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特開2024-145047舶用燃料ガス供給システムおよび液化ガス燃料船
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  • 特開-舶用燃料ガス供給システムおよび液化ガス燃料船 図1
  • 特開-舶用燃料ガス供給システムおよび液化ガス燃料船 図2
  • 特開-舶用燃料ガス供給システムおよび液化ガス燃料船 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145047
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】舶用燃料ガス供給システムおよび液化ガス燃料船
(51)【国際特許分類】
   F02M 21/02 20060101AFI20241004BHJP
   F17C 9/00 20060101ALI20241004BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20241004BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20241004BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20241004BHJP
   B63B 11/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F02M21/02 G
F17C9/00 A
F17C13/00 302A
B63H21/38 B
B63B25/16 D
B63B11/04 B
F02M21/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057277
(22)【出願日】2023-03-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2021年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発/水素燃料船の開発」委託研究の研究成果に係る産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲尾 進士
(72)【発明者】
【氏名】水谷 好生
(72)【発明者】
【氏名】三好 崇公
(72)【発明者】
【氏名】大橋 俊介
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172AB04
3E172AB05
3E172BA06
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD01
3E172BD02
3E172DA04
3E172DA90
3E172EB03
3E172EB20
3E172GA17
3E172GA21
3E172GA22
3E172GA23
3E172GA28
(57)【要約】
【課題】タンクの容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることができる舶用燃料ガス供給システムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る舶用燃料ガス供給システム1は、液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機10へ供給するものであり、前記液化ガスを貯留するタンク2と、タンク2から導出された前記液化ガスを気化させる燃料ガスヒータ4と、燃料ガスヒータ4とガス消費機10との間に介在するバッファ容器5を含む。バッファ容器5は、タンク2の下方に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機へ供給する舶用燃料ガス供給システムであって、
前記液化ガスを貯留するタンクと、
前記タンクから導出された前記液化ガスを気化させる燃料ガスヒータと、
前記燃料ガスヒータと前記ガス消費機との間に介在する、前記タンクの下方に配置されたバッファ容器と、
を備える、舶用燃料ガス供給システム。
【請求項2】
前記バッファ容器はパイプ状である、請求項1に記載の舶用燃料ガス供給システム。
【請求項3】
前記タンクは横向き円筒状であり、
前記バッファ容器は、前記タンクの軸方向に延びる少なくとも1つの直線部を含む、請求項2に記載の舶用燃料ガス供給システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの直線部は、前記タンクの軸方向から見たときに、前記タンクの中心から斜め下方に位置する、請求項3に記載の舶用燃料ガス供給システム。
【請求項5】
前記タンクに対して当該タンクの軸方向の一方に配置されたタンク接続室をさらに備え、
前記燃料ガスヒータおよび前記少なくとも1つの直線部の一端は前記タンク接続室内に配置されている、請求項3または4に記載の舶用燃料ガス供給システム。
【請求項6】
前記液化ガスは液化水素である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の舶用燃料ガス供給システム。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、舶用燃料ガス供給システム、および前記舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機へ供給する舶用燃料ガス供給システムが知られている。例えば、特許文献1には、図3に示すような舶用燃料ガス供給システム100が開示されている。ガス消費機は例えばエンジンである。
