(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144976
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 29/00 20060101AFI20241004BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08B29/00 A
G08B17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057183
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 高嗣
【テーマコード(参考)】
5C087
5G405
【Fターム(参考)】
5C087DD04
5C087DD07
5C087DD33
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG81
5G405AB01
5G405AB02
5G405AB03
5G405AB05
5G405CA11
5G405CA42
(57)【要約】
【課題】防災機器の点検のモチベーションを向上させる。
【解決手段】本発明に係る情報管理装置は、点検者により試験器を用いて試験された防災機器の個数と前記試験に要した歩数のうち、少なくともいずれか一方に応じてポイントを算出し、算出したポイントを点検者に対応付けて記録するポイント算出部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検者により試験器を用いて試験された防災機器の個数と前記試験に要した歩数のうち、少なくともいずれか一方に応じてポイントを算出し、算出したポイントを前記点検者に対応付けて記録するポイント算出部を備える情報管理装置。
【請求項2】
前記ポイント算出部は、前記試験された防災機器の個数に、前記試験に要した歩数に応じて定まる値を乗じることで、前記ポイントを算出することを特徴とする、請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記値は、前記試験に要した歩数と前記試験の依頼者に応じて定まることを特徴とする、請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記試験の結果を受け付けて記録する試験管理部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記試験の結果には、前記試験された防災機器の機種、製造年月日または製造番号が含まれることを特徴とする、請求項3に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記試験管理部は、前記点検者の携帯端末から送信される前記試験の結果を受け付け、
前記点検者の携帯端末は、前記試験器から前記試験の結果を受信する
ことを特徴とする、請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記試験の依頼者の端末装置から送信される要求を受けて、前記試験を依頼するための点検依頼書フォームを前記端末装置に対して送信する点検依頼受付部をさらに備え、
前記端末装置から送信される要求は、前記依頼者が前記端末装置で所定のコードを読み取ることで送信される
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記試験に要した歩数が所定の歩数に満たない場合に、前記点検者の携帯端末に対して警告を送信する判定部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項9】
携帯型のコンピュータを、
防災機器の試験に要する歩数を計測する歩数計測部と、
前記試験に使用された試験器から前記試験の結果を受け付ける試験結果受付部と、
前記歩数計測部により計測された歩数を情報管理装置に送信する通信部と、
前記試験結果受付部により受け付けられた前記試験の結果を前記情報管理装置に送信する試験結果送信部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災の発生を感知するための機器として、感知器が広く利用されている。この感知器を火災時に正常に作動させるためには、定期的な点検が必要である。
【0003】
感知器の点検には、通常、試験器が用いられる。例えば、感知器が煙感知器である場合には、加煙試験器が用いられる。この場合、点検者は、まず、加煙試験器の支持棒を持ち上げて、先端に取り付けられている試験器部を煙感知器に近づける。そして点検者は、試験器部内に設けられたボンベから試験用ガスを放出し、擬似火災状態を作り出すことで、煙感知器の発報作動を試験する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような試験は感知器1個1個について行う必要があり、手間がかかる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、防災機器の点検のモチベーションを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る情報管理装置は、点検者により試験器を用いて試験された防災機器の個数と前記試験に要した歩数のうち、少なくともいずれか一方に応じてポイントを算出し、算出したポイントを前記点検者に対応付けて記録するポイント算出部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防災機器の点検のモチベーションを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、防災システム100の構成例を示す。
【
図3】
図3は、試験器103の電気的構成の一例を示す。
【
図5】
図5は、情報管理サーバ105の構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施例
本発明の実施例について説明する。
1-1.概要
まず、本実施例の概要について説明する。
本実施例では、点検者が試験した感知器の個数と、当該点検者が試験時に歩いた歩数とに応じてポイントを付与する。付与されるポイントは、例えば、以下の用途に利用可能である。
(1)報奨金や商品券との交換
(2)防災機器を購入する際の割引き
(3)複数の企業が加盟して利用できる共通ポイントへの変換
【0010】
そのため、点検者の点検に対するモチベーションが向上する。さらに、点検者が動機付けられて実際に点検を行うことで、当該点検者の健康が増進する。この効果は、点検者の高齢化が進んでいる現代において特に顕著である。
【0011】
また、本実施例では、点検者により試験された結果が情報管理サーバに送信されて蓄積される。そのため、情報管理サーバの管理者にとっては、どの物件にどのような感知器が設置されているかを把握することができるというメリットがある。
【0012】
1-2.構成
本実施例に係る防災システム100について、図面を参照して説明する。
図1は、防災システム100の構成例を示す。
防災システム100は、火災受信機101、感知器102、試験器103、点検者端末104、情報管理サーバ105、点検依頼者端末106および点検会社端末107を含む。
【0013】
これらの構成要素のうち、火災受信機101と感知器102は、防火対象物108に設置されている。火災受信機101は複数回線に対応しており、複数の伝送線109を介して感知器102と接続されている。
試験器103は、感知器102の試験に用いられる機器である。この試験器103は、点検者により使用される。
【0014】
点検者端末104は、点検者により携帯される端末装置であり、具体的にはスマートフォンである。この点検者端末104は、試験結果を、ネットワーク110を介して情報管理サーバ105に送信するために使用される。
情報管理サーバ105は、点検者端末104から送信される試験結果を管理するための情報管理装置である。また、この情報管理サーバ105は、点検依頼者から送信される点検依頼を受けて、適切な点検会社の選定を行うサーバでもある。
【0015】
点検依頼者端末106は、点検依頼者により使用される端末装置であり、具体的にはスマートフォンである。この点検依頼者端末106は、ネットワーク110を介して情報管理サーバ105に点検依頼を送信するために使用される。
