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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145010
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】取付部材等
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20241004BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20241004BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K5/02 L
H05K5/02 E
H05K7/00 F
F16F15/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057227
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【テーマコード(参考)】
3J048
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
3J048AB02
4E352AA02
4E352AA03
4E352BB02
4E352CC07
4E352CC22
4E352CC52
4E352CC53
4E352DD05
4E352DR02
4E352DR19
4E352DR38
4E352GG07
4E360EA03
4E360EB02
4E360EB03
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED06
4E360ED07
4E360ED23
4E360FA02
4E360FA20
4E360GA28
4E360GA46
4E360GB99
4E360GC08
4E360GC14
(57)【要約】
【課題】 振動を抑制して電子機器を取り付ける仕組み等、従来よりも優れた取付部材を提供する。
【解決手段】 設置位置に電子機器を取り付けるための取付部材であって、前記設置位置と接触する第1取り付け部と、前記電子機器と接触する第2取り付け部と、前記第1取り付け部と前記第2取り付け部とを連結する連結部と、を備え、前記第1取り付け部に振動抑制部を有する、ことを特徴とする取付部材。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置位置に電子機器を取り付けるための取付部材であって、
前記設置位置に取り付けられる第1取り付け部と、
前記電子機器に取り付けられる第2取り付け部と、
前記第1取り付け部と前記第2取り付け部とを連結する連結部と、を備え、
前記第1取り付け部に振動抑制部を有する、取付部材。
【請求項2】
前記振動抑制部が、前記電子機器から延びるケーブル状部材を固定する固定部を有し、
前記ケーブル状部材は前記固定部に対して位置調整可能である、
請求項1に記載の取付部材。
【請求項3】
前記固定部は、
前記ケーブル状部材に正の又は負の張力がかかった状態で、
前記ケーブル状部材を固定可能である、
請求項2に記載の取付部材。
【請求項4】
前記第1取り付け部と、前記第2取り付け部と、前記連結部と、前記振動抑制部とが、それぞれ、単一部材の一部である、
請求項3に記載の取付部材。
【請求項5】
前記第1取り付け部は、前記単一部材の湾曲部を介して、前記振動抑制部と接続している、
請求項4に記載の取付部材。
【請求項6】
前記第1取り付け部は対称な面形状を有し、
前記振動抑制部は、前記対称な面形状に接続して形成されている、
請求項5に記載の取付部材。
【請求項7】
前記振動抑制部は、前記対称な面形状の対称線に対して偏位して、接続しており、
前記対称線に対する偏位の大きさは、前記ケーブル状部材の径に基づいて、設計されている、
請求項6に記載の取付部材。
【請求項8】
前記第1取り付け部と前記振動抑制部の少なくとも一方に、少なくとも1つの当たり部が設けられており、
前記当たり部が、前記ケーブル状部材を押圧する、又は、前記ケーブル状部材の延伸方向を変更する、
請求項7に記載の取付部材。
【請求項9】
前記ケーブル状部材は、内部に、伝達部材を有し、
前記伝達部材は、前記電子機器から又は前記電子機器へ、信号又は電力の少なくとも1つを伝達する、
請求項8に記載の取付部材。
【請求項10】
前記第1取り付け部は、前記第2取り付け部よりも大きな面積を有するように、設計されており、
前記電子機器は前記第2取り付け部を挟んで固定している、
請求項9に記載の取付部材。
【請求項11】
前記電子機器が、前記第2取り付け部に対して回動可能に、前記第2取り付け部に取り付けられている、
請求項10に記載の取付部材。
【請求項12】
前記第2取り付け部は、前記電子機器に向かって凸の凸形状部を有し、
前記電子機器の前記第2取り付け部に対する回動の範囲は、前記凸形状部と前記電子機器との接触によって、制限される、
請求項11に記載の取付部材。
【請求項13】
前記第1取り付け部と前記連結部の間に、第1屈曲部を有し、
前記第2取り付け部と前記連結部の間に、第2屈曲部を有し、
前記連結部に、少なくとも1つの第3屈曲部を有し、
前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前記第3屈曲部、のそれぞれの屈曲角度に応じて、前記振動抑制部の固定部は、ケーブル状部材を、前記ケーブル状部材の異なる位置で、固定できる、
請求項1から12のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項14】
前記電子機器が前記設置位置に対して上方に取り付けられる第2屈曲状態は、前記電子機器が前記設置位置に対して下方に取り付けられる第1屈曲状態よりも、上下方向の寸法が小さい、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項15】
前記第2屈曲状態では、ミラーに取り付けて使用される、
請求項14に記載の取付部材。
【請求項16】
前記第1取り付け部に、少なくとも1つの第4屈曲部を有し、
前記第4屈曲部は、前記設置位置の形状に応じた屈曲角度で、屈曲可能である、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項17】
前記設置位置が、ギャップを有しており、
前記第1取り付け部は、前記振動抑制部とともに、前記ギャップ内へ挿入可能に設計されている、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項18】
前記第1取り付け部の厚さ、前記振動抑制部の厚さ、及び、前記第1取り付け部及び前記振動抑制部の間の間隔、の和が、5mm未満となるまで変形可能である、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項19】
前記ケーブル状部材は、長手軸方向で、硬さについての物性が異なっている、
請求項2に記載の取付部材。
【請求項20】
前記連結部の一部が、選択的に前記第1取り付け部として、利用可能である、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項21】
前記第1取り付け部と前記連結部の間に、前記第1屈曲部を有し、
前記振動抑制部は、少なくとも1つの個別の部材であり、また、前記第1取り付け部の少なくとも一部から、前記第1屈曲部を通り、前記連結部の少なくとも一部まで、の範囲に取り付けられる、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項22】
前記振動抑制部は、スリットを有し、
前記振動抑制部は、前記スリットを用いて、前記第1取り付け部及び前記連結部と接続している、
請求項13に記載の取付部材。
【請求項23】
電子機器であって、請求項1から12のいずれか1項に記載の取付部材を備える、
電子機器。
【請求項24】
前記電子機器は、マイクロ波を用いて動体を検知する動体検知部を有する、
請求項23に記載の電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付部材等に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2021-56207号公報(特許文献1)等がある。この公報には、「電子機器10は、車両に設けられるシステムである。電子機器10は、光学方式およびレーダー方式に対応した探知機である。電子機器10は、速度測定装置30を探知の対象とする。電子機器10は、入射した光のうち特定波長の光を選択して受光し、受光量に応じた信号を出力する受光部と、受光部が出力した信号に基づいて、特定波長の光を発する発光装置の存在を報知する第1報知制御を行う制御部と、を有する。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-56207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、取付部材を用いて電子機器を取り付ける仕組みが記載されている。
【0005】
上述した課題に鑑み、本発明の目的の一つは、振動を抑制して電子機器を取り付ける仕組み等、従来よりも優れた取付部材等を提供することである。
【0006】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
設置位置に電子機器を取り付けるための取付部材であって、前記設置位置に取り付けられる第1取り付け部と、前記電子機器に取り付けられる第2取り付け部と、前記第1取り付け部と前記第2取り付け部とを連結する連結部と、を備え、前記第1取り付け部に振動抑制部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、振動を抑制して電子機器を取り付ける仕組み等、従来よりも優れた取付部材等を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【0009】
なお、本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」「~可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第1の斜視図の例である。
図2図2は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第2の斜視図の例である。
図3図3は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第3の斜視図の例である。
図4図4は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第4の斜視図の例である。
図5図5は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第1の6面図の例である。
図6図6は、車両への電子機器2の取付位置を説明する説明図の例である。
図7図7は、第1の屈曲状態の取付部材1の斜視図の例である。
図8図8は、取付部材1の第1の6面図の例である。
図9図9は、振動抑制の原理を説明する説明図の例である。
図10図10は、振動抑制の原理を説明する別の説明図の例である。
図11図11は、第2の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第5の斜視図の例である。
図12図12は、第2の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第2の6面図の例である。
図13図13は、第2の屈曲状態の取付部材1の斜視図の例である。
図14図14は、第2の屈曲状態の取付部材1の第2の6面図の例である。
図15図15は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第1の説明図の例である。
図16図16は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第2の説明図の例である。
図17図17は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第3の説明図の例である。
図18図18は、電子機器2とケーブル状部材3の接続位置を説明する説明図の例である。
図19図19は、電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する説明図の例である。
