IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 千住金属工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子装置の製造方法および電子装置 図1
  • 特開-電子装置の製造方法および電子装置 図2
  • 特開-電子装置の製造方法および電子装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145229
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電子装置の製造方法および電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241004BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241004BHJP
   B23K 35/26 20060101ALN20241004BHJP
   C22C 12/00 20060101ALN20241004BHJP
   C22C 13/02 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
H01L21/92 602K
H05K3/34 505E
H05K3/34 503Z
H01L21/92 604S
B23K35/26 310A
B23K35/26 310C
C22C12/00
C22C13/02
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057491
(22)【出願日】2023-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000199197
【氏名又は名称】千住金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】浅見 愛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 晶子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 久彦
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB06
5E319AC02
5E319AC03
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD21
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】耐衝撃性に優れた電子装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の電子装置の製造方法は、半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、実装基板の上面の電極部に対して、半導体チップに接合されたはんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、はんだバンプ形成工程において、上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、
実装基板の上面の電極部に対して、前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、
前記はんだバンプ形成工程において、前記上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程は、
前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部に対して、または前記実装基板の上面の前記電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の下部固定材料を供給した後、
前記実装基板の上部の前記電極部に対して、前記はんだバンプの下部を接合させるものであり、
前記実装工程において、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板と前記半導体チップとの間の空隙の全てをモールドアンダーフィル材で充填する工程を含まない、電子装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記はんだバンプ形成工程および前記実装工程の少なくとも一方の後に、フラックス残渣を洗浄する洗浄工程を実施しない、電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電子装置の製造方法であって、
固相線温度を融点としたとき、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点が180℃以下である、電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスが、熱硬化性樹脂および活性剤を含み、
前記熱硬化性ソルダペーストが、前記熱硬化性フラックスおよびはんだ粉を含む、電子装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスまたは前記熱硬化性ソルダペーストに含まれる前記熱硬化性フラックスについて、示差熱走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で測定されるDSC曲線に基づいて、発熱ピーク温度(℃)を測定したとき、
前記発熱ピーク温度が、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点をT(℃)としたとき、[T+10]℃以上[T+50]℃以下である、電子装置の製造方法。
【請求項10】
実装基板と、
半導体チップと、
前記実装基板の上面の電極部と半導体チップの下面の電極部とを接合する低融点はんだからなるはんだバンプと、を備え、
前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される上部樹脂補強部を備える、電子装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される下部樹脂補強部を備える、電子装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置。
【請求項13】
請求項11に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置。
【請求項14】
請求項10または11に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記半導体チップの下面との間において、モールドアンダーフィル材が充填していない空隙部が形成されている、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の製造方法および電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで電子装置の製造過程で使用されるはんだ接合方法について様々な開発がなされてきた。
