(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144973
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20241004BHJP
A61M 21/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61M21/00 B
A61B5/16 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057178
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 広樹
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PR01
4C038PR04
4C038PS03
(57)【要約】
【課題】眠気を管理すること。
【解決手段】管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を取得する情報取得部と、を備える管理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果を取得する情報取得部と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記検出結果は、検出されたタイミングが互いに異なる複数の検出結果である、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記情報取得部の取得した1又は複数の検出結果に基づいて、前記管理対象の脳の状態に関する情報である脳状態情報を取得する制御部、
をさらに備える請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記脳状態情報を所定の出力先に出力させる、
請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記脳状態情報は、前記管理対象の脳の状態に関する情報であって、前記管理対象の業務効率又は健康管理に用いられる情報である、
請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理対象に対して、前記管理対象の脳の代謝を高める刺激を与える刺激印加部と、
前記検出結果に基づき、前記刺激印加部の動作を制御して前記管理対象に前記刺激を与えさせる制御部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記脳の代謝の度合が所定の程度よりも低い場合に満たされる所定の条件である判定条件が満たされる場合に、前記刺激印加部の動作を制御して前記管理対象に前記刺激を与えさせる、
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記刺激印加部が前記管理対象に与えた刺激と、前記刺激を受けた前記管理対象から前記検出部の得た検出結果と、に少なくとも基づき、前記管理対象に与える刺激を決定する、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項9】
前記刺激は、電気刺激である、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項10】
前記刺激印加部は、前記刺激の印加として、光量が所定の量以上の光を放射する、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項11】
前記刺激印加部は、前記刺激の印加として、強さが所定の強さ以上の香りを放出する、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項12】
前記刺激印加部は、前記刺激の印加として、大きさが所定の大きさ以上の音を出力する、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項13】
前記判定条件は、前記量の値が所定の値より小さい、
という条件である、
請求項7に記載の管理システム。
【請求項14】
前記量は、脳波、目の動き、心拍数、血糖値、血圧又は酸素飽和度である、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項15】
管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を取得する情報取得部と、を備える管理システムが実行する管理方法であって、
前記検出部が前記量を検出する検出ステップと、
前記情報取得部が前記検出結果を取得する取得ステップと、
を有する管理方法。
【請求項16】
請求項1に記載の管理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理システム、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
体調や生理的な事情から、人は眠気を感じる場合がある。しかしながら、状況によっては、眠気に負けて眠ってしまってはいけない場面も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑み、本発明は、眠気を管理する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を取得する情報取得部と、を備える管理システムである。
