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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145231
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ノイズフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   H01F 27/36 20060101ALI20241004BHJP
   H01F 17/06 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K9/00 L
H01F27/36 101
H01F17/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057495
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000242231
【氏名又は名称】北川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】青山 寛
(72)【発明者】
【氏名】大橋 良紀
(72)【発明者】
【氏名】森田 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】安西 祐貴
【テーマコード(参考)】
5E070
5E321
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB08
5E070BA16
5E070BA18
5E070CA07
5E321AA14
5E321AA32
5E321BB51
5E321CC03
5E321CC22
5E321CC30
5E321GG09
(57)【要約】
【課題】シールドケーブルが有するシールド層とグランド部とを電気的に接続可能で、その電気的な接続状態を安定的に維持可能なノイズフィルタを提供する。
【解決手段】ノイズフィルタは、磁性体コアと、グランド部材と、ケースと、を備える。ケースは、第1ケース部品及び第2ケース部品を有する。グランド部材は第2接触部でグランド部に接触する。第2ケース部品には、第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際に、シールドケーブルに接触してシールドケーブルをグランド部に近づける方向へと押圧する押圧部が設けられる。シールドケーブルが押圧部によって押圧された際に、シールドケーブルがグランド部材をグランド部に近づける方向へと押圧する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドケーブルに対して装着されるノイズフィルタであって、
それぞれが磁性材料によって構成される第1分割コア及び第2分割コアを有し、前記第1分割コア及び前記第2分割コアを組み合わせて構成される筒状の磁性体である磁性体コアと、
導電性材料によって構成され、第1接触部及び第2接触部を有し、前記シールドケーブルが有するシールド層を外周側に露出させてある露出箇所に前記第1接触部で接触する一方、グランド電位を有するグランド部に前記第2接触部で接触することにより、前記シールド層と前記グランド部とを電気的に接続するグランド部材と、
第1ケース部品及び第2ケース部品を有し、前記第2ケース部品は、前記第1ケース部品に対して取り付け可能に構成され、前記第1ケース部品には前記第1分割コア及び前記グランド部材が取り付けられ、前記第2ケース部品には前記第2分割コアが取り付けられるケースと、
を備え、
前記シールドケーブルが前記第1ケース部品と前記第2ケース部品との間に配置されている状態で前記第2ケース部品が前記第1ケース部品に取り付けられる際には、前記シールドケーブルが前記ケースを貫通する位置に配置され、かつ当該シールドケーブルの外周を囲む位置に前記第1分割コア及び前記第2分割コアが配置されて前記磁性体コアが構成され、かつ前記グランド部材が前記第1接触部で前記露出箇所に接触するように構成されており、
前記第2ケース部品には、前記第2ケース部品が前記第1ケース部品に取り付けられる際に、前記シールドケーブルに接触して前記シールドケーブルを前記グランド部に近づける方向へと押圧する押圧部が設けられ、前記シールドケーブルが前記押圧部によって押圧された際に、前記シールドケーブルが前記グランド部材を前記グランド部に近づける方向へと押圧することにより、前記押圧部が設けられていない場合に比べ、前記第2接触部と前記グランド部との接触圧が高くなるように構成されている、
ノイズフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズフィルタであって、
前記第1接触部は、前記露出箇所との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で前記露出箇所を挟持する弾性挟持片によって構成されている、
ノイズフィルタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタであって、
前記第2接触部は、前記グランド部との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で前記グランド部を押圧する弾性押圧片によって構成されている、
ノイズフィルタ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタであって、
前記磁性体コア及び前記グランド部材は、前記シールドケーブルの軸方向について隣り合う位置に配置され、
前記第1ケース部品は、前記第1ケース部品が取付対象箇所に取り付けられる際に、取付用のねじの軸部が通される2つの貫通孔を有し、
前記2つの貫通孔は、貫通方向が同一方向となっていて、前記貫通方向に直交する面に沿って前記ケースを180度回転させることによって互いの位置を入れ替え可能な回転対称性のある位置に形成され、
前記ケースにおける前記シールドケーブルが貫通する通路は、前記2つの貫通孔の互いの位置が入れ替わるように前記ケースを180度回転させた際に、その回転の前と後とで前記通路の中心軸線の位置に変化がない回転対称性のある位置に形成されている、
ノイズフィルタ。
【請求項5】
請求項4に記載のノイズフィルタであって、
前記ケースには、前記通路となる位置に前記シールドケーブルを配置してから前記第2ケース部品を前記第1ケース部品に取り付けた際に、前記シールドケーブルを外周側から噛み込むことにより、前記ケースに対して前記シールドケーブルが相対的に変位するのを抑制する噛み込み部が設けられ、
前記噛み込み部は、前記磁性体コアを挟んで前記グランド部材側とは反対側となる位置、前記磁性体コアと前記グランド部材との間となる位置、及び前記グランド部材を挟んで前記磁性体コア側とは反対側となる位置、それぞれに設けられている、
ノイズフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
