の上下左右に枠が配置され、パネル材10の上端又は下端に配置された横枠30と、パネル材10の左右両端に配置された縦枠40とを備えている。なお、本形態においては、パネル材10が上下2段に配置されており、その間に中枠60が配置されている。
【0015】
次にパネル材10と枠体20の下部に位置する横枠30との関係を説明する。図2図1のA-A線拡大断面図である。横枠30は、断面略矩形状であって、図1に示すように、左右方向に所定の長さを有しており、前後上下の各面部に長手方向に沿って凹部が形成されている。
【0016】
横枠30の上面には、凹部としてパネル材10の下端が差し込まれる差し込み溝31が形成されており、上方向に開口している。パネル材10の下端が差し込み溝31の開口32から奥部に差し込まれている。なお、パネル材10を横枠30に差し込む際は、開口32からでもよく、横枠30の長手方向端部から差し込んでもよい。横枠30の前面及び後面には、凹部として、横枠30の前方及び後方に向けて開口するレール溝33,33が形成されている。レール溝33は、この中をレール用ナット34が長手方向に移動可能に挿通されるものであって、適宜箇所にレール用ナット34を配置して、枠体20同士の連結具71、枠体20を立設させるための脚部72、取手、錠等が接続されるものであるが、詳しい説明は省略する。横枠30は、一般にはアルミニウム合金製の型材である。
【0017】
レール溝33には、開口35を塞ぐ溝カバー50が取付けられている。溝カバー50は、レール用ナット34が配置されていない箇所に取付けることで、レール溝33の開口35が塞がれるので、レール溝33内にごみ,埃等が入ることを抑えることができる。
【0018】
図3図1のB-B線拡大断面図であって、パネル材10と枠体20の上部に位置する横枠30との関係を示すものである。本形態に係る横枠30は、図2に示された横枠30と比較して、枠体20の上面に差し込み溝31を有しておらず、横枠30の下面の差し込み溝31にパネル材10の上端が差し込まれたものである。なお、レール溝33及び溝カバー50は図2と同様なので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0019】
図4図1のC-C線拡大断面図であって、パネル材10と枠体20の上下方向の中間に位置する中枠60との関係を示すものである。本形態に係る中枠60は、図2に示された横枠30と同様な形態であって、中枠60の上面及び下面に差し込み溝31,31を有し、これら差し込み溝31,31にパネル材10の下端及び上端がそれぞれ差し込まれたものである。なお、レール溝33及び溝カバー50は図2と同様なので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0020】
次に、パネル材10と枠体20の縦枠40との関係を説明する。図5図1のD-D線拡大断面図である。枠体20の右側の縦枠40は、断面略矩形状であって、図1に示すように上下方向に所定の長さを有しており、前後左右の各面部に長手方向に沿って凹部が形成されている。
【0021】
縦枠40の右側面には、凹部として、パネル材10の右側端が差し込まれる差し込み溝41が形成されており、右方に開口している。パネル材10の左側端が差し込み溝41の開口42から奥部に差し込まれている。縦枠40の前面、後面及び左側面には、凹部として縦枠40の前方、後方及び右方に開口するレール溝43,43,43が形成されている。レール溝43は、この中をレール用ナット44が長手方向に移動可能に挿通されるものであって、適宜箇所にレール用ナット44を配置して、枠材同士の連結具71等が接続されるものであるが、詳しい説明は省略する。縦枠40は、一般にはアルミニウム合金製の型材である。
【0022】
レール溝43には、開口45を塞ぐ溝カバー50が取付けられている。溝カバー50は、レール用ナット44が配置されていない箇所に取付けることで、レール溝43の開口45が塞がれるので、レール溝43内にごみ、埃等が入ることを抑えることができる。
【0023】
なお、枠体20の右側の縦枠40は、図5の縦枠40に対して、差し込み溝41とレール溝43とが左右逆に配置されており、パネル材10の右側端が左側の差し込み溝41に差し込まれた点は異なるが、その他の点は同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0024】
枠体20において、横枠30と縦枠40との連結方法は、特に限定されるものではなく、詳しい説明は省略するが、本形態では、縦枠40から横枠30の中央部に長手方向に沿って形成されたビス孔36(図2図4参照)に螺合されるビスによって接続されている。
【0025】
