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特開2024-144978情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144978
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20241004BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F3/16 530
G05D1/02 T
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057187
(22)【出願日】2023-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 政晃
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA03
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG09
5H301QQ02
(57)【要約】
【課題】移動型ロボットが一時的に停止することができる時間的な猶予と移動型ロボットが音声を出力することによって人に与え得る不快感との調和を図る。
【解決手段】情報処理装置3は、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部331と、移動型ロボットがエレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、エレベータ制御情報に基づいて、障害物の移動を促すために移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部332と、決定部が決定した音声制御内容に基づく音声の出力制御を移動型ロボットに対して行う出力制御部333と、を有する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部と、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に応じて定まる閾階に前記エレベータのかごが到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記かごが前記閾階に到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに音声の出力を禁止することを前記音声制御内容として決定し、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに出力させる前記音声制御内容を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、決定した前記音声制御内容である第1音声制御内容に基づく音声を前記出力制御部が前記移動型ロボットに出力させた後において、前記待機場所に前記障害物が存在する場合に、前記第1音声制御内容とは異なる第2音声制御内容を決定し、
前記出力制御部は、前記第2音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、決定した前記第1音声制御内容に基づく音声の出力の中止を前記第2音声制御内容として決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、さらに、前記待機場所に存在する前記障害物と前記移動型ロボットとの距離に基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記待機場所と、前記移動型ロボットの位置と、前記障害物の位置との関係に基づいて、前記障害物を移動させる移動位置を決定し、決定した前記移動位置に前記障害物を移動させるための前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記障害物は人であり、
前記決定部は、さらに前記人の向きに基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、さらに前記障害物の周囲の状態に基づいて、前記移動位置を決定する、
請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記移動型ロボットが搭乗するエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である搭乗エレベータ制御情報と、前記移動型ロボットが搭乗しないエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である非搭乗エレベータ制御情報とを取得し、
前記決定部は、前記搭乗エレベータ制御情報と、前記非搭乗エレベータ制御情報とに基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記存在階から遠ざかっていることを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合において、前記かごが前記存在階から向かう方向が、前記存在階に対する前記移動型ロボットが降機する階の方向と一致する場合と一致しない場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得するステップと、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定するステップと、
決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部、及び
前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
移動型ロボットであって、
前記移動型ロボットがエレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットが出力する音声に関する音声制御内容であって、前記エレベータの動作が制御されている動作制御内容に基づいて決定された前記音声制御内容を示す情報を取得する取得部と、
前記音声制御内容に基づいて、音声を出力する音声出力部と、
を有する移動型ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び移動型ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律して移動する移動型ロボットが普及しつつある。特許文献1には、移動型ロボットが移動中に人や物等の障害物を検出した場合に、当該障害物の移動を促す音声を移動型ロボットに出力させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-151070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、移動型ロボットが移動を促す音声を出力した場合、障害物である人や物を所有する人が不快に感じ得るため、移動型ロボットが障害物を検出した場合に一律した内容で音声を出力することが適切ではない場合がある。移動型ロボットにおいては、周囲の状況に応じて一時的に停止することができる時間的な猶予がある場合と一時的に停止することができる時間的な猶予がない場合とがあり得る。例えば、移動型ロボットがエレベータに搭乗するために移動している場合において、エレベータのかごがもうすぐ到着する場合と、エレベータのかごがしばらく到着しない場合とでは、エレベータのかごが到着するまでの期間が異なるため、移動型ロボットが一時的に停止することができる時間的な猶予が異なる。そのため、移動型ロボットの周囲の状況に応じて、移動型ロボットが停止することができる時間的な猶予と移動型ロボットが音声を出力することによって与え得る人への不快感との調和を図ることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、移動型ロボットが一時的に停止することができる時間的な猶予と移動型ロボットが音声を出力することによって人に与え得る不快感との調和を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部と、移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部と、を有する。