この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、バンプ付電子部品のはんだバンプに、第1のボンドを塗布した後、基板の電極に位置合わせして搭載した後、第2のボンドをディスペンサによりバンプ付電子部品と基板との間の全体に充填する方法が記載されている(特許文献1の図1~2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-031187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の電子装置の製造方法において、電子装置の耐衝撃性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的に、低融点を有する低温はんだを使用してはんだ接合した場合、落下時における電子装置の耐衝撃性が低いことが知られている。
そこで、上記の特許文献1のはんだ接続方法のように、低温はんだバンプの下部と実装基板の上面とを熱硬化性樹脂で補強することを検討したが、耐衝撃性を十分に高められないでいた。
本発明者により、低温はんだバンプを使用した電子装置について、落下時の破断箇所を観察した結果、半導体チップの下面と低温はんだバンプの下部との間に多くの破断箇所が確認された。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、半導体チップの下面にある電極部と低温はんだバンプの下部とのはんだ接続構造を樹脂補強することにより、低温はんだを使用した電子装置における耐衝撃性を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の電子装置の製造方法および電子装置が提供される。
1. 半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、
実装基板の上面の電極部に対して、前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、
前記はんだバンプ形成工程において、前記上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
2. 1.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程は、
前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部に対して、または前記実装基板の上面の前記電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の下部固定材料を供給した後、
前記実装基板の上部の前記電極部に対して、前記はんだバンプの下部を接合させるものであり、
前記実装工程において、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
3. 2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置の製造方法。
4. 2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置の製造方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板と前記半導体チップとの間の空隙の全てをモールドアンダーフィル材で充填する工程を含まない、電子装置の製造方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法であって、
前記はんだバンプ形成工程および前記実装工程の少なくとも一方の後に、フラックス残渣を洗浄する洗浄工程を実施しない、電子装置の製造方法。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法であって、
固相線温度を融点としたとき、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点が180℃以下である、電子装置の製造方法。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスが、熱硬化性樹脂および活性剤を含み、
前記熱硬化性ソルダペーストが、前記熱硬化性フラックスおよびはんだ粉を含む、電子装置の製造方法。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスまたは前記熱硬化性ソルダペーストに含まれる前記熱硬化性フラックスについて、示差熱走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で測定されるDSC曲線に基づいて、発熱ピーク温度(℃)を測定したとき、
前記発熱ピーク温度が、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点をT(℃)としたとき、[T+10]℃以上[T+50]℃以下である、電子装置の製造方法。
10. 実装基板と、
半導体チップと、
前記実装基板の上面の電極部と半導体チップの下面の電極部とを接合する低融点はんだからなるはんだバンプと、を備え、
前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される上部樹脂補強部を備える、電子装置。
11. 10.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される下部樹脂補強部を備える、電子装置。
12. 11.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置。
13. 10.または11.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置。
14. 11.~13.のいずれか一つに記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記半導体チップの下面との間において、モールドアンダーフィル材が充填していない空隙部が形成されている、電子装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐衝撃性に優れた電子装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す工程断面図である。
図2】本実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す工程断面図である。
図3】本実施形態の半導体装置の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。したがって、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0010】