点検会社端末107は、点検会社により使用される端末装置であり、具体的にはPCである。この点検会社端末107は、ネットワーク110を介して情報管理サーバ105から点検の打診を受けるために使用される。
以下、防災システム100を構成する主要な構成要素について、より詳細に説明する。
【0016】
1-2-1.火災受信機101
火災受信機101は、防火対象物108に設置された感知器102から火災信号を受信し、火災の発生を音響と地区表示により知らせるとともに、図示せぬ地区音響装置を鳴動させ、関係者または消防機関に報知するための防災設備機器である。この火災受信機101は、防火対象物108の防災センタや中央管理室に設置される。
【0017】
1-2-2.感知器102
感知器102は煙感知器である。この感知器102は、発光素子と受光素子を備え、発光素子の光束が暗箱内に流入した煙により散乱して受光素子に当たり、受光素子の起電圧が増加することを利用して火災を感知する。感知器102は、火災を感知すると、火災受信機101に火災信号を送信する。また感知器102は、自器の正面に配置された表示灯を点滅させる。その際の点滅パターンは、試験情報を表している。
【0018】
試験情報は、機種コード、製造年月日、製造番号および汚れ情報により構成されている。このうち、汚れ情報は、感知器102の受光素子がどの程度汚れているかを示す値であり、具体的には受光量を示す値である。
感知器102は、このような試験情報を、表示灯の点滅を通じて試験器103に通知する。この通知方法を「確認灯通信」と呼ぶ。
【0019】
1-2-3.試験器103
図2は、試験器103の外観の一例を示す。
試験器103は加煙試験器である。この試験器103は、支持棒201と、支持棒201の先端に取り付けれられた有底筒状の本体202を有する。
【0020】
本体202の開口部には、樹脂製の収容部203が取り付けられている。収容部203は、感知器102を覆いつつ天井に密着するように、略半球状の形状を有している。
【0021】
本体202には、加煙ユニット204が収容されている。加煙ユニット204は、試験用の煙を放出するためのユニットであり、圧縮ガスとともに火災時の煙を模した煙成分を放出するための缶を有している。また、加煙ユニット204は、図示せぬ蓋を有している。この蓋は、連結部205の一端と連結されている。連結部205の他端は、支持棒201の後端に配置された図示せぬレバーと連結されている。点検者は、このレバーを操作することで、連結部205を介して加煙ユニット204の蓋を開け、感知器102に対して煙を放出させる。
【0022】
本体202の開口部側には、受光部206が配置されている。この受光部206は、感知器102の表示灯から放射される光を受光するためのものである。
【0023】
図3は、試験器103の電気的構成の一例を示す。
試験器103は、RAM等の主記憶装置301と、フラッシュメモリ等の補助記憶装置302、CPU等のプロセッサ303と、近距離無線通信用モジュールである通信制御部304と、上述した受光部206を備える。
【0024】
このうち、主記憶装置301は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ303が実行することにより、各種の機能が実現される。本発明に特に関連する機能としては、試験情報取得部311と、異常判定部312と、試験結果送信部313が実現される。以下、各機能について説明する。
【0025】
試験情報取得部311は、受光部206が受光した光の点滅パターンを復号して試験情報を生成し、試験日と対応付けて補助記憶装置302に記憶する。
【0026】
異常判定部312は、試験対象である感知器102が正常であるか否かを判定する。この異常判定部312は2種類の判定を行う。
第1に異常判定部312は、点検者によりレバー操作が行われて煙が放出された後、所定の期間内に受光部206が受光したか否かを判定する。この判定の結果、所定の期間内に受光部206が受光した場合には、異常判定部312は正常と判定する。一方、所定の期間内に受光部206が受光しなかった場合には、異常判定部312は異常と判定する。
【0027】
第2に異常判定部312は、補助記憶装置302に記憶された試験情報を参照して、汚れ情報が示す汚れが所定の範囲内であるか否かを判定する。この判定の結果、汚れが所定の範囲内である場合には、異常判定部312は正常と判定する。一方、汚れが所定の範囲内でない場合には、異常判定部312は異常と判定する。
【0028】
異常判定部312は、上記の2種類の判定において、いずれも正常と判定した場合には、正常であることを示す情報を補助記憶装置302に記憶する。一方、いずれかの判定において異常と判定した場合には、異常であることを示す情報を補助記憶装置302に記憶する。
【0029】
試験結果送信部313は、補助記憶装置302に記憶された試験情報、異常判定結果そして試験日の組を、試験結果として点検者端末104に送信する。その際、試験結果送信部313は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて試験結果を点検者端末104に送信する。
【0030】
次に、補助記憶装置302について説明する。
補助記憶装置302は、試験結果情報321を記憶する。
図6は、試験結果情報321の一例を示す。
試験結果情報321は、試験日601、機種602、製造年月日603、製造番号604、汚れ情報605、異常判定結果606等のカラムを有する。
【0031】
1-2-4.点検者端末104
点検者端末104は、点検者により携帯される端末装置であり、具体的にはスマートフォンである。
図4は、点検者端末104の構成例を示す。
点検者端末104は、RAM等の主記憶装置401と、フラッシュメモリ等の補助記憶装置402と、CPU等のプロセッサ403と、タッチパネル、操作ボタン、カメラ、マイク等の入力装置404と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置405と、近距離無線通信用モジュールやネットワークカード等の通信制御部406を備える。
【0032】
このうち、主記憶装置401は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ403が実行することにより、各種の機能が実現される。本発明に特に関連する機能としては、情報通信部411、試験結果受付部412、試験結果送信部413および歩数計測部414が実現される。以下、各機能について説明する。
【0033】
情報通信部411は、点検者の操作を受けて、各種情報を情報管理サーバ105に送信する。送信される情報には、歩数計測部414が計測した歩数が含まれる。
また、情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信される各種情報を受け付けて表示する。
【0034】
試験結果受付部412は、試験器103から送信される試験結果を受け付けて記録する。記録される試験結果には、感知器102の機種、製造年月日、製造番号、汚れ情報および異常判定結果が含まれる。
【0035】
試験結果送信部413は、試験結果受付部412が受け付けて記録した試験結果を、情報管理サーバ105に送信する。
【0036】
歩数計測部414は、感知器102の試験に要する歩数を計測する。歩数の計測方法は、従来のスマートフォンの歩数計機能と同様である。例えば歩数計測部414は、加速度センサで体の上下方向の揺れを検知して歩数を計測する。
【0037】
次に、補助記憶装置402について説明する。
補助記憶装置402は、試験結果情報421を記憶する。試験結果情報421のデータ構成は、上述した試験器103の試験結果情報321と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0038】
1-2-5.情報管理サーバ105
情報管理サーバ105は、点検者端末104から送信される試験結果を管理するための情報管理装置である。
図5は、情報管理サーバ105の構成例を示す。
情報管理サーバ105は、RAM等の主記憶装置501と、HDD等の補助記憶装置502と、CPU等のプロセッサ503と、キーボードやマウス等の入力装置504と、ディスプレイ等の出力装置505と、ネットワークカード等の通信制御部506を備える。