【0007】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に応じて定まる閾階に前記エレベータのかごが到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定してもよい。
【0008】
前記決定部は、前記かごが前記閾階に到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに音声の出力を禁止することを前記音声制御内容として決定し、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに出力させる前記音声制御内容を決定してもよい。
【0009】
前記決定部は、決定した前記音声制御内容である第1音声制御内容に基づく音声を前記出力制御部が前記移動型ロボットに出力させた後において、前記待機場所に前記障害物が存在する場合に、前記第1音声制御内容とは異なる第2音声制御内容を決定してもよいし、前記出力制御部は、前記第2音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行ってもよい。
【0010】
前記決定部は、決定した前記第1音声制御内容に基づく音声の出力の中止を前記第2音声制御内容として決定してもよい。
前記決定部は、さらに、前記待機場所に存在する前記障害物と前記移動型ロボットとの距離に基づいて、前記音声制御内容を決定してもよい。
【0011】
前記決定部は、前記待機場所と、前記移動型ロボットの位置と、前記障害物の位置との関係に基づいて、前記障害物を移動させる移動位置を決定し、決定した前記移動位置に前記障害物を移動させるための前記音声制御内容を決定してもよい。
【0012】
前記障害物は人であってもよいし、前記決定部は、さらに前記人の向きに基づいて、前記音声制御内容を決定してもよい。
前記決定部は、さらに前記障害物の周囲の状態に基づいて、前記移動位置を決定してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記移動型ロボットが搭乗するエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である搭乗エレベータ制御情報と、前記移動型ロボットが搭乗しないエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である非搭乗エレベータ制御情報とを取得してもよいし、前記決定部は、前記搭乗エレベータ制御情報と、前記非搭乗エレベータ制御情報とに基づいて、前記音声制御内容を決定してもよい。
【0014】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記存在階から遠ざかっていることを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定してもよい。
【0015】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合において、前記かごが前記存在階から向かう方向が、前記存在階に対する前記移動型ロボットが降機する階の方向と一致する場合と一致しない場合とで、異なる前記音声制御内容を決定してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得するステップと、移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定するステップと、決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行うステップと、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部、移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記エレベータ制御情報に基づいて、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部、及び前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部、として機能させる。
【0018】
本発明の第4の態様にかかる移動型ロボットは、前記移動型ロボットがエレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットが出力する音声に関する音声制御内容であって、前記エレベータの動作が制御されている動作制御内容に基づいて決定された前記音声制御内容を示す情報を取得する取得部と、前記音声制御内容に基づいて、音声を出力する音声出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、移動型ロボットが一時的に停止することができる時間的な猶予と移動型ロボットが音声を出力することによって人に与え得る不快感との調和を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
図2】移動型ロボットの機能構成を模式的に示す図である。
図3】情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
図4】エレベータの状態を模式的に表した図である。
図5】移動型ロボットの周囲の状態を模式的に表した図である。
図6】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、移動型ロボット1を制御するために用いられるシステムである。情報処理システムSは、移動型ロボット1と、エレベータ管理装置2と、情報処理装置3とを有する。
【0022】
移動型ロボット1は、自律して移動するロボットである。移動型ロボット1は、所定の用途(例えば、荷物の配達、掃除、警備等)で使用される。移動型ロボット1は、例えば、予め定められた所定の施設内のルートを移動する。所定の施設は、一以上のエレベータを備える建物であり、例えば、ショッピングモール又はマンション等である。移動型ロボット1が移動する移動ルートには、エレベータを介してある階から別の階に移動するルートが含まれる。移動型ロボット1には、周囲の状態を検出するために用いられるカメラ等のように、自律して移動するための各種のセンサが備えられている。移動型ロボット1は、情報処理装置3と通信可能である。