【0003】
具体的に、舶用燃料ガス供給システム100は、液化ガスを貯留するタンク110と、液化ガス導出路120によりタンク110と接続された燃料ガスヒータ130と、燃料ガス供給路140により燃料ガスヒータ130と接続されたバッファ容器(Buffer Vessel)150を含む。
【0004】
燃料ガスヒータ130は、タンク110から液化ガス導出路120を通じて導出された液化ガスを気化する。なお、特許文献1では燃料ガスヒータ130が「蒸発器」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-78448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したバッファ容器150は、ガス消費機へ供給される燃料ガスの圧力変動を抑制する役割を果たす。このため、バッファ容器150の容積はある程度大きく確保される。特許文献1の舶用燃料ガス供給システム100では、液化ガス導出路120がタンク110の側方で逆U字状に立ち上がる隆起配管部121を有し、この隆起配管部121の側方に燃料ガスヒータ130が配置され、さらに燃料ガスヒータ130の側方にバッファ容器150が配置されている。
【0007】
しかしながら、このような構成では、システム全体の占有面積が大きくなる。このため、タンクの容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることが望まれる。
【0008】
そこで、本開示は、タンクの容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることができる舶用燃料ガス供給システムを提供することを目的とする。また、本開示は、前記舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機へ供給する舶用燃料ガス供給システムであって、前記液化ガスを貯留するタンクと、前記タンクから導出された前記液化ガスを気化させる燃料ガスヒータと、前記燃料ガスヒータと前記ガス消費機との間に介在する、前記タンクの下方に配置されたバッファ容器と、を備える、舶用燃料ガス供給システムを提供する。
【0010】
また、本開示は、上記の舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、タンクの容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることができる舶用燃料ガス供給システムが提供されるとともに、前記舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aは一実施形態に係る舶用燃料ガス供給システムの平面図、図1Bは前記舶用燃料ガス供給システムの側面図である。
図2図1BのII-II線に沿った断面図である。
図3】従来の舶用燃料ガス供給システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1Aおよび1Bに、一実施形態に係る舶用燃料ガス供給システム1を示す。この舶用燃料ガス供給システム1は、船舶に搭載され、液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機10へ供給する。例えば、船舶が液化ガス燃料船である場合、ガス消費機10は推進プロペラを直接的に駆動するか(機械推進)、発電機およびモータを介して駆動する(電気推進)。
【0014】
例えば、ガス消費機10は、オットーサイクルの2ストロークまたは4ストロークのレシプロエンジンである。レシプロエンジンはディーゼルサイクルまたはサバテサイクルであってもよい。この場合、後述する燃料ガスヒータ4の下流側に圧縮機が設けられる。あるいは、ガス消費機10はガスタービンエンジンであってもよいし、燃料電池や蒸気ボイラなどであってもよい。
【0015】
本実施形態では、液化ガスが液化水素である。ただし、液化ガスはLNG(Liquefied Natural Gas)やLPG(Liquefied Petroleum Gas)などであってもよい。
【0016】
具体的に、舶用燃料ガス供給システム1は、液化ガスを貯留するタンク2と、タンク2を支持するサポート6を含む。本実施形態では、タンク2が横向き円筒状である。このため、サポート6は、タンク2の幅方向の両側面に接合された一対のサイドフレーム61,62と、サイドフレーム61,62の下部同士を連結する下部フレーム63を含む。
【0017】
例えば、タンク2は、内槽と外槽との間が真空の真空二重殻であってもよいし、断熱材で覆われた一重殻であってもよい。
【0018】
より詳しくは、タンク2は、円形の断面形状で横方向に延びる管状部21と、管状部21の双方の開口を閉塞する一対の閉塞部22,23を含む。上述したサイドフレーム61,62は管状部21の全長に亘って管状部21に接合されている。
【0019】
さらに、舶用燃料ガス供給システム1は、タンク2の下方に配置されたバッファ容器5と、タンク2に対して当該タンク2の軸方向の一方、すなわち閉塞部22側に配置されたタンク接続室7を含む。タンク接続室7内には、加圧ヒータ3および燃料ガスヒータ4が配置されている。
【0020】
加圧ヒータ3は、送液路31によりタンク2の液相部(本実施形態では、閉塞部22の下部)と接続されるとともに、送気路32によりタンク2の気相部(本実施形態では、閉塞部22の上部)と接続されている。燃料ガスヒータ4は、液化ガス導出路41によりタンク2の閉塞部22の下部(本実施形態では、閉塞部22の下部)と接続されるとともに、第1燃料ガス供給路43によりバッファ容器5と接続されている。
