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特開2024-145058水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラム
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  • 特開-水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145058
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241004BHJP
   E03B 7/07 20060101ALI20241004BHJP
   E03B 7/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/06
E03B7/07
E03B7/07 Z
E03B7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057294
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】520294642
【氏名又は名称】株式会社ウォーターリンクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】オリジネイト弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢川 昇
(72)【発明者】
【氏名】岩本 晃幸
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】各水道事業体が独自に持っている水道料金システムに対して容易に水道スマートメーターを連携できる水道スマートメーター検針管理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、クラウド上のデータストレージ21,22に直接又はAPI等を介して接続され、水道事業体が有する水道料金システム41,42に直接又はAPI等を介して接続される水道スマートメーター検針管理装置31であって、前記水道スマートメーター検針管理装置31は、水道スマートメーター11~14の検針データを所定期間毎に無線通信により前記クラウド上のデータストレージ21,22を介して受信する機能(31a)と、前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システム41,42にエクスポートする機能(31b)と、を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置31である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウド上のデータストレージに直接又はAPI等を介して接続され、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続される水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信により前記クラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記水道事業体は、第1及び第2の水道事業体であり、
前記水道料金システムは、互いに異なる製造会社が製造した第1及び第2の水道料金システムを有し、
前記第1の水道事業体が前記第1の水道料金システムを有し、前記第2の水道事業体が前記第2の水道料金システムを有し、
前記機能(31b)は、前記機能(31a)により受信した前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の前記検針データを前記第1の水道料金システムにエクスポートし、前記機能(31a)により受信した前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の前記検針データを前記第2の水道料金システムにエクスポートする機能であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記第1の水道料金システム用の前記検針データ及び前記第2の水道料金システム用の前記検針データを保持する機能と、
前記機能(31b)により前記検針データを前記第1及び第2の水道料金システムにエクスポートする際、必要に応じて前記第1及び第2の水道料金システムの各々のデータフォーマットに合うように前記検針データを変換する機能と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記水道スマートメーターは、第1製造会社が製造した第1及び第2の水道スマートメーター、第2製造会社が製造した第3及び第4の水道スマートメーターを有し、
前記第1から第4の水道スマートメーターは、前記第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データを付加し、
前記クラウドは、第1及び第2のクラウドの各々のデータストレージを有し、
前記第1のクラウド上のデータストレージには前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記第2のクラウド上のデータストレージには前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記機能(31a)は、前記水道スマートメーター検針管理装置が、前記第1のクラウド上のデータストレージに溜められた前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、前記第2のクラウド上のデータストレージに溜められた前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項において、
前記水道料金システムは、使用量計算ロジック及び料金計算ロジックを備えた端末とデータを送受信できるように構成されており、
前記端末は、検針員が所定期間毎に水道用アナログメーターの数値を入力する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記機能(31a)により受信した前記検針データを用いて使用量計算ロジックにより前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の前記所定期間の水道使用量を計算する機能(31d)と、
前記機能(31d)で計算された前記水道使用量から料金テーブルを用いて料金計算ロジックにより前記水道使用者の前記所定期間の水道料金を計算する機能(31e)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項7】
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有する水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記機能(31c)により保持した前記検針データに基づいて計算された前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を前記水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知する機能(31f)を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道使用量及び前記水道料金は、前記水道スマートメーター検針管理装置が計算するのではなく、前記水道料金システムにより計算されたものであることを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項9】