図20図20は、スリーブ200(200a、200b)を用いた電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する第1の説明図の例である。
図21図21は、スリーブ200(200a、200b)を用いた電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する第2の説明図の例である。
図22図22は、2本のケーブル状部材3を有する構成の例である。
図23図23は、振動抑制部の設計のバリエーションを説明する第1の説明図の例である。
図24図24は、振動抑制部の形状のバリエーションを説明する第2の説明図の例である。
図25図25は、第1当たり部250(250a、250b)を有する取付部材1を説明する第1の説明図の例である。
図26図26は、第2当たり部260(260a、260b、260c)を有する振動抑制部14を説明する第2の説明図の例である。
図27図27は、中心から偏位した振動抑制部を有する取付部材1を説明する説明図の例である。
図28図28は、電子機器2の角度調整の仕組みを説明する説明図の例である。
図29図29は、別の振動抑制部を有する取付部材1を説明する説明図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本願発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【0012】
同様に、以下に、図面を参照して説明する、取付部材を用いた電子機器の取り付け方も、取付部材により可能となる多様な取り付け方の一例であり、ユーザは、取付部材を所望の取付位置や電子機器の種類や機能等に応じて、不図示の取り付け方を選択することができる。
【0013】
図1は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第1の斜視図の例である。
図1の第1の斜視図は、取付部材1及び電子機器2を、ケーブル状部材3が取り付けられている側から見た斜視図である。
【0014】
取付部材1は、第1取付部11にて、取付位置110に取り付けられる。
例えば、取付部材1は、第1取付部11にて、直接的又は取り付け用部材を介して間接的に、取付位置に接触しているとよい。
【0015】
取付部材1は、例えば粘着部材23を用いて、第1取付部11の一方の面、例えば第1取付部11の裏面で、取付位置へ取り付けたり、後述の第1屈曲部15を端にして、その折り曲げ位置で引っ掛けて取り付けたり、することができるブラケットとして構成されているとよい。
【0016】
粘着部材23は、例えば、両面テープ、接着剤等の粘着性又は接着性を有する部材とするとよい。
別の実施例では、粘着部材23に代えて、ネジ、ビス、ボルト等の固定具や、溶接等の固定方法によって、取付位置へ取り付けてもよい。
【0017】
取付部材1は、第2取付部12にて、電子機器2に取り付けられる。
例えば、取付部材1は、第2取付部12にて、直接的又は取り付け用部材を介して間接的に、電子機器2に接触している。
【0018】
取付部材1は、例えば、両面テープ、接着剤、ビス等の固定具や、溶接等の固定方法によって、電子機器2への取り付けることができるとよい。
【0019】
取付部材1は、振動抑制部14を有しており、振動抑制部14を用いてケーブル状部材3を固定或いは保持している。
振動抑制部14は、ケーブル状部材3を固定或いは保持する位置を、調整することができる構成であるとよい。
取付部材1の振動抑制部14は、図7を用いてより詳細に説明するように、ケーブル状部材3を固定或いは保持する固定部としても設計されている。
【0020】
振動抑制部14は、ケーブル状部材3を固定或いは保持する力、例えばクランプ力、を調整することができる構成であるとよりよい。
図1の実施例では、振動抑制部14は、クリップ状の構成を有しているが、振動抑制部14の構成は、そのような構成に限定されるものではなく、ケーブル状部材3から伝わる電子機器2の振動を吸収や抑制することができる構成であればよい。
【0021】
振動抑制部14が電子機器2に生じる振動や共振を低減することによって、振動や共振を原因とする、電子機器2の精度の悪化、例えばセンサの検知精度の悪化、や、電子機器2の故障の発生、電子機器2の取付位置110や取り付け方向の変化、等を従来よりも効果的に低減することができる。
【0022】
電子機器2は、第1ハウジング21と第2ハウジング22を有しており、第1ハウジング21と第2ハウジング22が電子機器2全体のハウジング20を形成している。
第1ハウジング21は、第1凸部21aを有しており、第2ハウジング22は、第2凸部22aを有している。
【0023】
第1凸部21a及び第2凸部22aは、取付部材1の第2取付部12を挟んで固定することができる構成であるとよい。
第1凸部21a及び第2凸部22aは、ハウジング20の電子部品40の収容部分とは反対側で、取付部材1に向かって凸に、例えば取付部材1の連結部13に向かって凸に、形成されているとよい。
なお、以下の説明では、「ハウジング」という用語に代えて、「ケース」と記載することもある。
【0024】
第1凸部21aには、第1挿入穴21bが設けられており、第1挿入穴21bには、第1固定用部材24aを挿入することができる。
第2凸部22aには、第1挿入穴21bと対応する第2挿入穴22bが設けれている。第2挿入穴22bについては図3を用いて詳述する。
【0025】
図1の実施例では、第1挿入穴21b及び第1固定用部材24aの上部は、それぞれ6角形の形状を有しており、それにより、第1挿入穴21bは、固定用部材24の回転を抑制することができる。
【0026】
第1ハウジング21は、ハウジング20の一方の側面に第1切欠部21cを有している。
第2ハウジング22は、第1切欠部21cが設けられたハウジング20の上記の側面に第2切欠部22cを有している。
【0027】
第1切欠部21c及び第2切欠部22cは、ケーブル状部材3用の開口部を形成し、
電子機器2のハウジング20は、第1切欠部21c及び第2切欠部22cで、ケーブル状部材3を挟持している。
【0028】
ケーブル状部材3は、別の実施例では、ハウジング20の表面に、貼り付けられていたり、接着されていたり、してもよい。
ケーブル状部材3は、更に別の実施例では、ハウジング20に設けられたジャック状の穴部にプラグ状の挿入部を挿入することで、電子機器2と接続していてもよい。
【0029】
ケーブル状部材3は、弾性を有する素材から構成されているとよい。ケーブル状部材3は、例えば、金属、プラスチック、ゴム、繊維等、及び、それらの2つ以上を組み合わせた複合材料、等、から構成されているとよい。
【0030】
ケーブル状部材3は、例えば、1本以上の金属、それらを取り囲むゴム、更にそれらを取り囲む繊維、からなる構成であってもよい。また、ケーブル状部材3の物性は、その長手方向で、異なっていてもよい。
上記の構成により、ケーブル状部材3が後述の振動抑制効果に及ぼす効果を、柔軟に調整することができるのでよい。
【0031】
第1ハウジング21は、第1マーク21dを有している。
第1マーク21dは、ユーザに対して、電子機器2やハウジング20の中央位置や、電子機器2の検知方向等を、具体的に示すことができる。
【0032】
電子機器2の検知方向等とは、電子機器2から放出される電磁波、例えばマイクロ波等、の照射方向に対応する。
例えば、電子機器2の検知方向等とは、センサとして構成された電子機器2の動体検知の方向でありえる。また、電子機器2の検知方向等とは、撮影装置として構成された電子機器2の撮影の方向であってもよい。
【0033】
ケーブル状部材3は、取付部材1の振動抑制部14と電子機器2のハウジング20に設けられた接続位置25にて固定されているとよい。
ケーブル状部材3は、例えば電子機器2の電力や信号伝達用のケーブルであってもよく、ユーザはケーブルを電子機器2のケースの中(側面)から引き出し、上へ引き出して、ステーとして形成された取付部材1に引掛けることができる。
【0034】
図2は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第2の斜視図の例である。
図2は、図1の実施例を、別の側から見た図であり、図2の第2の斜視図では、ケーブル状部材3が接続する側とは反対側の、ハウジング20の側面は、閉じた平面で形成されていることが図示されている。
【0035】
図7を用いて詳述する、第1屈曲部15、第2屈曲部16、及び、第3屈曲部17は、ユーザによって適宜屈曲角度を調整することが可能であるとよい。
また、取付部材1が製品としてユーザに提供される時点では、第1屈曲部15、第2屈曲部16、及び、第3屈曲部17は、それぞれ180°であるとよい。
【0036】
取付部材1は、ユーザが力を与えることにより、その力を受けて、第1屈曲部15、第2屈曲部16、及び、第3屈曲部17の位置で、変形可能な構成であるとよい。
また第1屈曲部15、第2屈曲部16、及び、第3屈曲部17は、それぞれの屈曲角度がユーザが加える力によって変化する程度の剛性であって、それぞれの屈曲角度が取付位置110や電子機器2に生じる振動、例えば、走行する車両等の移動体の振動によっては、維持される程度の剛性を有しているとよい。
【0037】
図3は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第3の斜視図の例である。
図3の第3の斜視図は、図1及び図2の実施例を、電子機器2のハウジング20の底面側から見た図である。
【0038】
上述した通り、第2凸部22aには、第1挿入穴21bと対応する第2挿入穴22bが設けれている。
第2挿入穴22bには、第1固定用部材24aと接続する第1固定用部材受け部24bが収容されている。図1から図3の実施例では、第1固定用部材24a及び第2固定用部材は、それぞれ、ボルト及びナットのように形成されているとよい。
【0039】
電子機器2の第1ハウジング21及び第2ハウジング22は、第1凸部21a及び第2凸部22aの間で、取付部材1の第2取付部12を挟んでいる。
このように、取付部材1の第2取付部12をケースのベロにネジやボルト等で固定することで、ケースへの取付部材1、例えばステー、の固定を容易かつ確実に行うことができる。
【0040】
電子機器2の第1ハウジング21及び第2ハウジング22は、第1固定用部材24a及び第1固定用部材受け部24bの接続状態、例えばボルト及びナットの締結状態、を調整することで、取付部材1の第2取付部12を挟む力を調整することができる。
【0041】
電子機器2の第2ハウジング22は、第2マーク22dを有している。
第2マーク22dは、第1マーク21dと同様に、ユーザに対して、電子機器2やハウジング20の中央位置や、上述の電子機器2の検知方向等を、具体的に示すことができる。
【0042】
電子機器2が、第1マーク21d及び第2マーク22d、を有しておりことにより、ユーザは、電子機器2のどちらの面を視認しやすく取り付けた場合であっても、容易に、第1マーク21d及び第2マーク22dの指し示す方向や位置を認識することができる。
【0043】
第2ハウジング22は、第2挿入穴22e及び第3挿入穴22fが設けられており、第2挿入穴22e及び第3挿入穴22fには、それぞれ、第2固定用部材22g及び第3固定用部材22hを挿入することができる。
【0044】
第2固定用部材22g及び第3固定用部材22hは、例えばネジとして形成されているとよく、第2挿入穴22e及び第3挿入穴22fは、それに対応したネジ穴として形成されているとよい。
【0045】
図4は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第4の斜視図の例である。
図4は、図1と同様に、取付部材1及び電子機器2を、ケーブル状部材3が取り付けられている側から見た斜視図であり、図1の実施例から第1ハウジング21を取り外した状態を図示している。
【0046】
図4の第4の斜視図には、電子機器2のハウジング内の基板や配線等の電子部品40の状態が図示されている。これらの基板や配線は、電子機器2の取り得る構成の一例であり、電子機器2は、その種類や目的に応じて、異なる内部構成を有することができる。
【0047】
図4の第4の斜視図には、ケーブル状部材3が電子機器2のハウジング内の配線と連結している状態が図示されている。そのような構成では、ケーブル状部材3の内部に、電子機器2から又は電子機器2へ、信号又は電力の少なくとも1つを伝達する、伝達部材を設けることができる。
【0048】
図4の第4の斜視図には、第1固定用部材24aのシャフト部が、取付部材1の第2取付部12に設けられた挿入穴12b内を、貫通している状態が図示されている。そのような構成では、取付部材1が電子機器2から外れることをより確実に防止することができると同時に、電子機器2がシャフト部を軸として取付部材1に対して回動することができる。