【0006】
本発明の一態様は、管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を取得する情報取得部と、を備える管理システムが実行する管理方法であって、前記検出部が前記量を検出する検出ステップと、前記情報取得部が前記検出結果を取得する取得ステップと、を有する管理方法である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の管理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、眠気を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の管理システムの概要を説明する説明図。
【
図2】実施形態における管理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】実施形態の管理システムが実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図4】実施形態における管理対象の眠気を管理する処理の流れの第1の例を示すフローチャート。
【
図5】実施形態における管理対象の眠気を管理する処理の流れの第2の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態の管理システム100の概要を説明する説明図である。管理システム100は、管理対象の眠気を管理する。管理対象は、具体的には、人である。
図1の例において人9が管理対象の一例である。管理システム100は、検出装置1と、管理装置2と、刺激印加装置3と、を備える。
【0011】
<検出装置1に関して>
検出装置1は、管理対象の脳の代謝の状態と相関を有する量(以下「相関量」という。)を検出する。相関量は、例えば管理対象の脳波であってもよいし、管理対象の目の動きであってもよいし、管理対象の心拍数であってもよいし、管理対象の血糖値であってもよいし、管理対象の血圧であってもよいし、管理対象の酸素飽和度(SpO2)であってもよい。
【0012】
相関量が脳波である場合、検出装置1は例えば、脳波の測定器である。脳波の測定器は、例えば、メッシュ型の帽子などの形状であってもよいし、ゴーグルやイヤホン等の人が頭部に身に着けるものに備え付けられていてもよい。
【0013】
相関量が目の動きである場合、検出装置1は例えば、カメラである。カメラは例えば車載カメラであってもよい。カメラは例えばスマートフォンに搭載されたカメラであってもよい。
【0014】
相関量が心拍数である場合、検出装置1は例えば、心拍センサーである。心拍センサーは例えばリストバンドに取り付けられていてもよい。心拍センサーは例えばスマートフォンやスマートウォッチ等の携帯端末に搭載されていてもよい。
【0015】
相関量が血糖値である場合、検出装置1は例えば、CGM(Continuous Glucose Monitoring)や、FGM(Flash Glucose Monitoring)等の皮膚に張り付けて血糖値を測定する血糖値測定器である。
【0016】
相関量が血圧である場合、検出装置1は例えば、血圧センサーである。血圧センサーは例えばスマートフォンやスマートウォッチ等の携帯端末に搭載されていてもよい。
【0017】
相関量が酸素飽和度である場合、検出装置1は例えば、パルスオキシメータである。
【0018】
検出装置1は、検出した相関量を示す情報(以下「相関量情報」という。)を、管理装置2に出力する。
【0019】
<管理装置2に関して>
管理装置2は、相関量情報に基づく出力を行う。管理装置2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部21を備え、プログラムを実行する。プログラムの実行により管理装置2はコンピュータとして動作する。
【0020】
管理装置2は、通信部20も備える。通信部20は、検出装置1による検出結果を取得する。検出装置1による検出結果とは具体的には相関量情報である。
【0021】
制御部21は、管理装置2の備える各機能部の動作を制御する。したがって、制御部21は、例えば、通信部20の動作を制御する。制御部21は例えば、通信部20の取得した相関量情報を取得する。
【0022】
制御部21は、例えば取得した相関量情報に基づき、脳状態情報を取得する。脳状態情報は、管理対象の脳の状態(以下「脳状態」という。)を示す情報である。脳状態情報は、例えば、管理対象の脳の状態に関する情報であって、管理対象の業務効率の改善又は健康管理に用いられる情報である。このような脳状態情報は、例えば、脳の代謝の度合(以下「脳代謝度」という。)を示す情報である。すなわち、脳状態は例えば脳代謝度によって示されてもよい。なお、脳代謝度は、高いほど脳の疲労の度合が低く、低いほど脳の疲労の度合が高い。したがって、脳状態は、脳代謝度に代えて、脳の疲労の度合によって示されてもよい。
【0023】
制御部21は、脳代謝度を、例えば、脳波に基づいて推定する。例えば脳波が13Hz以上のベータ波であれば脳の代謝の度合が高い。このような、制御部21が相関量情報に基づいて脳状態を推定する際の規則は、医学的な知見に基づき、予め定められていてよい。なお、脳状態情報は、脳状態を示す情報であるので、脳状態を推定するとは、脳状態情報を得ることを意味する。
【0024】
なお、制御部21は例えば、脳状態を、複数の検出結果に基づいて推定してもよい。複数の検出結果は、例えば、検出装置1によって検出されたタイミングが互いに異なる複数の検出結果である。
