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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145036
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】包装用成形品
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/032 20060101AFI20241004BHJP
   B65D 1/26 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057264
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂井 秀行
【テーマコード(参考)】
3E006
3E033
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA02
3E006CA02
3E006DA03
3E006FA02
3E033AA10
3E033BA14
3E033BA17
3E033BA22
3E033CA02
3E033DD01
3E033FA01
3E033FA04
3E033GA03
(57)【要約】
【課題】
潰れにくいスタックボッチを備えた包装用成形品を提供する。
【解決手段】
積み重ねた際にブロッキングを防止するスタックボッチ100を備えた、合成樹脂製シートからなる包装用成形品300であって、スタックボッチ100は、外側へ向けて凸状の突起であり、スタックボッチ100の外面壁130に、又は、スタックボッチ100の側面壁120に、又は、スタックボッチ100の外面壁130及び側面壁120に、上下方向に延出するリブ(160、170)を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねた際にブロッキングを防止するスタックボッチを備えた、合成樹脂製シートからなる包装用成形品であって、
前記スタックボッチは、外側へ向けて凸状の突起であり、
前記スタックボッチの外面壁に、又は、前記スタックボッチの側面壁に、又は、前記スタックボッチの前記外面壁及び側面壁に、上下方向に延出するリブを備えることを特徴とする包装用成形品。
【請求項2】
前記スタックボッチの底面壁に、リブを備えることを特徴とする請求項1に記載の包装用成形品。
【請求項3】
前記スタックボッチの前記外面壁と前記底面壁のリブ、又は、前記側面壁と前記底面壁のリブは、連続していることを特徴とする請求項2に記載の包装用成形品。
【請求項4】
前記スタックボッチは、前記包装用成形品の傾斜した側面に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用成形品。
【請求項5】
前記包装用成形品を構成する合成樹脂製シートの厚さは、0.1~0.5mmであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容する包装用容器などの蓋体や容器本体として包装用成形品が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
包装用成形品には、様々な種類があり、例えば、特許文献1の蓋体や特許文献2の容器本体では、積み重ねた際にブロッキングを防止するスタックボッチ(特許文献1の突出部、特許文献2のスタック凸部)が設けられている。本来、スタックボッチは、成形品全体に比べて小さく形成されているので潰れにくい。しかしながら、近年の環境問題や廃棄物対策の一環として、減量のための薄肉化が推進されている事を背景に、スタックボッチが潰れやすくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5176315号
【特許文献2】実開平05-26810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、潰れにくいスタックボッチを備えた包装用成形品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用成形品は、積み重ねた際にブロッキングを防止するスタックボッチを備えた、合成樹脂製シートからなる包装用成形品であって、前記スタックボッチは、外側へ向けて凸状の突起であり、前記スタックボッチの外面壁に、又は、前記スタックボッチの側面壁に、又は、前記スタックボッチの前記外面壁及び側面壁に、上下方向に延出するリブを備えることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、スタックボッチは、リブによって補強されているので、スタックボッチが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項2に係る包装用成形品は、前記スタックボッチの底面壁に、リブを備えることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、スタックボッチは、リブによって補強されているので、スタックボッチが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0010】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項3に係る包装用成形品は、前記スタックボッチの前記外面壁と前記底面壁のリブ、又は、前記側面壁と前記底面壁のリブは、連続していることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、連続したリブによって、スタックボッチをより強力に補強でき、スタックボッチが潰れることをより効果的に防止しているのである。
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項4に係る包装用成形品は、前記スタックボッチは、前記包装用成形品の傾斜した側面に配置されていることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、スタックボッチが傾斜した側面に設けられると、型枠を用いたシート成形時に、スタックボッチが大きくなる傾向にある。そして、スタックボッチが大きくなると、スタックボッチが潰れやすくなるが、リブによって補強されているので、スタックボッチが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0014】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項5に係る包装用成形品は、前記包装用成形品を構成する合成樹脂製シートの厚さは、0.1~0.5mmであることを特徴とする。
【0015】
上記特徴によれば、薄肉化されたスタックボッチは潰れやすくなるが、リブによって補強されているので、スタックボッチが潰れることを効果的に防止しているのである。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の包装用成形品によれば、スタックボッチが潰れにくい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は、本願発明にかかる包装用成形品の全体斜視図、(b)は、包装用成形品の平面図である。
図2】(a)は、スタックボッチの拡大斜視図、(b)は、スタックボッチの拡大平面図、(c)は、スタックボッチの内側から見た拡大正面図である。
図3】(a)は、スタックボッチの拡大斜視図、(b)は、スタックボッチの拡大平面図、(c)は、スタックボッチの内側から見た拡大正面図である。
図4】(a)は、スタックボッチの拡大斜視図、(b)は、スタックボッチの拡大平面図、(c)は、スタックボッチの内側から見た拡大正面図である。
図5】(a)は、スタックボッチの拡大斜視図、(b)は、スタックボッチの拡大平面図、(c)は、スタックボッチの内側から見た拡大正面図である。
【符号の説明】
【0018】
100 スタックボッチ
120 側面壁
130 外面壁
160 リブ
170 リブ
300 包装用成形品
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用成形品を水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。また、図1から図5では、包装用成形品300を容器本体の態様として利用しているが、これに限定されず、食品等を収容する成形品であれば任意の態様で利用でき、例えば、包装用成形品300を蓋体の態様として利用してもよい。蓋体として利用する場合は、包装用成形品300の底面310は天面となり、スタックボッチ100の底面壁110は天面壁となる。
【0020】
まず、図1に、本願発明にかかる包装用成形品300を示す。なお、図1(a)は、包装用成形品300の全体斜視図、図1(b)は、包装用成形品300の平面図である。
【0021】
図1に示すように、包装用成形品300は、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部301を備えた平面視四角形状をしており、平坦で水平方向に広がる底面310と、当該底面310から上方へ向けて連続する側面320と、側面320の端部321から下方へ延出し、蓋体又は容器本体の嵌合部が外嵌合可能に構成された嵌合部330と、嵌合部330から外側へ延出するフランジ部340とを備える。
【0022】
