(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145226
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ドリンクホルダー
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20241004BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20241004BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60N3/00 Z
B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057487
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】594174987
【氏名又は名称】株式会社セイワ
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】不破 裕介
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088CA06
3B088LA03
3B088LB05
3D022CA16
3D022CB01
3D022CC24
(57)【要約】
【課題】車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダーを提供する。また、上記課題と共に、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダーを提供する。
【解決手段】ドリンクホルダーは、ホルダー本体と、ホルダー本体の外周面に着脱自在な保持部及び固定対象物に固定可能な固定部を有する固定部材とを備える。ホルダー本体は、外周面に一対の係合孔が貫通形成されると共に係合孔が高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、保持部は、ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において係合孔に嵌脱自在に係合可能な係合部材を設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成されるホルダー本体と、該ホルダー本体の外周面に着脱自在であって前記ホルダー本体を保持可能に形成される保持部、及び該保持部に連続し固定対象物に固定可能に形成される固定部を有する固定部材とを備え、
前記ホルダー本体は、この外周面に一対の被係合部又は係合部が形成されると共に、該一対の被係合部又は係合部が前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、
前記保持部は、前記ホルダー本体の外周面をこの周方向において部分的に抱きかかえるようなアーム状に形成されると共に、前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において前記一対の被係合部又は係合部それぞれと係合可能な係合部又は被係合部を設けたことを特徴とするドリンクホルダー。
【請求項2】
前記ホルダー本体に形成された一対の被係合部は、該ホルダー本体に貫通形成された一対の係合孔であり、
前記保持部に設けられた係合部は、該保持部に設けられて前記一対の係合孔それぞれに嵌脱自在に係合可能な係合部材である
ことを特徴とする請求項1に記載のドリンクホルダー。
【請求項3】
前記ホルダー本体は、この外周面に、前記一対の係合孔に連通し前記ホルダー本体の周方向に延在するように切り欠き形成される係合溝を更に備え、
前記係合部材は、前記保持部の先端側に前記保持部の延在方向に沿って切り欠き形成されるスライド溝内を前記保持部の延在方向に沿ってスライド可能に設けられ、
前記係合溝と前記スライド溝とは、前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において互いに連通するように形成されており、前記係合部材は、前記係合孔に嵌挿された状態において前記係合溝側へスライドさせることにより該係合溝に係合可能に形成されることを特徴とする請求項2に記載のドリンクホルダー。
【請求項4】
前記ホルダー本体は、この外周面に前記ホルダー本体の周方向に沿ってガイド溝が形成され、該ガイド溝は、前記一対の係合孔に連通すると共に、前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、
前記保持部は、この先端に設けられると共に前記ガイド溝にて前記一対の係合孔へとガイド可能に形成されるガイドリブと、前記ガイド溝に嵌合可能であると共に該ガイド溝に嵌合された状態にて前記ホルダー本体のガタ付きを防止可能に形成されるガタ付き防止リブとを備えることを特徴とする請求項2に記載のドリンクホルダー。
【請求項5】
前記ホルダー本体の外周面には、前記ガイド溝に連通するガタ付き防止孔が貫通形成され、該ガタ付き防止孔は、前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、
前記保持部は、前記ガタ付き防止リブに連続して突設されると共に前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において前記ガタ付き防止孔に嵌合可能に形成される嵌合リブを更に備えることを特徴とする請求項4に記載のドリンクホルダー。
【請求項6】
