(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014498
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】水切り材の取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240125BHJP
E06B 1/34 20060101ALI20240125BHJP
E06B 7/14 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E06B1/56 Z
E06B1/34 Z
E06B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117373
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】相馬 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕樹
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011KC03
2E011KC08
2E011KF02
2E011KG06
2E036RA08
2E036UA01
(57)【要約】
【課題】防水性を向上できる水切り材の取付構造を提供すること。
【解決手段】水切り材の取付構造10では、窓台32は、見付け面37および見込み面38で形成される段部36を有する。窓台32には内周面35から段部36を介して見込み面38に連続する室外見付け面41までにわたって防水シート8が設けられ、水切り材1は防水シート8上に配置される。水切り材1は、水切見付け片11と、水切見込み片12と、水切本体片13と、水切見込み片12から下方に延出して室外見付け面41に沿って配置される水切取付片14とを有する。窓枠の下枠62と水切本体片13との間には、シール材21が設けられ、見付け面37とシール材21との間には、見込み空間23が形成される。水切本体片13には、見込み空間23に連通する水抜き孔133が形成される。水切取付片14は、躯体開口2に対してネジ24によって固定されることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具の枠体が設置される躯体開口に水切り材を取り付ける水切り材の取付構造であって、
前記枠体は、少なくとも下枠を有し、
前記躯体開口は、前記下枠が室外側に突出して設置される内周面が形成される下材を有し、
前記下材は、前記内周面に連続する見付け面と、前記見付け面に連続する見込み面とで形成される段部を有し、
前記下材には前記内周面から前記段部を介して前記見込み面に連続する室外見付け面までにわたって防水シートが設けられると共に、前記水切り材は前記防水シート上に配置され、
前記水切り材は、前記見付け面に沿って配置される水切見付け片と、前記水切見付け片に連続すると共に前記見込み面に沿って配置される水切見込み片と、前記水切見込み片よりも上方において前記水切見付け片から室外側に延出した水切本体片と、前記水切見込み片から下方に延出して前記室外見付け面に沿って配置される水切取付片とを有し、
前記下枠と前記水切本体片との間には、シール材が設けられ、
前記見付け面と前記シール材との間には、見込み空間が形成され、
前記水切本体片には、前記見込み空間に連通する水抜き孔が形成され、
前記水切取付片は、前記躯体開口に対して固定具によって固定される
ことを特徴とする水切り材の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の水切り材の取付構造において、
前記水切り材は、前記水切本体片と前記水切見込み片とに連続する水切連続片を有すると共に、前記水切本体片、前記水切見付け片、前記水切見込み片および前記水切連続片によって中空部を形成し、
前記水抜き孔は、前記中空部に連通し、
前記水切連続片には、外部に連通する外部排水孔が形成される
ことを特徴とする水切り材の取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載の水切り材の取付構造において、
前記外部排水孔の位置と前記水切取付片の前記固定具による固定位置とは、互いに前記水切り材の長手方向に異なる位置とされる
ことを特徴とする水切り材の取付構造。
