(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144987
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】インクジェット捺染装置
(51)【国際特許分類】
D06C 15/08 20060101AFI20241004BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20241004BHJP
D06C 23/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
D06C15/08
D06B11/00 A
D06C23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057198
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 智士
【テーマコード(参考)】
3B154
【Fターム(参考)】
3B154AB19
3B154AB28
3B154BA09
3B154BB02
3B154BB09
3B154BB47
3B154BC23
3B154BD01
3B154BD02
3B154CA12
3B154CA38
3B154DA13
3B154DA21
(57)【要約】
【課題】捺染印刷の前後でシートの手触りが変わることを抑制する。
【解決手段】インクジェット捺染装置は、シートにインクを吐出してシートに画像を形成する画像形成部と、画像が形成されたシートに柔軟性を付与する後処理を行う後処理部と、画像が形成される前のシートの剛性値である第1剛性値を測定する第1測定部と、画像が形成された後であって後処理が行われる前のシートの剛性値である第2剛性値を測定する第2測定部と、制御部と、を備え、制御部は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差に基づき、後処理を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにインクを吐出して前記シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成された前記シートに柔軟性を付与する後処理を行う後処理部と、
前記画像が形成される前の前記シートの剛性値である第1剛性値を測定する第1測定部と、
前記画像が形成された後であって前記後処理が行われる前の前記シートの剛性値である第2剛性値を測定する第2測定部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2剛性値から前記第1剛性値を減じた剛性値差に基づき、前記後処理を制御する、インクジェット捺染装置。
【請求項2】
前記後処理部は、
シート搬送方向と直交する幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持され、前記シートの一方面に接触して回転する固定ローラーと、
前記幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持され、前記シートの他方面に接触して回転し、前記固定ローラーとの間で前記シートを引っ張る方向に荷重がかけられる調整ローラーと、を備え、
前記制御部は、前記剛性値差に基づき、前記調整ローラーにかける荷重を制御する、請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項3】
前記調整ローラーは、前記固定ローラーの前記シート搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ配置される、請求項2に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記剛性値差が大きいほど、前記調整ローラーにかける荷重を大きくする、請求項2に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記シートに対する単位面積当たりの前記インクの吐出量が多いほど、前記調整ローラーにかける荷重を大きくする、請求項2に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項6】
前記シートの種類を入力する入力部と、
温度を検知する温度検知部と、を備え、
前記制御部は、前記剛性値差に所定係数を乗じた値に基づき、前記調整ローラーにかける荷重を設定し、
前記制御部は、前記シートに対する単位面積当たりの前記インクの吐出量が多いほど、前記所定係数を大きい値に設定し、
前記制御部は、前記入力部により入力された前記シートの種類および前記温度検知部により検知された温度の少なくとも1つに基づき、前記所定係数を補正する、請求項5に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項7】
前記後処理部は、前記幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持され、前記固定ローラーとの間に前記シートを挟む対向ローラーを備え、