【0049】
図5は、第1の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第1の6面図の例である。
図5の実施例では、第1取付部11が電子機器2よりも上方に位置している。したがって、図5の実施例では、電子機器2は、取付位置110の下方に位置している。
なお、取付位置110の取付面100は、水平に対して平行である必要はない。
【0050】
図5(a)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を上方から見た図である。
図5(b)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を正面から見た図である。
【0051】
図5(c)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を下方から見た図である。
図5(d)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を背面から見た図である。
図5(e)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を右側から見た図である。
図5(f)は、図1から図4の実施例における取付部材1に取り付けられた電子機器2を左側から見た図である。
【0052】
図5の実施例では、電子機器2の幅Wは約40mmであり、電子機器2の奥行きDは約28mmであり、電子機器2の高さHは約19mmである。重さは、20gから30g程度である。
【0053】
図6は、車両への電子機器2の取付位置を説明する説明図の例である。
図6に図示する電子機器2(2aから2i)は、例えば、センサ、LED、撮影装置、マイク、スピーカ、探知機、ドライブレコーダ、警報装置、等である。
【0054】
電子機器2は、例えばマイクロ波を用いて動体を検知するセンサであるとよい。
そのような構成では、電子機器2は、動体の検知結果を、ケーブルを介して外部のドライブレコーダ等、に送信することができるとよく、ドライブレコーダ等は、電子機器2から取得した検知結果に基づいて、特定の機能を作動させてもよい、例えば、録画(イベント録画・駐車監視)を開始して、内部の記憶媒体に録画したり、録画データを外部の装置に送信したりしてもよい。特定の機能としては、車両の周辺に対して又は遠方の装置を介して、警告、警報を発する機能としてもよい。取付部材1により、電子機器2の検知精度の悪化を抑えることで、電子機器2又は電子機器2に接続される装置においては、例えば、車両の駐車中等のユーザにより車両が利用されていないときの車両の周辺の状況を監視し、何らかの異常が発生した又は発生しようとしている場合には当該特定の機能を適切に作動させることができる。車両へのいたずらや車両の盗難といった異常の発生をあらかじめ抑止したり、仮にそのような異常が発生しても速やかな解決にも貢献し得るものである。その結果、安心・安全に住み続けられるまちづくりを実現することにも寄与し、ひいてはSDGsにも貢献することができるものである。
【0055】
以下に説明するように、電子機器2は、共通の取付部材1を用いて、様々な取付位置110、例えば、車両のガラスやミラーに取り付けることができるので、共通の取付部材1をガラス用・ミラー用で兼用とすることができる。
【0056】
車両のガラスへ取り付ける実施例では、取付部材1は、例えば図1等に示すような折り曲げ方とし、車両のミラーへ取り付ける実施例では、取付部材1は、例えば図11等に示すような、折り曲げ方とし、ガラス取り付け時と、ミラー取り付け時で、ステー状の取付部材1の折り曲げ方が異ならせることができる。
【0057】
電子機器2(2aから2i)として使用されるセンサは、例えば、ドップラーセンサ、IRセンサ、加速度センサ、サーモセンサ、COセンサ等のセンサである。
ユーザは、取付部材1を用いることで、多様な電子機器2を、それぞれの用途に合わせて、より適切な取付位置110に、容易に取り付けることができる。取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方については、図15等を用いてより詳細に説明する。
【0058】
電子機器2は、モバイルデータ通信網やCANやWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の車載ネットワークにより、車両の制御装置やユーザ端末やその他の電子機器と、直接的に又は間接的に、データ接続されていてもよい。
【0059】
電子機器2aは、車両6のフロントガラス或いは車両6のフロントガラス周辺の天井等に取り付けられている。
電子機器2aは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有する、ドップラーセンサである。ユーザは、両矢印の方向で電子機器2aの向きを調整することで、電子機器2aの検知範囲、例えば車両6の前方から接近する人物や、車両前方でうろつく人物等の動体を検知する範囲等、を適切に調整することができる。
【0060】
電子機器2bは、車両6のルームミラー61に取り付けられている。
電子機器2bは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有する、ドップラーセンサである。ユーザは、電子機器2bをルームミラー61に取り付けることで、電子機器2bの検知範囲、例えば車両6の前方から接近する人物等の動体を検知する範囲等、を、車両の正面中央に容易に調整することができる。
【0061】
電子機器2cは、電子機器2bと同様に、車両6のルームミラー61に取り付けられている。
電子機器2cは、例えば2本の破線の間に撮影範囲を有する撮影装置である。ユーザは、電子機器2cをルームミラー61に取り付けることで、電子機器2cの撮影範囲を、運転席及び助手席に座る人物が良好に撮影されるように、車両の正面中央に容易に調整することができる。
【0062】
別の実施例では、電子機器2cは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有するIRセンサである。ユーザは、電子機器2cをルームミラー61に取り付けることで、電子機器2cの検知範囲を、運転席及び助手席等に侵入した人物等、例えば車上荒らしや車両を狙った窃盗犯等、を良好に検知することができるように、車両の正面中央に容易に調整することができる。
【0063】
電子機器2dは、車両6の助手席の背面に取り付けられている。
電子機器2dは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有するサーモセンサである。ユーザは、電子機器2dを助手席の背面に取り付けることで、電子機器2dの撮影範囲を、後部座席に座る人物や後部座席に設置されたチャイルドシート内の子供等の体温が良好に検出できるように、調整することができる。
【0064】
電子機器2eは、車両6のサイドガラス或いは車両6のサイドガラス周辺の天井等に取り付けられている。
電子機器2eは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有する、ドップラーセンサである。ユーザは、両矢印の方向で電子機器2eの向きを調整することで、電子機器2eの検知範囲、例えば車両6の側方から接近する人物等の動体を検知する範囲等、を適切に調整することができる。
【0065】
電子機器2fは、車両6の後部の天井或いは車両6の後部のハッチバックドア等の上部
等に取り付けられている。
電子機器2fは、例えば2本の破線の間に撮影範囲を有する撮影装置である。ユーザは、電子機器2fを車両6の後部の天井或いは車両6の後部のハッチバックドア等に取り付けることで、電子機器2fの撮影範囲を、車両後部から車両前方へ向かって、車内の様子が良好に撮影されるように、容易に調整することができる。
【0066】
電子機器2gは、例えば2本の破線の間に集音範囲を有するマイク或いは2本の破線の間に放音範囲を有するスピーカである。
ユーザは、電子機器2gを車両6の後部の側方の天井或いは車両6の後部のハッチバックドア等に取り付けることで、電子機器2gの集音範囲や放音範囲を、容易に調整することができる。
【0067】
電子機器2hは、車両6のリアガラス或いは車両6のリアガラス周辺の天井等に取り付けられている。
電子機器2hは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有する、ドップラーセンサである。ユーザは、電子機器2hを車両6の中央付近でリアガラス等に取り付けることで、電子機器2hの検知範囲、例えば車両6の後方から接近する人物等の動体を検知する範囲等、を、車両の後方中央に容易に調整することができる。
【0068】
電子機器2iは、車両6のリアガラス或いは車両6のリアガラス周辺の天井等に取り付けられている。
電子機器2iは、例えば2本の破線の間に検知範囲を有する、ドップラーセンサである。ユーザは、両矢印の方向で電子機器2iの向きを調整することで、電子機器2iの検知範囲、例えば車両6の後方から接近する人物等の動体を検知する範囲等、を適切に調整することができる。
【0069】
電子機器2を車両6の天井に取り付ける構成では、ユーザは、第1取付部11を、振動抑制部14とともに、車両6に存在するギャップ部、例えば、車両6の天井内張り(ルーフライニング、ともいう)と車両天井(車体、ともいう)の間のギャップ部、に挿入してもよい。
【0070】
ユーザ或いはユーザから依頼を受けた業者の作業員等は、車両6の所望の取付位置に、そのようなギャップ部を、内張りはがしや金切りハサミ等の工具を用いて、作成してもよい。
【0071】
ギャップ部のギャップ幅は、5mm程度の大きさであるか、5mm程度の大きさまで拡がればよく、それに対応して、ケーブル状部材3を固定した振動抑制部14を含む第1取付部11の厚みは、5mm未満の大きさ、例えば4.5mm程度の大きさであるか、4.5mm程度の大きさ、まで少なくとも一時的に圧縮できる構成であるとよい。
【0072】
図6の実施例では、電子機器2は、車両6の車室内に取り付けられているが、電子機器2は、車両6のその他の部分、例えばトランクルーム内、フロントグリルの内側、エンジンルームやボンネット、車体ボディの底部、等に取り付けられていてもよい。
【0073】
なお、図6の実施例では、電子機器2の取付対象の車両6は四輪の自動車であるが、四輪自動車に限定されるものではなく、電子機器2を設置することが可能な車両であればよい。例えば、バス、トラック等の四輪以上の大型輸送車、幼稚園等の送迎バス、自動二輪車や自転車等の二輪車、工事等に用いられる重機、その他の車両が対象となり得る。
【0074】
また例えば、電車、モノレール、リニアモーターカー等の交通機関の乗り物も取り付けの対象となり得る。
更に別の実施例では、電子機器2は、遊園地等の乗り物や、観覧車、配送業者が利用する配達用の荷台、車いす、ドローン等の移動体や運動体に取り付けることも可能である。
図7は、第1の屈曲状態の取付部材1の斜視図の例である。
図7(a)は、第1の屈曲状態の取付部材1の第1の斜視図の例である。
図7(b)は、第1の屈曲状態の取付部材1の第2の斜視図の例である。
【0075】
取付部材1は、設置位置に電子機器2を取り付けるための取付部材であり、図7の実施例では、板材のステーとして、形成されている。設置位置は、取付位置、固定位置等と読み替えられてもよい。
【0076】
取付部材1は、少なくとも、設置位置に取り付けられる第1取付部11と、電子機器2に取り付けられる第2取付部12と、第1取付部11と第2取付部12とを連結する連結部13と、を備えている。取付部材1は更に、第1取付部11に振動抑制部14を有しており、振動抑制部14は、電子機器2に作用する振動を、抑制することができる。
【0077】
図7の実施例では、振動抑制部14は、電子機器2から延びるケーブル状部材3を固定する固定部を有しており、ケーブル状部材3は固定部に対して位置調整可能である。
図7の実施例では、振動抑制部14の全て又は一部が、固定部としても、機能している。
【0078】
ケーブル状部材3を固定部に対して位置調整することによって、例えば、固定部内で固定されるケーブル状部材3の位置をスライドさせて位置調整することによって、電子機器2と振動抑制部14との間に働く張力の大きさを、調整することができる。
【0079】
取付部材1は、第1取付部11と連結部13の間に、第1屈曲部15を有しており、第1屈曲部15には、複数の空所19aが、設けられている。
取付部材1は、同様に、第2取付部12と連結部13の間に、第2屈曲部16を有している。
【0080】
取付部材1は、連結部13に、第3屈曲部17を有しており、第3屈曲部17には、複数の空所19bが、設けられている。