また、側面320は、底面310から外側に傾斜しており、端部321付近にスタックボッチ100を備える。具体的には、各側面320に、スタックボッチ100Aからスタックボッチ100Dがそれぞれ設けられており、各スタックボッチ100は、包装用成形品300を積み重ねた際にブロッキングを防止するものであり、外側に凸状の突起となっている。また、各スタックボッチ100の構成は、外面壁、側面壁、底面壁を備える点と大きさが同じであるが、後述するように、リブが配置される場所が異なっている。また、各スタックボッチ100は、ブロッキングを防止することを目的としているため、図1(b)に示すように、平面視で、スタックボッチ100の横幅L1は、スタックボッチ100が設けられた側面320の横幅L2よりも短い。また、包装用成形品300は平面視四角形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0023】
なお、包装用成形品300は、厚さが0.1mmから0.5mm(ミリメートル)程度の薄いプラスチック(合成樹脂)製シートを用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、包装用成形品300の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものなどを用いることができる。
【0024】
次に、図2を参照して、スタックボッチ100Aの構成について詳しく説明する。なお、図2(a)は、スタックボッチ100Aの拡大斜視図、図2(b)は、スタックボッチ100Aの拡大平面図、図2(c)は、スタックボッチ100Aの内側から見た拡大正面図である。
【0025】
図2に示すように、スタックボッチ100Aは、側面320から外側へ向けて凸状の突起として形成されており、内側は窪んだ形状となっている。そして、スタックボッチ100Aは、底面壁110Aと、両側の側面壁120Aと、外側の外面壁130Aを備えている。さらに、外面壁130Aには、上下方向へ直線状に延出するリブ160Aが設けられている。
【0026】
そして、包装用成形品300のスタックボッチ100Aは、リブ160Aによって補強されているので、スタックボッチ100Aが潰れることを効果的に防止しているのである。特に、近年の環境問題や廃棄物対策の一環として、包装用成形品300を薄い合成樹脂製シートから成形して薄肉化した場合、スタックボッチ100Aも薄肉化されるが、リブ160Aによって補強されているので、スタックボッチ100Aが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0027】
また、スタックボッチ100Aは、傾斜した側面320に設けられているので、型枠を用いたシート成形時に、スタックボッチ100Aが大きくなる傾向にある。スタックボッチ100Aが大きくなると、スタックボッチ100Aが潰れやすくなるが、リブ160Aによって補強されているので、スタックボッチ100Aが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0028】
さらに、近年の環境問題や廃棄物対策を強化するために、包装用成形品300は、厚さが0.1mmから0.5mmの薄い合成樹脂製シートを用いて成形されている。すると、薄肉化されたスタックボッチ100Aは潰れやすくなるが、リブ160Aによって補強されているので、スタックボッチ100Aが潰れることを効果的に防止しているのである。
【0029】
なお、リブ160Aは、内側に凸形状に構成されているが、これに限定されず、外側に凸形状であってもよい。また、リブ160Aは、外面壁130Aに合計2つ設けられているが、これに限定されず、外面壁130Aに1つ、又は、3つ以上の任意の数だけ設けてもよい。また、スタックボッチ100Aは、ブロッキングの防止と側面320からの内容物の視認性の確保の観点から、包装用成形品300に比べて小さく成形されている。そして、小さいスタックボッチ100Aに対してリブ160Aを設けるため、リブ160Aがスタックボッチ100Aに対して占める割合が比較的に大きくなり、図2(b)に示すように、平面視で、リブ160Aの横幅L3の合計(図2では、2つのリブ160Aの合計の横幅「L3×2」)は、スタックボッチ100Aの横幅L4の3分の1以上(L3の合計≧1/3×L4)とするのが、補強力を確保する観点から好ましい。また、補強力を確保するため、リブ160Aの横幅L3は、0.1~2.0mm(ミリメートル)が好ましい。
【0030】
次に、図3を参照して、スタックボッチ100Bの構成について詳しく説明する。なお、図3(a)は、スタックボッチ100Bの拡大斜視図、図3(b)は、スタックボッチ100Bの拡大平面図、図3(c)は、スタックボッチ100Bの内側から見た拡大正面図である。
【0031】
図3に示すように、スタックボッチ100Bは、側面320から外側へ向けて凸状の突起として形成されており、内側は窪んだ形状となっている。そして、スタックボッチ100Bは、底面壁110Bと、両側の側面壁120Bと、外側の外面壁130Bを備えている。さらに、側面壁120Bには、上下方向へ直線状に延出するリブ170Bが設けられている。
【0032】