【0023】
エレベータ管理装置2は、所定の施設に備えられたエレベータを管理する装置であり、例えばサーバである。エレベータ管理装置2は、情報処理装置3と通信可能である。
【0024】
情報処理装置3は、移動型ロボット1を制御する装置であり、例えばサーバである。情報処理装置3は、移動型ロボット1及びエレベータ管理装置2と通信可能である。
【0025】
移動型ロボット1は、ある階から他の階に移動するためにエレベータを利用する場合、待機場所においてエレベータのかごが到着するまで待機する。待機場所は、例えば、移動型ロボット1がエレベータに搭乗するために待機する場所である。また、待機場所は、例えば、移動型ロボット1が存在する存在階にエレベータのかごが到着したか否かを移動型ロボット1が検出するための場所である。移動型ロボット1は、例えば、エレベータのドアDが開いていることを検出することにより、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが到着したことを検出する。なお、移動型ロボット1は、情報処理装置3からエレベータのかごが到着したことを示す到着通知を取得したことによって、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが到着したことを検出してもよい。移動型ロボット1は、待機場所に向かって移動している場合において、人、ショッピングカート又はベビーカー等のような物が当該待機場所に存在する場合、移動型ロボット1が待機場所で待機することができないため、待機場所に存在する人又は物である障害物を移動させる必要がある。
【0026】
しかしながら、障害物を検出した場合に、移動型ロボット1に対して一律した内容で音声を出力させると、障害物である人又は物を所有する人が不快に感じ得るため、エレベータの状態に応じて障害物の移動を促すことが望ましい。例えば、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階にもうすぐ到着する状況においては、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予がないため、障害物の移動を促す必要の度合いが高い。一方、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階にしばらく到着しない状況においては、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予があるため、障害物の移動を促す必要の度合いが低い。そこで、情報処理システムSは、エレベータの状態に応じて移動型ロボット1の音声の出力制御を行う。
以下、情報処理システムSが実行する処理の流れについて説明する。
【0027】
図1に示す例においては、エレベータのドアDの前に設けられた場所Rにおいて、物体Bが存在している。場所Rは、待機場所である。物体Bは、障害物であり、例えば人である。
【0028】
この場合において、まず、情報処理装置3は、エレベータ管理装置2から、エレベータ制御情報を取得する(図1における(1))。エレベータ制御情報は、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示す情報である。エレベータ制御情報は、例えば、エレベータのかごの位置、エレベータのかごが上昇しているか下降しているか、又はエレベータのかごが向かっている階等を示す情報である。
【0029】
情報処理装置3は、場所Rにおいて物体Bが存在する場合に、エレベータ管理装置2から取得したエレベータ制御情報に基づいて、音声制御内容を決定する(図1における(2))。音声制御内容は、障害物の移動を促すために移動型ロボットに出力させる音声に関する内容であり、例えば、音声の内容、音量等である。
【0030】
例えば、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階にしばらく到着しない状況である場合、情報処理装置3は、少なくとも障害物の移動を促す度合いが弱い音声制御内容(例えば、「その場所を譲っていただけますか?」等のような音声の内容、小さい音量等)を決定する。一方、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階にもうすぐ到着する状況である場合、情報処理装置3は、少なくとも障害物の移動を促す度合いが、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階にしばらく到着しない状況である場合よりも強い音声制御内容(例えば、「場所を空けてください」等のような音声の内容、大きい音量等)を決定する。
【0031】
そして、情報処理装置3は、移動型ロボット1に対して音声の出力制御を行う(図1における(3))。その後、移動型ロボット1は、情報処理装置3による音声の出力制御に基づいて音声を出力する。
【0032】
このようにすることで、情報処理システムSは、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予と移動型ロボット1が音声を出力することによって人に与え得る不快感との調和を図ることができる。
以下、移動型ロボット1及び情報処理装置3の構成について説明する。
【0033】
[移動型ロボット1の構成]
図2は、移動型ロボット1の機能構成を模式的に示す図である。移動型ロボット1は、撮像部11と、音声出力部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0034】
撮像部11は、撮像画像を撮像するカメラである。音声出力部12は、音声を出力するスピーカである。通信部13は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及び外部のサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0035】
記憶部14は、移動型ロボット1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や移動型ロボット1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0036】
記憶部14は、移動型ロボット1が移動する移動ルートを示す情報を記憶している。移動ルートには、移動型ロボット1がエレベータに搭乗するために当該エレベータのかごが到着するまで待機する待機場所が含まれる。なお、移動ルートを示す情報は、記憶部14に記憶されていなくてもよい。例えば、移動型ロボット1は、情報処理装置3が算出した移動ルート(進行方向)に応じて移動してもよい。また、例えば、記憶部14には、施設の構内情報と、移動型ロボット1の目的地を示す情報とが記憶されており、移動型ロボット1は、構内情報と目的地とに基づいて算出した移動ルート(進行方向)に応じて移動してもよい。
【0037】
制御部15は、移動型ロボット1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することによって、検出部151、送信部152、取得部153及びロボット制御部154として機能する。
【0038】
検出部151は、撮像部11が撮像した撮像画像を解析して、当該撮像画像に含まれる被写体(物体)を検出する。検出部151は、例えば、撮像画像に含まれる物体ごとに、当該撮像画像が撮像された位置に対する当該物体の相対的な位置を検出する。