【0021】
加圧ヒータ3へは、液化ガスの自重によって液化ガスが供給される。本実施形態では、加圧ヒータ3がタンク接続室7の床近くに配置されており、タンク2がタンク接続室7の床から持ち上げられた位置に配置されている。そして、タンク2が持ち上げられることによって空いたスペースがバッファ容器5の設置スペースとして利用されている。ただし、タンク2は必ずしもタンク接続室7の床から持ち上げられた位置に配置される必要はない。
【0022】
加圧ヒータ3は、送液路31を通じてタンク2から導出された液化ガスを気化する。例えば、加圧ヒータ3は液化ガスと熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器である。例えば、熱媒体はグリコールを含む不凍液である。ただし、液化ガスの種類によっては熱媒体は清水や海水であってもよい。なお、加圧ヒータ3、送液路31および送気路32は、タンク2内を加圧することにより当該タンク2から液化ガスを導出する加圧機を構成する。送液路31と送気路32の少なくとも一方には遮断弁が設けられ、タンク2内の加圧が不要なときは前記遮断弁が閉じられる。あるいは、遮断弁が閉じられる代わりに、送液路31と送気路32の少なくとも一方に設けられる流量制御弁が閉じられてもよい。
【0023】
燃料ガスヒータ4は、液化ガス導出路41を通じてタンク2から導出された液化ガスを気化するとともに、気化ガスである燃料ガスをガス消費機10の要求温度まで加熱する。例えば、燃料ガスヒータ4は液化ガスおよび燃料ガスと熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器である。例えば、熱媒体はグリコールを含む不凍液である。ただし、液化ガスの種類によっては熱媒体は清水や海水であってもよい。液化ガス導出路41と第1燃料ガス供給路43の少なくとも一方には遮断弁が設けられ、液化ガスの導出が不要なときは前記遮断弁が閉じられる。あるいは、遮断弁が閉じられる代わりに、液化ガス導出路41と第1燃料ガス供給路43の少なくとも一方に設けられる流量制御弁が閉じられてもよい。
【0024】
液化ガス導出路41には、タンク2の気相部(本実施形態では、閉塞部22の上部)から延びるBOG(Boil Off Gas)導出路42がつながっている。つまり、BOG導出路42を通じてタンク2から導出されたBOGが、液化ガス導出路41へ流入する。BOG導出路42には遮断弁が設けられ、BOGの導出が不要なときは前記遮断弁が閉じられる。なお、BOG導出路42を通じたBOGの導出はタンク2内の圧力を下げるべきときに行われ、このとき液化ガス導出路41を通じた液化ガスの導出は行われない。BOG導出路42を通じたBOGの導出が行われるとき、BOGの流量は、上述した液化ガス導出路41と第1燃料ガス供給路43の少なくとも一方に設けられる流量制御弁で制御される。
【0025】
バッファ容器5は、第2燃料ガス供給路8によりガス消費機10と接続される。つまり、バッファ容器5は、燃料ガスヒータ4とガス消費機10との間に介在する。第2燃料ガス供給路8には遮断弁が設けられ、燃料ガスの供給が不要なときは前記遮断弁が閉じられる。
【0026】
なお、送液路31と送気路32の少なくとも一方に設けられる遮断弁、液化ガス導出路41と第1燃料ガス供給路43の少なくとも一方に設けられる遮断弁、およびBOG導出路42に設けられる遮断弁は、タンク接続室7内に配置される。第2燃料ガス供給路8に設けられる遮断弁はタンク接続室7外に配置されてもよいし、タンク接続室7内に配置されてもよい。
【0027】
本実施形態では、バッファ容器5の全体が一定の直径のパイプ状である。また、本実施形態では、バッファ容器5が、平面視でタンク接続室7に向かって開口するU字状である。
【0028】
具体的に、バッファ容器5は、タンク2の軸方向に延びる第1直線部51および第2直線部53と、第1直線部51と第2直線部53とを接続する折り返し部52を含む。第1直線部51の折り返し部52と反対側の一端51aおよび第2直線部53の折り返し部52と反対側の一端53aは閉塞板で閉塞されている。折り返し部52は、第1直線部51の他端51bから180度折れ曲がって第2直線部53の他端53bにつながる。
【0029】
本実施形態では、第1直線部51の一端51aと第2直線部53の一端53aがタンク接続室7内に配置されている。そして、タンク接続室7内で、第1直線部51の一端51aに第1燃料ガス供給路43が接続されるとともに、第2直線部53の一端53aに第2燃料ガス供給路8が接続されている。
【0030】
第1直線部51および第2直線部53は、図2に示すように、タンク2の軸方向から見たときに、タンク2の中心20から斜め下方に位置する。このため、タンク2の斜め下方の比較的に大きなスペースに第1直線部51および第2直線部53を配置することができる。しかも、第1直線部51および第2直線部53の直径を大きくしてバッファ容器5の容積を大きく確保することができるため、システムの容積効率が向上する。また、本実施形態では、第1直線部51と第2直線部との間に、人がタンク2の下方へアクセスするためのスペースが確保される。
【0031】
第1直線部51の中心は、タンク2の中心20回りに鉛直線から30度以上60度以下の範囲に存することが望ましい。同様に、第2直線部53の中心は、タンク2の中心20回りに鉛直線から30度以上60度以下の範囲に存することが望ましい。
【0032】