前記ホルダー本体は、平面視円形、又は長軸と短軸とを有する楕円形に形成され、前記保持部は、この内面が前記ホルダー本体の外周面に沿うような円弧状に形成されることを特徴とする請求項2に記載のドリンクホルダー。
【請求項7】
平面視楕円形に形成された前記ホルダー本体の前記一対の係合孔は、前記ホルダー本体の外周面において前記ホルダー本体長軸と交わる一対の点を繋ぐ第1の領域、又は前記ホルダー本体短軸と交わる一対の点を繋ぐ第2の領域の少なくともいずれか一方の領域に設けられることを特徴とする請求項6に記載のドリンクホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器等を収納可能な車載用のドリンクホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車載用のドリンクホルダーは、例えば、車両室内におけるセンターコンソール等に備え付けられているものの他、飲料容器の様々な外径に対応するため、後付け可能なドリンクホルダーが知られている。このような後付け用のドリンクホルダーとして、特許文献1、2が知られている。
【0003】
特許文献1(以下、本明細書においては「従来技術1」と称する)は、ホルダー本体の背面に設けられるフック部と、ホルダー本体の下面に設けられるストッパーとを有し、フック部にて車両室内における空調吹出口のルーバー等に引っ掛けると共に、ストッパーの後端を空調吹出口近傍に当接させることにより、ホルダー本体を適度な角度姿勢に保持して空調吹出口近傍に固定するものである。
【0004】
特許文献2(以下、本明細書においては「従来技術2」と称する)は、ベースユニットと、ベースユニットに回動可能に取り付けられ飲料容器を収納可能な回転ユニットと、ベースユニットに着脱自在であってベースユニットを軸に回転可能な回転スタンドと、回転スタンドに連結されるジョイント部材とを備え、ジョイント部材の上方には、他のカップホルダーを取り付けることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3140133号公報
【特許文献2】実用新案登録第3231268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来技術1では、フック部は、ホルダー本体に一体となるように形成されていることから、フック部に対するホルダー本体の高さを調整することができなかった。このため、車両室内における空調吹出口やこの周辺の形状は車種ごとに異なることから、車種によっては、従来技術1では対応することが困難であるという問題点があった。
【0007】
また、従来技術2では、ジョイント部材に増設された他のカップホルダーが、車両室内における周辺の操作パネルに重なってしまうことにより、操作パネルを操作し難くなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダーを提供することを課題とする。
また、上記課題と共に、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、有底筒状に形成されるホルダー本体と、該ホルダー本体の外周面に着脱自在であって前記ホルダー本体を保持可能に形成される保持部、及び該保持部に連続し固定対象物に固定可能に形成される固定部を有する固定部材とを備え、前記ホルダー本体は、この外周面に一対の被係合部又は係合部が形成されると共に、該一対の被係合部又は係合部が前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、前記保持部は、前記ホルダー本体の外周面をこの周方向において部分的に抱きかかえるようなアーム状に形成されると共に、前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において前記一対の被係合部又は係合部それぞれと係合可能な係合部又は被係合部を設けたことを特徴とする。またこの場合、前記ホルダー本体に形成された一対の被係合部は、該ホルダー本体に貫通形成された一対の係合孔であり、前記保持部に設けられた係合部は、該保持部に設けられて前記一対の係合孔それぞれに嵌脱自在に係合可能な係合部材であってよい。
【0010】
本発明によれば、保持部の係合部材(係合部)が、ホルダー本体の外周面に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成される一対の係合孔(被係合部)に嵌脱自在に係合可能であることから、固定部材に対するホルダー本体の相対的な高さを所望の高さに調整することが可能となる。これにより、ドリンクホルダーの固定対象物が、従来技術1のように、車両室内における空調吹出口のルーバーである場合には、車種によって異なる空調吹出口やこの周辺の形状に関わらず対応することが可能となる。また、固定対象物が、従来技術2のように、ベースユニットである場合には、従来技術2のようなジョイント部材を用いることなくホルダー本体を増設することが可能となる。