【0039】
このうち、主記憶装置501は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ503が実行することにより、各種の機能が実現される。本発明に特に関連する機能としては、情報通信部511、試験管理部512、ポイント算出部513および点検依頼受付部514が実現される。以下、各機能について説明する。
【0040】
情報通信部511は、点検者端末104から各種情報を受け付けて記録する。また情報通信部511は、点検者端末104からの要求を受けて各種情報を送信する。
【0041】
試験管理部512は、点検者端末104から送信される試験結果を受け付けて記録する。記録される試験結果には、感知器102の機種、製造年月日、製造番号、汚れ情報および異常判定結果が含まれる。
【0042】
ポイント算出部513は、点検者により試験器103を用いて試験された感知器102の個数に応じてポイントを算出する。そしてポイント算出部513は、算出したポイントをその点検者に対応付けて記録する。
【0043】
このポイント算出部513は、ポイントを算出する際、まずポイント係数を特定する。このポイント係数は、試験に要した歩数と当該試験の依頼者の種類に応じて定まる値である。ここで言う試験の依頼者の種類とは、依頼者が一見客であるか否かである。
【0044】
ポイント算出部513は、ポイント係数を特定すると、特定したポイント係数に、試験された感知器102の個数を乗算してポイントを算出する。
【0045】
点検依頼受付部514は、点検依頼者端末106からの要求を受けて点検依頼書フォームを送信する。この点検依頼書フォームは、一見客である依頼者が情報管理サーバ105に対して点検を依頼するためのフォームである。依頼者は、このフォームを要求するにあたり、点検依頼者端末106で所定のコードを読み取る。この所定のコードとは、火災受信機101の筐体に貼付された二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))である。
【0046】
点検依頼受付部514は、必要事項が入力された点検依頼書を点検依頼者端末106から受け付けると、点検会社を選定する。そして点検依頼受付部514は、選定した点検会社の点検会社端末107に対して点検の日程調整を要求する。
【0047】
次に、補助記憶装置502について説明する。
補助記憶装置502は、物件情報521、回線情報522、点検者情報523、試験情報524、試験結果情報525、換算表526および点検依頼情報527を記憶する。以下、各情報について説明する。
【0048】
図7は、物件情報521の一例を示す。
物件情報521は、物件に関する情報である。この物件情報521は、物件管理番号701、物件名称702、受信機機種703、回線数704、点検者ID705、一見客フラグ706等のカラムを有する。
これらのカラムのうち、点検者ID705には、当該物件を担当する点検者のIDが格納される。
一見客フラグ706には、当該物件の点検依頼者が一見客であるか否かを示すフラグが格納される。
【0049】
図8は、回線情報522の一例を示す。
回線情報522は、物件に設定された回線に関する情報である。この回線情報522は、物件管理番号801、回線番号802、場所情報803等のカラムを有する。
これらのカラムのうち、場所情報803には、対応する回線が設定された場所の名称が格納される。
【0050】
図9は、点検者情報523の一例を示す。
点検者情報523は、点検者に関する情報である。この点検者情報523は、点検者ID901、点検者名称902、パスワード903、獲得ポイント904、技能・資格905等のカラムを有する。
【0051】
図10は、試験情報524の一例を示す。
試験情報524は、試験に関する情報である。この試験情報524は、物件管理番号1001、試験ID1002、試験日1003、ポイント1004、歩数1005、試験個数1006等のカラムを有する。
これらのカラムのうち、物件管理番号1001には、当該試験が行われた物件の管理番号が格納される。
ポイント1004には、当該試験が行われた結果、獲得されたポイントが格納される。
歩数1005には、当該試験に要した歩数が格納される。
試験個数1006には、当該試験で試験された感知器102の個数が格納される。
【0052】
図11は、試験結果情報525の一例を示す。
試験結果情報525は、試験結果に関する情報である。この試験結果情報525は、試験ID1101、回線番号1102、機種1103、製造年月日1104、製造番号1105、汚れ情報1106、異常判定結果1107、交換1108等のカラムを有する。
これらのカラムのうち、回線番号1102には、試験された感知器102が接続されている回線の番号が格納される。
交換1108には、試験された感知器102の交換の要否と交換済みかどうかを示す情報が格納される。
【0053】
図12は、換算表526の一例を示す。
換算表526は、歩数をポイント係数に換算するための表である。この換算表526は、歩数1201、ポイント係数(通常)1202、ポイント係数(一見客)1203等のカラムを有する。
これらのカラムのうち、ポイント係数(通常)1202には、通常の点検依頼者(言い換えると、一見客でない点検依頼者)に設定されたポイント係数が格納される。
ポイント(一見客)1203には、一見客の点検依頼者に設定されたポイント係数が格納される。
なお、この換算表526の値はあくまで一例であり、本実施例の利用シーンに応じて適宜設定してよい。
【0054】
図13は、点検依頼情報527の一例を示す。
点検依頼情報527は、一見客から送られてくる点検依頼に関する情報である。この点検依頼情報527は、依頼ID1301、依頼者氏名1302、物件名称1303、受信機機種1304、回線数1305、エラー番号1306、通信アドレス1307、希望対応日時1308等のカラムを有する。
【0055】
これらのカラムのうち、受信機機種1304には、点検依頼者の物件に設置されている火災受信機101の機種コードが格納される。
回線数1305には、点検依頼者の火災受信機101の回線数が格納される。
エラー番号1306には、点検依頼者の火災受信機101に表示されたエラー番号が格納される。
通信アドレス1307には、点検依頼者の通信アドレスが格納される。この通信アドレスは、点検依頼者と連絡を取るために使用される。
希望対応日時1308には、点検依頼者が点検の実施を希望する日時が格納される。
【0056】
1-3.動作
防災システム100の動作について説明する。具体的には、点検作業と、歩数計測処理と、試験結果閲覧処理と、一見客対応処理について説明する。
【0057】
1-3-1.点検作業
図14~
図16は、点検作業の一例を示す。
同図に示す点検作業1400を行うにあたり、まず点検者は、試験器103と点検者端末104を持参して対象の物件に向かう。点検者は対象の物件に到着すると、点検者端末104において点検用のプログラムを起動させる。
【0058】
プログラムが起動すると、点検者端末104は、まずログイン画面を表示する(ステップ1401)。点検者は、表示されたログイン画面に、点検者IDとパスワードを入力する(ステップ1402)。入力後、点検者端末104の情報通信部411は、入力された点検者ID等を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1403)。
【0059】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、点検者端末104から送信された点検者IDを受け付け、ユーザ認証を行う(ステップ1404)。その際、情報通信部511は、点検者情報523を参照して、点検者が予め登録された点検者であるか否かを判定する。このユーザ認証に失敗すると、情報通信部511はエラー通知を点検者端末104に返す。一方、このユーザ認証に成功すると、情報通信部511は、物件情報521を参照して、点検者が担当している物件を特定する(ステップ1405)。情報通信部511は、物件を特定すると、特定した物件のリストを点検者端末104に送信する(ステップ1406)。ここで送信される物件リストでは、各物件について物件管理番号と物件名称が対応付けられている。