次に溝カバー50について説明する。図6図7は溝カバーの説明図であって、図6は斜視図、図7図6のE-E線拡大断面図である。溝カバー50は、レール溝33,43の開口35,45を塞ぐものであって、レール溝33,43の長手方向に沿って形成されており、レール溝33,43の外側に位置して、開口35,45を覆う蓋部51と、蓋部51から垂下されてレール溝33,43内に固定される固定部52とを有している。溝カバー50は、ポリオレフィン系エラストマー、軟質ポリ塩化ビニル、ゴム等の軟質材料製であって、弾性変形可能である。
【0026】
蓋部51の幅寸法は、図2図5に示すように、レール溝33,43の開口幅より幅広に形成された平面視板状であって、本形態では、上面は幅方向中央を頂部とする緩やかな円弧状に形成されており、下面側はほぼ平坦に形成されている。蓋部51の下面側の幅方向中央から固定部52が垂下している。
【0027】
固定部52は、垂下方向の中間部において、左右の両側方に突出する第1係合部53,53と、第1係合部53より下方から左右の両側方に突出する第2係合部54,54と、左右の第1係合部53の間に形成された中空部55とを備えている。第1係合部53,第2係合部54及び中空部55は、長手方向に連続して形成されている。本形態では、第2係合部54は、固定部52の下端に位置している。
【0028】
次に、横枠30と溝カバー50との関係について説明する。図2に示すように、レール溝33は、一対の前壁部37,37によって開口35が形成されている。つまり前壁部37,37が隙間をあけて配置され、その隙間が開口35となされているので、開口幅は、奥部よりも狭くなされている。前壁部37の奥側には、レール溝33の奥側に面する面部が形成され、この面部が固定部52の第1係合部53が係合される係止部38となされている。なお、横枠30のレール溝33は、後述する縦枠40のレール溝43と比べて、係止部38の位置が開口側に相対的に近い浅い位置にあるので、浅溝と記載する場合がある。
【0029】
すなわち、図2に示された溝カバー50は、第1係合部53,53が、係止部38,38に係合されることで横枠30に取付けられる。
【0030】
次に、図8図9を用いて横枠30に対する溝カバー50の取付構造を説明する。図8は取付前の説明図、図9は取付後の説明図である。溝カバー50において、固定部52の左右の第1係合部53間の幅寸法L1及び左右の第2係合部54間の幅寸法L2は、開口35の開口幅L3より大きいため、横枠30のレール溝33の開口35に溝カバー50の固定部52を差し込むと、固定部52に弾性変形が生じる。本形態では、第2係合部54は上下方向が薄い薄板状に形成されているので、突出先端が上方に弾性的に変形した状態で前壁部37,37間を通過する。第1係合部53は、本形態では、側方に突出する山型状であるため、第1係合部53,53間の中空部55が左右から押圧されて左右方向の幅が狭められて前壁部37,37間を通過する。
【0031】
第1係合部53と第2係合部54との間には、内側に向けて切り欠かれた切り欠き部56を有している。本形態では、切り欠き部56は、前壁部37,37間を通過した後、切り欠き部56内に前壁部37が位置できる空間を有しているので、前壁部37に対して、第1係合部53及び第2係合部54の両方が一緒に前壁部37を押圧する状態は生じにくく、固定部52の差し込み作業の負荷が少なくなる。また、第2係合部54が変形する際、切り欠き部56内に折り畳まれるので、前壁部37との間で生じる摩擦が抑えされて、取付作業が容易となる。
【0032】
第1係合部53が、前壁部37,37間を通過し終えると弾性変形が解除されて、前壁部37の係止部38の下側に位置する(図9)。これにより、第1係合部53が係止部38に係合し、前壁部37,37間から固定部52を引き抜こうとしても、第1係合部53が係止部38に引っ掛かって、容易には引き抜かれなくなる。
【0033】
次に、横枠30に取付けられた溝カバー50の取り外しについて説明する。溝カバー50の取り外しは、長手方向に対してほぼ同時に取り外すことは難しく、溝カバー50の長手方向の一端をつまみ上げて長手方向に沿って徐々に取り外すことになる。このため、溝カバー50の一部を取り外した状態においては、前壁部37に対して溝カバー50の固定部52が斜め向きに配置された状態、つまり、第1係合部53が開口35の外側に出て第2係合部54が前壁部37,37間に配置された箇所と、その近傍に第1係合部53が前壁部37,37間に配置された箇所とが生じる。
【0034】
第1係合部53が前壁部37,37間に配置された状態では、中空部55は左右から押圧されて幅が狭められるように弾性力が生じる。