【0039】
また、検出部151は、撮像部11が撮像した撮像画像の解析又はレーダによるセンシング等に基づいて、移動ルート、すなわち、移動型ロボット1の進行方向、又は移動型ロボット1が存在する場所等を検出する。検出部151は、進行方向を検出した後において、当該進行方向に障害物が存在することを検出した場合、当該障害物を回避するための新たな進行方向を検出してもよい。
【0040】
送信部152は、待機場所に障害物が存在する場合に、音声の出力制御を行うための音声制御要求を情報処理装置3に送信する。音声制御要求には、移動型ロボット1が存在する所定の施設を識別するための情報、移動型ロボット1が搭乗するエレベータを識別するための情報、検出部151が検出した障害物が含まれる撮像画像、障害物との距離を示す情報、移動型ロボット1に対して障害物が存在する角度を示す情報、移動型ロボット1の位置座標等が含まれてもよい。障害物との距離を示す情報は、例えば、移動型ロボット1が備えるLiDAR(Light Detection And Ranging)等の不図示の距離測定センサが測定した障害物との距離を示す情報(例えば、距離測定センサが測定したデータと、移動型ロボット1の位置座標とに基づいて算出した移動型ロボット1から障害物までの距離を示す情報)である。
【0041】
具体的には、送信部152は、検出部151が待機場所に障害物が存在することを検出した場合に、音声制御要求を情報処理装置3に送信する。送信部152は、待機場所に障害物が存在する場合に、所定の間隔で音声制御要求を情報処理装置3に送信してもよい。
【0042】
ロボット制御部154は、移動型ロボット1の動作を制御する。ロボット制御部154は、例えば、検出部151が検出した進行方向に移動型ロボット1を移動させる。
【0043】
また、ロボット制御部154は、待機場所に障害物が存在する場合に、当該障害物の移動を促すための音声を音声出力部12に出力させる。具体的には、まず、取得部153は、送信部152が情報処理装置3に音声制御要求を送信したことに応じて当該情報処理装置3が送信した音声制御情報を取得する。音声制御情報は、音声制御内容を示す情報である。そして、ロボット制御部154は、取得部153が取得した音声制御情報によって示される音声制御内容に基づく音声を音声出力部12に出力させる。
【0044】
[情報処理装置3の構成]
図3は、情報処理装置3の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図3に示していないデータの流れがあってもよい。図3において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0045】
通信部31は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及び外部のサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0046】
記憶部32は、情報処理装置3を実現するコンピュータのBIOS等を格納するROMや情報処理装置3の作業領域となるRAM、OSやアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDDやSSD等の大容量記憶装置である。
【0047】
制御部33は、情報処理装置3のCPUやGPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、取得部331、決定部332及び出力制御部333として機能する。
【0048】
取得部331は、移動型ロボット1から、音声の出力制御を行うための音声制御要求を取得する。取得部331は、所定の間隔で、移動型ロボット1から音声制御要求を取得してもよい。
【0049】
また、取得部331は、エレベータ管理装置2から、エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する。例えば、まず、取得部331は、所定のタイミングで、エレベータ制御情報を送信する送信要求をエレベータ管理装置2に送信する。送信要求には、例えば、音声制御要求に含まれる移動型ロボット1が存在する所定の施設を識別するための情報、及び移動型ロボット1が搭乗するエレベータを識別するための情報が含まれる。そして、エレベータ管理装置2が、送信要求に応じて所定の施設に備えられているエレベータであって、移動型ロボット1が搭乗するエレベータに対応するエレベータ制御情報を情報処理装置3に送信すると、取得部331は、送信されたエレベータ制御情報を取得する。
【0050】
取得部331は、取得部331が音声制御要求を取得するごとに、エレベータ管理装置2からエレベータ制御情報を取得してもよい。取得部331は、所定の間隔で、エレベータ管理装置2からエレベータ制御情報を取得してもよい。
【0051】
決定部332は、待機場所に障害物が存在する場合に、取得部331が取得したエレベータ制御情報に基づいて、障害物の移動を促すために移動型ロボット1に出力させる音声に関する音声制御内容を決定する。具体的には、まず、取得部331は、移動型ロボット1から音声制御要求を取得した場合に、エレベータ管理装置2からエレベータ制御情報を取得する。そして、決定部332は、取得部331が取得したエレベータ制御情報に基づいて、音声制御内容を決定する。
【0052】
なお、情報処理装置3が、移動型ロボット1の検出部151の機能を有してもよい。例えば、制御部33は、不図示の検出部を有する。この場合において、まず、取得部331は、移動型ロボット1の撮像部11が撮像した撮像画像を取得する。情報処理装置3の検出部は、取得部331が取得した撮像画像を解析して、当該撮像画像に含まれる物体と、移動型ロボット1の進行方向を検出する。そして、決定部332は、検出部が待機場所に障害物が存在することを検出したことを契機として取得部331が取得したエレベータ制御情報に基づいて、音声制御内容を決定する。
【0053】
決定部332は、移動型ロボット1が存在する存在階と、移動型ロボット1が搭乗するエレベータのかごの位置との関係に応じて音声制御内容を決定してもよい。具体的には、決定部332は、閾階にエレベータのかごが到着していないことをエレベータ制御情報が示す場合と、エレベータのかごが閾階に到着したことをエレベータ制御情報が示す場合とで、異なる音声制御内容を決定する。閾階は、移動型ロボット1の存在階に応じて定まる階であり、例えば、移動型ロボット1の存在階と同じ階、移動型ロボット1の存在階から所定数の階(例えば、移動型ロボット1の存在階が2階であって所定数が1である場合における1階及び3階)等である。
【0054】
決定部332は、例えば、閾階にエレベータのかごが到着していないことをエレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、エレベータのかごが閾階に到着したことをエレベータ制御情報が示す場合よりも弱い音声制御内容を決定する。一方、決定部332は、エレベータのかごが閾階に到着したことをエレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、閾階にエレベータのかごが到着していないことをエレベータ制御情報が示す場合よりも強い音声制御内容を決定する。例えば、記憶部32には、エレベータの状態(例えば、エレベータのかごが閾階に到着したか否か等)ごとに、音声制御内容が定められており、決定部332は、エレベータ制御情報によって示されるエレベータの状態に対応する音声制御内容を特定することにより、音声制御内容を決定する。