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有する水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記機能(31c)により保持した前記検針データに基づいて計算された前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイトに掲載し、前記水道使用者が前記ポータルサイトにアクセスすることで前記所定期間の水道使用量及び水道料金を閲覧できる機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道使用量及び前記水道料金は、前記水道料金システムにより計算されたものであることを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記ポータルサイトは、前記水道使用者がアクセスすることで、水道使用量・水道料金の履歴照会、水道の使用開始・使用中止手続き、前記水道使用者の住所変更手続き、口座振替申込手続き、及び前記水道使用者へのお知らせの閲覧をする機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項12】
請求項1から4のいずれか一項において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)により保持された前記検針データに基づいて漏水が起こっていることを診断する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項13】
請求項6において、
前記機能 (31d)の所定期間は24時間以内であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記機能 (31d)により計算された所定期間毎の水道使用量のデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された最新の所定期間の水道使用量が、前記最新の所定期間より前のいずれかの所定期間の水道使用量と比べて所定量多くなっている場合に、漏水が起こっている診断する機能(31h)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【請求項14】
水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続される水道検針管理システムの機能を実現する水道スマートメーター検針管理プログラムであって、
前記水道検針管理システムの機能は、
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理プログラム。
【請求項15】
請求項14において、
前記水道検針管理システムの機能は、
前記機能(31a)により受信した前記検針データを用いて使用量計算ロジックにより前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の前記所定期間の水道使用量を計算する機能(31d)と、
前記機能(31d)で計算された前記水道使用量から料金テーブルを用いて前記料金計算ロジックにより前記水道使用者の前記所定期間の水道料金を計算する機能(31e)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
水道事業は主に市町村単位で経営している。但し、水道事業は市町村自体が直接行っているとは限らず、 市町村が民間事業者に委託している場合もある。従って、本明細書では、市町村が委託している事業者も含めて「水道事業体」と呼ぶ。
【0003】
各水道事業体は独自の水道料金システムを持っており、その水道料金システムの細かい部分は異なることも多いが、大きな流れは同一である。一般的な水道用アナログメーターを用いた水道料金システムの詳細を以下に説明する。
【0004】
<アナログメーター検針業務>
水道事業体の検針員がハンディターミナルを持って水道使用者の居所に行き、そこに設置してある水道用アナログメーターの数値を見てその数値をハンディターミナルに入力する。ハンディターミナルには前回の水道用アナログメーターの数値が記憶されており、ハンディターミナルが前回の数値と今回の数値の差分を算出することで水道使用量を計算し、その水道使用量に基づいて料金計算ロジックにより水道料金が計算される。その水道使用量及び水道料金等が印字されたお知らせ票をハンディターミナルから出力する。そして、そのお知らせ票を水道使用者の居所のポスト(郵便受け)に投入する。このような作業を複数の検針員が行うことで、水道事業体と給水契約している水道使用者の水道使用量及び水道料金のデータを集める。これに関連した技術が特許文献1に記載されている。
【0005】
<調定業務>
上記の水道使用者の水道用アナログメーターの数値、水道使用量及び水道料金のデータを水道料金システムのデータベースにインポートする。次いで、水道料金システムはハンディターミナルが有する料金計算ロジックと同様の料金計算ロジックによって水道使用者の各々の水道使用量データに基づいて水道料金を決定する。
次に、上記の決定した水道料金を、水道事業体が水道使用者と結んだ給水契約における水道料金の支払い契約に基づいて、水道事業体が水道使用者に個別に通知する。
【0006】
上記の検針業務は、検針員がハンディターミナルを持って各水道使用者の居所に行き、そこに設置してある水道用アナログメーターの数値を見てその数値をハンディターミナルに入力するものである。このため、検針員による多大な労力と人件費が必要となり、検針業務の費用は大きい。また、検針員の高齢化により人手不足が深刻化になりつつある。そのような状況の中で日本の人口減少が進んでいるため、水道事業体の売上も減少することが懸念される。
【0007】
上記のような事情から検針業務のコスト低減、および検針員の削減をするために、水道スマートメーターの導入が求められている。また、これらの他に、検針が難しい場所でも容易にデータを受信できるため、検針業務の効率化を図ることができるからである。
【0008】
しかしながら、水道事業は、各市町村が個別に行っているため、各水道事業体が独自の水道料金システムを持っている。そのため、水道スマートメーターを導入しようとすると、各水道事業体の水道料金システムごとに水道スマートメーターに対応した水道料金システムに修正する必要があり、その費用は日本全体を考えると莫大なコストとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004-148522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の種々の態様は、各水道事業体が独自に持っている水道料金システムに対して容易に水道スマートメーターを連携できる水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に本発明の種々の態様について説明する。
【0012】
[1]クラウド上のデータストレージに直接又はAPI等を介して接続され、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続される水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信により前記クラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
なお、本明細書において、上記の「API等」は、CSV(Comma Separated Values)連携等のテキスト連携も含む意味である。