前記固定ローラーおよび前記対向ローラーは、それぞれ、前記幅方向に波状の凹凸が形成された外周面を有し、
前記固定ローラーの外周面の凹部が前記対向ローラーの外周面の凸部に噛み合わされ、前記固定ローラーの外周面の凸部が前記対向ローラーの外周面の凹部に噛み合わされる、請求項2に記載のインクジェット捺染装置。
【請求項8】
前記第1測定部および前記第2測定部は、それぞれ、
前記シートに一定の変位量で押し当てられる押圧部材と、
前記押圧部材のうち前記シートと接触する側とは反対側に接触し、前記押圧部材から加わる荷重に応じた値を出力する荷重センサーと、を備える、請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット捺染装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、捺染印刷後のシートに軟化液を供給する技術が知られている。軟化液は、シートに付着している樹脂を軟化させる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
捺染印刷後、シートに軟化液を供給するなどの処理が行われても、捺染印刷の前後でシートの風合いが変わる場合がある。たとえば、捺染印刷の前後でシートの手触りが変わる場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、捺染印刷の前後でシートの手触りが変わることを抑制することが可能なインクジェット捺染装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によるインクジェット捺染装置は、シートにインクを吐出してシートに画像を形成する画像形成部と、画像が形成されたシートに柔軟性を付与する後処理を行う後処理部と、画像が形成される前のシートの剛性値である第1剛性値を測定する第1測定部と、画像が形成された後であって後処理が行われる前のシートの剛性値である第2剛性値を測定する第2測定部と、制御部と、を備える。制御部は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差に基づき、後処理を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成では、捺染印刷の前後でシートの手触りが変わることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態によるインクジェット捺染装置の概略図である。
【
図2】一実施形態によるインクジェット捺染装置のブロック図である。
【
図3】一実施形態によるインクジェット捺染装置で実行される印刷ジョブの流れを示すフローチャートである。
【
図4】シートの種類によるシートの剛性値と後処理荷重との関係を示すグラフである。
【
図5】シートに対するインク吐出量によるシートの剛性値と後処理荷重との関係を示すグラフである。
【
図6】一実施形態によるインクジェット捺染装置での捺染印刷の前後のシートの剛性値を示すグラフである。
【
図7】一実施形態によるインクジェット捺染装置の固定ローラーおよび対向ローラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図7を参照し、本発明の一実施形態によるインクジェット捺染装置100ついて説明する。以下の説明では、インクジェット捺染装置100が設置される平坦な床面に対して垂直な方向を上下方向と定義する。
【0010】
インクジェット捺染装置100は、記録媒体としてのシートSに画像を捺染印刷する印刷ジョブを実行する。シートSは、繊維製品である。なお、インクジェット捺染装置100は、直接捺染方式で印刷を行う捺染装置であり、シートSにインクを直接吐出することにより、シートSに画像を形成する。すなわち、インクジェット捺染装置100の印刷方式は転写捺染方式ではない。転写捺染方式とは、分散染料インク(昇華インク)を搭載したインクジェットプリンターで専用紙(転写紙)に画像を形成し、熱転写機によって転写紙上のインクを気化させ、そのインクのみを素材(主にポリエステル)に浸透させる方式である。直接捺染方式では、転写捺染方式と異なり、転写処理後の転写紙を破棄する必要がなく、工数も少ないので、低コストで捺染印刷を行える。
【0011】
インクジェット捺染装置100で印刷対象となるシートSとしては、織物、編物および不織布などがある。セルロース系繊維(綿、麻およびレーヨンなど)、蛋白質系繊維(絹および羊毛など)および合成繊維(ナイロン、ビニロンおよびポリエステルなど)から選択される一種または二種以上の繊維材料でシートSが構成される。
【0012】
<インクジェット捺染装置の全体構成>
図1に示すように、インクジェット捺染装置100は、たとえば、シートSとしての長尺の布帛を捺染印刷の対象とする。シートSが長尺であるため、インクジェット捺染装置100は、繰出部11および回収部12を備える。シートSは、繰出部11によって繰り出され、回収部12によって回収される。
【0013】
繰出部11は、回転軸110および回転軸110を回転させるモーター(図示せず)を有する。シートSは、回転軸110に巻かれる。繰出部11は、回転軸110を回転させることにより、シートSを繰り出す。
【0014】