【0055】
決定部332は、エレベータの状態に応じて、音声制御内容として移動型ロボット1に音声を出力させるか否かを決定してもよい。具体的には、決定部332は、エレベータのかごが閾階に到着したことをエレベータ制御情報が示す場合、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。一方、決定部332は、エレベータのかごが閾階に到着していないことをエレベータ制御情報が示す場合、移動型ロボット1に音声の出力を禁止することを音声制御内容として決定する。
【0056】
決定部332は、移動型ロボット1に音声の出力を禁止する音声制御内容に基づいて、後述する出力制御部333が移動型ロボット1の音声の出力制御を行った後において、エレベータのかごが閾階に到着したことを示すエレベータ制御情報を取得部331が取得した場合に、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。情報処理装置3は、エレベータのかごが閾階に到着した場合に音声を出力させるが、移動型ロボット1に対して音声の出力を禁止させてから音声を出力させるまでの間に障害物が待機場所から離れる可能性があり、この場合に、移動型ロボット1に対して不必要に音声を出力させることを抑えることができる。
【0057】
情報処理装置3は、エレベータのかごが閾階に到着したタイミングで、音声の出力制御を移動型ロボットに対して行ってもよい。具体的には、決定部332は、エレベータのかごが閾階に到着したことをエレベータ制御情報が示すことを契機として、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予が無くなったタイミングで移動型ロボット1に音声を出力させることができる。また、情報処理装置3は、移動型ロボット1が待機場所に障害物を検出してから音声を出力させるまでの間に障害物が待機場所から離れる可能性があり、この場合に、移動型ロボット1に対して不必要に音声を出力させることを抑えることができる。
【0058】
決定部332は、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階に近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合と、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から遠ざかっていることをエレベータ制御情報が示す場合とで、異なる音声制御内容を決定してもよい。
【0059】
図4は、エレベータの状態を模式的に表した図である。図4に示す例においては、移動型ロボット1の存在階が2階であり、待機場所に物体B1が存在している。図4(a)に示す例においては、エレベータのかごE1が下降して2階に近づいている。この場合において、決定部332は、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。図4(a)に示す例において、移動型ロボット1は、情報処理装置3が決定した音声制御内容に基づいて、物体B1の移動を促す音声を出力する。
【0060】
図4(b)に示す例においては、エレベータのかごE2が上昇して2階から遠ざかっている。この場合において、決定部332は、移動型ロボット1に音声の出力を禁止することを音声制御内容として決定する。図4(b)に示す例において、移動型ロボット1は、情報処理装置3が決定した音声制御内容に基づいて、物体B1の移動を促す音声を出力しない。
【0061】
なお、決定部332は、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階に近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から遠ざかっていることをエレベータ制御情報が示す場合よりも強い音声制御内容を決定してもよい。また、決定部332は、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から遠ざかっていることをエレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階に近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合よりも弱い音声制御内容を決定してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予が無くなったタイミングで移動型ロボット1に音声を出力させることができる。
【0062】
図3に戻り、決定部332は、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合において、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致する場合と一致しない場合とで、異なる音声制御内容を決定してもよい。
【0063】
「エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致する場合」は、例えば、移動型ロボット1の存在階が2階であり、移動型ロボット1が降機する階が4階である場合、すなわち、移動型ロボット1の存在階から向かう方向が「上」である場合において、2階に到着したエレベータのかごが上の階に上昇する場合である。
【0064】
また、「エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致しない場合」は、例えば、移動型ロボット1の存在階が2階であり、移動型ロボット1が降機する階が4階である場合、すなわち、移動型ロボット1の存在階から向かう方向が「上」である場合において、2階に到着したエレベータのかごが2階から下の階に下降する場合である。
【0065】
決定部332は、例えば、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合において、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致する場合、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。一方、決定部332は、例えば、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合において、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致しない場合、移動型ロボット1に音声の出力を禁止することを音声制御内容として決定する。
【0066】