本実施形態の電子装置の製造方法の概要を説明する。
本実施形態の電子装置の製造方法は、半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、実装基板の上面の電極部に対して、半導体チップに接合されたはんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、はんだバンプ形成工程において、上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、半導体チップの下面とはんだバンプの上部とに保持された状態となる。
【0011】
本発明者の知見によれば、低融点はんだ接合部分において、半導体チップの下面とはんだバンプの上部とを樹脂補強することにより、電子装置における耐衝撃性を向上できることが判明した。
【0012】
詳細なメカニズムは定かではないが、半導体チップの下面と低融点はんだバンプの上部とに保持された上部樹脂補強部(樹脂補強構造)が、落下時などの外部衝撃を緩和することにより、低温はんだ接合の破損を抑制できる、と考えられる。
【0013】
好ましい形態の一つでは、はんだバンプの上部に加えて、実装基板の上面と低融点はんだバンプの下部を下部樹脂部(樹脂補強構造)により補強できる。これにより、電子装置における耐衝撃性をより一層向上できる。これにより、低温はんだ接合の接合寿命の長期化が期待できる。
【0014】
また好ましい形態の一つでは、低融点はんだバンプの上部を樹脂補強することにより、または低融点はんだバンプの上部および下部のそれぞれを樹脂補強することにより、モールドアンダーフィル材の充填・硬化工程の一部または全部を省略することが可能になる。
また、モールドアンダーフィル材の充填・硬化工程を省略することにより、モールドアンダーフィル材を使用した場合に懸念される、硬化不良、マイグレーション、膨張による断線等の不具合を回避することが可能になる。
【0015】
<電子装置の製造方法>
以下、本実施形態の電子装置の製造方法の各工程を詳述する。
【0016】
本実施形態の電子装置の製造方法の一例は、はんだバンプ形成工程と実装工程とを少なくとも含む。
はんだバンプ形成工程では、上部固定材料を介してはんだボールと半導体チップの電極部とをはんだ接合する。また、実装工程では、下部固定材料または、下部固定材料以外の通常使用されるフラックスを介してはんだバンプと実装基板の電極部とをはんだ接合する。
【0017】
かかる実装工程の一例は、半導体チップに接合されたはんだバンプの下部に、または実装基板の上面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の下部固定材料を供給した後、実装基板の上部の電極部に対して、はんだバンプの下部を接合させるものである。このような実装工程において、下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、実装基板の上面とはんだバンプの下部とに保持された状態となる。
【0018】
図1および図2は、本実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す工程断面図である。図1は、はんだバンプ形成工程に対応し、図2は、実装工程に対応する。
以下、半導体装置の製造工程の一例について、図1(a)~(c)および図2(a)~(c)を用いて具体的に説明する。
【0019】
まず、図1(a)に示すように、半導体チップ10の下面12の電極部14に対して、上部固定材料50を供給する。
供給方法としては、フラックスやペーストに用いられる公知の供給方法のいずれかを用いることができるが、例えば、スクリーン印刷等の用印刷方法、ピン転写等の転写方法、ジェットディスペンス、ディスペンス等の吐出方法が用いられる。
また、上部固定材料50の供給量や供給位置については、適宜設計可能である。
【0020】
半導体チップ10とは、MAP(Mold Array Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)、LF-BGA(Lead Flame BGA)、FCBGA(Flip Chip BGA)、MAPBGA(Molded Array Process BGA)、eWLB(Embedded Wafer-Level BGA)、Fan-In型eWLB、Fan-Out型eWLBなどが挙げられる。
なお、半導体チップ10の他にも、PCB基板上にはんだ接続により搭載される電子部品であればとくに限定なく使用できる。
【0021】
続いて、図1(b)に示すように、はんだボール20を、上部固定材料50により覆われた電極部14に搭載する。具体的には、はんだボール20と半導体チップ10の下面12側にある電極部14とを位置合わせした後、上部固定材料50を介して、はんだボール20の上部と電極部14とを接触させる。
搭載方法としては、公知の方法を使用できるが、例えば、ボール振り込み法やマウント法などが用いられる。
【0022】
その後、図1(c)に示すように、はんだボール20の融点以上に加熱して、はんだボール20の上部と電極部14とをはんだ接合する。加熱の開始は、はんだボール20と電極部14との接触させた後、あるいは、両者の接触と同時に実施する。加熱方法としては、リフロー炉で加熱するリフローが好ましい。
はんだ接合時の加熱により、はんだボール20は、はんだボール20が溶融し、その一部が、電極部14に接合することにより、図1(c)に示すはんだバンプ21となる。以降のプロセスでは、はんだボール20をはんだバンプ21と呼称する。
【0023】
はんだボール20の接合時において、上部固定材料50のフラックス作用により、はんだボール20の上部表面は、酸化膜が還元される等によりはんだ接合に良好な状態となる。
【0024】
また、図1(c)に示すように、はんだボール20の接合時の加熱により、上部固定材料50に含まれるフラックス残渣が硬化して樹脂硬化物が形成される。この樹脂硬化物が、上部樹脂補強部51(樹脂補強構造)となる。上部樹脂補強部51は、少なくとも半導体チップ10の下面12とはんだバンプ21の上部とに保持された構造を有する。ただし、上部樹脂補強部51が、はんだバンプ21の全面を被覆せずに、はんだバンプ21の下部(実装基板30側の電極部34との接続部分)を少なくとも露出するように構成される。
【0025】
はんだボール20は、低融点はんだ材料からなるものであればよい。
低融点はんだ材料として、例えば、Bi、In等の金属をSnに加えて合金化させた共晶はんだを用いることができ、SnBi系はんだ合金が好ましい。
SnBi系はんだ合金は、約20~70質量%のBiを含んでもよく、必要に応じて、Ag、Cu、Sb、およびNi等の他の元素を一または二以上含んでもよい。なお、SnBi系はんだ合金は、例えば、約5質量%以下の他の元素を含んでもよい。SnBi系はんだ合金中の、Biおよび他の元素の残部がSnとなる。