取付部材1は、第1取付部11に、少なくとも1つの第4屈曲部18を有しており、第4屈曲部18には、複数の空所19cが、設けられている。
【0081】
複数の空所19aから空所19cは、それぞれ、予定の屈曲線に平行に設けられており、ユーザが取付部材1を折り曲げやすい構成となっている。
別の実施例では、空所19aから空所19cに代えて、薄厚部を設けてもよい。また、空所と薄厚部を組み合わせてもよく、それらの構成では、折り曲げやすさを柔軟に設計することができる。
【0082】
取付部材1は、第1屈曲部15、第2屈曲部16、及び、第3屈曲部17のそれぞれの屈曲角度を様々に調整することが可能な構成であるとよい。そして、それぞれの屈曲角度に応じて、振動抑制部14の固定部は、ケーブル状部材3を、ケーブル状部材3の異なる位置で、固定できる、とよりよい。
この点については、図15図16図17等を用いてより詳細に説明する。
【0083】
また、少なくとも1つの第4屈曲部18は、取付位置110の取付面100の形状に応じて、屈曲角度を調整することができる。それにより、車両の角部などにも取り付けが容易になる。
【0084】
取付部材1は一枚の金属板から形成されていると、多様な取り付け環境に対応することができるものを、安価に製造することができる。単一部材としては、特に金属製のステーとするとよい。更に、取付部材1は、単一の金属から形成されることになるので、ユーザがリサイクルのために分別等を行う必要がなく、ユーザがリサイクルに要する手間を減少させることができる。それにより、地球の限りある資源をより有効に利用することで、SDGsにも貢献することができる。
【0085】
図8は、取付部材1の第1の6面図の例である。
図8(a)は、図1から図4の実施例における取付部材1を上方から見た図である。
図8(b)は、図1から図4の実施例における取付部材1を正面から見た図である。
【0086】
図8(c)は、図1から図4の実施例における取付部材1を下方から見た図である。
図8(d)は、図1から図4の実施例における取付部材1を背面から見た図である。
図8(e)は、図1から図4の実施例における取付部材1を右側から見た図である。
図8(f)は、図1から図4の実施例における取付部材1を左側から見た図である。
【0087】
図9は、振動抑制の原理を説明する説明図の例である。
図9(a)は、第1取付部11を上にした取付部材1の概略図の例である。
図9(b)は、第1取付部11を下にした取付部材1にケーブルを有する電子機器2を取り付けた状態を説明する説明図の例である。
図9(c)は、第1取付部11を下にした取付部材1にケーブルを有する電子機器2を取り付けた状態を説明する別の説明図の例である。
【0088】
図9(a)の実施例では、取付部材1は、板状の材料、例えば板状の金属材料等、を曲げて作成したステーのようなものである。取付部材1は、第1取付部11を下にして、第1取付部11に粘着させた両面テープなどの粘着部材23で取付位置110に固定されている。
【0089】
図9(a)の実施例では、第1取付部11や第1取付部11に取り付けた重たいものである電子機器2は、取付位置110に生じる振動で共振したり、先端を指ではじくことで、破線で示す両矢印の方向に、びーーんびよーーんという例えば板バネのような弾性により、揺れたり、振動したりする。
【0090】
図9(b)の実施例では、取付部材1は、図9(a)の実施例と同様に、板状の材料、例えば板状の金属材料等、を曲げて作成したステーのようなものである。取付部材1は、第1取付部11を上にして、第1取付部11に粘着させた両面テープなどで取付位置110に固定されている。電子機器2からは、ケーブル状部材3、例えば電気的接続ケーブル、が出ている。
【0091】
図9(b)の実施例では、第1取付部11や第1取付部11に取り付けた重たいものである電子機器2は、取付位置110に生じる振動で共振したり、先端を指ではじくことで、破線で示す両矢印の方向に、びーーんびよーーんと(板バネのような)弾性により揺れたり、振動したりする。
【0092】
図9(c)の実施例では、取付部材1は、図9(a)、図9(b)の実施例と同様に、板状の材料、例えば板状の金属材料等、を曲げて作成したステーのようなものである。取付部材1は、第1取付部11を上にして、第1取付部11に粘着させた両面テープなどで取付位置110に固定されている。電子機器2からは、ケーブル状部材3、例えば電気的接続ケーブル、が出ている。
【0093】
図9(c)の実施例では、第1取付部11や第1取付部11に取り付けた重たいものである電子機器2は、取付位置110に生じる振動との共振等が、ケーブル状部材3、例えば電気的接続ケーブル、を介して振動抑制部14に伝わる。
【0094】
ケーブル状部材3が振動抑制部14に固定されていない図9(b)の実施例と比べて、ケーブル状部材3をクランプする振動抑制部14を備えた実施例では、取付部材1は、ケーブル状部材3を用いて電子機器2を抑えつけて、電子機器2に生じる共振を低減させる(共振しにくくなる)。
【0095】
取付部材1は、例えば板材のステーとして形成されているとよく、振動抑制部14は、例えばケーブルクラップとして形成されているとよい。
板材のステーにケーブルクラップを設けケーブルを止めることにより、ケーブルをきちんと設置できるだけでなく、取付位置110を有する車両等の移動体に生じる振動や、取付部材1や電子機器2の固有振動数等に関連する共振も抑制しやすくなる。
【0096】
図9(c)の実施例では、ケーブル状部材3は、比較的小さい力で電子機器2を抑えつけているが、長さや太さ等のケーブル状部材3の寸法や、硬さや弾性等のケーブル状部材3の物性の設定を調整することで、より強い力で電子機器2を抑えつけることができるとよりよい。
【0097】
図10は、振動抑制の原理を説明する別の説明図の例である。
電子機器2は、取付部材1を用いて、傾斜した取付面100の取付位置110に取り付けられている。
なお、取付面100は、水平に対して垂直な面であってもよい。また、図10の実施例では、取付面100は、重力の働く方向に関して下方を向いて傾斜しているが、重力の働く方向に関して上方を向いて傾斜していてもよい。
【0098】
取付面100が、車両等の移動体や運動体の一部である構成では、運動体の運動に基づく振動は、取付位置110から取付部材1を介して電子機器2へ伝わる。その際、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度及び第2屈曲部16の屈曲角度が、振動に応じて変化し、電子機器2は、びーーんびよーーんと揺れたり、振動したりする。
【0099】
図10の実施例では、ケーブル状部材3は、電子機器2から取付位置110に対して位置固定的に固定されている取付部材1の振動抑制部14へと延びている。
ケーブル状部材3は、電子機器2と振動抑制部14との間で、それらに対して、正又は負の張力やテンションが働いた状態で、振動抑制部14に固定されている。
【0100】
図10の実施例における張力とは、電子機器2と振動抑制部14とを互いに引き付ける方向に働く張力や、電子機器2と振動抑制部14とを互いに遠ざける方向に働く張力である。これらの張力がケーブル状部材3にかかっていることにより、振動抑制部14は、電子機器2に生じる振動を効果的に減少させることができる。
【0101】
例えば、振動抑制部14が、電子機器2と振動抑制部14との間で、ケーブル状部材3が突っ張るように固定していると、振動抑制部14は、電子機器2に生じる振動や共振を良好に吸収することができる。
【0102】
なお、電子機器2と振動抑制部14との間に働く張力の大きさは、ケーブル状部材3をスライドさせて、振動抑制部14で固定するケーブル状部材3の位置を変更することで、調整することができる。
【0103】
例えば、図10の実施例では、電子機器2には、取付位置110から伝わる振動に加えて、第1屈曲部15を支点とした取付部材1の連結部13の第1延長線100aの前後方向の両矢印の方向への振動と、第1屈曲部15を支点とした取付部材1の第2取付部12の第2延長線100bの上下方向の両矢印の方向への振動と、が加わるが、ケーブル状部材3は、それらの振動を良好に抑制することができる。
【0104】
図11は、第2の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第5の斜視図の例である。
図11の実施例では、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度は約180°であり、第3屈曲部17の屈曲角度は約90°である。
【0105】
その結果、図11の実施例では、取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の全体の高さ方向の寸法が、図1から図4の実施例と比較して、より小さく、コンパクトになっている。
【0106】
このようなコンパクトな構成は、例えば、車両のルームミラー61の上等、上方向にスペースが少ない取付位置110に、電子機器2を取り付ける場合等に、有利である。
更に、上記のようなコンパクトな構成では、車両のルームミラー61のいずれかの面、例えば上面や背面等に、取り付けたり、貼り付けたりしやすくなるのでよい。
【0107】
図12は、第2の屈曲状態の取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2の第2の6面図の例である。
図12の実施例では、第1取付部11が電子機器2よりも下方に位置している。したがって、図12の実施例では、電子機器2は、取付位置110の上方に位置している。
なお、取付位置110の取付面100は、水平に対して平行である必要はない。
【0108】
図12(a)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を上方から見た図である。
図12(b)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を正面から見た図である。
【0109】
図12(c)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を背面から見た図である。
図12(d)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を下方から見た図である。
【0110】
図12(e)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を右側から見た図である。
図12(f)は、図11の実施例における取付部材1と取付部材1に取り付けられた電子機器2を左側から見た図である。
【0111】
図12の実施例では、図5の実施例と同様に、電子機器2の幅Wは約40mmであり、電子機器2の奥行きDは約28mmであり、電子機器2の高さHは約19mmである。重さは、20gから30g程度である。
【0112】
図13は、第2の屈曲状態の取付部材1の斜視図の例である。
図13(a)は、第2の屈曲状態の取付部材1の第1の斜視図の例である。
図13(b)は、第2の屈曲状態の取付部材1の第2の斜視図の例である。
【0113】
図13の実施例では、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度は約180°であり、第3屈曲部17の屈曲角度は約90°である。
その他の構成は、図7の実施例と同様であるので説明は省略する。
【0114】
図14は、第2の屈曲状態の取付部材1の第2の6面図の例である。
図14(a)は、図11の実施例における取付部材1を上方から見た図である。
図14(b)は、図11の実施例における取付部材1を正面から見た図である。
【0115】
図14(c)は、図11の実施例における取付部材1を下方から見た図である。
図14(d)は、図11の実施例における取付部材1を背面から見た図である。
図14(e)は、図11の実施例における取付部材1を右側から見た図である。
図14(f)は、図11の実施例における取付部材1を左側から見た図である。
【0116】
図15は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第1の説明図の例である。
なお、取付部材1を用いた電子機器2の符号は、図15(a)にのみ付し、図15(b)から図15(h)では、符号は省略する。
【0117】
また、図15(a)から図15(h)では、ケーブル状部材3は図示していないが、実際には、図15(a)から図15(h)のいずれの実施例においても、ケーブル状部材3は、取付部材1の振動抑制部14と電子機器2とを接続した状態で、固定されている。
【0118】