なお、決定部332は、移動型ロボット1の存在階にエレベータのかごが近づいていることをエレベータ制御情報が示す場合において、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致する場合、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致しない場合よりも強い音声制御内容を決定してもよい。また、決定部332は、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が、移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致しない場合、障害物の移動を促す度合いが、エレベータのかごが移動型ロボット1の存在階から向かう方向が移動型ロボット1の存在階に対する移動型ロボット1が降機する階の方向と一致する場合よりも弱い音声制御内容を決定してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予が無くなったタイミングで移動型ロボット1に音声を出力させることができる。
【0067】
ところで、所定の施設に複数のエレベータが備えられている場合、人は、先に到着したエレベータのかごに搭乗し得る。移動型ロボット1が搭乗するエレベータが定まっている場合において、移動型ロボット1が搭乗するエレベータ(以下、「搭乗エレベータ」という。)のかごよりも、移動型ロボット1が搭乗しないエレベータ(以下、「非搭乗エレベータ」という。)のかごの方が先に移動型ロボット1の存在階に到着した場合、障害物である人又は物体を所有する人が、到着したエレベータのかごに搭乗するために待機場所から離れる蓋然性が高い。そこで、情報処理装置3は、搭乗エレベータの動作制御内容と、非搭乗エレベータの動作制御内容とに応じた音声制御内容に基づく音声の出力を制御してもよい。
【0068】
具体的には、まず、取得部331は、搭乗エレベータに対応するエレベータ制御情報である搭乗エレベータ制御情報と、非搭乗エレベータに対応するエレベータ制御情報である非搭乗エレベータ制御情報とを取得する。そして、決定部332は、搭乗エレベータ制御情報と、非搭乗エレベータ制御情報とに基づいて、音声制御内容を決定する。
【0069】
決定部332は、例えば、搭乗エレベータのかごより非搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合、移動型ロボット1に音声の出力を禁止することを音声制御内容として決定する。一方、決定部332は、非搭乗エレベータのかごより搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合、移動型ロボット1に出力させる音声制御内容を決定する。
【0070】
なお、決定部332は、搭乗エレベータのかごより非搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、非搭乗エレベータのかごより搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合よりも弱い音声制御内容を決定してもよい。また、決定部332は、非搭乗エレベータのかごより搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合、障害物の移動を促す度合いが、搭乗エレベータのかごより非搭乗エレベータのかごの方が移動型ロボット1の存在階に先に到着することを搭乗エレベータ制御情報及び非搭乗エレベータ制御情報が示す場合よりも強い音声制御内容を決定してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1に対して不必要に音声を出力させることを抑えることができる。
【0071】
決定部332は、待機場所に存在する障害物と、移動型ロボット1との位置関係に応じて、音声制御内容を決定してもよい。具体的には、決定部332は、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離が所定の閾距離(例えば1メートル等)以内になったことを契機として音声制御内容を決定する。
【0072】
例えば、取得部331が移動型ロボット1から所定の間隔で取得した音声制御要求には、移動型ロボット1と障害物との距離を示す情報が含まれており、決定部332は、移動型ロボット1と障害物との距離が所定の閾距離以内になった場合に、音声制御内容を決定する。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1が障害物から遠い位置で音声を出力することによって、誰に対して移動を促しているかが分からない事態の発生を低減することができる。
【0073】
決定部332は、さらに、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離に基づいて、音声制御内容を決定してもよい。決定部332は、例えば、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離が所定の閾距離以内である場合、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離が所定の閾距離以内ではない場合よりも小さい音量を音声制御内容として決定する。
【0074】
このように、情報処理装置3は、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離が所定の閾距離以内である場合に小さい音量で移動型ロボット1に音声を出力させることにより、必要以上に移動型ロボット1の周囲に存在する人に音声が聞こえることを防ぐことができる。また、情報処理装置3は、待機場所に存在する障害物と移動型ロボット1との距離が所定の閾距離以内ではない場合に大きい音量で移動型ロボット1に音声を出力させることにより、障害物である人又は物を所有する人が移動型ロボット1によって出力された音声を聞き取ることができない事態の発生を低減することができる。
【0075】
決定部332は、障害物を所定の位置に移動させるための音声制御内容を決定してもよい。具体的には、決定部332は、以下の2つのステップを実行することにより、障害物を所定の位置に移動させるための音声制御内容を決定する。
【0076】
第1のステップとして、決定部332は、待機場所と、移動型ロボット1の位置と、障害物の位置との関係に基づいて、障害物の移動位置を決定する。移動位置は、障害物を移動させる位置であり、少なくとも、待機場所とは異なる場所である。決定部332は、例えば、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる撮像画像(検出された障害物が含まれる撮像画像)を解析して、移動位置を決定する。
【0077】
この場合、決定部332は、さらに障害物の周囲の状態に基づいて、障害物を移動させる移動位置を決定してもよい。決定部332は、例えば、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる撮像画像を解析して、物体が存在しない位置(例えば、物体が存在しない位置であって、待機場所から最も近い位置)を、移動位置として決定する。なお、移動型ロボット1が移動位置を決定してもよい。この場合、移動型ロボット1は、決定した移動位置を示す情報を含む音声制御要求を情報処理装置3に送信する。
【0078】
第2のステップとして、決定部332は、決定した移動位置に障害物を移動させるための音声制御内容を決定する。この場合、決定部332は、決定部332は、さらに障害物である人の向きに基づいて、音声制御内容を決定してもよい。具体的には、決定部332は、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる撮像画像を解析することによって障害物である人の向きを特定し、特定した人の向きに基づいて音声制御内容を決定する。