【0060】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された物件リストを受け付けて表示する(ステップ1407)。点検者は、表示された物件リストにおいて、これから点検する物件を、点検対象として選択する(ステップ1408)。情報通信部411は、この選択を受けて、選択された物件の管理番号を点検対象として情報管理サーバ105に送信する(ステップ1409)。
【0061】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、点検者端末104から送信された物件管理番号を受け付けると、回線情報522を参照して、当該物件の回線を特定する(ステップ1410)。情報通信部511は、回線を特定すると、特定した回線のリストを点検者端末104に送信する(ステップ1411)。ここで送信される回線リストでは、各回線について回線番号と場所情報が対応付けられている。
【0062】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された回線リストを受け付けて表示する(ステップ1412)。点検者は、表示された回線リストにおいて、これから点検する回線を選択し、試験開始ボタンを選択する(ステップ1413)。選択された回線の番号は、点検対象の回線番号として点検者端末104に一時的に記憶される。また、情報通信部411は、この選択を受けて、試験開始通知を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1414)。送信される試験開始通知には、選択された回線の番号が含まれている。
【0063】
情報管理サーバ105の試験管理部512は、点検者端末104から送信された試験開始通知を受け付けると、試験IDを発行する。そして試験管理部512は、発行した試験IDと、点検対象の物件の管理番号と、試験日を対応付けて、試験情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1415)。また試験管理部512は、発行した試験IDを点検者端末104に送信する(ステップ1416)。送信された試験IDは、点検者端末104に一時的に記憶される。
【0064】
点検者は、試験開始ボタンを選択後、点検を開始する。具体的には点検者は、試験器103の収容部203を1個目の感知器102にかぶせ、レバーを操作して感知器102に対して煙を放出させる(ステップ1417)。
【0065】
感知器102は煙を検知すると、火災受信機101に火災信号を送信するとともに、表示灯を点滅させる(ステップ1418)。その際の点滅パターンは、試験情報を表している。この試験情報は、機種コード、製造年月日、製造番号および汚れ情報により構成されている。
表示灯の点滅光は、試験器103の受光部206により受光される(ステップ1419)。
【0066】
試験器103の試験情報取得部311は、受光部206が受光した光の点滅パターンを復号して試験情報を生成し、試験日と対応付けて補助記憶装置302に記憶する(ステップ1420)。
【0067】
次に、試験器103の異常判定部312は、感知器102が正常であるか否かを判定する(ステップ1421)。異常判定部312は2種類の判定を行う。
第1に異常判定部312は、点検者によりレバー操作が行われて煙が放出された後、所定の期間内に受光部206が受光したか否かを判定する。この判定の結果、所定の期間内に受光部206が受光した場合には、異常判定部312は正常と判定する。一方、所定の期間内に受光部206が受光しなかった場合には、異常判定部312は異常と判定する。
【0068】
第2に異常判定部312は、補助記憶装置302に記憶された試験情報を参照して、汚れ情報が示す汚れが所定の範囲内であるか否かを判定する。この判定の結果、汚れが所定の範囲内である場合には、異常判定部312は正常と判定する。一方、汚れが所定の範囲内でない場合には、異常判定部312は異常と判定する。
【0069】
異常判定部312は、上記の2種類の判定において、いずれも正常と判定した場合には、正常であることを示す情報を補助記憶装置302に記憶する。一方、いずれかの判定において異常と判定した場合には、異常であることを示す情報を補助記憶装置302に記憶する。
【0070】
異常判定の実行後、試験器103の試験結果送信部313は、補助記憶装置302に記憶された試験情報、異常判定結果そして試験日の組を、試験結果として点検者端末104に送信する(ステップ1422)。
【0071】
点検者端末104の試験結果受付部412は、試験器103から送信された試験結果を受け付けて、補助記憶装置402に記憶する(ステップ1423)。
次に、点検者端末104の試験結果送信部413は、補助記憶装置402に記憶した試験結果を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1424)。その際、試験結果送信部413は、試験結果とともに、試験IDと点検対象の回線番号を情報管理サーバ105に送信する。
次に、点検者端末104の歩数計測部414は、歩数計測処理を開始する(ステップ1425)。この歩数計測処理については後述する。
【0072】
情報管理サーバ105の試験管理部512は、点検者端末104から送信された試験結果等を受け付け、試験結果情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1426)。
【0073】
次に点検者は、2個目の感知器102の点検を開始する。具体的には点検者は、試験器103の収容部203を2個目の感知器102にかぶせ、レバーを操作して感知器102に対して煙を放出させる(ステップ1427)。
【0074】
感知器102は煙を検知すると、火災受信機101に火災信号を送信するとともに、表示灯を点滅させる(ステップ1428)。その際の点滅パターンは、試験情報を表している。この試験情報は、機種コード、製造年月日、製造番号および汚れ情報により構成されている。
表示灯の点滅光は、試験器103の受光部206により受光される(ステップ1429)。
【0075】
試験器103の試験情報取得部311は、受光部206が受光した光の点滅パターンを復号して試験情報を生成し、試験日と対応付けて補助記憶装置302に記憶する(ステップ1430)。
【0076】
次に、試験器103の異常判定部312は、感知器102が正常であるか否かを判定する(ステップ1431)。異常判定部312は2種類の判定を行う。ここで行う2種類の判定は、上述したステップ1421と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
異常判定の実行後、試験器103の試験結果送信部313は、補助記憶装置302に記憶された試験情報、異常判定結果そして試験日の組を、試験結果として点検者端末104に送信する(ステップ1432)。
【0078】
点検者端末104の試験結果受付部412は、試験器103から送信された試験結果を受け付けて、補助記憶装置402に記憶する(ステップ1433)。
次に、点検者端末104の試験結果送信部413は、補助記憶装置402に記憶した試験結果を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1434)。その際、試験結果送信部413は、試験結果とともに、試験IDと点検対象の回線番号を情報管理サーバ105に送信する。
【0079】
情報管理サーバ105の試験管理部512は、点検者端末104から送信された試験結果等を受け付け、試験結果情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1435)。
【0080】
次に点検者は、3個目の感知器102の点検を開始する。3個目以降の点検の流れは、上述したステップ1427~ステップ1435と同様であるため、その説明を省略する。
【0081】
点検者は、点検の過程で別の回線に移る場合には、上述した回線リストを再度表示させる。そして点検者は、表示させた回線リストにおいて、これから点検する回線を選択する。選択された回線の番号は、点検対象の回線番号として点検者端末104に一時的に記憶される。
【0082】