回収部12は、回転軸120および回転軸120を回転させるモーター(図示せず)を有する。回収部12は、回転軸120を回転させ、繰出部11から繰り出されるシートSを回転軸120に巻き取る。すなわち、回収部12は、シートSを回収する。
【0015】
インクジェット捺染装置100は、第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22を備える。第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22は、繰出部11から回収部12に向かってこの順番で、繰出部11と回収部12との間に配置される。
【0016】
第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22は、それぞれ、回転可能に張架された無端状の搬送ベルト20を有する。シートSは、回転軸110および120にそれぞれ巻き付けられることにより、各搬送ベルト20の外周面上に張られる。各搬送ベルト20は、その外周面をシートSの印刷面とは反対面に接触させる。シートSの両面のうち、画像が形成される面が印刷面である。
【0017】
第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22は、それぞれ、搬送ベルト20の外周面にシートSを吸着保持し、回転する。これにより、繰出部11と回収部12との間でシートSが搬送される。第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22の各設置領域では、搬送中のシートSの印刷面は上方を向く。
【0018】
繰出部11、回収部12、第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22により、シートSが搬送される。以下の説明では、繰出部11、回収部12、第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22によるシートSの搬送方向を単に「シート搬送方向」と称する。また、シート搬送方向と直交する方向を単に「幅方向」と称する。
【0019】
図1では、図面の左から右に向かう方向がシート搬送方向であり、紙面に対して垂直な方向が幅方向である。ただし、詳細は後述するは、シート搬送方向は、屈曲する。すなわち、シートSは、途中で屈曲する。
【0020】
インクジェット捺染装置100は、画像形成部3を備える。画像形成部3は、第1ベルト搬送部21の上方に配置される。画像形成部3は、第1ベルト搬送部21の上方から、搬送中のシートSにインクを直接吐出する。これにより、画像形成部3は、シートSの印刷面に画像を形成する。
【0021】
画像形成部3は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色にそれぞれ対応する4色分の記録ヘッド30を備える。各記録ヘッド30はライン型であり、幅方向を長手方向とする。各記録ヘッド30は、下方を向く面をインク吐出面として有する。各記録ヘッド30は、複数のノズル(図示せず)をインク吐出面に有する。
【0022】
各記録ヘッド30は、第1ベルト搬送部21の搬送ベルト20の外周面と上下方向に所定間隔(たとえば、3mm)を隔てて配置される。搬送ベルト20によるシートSの搬送中、搬送ベルト20上のシートSと各記録ヘッド30とが上下方向に間隔を隔てて対向する。
【0023】
画像形成部3は、シートSに形成すべき画像データに基づき、各記録ヘッド30からインクを吐出させる。各記録ヘッド30は、それぞれ、対応する色のインクを吐出する。各記録ヘッド30から吐出されるインクはシートSに着弾する。これにより、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色が重ね合わされたカラー画像がシートSの印刷面に形成される。
【0024】
捺染印刷に用いるインクの種類としては、染料インクおよび顔料インクのいずれでもよい。たとえば、顔料粒子を所定の濃度でポリマー溶液中に分散させた顔料分散体、ウレタンディスパージョン(ウレタン樹脂エマルション)、界面活性剤、ジエチレングリコールおよび水を所定の組成比で混合した顔料インクが用いられる。
【0025】
インクジェット捺染装置100は、画像乾燥部4を備える。画像乾燥部4は、第2ベルト搬送部22の上方に配置される。すなわち、画像乾燥部4は、画像形成部3のシート搬送方向下流側に配置される。画像乾燥部4は、ファン(図示せず)を備える。画像乾燥部4のファンは、第2ベルト搬送部22の搬送ベルト20の外周面と上下方向に対向する。第2ベルト搬送部22の搬送ベルト20上には、シートSのうち画像形成部3を通過した領域(すなわち、画像形成部3により形成された画像を含む領域)が吸着保持される。
【0026】
以下の説明では、シートSのうち画像形成部3を通過した領域(すなわち、画像形成部3により形成された画像を含む領域)を単に「印刷済み領域」と称する場合がある。これに対し、シートSのうち画像形成部3に到達前の領域を単に「印刷前領域」と称する場合がある。
【0027】