図15(a)から図15(c)は、取付部材1の第1屈曲部15が90°屈曲し、第2屈曲部16が270°(-90°)屈曲した状態を模試的に示している。
なお、電子機器2の大きさは、模式的な表示のために、取付部材1に対して実際よりもより大きく図示されている。これは、図15(d)から図15(h)でも同様である。
【0119】
図15(a)の実施例では、電子機器2は、第2取付部12の上側に取り付けられている。
図15(b)の実施例では、電子機器2は、第2取付部12の下側に取り付けられている。
図15(c)の実施例では、電子機器2は、第2取付部12の少なくとも一部を電子機器2内へ取り込んだ状態で、取り付けられている。
【0120】
なお、本明細書中の説明における、「上側」、「下側」等の用語は、図面の上下に対応して用いているに過ぎず、取付部材1や電子機器2に対して、特定の上下を定義するものではない。
例えば、図15(a)の実施例の上下をひっくり返して、電子機器2を所望の取付位置110に取り付けることも可能である。
【0121】
図15(d)の実施例では、取付部材1の第1屈曲部15は、90°よりも狭められている。
図15(e)の実施例では、取付部材1の第1屈曲部15は、90°よりも広げられている。
図15(f)の実施例は、図15(a)の実施例の上下をひっくり返した構成に対応する。
【0122】
図15(g)、図15(h)、図15(i)は、取付部材1の第1屈曲部15、第2屈曲部16に加えて、第3屈曲部17も屈曲した状態を概略的に示している。
図15(g)、図15(h)、図15(i)の実施例では、第1屈曲部15及び第2屈曲部16の屈曲角度はほぼ等しく、第3屈曲部17の屈曲角度がそれぞれ異なっている。
【0123】
図15(g)、図15(h)、図15(i)の実施例から見て取れるように、ユーザは、第3屈曲部17の屈曲確度を調整することにより、電子機器2に加わる振動が抑制されやすい状態を維持しつつ、電子機器2の向きや、取付部材1と電子機器2の全体の高さ等を、より柔軟に調整して取り付けることができる。
【0124】
図15(j)は、図15(c)の実施例における取付部材1の第2屈曲部16が90°屈曲した状態を、模試的に示している。
図15(k)は、連結部13が湾曲した取付部材1を用いた実施例を模式的に図示している。
【0125】
図16は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第2の説明図の例である。
図16(a)は、取付部材1と取付部材1を用いて取り付けた電子機器2の位置関係等を説明する説明図の例である。
【0126】
以下、図16(a)における点Aから点E、及び、長さL1から長さL4、について説明する。
点Aは、取付部材1の第1屈曲部15の位置を示す。
点Bは、取付部材1の第2屈曲部16の位置を示す。
【0127】
点Cは、電子機器2の接続位置25の位置を示す。
点Dは、電子機器2から延びるケーブル状部材3が、振動抑制部14によって固定されて、第1取付部11に接触する位置を示す。
点Eは、取付部材1の第3屈曲部17の位置を示す。
垂線160は、取付位置110の点A又は点Eから、地面或いは水平面に向かって、垂直に下ろした垂線(鉛直線)である。
【0128】
長さL1は、点Aから点Dの長さを示す。
長さL2は、点Aから点Bの長さを示す。
長さL3は、点Bから点Cの長さを示す。
【0129】
長さL4は、点Cから点Dの長さを示す。
長さL5は、点Aから点Eの長さを示し、長さL6は、点Eから点Bの長さを示し、長さL5と長さL6の和が長さL2となる。
【0130】
長さL1、長さL2、及び、長さL3、は、取付部材1の設計に応じて固定の値となる。
他方、長さL4は、取付部材1の第1屈曲部15、第2屈曲部16、第3屈曲部17の屈曲角度の大きさに応じて、可変である。
【0131】
図16に示す長さL1、長さL2、長さL3、及び、それらの比率は、1つの例である。
長さL1、長さL2、長さL3、及び、それらの比率は、取付部材1及び電子機器2の重量、取付部材1の剛性、電子機器2に作用することが見込まれる振動の大きさ、等に基づいて、設計することができる。
【0132】
長さL1と長さL2の比率(L1:L2)、長さL2と長さL3の比率(L2:L3)、長さL1と長さL3の比率(L1:L3)、は、取付部材1の設計に応じて固定の値となる。
【0133】
図16には、点A、点B、点C、点Dが形成する複数の四角形、点A、点B、点C、点Eが形成する複数の四角形、及び、点A、点B、点C、点D、点Eが形成する複数の五角形、が図示されている。
【0134】
図16(b-1)、図16(b-2)、図16(b-3)は、取付部材1を用いて電子機器2を同一の傾斜面に取り付け、取付部材1の第1屈曲部15と第2屈曲部16の屈曲角度を変化させた実施例を示す。
【0135】
図16(c-1)、図16(c-2)、図16(c-3)は、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度を変化させて、取付部材1を用いて電子機器2を異なる角度の傾斜面に取り付けた実施例を示す。
【0136】
図16(d-1)、図16(d-2)、図16(d-3)は、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度を180°にし、第3屈曲部17の位置Eまで、接触位置に接触させて、取付部材1を用いて電子機器2を、同一の傾斜面に取り付けた実施例を示す。
比較のため、図16(d-1)には、図16(b-1)の実施例を破線で示している。
【0137】
図16(e-1)、図16(e-2)、図16(e-3)は、取付部材1を用いて電子機器2を同一の傾斜面に取り付け、取付部材1の第1屈曲部15の屈曲角度を一定にし、第2屈曲部16及び第3屈曲部17の屈曲角度を変化させたそれぞれの実施例を示す。
比較のため、図16(e-1)には、図16(b-1)の実施例を破線で示している。
【0138】
図16(f-1)、図16(f-2)、図16(f-3)は、異なる傾斜の取付面100に、取付部材1を用いて電子機器2を、点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が台形となるように、取り付けた実施例を示す。
比較のため、図16(f-1)には、図16(b-1)の実施例を破線で示している。
【0139】
図16(g-1)、図16(g-2)、図16(g-3)は、点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が直方形又は正方形を取り得るように長さL1、長さL2、及び、長さL3が設計された実施例を示す。
点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が直方形又は正方形となるように調整すると、ユーザは、より安定的に取付部材1を用いて電子機器2を取り付けることができる。
【0140】
図16(h-1)、図16(h-2)、図16(h-3)、図16(i-1)は、長さL1が長さL3よりも長くなるように設計された実施例を示す。
長さL1がより長く設計された構成では、取付部材1の取付位置110への、両面テープなどを用いた粘着力に基づく取り付けをより安定的にすることができる。
【0141】
図16(i-2)、図16(i-3)は、点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が平行四辺形を取り得るように長さL1、長さL2、及び、長さL3が設計された実施例を示す。
点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が平行四辺形となるように調整すると、ユーザは、より安定的に取付部材1を用いて電子機器2を取り付けることができる。
【0142】
図16(j-1)、図16(j-2)、図16(j-3)は、連結部13が第3屈曲部17に加えて更に別の屈曲部を有する実施例を示しており、連結部13の別の屈曲部の位置はFで示されている。
【0143】
図16(k-1)、図16(k-2)、図16(k-3)は、点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が台形を取り得るように長さL1、長さL2、及び、長さL3が設計された実施例を示す。
点A、点B、点C、点Dが形成する四角形が台形となるように調整すると、ユーザは、より安定的に取付部材1を用いて電子機器2を取り付けることができる。
【0144】
取付部材1は、電子機器2の重心や、取付部材1及び電子機器2からなる系の重心が、上記の図16(a)から図16(k-3)に示す多角形内に存在させられるように、寸法や重量が設計されているとよい。
【0145】
取付部材1は、図16(a)から図16(k-3)に示す形状のうち、L1:L2やL2:L3等の比率が異なる少なくとも2つの形状を実現できるように設計されているとよい。
【0146】
なお、図16(a)から図16(k-3)では、ケーブル状部材3は取付部材1の連結部13側から振動抑制部14内へ案内されているが、ケーブル状部材3は取付部材1の連結部13から遠い側から振動抑制部14内へ案内されてもよい。
【0147】
図17は、取付部材1を用いた電子機器2の取り付け方法を説明する第3の説明図の例である。
図17(a)は、取付部材1と取付部材1を用いて取り付けた電子機器2の位置関係等を説明する説明図の例である。
【0148】
以下、図17(a)における点Aから点C、長さL2から長さL4、及び、垂線160は、図16(a)の実施例と同様であるので説明は省略する。
なお、図17(a)の実施例では、点Aの位置は、図16(a)の実施例と比較して、より連結部13側へ偏位した設計となっている。
【0149】
図17(b)から図17(f)は、図17(a)の実施例に対応する図17(b)の実施例の取り付け状態から、取付部材1を用いて電子機器2を同一の傾斜面に取り付け、取付部材1の第1屈曲部15と第2屈曲部16の屈曲角度を変化させたそれぞれの実施例を示す。
【0150】
図17(g)、図17(h)は、点A、点B、点Cが形成する三角形が、それぞれ正三角形或いは二等辺三角形を取り得るように長さL2、長さL3、及び、長さL3が設計された実施例を示す。
点A、点B、点Cが形成する三角形が正三角形や二等辺三角形となるように調整すると、ユーザは、より安定的に取付部材1を用いて電子機器2を取り付けることができる。
【0151】
図17(i)から図17(k)は、図17(a)の実施例に対応する図17(i)の実施例の取り付け状態から、取付部材1を用いて電子機器2を同一の傾斜面に取り付け、取付部材1の第2屈曲部16の屈曲角度を維持したまま、第1屈曲部15の屈曲角度を変化させたそれぞれの実施例を示す。
【0152】
図17(l)、図17(m)は、図17(a)の実施例に比べて、長さL2をより短く、長さL3をより長く、設計した実施例を図示している。
図17(n)、図17(o)は、図17(a)の実施例に比べて、長さL3をより長く、設計した実施例を図示している。図17(n)、図17(o)の実施例では、長さL4がより短くなるような取り付けが可能となる。
【0153】
図17(p)、図17(q)は、電子機器2の接続位置25の位置を示す点Cが、垂線160からより離れた実施例を図示している。
図17(p)、図17(q)の実施例では、点Aの位置により大きな負荷が掛かるが、取付部材1は、そのような状態においても図17(p)、図17(q)に示す形状を維持することができるだけの剛性を有する材料から作成されているとよい。
【0154】
図18は、電子機器2とケーブル状部材3の接続位置25を説明する説明図の例である。
図18には、接続位置25の候補として、接続位置25aから接続位置25eが図示されている。なお、接続位置25aは、図1から図4等の実施例における接続位置25と同様の位置に設けられた接続位置である。
【0155】
接続位置25bで電子機器2とケーブル状部材3を接続した構成では、第2屈曲部16から接続位置25bまでの間隔を、より広げることができる。それに伴い、電子機器2の前方端部から接続位置25bまでの間隔はより狭まる。
【0156】
なお、接続位置25bで電子機器2とケーブル状部材3を接続した構成とは、ケーブル状部材3が、接続位置25bで電子機器2内部から出ている構成であってもよい。この点は、接続位置25cから接続位置25eについても同様である。
【0157】
よれにより、図1から図4等の実施例における接続位置25でケーブル状部材3と接続する構成に比べて、より振動の大きい位置で、電子機器2とケーブル状部材3を接続することができるので、ケーブル状部材3を介して、振動抑制部14へより効率的に振動を伝搬させることができる。
【0158】
接続位置25cから接続位置25eは、それぞれ、電子機器2の左右方向の中央に位置している。