【0025】
検出されたタイミングが互いに異なる複数の検出結果に基づく脳状態の推定は、例えば、複数の検出結果の分布が示す統計量に基づいて行われてもよい。
【0026】
<情報の出力と、情報の出力が奏する効果と、について>
制御部21は、例えば取得した脳状態情報を、所定の出力先に出力させる。所定の出力先は、例えば後述する、出力部24である。このようにして出力された脳状態情報は、例えば管理対象本人や管理対象を見守る人によって得られて、管理対象の健康管理に用いられる。また、このようにして出力された脳状態情報は、例えば管理対象本人や管理対象の業務を管理する管理者によって得られて、管理対象の業務効率の改善に用いられる。
【0027】
<刺激印加装置3に関して>
刺激印加装置3は、制御部21による制御を受けて、管理対象に刺激を印加する。制御部21は、例えば、検出装置1の得た検出結果に基づき、刺激印加装置3の動作を制御して管理対象に刺激を与えさせる。制御部21は、例えば脳状態情報に基づき、刺激印加装置3の動作を制御して管理対象に刺激を与えさせてもよい。
【0028】
より具体的には、制御部21は、判定条件が満たされる場合に、刺激印加装置3の動作を制御して管理対象に刺激を与えさせる。したがって、制御部21は、判定条件が満たされるか否かの判定を行う。以下、判定条件が満たされるか否かの判定の処理を、判定処理という。判定条件は、検出装置1の得た検出結果又は脳状態情報が示す脳の代謝の度合が所定の程度よりも低い場合に満たされる所定の条件である。ところで、以下説明の簡単のため、検出結果に基づいて制御部21が刺激印加装置3を制御する場合を例に説明を行うが、上述したように脳状態情報は検出結果に基づいて得られることから、説明は、脳状態情報の場合についても同様である。
【0029】
判定条件は、例えば、医学的知見に基づき脳の代謝の度合が所定の程度よりも低いと推定される条件であればどのような条件であってもよい。このような判定条件は、例えば相関量の値が所定の値より小さい、という条件であってもよい。このような判定条件は、例えば、血糖値が70又は60mg/dlを下回った、という条件である。判定条件は、例えば血糖値が、ピークを記録してから2時間以内に150mg/dl以上落ちた、という条件である。判定条件は、例えば血圧が、20mmHg以上低下した、という条件であってもよい。判定条件は、例えば、SpO2が95を下回った、という条件であってもよい。判定条件は、例えば、心拍数が60/分を下回った、という条件であってもよい。
【0030】
なお、判定条件は例えば、予め得られた管理対象の眠気と相関量との関係に基づいて決定されたものであってもよい。したがって、判定条件は、例えば得られたタイミングの異なる複数の検出結果に基づいて決定されてもよい。判定条件の決定は、人が行ってもよいし、制御部21が得られたタイミングの異なる複数の検出結果に基づき、予め定められた所定の規則に基づいて決定してもよい。予め定められた所定の規則は、例えば、予め機械学習により得られた学習済みの数理モデルによる決定であってもよい。
【0031】
<<刺激の例>>
管理対象に与える刺激の例を述べる。刺激は、管理対象の脳の代謝の度合を高めるものであればどのようなものであってもよい。このような刺激は、例えば電気刺激である。刺激は、例えば、光量が所定の量以上の光であってもよい。すなわち、刺激印加装置3は、刺激の印加として、光量が所定の量以上の光を放射してもよい。刺激は、例えば強さが所定の強さ以上の香りであってもよい。すなわち、刺激印加装置3は、刺激の印加として、強さが所定の強さ以上の香りを放出してもよい。刺激は、例えば大きさが所定の大きさ以上の音であってもよい。すなわち、刺激印加装置3は、刺激の印加として、大きさが所定の大きさ以上の音を出力してもよい。
【0032】
なお、刺激は、必ずしも1種類の刺激である必要はない。管理対象に与える刺激は、複数種類の刺激であってもよい。例えば管理対象に与える刺激は、電気刺激、香り、光又は音のうちの少なくとも2つの組合せであってもよい。
【0033】
<<刺激の種類及び強さの制御>>
制御部21は、判定条件が満たされた場合に、刺激印加装置3に対して刺激の印加を指示するが、このとき制御部21は、刺激印加装置3の動作を制御して、刺激印加装置3が管理対象に印加する刺激の種類又は強さ、の制御も行ってよい。このような例をより具体的に説明する。
【0034】
管理システム100では、管理対象に刺激が印加された結果を検出装置1が検出してもよい。制御部21は、検出結果に基づき、判定条件が満たされるか否かを判定する。判定条件が満たされた場合、制御部21は次に、どのような刺激を与えるかを決定する。以下、制御部21が、管理対象にどのような刺激を与えるかを決定する処理を刺激決定処理という。
【0035】
刺激決定処理は、具体的には、検出結果と、直前のタイミングで管理対象に与えた刺激と、に少なくとも基づき、管理対象に与える刺激を決定する処理である。より具体的には、刺激決定処理は、刺激印加装置3が直前のタイミングで管理対象に与えた刺激と、その刺激を受けた管理対象から検出装置1の得た相関量(すなわち検出結果)と、に少なくとも基づき、次に管理対象に与える刺激を決定する処理である。直前のタイミングで管理対象に与えた刺激は、1つ前の検出結果に基づくので、刺激決定処理による決定は、タイミングの異なる複数の検出結果に基づいて決定される、といえる。
【0036】