【0013】
[2]上記[1]において、
前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0014】
[3]上記[1]において、
前記水道事業体は、第1及び第2の水道事業体であり、
前記水道料金システムは、互いに異なる製造会社が製造した第1及び第2の水道料金システムを有し、
前記第1の水道事業体が前記第1の水道料金システムを有し、前記第2の水道事業体が前記第2の水道料金システムを有し、
前記機能(31b)は、前記機能(31a)により受信した前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の前記検針データを前記第1の水道料金システムにエクスポートし、前記機能(31a)により受信した前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の前記検針データを前記第2の水道料金システムにエクスポートする機能であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記第1の水道料金システム用の前記検針データ及び前記第2の水道料金システム用の前記検針データを保持する機能と、
前記機能(31b)により前記検針データを前記第1及び第2の水道料金システムにエクスポートする際、必要に応じて前記第1及び第2の水道料金システムの各々のデータフォーマットに合うように前記検針データを変換する機能と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0015】
[4]上記[3]において、
前記水道スマートメーターは、第1製造会社が製造した第1及び第2の水道スマートメーター、第2製造会社が製造した第3及び第4の水道スマートメーターを有し、
前記第1から第4の水道スマートメーターは、前記第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データを付加し、
前記クラウドは、第1及び第2のクラウドの各々のデータストレージを有し、
前記第1のクラウド上のデータストレージには前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記第2のクラウド上のデータストレージには前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記機能(31a)は、前記水道スマートメーター検針管理装置が、前記第1のクラウド上のデータストレージに溜められた前記第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、前記第2のクラウド上のデータストレージに溜められた前記第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0016】
[5]上記[1]から[4]のいずれか一項において、
前記水道料金システムは、使用量計算ロジック及び料金計算ロジックを備えた端末とデータを送受信できるように構成されており、
前記端末は、検針員が所定期間毎に水道用アナログメーターの数値を入力する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0017】
[6]上記[1]から[4]のいずれか一項において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記機能(31a)により受信した前記検針データを用いて使用量計算ロジックにより前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の前記所定期間の水道使用量を計算する機能(31d)と、
前記機能(31d)で計算された前記水道使用量から料金テーブルを用いて料金計算ロジックにより前記水道使用者の前記所定期間の水道料金を計算する機能(31e)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0018】
[7]水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有する水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記機能(31c)により保持した前記検針データに基づいて計算された前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を前記水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知する機能(31f)を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0019】
[8]上記[7]において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道使用量及び前記水道料金は、前記水道スマートメーター検針管理装置が計算するのではなく、前記水道料金システムにより計算されたものであることを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0020】
[9]水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有する水道スマートメーター検針管理装置であって、
前記機能(31c)により保持した前記検針データに基づいて計算された前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイトに掲載し、前記水道使用者が前記ポータルサイトにアクセスすることで前記所定期間の水道使用量及び水道料金を閲覧できる機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0021】
[10]上記[9]において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道使用量及び前記水道料金は、前記水道料金システムにより計算されたものであることを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0022】
[11]上記[9]又は[10]において、
前記ポータルサイトは、前記水道使用者がアクセスすることで、水道使用量・水道料金の履歴照会、水道の使用開始・使用中止手続き、前記水道使用者の住所変更手続き、口座振替申込手続き、及び前記水道使用者へのお知らせの閲覧をする機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0023】
[12]上記[1]から[4]のいずれか一項において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)により保持された前記検針データに基づいて漏水が起こっていることを診断する機能を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0024】
[13]上記[6]において、
前記機能(31d)の所定期間は時間以内であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記機能(31d)により計算された所定期間毎の水道使用量のデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された最新の所定期間の水道使用量が、前記最新の所定期間より前のいずれかの所定期間の水道使用量と比べて所定量多くなっている場合に、漏水が起こっている診断する機能(31h)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理装置。