低融点はんだ材料の融点の上限は、例えば、180℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは140℃以下である。
一方、低融点はんだ材料の融点の下限は、とくに限定されないが、例えば、100℃以上としてもよい。
なお、低融点はんだ材料の融点は、JIS Z3198-1:2014に準じて、DSCにより得られた溶融曲線に基づいて算出された固相線温度(℃)を採用する。
【0026】
上部固定材料50は、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方である。
熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストは、フラックス作用を有しており、フラックス残渣の樹脂硬化物により樹脂補強構造を形成するものであればよい。
フラックス作用とは、はんだ表面に生じた酸化皮膜を除去するという還元作用、やはんだの表面張力を低下させて、濡れ性を促進する作用等を意味する。
【0027】
上述のはんだバンプ形成工程で得られた、図2(a)に示すはんだバンプ21付きの半導体チップ10と、実装基板30とを準備する。
【0028】
実装基板30は、プリント基板(PCB基板)でもよいし、フレキシブル・プリント基板でもよい。実装基板30の用途は、特に制限されない。
【0029】
続いて、半導体チップ10側あるいは実装基板30側のいずれか一方に下部固定材料60を供給する。
半導体チップ10側に供給する場合、図2(b1)に示すように、半導体チップ10に接合されたはんだバンプ21の下部に対して下部固定材料60を供給する。
あるいは、実装基板30側に供給する場合、図2(b2)に示すように、実装基板30の上面32の電極部34に対して、下部固定材料60を供給する。
【0030】
ここで、実装基板30は、半導体チップ10のはんだバンプ21と接続するための電極部34の他に、半導体チップ10以外の電気部品と接続するための電極部35を上面32に有してもよい。このような実装基板30側に供給する場合、はんだバンプ21に対応する電極部34にのみ、下部固定材料60を供給する。
また、実装基板30は、1個または2個以上の半導体チップ10を搭載する搭載エリアを上面32に有する。この搭載エリア毎に、半導体チップ10が有する複数の電極部14の配列パターンに対応した、複数の電極部34の配列パターンを有している。
【0031】
下部固定材料60の供給方法は、上部固定材料50の供給方法で例示したものを使用できる。ただし、はんだバンプ21の下部に下部固定材料60を供給する場合、上述の例示に加えて、ディッピング法を用いてもよい。
また、下部固定材料60の供給量や供給位置については、適宜設計可能である。
【0032】
続いて、図2(c)に示すように、下部固定材料60で覆われたはんだバンプ21の下部と実装基板30の上面32の電極部34とを接触させ、または、はんだバンプ21の下部と実装基板30の上面32の下部固定材料60で覆われた電極部34とを接触させる。そして、接触した後または接触と同時に、加熱することにより、はんだバンプ21の下部と電極部34とをはんだ接合する。加熱方法としては、リフロー炉で加熱するリフローが好ましい。
【0033】
ここで、下部固定材料60のフラックス作用により、はんだバンプ21の下部表面は、酸化膜が還元される等によりはんだ接合に良好な状態となる。
また、図2(c)に示すように、はんだバンプ21の接合の加熱により、下部固定材料60に含まれるフラックス残渣が硬化して樹脂硬化物が形成される。この樹脂硬化物が、下部樹脂補強部61(樹脂補強構造)となる。下部樹脂補強部61は、少なくともはんだバンプ21の下部と実装基板30の上面32とに保持された構造を有する。
【0034】
以上により、はんだバンプ21の上部および下部のそれぞれを補強する上部樹脂補強部51および下部樹脂補強部61を備える電子装置1が得られる。得られた電子装置1の一部を模式的に示す断面図を図3に示す。
【0035】
別の形態の一つでは、電子装置の製造方法は、実装工程の後(例えば、図2(c)の後)、実装基板30と半導体チップ10との間の空隙の全てをモールドアンダーフィル材で充填する工程を含まなくてもよい。ここで、空隙とは、半導体チップ10の下面12と実装基板30の上面32とに挟まれた空間のうち、はんだバンプ21、上部樹脂補強部51、場合によっては、下部樹脂補強部61や電極部34などを除外した充填可能空間を意味する。充填可能空間には、一部にモールドアンダーフィル材が充填されていてもよいが、全体に充填されていないことが好ましい。
【0036】
また、別の形態の一つでは、電子装置の製造方法は、はんだバンプ形成工程および実装工程の少なくとも一方の後に、フラックス残渣を洗浄する洗浄工程を実施しないでもよい。これにより、電子装置の製造方法の製造効率を高められる。
【0037】
また、別の形態の一つでは、実装工程は、下部固定材料60に代えて、水溶性フラックッス等の公知のフラックスを使用してもよい。これにより、図2(c)の電子装置1は、はんだバンプ21の上部に形成された上部樹脂補強部51のみ有していて、その下部に形成された下部樹脂補強部61を有しないものでもよい。
【0038】
別の形態では、下部固定材料60の供給量などを調整して、図2(c)で形成される下部樹脂補強部61の構造を制御することが可能である。
【0039】
得られる電子装置1の所定の基板厚み方向の断面視において、同じはんだバンプ21に形成される上部樹脂補強部51と下部樹脂補強部61とは、互いに分離した構造を有してもよいが、下部樹脂補強部61の少なくとも一部が上部樹脂補強部51に接合した構造を有してもよく、下部樹脂補強部61が上部樹脂補強部51の表面全体を被覆する構造を有してもよい。
【0040】
また、得られる電子装置1の所定の基板厚み方向の断面視において、最隣接する2つのはんだバンプ21の間の離間部において、一方の下部樹脂補強部61の一部が他方の下部樹脂補強部61の一部と接合していてもよく、一方または他方あるいは両方の下部樹脂補強部61により離間部の一部または全体が充填されていてもよい。
【0041】
図3に示す電子装置1(または、図2(c)に示す、実装工程後における実装基板30)の断面の少なくとも一つにおいて、はんだバンプ21の高さをH、はんだバンプ21の半径をWとし、下部樹脂補強部61の樹脂高さをH、下部樹脂補強部61の樹脂幅をHと定義する。
はんだバンプ21の高さは最大値、はんだバンプ21の半径は、最大径の半分を意味する。また、下部樹脂補強部61の樹脂高さおよび樹脂幅は最大値を意味する。
測定対象となるはんだバンプ21には、半導体チップ10が実装される実装エリア中の最外周に位置するはんだバンプA、および、実装エリアの内部でも、隣接はんだバンプ距離が上記Wの4倍以上となるはんだバンプBを含める。測定対象となる下部樹脂補強部61には、はんだバンプAおよびはんだバンプBのそれぞれに形成された下部樹脂補強部61のうち、隣接はんだバンプ距離が4×W以上の側にあるものを含める。そして、測定対象となるはんだバンプ21および下部樹脂補強部61のそれぞれの測定値の平均値を、下記の樹脂高さ比、下記の樹脂幅比とする。