ケーブル状部材3が、電子機器2の左右方向の中央に位置で電子機器2と接続していることによって、電子機器2に非対称的な振動が働くことを防ぎやすくなる。
【0159】
電子機器2の左右方向の中央に位置する接続位置25cから接続位置25eで、ケーブル状部材3を電子機器2と接続させる構成では、振動抑制部14が、第1取付部11の左右方向の中央に設けられているとよりよい。
【0160】
別の実施例では、電子機器2は、接続位置25a、25bが位置する側面とは反対側の側面に、同様に追加の接続位置を有していてもよい。そのような構成では、取付部材1は第1取付部11に、振動抑制部14が位置する側部とは反対側の側部に、同様に追加の振動抑制部を有していてもよい。
【0161】
そのような構成では、電子機器2の両側からケーブルを出し、それぞれを、第1取付部11の両側に位置する振動抑制部14と追加の振動抑制部に固定することで、より良好に電子機器2に生じる振動を抑制することができる。
【0162】
別の実施例では、取付部材1は、振動抑制部を第1取付部11の中央部分11aに有していてもよい。そのような構成では、接続位置25c、接続位置25d、及び、接続位置25eからでるケーブル等を用いて、電子機器2に生じる振動や共振を、より対照的に吸収することができる。
【0163】
図19は、電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する説明図の例である。
図19(a)、図19(b)は、図18の接続位置25bからケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した実施例を図示している。
【0164】
図19(c)は、図18の接続位置25cからケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した実施例を図示している。
図19(d)は、図18の接続位置25aから、接続位置25b及び接続位置25cを経由して、ケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した実施例を図示している。
【0165】
図19(d)の実施例では、接続位置25b及び接続位置25cに、ケーブル状部材3を固定したり引っ掛けたりするための固定部が設けられているとよい。
それによりユーザは、ケーブル状部材3を所望の取り回し経路で、安定的にケーブル状部材3を取り回すことができる。
【0166】
図19(e)、図19(f)は、図18の接続位置25eからケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した実施例を図示している。
図19(a)から図19(f)から見て取れるように、ケーブル状部材3は必ずしも直線的に、振動抑制部14まで案内されている必要はない。
【0167】
ケーブル状部材3を湾曲させて、振動抑制部14まで案内させることで、ユーザは、ケーブル状部材3の弾性力や復元力が振動抑制部14や接続位置25(25aから25e)へ作用した状態で、電子機器2を取り付けることができる。
【0168】
なお、ケーブル状部材3は、ケーブル状部材3の長手方向の位置に応じて、硬さや弾性が異なっていてもよい。
例えば、より振動抑制部14に近い位置でケーブル状部材3がより柔らかい物性を有していると、ユーザは、より容易に、振動抑制部14の周囲でケーブル状部材3を取り回すことができる。
【0169】
ケーブル状部材3の物性は、連続的に変化していてもよいが、部分的に不連続的に変化した構成であってもよい。そのような構成では、より硬い部分とより柔らかい部分を交互に配置することで、ユーザは、より硬い部分とより柔らかい部分のどちらを振動抑制部14に固定するかを選びやすくなる。
【0170】
図20は、スリーブ200(200a、200b)を用いた電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する第1の説明図の例である。
スリーブとは、少なくとも部分的にケーブル状部材3を覆う部材である。スリーブは、例えば、ケーブル状部材3よりもより硬い物性の材料から形成されているとよい。
【0171】
図20の実施例では、ケーブル状部材3は、より長い第1スリーブ200a、又は、より短い第2スリーブ200bを用いて、接続位置25から振動抑制部14へ向かう方向を、制限されている。
【0172】
図20(a)の実施例では、ケーブル状部材3は、より長い第1スリーブ200aを用いて、電子機器2の前方へ案内された後、振動抑制部14へ案内されている。
それに対し、図20(b)の実施例では、ケーブル状部材3は、より長い第1スリーブ200aを用いて、ほぼ直線的に、振動抑制部14へ案内されている。
【0173】
図20(c)の実施例では、ケーブル状部材3は、より短い第2スリーブ200bを用いて、電子機器2の後方へ案内された後、取付部材1の連結部13に沿って振動抑制部14へ案内されている。
【0174】
それに対し、図20(d)の実施例では、ケーブル状部材3は、より短い第2スリーブ200bを用いて、直上へ向かって案内された後、振動抑制部14へ案内されている。
【0175】
より長い第1スリーブ200a及びより短い第2スリーブ200bは、それぞれ、接続位置25へ、回動可能に挿入できる構成であると、ケーブル状部材3の案内方向を調整しやすいのでよい。
【0176】
更に、より長い第1スリーブ200a及びより短い第2スリーブ200bは、それぞれ、直線状の形状のプラグ、例えばI形状のプラグ(I字のプラグ)や、折り曲げ部分を有する形状のプラグ、例えばL形状のプラグ(L字のプラグ)を介して、電子機器2に接続されていてもよい。
更に別の実施例では、より長い第1スリーブ200a及びより短い第2スリーブ200bは、ケーブル状部材3及びL形状のプラグと一体的に形成されていてもよい。
【0177】
別の実施例では、第1屈曲部15及び第2屈曲部16の屈曲角度を調整し、接続位置25から延びるケーブル状部材3を、スリーブ200(200a、200b)を用いてそのまま垂直に振動抑制部14に向けて案内しやすくなる。
【0178】
図21は、スリーブ200(200a、200b)を用いた電子機器2から取付部材1へのケーブル状部材3の取り回し方法を説明する第2の説明図の例である。
図21の実施例では、ケーブル状部材3は、より短い第2スリーブ200bを用いて、接続位置25から振動抑制部14へケーブル状部材3が形成する曲線がより短くなるように方向を、制限されている。
【0179】
図21(a)は、第2スリーブ200bを用いずに、ケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した状態を図示している。
図21(b)は、図21(a)のケーブル状部材3の接続位置25での方向を、第2スリーブ200bを用いて、強制的に、下方へ向けた状態を図示している。
【0180】
同様に、図21(c)は、第2スリーブ200bを用いずに、ケーブル状部材3を振動抑制部14へ案内した状態を図示している。
図21(d)は、図21(c)のケーブル状部材3の接続位置25での方向を、第2スリーブ200bを用いて、強制的に、下方へ向けた状態を図示している。
【0181】
接続位置25から振動抑制部14までの距離が短い状態や接続位置25から振動抑制部14の間の湾曲したケーブル状部材3の長さが短い状態では、湾曲したケーブル状部材3は、接続位置25から振動抑制部14の間で働くその弾性力が大きくなり、振動抑制部14内でスライドして変位しやすくなる。
【0182】
図21(b)や図21(c)の実施例では、第2スリーブ200bが、接続位置25から振動抑制部14の間で働くケーブル状部材3の弾性力を一部吸収し、ケーブル状部材3の弾性に基づく復元力で、ケーブル状部材3が振動抑制部14内でスライドして変位することを防ぎやすくなる。
【0183】
図21の実施例では、接続位置25と振動抑制部14の間隔が短くなるため、取り付けた状態でのケーブル状部材3の曲げ半径が、ケーブル状部材3の所望の最小曲げ半径、例えば10mm、よりも小さくなることがある。
【0184】
図21(b)や図21(d)の実施例では、第2スリーブ200bを用いて、ケーブル状部材3を、外側から補強しつつ、ケーブル状部材3の所望の最小曲げ半径よりも小さく、案内することを補助することができる。
【0185】
図22は、2本のケーブル状部材3を有する構成の例である。
図22(a)は、1本のケーブル状部材3を有する構成を側方から見た図である。
図22(b)は、2本のケーブル状部材3を有する構成を側方から見た図である。
【0186】
最近のドライブレコーダは複数のケーブルが本体から出るものが増えている。そこで電子機器2、特に電子機器2がドライブレコーダである場合、図22の実施例のようにするとよい。
図22の実施例では、そのように、電子機器2に複数のケーブル状部材3が接続している構成や複数のケーブルが電子機器2の本体から出る構成において、電子機器2から電源用ケーブルと他の撮影装置との接続用ケーブルが出ている構成において、それら2本のケーブルを、1つのケーブル受け部に、例えば平行に、挿入することができる。
ケーブル受け部の具体的な形状については、図23を用いて説明する。
【0187】
ケーブル受け部は、複数のケーブルを同じケーブル受け部に挿入することが可能な部材(ブラケット等)であるとよい。別の実施例では、ケーブルは、はめ込みや接着や粘着によって、ケーブル受け部にて固定されていてもよい。
【0188】
別の実施例では、2つのケーブルが平行ではなくねじれの位置で入る構造であってもよい。
そのような構成では、電子機器2の本体の異なる位置にあるコネクタから出た2つのケーブルを容易に固定することができる。
【0189】
更に別の実施例では、2つのケーブルの中心を結ぶ線が取り付け部に垂直に交わらない構造であってもよい。
そのような構成でも、ドラレコ本体の異なる位置にあるコネクタから出た2つのケーブルを容易に固定することができる。
【0190】
更に別の実施例では、上記2つの実施例において、2つのケーブルの出る方向を合わせるように、少なくとも一方のケーブル受け部の通り道をカーブ等で変更させる構造としてもよい。
そのような構成では、2つのケーブルがケーブル受け部をでたところで、概ね揃った方向へ誘導されるので、ケーブル受け部以降の2つのケーブルを1つのケーブルのようにまとめて扱いやすくなる。
【0191】
更に別の実施例では、ケーブル受け部を出て揃った2つのケーブルを止める第2のケーブル受け部を取り付け部等に設けた構成としてもよい。
更に別の実施例では、2つのケーブル受け部の直径が異なるものとし、どのケーブルをケーブル受け部に先に入れるかを記載した、取扱説明書を電子機器2に同梱しているとよい。
【0192】
図23は、振動抑制部14の設計のバリエーションを説明する第1の説明図の例である。
図23(a)は、2本のケーブルを固定することができる振動抑制部14の例である。
図23(b)は、2本のケーブルを固定することができる振動抑制部14の別の例である。
図23(c)は、2本のケーブルを固定することができる振動抑制部14の更に別の例である。
【0193】
図23(a)の実施例では、3の字形状のケーブル受け部が、径がほぼ等しい2本のケーブル状部材3(3a、3b)を固定している。
3の字形状のケーブル受け部は、2本のケーブル状部材3を固定的に保持しながら、図中に示す両矢印の方向に回動することができる構成であるとよい。
そのような構成では、ユーザは、2本のケーブル状部材3の取り回しを、まとめて容易に調整することができる。
【0194】
図23(b)の実施例では、8の字形状或いは雪だるま形状のケーブル受け部が、径がほぼ等しい2本のケーブル状部材3(3a、3b)を固定している。
8の字形状或いは雪だるま形状のケーブル受け部も、上記の実施例と同様に、2本のケーブル状部材3を固定的に保持しながら、図中に示す両矢印の方向に回動することができる構成であるとよい。
そのような構成では、ユーザは、2本のケーブル状部材3の取り回しを、まとめて容易に調整することができる。
【0195】
図23(c)の実施例では、側面からみたとき円弧2つでの外面ではなく、平面に見えるような形状のケーブル受け部が、径の大きさが異なる2本のケーブル状部材3(3a、3b)を固定している。
側面からみたとき平面に見えるような形状のケーブル受け部も、上記の実施例と同様に、2本のケーブル状部材3を固定的に保持しながら、図中に示す両矢印の方向に回動することができる構成であるとよい。
そのような構成では、ユーザは、2本のケーブル状部材3の取り回しを、まとめて容易に調整することができる。
【0196】