【0025】
[14]水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続される水道検針管理システムの機能を実現する水道スマートメーター検針管理プログラムであって、
前記水道検針管理システムの機能は、
水道スマートメーターの検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージを介して受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理プログラム。
【0026】
[15]上記[14]において、
前記水道検針管理システムの機能は、
前記機能(31a)により受信した前記検針データを用いて使用量計算ロジックにより前記水道スマートメーターが設置してある居所の水道使用者の前記所定期間の水道使用量を計算する機能(31d)と、
前記機能(31d)で計算された前記水道使用量から料金テーブルを用いて前記料金計算ロジックにより前記水道使用者の前記所定期間の水道料金を計算する機能(31e)と、
を有することを特徴とする水道スマートメーター検針管理プログラム。
【発明の効果】
【0027】
本発明の種々の態様によれば、各水道事業体が独自に持っている水道料金システムに対して容易に水道スマートメーターを連携できる水道スマートメーター検針管理装置及び水道スマートメーター検針管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一態様に係る水道スマートメーター検針管理装置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0030】
図1は、本発明の一態様に係る水道スマートメーター検針管理装置を説明するための模式図である。
図1の水道スマートメーター検針管理装置31は直接又はAPI等を介してクラウド上のデータストレージ21,22に接続されている。また水道スマートメーター検針管理装置31は、直接又はAPI等を介して水道事業体が有する第1及び第2の水道料金システム41,42の各々に接続されている。
【0031】
水道スマートメーター検針管理装置31は、水道スマートメーター11~14の検針データを所定期間毎に無線通信によりクラウド上のデータストレージ21,22を介して受信する機能31aと、この機能31aにより受信した検針データを水道料金システム41,42にエクスポートする機能31bを有する。これらの機能31a及び機能31bは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は機能31a及び機能31bを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。なお、水道スマートメーター11~14の検針データは例えばメーターID、指示数及びその指示数の日時のデータである。メーターIDは水道使用者を特定するものである。指示数及びその指示数の日時は、その日時までの水道メーターの数値を特定するものである。これにより、所定期間毎に検針データを取得すれば、所定期間毎の水道メーターの数値を特定することができる。
【0032】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31aにより受信した検針データを保持する機能31cを有する。この機能31cは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は機能31cを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。
【0033】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31aにより受信した検針データを用いて使用量計算ロジックにより水道スマートメーター11,12,13,14が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量を計算する機能31dと、この機能31dで計算された水道使用量から料金テーブルを用いて料金計算ロジックにより水道使用者の所定期間の水道料金を計算する機能31eを有する。これらの使用量計算機能31d及び料金計算機能31eは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は使用量計算機能31d及び料金計算機能31eを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。前述したように所定期間毎の水道メーターの数値を特定することにより、
【0034】
本実施形態では、2つの水道事業体(第1及び第2の水道事業体)が有する第1及び第2の水道料金システム41,42が直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されている場合について説明するが、1つの水道事業体が有する1つの水道料金システムが直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されていてもよいし、3つ以上の水道事業体が有する3つ以上の水道料金システムが直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されていてもよい。
【0035】
第1及び第2の水道料金システム41,42は、互いに異なる製造会社が製造した水道料金システムである。第1の水道事業体が第1の水道料金システム41を有し、第2の水道事業体が第2の水道料金システム42を有する。上記の機能31bは、上記の機能31aにより受信した第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データを第1の水道料金システム41にエクスポートし、機能31aにより受信した第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データを第2の水道料金システム42にエクスポートする機能である。
【0036】
水道スマートメーター検針管理装置31は、第1の水道料金システム41用の検針データ及び第2の水道料金システム42用の検針データを保持する機能を有する。また水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31bにより検針データを第1及び第2の水道料金システム41,42にエクスポートする際、必要に応じて第1及び第2の水道料金システム41,42の各々のデータフォーマットに合うように検針データを変換する機能を有する。この機能を有する理由は、第1の水道料金システム41を製造した会社(製造者)が第2の水道料金システム42を製造した会社(製造者)と異なる場合や第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々を製造した会社(製造者)が互いに異なる場合に、検針データのデータフォーマットも異なる可能性があるからである。そのような場合でも、水道スマートメーター検針管理装置31が第1及び第2の水道料金システム41,42の各々のデータフォーマットに合うように検針データを変換する機能を有することで、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々に容易に第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14を導入することが可能となる。
【0037】
本実施形態では、4つの水道スマートメーター(第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14)が存在する場合について説明するが、1個以上3個以下の水道スマートメーター又は5個以上の水道スマートメーターが存在する場合も本発明に適用することが可能である。