画像乾燥部4は、第2ベルト搬送部22の上方からシートSに向けて、ファンの駆動により発生する空気流を吹き付ける。これにより、画像乾燥部4は、シートSに形成された画像(すなわち、インク)を乾燥させる。なお、シートSにインクを十分に結着させるには、高温(たとえば、100℃から160℃)の熱風をシートSに吹き付けることが好ましい。
【0028】
インクジェット捺染装置100は、後処理部5を備える。後処理部5は、画像形成部3よりもシート搬送方向下流側に配置される。後処理部5は、画像乾燥部4よりもシート搬送方向下流側に配置される。後処理部5は、画像が形成されたシートSに柔軟性を付与する後処理を行う。言い換えると、後処理部5は、シートSの印刷済み領域に対して後処理を行う。
【0029】
なお、シートSの印刷済み領域にはインクが付着している。このため、後処理が行われなければ、シートSの印刷済み領域の剛性は高い。一方で、後処理が行われれば、シートSの印刷済み領域は軟化する。すなわち、シートSの印刷済み領域の剛性が低くなる。
【0030】
後処理部5は、シートSの搬送経路上に配置される。後処理部5は、シートSの印刷済み領域を受け入れ、後処理を行い、シートSの印刷済み領域を送り出す。すなわち、後処理部5の内部をシートSが通過する。後処理部5は、シートSの印刷済み領域を屈曲させる処理を後処理として行い、シートSの印刷済み領域を軟化させる。このような後処理部5が設置されることにより、シート搬送方向が屈曲する。
【0031】
後処理部5は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持される固定ローラー51を備える。また、後処理部5は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持される対向ローラー52を備える。対向ローラー52は、固定ローラー51と上下方向に対向するよう配置され、固定ローラー51との間にシートSを挟む。対向ローラー52は、シートSを挟んで固定ローラー51に圧接する。
【0032】
固定ローラー51および対向ローラー52は、上下方向に互いに圧接することによってニップNを形成する。ニップNの上下方向の位置は固定である。たとえば、ニップNの上下方向の位置は、搬送ベルト20によるシートSの搬送位置(すなわち、搬送ベルト20とシートSとの接触位置)と略同じである。
【0033】
固定ローラー51は、シートSの下側に配置され、対向ローラー52は、シートSの上側に配置される。すなわち、固定ローラー51の外周面には、シートSの裏面(当該裏面はシートSの印刷面とは反対側の面に相当する)が接触する。対向ローラー52の外周面には、シートSの印刷面が接触する。固定ローラー51は、シートSの裏面に接触して回転する。対向ローラー52は、シートSの印刷面に接触して回転する。この構成では、シートSの裏面が「一方面」に相当し、シートSの印刷面が「他方面」に相当する。
【0034】
また、後処理部5は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持される調整ローラー50を備える。調整ローラー50の個数は2である。調整ローラー50は、固定ローラー51のシート搬送方向上流側に1つ配置される。さらに、調整ローラー50は、固定ローラー51のシート搬送方向下流側に1つ配置される。
【0035】
調整ローラー50は、固定ローラー51の設置位置よりも下方に配置される。調整ローラー50は、固定ローラー51と対向ローラー52とのニップNの位置よりも下方に配置される。すなわち、調整ローラー50は、固定ローラー51の設置位置よりも下方に回転軸を有する。調整ローラー50は、シートSの印刷面に接触して回転する。
【0036】
調整ローラー50は、下方に引っ張られる。すなわち、調整ローラー50には、固定ローラー51との間でシートSを引っ張る方向に荷重(以下、当該荷重を後処理荷重と称する)がかけられる。調整ローラー50にかけられる後処理荷重は調整可能である。
【0037】
後処理部5では、シートSに対してシート搬送方向に張力が加えられた状態となる。この状態において、調整ローラー50にかける後処理荷重を調整することにより、シートSに対するシート搬送方向の張力が変化する。調整ローラー50にかける後処理荷重が大きいほど、シートSに対するシート搬送方向の張力が大きくなる。したがって、調整ローラー50にかける後処理荷重が大きいほど、シートSの柔軟性を高めることができる。
【0038】
調整ローラー50は、荷重付与機構500に連結される。荷重付与機構500は、調整ローラー50に後処理荷重を付与する機構である。荷重付与機構500の構成は特に限定されない。
【0039】
たとえば、荷重付与機構500は、調整ローラー50を回転可能に支持する支持部材501、および、支持部材501に連結されるコイルばね502を備える。コイルばね502は、支持部材501の下方に配置され、上下方向に伸縮する。たとえば、コイルばね502には、図示しない荷重付与部材が連結される。荷重付与部材は、モーターなどの駆動源を含んでもよい。荷重付与部材は、コイルばね502に対し、コイルばね502を下方に引っ張る方向への荷重を付与する。この構成では、荷重付与部材を制御してコイルばね502の上下方向の長さを調整することにより、調整ローラー50にかけられる後処理荷重を任意に変更できる。