また、図22の実施例に関して説明したように、図23(c)の実施例においても、取付部材1の製品パッケージには、又は、取付部材1を同梱された電子機器の製品パッケージには、複数のケーブルのどちらを、どの順序で、どの方向から、振動抑制部14に取り付けるかを説明した、説明書や説明図が同梱されているとよい。
【0197】
図24は、振動抑制部14の形状のバリエーションを説明する第2の説明図の例である。
図24(a)は、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向を示した図であり、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向は、第1取付部11に対してほぼ平行である。
【0198】
図24(b)は、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向を示した図であり、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向は、第1取付部11に対してほぼ平行である。
また、振動抑制部14は、図24(a)の実施例の振動抑制部14よりも、より大きな幅を有している。
【0199】
図24(b)の実施例における振動抑制部14は、図24(a)の実施例における振動抑制部14と比較して、連結部13の側により拡がった非対称な構成となっている。
別の実施例では、振動抑制部14は、連結部13とは反対側により拡がった非対称な構成や、図24(a)の実施例における振動抑制部14が左右対象に両側へ拡がった構成であってもよい。
【0200】
図24(c)は、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向を示した図であり、振動抑制部14でのケーブル状部材3の延伸方向は、第1取付部11に対して傾斜している。
このような構成では、ケーブル状部材3の延伸方向が第1取付部11に対して傾斜しているので、振動抑制部14から出た後、ケーブル状部材3を取付面100に接触させたり、取付面100に這わせたり、させやすくなる。
【0201】
図25は、第1当たり部250を有する取付部材1を説明する第1の説明図の例である。
図25の実施例では、取付部材1は、振動抑制部14の近傍に、2つの第1当たり部250(250a、250b)を有している。
【0202】
ユーザは第1当たり部250(250a、250b)を適宜折り曲げることで、振動抑制部14で固定されるケーブル状部材3の方向を調整したり、ケーブル状部材3の移動や変移を抑制したりすることができる。
【0203】
また、ケーブル状部材3が第1当たり部250(250a、250b)と接触することで、ケーブル状部材3を介して伝わる電子機器2の振動が、より振動抑制部14や取付部材1の第1取付部11に伝わりやすくなる。
【0204】
第1当たり部250(250a、250b)を用いることで、ユーザに対して、取り付け環境により適応した、取り付けやケーブル状部材3の取り回しの可能性を提供することができる。
【0205】
図26は、第2当たり部260(260a、260b、260c)を有する振動抑制部14を説明する第2の説明図の例である。
図26(a)の実施例では、第2当たり部260(260a)は、ケーブル状部材3を、振動抑制部14との接触位置から、電子機器2の方向へ直線的に案内している。
【0206】
図26(b)の実施例では、第2当たり部260(260b)は、ケーブル状部材3を、振動抑制部14との接触位置から、一旦取付面100の方向へ案内してから、電子機器2の方向へ案内している。
【0207】
図26(c)の実施例では、第2当たり部260(260c)は、ケーブル状部材3を振動抑制部14との接触位置から一旦取付面100の方向へ案内し、ケーブル状部材3を接触範囲261に渡って取付面100と接触させてから、電子機器2の方向へ案内している。
【0208】
図26の各実施例では、第2当たり部260(260a、260b、260c)の振動抑制部14に対する角度や、第2当たり部260(260a、260b、260c)の湾曲のアールは、ユーザによって、適宜調整することができると、ユーザごとに異なる所望の取付位置110や取付状態に適合させやすくなるので、よりよい。
【0209】
図27は、中心から偏位した振動抑制部14を有する取付部材1を説明する説明図の例である。
図27(a)は、中心から偏位した振動抑制部14を有する取付部材1の第1取付部11の斜視図である。
図27(b)は、中心から偏位した振動抑制部14を有する取付部材1の第1取付部11の上面図である。
【0210】
図27(a)の実施例では、振動抑制部14は、取付部材1の第1取付部11の長手方向での対象軸線270から偏位した位置に存在している。
図27(a)では、振動抑制部14は、図7図8等の実施例における振動抑制部14と比較して、取付部材1の第1取付部11の長手方向での対象軸線270から、長さL7だけ偏位している。
【0211】
図27(b)の実施例では、取付部材1の第1取付部11は、壁面271に添って取り付けられている。
図27(b)の実施例における振動抑制部14は、取付部材1の第1取付部11の長手方向での対象軸線270から偏位した位置に存在しているが、壁面271までの間隔は、長さL8よりも大きい。
【0212】
長さL8は、ケーブル状部材3の径の大きさに対応し、例えば5mm程度、より好ましくは3.5mm程度であるとよい。
そのような構成では、ユーザが、取付部材1の第1取付部11を、壁面271に添って取り付けたようとした場合に、ケーブル状部材3の太さによって、壁面271に近づけられないことを避けることができる。
【0213】
図28は、電子機器2の角度調整の仕組みを説明する説明図の例である。
図28(a)は、取付部材1の第2取付部12と電子機器2の第2凸部22aの接続箇所の拡大図である。
図28(b)は、図28(a)の実施例の斜視図である。
【0214】
図4を用いて説明したように、電子機器2は、第1固定用部材24aのシャフト部を軸として取付部材1に対して回動することができる。
取付部材1の第2取付部12は、電子機器2に向かって凸の凸形状部12aを有しており、第2取付部12の凸形状部12aは、電子機器2の第2凸部22aと向かい合っている。
【0215】
取付部材1に対する電子機器2の回動は、第2取付部側の接触縁28と第2凸部22aに設けられた段差部の電子機器側の接触縁29とが、接触することで、制限される。
第2取付部側の接触縁28と電子機器側の接触縁29の設計を調整するにより、取付部材1に対する電子機器2の回動範囲280を容易に設定や変更することができる。
【0216】
図28の実施例では、電子機器2の回動範囲280は、少なくとも、左右にそれぞれ30°程度に設定されている。
そのような構成では、例えば電子機器2を図6の電子機器2a等のように、フロントガラスの端に取り付けた構成であっても、電子機器2の検知範囲等が、車両6の正面へ向けやすくなる。
【0217】
別の実施例では、取付部材1の第2取付部12に設けられた挿入穴12bを、楕円や縦長の円にすることで、ユーザに対して、取付部材1に対する電子機器2の回動に関して、より広い範囲の回動範囲280を有する構成を提供することができる。
【0218】
図28の実施例では、電子機器2の第2凸部22aには、2つの第3マーク30(30a、30b)が設けられている。
第3マーク30(30a、30b)は、ユーザ等による取り付けの際に、ケーブル状部材3にかけるテンションを調整するための目印として用いることができる。
【0219】
ユーザは、電子機器2を取り付ける際に、電子機器2をいずれかの第3マーク30(30a、30b)まで傾けて、ケーブル状部材3をピンと張った状態で振動抑制部14に固定した後で、電子機器2を正面に向けることで、ケーブル状部材3に作用する張力を、振動の抑制効果をより大きくする強さに、調整することができる。
【0220】
図29は、別の振動抑制部を有する取付部材1を説明する説明図の例である。
図29(a)は、取付部材1とは別体の振動抑制部14aを備える取付部材1を説明する説明図の例である。
【0221】
図29(b)は、縁部に肉厚の振動抑制部14bを備える取付部材1を説明する説明図の例である。
図29(c)は、取付部材1とは別体の振動抑制部14cを備える別の取付部材1を説明する説明図の例である。
【0222】
図29(a)の実施例では、振動抑制部14aは、樹脂、ゴム、シリコーン等の柔らかく柔軟性のある材質のものから形成された円筒状の部材である。
振動抑制部14aには、スリット290が設けられており、取付部材1のエッジを挟み込むと振動が吸収される。
【0223】
図29(a)では、スリット290は透明な材料から形成されており、スリット290が第1取付部11の一部から連結部13のほぼ全体に渡って取付部材1のエッジを挟み込みこんでいる様子を見てとることができる。
【0224】
図29(b)の実施例では、取付部材1は、例えば樹脂から形成されたステーであり、両サイドが少しもっこりと肉厚に設計されている。このような構成では、一枚板の構成に曲げを入れて補強した構成のような効果をもたらすことができる。
【0225】
図29(c)の実施例では、振動抑制部14cは、樹脂、ゴム、シリコーン等の柔らかく柔軟性のある材質のものから形成された円筒状の2つの部材と、それらを接続する1つのケーブル状部材から構成されている。
振動抑制部14cには、スリット290が設けられており、取付部材1のエッジに挟み込むと振動が吸収される。
【0226】
図29(c)の実施例では、振動抑制部14cの一方の円筒状部材が、取付部材1の第1取付部11を挟み込んでおり、振動抑制部14cの他方の円筒状部材が、取付部材1の連結部13を挟み込んでいる。
別の実施例では、振動抑制部14cの他方の円筒状部材は、取付部材1の第2取付部12を挟み込んでいたり、電子機器2に接続したり、した構成であってもよい。
【0227】
図29で、円筒状に表されている振動抑制部14a~14cは、角柱状や、上下端から中間部分に向けて徐々に膨らんだエンタシス状に形成されていてもよい。
また、振動抑制部14a~14cの物性は、振動抑制部14a~14cの長手方向に沿って変化してもよい。
【0228】
また、Aとしては、例えば、a1、a2・・・、及びanとするとよい、という内容で説明した箇所は、Aに、a1、a2・・・及びanのうちの1つ又は2つ以上が含まれるものとして特定されてもよいが、Aに、a1、a2・・・及びanのうちの1つ又は2つ以上が含まれないものとして特定されてもよい。そのため、「A(ただし、a1を除く。)」、「A(ただし、a1及びa2を除く。)」といった、列挙した要素のうちの少なくとも一部の要素を除外した発明についても権利取得をする意思を有する。
【0229】
AにBを備え、BにCを備えるというような形で記載している箇所については、AにCを備えるようにしてもよい。Aの次にBを行い、Bの次にCを行うと処理を記載している箇所については、Aの次にCを行う構成としてもよい。条件判断後に実行される処理として記載している箇所は、条件判断を前提としない、当該処理部分について実行するものについても開示しているのであって、これらについても権利取得する意思を有する。PにQを備えというような形で記載している箇所について、PとQの間に介在物や介在処理を備えるようにしてもよい。これらについても権利取得をする意思を有する。
【0230】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0231】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0232】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【0233】
(1)設置位置に電子機器を取り付けるための取付部材であって、前記設置位置に取り付けられる第1取り付け部と、前記電子機器に取り付けられる第2取り付け部と、前記第1取り付け部と前記第2取り付け部とを連結する連結部と、を備え、前記第1取り付け部に振動抑制部を有する、取付部材、が提供される。
【0234】
このようにすると、設置位置と接触する第1取り付け部に設けられた振動抑制部によって、電子機器の振動を抑制することができるので、ユーザは、簡潔な構造の取付部材を用いて、振動の影響が低減した電子機器を取り付けることができるのでよい。
【0235】
(2)前記振動抑制部が、前記電子機器から延びるケーブル状部材を固定する固定部を有し、前記ケーブル状部材は前記固定部に対して位置調整可能である、とよい。
【0236】
このようにすると、電子機器から延びるケーブル状部材を介して振動が振動抑制部へ伝わるようになり、ケーブル状部材の位置調整をすることで、振動抑制部による振動抑制効果をより高めやすくなるのでよい。更に、ケーブル状部材の位置が調整可能であることにより、ユーザは、個々の利用環境に応じて、振動抑制効果を調整しやすくなるのでよりよい。