【0042】
上記のH、Hを用いて、はんだバンプ21の高さに対する下部樹脂補強部61の樹脂高さの割合、すなわち、樹脂高さ比(%)を、H/H×100から算出する。
上記の樹脂高さ比(%)の下限は、例えば、10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。これにより、電子装置における耐衝撃性をより一層向上できる。
上記の樹脂高さ比(%)の上限は、特に限定されないが、100%以下でもよく、90%以下でもよい。
【0043】
また、上記のW、Wを用いて、はんだバンプ21の半径に対する下部樹脂補強部61の樹脂幅の割合、すなわち、樹脂幅比(%)を、W/W×100から算出する。
上記の樹脂幅比(%)の下限は、例えば、30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。これにより、電子装置における耐衝撃性をより一層向上できる。
上記の樹脂幅比(%)の上限は、特に限定されないが、100%超えでもよく、100%以下でもよく、90%以下でもよい。
【0044】
<<熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペースト>>
熱硬化性フラックスの一例は、熱硬化性樹脂と活性剤とを含むものが使用できる。
また、熱硬化性ソルダペーストの一例は、熱硬化性フラックスに含まれる成分に加えて、さらにはんだ粉を含むものが使用できる。
【0045】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、必要なら、熱硬化性樹脂の硬化剤や熱硬化性樹脂の硬化触媒を含んでもよい。
後述の発熱ピーク温度を所望の範囲に調整するための要素として、例えば、硬化剤の種類、触媒の種類、あるいはこれらの配合比率を適当に調整すること等が挙げられる。
【0046】
活性剤としては、例えば、有機酸、有機ハロゲン化合物、アミンハロゲン化水素酸塩等が挙げられる。
【0047】
熱硬化性フラックスは、上記の成分の他に、ベース樹脂、チクソ剤、溶剤等を含んでもよい。
また、熱硬化性フラックスは、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、着色剤、消泡剤、界面活性剤、つや消し剤等が挙げられる。
これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
熱硬化性ソルダペーストに含まれるはんだ粉は、上述の低融点はんだ材料からなるはんだ粉が好ましい。
はんだ粉の平均粒径(メジアン径)は、例えば、5μm~45μm、好ましくは10μm~35μmである。
また、熱硬化性ソルダペーストに含まれる熱硬化性フラックスの含有量は、例えば、10質量%~80質量%、好ましくは15質量%~70質量%である。
本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
【0049】
熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストに含まれる熱硬化性フラックスについて、示差熱走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、DSC7020)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で測定されるDSC曲線に基づいて、発熱ピーク温度(℃)を測定する。
DSCの測定対象として、熱硬化性ソルダペーストについては、熱硬化性ソルダペーストからはんだ粉を除外したフラックス成分を使用すればよく、熱硬化性ソルダペーストを遠心分離してはんだ粉を除外して抽出した熱硬化性フラックスを使用してもよい。
また、得られたDSC曲線において、平坦な部分を初期としてベースラインを引くのが好ましい。
【0050】
上記の発熱ピーク温度は、例えば、[T+10]℃以上[T+50]℃以下、好ましくは[T+15]℃以上[T+45]℃以下、より好ましくは[T+20]℃以上[T+40]℃以下である。
発熱ピーク温度を上記下限値以上とすることにより、はんだ付け不良を抑制できる。また、発熱ピーク温度を上記上限値以下とすることにより、上述のはんだ接合時の加熱(リフロー)によって、上部固定材料50や下部固定材料60に含まれるフラックス残渣を適度に硬化させることが可能となる。なお、必要ならリフロー後にアフターキュアを実施してもよいが、発熱ピーク温度を上記上限値以下とすることにより、かかるアフターキュアが不要となり、生産性を高められる。
【0051】
<電子装置>
図2は、本実施形態の電子装置1の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態の電子装置1は、実装基板30と、半導体チップ10と、実装基板30の上面32の電極部34と半導体チップ10の下面12の電極部14とを接合する低融点はんだからなるはんだバンプと、を備える。このような電子装置1は、半導体チップ10の下面12とはんだバンプ21の上部とに保持されている上部樹脂補強部51を備える。この上部樹脂補強部51は、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される。
【0052】
また別の形態の電子装置1は、実装基板30の上面32とはんだバンプ21の下部とに保持されている下部樹脂補強部61をさらに備えることが好ましい。この下部樹脂補強部61は、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される。
【0053】
また別の形態の電子装置1は、実装基板30の上面32と半導体チップ10の下面12との間において、モールドアンダーフィル材が充填していない空隙部が形成されていてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【実施例0055】
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0056】
<電子装置の製造>
[実施例1]
図1~2に概要を示すように、下記の具体的な手順に従って電子装置1を製造した。
下記のCSP(半導体チップ10)の下面12にある複数の電極部14のそれぞれに、下記の熱硬化性フラックス(上部固定材料50)を塗布した(図1(a))。続いて、複数の電極部14に対応する位置のそれぞれに、はんだボール20(SnBi系はんだ合、融点:約139℃、直径:約300μm)を搭載した(図1(b))。続いて、ピーク温度約190℃でリフローして、はんだバンプ21と電極部14と接合させた(図1(c))。このとき、熱硬化性フラックのフラックス残渣が硬化して上部樹脂補強部51が形成された(はんだバンプ形成工程)。以上により得られた、図2(a)に示すはんだバンプ21付きの半導体チップ10において、上部樹脂補強部51は、半導体チップ10の下面12の一部とはんだバンプ21の上部の一部とを覆うが、はんだバンプ21の下部は露出するように形成された状態であった。