その結果、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となると共に、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明にあっては、前記ホルダー本体は、この外周面に、前記一対の係合孔に連通し前記ホルダー本体の周方向に延在するように切り欠き形成される係合溝を更に備え、前記係合部材は、前記保持部の先端側に前記保持部の延在方向に沿って切り欠き形成されるスライド溝内を前記保持部の延在方向に沿ってスライド可能に設けられ、前記係合溝と前記スライド溝とは、前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において互いに連通するように形成されており、前記係合部材は、前記係合孔に嵌挿された状態において前記係合溝側へスライドさせることにより該係合溝に係合可能に形成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、保持部をホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において、係合部材を、係合溝側へスライドさせることにより係合溝に係合可能となるように形成されることから、固定部材に対するホルダー本体の所望の高さを調整し、この高さを保持することが可能となる。
その結果、上記の点からも、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となると共に、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となる。
【0013】
また、本発明にあっては、前記ホルダー本体は、この外周面に前記ホルダー本体の周方向に沿ってガイド溝が形成され、該ガイド溝は、前記一対の係合孔に連通すると共に、前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、前記保持部は、この先端に設けられると共に前記ガイド溝にて前記一対の係合孔へとガイド可能に形成されるガイドリブと、前記ガイド溝に嵌合可能であると共に該ガイド溝に嵌合された状態にて前記ホルダー本体のガタ付きを防止可能に形成されるガタ付き防止リブとを備えていてもよい。
【0014】
この構成によれば、保持部のガイドリブとガタ付き防止リブとが、ホルダー本体の外周面に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガイド溝に嵌脱自在となることから、ガイドリブとガタ付き防止リブとがガイド溝に嵌合された状態にてホルダー本体のガタ付きを防止することが可能となる。
【0015】
また、本発明にあっては、前記ホルダー本体の外周面には、前記ガイド溝に連通するガタ付き防止孔が貫通形成され、該ガタ付き防止孔は、前記ホルダー本体の高さ方向において所定の間隔をあけて複数配置され、前記保持部は、前記ガタ付き防止リブに連続して突設されると共に前記保持部が前記ホルダー本体の外周面に取り付けられた状態において前記ガタ付き防止孔に嵌合可能に形成される嵌合リブを更に備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、保持部の嵌合リブが、ホルダー本体の外周面に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガタ付き防止孔に嵌脱自在となることから、嵌合リブがガタ付き防止孔に嵌合された状態にてホルダー本体のガタ付きを防止することが可能となる。
【0017】
また、本発明にあっては、前記ホルダー本体は、平面視円形、又は長軸と短軸とを有する楕円形に形成され、前記保持部は、この内面が前記ホルダー本体の外周面に沿うような円弧状に形成されることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、ホルダー本体が平面視円形に形成されることにより、円筒状の飲料容器を収納することが可能であり、平面視楕円形に形成されることにより、飲料容器の他、例えば、スマートフォン等の電子デバイスを収納することが可能となる。
【0019】
また、本発明にあっては、平面視楕円形に形成された前記ホルダー本体の前記一対の係合孔は、前記ホルダー本体の外周面において前記ホルダー本体長軸と交わる一対の点を繋ぐ第1の領域、又は前記ホルダー本体短軸と交わる一対の点を繋ぐ第2の領域の少なくともいずれか一方の領域に設けられることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、平面視楕円形に形成されたホルダー本体の一対の係合孔が、ホルダー本体の外周面においてホルダー本体長軸と交わる一対の点を繋ぐ第1の領域、又はホルダー本体短軸と交わる一対の点を繋ぐ第2の領域の少なくともいずれか一方の領域に設けられることから、固定対象物に対してホルダー本体を所望の向きに配置することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となると共に、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るドリンクホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1におけるドリンクホルダーの平面図である。
【
図3】ホルダー本体と固定部材とが係合する部分の拡大平面図であり、(a)は固定部材の保持部を、ホルダー本体の外周面に取り付け、係合部材を係合孔に嵌挿させた状態を示す図、(b)は係合部材を係合溝側へスライドさせ係合溝に係合させた状態を示す図である。
【
図4】
図1におけるドリンクホルダーの使用状態を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係るドリンクホルダーの構成を示す斜視図である。
【
図6】
図5におけるドリンクホルダーの平面図である。
【
図7】
図5におけるドリンクホルダーの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、
図1-
図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るドリンクホルダーについて、また、