第2係合部54が前壁部37,37間に配置された状態では、突出先端が下方に向けて弾性変形している。この変形により、第2係合部54付近では下部側には圧縮力が生じる。一方、上部側では引張力が生じるため中空部55が左右に広げられるように弾性力が生じる。このように中空部55付近では、互いの変形を阻害するように弾性力が生じるため、第1係合部53及び第2係合部54が前壁部37を相対的に強く押圧するようになり、取り外しにくくなる。
【0035】
したがって、溝カバー50は、浅溝のレール溝33に対して取付けやすく、かつ、取り外しにくくなる。
【0036】
ここで、第2係合部54が前壁部37,37間に配置された状態で、前述の引張力を効果的に作用させるためには、中空部55の下端が、左右の第2係合部54の上端を結ぶ位置よりも下方に達していることが好ましい。
【0037】
次に、縦枠40と溝カバー50との関係について説明する。図5に示すように、レール溝43は、一対の前壁部46,46によって開口45が形成されている。つまり前壁部46,46が隙間をあけて配置され、その隙間が開口45となされているので、開口幅は、奥部よりも狭くなされている。前壁部46の奥側には、レール溝43の奥側に面する面部が形成され、この面部が第2係合部54が係合される係止部47となされている。なお、縦枠40のレール溝43は、前述の横枠30のレール溝33と比べて係止部47の位置が開口45から相対的に遠い位置にあるので、深溝と記載する場合がある。
【0038】
すなわち、図5に示された溝カバー50は、第2係合部54,54が、係止部47、47に係合され、固定部52が前壁部46,46間に固定されることで、縦枠40に取付けられる。
【0039】
次に、図10図11を用いて縦枠40に対する溝カバー50の取付構造を説明する。図10は取付前の説明図、図11は取付後の説明図である。溝カバー50において、固定部52の左右の第1係合部53間の幅寸法L1及び左右の第2係合部54間の幅寸法L2は、開口45の開口幅L4より大きいため、縦枠40のレール溝43の開口45に溝カバー50の固定部52を差し込むと、固定部52に弾性変形が生じる。本形態では、第2係合部54の突出先端が上方に弾性的に変形して開口45内に挿入される。この際、第2係合部54付近では、下部側では引張力が生じる。一方、上部側では圧縮力が生じるので、中空部55の左右方向の幅寸法が狭くなるように弾性的に変形するため、この変形と連動して左右の第1係合部53,53が近づく。これにより、第1係合部53と前壁部46間に生じる摩擦は相対的に小さくなるため、固定部52が前壁部46,46間を通過しやすくなる。また、第2係合部54が変形する際、切り欠き部56内に折り畳まれるので、前壁部46との間で生じる摩擦が抑えされて、取付作業が容易となる。
【0040】
第2係合部54は、前壁部46,46間を通過し終えると、図11に示すように、弾性変形が解除されて係止部47の下方に位置する。これにより、第2係合部54が係止部47に係合し、固定部52を開口45から引き抜こうとしても、第2係合部54が係止部47に引っ掛かって、容易には引き抜かれなくなる。加えて前述の弾性変形の解除により、中空部55の左右方向の幅寸法が狭くなる弾性変形も解除され、その分、第1係合部53は前壁部46を押圧することとなり、前壁部46,46間に固定部52を強固に固定することができる。
【0041】
次に、レール溝43に取付けられた溝カバー50の取り外しについては、レール溝33に取付けられた溝カバー50の取り外しと同様な効果を期待することができるので、説明は省略する。
【0042】
したがって、溝カバー50は、浅溝のレール溝33及び深溝のレール溝43に対して取付けやすく、かつ、取り外しにくくなる。
【0043】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、溝カバーの中空部は、本実施形態では、蓋部の下端から第2係合部付近まで達するものであるが、固定部の下端に達して、中空部を切り欠き形状としてもよい。また、中空部を縦方向又は横方向に分割したものでもよい。また、蓋部と第1係合部の間、又は、第1係合部と第2係合部との間に、側方に突出する突起部を設けて、前壁部間に生じる摩擦の程度を調整するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 パネル材
20 枠体
30 横枠
31 差し込み溝
32 開口
33 レール溝
34 レール用ナット
35 開口
36 ビス孔
37 前壁部
38 係止部
40 縦枠
41 差し込み溝
42 開口
43 レール溝
44 レール用ナット
45 開口
46 前壁部
47 係止部
50 溝カバー
51 蓋部
52 固定部
53 第1係合部
54 第2係合部
55 中空部
56 切り欠き部
60 中枠
71 連結具
72 脚部
100 フェンス
L1,L2 幅寸法
L3,L4 開口幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11