タンク接続室7は、底壁71および天井壁76を含むとともに、タンク2の軸方向で互いに対向する正面壁72および中間壁75、ならびにタンク2の軸方向と直交する水平方向で互いに対向する側壁73,74を含む。上述したサポート6のサイドフレーム61,62は中間壁75に接続されている。
【0033】
中間壁75には、タンク2と同軸上に円形の開口が設けられている。タンク接続室7は、中間壁75からタンク2の閉塞部22まで延びる、タンク2の管状部21と同じ直径の管状部77も含む。つまり、タンク接続室7内の空間は、底壁71、天井壁76、正面壁72、側壁73,74、管状部77およびタンク2の閉塞部22で取り囲まれている。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の舶用燃料ガス供給システム1では、バッファ容器5がタンク2の下方に配置されるので、タンク2の容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることができる。これにより、舶用燃料ガス供給システム1を、例えば船内の狭隘なスペースに収めることができる。エネルギー密度(単位体積あたりの発熱量)が小さい液化水素ではLNGに比べてタンク2の容積が大きくなる傾向があるため、本開示は本実施形態のように液化ガスが液化水素の場合に特に有用である。
【0035】
しかも、本実施形態ではバッファ容器5の全体が一定の直径のパイプ状であるので、バッファ容器5を容易に製造することができる。さらに、バッファ容器5は複数のパイプを突き合わせ溶接して製造可能であり、この場合にはガス漏れ箇所が無く、高い安全性を得ることができる。
【0036】
また、本実施形態ではバッファ容器5がU字状であるので、第1直線部51の一端51aおよび第2直線部53の一端53aを固定点、折り返し部52をスライドフリーとすることにより、バッファ容器5の熱収縮による応力発生を回避することができる。
【0037】
<変形例>
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0038】
例えば、タンク接続室7は必ずしも必要ではなく、加圧ヒータ3および燃料ガスヒータ4がオープンスペースに配置されてもよい。
【0039】
また、バッファ容器5は、必ずしも全長に亘って一定の直径である必要はない。例えば、第1直線部51の他端51bおよび第2直線部53の他端53bにレデューサを設けるとともに折り返し部52を小径にすることで、第1直線部51および第2直線部53の直径をさらに大きくしてもよい。
【0040】
あるいは、バッファ容器5は、必ずしもU字状である必要はない。例えば、バッファ容器5は、折り返し部52の代わりに、第1直線部51と第2直線部53の間でタンク2の軸方向に所定間隔で並ぶ、第1直線部51および第2直線部53よりも小径の複数の連通管を含んでもよい。
【0041】
また、バッファ容器5は、タンク2の軸方向に延びる直線部を1つだけ含んでもよい。この場合も、前記実施形態と同様に、直線部はタンク2の軸方向から見たときにタンク2の中心20から斜め下方に位置することが望ましい。
【0042】
さらには、バッファ容器5は、必ずしもパイプ状である必要はなく、タンク2の下方に広がる薄いタンク状であってもよい。
【0043】
<まとめ>
第1の態様として、本開示は、液化ガスが気化した気化ガスを燃料としてガス消費機へ供給する舶用燃料ガス供給システムであって、前記液化ガスを貯留するタンクと、前記タンクから導出された前記液化ガスを気化させる燃料ガスヒータと、前記燃料ガスヒータと前記ガス消費機との間に介在する、前記タンクの下方に配置されたバッファ容器と、を備える、舶用燃料ガス供給システムを提供する。
【0044】
上記の構成によれば、バッファ容器がタンクの下方に配置されるので、タンクの容積を大きく確保しつつ、システム全体の占有面積を小さくすることができる。
【0045】
第2の態様として、第1の態様において、前記バッファ容器はパイプ状であってもよい。この構成によれば、例えばバッファ容器の全体が一定の直径のパイプ状であればバッファ容器を容易に製造することができる。
【0046】
第3の態様として、第2の態様において、例えば、前記タンクは横向き円筒状であり、
前記バッファ容器は、前記タンクの軸方向に延びる少なくとも1つの直線部を含んでもよい。
【0047】
第4の態様として、第3の態様において、前記少なくとも1つの直線部は、前記タンクの軸方向から見たときに、前記タンクの中心から斜め下方に位置してもよい。この構成によれば、タンクの斜め下方の比較的に大きなスペースにバッファ容器の直線部を配置することができる。しかも、直線部の直径を大きくしてバッファ容器の容積を大きく確保することができるため、システムの容積効率が向上する。
【0048】
第5の態様として、第3または第4において、例えば、上記の舶用燃料ガス供給システムは、前記タンクに対して当該タンクの軸方向の一方に配置されたタンク接続室をさらに備え、前記燃料ガスヒータおよび前記少なくとも1つの直線部の一端は前記タンク接続室内に配置されてもよい。
【0049】
第6の態様として、第1乃至第5の態様の何れかにおいて、前記液化ガスは液化水素であってもよい。液化水素ではLNGに比べてタンクの容積が大きくなる傾向があるため、本開示は液化ガスが液化水素の場合に特に有用である。
【0050】
第7の態様として、本開示は、第1乃至第6の態様の舶用燃料ガス供給システムが搭載された液化ガス燃料船を提供する。
【符号の説明】
【0051】
1 舶用燃料ガス供給システム
10 エンジン
2 タンク
20 中心
4 燃料ガスヒータ
5 バッファ容器
51,53 直線部
51a,53a 一端
7 タンク接続室
図1
図2
図3