【0040】
このような構成の後処理部5では、後処理荷重を調整することにより、容易に、シートSに対する柔軟性の付与効果を大きくしたり小さくしたりできる。
【0041】
ここで、インクジェット捺染装置100は、シートSの剛性を示す値(以下、単に剛性値と称する)を測定する測定部6を備える。剛性値が大きいシートSほど硬い(すなわち、剛性が高い)。測定部6は、搬送中のシートSの剛性値を測定する。測定部6の構成は特に限定されない。たとえば、測定部6は、支持ローラー対61、押圧部材62および荷重センサー63を備える。
【0042】
支持ローラー対61は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持され、かつ、シートSを挟んで上下方向に互いに圧接する一対のローラーを有する。支持ローラー対61は、一対のローラーの上下方向間に支持ニップ(符号省略)を有し、その支持ニップでシートSを挟むことによってシートSを支持する。
【0043】
なお、1つの測定部6に対して2つの支持ローラー対61が割り当てられる。2つの支持ローラー対61は、シート搬送方向に間隔を隔てて配置される。2つの支持ローラー対のシート搬送方向間において、シートSは張られる。たとえば、2つの支持ローラー対61の各支持ニップの上下方向の位置は、搬送ベルト20によるシートSの搬送位置(すなわち、搬送ベルト20とシートSとの接触位置)と略同じである。
【0044】
押圧部材62は、2つの支持ローラー対61のシート搬送方向間に配置される。押圧部材62は、シートSの下方(すなわち、シートSの裏面側)に配置される。押圧部材62は、シートSの裏面に接触する。たとえば、押圧部材62は、シートSとの接触位置にコロ621を有する。コロ621は、幅方向に延びる軸線回りに回転可能に支持され、シートSの裏面に接触することにより、シートSに従動して回転する。
【0045】
押圧部材62は、たとえば、コイルばねなどの付勢部材を含む。押圧部材62は、シートSの裏面側から、一定の変位量でシートSに押し当てられる。言い換えると、押圧部材62は、シートSにより、上方から下方に押圧される。
【0046】
荷重センサー63は、押圧部材62の下方に配置される。荷重センサー63は、押圧部材62の下端部に接触する。すなわち、荷重センサー63は、押圧部材62のうちシートSと接触する側とは反対側に接触する。押圧部材62は、荷重センサー63を下方に押圧する。荷重センサー63は、押圧部材62から加わる荷重に応じた値を出力する。シートSの剛性値が大きいほど(すなわち、シートSが硬いほど)、シートSが撓み難いことにより、押圧部材62から荷重センサー63に加わる荷重が大きくなる。すなわち、荷重センサー63は、シートSの剛性値に応じた値を出力する。
【0047】
押圧部材62をシートSに押し当て、荷重センサー63で押圧部材62から加わる荷重を検知することにより、容易に、シートSの剛性値を測定できる。
【0048】
測定部6は、搬送中のシートSの剛性値を測定し、その測定値を出力する。シートSの剛性値kは、以下の式(1)に基づき求められる。
k=a×F ・・・(1)
【0049】
上記式(1)において、Fは、押圧部材62から荷重センサー63に加わる荷重(すなわち、荷重センサー63の出力に対応する値)である。aは、係数である。係数aは、インクジェット捺染装置100のメーカーにより、実験的および経験的に求められる。係数aは、インクジェット捺染装置100の設置環境の温度、シートSの種類、および、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量の少なくとも1つに基づき求められてもよい。
【0050】
測定部6は、画像形成部3よりもシート搬送方向上流側および画像形成部3よりもシート搬送方向下流側にそれぞれ配置される。画像形成部3よりもシート搬送方向上流側に配置される測定部6は「第1測定部」に相当し、以下の説明では、符号6Aを付して第1測定部6Aと称する。画像形成部3よりもシート搬送方向下流側に配置される測定部6は「第2測定部」に相当し、以下の説明では、符号6Bを付して第2測定部6Bと称する。
【0051】
第1測定部6Aは、繰出部11と画像形成部3とのシート搬送方向間に配置される。これにより、第1測定部6Aは、画像が形成される前のシートS(すなわち、インクが付着する前のシートS)の剛性値を測定する。言い換えると、第1測定部6Aは、シートSの印刷前領域の剛性値を測定する。以下の説明では、画像が形成される前のシートSの剛性値(すなわち、印刷前領域の剛性値)を第1剛性値と称する。
【0052】
第2測定部6Bは、画像乾燥部4と後処理部5とのシート搬送方向間に配置される。これにより、第2測定部6Bは、画像が形成された後(すなわち、インクが付着した後)であって後処理が行われる前のシートSの剛性値を測定する。言い換えると、第2測定部6Bは、シートSの印刷済み領域の剛性値を測定する。以下の説明では、画像が形成された後であって後処理が行われる前のシートSの剛性値(すなわち、印刷済み領域の剛性値)を第2剛性値と称する。
【0053】
また、
図2に示すように、インクジェット捺染装置100は、制御部10を備える。制御部10は、CPUおよびASICなどの処理回路を含む。制御部10は、ROM、RAMおよびHDDなどの記憶デバイスを含む。