【請求項4】
請求項1に記載の水切り材の取付構造において、
前記水切見付け片は、前記水切本体片よりも上方に延出し、
前記見込み空間は、前記水切見付け片と前記シール材との間に形成される
ことを特徴とする水切り材の取付構造。
【請求項5】
請求項1に記載の水切り材の取付構造において、
前記水切見込み片は、その室外端部の位置が室内端部の位置よりも下方に位置するように傾斜する
ことを特徴とする水切り材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の枠体が設置される躯体開口に水切り材を取り付ける水切り材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、躯体開口枠および建具の枠体の間を防水する枠体の防水構造が知られており(特許文献1参照)、この構造では、躯体開口枠が下材を備え且つ枠体が下材上に設置される下枠を備えており、下材には、その内周側部分から室外見付け面にわたって防水シートが設けられると共に水切り材が防水シートを挟んで取り付けられている。水切り材は、水切り片部と、水切り片部から上方に延出する基端部とを有しており、この基端部が下材にネジ止めされている。基端部よりも室外側の位置においては、水切り片部および下枠の間にシール材が設けられており、シール材と基端部との間には見込み空間が形成されており、水切り片部には見込み空間を室外側空間に連通する水抜き孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の構造では、前述した見込み空間を形成する水切り材の基端部が下材にネジ止めされているので、基端部に対応する防水シートの位置にもネジを通す孔が形成されることになる。このため、例えば、経年劣化したシール材の切れ目等から見込み空間に浸入した雨水等の水が多量となって水抜き孔からの排水が追いつかずに、当該見込み空間に水が溜まってしまう場合には、水がネジによる基端部の固定位置から防水シートの孔を通じて建物の躯体側に浸水するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、防水性を向上できる水切り材の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水切り材の取付構造は、建具の枠体が設置される躯体開口に水切り材を取り付ける水切り材の取付構造であって、前記枠体は、少なくとも下枠を有し、前記躯体開口は、前記下枠が室外側に突出して設置される内周面が形成される下材を有し、前記下材は、前記内周面に連続する見付け面と、前記見付け面に連続する見込み面とで形成される段部を有し、前記下材には前記内周面から前記段部を介して前記見込み面に連続する室外見付け面までにわたって防水シートが設けられると共に、前記水切り材は前記防水シート上に配置され、前記水切り材は、前記見付け面に沿って配置される水切見付け片と、前記水切見付け片に連続すると共に前記見込み面に沿って配置される水切見込み片と、前記水切見込み片よりも上方において前記水切見付け片から室外側に延出した水切本体片と、前記水切見込み片から下方に延出して前記室外見付け面に沿って配置される水切取付片とを有し、前記下枠と前記水切本体片との間には、シール材が設けられ、前記見付け面と前記シール材との間には、見込み空間が形成され、前記水切本体片には、前記見込み空間に連通する水抜き孔が形成され、前記水切取付片は、前記躯体開口に対して固定具によって固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防水性を向上できる水切り材の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る水切り材の取付構造を示す縦断面図。
【
図2】
図1に示す水切り材が取り付けられた建物躯体および建具を示す平面図。
【
図3】
図1に示す水切り材の取付構造を拡大して示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および
図2において、本実施形態に係る水切り材の取付構造10(以下、取付構造と称する)は、躯体開口2を区画する躯体開口枠3を構成する建物躯体4と、躯体開口枠3に設置される建具としての内開き窓5と、躯体開口2に取り付けられる水切り材1と、建物躯体4および水切り材1の間に配置される防水シート8とで構成されている。