点検者は、点検が終了すると、点検者端末104において試験終了ボタンを選択する(ステップ1436)。点検者端末104の情報通信部411は、この操作を受けて、試験終了通知を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1437)。送信される試験終了通知には、歩数計測部414により計測された歩数と、試験IDと点検者IDとが含まれている。
【0083】
情報管理サーバ105の試験管理部512は、点検者端末104から送信された試験終了通知を受け付けると、受け付けた通知に含まれる歩数と試験IDを対応付けて、試験情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1438)。また試験管理部512は、試験結果情報525を参照して、試験した感知器102の個数を算出し、算出した個数をその試験IDと対応付けて、試験情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1439)。
【0084】
次に、情報管理サーバ105のポイント算出部513は、点検者に付与するポイントを算出する(ステップ1440)。その際、ポイント算出部513は、まず、物件情報521を参照して、点検依頼者の種類(一見客であるか否か)を特定する。
次にポイント算出部513は、換算表526を参照してポイント係数を特定する。その際、ポイント算出部513は、試験終了通知に含まれる歩数と、特定した点検依頼者の種類とに対応したポイント係数を特定する。
【0085】
次にポイント算出部513は、特定したポイント係数に、試験が行われた感知器102の個数を乗算して、点検者に付与するポイントを算出する。ポイント算出部513は、算出したポイントを、試験終了通知に含まれる試験IDと対応付けて、試験情報として補助記憶装置502に記憶する。またポイント算出部513は、点検者情報523を更新して、算出したポイントを点検者の獲得ポイントに加算する。
【0086】
ポイント算出後、情報管理サーバ105の試験管理部512は、試験情報524をもとに試験結果画面を生成する(ステップ1441)。そして試験管理部512は、生成した試験結果画面を点検者端末104に送信する(ステップ1442)。
【0087】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された試験結果画面を受け付けて表示する(ステップ1443)。
図20は、試験結果画面の一例を示す。同図に示す試験結果画面2000は、点検者に付与されたポイントと、点検者が点検に要した歩数と、点検者が試験した感知器102の個数を示している。
以上が点検作業1400についての説明である。
【0088】
以上説明した点検作業1400では、点検者が試験した感知器102の個数と、当該点検者が試験時に歩いた歩数とに応じてポイントが付与される。そのため、点検者の点検に対するモチベーションが向上する。さらに、点検者が動機付けられて実際に点検を行うことで、当該点検者の健康が増進する。この効果は、点検者の高齢化が進んでいる現代において特に顕著である。
【0089】
また上記の点検作業1400では、点検者により試験された結果が情報管理サーバ105に送信されて蓄積される。そのため、情報管理サーバ105の管理者にとっては、どの物件にどのような感知器が設置されているかを把握することができるというメリットがある。また、点検者にとっても、交換する感知器102の機種を把握できるというメリットがある。
【0090】
1-3-2.歩数計測処理
次に、点検者端末104の歩数計測部414が実行する歩数計測処理について説明する。
図17は、歩数計測処理の一例を示す。同図に示す歩数計測処理1700は、上述した点検作業1400において1個目の感知器102の点検が終了した後に開始される(ステップ1425参照)。
【0091】
本処理の開始後、歩数計測部414は、歩数の計測と時間の計測を開始する(ステップ1701)。その後、歩数計測部414は、10分間経過したか否かを判定する(ステップ1702)。この判定の結果、10分間が経過していない場合には(ステップ1702のNO)、歩数計測部414は、次の感知器102の試験情報を受信したか否かを判定する(ステップ1703)。この判定の結果、次の感知器102の試験情報を受信していない場合には(ステップ1703のNO)、歩数計測部414は、点検者により試験終了ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップ1704)。この判定の結果、点検者により試験終了ボタンが選択された場合には(ステップ1704のYES)、歩数計測部414は、歩数の計測と時間の計測を終了し、計測した歩数を出力する(ステップ1705)。
【0092】
上記のステップ1702の判定において、10分間が経過していた場合には(ステップ1702のYES)、歩数計測部414は、歩数の計測と時間の計測を停止する(ステップ1706)。これは、点検者が点検作業を中断し、休憩時間に入った可能性があるからである。そして歩数計測部414は、計測の停止後、次の感知器102の試験情報を受信したか否かを繰り返し判定する(ステップ1707)。この判定の結果、次の感知器102の試験情報を受信した場合には(ステップ1707のYES)、歩数計測部414は、時間をリセットした上で、時間と歩数の計測を再開する(ステップ1708)。そして歩数計測部414は、ステップ1702に戻る。
【0093】
上記のステップ1703の判定において、次の感知器102の試験情報を受信した場合には(ステップ1703のYES)、歩数計測部414は、時間をリセットして(ステップ1709)、ステップ1702に戻る。
以上が歩数計測処理1700についての説明である。
【0094】
なお、上記のステップ1707の判定において、所定時間(例えば、60分)、次の感知器102の試験情報を受信しない場合には、歩数計測部414は、点検者が試験終了の操作をせずに帰宅したと判断して、ステップ1705に進み、計測した歩数を出力してもよい。
【0095】
以上説明した歩数計測処理1700では、感知器102の試験情報を受信せずに10分間が経過すると、歩数計測が停止する。そのため、点検時以外の歩数(例えば、休憩時間中の歩数)を排除することができる。
なお、上記の処理で用いた「10分間」というしきい値はあくまで一例であり、本実施例の利用シーンに応じて適宜変更してよい。
【0096】
1-3-3.試験結果閲覧処理
次に、試験結果閲覧処理について説明する。この処理は、情報管理サーバ105に管理されている試験結果を点検者が閲覧する際に実行される処理である。
図18は、試験結果閲覧処理の一例を示す。同図に示す処理1800は、点検者が点検者端末104において点検用のプログラムを起動することで開始される。
【0097】
プログラムが起動すると、点検者端末104は、まずログイン画面を表示する(ステップ1801)。点検者は、表示されたログイン画面に、点検者IDとパスワードを入力する(ステップ1802)。入力後、点検者端末104の情報通信部411は、入力された点検者ID等を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1803)。
【0098】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、点検者端末104から送信された点検者IDを受け付け、ユーザ認証を行う(ステップ1804)。その際、情報通信部511は、点検者情報523を参照して、点検者が予め登録された点検者であるか否かを判定する。このユーザ認証に失敗すると、情報通信部511はエラー通知を点検者端末104に返す。一方、このユーザ認証に成功すると、情報通信部511は、物件情報521を参照して、点検者が担当している物件を特定する(ステップ1805)。情報通信部511は、物件を特定すると、特定した物件のリストを点検者端末104に送信する(ステップ1806)。
【0099】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された物件リストを受け付けて表示する(ステップ1807)。
図21は、表示される物件リストの一例を示す。同図に示す物件リスト2100では、各物件について物件管理番号と物件名称が対応付けられている。
【0100】