【0054】
制御部10は、印刷ジョブでシートSに形成すべき画像データを取得する。たとえば、インクジェット捺染装置100は、外部制御装置(たとえば、パーソナルコンピューター)と通信可能に接続される。インクジェット捺染装置100は、外部制御装置から、印刷ジョブでシートSに形成すべき画像データを受信する。制御部10は、外部制御装置から受信した画像データに基づき、繰出部11、回収部12、第1ベルト搬送部21および第2ベルト搬送部22によるシートSの搬送を制御する。制御部10は、画像データに基づき、画像形成部3によるインクの吐出(すなわち、シートSに対する画像の形成)を制御する。
【0055】
制御部10は、画像乾燥部4を制御する。制御部10は、画像乾燥部4のファンの送風量を制御する。制御部10は、画像乾燥部4のファンの送風温度を制御する。
【0056】
制御部10は、後処理部5による後処理を制御する。制御部10は、調整ローラー50にかける後処理荷重を制御する。制御部10は、荷重付与機構500の荷重付与部材を制御することにより、後処理荷重を調整する。制御部10は、後処理荷重を大きくすることもできるし、小さくすることもできる。
【0057】
制御部10は、測定部6(すなわち、第1測定部6Aおよび第2測定部6B)を制御する。制御部10は、測定部6に測定を行わせ、第1剛性値および第2剛性値を認識する。または、制御部10は、測定部6(荷重センサー63)により検知された荷重に基づき、第1剛性値および第2剛性値を算出する。
【0058】
インクジェット捺染装置100は、温度検知部7を備える。温度検知部7は、インクジェット捺染装置100の設置環境の温度を検知する。制御部10は、温度検知部7により検知される温度を認識する。
【0059】
インクジェット捺染装置100は、入力部8を備える。入力部8は、ユーザーから情報の入力を受け付ける。入力部8は、操作パネルであってもよいし、インクジェット捺染装置100に通信可能に接続されるパーソナルコンピューターであってもよい。制御部10は、入力部8が入力を受け付けた情報を認識する。たとえば、入力部8は、印刷ジョブで画像を形成すべきシートSの種類およびそのシートSのサイズなど、印刷ジョブに関する種々の情報の入力を受け付ける。すなわち、入力部8は、シートSの種類をインクジェット捺染装置100に入力する。
【0060】
<印刷ジョブの流れ>
印刷ジョブの実行に際して、繰出部11にロール状のシートSがセットされる。また、シートSの長手方向の端部が回収部12に巻き付けられる。そして、繰出部11からシートSが繰り出され、回収部12がシートSを巻き取る。これにより、シートSの一範囲に着目すると、その範囲は、繰出部11から、第1測定部6A、画像形成部3、画像乾燥部4、第2測定部6Bおよび後処理部5をこの順番で経由し、回収部12に達する。すなわち、シートSが搬送される。また、シートSの一範囲に着目すると、その範囲に対し、
図3に示すフローに沿った処理が行われる。
【0061】
具体的には、まず、制御部10は、第1剛性値の測定を第1測定部6Aに行わせる(ステップ♯1)。そして、制御部10は、シートSに対する画像の形成を画像形成部3に行わせる(ステップ♯2)。その後、画像乾燥部4により、シートSに形成された画像の乾燥が行われる(ステップ#3)。
【0062】
ここで、制御部10は、第2剛性値の測定を第2測定部6Bに行わせる(ステップ#4)。また、制御部10は、剛性値差Δkを求める(ステップ#5)。剛性値差Δkは、以下の式(2)に基づき求められる。
Δk=k2-k1 ・・・(2)
【0063】
上記式(2)において、k1は、第1剛性値であり、k2は、第2剛性値である。すなわち、剛性値差Δkは、第2剛性値k2から第1剛性値k1を減じた値である。
【0064】
制御部10は、第2剛性値から第1剛性値を減じた値である剛性値差に基づき、調整ローラー50にかける後処理荷重を設定する(ステップ#6)。そして、制御部10は、後処理部5に後処理を行わせる(ステップ♯7)。後処理部5は、後処理として、シートSを屈曲させてシートSに柔軟性を付与する処理を行う。制御部10は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差に基づき、調整ローラー50にかける後処理荷重を制御する。詳細は後述する。
【0065】
<後処理荷重の設定>
シートSに付着したインクは乾燥し、硬化する。シートSに染み込んだインクが硬化することにより、シートSそのものが硬くなる。したがって、シートSに対する画像形成後、シートSにインクが付着することに起因して、シートSの剛性は画像形成前よりも高くなる。言い換えると、印刷済み領域は印刷前領域よりも、剛性が高い。さらに言い換えると、第2剛性値は第1剛性値よりも大きい。
【0066】
このため、画像形成の前後でシートSの風合い(柔軟性)に違いが生じる。ユーザーによっては、画像形成の前後でシートSの柔軟性が異なることにより、シートSの手触りが変わったと感じる。このため、画像形成の前後でシートSの剛性値に違いが生じないことが好ましい。
【0067】
ここで、