図5-
図7を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るドリンクホルダーについて、それぞれ説明する。
〔第1の実施形態〕
【0024】
以下、
図1-
図4を参照しながら、本発明に係るドリンクホルダーの第1の実施形態について説明する。
【0025】
図1は本発明の第1の実施形態に係るドリンクホルダーの構成を示す斜視図、
図2は
図1におけるドリンクホルダーの平面図、
図3はホルダー本体と固定部材とが係合する部分の拡大平面図であり、(a)は固定部材の保持部を、ホルダー本体の外周面に取り付け、係合部材を係合孔に嵌挿させた状態を示す図、(b)は係合部材を係合溝側へスライドさせ係合溝に係合させた状態を示す図、
図4は
図1におけるドリンクホルダーの使用状態を示す図である。
【0026】
図1及び
図2に図示する本実施形態に係るドリンクホルダー1は、飲料容器102(
図4参照)や、スマートフォン等の電子デバイス等を収納可能な車載用のホルダーである。ドリンクホルダー1は、上面が開口された有底筒状に形成されるホルダー本体2と、ホルダー本体の外周に着脱自在であって、固定対象物に固定可能な固定部材3とを備える。以下、ドリンクホルダー1の各構成について説明する。
【0027】
なお、本実施形態において、上記「固定対象物」は、車両室内に設けられた空調吹出口100のルーバー101であるものとする(
図4参照)。
【0028】
まず、ホルダー本体2について説明する。
本実施形態におけるホルダー本体2は、平面視したとき長軸と短軸とを有する楕円形に形成され(
図2参照)、内部に収納部4を有している。ホルダー本体2は、この外周面5に、係合孔6と、係合溝7と、ガイド溝8と、ガタ付き防止孔9とが設けられている。
【0029】
係合孔6と、係合溝7と、ガイド溝8と、ガタ付き防止孔9とは、それぞれ、ホルダー本体2の高さ方向において所定の間隔をあけて複数(本実施形態においては各3つ)配置されている。
【0030】
なお、詳細な説明を省略するが、ホルダー本体2の下面には、ストッパー10が設けられている(
図4参照)。ストッパー10は、ホルダー本体2からの突出長さを調整可能となっており、後端を空調吹出口100近傍に当接可能に形成されている。また、収納部4の内周面24には、飲料容器102(
図4参照)等を外側から保持可能な舌片25が複数(本実施形態においては3つ)設けられている。
【0031】
係合孔6は、
図2に図示するように、外周面5においてホルダー本体2の長軸L1と交わる一対の点P1、P2を繋ぐ領域(以下、「第1の領域S1」と称する)に一対設けられている。本実施形態においては、係合孔6は、上記点P1、P2近傍に設けられている。
【0032】
係合溝7は、係合孔6にホルダー本体2の周方向に連通するように切り欠き形成されている。ガイド溝8は、外周面5に、ホルダー本体2の周方向に沿って形成される凹状の溝であって、一対の係合孔6に連通するように形成されている。ガタ付き防止孔9は、上記第1の領域S1において、ガイド溝8に連通しホルダー本体2の周方向に延在するように貫通形成されている。
【0033】
つぎに、固定部材3について説明する。
固定部材3は、ホルダー本体2の外周面5に着脱自在であってホルダー本体2を保持可能に形成される保持部11と、保持部11に連続し、空調吹出口100のルーバー101(
図4参照)等に固定可能に形成される固定部12とを有している。
【0034】
なお、固定部12は、詳細な説明を省略するが、保持部11に対する固定部12の角度を調整することが可能な角度調整部27を有すると共に、固定部12の自由端にフック部28が設けられている。
【0035】
保持部11は、ホルダー本体2の外周面5を、この周方向において部分的に抱きかかえるようなアーム状(平面視円弧状)に形成され、この内面13がホルダー本体2の外周面5に沿うような平面視円弧状に形成されている。保持部11には、係合部材14と、スライド溝18と、ガイドリブ15と、ガタ付き防止リブ16と、嵌合リブ17とが設けられている。
【0036】
係合部材14は、保持部11がホルダー本体2の外周面5に取り付けられた状態において一対の係合孔6それぞれに嵌脱自在に係合可能に形成されている。係合部材14は、スライド溝18内を保持部11の延在方向に沿ってスライド可能に取り付けられると共に、一対の係合孔6それぞれに嵌脱自在に係合可能に形成されている。係合部材14は、係合孔6に嵌挿された状態において、係合溝7側へスライドさせることにより係合溝7に係合可能に形成されている。
【0037】
係合部材14は、より具体的には、係合部20と、スライドスイッチ21と、係止片22とを備えている。係合部20は、スライド溝18内にスライド可能に挿着されると共に、係合溝7側へスライドさせることにより係合溝7に係合可能となるように形成されている。また、係合部20は、保持部11の内面13に突設された一対のガイド片26にてガイドされている。スライドスイッチ21は、係合部20の一端に連続して形成され、保持部11の外面23側に配置されている。係止片22は、係合部20の他端に連続して形成され、保持部11の内面13側に配置されている。
【0038】
スライド溝18は、保持部11の先端側に保持部11の延在方向に沿って切り欠き形成され、保持部11がホルダー本体2の外周面5に取り付けられた状態において、ホルダー本体2の係合溝7と互いに連通するように形成されている。
【0039】
ガイドリブ15は、保持部11の内面13、且つこの先端に設けられると共に、ホルダー本体2のガイド溝8にて係合孔6へとガイド可能に形成されている。
【0040】