以下の説明において、水切り材1の左右方向をX軸方向とし、水切り材1の上下方向(見付け方向)をY軸方向とし、水切り材1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
躯体開口枠3は、まぐさ31(上材)、窓台32(下材)および左右の縦材33を備えており、これらを枠組みして構成されている。まぐさ31、窓台32および左右の縦材33よりも室外側の位置には、外壁材45が設けられており、外壁材45に対して室外側に空間を隔てた位置には、表面材46が設けられている。窓台32は、躯体開口2を区画するZ軸方向に沿った内周面35が形成されており、内周面35の室外端部には段部36が連続している。段部36は、
図3に示すように、内周面35に連続するY軸方向に沿った見付け面37と、見付け面37に連続するZ軸方向に沿った見込み面38とで断面略L字状に形成されている。見込み面38は、表面材46の上面にまで連続して形成されており、見込み面38の室外端部は、表面材46の室外見付け面41に連続している。この窓台32には、内周面35から段部36を介して室外見付け面41までにわたって防水シート8が設けられている。
【0011】
内開き窓5は、建物躯体4に対して内付けされる建具であり、窓枠6(枠体)と、窓枠6内に開閉可能に配置された障子7とを備えている。窓枠6は、合成樹脂製の押出形材によってそれぞれ一体に形成された上枠61、下枠62および左右の縦枠63を有しており、これらを枠組みして構成されている。左右一方の縦框73はヒンジを介して左右一方の縦枠63に取り付けられている。上枠61および左右の縦枠63は、まぐさ31および左右の縦材33にネジ止めされており、上枠61および左右の縦枠63とまぐさ31および左右の縦材33との間には、防水シート8が設けられている。下枠62は、窓台32の内周面35上に設置されていると共に、内周面35の位置に対して室外側に突出して配置される部分を有している。下枠62と窓台32との間には、前述した防水シート8が設けられている。障子7は、合成樹脂製の押出形材によってそれぞれ一体に形成された上框71、下框72および左右の縦框73を有する框体75と、框体75内に配置されるガラスパネルなどの面材76を有しており、これらを框組みして構成されている。
【0012】
水切り材1は、防水シート8上に配置されており、
図3および
図4に示すように、見付け面37に沿って配置される水切見付け片11と、水切見付け片11に連続すると共に見込み面38に沿って配置される水切見込み片12と、水切見込み片12よりも上方において水切見付け片11から室外側に延出した水切本体片13と、水切見込み片12から下方に延出して室外見付け面41に沿って配置される水切取付片14と、水切本体片13および水切見込み片12に連続する水切連続片15とを有している。水切本体片13、水切見付け片11、水切見込み片12および水切連続片15は、X軸方向に沿った中空部16を形成している。なお、水切り材1には、X軸方向における両端にキャップ17が取り付けられており、キャップ17は、中空部16のX軸方向における両端を塞いでいる。
【0013】
水切本体片13は、Z軸方向において外壁材45よりも室外側に突出しており、その室外端部131の位置が室内端部132の位置よりも下方に位置するようにZ軸方向に対して斜め下に傾斜している。水切本体片13には、中空部16に連通する水抜き孔133が形成されている。水抜き孔133は水切本体片13のX軸方向における両端側に配置されている。水切本体片13と下枠62の下面との間には、シール材21およびバックアップ材22が設けられており、シール材21と見付け面37との間には、見込み空間23が形成されている。見込み空間23は、バックアップ材22と水切見付け片11の部分111との間に形成されている。水抜き孔133は、見込み空間23にも連通しており、室外側の外部空間から見込み空間23に外気を導入する外気導入口としても機能する。
【0014】
水切見付け片11は、見付け面37と同様にY軸方向に延びており、水切本体片13の室内端部132よりも上方に延出した部分111を有している。また、水切見付け片11は、水切見込み片12の室内端部122よりも下方に延出した部分112を有しており、部分112の下端は見込み面38に当接している。水切見付け片11のY軸方向の寸法は、見付け面37のY軸方向の寸法と同等か若干小さい寸法とされている。