そして、包装用成形品300のスタックボッチ100Bは、リブ170Bによって補強されているので、スタックボッチ100Bが潰れることを効果的に防止しているのである。なお、リブ170Bは、内側に凸形状に構成されているが、これに限定されず、外側に凸形状であってもよい。また、リブ170Bは、側面壁120Bに1つ設けられているが、これに限定されず、側面壁120Bに2つ以上の任意の数だけ設けてもよい。また、リブ170Bは、両側の側面壁120Bにそれぞれ設けられているが、これに限定されず、一方の側面壁120Bのみに設けてもよい。
【0033】
次に、図4を参照して、スタックボッチ100Cの構成について詳しく説明する。なお、図4(a)は、スタックボッチ100Cの拡大斜視図、図4(b)は、スタックボッチ100Cの拡大平面図、図4(c)は、スタックボッチ100Cの内側から見た拡大正面図である。
【0034】
図4に示すように、スタックボッチ100Cは、側面320から外側へ向けて凸状の突起として形成されており、内側は窪んだ形状となっている。そして、スタックボッチ100Cは、底面壁110Cと、両側の側面壁120Cと、外側の外面壁130Cを備えている。外面壁130Cには、上下方向へ直線状に延出するリブ160Cが設けられている。さらに、底面壁110Cには、直線状に延出するリブ180Cが設けられ、リブ180Cはリブ160Cと連続している。
【0035】
そして、包装用成形品300のスタックボッチ100Cは、リブ180Cによって補強されているので、スタックボッチ100Cが潰れることを効果的に防止しているのである。さらに、底面壁110Cのリブ180Cと外面壁130Cのリブ160Cは連続しているので、スタックボッチ100Cをより強力に補強でき、スタックボッチ100Cが潰れることをより効果的に防止しているのである。なお、リブ180Cは、上方に凸形状に構成されているが、これに限定されず、下方に凸形状であってもよい。また、リブ180Cは、底面壁110Cに合計2つ設けられているが、これに限定されず、底面壁110Cに1つ、又は、3つ以上の任意の数だけ設けてもよい。また、底面壁110Cのリブ180Cと外面壁130Cのリブ160Cは連続しているが、これに限定されず、底面壁110Cのリブ180Cと外面壁130Cのリブ160Cは、互いに離間して連続していなくてもよい。
【0036】
次に、図5を参照して、スタックボッチ100Dの構成について詳しく説明する。なお、図5(a)は、スタックボッチ100Dの拡大斜視図、図5(b)は、スタックボッチ100Dの拡大平面図、図5(c)は、スタックボッチ100Dの内側から見た拡大正面図である。
【0037】
図5に示すように、スタックボッチ100Dは、側面320から外側へ向けて凸状の突起として形成されており、内側は窪んだ形状となっている。そして、スタックボッチ100Dは、底面壁110Dと、両側の側面壁120Dと、外側の外面壁130Dを備えている。外面壁130Dには、上下方向へ直線状に延出するリブ160Dが設けられている。さらに、底面壁110Dには、直線状に延出するリブ180Dが設けられ、リブ180Dはリブ160Dと連続している。また、側面壁120Dには、上下方向へ直線状に延出するリブ170Dが設けられている。
【0038】
そして、包装用成形品300のスタックボッチ100Dは、外面壁130Dのリブ160D、側面壁120Dのリブ170D、底面壁110Dのリブ180Dによって補強されているので、スタックボッチ100Dが潰れることを効果的に防止しているのである。さらに、底面壁110Dのリブ180Dと外面壁130Dのリブ160Dは連続しているので、スタックボッチ100Dをより強力に補強でき、スタックボッチ100Dが潰れることをより効果的に防止しているのである。なお、底面壁110Dのリブ180Dと外面壁130Dのリブ160Dは連続しているが、これに限定されず、底面壁110Dのリブ180Dと側面壁120Dのリブ170Dが連続するように構成してもよい。具体的には、図5(b)に示す底面壁110Dのリブ180Dを側面壁120D側へ移動させて、底面壁110Dのリブ180Dと側面壁120Dのリブ170Dが直交するように連続させてもよい。また、図5(b)に示す底面壁110Dのリブ180Dの向きを90度回転させて、底面壁110Dのリブ180Dと側面壁120Dのリブ170Dを、平面視で直線状に並べて配置し、底面壁110Dのリブ180Dと側面壁120Dのリブ170Dが連続するように構成してもよい。
【0039】
なお、包装用成形品300では、各スタックボッチのリブの配置が異なっているが、これに限定されず、各スタックボッチのリブの配置を統一したり、その他、リブの配置は任意に設定できる。また、各スタックボッチのリブは、直線形状をしているが、これに限定されず、任意の形状であってもよい。また、包装用成形品300では、スタックボッチを合計4つ設けているが、これに限定されず、スタックボッチを1つ以上の任意の数だけ、任意の場所に設けてもよい。また、本願発明の包装用成形品は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5