点検者は、表示された物件リストにおいて、これから閲覧する物件を、閲覧対象として選択する(ステップ1808)。情報通信部411は、この選択を受けて、選択された物件の管理番号を閲覧対象として情報管理サーバ105に送信する(ステップ1809)。
【0101】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、点検者端末104から送信された物件管理番号を受け付けると、試験情報524を参照して、当該物件について行われた試験を特定する(ステップ1810)。情報通信部511は、試験を特定すると、特定した試験のリストを点検者端末104に送信する(ステップ1811)。
【0102】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された試験リストを受け付けて表示する(ステップ1812)。
図22は、表示される試験リストの一例を示す。同図に示す試験リスト2200では、各試験について試験日と試験IDが対応付けられている。
【0103】
点検者は、表示された試験リストにおいて、閲覧対象の試験を選択する(ステップ1813)。情報通信部411は、この選択を受けて、選択された試験のIDを情報管理サーバ105に送信する(ステップ1814)。
【0104】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、点検者端末104から送信された試験IDを受け付けると、試験情報524と物件情報521を参照して試験情報画面を生成する(ステップ1815)。そして情報通信部511は、生成した試験情報画面を点検者端末104に送信する(ステップ1816)。
【0105】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された試験情報画面を受け付けて表示する(ステップ1817)。
図23は、表示される試験情報画面の一例を示す。同図に示す試験情報画面2300には、試験で獲得したポイントと、試験に要した歩数と、試験した感知器102の個数と、火災受信機101の機種コードが示されている。また当該画面には、詳細情報ボタン2301が示されている。この画面において点検者が詳細情報ボタン2301を選択すると、情報通信部411は情報管理サーバ105に対して詳細情報を要求する(ステップ1818)。
【0106】
情報管理サーバ105の情報通信部511は、この要求を受けて、試験結果情報525と回線情報522を参照して詳細情報画面を生成する(ステップ1819)。そして情報通信部511は、生成した詳細情報画面を点検者端末104に送信する(ステップ1820)。
【0107】
点検者端末104の情報通信部411は、情報管理サーバ105から送信された詳細情報画面を受け付けて表示する(ステップ1821)。
図24は、表示される詳細情報画面の一例を示す。同図に示す詳細情報画面2400には、試験結果テーブル2401が示されている。この試験結果テーブル2401は、回線番号、場所情報、機種、製造年月日、製造番号、汚れ情報、異常判定結果、交換等のカラムを有する。これらのカラムのうち、交換のカラムについては、格納されている値を「未処理」から「済」に手動で変更することができる。
点検者は、この試験結果テーブル2401を参照することで、感知器102の交換の要否と交換済みであるか否かを確認することができる。
以上が試験結果閲覧処理1800についての説明である。
【0108】
1-3-4.一見客対応処理
次に、一見客対応処理について説明する。
一般に物件の管理者は、点検会社との間で消防設備の保守契約を締結する。保守契約を締結した管理者は、自身の物件で消防設備の不具合が発生した場合、契約している点検会社に修理を依頼する。しかし、すべての管理者が点検会社と契約を結んでいるわけではない。管理者の中には、点検会社と契約を結んでいない者もいる。そのような管理者は、自身の物件で消防設備の不具合が発生した場合に、当該消防設備の製造メーカに連絡を取ることがある。しかし、連絡を受けた製造メーカで対応が困難な場合は、点検会社などで管理者(一見客)の物件対応を行うこともある。
以下に説明する一見客対応処理は、このような一見客対応を円滑に遂行することを目的としている。
【0109】
図19は、一見客対応処理の一例を示す。同図に示す処理1900では、点検依頼者が、スマートフォンである点検依頼者端末106を利用して情報管理サーバ105に点検を依頼する。点検の依頼を受けた情報管理サーバ105は、適切な点検会社を選定し、選定した点検会社に点検を打診する。点検会社は、PCである点検会社端末107を用いてこの打診を受け、点検依頼者との間で点検の日程調整を行う。以下、一見客対応処理について、より詳細に説明する。
【0110】
まず点検依頼者は、火災受信機101の筐体に貼付された二次元コードを点検依頼者端末106で読み取る(ステップ1901)。ここで読み取られる二次元コードは、例えばQRコード(登録商標)であり、情報管理サーバ105に点検依頼書フォームを要求するためのコードである。点検依頼者端末106は、この二次元コードを読み取ると、情報管理サーバ105に対して点検依頼書フォームを要求する(ステップ1902)。
【0111】
情報管理サーバ105の点検依頼受付部514は、この要求を受けて、点検依頼者端末106に点検依頼書フォームを送信する(ステップ1903)。点検依頼者端末106は、送信された点検依頼書フォームを受信して表示する(ステップ1904)。点検依頼者は、表示された点検依頼書フォーム(図示略)に必要事項を入力する(ステップ1905)。ここで入力される必要事項とは、依頼者氏名、物件名称、受信機機種コード、回線数、エラー番号、通信アドレス、希望対応日時等である。点検依頼者は、必要事項を入力後、送信ボタンを選択する。点検依頼者端末106は、この操作を受けて、必要事項が入力された点検依頼書を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1906)。
【0112】
情報管理サーバ105の点検依頼受付部514は、点検依頼者端末106から送信された点検依頼書を受け付けると、依頼IDを発行する。そして点検依頼受付部514は、発行した依頼IDと、点検依頼書の内容を対応付けて、点検依頼情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1907)。
【0113】
また点検依頼受付部514は、物件管理番号を発行する。そして点検依頼受付部514は、発行した物件管理番号と、点検依頼書に入力された物件名称、受信機機種コードおよび回線数と、一見客フラグ「true」とを対応付けて、物件情報として補助記憶装置502に記憶する(ステップ1908)。加えて点検依頼受付部514は、発行した物件管理番号と回線番号を対応付けて、回線情報として補助記憶装置502に記憶する。
【0114】
次に点検依頼受付部514は、点検会社の選定を行う(ステップ1909)。その際、点検依頼受付部514は、点検依頼書に入力された受信機機種コードおよびエラー番号と、点検者情報523(特に、技能・資格)に基づいて点検会社の選定を行う。具体的には点検依頼受付部514は、受信機機種コードおよびエラー番号と、その点検に必要な技能・資格を対応付けた対応表(図示略)を参照して、発生した不具合に対応可能な点検会社を選定する。点検依頼受付部514は、点検会社を選定後、選定した点検会社の点検会社端末107に対して点検依頼書を送りつつ、点検の日程調整を要求する(ステップ1910)。
【0115】
点検会社は、この要求を受けて、電話やメールを用いて点検依頼者との間で点検の日程調整を行う。そして点検会社は、点検の日時が決定すると、点検会社端末107を用いて依頼受諾通知を情報管理サーバ105に送信する(ステップ1911)。送信される依頼受諾通知には、依頼IDと点検者IDが含まれている。
【0116】
情報管理サーバ105の点検依頼受付部514は、この依頼受諾通知を受け付けると、選定した点検会社を、点検依頼者の物件の担当者として登録する(ステップ1912)。具体的には点検依頼受付部514は、当該点検会社の点検者IDと、点検依頼者の物件の管理番号を対応付けて、物件情報として補助記憶装置502に記憶する。
以上が一見客対応処理1900についての説明である。
【0117】
以上説明した一見客対応処理1900では、火災受信機101に貼付された二次元コードを読み取るだけで、点検依頼書フォームを取得することができる。