ガタ付き防止リブ16は、保持部11の内面13に設けられ、ホルダー本体2のガイド溝8に嵌合可能であると共に、ガイド溝8に嵌合された状態においてホルダー本体2のガタ付きを防止可能に形成されている。
【0041】
嵌合リブ17は、ガタ付き防止リブ16に連続して突設されると共に、保持部11がホルダー本体2の外周面5に取り付けられた状態においてホルダー本体2のガタ付き防止孔9に嵌合可能に形成されている。
【0042】
つぎに、ホルダー本体2への固定部材3の取り付け作業について説明する。
まず、
図1及び
図2に図示するように、固定部材3の保持部11を、ホルダー本体2の外周面5に取り付け、係合部材14を一対の係合孔6それぞれに嵌挿させる。しかる後、
図3(a)に図示するように、スライドスイッチ21を係合溝7側(矢印Aの指示する方向)へスライドさせ、
図3(b)に図示するように、係合部20を係合溝7に係合させる。以上で、ホルダー本体2への固定部材3の取り付けが完了する。
【0043】
つぎに、ドリンクホルダー1の使用方法について説明する。
図4に図示するように、ドリンクホルダー1は、フック部28にて車両室内における空調吹出口100のルーバー101等に引っ掛けると共に、ストッパー10の後端を空調吹出口100近傍に当接させることにより、空調吹出口100近傍に固定される。ホルダー本体2の収納部4には飲料容器102が収納されている。
【0044】
本実施形態に係るドリンクホルダー1は、以上の構成を有し、以下に本実施形態により得られる効果について説明する。
【0045】
本実施形態によれば、保持部11の係合部材14が、ホルダー本体2の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成される一対の係合孔6に嵌脱自在に係合可能であることから、固定部材3に対するホルダー本体2の相対的な高さを所望の高さに調整することが可能となる。これにより、ドリンクホルダー1の固定対象物が、車両室内における空調吹出口100のルーバー101である場合には、車種によって異なる空調吹出口100やこの周辺の形状に関わらず対応することが可能となる。
その結果、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダー1を提供することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態によれば、保持部11をホルダー本体2の外周面5に取り付けられた状態において、係合部材14を、係合溝7側へスライドさせることにより係合溝7に係合可能となるように形成されることから、固定部材3に対するホルダー本体2の所望の高さを調整し、この高さを保持することが可能となる。
その結果、上記の点からも、車種に関わらず対応可能な車載用のドリンクホルダー1を提供することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態によれば、保持部11のガイドリブ15とガタ付き防止リブ16とが、ホルダー本体2の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガイド溝8に嵌脱自在となることから、ガイドリブ15とガタ付き防止リブ16とがガイド溝8に嵌合された状態にてホルダー本体2のガタ付きを防止することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、保持部11の嵌合リブ17が、ホルダー本体2の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガタ付き防止孔9に嵌脱自在となることから、嵌合リブ17がガタ付き防止孔9に嵌合された状態にてホルダー本体のガタ付きを防止することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ホルダー本体2が平面視楕円形に形成されることにより、飲料容器102の他、例えば、スマートフォン等の電子デバイスを収納することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によれば、平面視楕円形に形成されたホルダー本体2の一対の係合孔6が、ホルダー本体2の外周面5においてホルダー本体2の長軸L1と交わる一対の点P1、P2を繋ぐ第1の領域S1に設けられることから、固定対象物に対してホルダー本体2を所望の向きに配置することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
【0051】
本発明に係るドリンクホルダーは、第1の実施形態の他、下記の第2の実施形態を採用してもよいものとする。以下、
図5-
図7を参照しながら、本発明に係るドリンクホルダーの第2の実施形態について説明する。
【0052】
図5は本発明の第2の実施形態に係るドリンクホルダーの構成を示す斜視図、
図6は
図5におけるドリンクホルダーの平面図、
図7は
図5におけるドリンクホルダーの使用状態を示す図である。なお、第1の実施形態と同一の構成部には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図5-
図7に図示する本実施形態におけるドリンクホルダー31は、第1の実施形態におけるホルダー本体2及び固定部材3(
図1参照)に代えて、ホルダー本体32及び固定部材33を備える点以外は、構成及び構造において第1の実施形態におけるドリンクホルダー1と基本的に同一である。以下、ホルダー本体32及び固定部材33について説明する。
【0054】
まず、ホルダー本体32について説明する。