【0079】
例えば、まず、決定部332は、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる移動型ロボット1から待機場所に存在する人までの距離情報を実際の距離データに換算する。決定部332は、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる撮像画像を解析し、当該待機場所に存在する人の向き及び姿勢を特定し、特定した人の向き及び姿勢に基づいて、当該人が移動しやすく、かつ、待機場所が空く移動位置を特定する。決定部332は、記憶部32に記憶されている施設情報を参照し、特定した移動位置と、取得部331が取得した音声制御要求に含まれる移動型ロボット1の位置座標とに基づいて、移動型ロボット1の位置から移動位置までの距離を算出する。併せて待機場所に存在する人の位置、当該移動型ロボット1の位置及び移動位置でなす角(移動型ロボット1の位置を頂点とする)の角度を算出する。決定部332は、このように算出した距離(移動型ロボット1の位置と移動位置との距離)及び角度(待機場所に存在する人の位置、当該移動型ロボット1の位置及び移動位置でなす角(移動型ロボットの位置を頂点とする)の角度)と、移動型ロボット1から待機場所に存在する人までの距離データによって示される距離とに基づいて、余弦定理等の既知の手法を用いて待機場所に存在する人が移動すべき移動距離(待機場所に存在する人から移動位置までの距離)及び移動方向(待機場所に存在する人に対する移動位置が存在する方向)を算出する。そして、決定部332は、算出した移動距離及び移動方向に基づいて、音声制御内容を決定する。決定部332は、例えば、特定した人の向きを基準として、どこに移動させるかを示す音声の内容(例えば、「後ろに一歩さがってください」、「左に二歩移動してください」等の音声データのパラメータ)を音声制御内容として決定する。
【0080】
図5は、移動型ロボット1の周囲の状態を模式的に表した図である。図5に示す例においては、人である物体B2が待機場所である場所R1に存在している。また、図5に示す例においては、物体B2がエレベータのドアD1の方に向いている状態である。また、図5に示す例において、位置Lは、移動位置である。この場合において、決定部332は、移動位置として位置Lを決定した場合、物体B2から見て後方の位置Lに移動させるため音声の内容(例えば、「後ろに1メートル移動してください」等)を音声制御内容として決定する。このようにすることで、情報処理装置3は、どこに移動すべきかを人に認識しやすくすることができる。
【0081】
出力制御部333は、決定部332が決定した音声制御内容に基づく音声の出力制御を移動型ロボット1に対して行う。具体的には、出力制御部333は、決定部332が決定した音声制御内容を示す音声制御情報を移動型ロボット1に送信することにより、決定部332が決定した音声制御内容に基づく音声の出力制御を移動型ロボットに対して行う。移動型ロボット1において、取得部153が音声制御情報を取得すると、ロボット制御部154は、音声制御情報によって示される音声制御内容に基づく音声を音声出力部12に出力させる。
【0082】
例えば、移動型ロボット1に出力させる複数の音声データが記憶部32に記憶されており、出力制御部333は、決定部332が複数の音声データの中から決定した音声データを含む音声制御情報を移動型ロボット1に送信することにより、当該音声データに基づく音声を移動型ロボット1に出力させる。移動型ロボット1に出力させる複数の音声データにおいては、移動型ロボット1の記憶部14に記憶されていてもよい。この場合、まず、出力制御部333は、決定部332が複数の音声データの中から決定した音声データを識別するための音声識別情報を含む音声制御情報を移動型ロボット1に送信する。そして、移動型ロボット1において、取得部153が音声制御情報を取得すると、ロボット制御部154は、記憶部14に記憶されている複数の音声データのうち、音声制御情報に含まれる音声識別情報によって特定される音声データに基づく音声を音声出力部12に出力させる。
【0083】
情報処理装置3は、移動型ロボット1が第1音声制御内容に基づく音声を出力しても待機場所に障害物が存在する場合、第2音声制御内容に基づく音声を移動型ロボット1に出力させてもよい。第2音声制御内容は、第1音声制御内容とは異なる音声制御内容であり、例えば、第1音声制御内容における音声の内容とは異なる音声の内容、第1背音声制御内容における音量とは異なる音量等である。
【0084】
具体的には、まず、決定部332は、決定した音声制御内容である第1音声制御内容に基づく音声を出力制御部333が移動型ロボット1に出力させた後において、待機場所に障害物が存在する場合に、第1音声制御内容とは異なる第2音声制御内容を決定する。そして、出力制御部333は、第2音声制御内容に基づき音声の出力を制御する。
【0085】
より具体的には、まず、決定部332は、第1音声制御要求に対応する第1音声制御内容に基づく音声の出力制御が行われた後において、取得部331が第2音声制御要求を取得した場合、第2音声制御内容を決定する。そして、出力制御部333は、決定部332が決定した第2音声制御内容に基づく音声の出力制御を移動型ロボット1に対して行う。このようにすることで、情報処理装置3は、障害物が移動する蓋然性を高めることができる。
【0086】
情報処理装置3は、移動型ロボット1が第1音声制御内容に基づく音声を出力しても待機場所に障害物が存在する場合、移動型ロボット1による音声の出力を中止させてもよい。具体的には、決定部332は、決定した第1音声制御内容に基づく音声の出力の中止を第2音声制御内容として決定する。このようにすることで、情報処理装置3は、移動型ロボット1が音声の出力を繰り返すことによって人に与え得る不快感が増大することを防ぐことができる。また、情報処理装置3は、移動型ロボット1が出力する音声が聞き取れない人(例えば、聴覚に障害がある人等)又は移動型ロボット1が出力する音声の言語が理解できない人(例えば、外国人等)に対して繰り返し移動を促すことを防ぐことができる。
【0087】
[情報処理システムSの処理]
続いて、情報処理システムSの処理の流れについて説明する。図6は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、移動型ロボット1において、検出部151が、待機場所に障害物が存在することを検出したことを契機として開始する(S1)。送信部152は、検出部151がエレベータの待機場所に障害物が存在することを検出すると、音声制御要求を情報処理装置3に送信する(S2)。
【0088】
情報処理装置3において、取得部331は、移動型ロボット1から音声制御要求を取得すると、送信要求をエレベータ管理装置2に送信する(S3)。なお、取得部331は、音声制御要求の取得以外のタイミングで、送信要求をエレベータ管理装置2に送信してもよい。エレベータ管理装置2が送信要求に応じてエレベータ制御情報を情報処理装置3に送信すると、取得部331は、エレベータ管理装置2からエレベータ制御情報を取得する(S4)。
【0089】
決定部332は、取得部331が取得したエレベータ制御情報に基づいて、音声制御内容を決定する(S5)。出力制御部333は、決定部332が決定した音声制御内容を示す音声制御情報を移動型ロボット1に送信する(S6)。