刺激決定処理は、例えば、刺激印加装置3が直前のタイミングで管理対象に与えた刺激と、その刺激を受けた管理対象から検出装置1の得た検出結果と、に少なくとも基づき、予め定められた所定の規則(以下「決定規則」という。)に基づき、印加する刺激の数及び種類と、印加する各刺激の強さと、を決定する。以下、刺激印加装置3が直前のタイミングで管理対象に与えた刺激と、その刺激を受けた管理対象から検出装置1の得た検出結果と、を、刺激決定要素という。なお管理対象から検出結果を得るとは検出装置1が管理対象に対してセンシングを行い相関量を得ることを意味する。
【0037】
決定規則は例えば、管理対象の脳の代謝を向上させる刺激を推定する予め機械学習により得られた学習済みの数里モデルであって、少なくとも刺激決定要素に基づいて、印加する刺激の数及び種類と、印加する各刺激の強さと、を推定する数理モデルであってもよい。決定規則は、医学的知見に基づき、人が決定した規則であってもよい。したがって、決定規則にしたがって印加される刺激は、直前のタイミングに印加された刺激とは必ずしも同一ではなくてもよい。例えば直前のタイミングに印加された刺激が電気刺激であって、その次のタイミングの刺激が香りであるというように、刺激の種類が違ってもよい。
【0038】
刺激決定処理は、必ずしも数及び種類と大きさとを決定する必要はない。印加対象に印加する刺激の数及び種類が予め定められている場合には、刺激決定処理は各刺激の大きさだけを決定すればよい。このような場合、決定規則は、例えば、管理対象の脳の代謝を向上させる刺激を推定する予め機械学習により得られた学習済みの数里モデルであって、少なくとも刺激決定要素に基づいて、印加する刺激の強さ、を推定する数理モデルであってもよい。決定規則は、医学的知見に基づき、人が決定した規則であってもよい。
【0039】
また、印加対象に印加される場合の各刺激の大きさが予め定められている場合、刺激決定処理は、刺激の数及び種類だけを決定すればよい。このような場合、決定規則は、例えば、管理対象の脳の代謝を向上させる刺激を推定する予め機械学習により得られた学習済みの数里モデルであって、少なくとも刺激決定要素に基づいて、印加する刺激の数及び種類、を推定する数理モデルであってもよい。決定規則は、医学的知見に基づき、人が決定した規則であってもよい。
【0040】
制御部21は、刺激印加装置3の動作を制御し、刺激決定処理で決定した刺激を刺激印加装置3に出力させる。これが、刺激印加装置3が管理対象に印加する刺激の種類又は強さ、の制御の一例である。
【0041】
<管理装置2のハードウェア構成の一例>
図2は、実施形態における管理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。管理装置2は、上述したように、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部21を備え、プログラムを実行する。管理装置2は、プログラムの実行によって通信部20、制御部21、入力部22、記憶部23及び出力部24を備える装置として機能する。
【0042】
より具体的には、プロセッサ91が記憶部23に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、管理装置2は、通信部20、制御部21、入力部22、記憶部23及び出力部24を備える装置として機能する。
【0043】
通信部20は、管理装置2を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部20は、有線又は無線を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば検出装置1である。このような場合、通信部20は検出装置1との通信により検出装置1の得た検出結果を取得する。制御部21は通信部20の得た検出結果を取得する。外部装置は、例えば刺激印加装置3である。制御部21は通信部20を介して刺激印加装置3の動作を制御する。
【0044】
制御部21は、管理装置2が備える各種機能部の動作を制御する。その結果、制御部21は、管理装置2が備える各機能部の動作の制御を介して、管理システム100の備える各機能部の動作を制御する。制御部21は、例えば検出結果の取得を行う。制御部21は、例えば脳状態情報の取得を行う。制御部21は、例えば出力部24の動作を制御して、取得した脳状態情報を出力部24に出力させる。制御部21は、例えば判定処理を実行する。制御部21は、例えば刺激決定処理を実行する。制御部21は、例えば刺激印加装置3の動作を制御する。
【0045】
入力部22は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部22は、これらの入力装置を管理装置2に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部22は、管理装置2に対する各種情報の入力を受け付ける。
【0046】
記憶部23は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置(non-transitory computer-readable recording medium)を用いて構成される。記憶部23は管理装置2に関する各種情報を記憶する。
【0047】
出力部24は、各種情報を出力する。出力部24は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部24は、これらの表示装置を管理装置2に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部24は、例えば入力部22又は通信部20に入力された情報を出力する。出力部24は、例えば、制御部21の得た脳状態情報を出力する。