続いて、下記のPCB基板(実装基板30)の複数の電極部34に、下記の熱硬化性ソルダペーストを塗布した後(図2(b2))、半導体チップ10のはんだバンプ21の下部と実装基板30の上面32の電極部34とを接触させ、ピーク温度約190℃でリフローして、はんだバンプ21と電極部34とを接合させた(図2(c))。このとき、熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣が硬化して下部樹脂補強部61が形成された(実装工程)。下部樹脂補強部61は、実装基板30の上面32の一部とはんだバンプ21の下部の一部とを少なくとも覆う状態であった。
以上により、図3の概要に示される、電子装置1を得た。
【0057】
(材料)
・半導体チップ
CSP(Chip Size Package)
パッケージサイズ:12×12×1.1mm
ピッチ:0.5mm
Ball Size:直径0.3mm
Bump:192個
・実装基板
PCB基板
基板サイズ:174×140×0.8mm
素材:FR-4(MCL-E-67 Hitachi chemical社製)
Land:NSMD
【0058】
・熱硬化性フラックス
エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、および活性剤を、所定割合で混合して、熱硬化性フラックスを調整した。熱硬化性フラックスの発熱ピーク温度は、約170℃であった。
発熱ピーク温度は、示差熱走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、DSC7020)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で、熱硬化性フラックスのDSC曲線を測定し、得られたDSC曲線から求めた。DSC曲線は、平坦な部分を初期としてベースラインを引いたものを使用した。
・熱硬化性ソルダペースト
上記の熱硬化性フラックスが60質量%となるように、低融点はんだ材料のはんだ粉(SnBi系はんだ合、融点:約139℃、平均粒径:約20μm)を混合して、熱硬化性ソルダペーストを得た。
【0059】
(電子装置の断面観察)
図3に示す電子装置1の断面の一つにおいて、はんだバンプ21の高さをH、はんだバンプ21の半径をWとし、下部樹脂補強部61の樹脂高さをH、下部樹脂補強部61の樹脂幅をHと定義する。
はんだバンプ21の高さは最大値、はんだバンプ21の半径は、最大径の半分を意味する。また、下部樹脂補強部61の樹脂高さおよび樹脂幅は最大値を意味する。
上記のH、Hを用いて、はんだバンプ21の高さに対する下部樹脂補強部61の樹脂高さの割合、すなわち、樹脂高さ比(%)を、H/H×100から算出する。また、上記のW、Wを用いて、はんだバンプ21の半径に対する下部樹脂補強部61の樹脂幅の割合、すなわち、樹脂幅比(%)を、W/W×100から算出する。
測定対象となるはんだバンプ21には、半導体チップ10が実装される実装エリア中の最外周に位置するはんだバンプA、および、実装エリアの内部でも、隣接はんだバンプ距離が上記Wの4倍以上となるはんだバンプBを含める。測定対象となる下部樹脂補強部61には、はんだバンプAおよびはんだバンプBのそれぞれに形成された下部樹脂補強部61のうち、隣接はんだバンプ距離が4×W以上の側にあるものを含める。そして、測定対象となるはんだバンプ21および下部樹脂補強部61のそれぞれの測定値の平均値を、上記の樹脂高さ比、上記の樹脂幅比とする。
ここで、実施例1および後述の実施例2~3、比較例2における電子装置1の断面の写真には、16個のはんだバンプ21が含まれており、隣接するはんだバンプ21の間隔は、基本的には、上記のピッチ(0.5mm)であった。ただし、左端を基準として、5番目と6番目の間、8番目と9番目の間、11番目と12の間における隣接はんだバンプ距離が4×W以上であった。
実施例1および後述の実施例2~3、比較例2では、測定対象として、はんだバンプAに分類される1、16番目のはんだバンプ21、はんだバンプBに分類される5番目、6番目、8番目、9番目、11番目、および12番目のはんだバンプ21を合わせた8点を採用した。
【0060】
[実施例2~3]
上記の実装工程において、下部樹脂補強部61の樹脂高さ比や樹脂幅比が表1の値となるように、上記の熱硬化性ソルダペーストを塗布した以外、実施例1と同様にして、電子装置1を得た。
【0061】
[実施例4]
上記の実装工程において、上記の熱硬化性ソルダペーストに代えて、市販の水溶性フラックスを塗布した以外、実施例1と同様にして、電子装置1を得た。ただし、実施例4の電子装置1には、上部樹脂補強部51が形成されたが、下部樹脂補強部61が形成されなかった。
【0062】
[比較例1]
上記のはんだバンプ形成工程において、熱硬化性フラックに代えて、市販の水溶性フラックスを使用し、上記の実装工程において、上記の熱硬化性ソルダペーストに代えて、市販の水溶性フラックスを塗布した以外、実施例1と同様にして、電子装置1を得た。ただし、比較例1の電子装置1には、上部樹脂補強部51および下部樹脂補強部61が形成されなかった。
【0063】
[比較例2]
上記のはんだバンプ形成工程において、熱硬化性フラックに代えて、市販の水溶性フラックスを使用し、かつ、上記の実装工程において、下部樹脂補強部61の樹脂高さ比や樹脂幅比が表1の値となるように、上記の熱硬化性ソルダペーストを塗布した以外、実施例1と同様にして、電子装置1を得た。ただし、比較例2の電子装置1には、上部樹脂補強部51が形成されないが、下部樹脂補強部61が形成された。
【0064】
【表1】
【0065】
上記で製造された電子装置について、以下の項目を評価した。
【0066】
<落下衝撃試験>
JEDEC規格である「1500G、0.5msの衝撃波形」を発生させる衝撃試験機(神栄テクノロジー株式会社製、HDST-230)を用いて、上記で得られた電子装置に対して、規格の衝撃を加える落下衝撃試験を繰り返し実施した。
【0067】
(平均落下回数)
上記で得られた電子装置について、複数の電子機器をつなぐことにより(デイジーチェーン)、抵抗値を測定できるシステムを構築した。
1.上記<落下衝撃試験>の前に、初期の抵抗値(R)を測定した。
2.続いて、上記<落下衝撃試験>を1回行う毎に、抵抗値を測定した。このとき、X回目の電子装置の抵抗値をRとした。ただし、Xは落下回数とする。
3.R/Rが1.5以上となったとき、電子装置中の半導体チップ10と実装基板30との接続部分に破断が発生したと判断した(落下衝撃試験中に破断し始めた箇所は、導通が取れなくなるため、抵抗が上がり始めるため)。そして、この破断が発生したときの、Xを破断時落下回数とする。
上記1.~3.の手順を、繰り返し8回実施した。そして、破断時落下回数の平均値を算出し、上記の平均落下回数とした。結果を表1に示す。
【0068】
(故障率)
上記で得られた電子装置に対して、表1の平均落下回数分だけ、上記<落下衝撃試験>を実施した。
その後、電子装置の断面の一つ(ただし、バンプに破断がある列を選択する)を観察して、破断があるバンプ数をカウントした。