本実施形態におけるホルダー本体32は、係合孔6及びガタ付き防止孔9の形成位置が第1の実施形態におけるホルダー本体2と異なる点以外は、ホルダー本体2と基本的に同一である。
【0055】
本実施形態において、係合孔6は、
図6に図示するように、外周面5においてホルダー本体32の短軸L2と交わる一対の点P3、P4を繋ぐ領域(以下、「第2の領域S2」と称する)に一対設けられている。本実施形態においては、係合孔6は、上記点P3、P4に設けられている。また、本実施形態において、ガタ付き防止孔9は、上記第2の領域S2に貫通形成されている。
【0056】
つぎに、固定部材33について説明する。
本実施形態における固定部材33は、保持部11に連続し、固定対象物に固定可能に形成される固定部34を有する点以外は、固定部材3と基本的に同一である。なお、本実施形態において、上記「固定対象物」は、ベースユニット35であるものとする。
【0057】
本実施形態において、ベースユニット35は、車両室内に設けられた既存のドリンクホルダー103に取り付け可能に形成されている。固定部34には、他のホルダー本体36が設けられている。ホルダー本体36は、ホルダー本体32と同様、飲料容器102(
図7参照)等を収納可能に形成されている。
【0058】
本実施形態に係るドリンクホルダー31は、以上の構成を有し、以下に本実施形態により得られる効果について説明する。
【0059】
本実施形態によれば、保持部11の係合部材14が、ホルダー本体32の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成される一対の係合孔6に嵌脱自在に係合可能であることから、固定部材33に対するホルダー本体32の相対的な高さを所望の高さに調整することが可能となる。これにより、固定対象物が、ベースユニット35である場合には、従来技術2のようなジョイント部材を用いることなくホルダー本体32を増設することが可能となる。
その結果、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダー31を提供することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態によれば、保持部11をホルダー本体32の外周面5に取り付けられた状態において、係合部材14を、係合溝7側へスライドさせることにより係合溝7に係合可能となるように形成されることから、固定部材33に対するホルダー本体32の所望の高さを調整し、この高さを保持することが可能となる。
その結果、上記の点からも、車両室内においてスペースが嵩張ることのない車載用のドリンクホルダー31を提供することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態によれば、保持部11のガイドリブ15とガタ付き防止リブ16とが、ホルダー本体32の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガイド溝8に嵌脱自在となることから、ガイドリブ15とガタ付き防止リブ16とがガイド溝8に嵌合された状態にてホルダー本体32のガタ付きを防止することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態によれば、保持部11の嵌合リブ17が、ホルダー本体32の外周面5に高さ方向において所定の間隔をあけて複数形成されるガタ付き防止孔9に嵌脱自在となることから、嵌合リブ17がガタ付き防止孔9に嵌合された状態にてホルダー本体32のガタ付きを防止することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によれば、ホルダー本体32が平面視楕円形に形成されることにより、飲料容器102の他、例えば、スマートフォン等の電子デバイスを収納することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態によれば、平面視楕円形に形成されたホルダー本体32の一対の係合孔6が、ホルダー本体32の短軸L2と交わる一対の点P3、P4を繋ぐ第2の領域S2に設けられることから、固定対象物に対してホルダー本体32を所望の向きに配置することが可能となる。
【0065】
なお、上記実施形態に記載した構成に関しては、本発明の範囲内において適宜の変更が可能であり、上記実施形態の構成には限定されない。
【0066】
上記実施形態1、2では、ホルダー本体2、32は、平面視楕円形に形成されているが、これに限らず、平面視円形に形成される構成であってもよいものとする。また、上記実施形態では、ホルダー本体2に貫通形成された一対の係合孔(被係合部)6と保持部11に設けられた係合部材(係合部)14とを備える場合を示したが、これとは逆に、図示及び詳細な説明は省略するが、保持部に一対の係合孔(被係合部)を貫通形成し、ホルダー本体に係合部材(係合部)を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1、31…ドリンクホルダー
2、32、36…ホルダー本体
3、33…固定部材
4、37…収納部
5…外周面
6…係合孔(被係合部)
7…係合溝
8…ガイド溝
9…ガタ付き防止孔
10…ストッパー
11…保持部
12、34…固定部
13…内面
14…係合部材(係合部)
15…ガイドリブ
16…ガタ付き防止リブ
17…嵌合リブ
18…スライド溝
20…係合部
21…スライドスイッチ
22…係止片
23…外面
24…内周面
25…舌片
26…ガイド片
27…角度調整部
28…フック部
35…ベースユニット
100…空調吹出口
101…ルーバー
102…飲料容器
103…既存のドリンクホルダー