【0090】
そして、移動型ロボット1において、取得部153が音声制御情報を取得すると、ロボット制御部154は、当該音声制御情報によって示される音声制御内容に基づく音声を音声出力部12に出力させる(S7)。
【0091】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置3は、移動型ロボット1の待機場所に障害物が存在する場合に、エレベータ制御情報に基づいて決定した音声制御内容に基づく音声の出力制御を移動型ロボット1に対して行う。情報処理装置3は、移動型ロボット1が一時的に停止することができる時間的な猶予と移動型ロボット1が音声を出力することによって人に与え得る不快感との調和を図ることができる。
【0092】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0094】
1 移動型ロボット
11 撮像部
12 音声出力部
13 通信部
14 記憶部
15 制御部
151 検出部
152 送信部
153 取得部
154 ロボット制御部
2 エレベータ管理装置
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 取得部
332 決定部
333 出力制御部
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部と、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記移動型ロボットが有する撮像部によって撮像された撮像画像を解析して、前記障害物の周囲において物体が存在しない位置を、前記障害物を移動させる移動位置として決定し、前記エレベータ制御情報に基づいて、決定した前記移動位置に前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に応じて定まる閾階に前記エレベータのかごが到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記かごが前記閾階に到着していないことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに音声の出力を禁止することを前記音声制御内容として決定し、前記かごが前記閾階に到着したことを前記エレベータ制御情報が示す場合、前記移動型ロボットに出力させる前記音声制御内容を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、決定した前記音声制御内容である第1音声制御内容に基づく音声を前記出力制御部が前記移動型ロボットに出力させた後において、前記待機場所に前記障害物が存在する場合に、前記第1音声制御内容とは異なる第2音声制御内容を決定し、
前記出力制御部は、前記第2音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、決定した前記第1音声制御内容に基づく音声の出力の中止を前記第2音声制御内容として決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、さらに、前記待機場所に存在する前記障害物と前記移動型ロボットとの距離に基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記障害物は人であり、
前記決定部は、さらに前記人の向きに基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記移動型ロボットが搭乗するエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である搭乗エレベータ制御情報と、前記移動型ロボットが搭乗しないエレベータに対応する前記エレベータ制御情報である非搭乗エレベータ制御情報とを取得し、
前記決定部は、前記搭乗エレベータ制御情報と、前記非搭乗エレベータ制御情報とに基づいて、前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合と、前記かごが前記存在階から遠ざかっていることを前記エレベータ制御情報が示す場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記移動型ロボットが存在する存在階に前記エレベータのかごが近づいていることを前記エレベータ制御情報が示す場合において、前記かごが前記存在階から向かう方向が、前記存在階に対する前記移動型ロボットが降機する階の方向と一致する場合と一致しない場合とで、異なる前記音声制御内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得するステップと、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記移動型ロボットが有する撮像部によって撮像された撮像画像を解析して、前記障害物の周囲において物体が存在しない位置を、前記障害物を移動させる移動位置として決定するステップと、
前記エレベータ制御情報に基づいて、決定した前記移動位置に前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定するステップと、
決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部、
移動型ロボットが前記エレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記移動型ロボットが有する撮像部によって撮像された撮像画像を解析して、前記障害物の周囲において物体が存在しない位置を、前記障害物を移動させる移動位置として決定し、前記エレベータ制御情報に基づいて、決定した前記移動位置に前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボットに出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部、及び
前記決定部が決定した前記音声制御内容に基づく音声の出力制御を前記移動型ロボットに対して行う出力制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
移動型ロボットと情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記移動型ロボットは、撮像画像を撮像する撮像部を有し、
前記情報処理装置は、
エレベータの動作が制御されている動作制御内容を示すエレベータ制御情報を取得する取得部と、
前記移動型ロボットがエレベータに搭乗するために待機する待機場所に障害物が存在する場合に、前記移動型ロボットが有する撮像部によって撮像された撮像画像を解析して、前記障害物の周囲において物体が存在しない位置を、前記障害物を移動させる移動位置として決定し、前記エレベータ制御情報に基づいて、決定した前記移動位置に前記障害物の移動を促すために前記移動型ロボット出力させる音声に関する音声制御内容を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記音声制御内容を示す音声制御情報を前記移動型ロボットに送信する出力制御部と、
を有し、
前記移動型ロボットは、前記音声制御情報によって示される前記音声制御内容に基づいて、音声を出力する音声出力部をさらに有する
情報処理システム