【0015】
水切見込み片12は、その室外端部121の位置が室内端部122の位置よりも下方に位置するようにZ軸方向に対して斜め下に傾斜している。水切見込み片12の傾斜角度は、水切本体片13の傾斜角度と同じ傾斜角度である。水切見込み片12の室外端部121側の部分はZ軸方向に対して平行に配置されている。
【0016】
水切取付片14は、水切見込み片12の室外端部121から下方に延びて形成されている。この水切取付片14は、その一対の突部141の間の位置で、建物躯体4の表面材46および窓台32に対して固定具としてのネジ24によって固定されている。
【0017】
水切連続片15は、Y軸方向において見込み面38およびシール材21の間の位置に配置されており、そのX軸方向における両端側には外部に連通する外部排水孔151が形成されている。外部排水孔151は、Y軸方向において水切連続片15の下部に配置されており、中空部16において水切見込み片12に沿って室外側に流れる水を室外側の外部空間に排水可能に構成されている。外部排水孔151の位置と水切取付片14のネジ24による固定位置とは、互いにX軸方向(水切り材1の長手方向)に異なる位置とされており、外部排水孔151は、前述した固定位置に対してX軸方向における外側の位置に配置されている。
【0018】
以下、本実施形態に係る取付構造10において、経年劣化したシール材21およびバックアップ材22の切れ目等から見込み空間23に浸入した雨水等の水の排水について説明する。
まず、
図3に矢印Aで示すように、経年劣化したシール材21およびバックアップ材22の切れ目等から見込み空間23に水が浸入すると、水抜き孔133、中空部16を介して外部排水孔151から室外側の外部に排水される。排水された水は、表面材46と外壁材45との間で水切取付片14に沿って下方に流れ落ちる。
ここで、浸入する水が多量であり、水抜き孔133からの最大排水量を超える量の水が見込み空間23に入り込む場合には、見込み空間23に一次的に水が滞留することがある。この場合でも、段部36の見付け面37や防水シート8のうち当該見付け面37に沿った部分や水切見付け片11にはネジなどで水切り材1を建物躯体4に固定する孔などが形成されていないので、見込み空間に滞留する水が前述した孔などを通じて建物躯体4に進入したり、水切見付け片11と防水シート8との間に入り込んだりすることをなくし得る。外部排水孔151から排水された水は水切取付片14で滞留することなく下方に流れ落ち、また、防水シート8をつたって水切取付片14と防水シート8との間に入り込むことをなくし得、また、水切取付片14のネジ24による固定位置が外部排水孔151の位置に対してX軸方向に異なる位置とされているので、外部排水孔151から排水された水が水切取付片14のネジ24による固定部分にかかることを抑制できる。
【0019】
[変形例]
前記実施形態では、水切り材1には、水切連続片15が設けられているが、水切り材1の強度を十分に得られていれば、水切連続片15の構成を省略してもよい。
前記実施形態では、水抜き孔133や外部排水孔151は、X軸方向における両端側に形成されているが、配置、大きさや数は必要とされる排水量に応じて適宜設定されてもよい。
前記実施形態では、外部排水孔151の位置と水切取付片14のネジ24による固定位置とは、互いにX軸方向に異なる位置とされているが、排水した水がネジ24にかかっても十分な防水性能を発揮できる場合には、外部排水孔151の位置と水切取付片14のネジ24による固定位置とが、Y軸方向において互いに重なる位置とされていてもよい。
前記実施形態では、水切見付け片11は、水切本体片13よりも上方に延出しているが、十分な防水性能を得られる場合には、この延出する部分の構成を省略してもよい。
前記実施形態では、水切見込み片12は、水切本体片13と同じ傾斜角度で傾斜しているが、水を室外側に案内可能であれば、水切本体片13と異なる傾斜角度とされていてもよい。また、十分に排水可能であれば、水切本体片13はZ軸方向に対して傾斜せずにZ軸方向と平行に配置されていてもよい。
前記実施形態では、建具として内開き窓5を説明したが、これに限らず、各種の窓であってもよい。
【0020】
[発明のまとめ]