【0048】
図3は、実施形態の管理システム100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理システム100では
図3の処理が所定の周期で、電源が落ちる等の所定の終了条件が満たされるまで、繰り返し実行される。
【0049】
検出装置1が相関量を取得する(ステップS101)。検出装置1の得た相関量は検出装置1による検出結果である。次に通信部20が検出結果を取得する(ステップS102)。次に制御部21が通信部20の得た検出結果を取得する(ステップS103)。制御部21は、検出結果に基づき、管理対象の眠気を管理する処理を実行する(ステップS104)。
【0050】
管理対象の眠気を管理する処理は、例えば、検出結果に基づき脳状態情報を取得し、取得した脳状態情報を出力部24に出力させる処理である。管理対象の眠気を管理する処理は、例えば、以下の
図4に示す処理である。
【0051】
図4は、実施形態における管理対象の眠気を管理する処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。制御部21が、判定処理を実行する(ステップS201)。すなわち、制御部21が、判定条件が満たされるか否かの判定を行う。判定条件が満たされない場合(ステップS201:NO)、処理が終了する。処理が終了した場合、管理システム100において
図3に示すステップS101の処理が実行される。一方、判定条件が満たされる場合(ステップS201:YES)、制御部21は、刺激決定処理を実行する(ステップS202)。次に制御部21は、刺激印加装置3の動作を制御し、刺激決定処理によって決定された刺激を管理対象に印加させる(ステップS203)。
【0052】
なお上述したように、刺激が予め定められている場合、刺激決定処理は必ずしも実行される必要はない。このような場合の管理対象の眠気を管理する処理の流れの一例を
図5に示す。
【0053】
図5は、実施形態における管理対象の眠気を管理する処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。制御部21が、判定処理を実行する(ステップS201)。すなわち、制御部21が、判定条件が満たされるか否かの判定を行う。判定条件が満たされない場合(ステップS201:NO)、処理が終了する。処理が終了した場合、管理システム100において
図3に示すステップS101の処理が実行される。一方、判定条件が満たされる場合(ステップS201:YES)、制御部21は、刺激印加装置3の動作を制御し、予め定められた所定の刺激を管理対象に印加させる(ステップS203a)。
【0054】
このように構成された管理システム100は、検出装置1を備え管理対象から相関量の値を得る。そのため、眠気を管理する。
【0055】
さらに具体的には、検出装置1の得た検出結果に基づき脳状態情報を取得し、それを出力する。そのため管理対象自身又は管理対象の管理者は、管理対象の脳の状態を把握することができ、その結果、管理対象の眠気を管理することができる。例えば管理対象の眠気が高いと管理者が知れば、管理者は管理対象に声掛けをして眠気を覚まさせることができる。このことは、例えば、管理者が業務中にケガをしてしまうリスクを軽減することにつながる。
【0056】
また、検出装置1の得た検出結果に基づき管理対象に刺激を印加する。それにより、管理システム100は、管理対象の眠気を軽減させることができる。刺激の印加は、その印加するタイミングを制御部21が判断する。すなわち判定条件が満たされるか否かを判定する。刺激を印加するタイミングを制御部21が判断するので、むやみやたらと管理対象を刺激することはない。むやみやたらと刺激が印加されれば、それは管理対象の集中力が下がってしまう。管理システム100では、判定条件が満たされるか否かが判定されるため、このような事態の発生を軽減することができる。
【0057】
さらに、刺激の印加に関して、刺激決定処理が実行される場合、より適切に管理対象に刺激が印加される。一般に刺激が強ければ強いほど管理対象の眠気は軽減されると期待される。しかしながら、人は、刺激が同じであればそれに慣れてしまい、かつては眠気の軽減に効果的だった刺激がそうではなくなる場合もある。そこで、刺激決定処理により、刺激の数及び種類や大きさを決定することで、このような事態の発生を抑制することができる。
【0058】
(変形例)
管理装置2は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、管理装置2が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0059】
管理装置2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0060】
なお、検出装置1は検出部の一例である。刺激印加装置3は刺激印加部の一例である。なお、通信部20は、情報取得部の一例である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
100…管理システム、 1…検出装置、 2…管理装置、 3…刺激印加装置、 20…通信部、 21…制御部、 22…入力部、 23…記憶部、 24…出力部、 91…プロセッサ、 92…メモリ