観察した電子装置の断面中、破断があるバンプ数をN個とし、全バンプ数をP個(今回は16個)としたとき、破断のある列の全バンプ数から破断バンプ数の占める割合、すなわち、式:N/P×100に基づいて、故障率(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0069】
(総合評価)
上記(平均落下回数)および上記(故障率)の結果を踏まえて、電子装置の耐衝撃性について、優、良、可、不可の順の4段階で判断した。結果を表1に示す。
【0070】
実施例1~4の製造方法で得られた電子装置は、比較例1,2と比べて、耐衝撃性に優れる結果を示した。
【符号の説明】
【0071】
1 電子装置
10 半導体チップ
12 下面
14 電極部
20 はんだボール
21 はんだバンプ
30 実装基板
32 上面
34、35 電極部
50 上部固定材料
51 上部樹脂補強部
60 下部固定材料
61 下部樹脂補強部
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、融点が180℃以下の低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、
実装基板の上面の電極部に対して、前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、
前記はんだバンプ形成工程において、前記上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程は、
前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部に対して、または前記実装基板の上面の前記電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の下部固定材料を供給した後、
前記実装基板の上部の前記電極部に対して、前記はんだバンプの下部を接合させるものであり、
前記実装工程において、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
【請求項3】
半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、融点が180℃以下の低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、
実装基板の上面の電極部に対して、前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、
前記実装工程は、
前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部に対して、または前記実装基板の上面の前記電極部に対して、融点が180℃以下の低融点はんだ材料からなるはんだ粉を含む熱硬化性ソルダペーストの下部固定材料を供給した後、
前記実装基板の上部の前記電極部に対して、前記はんだバンプの下部を接合させるものであり、
前記はんだバンプ形成工程において、前記上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となり、
前記実装工程において、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置の製造方法。
【請求項5】
請求項2または3に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1またはに記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板と前記半導体チップとの間の空隙の全てをモールドアンダーフィル材で充填する工程を含まない、電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1またはに記載の電子装置の製造方法であって、
前記はんだバンプ形成工程および前記実装工程の少なくとも一方の後に、フラックス残渣を洗浄する洗浄工程を実施しない、電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1またはに記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスが、熱硬化性樹脂および活性剤を含み、
前記熱硬化性ソルダペーストが、前記熱硬化性フラックスおよび融点が180℃以下の低融点はんだ材料からなるはんだ粉を含む、電子装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1またはに記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスまたは前記熱硬化性ソルダペーストに含まれる前記熱硬化性フラックスについて、示差熱走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で測定されるDSC曲線に基づいて、発熱ピーク温度(℃)を測定したとき、
前記発熱ピーク温度が、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点をT(℃)としたとき、[T+10]℃以上[T+50]℃以下である、電子装置の製造方法。
【請求項10】
実装基板と、
半導体チップと、
前記実装基板の上面の電極部と半導体チップの下面の電極部とを接合する低融点はんだからなるはんだバンプと、を備え、
前記低融点はんだからなるはんだボールの融点が180℃以下であり、
前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される上部樹脂補強部を備
下記の落下衝撃試験により求められる平均落下回数が74回以上である、
電子装置。
<落下衝撃試験>
JEDEC規格である「1500G、0.5msの衝撃波形」を発生させる衝撃試験機を用いて、当該電子装置に対して、規格の衝撃を加える落下衝撃試験を繰り返し実施する。
(平均落下回数の算出)
当該電子装置について、複数の電子機器をつなぐことにより(デイジーチェーン)、抵抗値を測定できるシステムを構築する。
1.上記<落下衝撃試験>の前に、初期の抵抗値(R )を測定する。
2.続いて、上記<落下衝撃試験>を1回行う毎に、抵抗値を測定した。このとき、X回目の電子装置の抵抗値をR とした。ただし、Xは落下回数とする。
3.R /R が1.5以上となったとき、当該電子装置中の半導体チップと実装基板との接続部分に破断が発生したと判断する。そして、この破断が発生したときの、Xを破断時落下回数とする。
上記1.~3.の手順を、繰り返し8回実施する。そして、破断時落下回数の平均値を算出し、上記の平均落下回数とする。
【請求項11】
請求項10に記載の電子装置であって、
落下耐衝撃性を有する電子装置。
【請求項12】
請求項10に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される下部樹脂補強部を備える、電子装置。