本発明の水切り材の取付構造は、建具の枠体が設置される躯体開口に水切り材を取り付ける水切り材の取付構造であって、前記枠体は、少なくとも下枠を有し、前記躯体開口は、前記下枠が室外側に突出して設置される内周面が形成される下材を有し、前記下材は、前記内周面に連続する見付け面と、前記見付け面に連続する見込み面とで形成される段部を有し、前記下材には前記内周面から前記段部を介して前記見込み面に連続する室外見付け面までにわたって防水シートが設けられると共に、前記水切り材は前記防水シート上に配置され、前記水切り材は、前記見付け面に沿って配置される水切見付け片と、前記水切見付け片に連続すると共に前記見込み面に沿って配置される水切見込み片と、前記水切見込み片よりも上方において前記水切見付け片から室外側に延出した水切本体片と、前記水切見込み片から下方に延出して前記室外見付け面に沿って配置される水切取付片とを有し、前記下枠と前記水切本体片との間には、シール材が設けられ、前記見付け面と前記シール材との間には、見込み空間が形成され、前記水切本体片には、前記見込み空間に連通する水抜き孔が形成され、前記水切取付片は、前記躯体開口に対して固定具によって固定されることを特徴とする。
本発明の水切り材の取付構造によれば、固定具によって前述した水切取付片を躯体開口に対して固定するので、見込み空間が形成される位置に配置される防水シートの部分には水切り材を躯体開口に固定するために固定具を通す孔などを形成する必要はないので、例えば、経年劣化したシール材の切れ目等から前述した見込み空間に雨水等の水が多量に入り込み、水抜き孔からの排水が追いつかずに見込み空間に水が一時的に溜まる場合でも、この溜まった水が防水シートを介して躯体開口に浸水するおそれを低減できる。また、水抜き孔を通じて流れ落ちる水は、水抜取付片の躯体開口に対する固定位置に滞留することなく下方に流れ落ちるので、当該固定位置から躯体開口に水が浸水するおそれをなくし得る。
【0021】
本発明の水切り材の取付構造では、前記水切り材は、前記水切本体片と前記水切見込み片とに連続する水切連続片を有すると共に、前記水切本体片、前記水切見付け片、前記水切見込み片および前記水切連続片によって中空部を形成し、前記水抜き孔は、前記中空部に連通し、前記水切連続片には、外部に連通する外部排水孔が形成されてもよい。
このような構成によれば、水切見付け片、水切見込み片、水切本体片および水切連続片によって水切り材に中空部を形成することで強度向上を図ることができ、また、水切連続片に外部排水孔を形成するので、水切り片の水抜き孔から中空部に入り込む水を外部排水孔から外部に排水できる。
【0022】
本発明の水切り材の取付構造では、前記外部排水孔の位置と前記水切取付片の前記固定具による固定位置とは、互いに前記水切り材の長手方向に異なる位置とされてもよい。
このような構成によれば、外部排水孔から外部に排水される水は、前述した固定位置を通らずに水切取付片に沿って下方に流れ落ちることとなり、これにより、水が前述した固定位置から建物躯体に浸水するおそれをより低減できる。
【0023】
本発明の水切り材の取付構造では、前記水切見付け片は、前記水切本体片よりも上方に延出し、前記見込み空間は、前記水切見付け片と前記シール材との間に形成されてもよい。
このような構成によれば、見込み空間に流れ込む雨水等の水は延出した水切見付け片によって防水シートと水切り材との間に入り込むことを抑制できるので、防水性をより向上し得る。
【0024】
本発明の水切り材の取付構造では、前記水切見込み片は、その室外端部の位置が室内端部の位置よりも下方に位置するように傾斜してもよい。
このような構成によれば、水抜き孔から流れ落ちる水は前述したように傾斜した水切見込み片によって室外側に向かって案内されることになるので、排水性を向上し得る。
【符号の説明】
【0025】
1…水切り材、10…水切り材の取付構造、11…水切見付け片、111,112…部分、12…水切見込み片、121,131…室外端部、122,132…室内端部、13…水切本体片、133…水抜き孔、14…水切取付片、15…水切連続片、151…外部排水孔、16…中空部、17…キャップ、2…躯体開口、21…シール材、22…バックアップ材、23…見込み空間、24…ネジ(固定具)、3…躯体開口枠、31…まぐさ,32…窓台(下材)、33…縦材、35…内周面、36…段部、37…見付け面、38…見込み面、4…建物躯体、41…室外見付け面、45…外壁材、46…表面材、5…内開き窓(建具)、6…窓枠(枠体)、61…上枠、62…下枠、63…縦枠、7…障子、71…上框、72…下框、73…縦框、75…框体、76…面材、8…防水シート。