また、情報管理サーバ105では、想定される不具合と必要な技能等とを対応付けた対応表を予め用意しておくことで、発生した不具合に適切に対応できる点検会社を自動的に選定することができる。
また、一見客である点検依頼者について一見客フラグ「true」を立てておくことで、上述した点検作業1400において、一見客でない点検依頼者との間でポイント係数に差を付けることができる。その結果、一見客を対応してくれた点検会社に対してポイントを多めに付与したりすることができる。
【0118】
2.変形例
上記の実施形態を下記のように変形してもよい。以下の変形例は互いに組み合わせてもよい。
(1)上記の実施例で点検者端末104は、スマートフォンである。しかし点検者端末104は、スマートフォン以外の携帯端末であってもよい。例えば点検者端末104は、スマートウォッチやタブレット端末でもよい。これは、点検依頼者端末106についても同様である。
上記の実施例で点検会社端末107は、PCである。しかし、点検会社端末107は、PC以外の端末装置であってもよい。例えば点検会社端末107は、スマートフォンやタブレット端末でもよい。
【0119】
(2)上記の実施例で感知器102は、試験器103に対して確認灯通信で試験情報を送信している。しかし、試験情報の送信方法はこれに限られない。例えば感知器102は、試験器103に対して近距離無線通信で試験情報を送信してもよい。
【0120】
(3)上記の点検作業1400で情報管理サーバ105は、点検者端末104から点検終了通知を受信すると、ポイントを算出する(ステップ1440参照)。情報管理サーバ105は、このポイント算出の前に、すべての感知器102が試験されたかどうかを判定してもよい。そして情報管理サーバ105は、この判定の結果、すべての感知器102が試験されていない場合には、点検者端末104に対して警告メッセージを送信してもよい。これにより、点検漏れが防止される。
【0121】
具体的な判定方法としては、まず情報管理サーバ105は、上述したステップ1439において、試験した感知器102の個数を算出する。次に情報管理サーバ105は、点検対象の物件において過去に試験した感知器102の個数を特定する。その際、当該サーバは、試験情報524を参照して、前回の試験日と対応付けられている試験個数を特定する。次に情報管理サーバ105は、ステップ1439で算出した個数と、その次のステップで特定した試験個数を比較する。この比較の結果、前者が後者未満である場合には、点検漏れの可能性があるため、情報管理サーバ105は、点検者端末104に対して警告メッセージを送信する。この警告メッセージを見た点検者は、点検漏れの可能性に気付き、点検漏れの感知器102を試験することができる。点検者は、追加の試験を行った後、再度、試験終了通知を送信し(ステップ1437参照)、点検を終了する。
【0122】
なお、この判定処理において、前回試験した感知器102の個数に代えて、物件情報として予め登録されている個数との比較を行ってもよい。ここで言う個数とは、対象の物件に設置されている感知器102の個数である。このような情報を予め登録しておくことで、初回の点検においても点検漏れの有無を判定することができる。
【0123】
なお、上記の判定処理は、感知器102の個数に代えて歩数に基づいて行われてもよい。具体的には、今回の試験に要した歩数と過去の試験に要した歩数を比較することで行われてもよい。この判定方法では感知器102の個数は参照されないため、試験情報として製造番号を取得できない場合に特に有用である。なぜなら、製造番号が取得できない場合には、同一の感知器102を重複して試験しても、そのことを判別できず、感知器102を正確にカウントできないからである。感知器102を正確にカウントできない結果、点検漏れ判定の精度が低下してしまう。その点、歩数に基づいて点検漏れを判定すれば、同一の感知器102を重複して試験しても歩数は増えないため、より正確に判定を行うことができる。
【0124】
この判定を行う場合、情報管理サーバ105は、まず、上述したステップ1438において、試験に要した歩数を特定する。次に情報管理サーバ105は、点検対象の物件において過去に測定した歩数を特定する。その際、当該サーバは、試験情報524を参照して、前回の試験日と対応付けられている歩数を特定する。次に情報管理サーバ105は、ステップ1438で特定した歩数と、その次のステップで特定した歩数を比較する。この比較の結果、前者が後者未満であって、かつ、その差分が所定値以上である場合には、点検漏れの可能性があるため、情報管理サーバ105は、点検者端末104に対して警告メッセージを送信する。この警告メッセージを見た点検者は、点検漏れの可能性に気付き、点検漏れの感知器102を試験することができる。点検者は、追加の試験を行った後、再度、試験終了通知を送信し(ステップ1437参照)、点検を終了する。
【0125】
なお、この判定処理において、前回の試験日の歩数に代えて、物件情報として予め登録されている歩数との比較を行ってもよい。ここで言う歩数とは、対象の物件を点検するために必要と想定される歩数である。この歩数は、例えば、各回線の基端側の感知器102から末端側の感知器102までの距離の合計値を、成人の平均歩幅で除算することで求められる。このような情報を予め登録しておくことで、初回の点検においても点検漏れの有無を判定することができる。
【0126】
上記の判定処理では、感知器102の個数に基づくものにしろ、歩数に基づくものにしろ、点検漏れの可能性がある場合に点検者端末104に対して警告メッセージを送信している。この警告メッセージは、点検中に再点検を促すものである。このような警告方法に代えて、点検後に、点検者が所属する点検会社に対して警告メッセージを送信し、再発防止を図ってもよい。また別の方法としては、点検後に防災機器の製造メーカに対して警告メッセージを送信し、製造メーカから点検会社に対して再点検や再発防止を促してもよい。
【0127】
また、警告メッセージを送る以外の方法としては、情報管理サーバ105は、点検後に点検者の獲得ポイントを減らしてもよい。また別の方法としては、情報管理サーバ105は、点検漏れと判定した回数を点検者ごとに記録しておき、その情報を外部に出力してもよい。あるいは、情報管理サーバ105は、点検漏れと判定した点検者が所属する点検会社を、上述した点検会社の選定(ステップ1909参照)において不利に扱ってもよい。例えば情報管理サーバ105は、当該点検会社を選定の対象から除外したり、点検漏れと判定された回数が少ない点検会社を回数が多い点検会社よりも優先的に選定したりしてもよい。
【0128】
なお、以上説明してきた判定処理と判定後の処理は、情報管理サーバ105が備える点検漏れ判定部により実行されてよい。この点検漏れ判定部は、情報管理サーバ105の主記憶装置501に記憶されているプログラムをプロセッサ503が実行することにより実現される機能である。
【0129】
(4)上記の実施例で情報管理サーバ105は、換算表526を参照して試験時の歩数に対応するポイント係数を特定している。しかし、ポイント係数の特定方法はこれに限られない。例えば情報管理サーバ105は、所定の計算式に試験時の歩数を代入することで、ポイント係数を算出するようにしてもよい。
【0130】
(5)上記の点検作業1400では、点検依頼者が一見客であるか否かに応じてポイント係数を変えている(ステップ1440参照)。この結果、最終的に算出されるポイントは、一見客であるか否かによって異なるものになっている。
【0131】
このようなポイント付与方法に代えて、点検依頼者が一見客である場合に、点検者に対して一律でポイント(例えば、5000ポイント)を付与するようにしてもよい。これは、点検依頼者が一見客である場合には、すでに何らかの不具合が発生している場合が多く、不具合が発生している感知器102のみを試験すれば足りるため、試験する感知器102の個数と試験時の歩数が少なくなる傾向にあるからである。そのような場合にも試験個数と歩数に応じてポイントを付与したのでは、一見客を担当してくれた点検者にとって酷である。そのため、試験個数と歩数が少なくても十分なポイントを付与できるように、点検依頼者が一見客である場合には、点検者に対して一律でポイントを付与してもよい。
【0132】