【0237】
(3)前記固定部は、前記ケーブル状部材に正の又は負の張力がかかった状態で、前記ケーブル状部材を固定可能である、とよい。
【0238】
このようにすると、電子機器から延びるケーブル状部材にかかる張力と、電子機器から伝わる振動とが、相互作用して振動抑制部へ伝わるようになり、ユーザは、ケーブル状部材の固定状態に応じて、振動抑制部での振動抑制効果を、より調整しやすくなるのでよい。
【0239】
(4)前記第1取り付け部と、前記第2取り付け部と、前記連結部と、前記振動抑制部とが、それぞれ、単一部材の一部である、とよい。
【0240】
このようにすると、取付部材の製造にかかる材料コストや加工コストを削減しやすくなるので、ユーザに対してより安価な製品として提供することができるのでよい。単一部材としては、特に金属部材とするとよく、特に金属製のステーとするとよい。
【0241】
(5)前記第1取り付け部は、前記単一部材の湾曲部を介して、前記振動抑制部と接続している、とよい。
【0242】
このようにすると、第1取り付け部と振動抑制部との間に湾曲部を設けることができるので、ユーザが振動抑制部を用いたケーブル状部材の固定や位置調整を繰り返し行ったとしても、変形に伴う応力が、一箇所に集中することを避けやすくなるのでよい。
【0243】
(6)前記第1取り付け部は対称な面形状を有し、前記振動抑制部は、前記対称な面形状に接続して形成されている、とよい。
【0244】
このようにすると、第1取り付け部は振動等によりもたらされる力を対称な面内で分散させることができるので、より長期間、より安定的に、取り付け状態を維持しやすくなるのでよい。また、ユーザに対して、外観的に洗練された印象を与えやすくなるので、或いは、視覚的な違和感を与えにくくなるので、よい。
【0245】
(7)前記振動抑制部は、前記対称な面形状の対称線に対して偏位して、接続しており、
前記対称線に対する偏位の大きさは、前記ケーブル状部材の径に基づいて、設計されている、とよい。
【0246】
このようにすると、ユーザは、第1取り付け部の外縁により近づけて、ケーブル状部材を取り回すことができるので、第1取り付け部に加えて更に、ケーブル状部材も設置位置と接触させることで、ケーブル状部材を伝わす振動の力を、振動抑制部に加えて更に、設置位置にも伝播させやすくなり、振動の抑制効果を高めやすくすることができるのでよい。
【0247】
(8)前記第1取り付け部と前記振動抑制部の少なくとも一方に、少なくとも1つの当たり部が設けられており、
前記当たり部が、前記ケーブル状部材を押圧する、又は、前記ケーブル状部材の延伸方向を変更する、とよい。
【0248】
このようにすると、当たり部を用いてケーブル状部材の延伸方向を容易に調整することができるので、より振動抑制効果の高い配置や、ユーザにとって視覚的により好ましい配置を実現しやすくなるのでよい。
【0249】
(9)前記ケーブル状部材は、内部に、伝達部材を有し、前記伝達部材は、前記電子機器から又は前記電子機器へ、信号又は電力の少なくとも1つを伝達する、とよい。
【0250】
このようにすると、ケーブル状部材は、電子機器との信号の入出力や、電子機器への電力の供給を行うという、ケーブル本来の機能に加えて、電子機器に作用する振動を抑える機能を果たすので、振動抑制部への振動の伝達と、信号の入出力や電子機器への電力の供給とを、1つの構成要素に担わせることができるので、より簡潔な構造とすることができるので、ユーザは、電子機器の通信ケーブルや電源ケーブル等を、振動抑制用のケーブル状部材としても利用できるので、より簡潔な構成となるのでよい。
【0251】
(10)前記第1取り付け部は、前記第2取り付け部よりも大きな面積を有するように、設計されており、前記電子機器は前記第2取り付け部を挟んで固定している、とよい。
【0252】
このようにすると、取付位置での安定的な取り付け状態を確保しやすくしつつ、取付部材全体をコンパクトな構成としやすくなるので、ユーザに対して、より安定的に取り付け可能で、且つ、外見的にコンパクトな、取付部材を提供することができる。
【0253】
(11)前記電子機器が、前記第2取り付け部に対して回動可能に、前記第2取り付け部に取り付けられている、とよい。
【0254】
このようにすると、回動によって、第2取り付け部に対する電子機器の向きを調整することができるので、ユーザは電子機器をより所望の方向に向けることができるのでよい。例えば電子機器がセンサである場合には、ユーザはセンサの検知方向の調整を容易に行いやすくなり、例えば電子機器が照明装置ある場合には、ユーザは照明光の方向の調整を容易に行いやすくなるのでよい。
【0255】
(12)前記第2取り付け部は、前記電子機器に向かって凸の凸形状部を有し、前記電子機器の前記第2取り付け部に対する回動の範囲は、前記凸形状部と前記電子機器との接触によって、制限される、とよい。
【0256】
このようにすると、回動範囲が設定された堅牢な回動機構を、僅かな構成要素と製造加工コストで、作成することができるので、ユーザに対して、より安価な製品として提供することができるのでよい。更に、このような構成では、容易且つ柔軟に回動範囲を設計することができるので、様々なユーザの環境に対応しやすくなるのでよい。
【0257】
(13)前記第1取り付け部と前記連結部の間に、第1屈曲部を有し、前記第2取り付け部と前記接続部の間に、第2屈曲部を有し、前記連結部に、少なくとも1つの第3屈曲部を有し、前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前記第3屈曲部、のそれぞれの屈曲角度に応じて、前記振動抑制部の前記固定部は、前記ケーブル状部材を、前記ケーブル状部材の異なる位置で、固定できる、とよい。
【0258】
このようにすると、各屈曲部の屈曲角度を調整することで、取付部材を様々な取付位置に対応した形状に変形させやすくなり、且つ、そのような形状ごとに、ケーブル状部材を様々な位置で固定することができるので、ユーザごとに所望の取付位置や取り付け環境が異なる場合であっても、電子機器における振動がより低減されやすくなるように、調整することができるのでよい。
【0259】
(14)前記電子機器が前記設置位置に対して上方に取り付けられる第2屈曲状態は、前記電子機器が前記設置位置に対して下方に取り付けられる第1屈曲状態よりも、上下方向の寸法が小さい、とよい。
【0260】
このようにすると、電子機器を設置位置の上に乗せるように取り付ける構成では、取り付けに必要となる上下方向の空間をより節約することができるので、設置位置に上方の空間が僅かであっても、柔軟に電子機器を取り付けることができるのでよい。
【0261】
(15)前記設置位置が移動体に設けられたミラーであり、前記第2屈曲状態では、前記ミラーに貼り付けて使用される、とよい。
【0262】
このようにすると、電子機器を、移動体に設けられたミラー、例えば車両のルームミラー等、の周囲の僅かな空間にも容易に取り付けることができるのでよいことに加え、上下方向の寸法が小さいくコンパクトな構成となるので、ミラーを用いるユーザの視界を妨げにくくなるのでよい。
【0263】
(16)前記第1取り付け部に、少なくとも1つの第4屈曲部を有し、前記第4屈曲部は、前記設置位置の形状に応じた屈曲角度で、屈曲可能である、とよい。
【0264】
このようにすると、ユーザは、第4屈曲部の屈曲角度を調整することによって、より多様な取り付け位置に対して、取付部材を取り付けることができるようになるのでよい。更に、1種類の取付部材が、より多くの設置位置に対応可能であると、ユーザは、より多くの選択肢の中から、より所望の設置位置を選ぶことができ、各設置位置の形状に合わせて第1取り付け部を変形させることで各設置位置に取付部材を取り付けやすくすることができるのでよい。
【0265】
(17)前記設置位置が、ギャップを有しており、前記第1取り付け部は、前記振動抑制部とともに、前記ギャップ内へ挿入可能に設計されている、とよい。
【0266】
このようにすると、取付部材は、取付位置での面的な接触に基づく取り付けに加えて、ギャップ内への挿入に基づく取り付けが可能となるので、取り付け方法に関して、ユーザに対してより多くの選択肢を提供することができるのでよりよい。また、取付部材のギャップ内への挿入に基づいた取り付けは、ギャップによる挟み込みの力により、例えば両面テープ等による1面での固定に比べてより確実な取り付けが可能となるのでよい。
【0267】
(18)前記第1取り付け部の厚さ、前記振動抑制部の厚さ、及び、前記第1取り付け部及び前記振動抑制部の間の間隔、の和が、5mm未満となるまで変形可能である、とよい。
【0268】
このようにすると、5mm以下のギャップであっても、振動抑制部を含む第1取り付け部、ギャップ内へ挿入することが可能となるので、例えば、自動車の異なる2つの部材の間のギャップ内へ、例えば車両天井と天井内張りの間のギャップ内へ、取付部材を挿入しやすくなり、ユーザに対して、より改善された取り付け状態の安定性や外観を、提供することができる。
【0269】
(19)前記ケーブル状部材は、長手軸方向で、硬さについての物性が異なっている、とよい。
【0270】
このようにすると、ケーブル状部材を、より安定的、より振動抑制的な設計で製造することができるのでよい。例えば、前記ケーブル状部材がケーブルの両端に向かって連続的に硬くなる設計では、電子機器や第1取り付け部との接触箇所では、ケーブル状部材の取り回し方向を維持しやすくなり、中間箇所では、ケーブル状部材の硬さが減り、弾性変形しやすくなり、第1取り付け部の振動吸収部とともに、より振動を吸収しやすくなるので、ユーザに対してより柔軟な振動抑制性能を提供することができるのでよい。
【0271】
(20)前記連結部の一部が、選択的に第1取り付け部として、利用可能である、とよい。
【0272】
このようにすると、第1取り付け部として利用する範囲を増やし、連結部として利用する範囲を減らすことができるので、ユーザは、必要に応じて、より大きな範囲で取付部材を取付位置に接触させることで、より安定的な取り付けを実現することができる。また、ユーザは、必要に応じて、連結部分を減少させることで、例えば取付部材の全体高さを減少させて、取付部材を高さ的によりコンパクトな形状とすることができる。
【0273】
(21)前記第1取り付け部と前記連結部の間に、第1屈曲部を有し、前記振動抑制部は、少なくとも1つの個別の部材であり、また、前記第1取り付け部の少なくとも一部から、前記第1屈曲部を通り、前記連結部の少なくとも一部まで、の範囲に取り付けられる、とよい。
【0274】
このようにすると、振動抑制部が、振動により屈曲角度に変化が生じる第1屈曲部の位置で、振動を吸収しやすくなるのでよい。また、振動抑制部は、取付部材とは独立した個別の部材であるので、形状、物性等の異なる複数の振動抑制部を交換して用いることができるので、ユーザの利用環境により適した振動抑制効果を提供しやすくなるのでよりよい。
【0275】
(22)前記振動抑制部は、スリットを有し、前記振動抑制部は、前記スリットを用いて、前記1取り付け部及び前記連結部と接続している、とよい。
【0276】
このようにすると、スリットを用いた接続により、振動抑制部を取付部材へ容易に取り付けたり、取付部材へ取り付ける振動抑制部を容易に交換したり、することができるので、ユーザが振動抑制性能を調整しやすくなるのでよい。
【0277】
(23)電子機器であって、上記いずれかに記載の取付部材を備える、電子機器を提供する。
【0278】
このようにすると、振動抑制能力の高い取付部材を用いて、電子機器を支持することができるのでよい。例えば、移動体や運動体に取り付けて使用する電子機器であれば、移動や運動に伴い発生する振動を低減しやすくなるので、ユーザに対してより、適切に機能する電子機器を提供しやすくなるのでよい。
【0279】
(24)前記電子機器は、マイクロ波を用いて動体を検知する動体検知部を有するとよい。
【0280】
このようにすると、車両の振動を原因とするイクロ波を用いた動体の検知精度の低下を抑えることができる。
【0281】
上述した(1)から(24)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(24)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0282】
1…取付部材、2…電子機器、3…ケーブル状部材、11…第1取付部、12…第2取付部、13…連結部、14…振動抑制部(固定部)、14a~14c…振動抑制部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18
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図28
図29