【請求項13】
請求項10に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持されており、融点が180℃以下の低融点はんだ材料からなるはんだ粉を含む熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される下部樹脂補強部を備える、電子装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH、前記下部樹脂補強部の樹脂高さをHとしたとき、H/H×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置。
【請求項15】
請求項12または13に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW、前記下部樹脂補強部の樹脂幅をWとしたとき、W/W×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置。
【請求項16】
請求項10または11に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記半導体チップの下面との間において、モールドアンダーフィル材が充填していない空隙部が形成されている、電子装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 半導体チップの下面の電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の上部固定材料を接触させつつ、低融点はんだからなるはんだボールの上部を接合して、はんだバンプを形成するはんだバンプ形成工程と、
実装基板の上面の電極部に対して、前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部を接合する実装工程と、を含み、
前記はんだバンプ形成工程において、前記上部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
2. 1.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程は、
前記半導体チップに接合された前記はんだバンプの下部に対して、または前記実装基板の上面の前記電極部に対して、熱硬化性フラックスおよび熱硬化性ソルダペーストの少なくとも一方の下部固定材料を供給した後、
前記実装基板の上部の前記電極部に対して、前記はんだバンプの下部を接合させるものであり、
前記実装工程において、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物が、前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持された状態となる、電子装置の製造方法。
3. 2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH 、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂高さをH としたとき、H /H ×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置の製造方法。
4. 2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW 、前記下部固定材料中のフラックス残渣の樹脂硬化物からなる下部樹脂補強部の樹脂幅をW としたとき、W /W ×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置の製造方法。
5. 1.または2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記実装工程の後、前記実装基板と前記半導体チップとの間の空隙の全てをモールドアンダーフィル材で充填する工程を含まない、電子装置の製造方法。
6. 1.または2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記はんだバンプ形成工程および前記実装工程の少なくとも一方の後に、フラックス残渣を洗浄する洗浄工程を実施しない、電子装置の製造方法。
7. 1.または2.に記載の電子装置の製造方法であって、
固相線温度を融点としたとき、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点が180℃以下である、電子装置の製造方法。
8. 1.または2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスが、熱硬化性樹脂および活性剤を含み、
前記熱硬化性ソルダペーストが、前記熱硬化性フラックスおよびはんだ粉を含む、電子装置の製造方法。
9. 1.または2.に記載の電子装置の製造方法であって、
前記熱硬化性フラックスまたは前記熱硬化性ソルダペーストに含まれる前記熱硬化性フラックスについて、示差熱走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度20℃/minで、25℃~250℃の範囲で測定されるDSC曲線に基づいて、発熱ピーク温度(℃)を測定したとき、
前記発熱ピーク温度が、前記低融点はんだからなるはんだボールの融点をT(℃)としたとき、[T+10]℃以上[T+50]℃以下である、電子装置の製造方法。
10. 実装基板と、
半導体チップと、
前記実装基板の上面の電極部と半導体チップの下面の電極部とを接合する低融点はんだからなるはんだバンプと、を備え、
前記半導体チップの下面と前記はんだバンプの上部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される上部樹脂補強部を備える、電子装置。
11. 10.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記はんだバンプの下部とに保持されており、熱硬化性フラックスまたは熱硬化性ソルダペーストのフラックス残渣の樹脂硬化物で構成される下部樹脂補強部を備える、電子装置。
12. 11.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの高さをH 、前記下部樹脂補強部の樹脂高さをH としたとき、H /H ×100から算出される樹脂高さ比が、10%以上である、電子装置。
13. 11.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の断面の一つにおいて、前記はんだバンプの半径をW 、前記下部樹脂補強部の樹脂幅をW としたとき、W /W ×100から算出される樹脂幅比が、30%以上である、電子装置。
14. 10.または11.に記載の電子装置であって、
前記実装基板の上面と前記半導体チップの下面との間において、モールドアンダーフィル材が充填していない空隙部が形成されている、電子装置。