(6)上記の歩数計測処理1700では、点検者端末104が時間を計測している(ステップ1701参照)。この計測時間を点検者端末104に表示させてもよい。これにより点検者は、歩数の計測が停止されるまでの残り時間を知ることができる。
【0133】
(7)上記の試験結果閲覧処理1800では、最初に点検者が情報管理サーバ105にログインする(ステップ1802参照)。このログインの後に表示される画面に、その点検者の合計獲得ポイントを含めてもよい。これにより点検者は、自身に付与されたポイントの合計値を知ることができる。なお、ここで言う合計獲得ポイントとは、点検者情報523の獲得ポイント904のカラムに格納されている値のことである。
【0134】
(8)上記の一見客対応処理1900で点検依頼者は、火災受信機101の筐体に貼付された二次元コードを読み取っている(ステップ1901参照)。すなわち、二次元コードは火災受信機101の筐体に貼付されている。しかし、二次元コードは必ずしも筐体に貼付されなくてもよい。例えば二次元コードは、火災受信機101の説明書に記述されてもよいし、火災受信機101のディスプレイに表示されてもよいし、火災受信機101の製造メーカのHPに表示されてもよい。
【0135】
(9)上記の一見客対応処理1900で点検者は、二次元コードを読み取って点検依頼書フォームを要求している(ステップ1901~1902参照)。しかし、このフォームの要求方法は一例にすぎない。点検者は別の方法として、所定のURLを点検依頼者端末106に手入力することで点検依頼書フォームを要求してもよい。ここで所定のURLは、火災受信機101の筐体や説明書に記述されてもよいし、火災受信機101のディスプレイに表示されてもよいし、火災受信機101の製造メーカのHPに表示されてもよい。
【0136】
(10)上記の実施例では、感知器102は煙感知器である。しかし、試験対象の感知器は煙感知器に限られない。例えば、熱感知器を試験対象としてもよい。その場合、熱感知器である感知器102は、汚れ情報に代えて、熱センサの劣化を示す値を試験器103に送信する。そして試験器103は、加煙ユニット204に代えて熱源を備えることになる。
【0137】
また別の例としては、炎感知器を試験対象としてもよい。その場合、炎感知器である感知器102は、汚れ情報に代えて、炎センサの劣化を示す値を試験器103に送信する。そして試験器103は、加煙ユニット204に代えて、赤外線または紫外線を放射する光源を備えることになる。
【0138】
また、試験対象は感知器102に限られない。感知器102以外の防災機器を試験対象としてもよい。例えば、地区音響装置を試験対象としてもよい。その場合、地区音響装置には、通信機能を備えさせる。そして地区音響装置に試験情報を発信させる。ここで発信される試験情報には、機種コード、製造年月日および製造番号が含まれる。
【0139】
地区音響装置の試験器としては、騒音計を用いる。この騒音計にも通信機能を備えさせる。そして騒音計に、地区音響装置から送信される試験情報を受信させる。さらに騒音計に、点検者端末104に対して試験結果を送信させる。この試験結果には、地区音響装置から送信された試験情報と、騒音計で計測された地区音響装置の音圧レベルが含まれる。
【0140】
また別の例として、発信機を試験対象としてもよい。その場合、発信機は、押しボタンを操作された際に応答灯を点滅させるように制御される。その際の応答灯の点滅パターンは、試験情報を表している。この試験情報は、機種コード、製造年月日および製造番号により構成されている。
【0141】
発信機の試験器としては、上述した試験器103を用いてよい。ただし、試験器103の支持棒201、加煙ユニット204および連結部205は不要なので省略してもよい。
発信機を試験する際、試験器103は、発信機から確認灯通信で送信される試験情報を受信する。そして試験器103は、所定時間内に試験情報を受信したか否かを判定する。試験器103は、この判定結果と、受信した試験情報とを試験結果として点検者端末104に送信する。
【0142】
また別の例として、中継器を試験対象としてもよい。ここで言う中継器とは、火災報知設備やガス漏れ火災警報設備の構成機器で、感知器102等からの火災信号や火災情報信号などを受け、火災受信機101に送信する機器である。
この場合、中継器には、通信機能を備えさせる。そして中継器に試験情報を発信させる。ここで発信される試験情報には、機種コード、製造年月日および製造番号が含まれる。
【0143】
中継器の試験器としては、外部試験器を用いる。この外部試験器にも通信機能を備えさせる。そして外部試験器に、中継器から送信される試験情報を受信させる。さらに外部試験器に、点検者端末104に対して試験結果を送信させる。この試験結果には、中継器から送信された試験情報と、外部試験器で計測された計測値が含まれる。
【0144】
(11)上記の実施例で情報管理サーバ105は、試験した感知器102の個数と試験時の歩数に応じてポイントを付与している。しかし、試験時の歩数については、考慮を省略してもよい。言い換えると情報管理サーバ105は、試験した感知器102の個数のみに応じてポイントを付与してもよい。その場合、情報管理サーバ105は、歩数に関わらず一律のポイント係数を感知器102の個数に乗算して、ポイントを算出してよい。このように変形したとしても、ポイントは試験した感知器102の個数に応じて付与されるため、点検者の点検に対するモチベーションを高めることができる。
【0145】
(12)上記の実施例で情報管理サーバ105は、試験した感知器102の個数と試験時の歩数に応じてポイントを付与している。しかし、試験した感知器102の個数については、考慮を省略してもよい。言い換えると情報管理サーバ105は、試験時の歩数のみに応じてポイントを付与してもよい。その場合、情報管理サーバ105は、試験した感知器102の個数に関わらず一律のポイント係数を歩数に乗算して、ポイントを算出してよい。このように変形したとしても、ポイントは試験時の歩数に応じて付与されるため、点検者の点検に対するモチベーションを高めることができる。
【0146】
(13)上記の点検作業1400で情報管理サーバ105は、点検者端末104から点検終了通知を受信すると、ポイントを算出する(ステップ1440参照)。その際、情報管理サーバ105は、試験日が休日(例えば、年末年始やお盆)であるときには、付与するポイントを増やしてもよい。これは、休日に点検作業を行った点検者の労をねぎらうためである。
【0147】
具体的には情報管理サーバ105は、試験日が休日である場合に、特定したポイント係数に所定値を加算してもよい。または情報管理サーバ105は、試験日が休日である場合に、算出したポイントに対して所定値を加算してもよい。情報管理サーバ105は、このような加算処理を行って、点検者に付与するポイントを増やしてもよい。
【0148】
(14)上記の実施例で試験器103は、加煙ユニット204を備えている。この加煙ユニット204は、圧縮ガスとともに火災時の煙を模した煙成分を放出するための缶を有している。点検者は、支持棒201の後端に配置されたレバーを操作することで加煙ユニット204の蓋を開け、感知器102に対して煙を放出させる。
この発煙方式は、あくまで一例である。試験器103の発煙方式として、別の周知の技術(例えば、電気ヒータでオイルを蒸発させる発煙方式)を採用してもよい。
【0149】
(15)なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0150】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0151】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
なお、上述の実施例は少なくとも特許請求の範囲に記載の構成を開示している。
【符号の説明】
【0152】
100…防災システム、101…火災受信機、102…感知器、103…試験器、104…点検者端末、105…情報管理サーバ、106…点検依頼者端末、107…点検会社端末、201…支持棒、202…本体、203…収容部、204…加煙ユニット、205…連結部、206…受光部、311…試験情報取得部、312…異常判定部、313…試験結果送信部、411…情報通信部、412…試験結果受付部、413…試験結果送信部、414…歩数計測部、511…情報通信部、512…試験管理部、513…ポイント算出部、514…点検依頼受付部