図4に示すように、シートSの種類によってシートSの剛性値kが異なる。しかし、シートSの種類にかかわらず、調整ローラー50にかける後処理荷重Ftが大きくなるほど、シートSの剛性値kが小さくなる。
図4では、種類AおよびBの各シートSの剛性値kを示す。
【0068】
さらに、
図5に示すように、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量(すなわち、シートSに対する印字率)によっても、シートSの剛性値Ftが変わる。具体的には、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、すなわち、シートSに対する印字率が高いほど、シートSの剛性値kは大きい。しかし、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量の多少にかかわらず、調整ローラー50にかける後処理荷重Ftが大きくなるほど、シートSの剛性値kが小さくなる。
【0069】
そこで、制御部10は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差に基づき、調整ローラー50にかける後処理荷重を制御する。具体的には、制御部10は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差が大きいほど、調整ローラー50にかける後処理荷重を大きくする。言い換えると、制御部10は、画像形成後のシートSの剛性値(印刷済み領域の剛性値)と画像形成前のシートSの剛性値(印刷前領域の剛性値)との差が大きいほど、調整ローラー50にかける後処理荷重を大きくする。さらに言い換えると、制御部10は、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差が大きいほど、シートSに対する柔軟性の付与効果が大きくなるよう後処理を制御する。
【0070】
この構成では、画像形成後のシートSの剛性値(すなわち、第2剛性値)から画像形成前のシートSの剛性値(すなわち、第1剛性値)を減じた剛性値差が大きい場合には、その分、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が大きくなり、シートSに対する柔軟性の付与効果が大きくなる。言い換えると、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差が大きい場合には、その分、シートSの軟化がより促進されるよう後処理が制御される。これにより、画像形成後のシートSの剛性値が小さくなり、画像形成後のシートSの剛性値を画像形成前のシートSの剛性値に近づけることができる。あるいは、画像形成後のシートSの剛性値と画像形成前のシートSの剛性値とを同じ(略同じを含む)にできる。その結果、シートSの手触り(すなわち、シートSの風合い)が捺染印刷の前後で変わることを抑制できる。
【0071】
制御部10は、以下の式(3)に基づき、調整ローラー50にかける後処理荷重Ftを設定する。以下の式(3)において、Δkは、第2剛性値から第1剛性値を減じた剛性値差である。
Ft=bΔk・・・(3)
【0072】
上記式(3)において、bは、所定係数であり、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量(すなわち、シートSに対する印字率)に基づき設定される係数である。すなわち、所定係数bは、シートSに形成すべき画像に基づき設定される。制御部10は、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、所定係数bを大きい値に設定する。
【0073】
この構成では、制御部10は、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、調整ローラー50にかける後処理荷重を大きくする。なお、制御部10は、印刷ジョブでシートSに形成すべき画像データに基づき、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量を求める。
【0074】
これにより、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が大きくなる。ここで、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多い場合には少ない場合より、調整ローラー50に同じ後処理荷重をかけても、シートSが軟化し難い。このため、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、調整ローラー50にかける後処理荷重を大きくすることが好ましい。たとえば、シートSに形成する画像を切り替えたとき、その切り替え後の画像に応じて、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が調整される。
【0075】
また、或るシートSと別の種類のシートSとでは、調整ローラー50にかける後処理荷重が同じであっても、後処理後のシートSの柔軟性に違いが生じる。さらに、シートSの種類が同じであっても、インクジェット捺染装置100の設置環境の温度により、後処理後のシートSの柔軟性に違いが生じる。
【0076】