【0038】
第1及び第2の水道スマートメーター11,12は第1製造会社により製造されたものであり、第3及び第4の水道スマートメーター13,14は第2製造会社により製造されたものである。第1から第4の水道スマートメーター11,12,13,14は、第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データが付加されている。
【0039】
本実施形態では、2個のクラウド(第1及び第2のクラウド)を有する場合について説明するが、1個のクラウド又は3個以上のクラウドを有する場合も本発明を適用することが可能である。
【0040】
第1のクラウドはデータストレージ21を有し、第2のクラウドはデータストレージ22を有する。第1のクラウド上のデータストレージ21には第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データが溜められ、第2のクラウド上のデータストレージ22には第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データが溜められるようになっている。
【0041】
上記の機能31aは、水道スマートメーター検針管理装置31が、第1のクラウド上のデータストレージ21に溜められた第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、第2のクラウド上のデータストレージ22に溜められた第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有する。このような機能を有する理由は、第1及び第2の水道スマートメーター11,12と第3及び第4の水道スマートメーター13,14が異なる会社(製造者)によっての製造されたものである場合、検針データのデータフォーマットも互いに異なるため、それらの異なるデータフォーマットを統一したデータフォーマットに変換し、前述した水道スマートメーター検針管理装置31の検針データ保持機能31cにより保持するためである。
【0042】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持した検針データに基づいて計算された第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知する機能31fを有する。この機能31fはLINEによってお知らせ票を通知する機能も含んでいてもよい。これにより、水道使用者の利便性を高めることができる。
【0043】
本実施形態では、上述したように水道使用量及び水道料金を、水道スマートメーター検針管理装置31が計算しているが、これに限定されるものではなく、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算されたものであってもよい。そして、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算された水道使用量及び水道料金のデータを水道スマートメーター検針管理装置31が受信し、第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知することも可能である。
【0044】
水道料金システム41,42は、使用量計算ロジック61a及び料金計算ロジック61bを備えた端末(例えばハンディターミナル)61とデータ(例えば検針予定及び検針結果)を送受信できるように構成されている。この端末61は、検針員が所定期間毎に水道用アナログメーター51の数値を入力する機能を有する。水道スマートメーター検針管理装置31は、このように端末61からデータを送受信できる水道料金システム41と連携することができる。言い換えると、水道スマートメーター検針管理装置31は、端末61からデータを送受信できる水道料金システム41と容易に併存させることができる。従って、各水道事業体が独自に持っている水道料金システム41,42に対して容易に水道スマートメーター11,12,13,14を連携することができる。
【0045】
水道スマートメーター検針管理装置31はポータルサイト31gを有する。詳細には、水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持した検針データに基づいて計算された第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイト31gに掲載し、水道使用者がポータルサイト31gにアクセスすることで所定期間の水道使用量及び水道料金を閲覧できる機能を有する。これにより、水道使用者の利便性を高めることができる。
【0046】
本実施形態では、上述したように水道使用量及び水道料金を、水道スマートメーター検針管理装置31が計算しているが、これに限定されるものではなく、水道使用量及び水道料金を第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算されたものであってもよい。そして、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算された水道使用量及び水道料金のデータを水道スマートメーター検針管理装置31が受信し、第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイト31gに掲載することも可能である。
【0047】
また、ポータルサイト31gは、水道使用者がアクセスすることで、水道使用量・水道料金の履歴照会、水道の使用開始・使用中止手続き、水道使用者の住所変更手続き、口座振替申込手続き、及び水道使用者へのお知らせの閲覧をする機能を有するとよい。これにより、水道使用者の利便性をさらに高めることができる。
【0048】
水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持された検針データに基づいて漏水が起こっていることを診断する機能を有するとよい。
詳細には、使用量計算機能31dの所定期間は例えば24時間以内であり、水道スマートメーター検針管理装置31は、使用量計算機能31dにより計算された所定期間毎の水道使用量のデータを記憶する記憶部と、この記憶部により記憶された最新の所定期間の水道使用量が、最新の所定期間より前のいずれかの所定期間の水道使用量と比べて所定量多くなっている場合に、漏水が起こっていると診断する機能31hを有するとよい。この漏水診断機能31hにより漏水が起こっているか否かを水道スマートメーター検針管理装置31が判定することが可能となる。これにより、水道水の無駄を削減することができ、水道使用者の水道料金が無駄に高くなることを防止できる。
【符号の説明】
【0049】
11 第1の水道スマートメーター
12 第2の水道スマートメーター
13 第3の水道スマートメーター
14 第4の水道スマートメーター
21,22 クラウド上のデータストレージ
31 水道スマートメーター検針管理装置
31a 水道スマートメーターの検針データをクラウド上のデータストレージを介して受信する機能
31b 検針データを水道料金システムにエクスポートする機能
31c 検針データ保持機能
31d 使用量計算機能
31e 料金計算機能
31f 水道使用量及び水道料金を水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知する機能
31g ポータルサイト
31h 漏水診断機能
41 第1の水道料金システム
42 第2の水道料金システム
51 水道用アナログメーター
61 端末
61a 使用量計算ロジック
61b 料金計算ロジック
図1