このため、制御部10は、印刷ジョブで画像を形成すべきシートSの種類(すなわち、入力部8により入力されたシートSの種類)、および、温度検知部7により検知された温度(すなわち、インクジェット捺染装置100の設置環境の温度)の少なくとも1つに基づき、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量に基づき設定した所定係数b(上記式(3)の所定係数b)を補正する。なお、シートSに対する単位面積当たりのインクの吐出量が多いほど、所定係数bは大きくなる。これにより、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が適切に調整される。すなわち、印刷ジョブで画像を形成すべきシートSの種類を切り替えたとき、その切り替え後のシートSの種類に応じて、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が調整される。また、インクジェット捺染装置100の設置環境の温度が変化したとき、その変化後の温度に応じて、調整ローラー50にかけられる後処理荷重が調整される。
【0077】
調整ローラー50にかける後処理荷重を上記式(3)に基づき設定して実際に捺染印刷を行った結果を
図6に示す。
図6に示すように、第2剛性値(B)は、第1剛性値(A)よりも高い。しかし、回収部12に回収された捺染物としてのシートSの剛性値(C)を測定したところ、第1剛性値(A)と略同じであった。すなわち、捺染印刷の前後でシートSの手触りが略同じになった。
【0078】
たとえば、調整ローラー50にかける後処理荷重を設定するための設定情報101が予め制御部10の記憶デバイスに記憶される(
図2参照)。設定情報101では、調整ローラー50にかける後処理荷重が複数段階のレベルに区分される。また、設定情報101では、調整ローラーにかける後処理荷重がレベル毎に予め定められる。なお、調整ローラー50にかける後処理荷重を何段階にレベル分けするかは特に限定されない。
【0079】
そして、制御部10は、上記式(3)に基づき後処理荷重を求め、設定情報101に基づき、当該求めた後処理荷重のレベルを対象レベルとして認識する。そして、制御部10は、調整ローラー50にかける後処理荷重を対象レベルに対応する荷重に設定する。
【0080】
なお、設定情報101の設定をユーザーが行えてもよい。具体的には、各レベルに対応付ける後処理荷重をユーザーが設定できてもよい。この構成では、ユーザーは任意に、或るレベルに対応付ける後処理荷重を初期値よりも増やすこともできるし減らすこともできる。すなわち、ユーザーは任意に、捺染印刷後のシートSの手触りを設定できる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
【0081】
<固定ローラーおよび対向ローラーの各外周面>
固定ローラー51および対向ローラー52は、それぞれ、
図7に示すような外周面510および520を有する。
図7上図では、固定ローラー51および対向ローラー52を離間させて図示する。印刷ジョブの実行に際して、固定ローラー51と対向ローラー52との間にシートSが通される。そして、
図7下図に示すように、固定ローラー51に対して対向ローラー52が圧接される。
【0082】
なお、
図7では、固定ローラー51の回転軸に符号51aを付し、対向ローラー52の回転軸に符号52aを付す。
図7では、図面の左右方向が幅方向であり、固定ローラー51および対向ローラー52のそれぞれの回転軸51aおよび52aが延びる方向である。
【0083】
固定ローラー51は、幅方向に波状の凹凸が形成された外周面510を有する。対向ローラー52は、幅方向に波状の凹凸が形成された外周面520を有する。以下の説明では、固定ローラー51の外周面510のうち、凹部に符号511を付し、凸部に符号512を付す。対向ローラー52の外周面520のうち、凹部に符号521を付し、凸部に符号522を付す。
【0084】
固定ローラー51および対向ローラー52が互いに圧接した状態では、
図7下図に示すように、それぞれの外周面510および520が互いに噛み合う。すなわち、固定ローラー51の凹部511が対向ローラー52の凸部522に噛み合わされる。固定ローラー51の凸部512が対向ローラー52の凹部521に噛み合わされる。
【0085】
この構成では、固定ローラー51と対向ローラー52との間でシートSが幅方向に屈曲する。これにより、後処理部5において、シートSに対し、より確実に、柔軟性を付与できる。
【0086】
なお、固定ローラー51および対向ローラー52のそれぞれの外周面510および520の各形状は特に限定されない。外周面510および520のそれぞれに凹凸が形成されなくてもよい。
【0087】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0088】
3 画像形成部
5 後処理部
6A 第1測定部
6B 第2測定部
7 温度検知部
8 入力部
10 制御部
50 調整ローラー
51 固定ローラー
52 対向ローラー
62 押圧部材
63 荷重センサー
100 インクジェット捺染装置
510、520 外周面
511、521 凹部
512、522 凸部
S シート