シールドケーブルに対して装着されるノイズフィルタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のノイズフィルタは、分割形の磁性体コアと、導電性樹脂製あるいは導電箔が付加されたホルダケースとを備える。このようなノイズフィルタを利用すれば、シールドケーブルが有するシールド編組とホルダケースとによって構成されるシールド構造の内側に磁性体コアを配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-310340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1には、シールド構造の内側に磁性体コアを配置する技術が開示されているにすぎない。そのため、上述のようなシールド構造とグランド電位を有する箇所(以下、グランド部とも称する。)とを電気的に接続する技術に関し、上記特許文献1には何ら開示されていない。
【0005】
この点に関し、例えば、上記特許文献1にホルダケースとホルダケースの付近にあるグランド部とを接触させれば、両者を電気的に接続することはできる。しかし、単にホルダケースとグランド部とを接触させるだけでは、ホルダケースとグランド部とが適切に接触する状態を維持できるかどうかは不明である。特に、振動が発生するような環境にノイズフィルタが配置される場合には、ノイズフィルタの振動に伴ってホルダケースとグランド部との間の接触状態が安定せず、電気的な接続を安定的に維持することは困難になる。
【0006】
本開示の一局面においては、シールドケーブルが有するシールド層とグランド部とを電気的に接続可能で、その電気的な接続状態を安定的に維持可能なノイズフィルタを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の一態様は、シールドケーブルに対して装着されるノイズフィルタであって、磁性体コアと、グランド部材と、ケースと、を備える。磁性体コアは、それぞれが磁性材料によって構成される第1分割コア及び第2分割コアを有し、第1分割コア及び第2分割コアを組み合わせて構成される筒状の磁性体である。グランド部材は、導電性材料によって構成され、第1接触部及び第2接触部を有し、シールドケーブルが有するシールド層を外周側に露出させてある露出箇所に第1接触部で接触する一方、グランド電位を有するグランド部に第2接触部で接触することにより、シールド層とグランド部とを電気的に接続する。ケースは、第1ケース部品及び第2ケース部品を有し、第2ケース部品は、第1ケース部品に対して取り付け可能に構成され、第1ケース部品には第1分割コア及びグランド部材が取り付けられ、第2ケース部品には第2分割コアが取り付けられる。シールドケーブルが第1ケース部品と第2ケース部品との間に配置されている状態で第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際には、シールドケーブルがケースを貫通する位置に配置され、かつ当該シールドケーブルの外周を囲む位置に第1分割コア及び第2分割コアが配置されて磁性体コアが構成され、かつグランド部材が第1接触部で露出箇所に接触するように構成されている。第2ケース部品には、第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際に、シールドケーブルに接触してシールドケーブルをグランド部に近づける方向へと押圧する押圧部が設けられ、シールドケーブルが押圧部によって押圧された際に、シールドケーブルがグランド部材をグランド部に近づける方向へと押圧することにより、押圧部が設けられていない場合に比べ、第2接触部とグランド部との接触圧が高くなるように構成されている。
【0008】
このように構成されるノイズフィルタによれば、シールドケーブルが第1ケース部品と第2ケース部品との間に配置されている状態で第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際には、シールドケーブルがケースを貫通する位置に配置される。その際、当該シールドケーブルの外周を囲む位置には、第1分割コア及び第2分割コアが配置されて磁性体コアが構成される。したがって、シールドケーブルの一端を磁性体コアの内周へ挿し込むような作業を行わなくても、シールドケーブルの外周に磁性体コアを装着することができる。よって、例えば、配線済みのシールドケーブルに対して、後付けで磁性体コアを装着することが可能となる。
【0009】
また、第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際には、シールドケーブルが有するシールド層を外周側に露出させてある露出箇所に対し、グランド部材が第1接触部で接触する。また、グランド部材は第2接触部でグランド部に接触する。したがって、グランド部材を介してシールド層とグランド部とを電気的に接続することができ、シールド層の電位をグランド電位にすることができる。
【0010】
さらに、第2ケース部品が第1ケース部品に取り付けられる際には、押圧部がシールドケーブルに接触してシールドケーブルをグランド部に近づける方向へと押圧する。その際、押圧部によって押圧されるシールドケーブルは、グランド部材をグランド部に近づける方向へと押圧する。そのため、同様な押圧部が設けられていない場合に比べ、第2接触部とグランド部との接触圧が高くなる。したがって、同様な押圧部が設けられていない場合に比べ、第2接触部とグランド部との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0011】
(2)本開示の一態様では、第1接触部は、露出箇所との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で露出箇所を挟持する弾性挟持片によって構成されていてもよい。
【0012】
このように構成されるノイズフィルタによれば、第1接触部が上述のような弾性挟持片によって構成されている。そのため、弾性挟持片は、露出箇所との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で露出箇所を挟持する。したがって、第1接触部が弾性変形しない場合に比べ、第1接触部と露出箇所との接触圧が高くなり、第1接触部と露出箇所との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0013】
(3)本開示の一態様では、第2接触部は、グランド部との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力でグランド部を押圧する弾性押圧片によって構成されていてもよい。
【0014】
このように構成されるノイズフィルタによれば、第2接触部が上述のような弾性押圧片によって構成されている。そのため、弾性押圧片は、グランド部との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力でグランド部を押圧する。したがって、第2接触部が弾性変形しない場合に比べ、第2接触部とグランド部との接触圧が高くなり、第2接触部とグランド部との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0015】
(4)本開示の一態様では、磁性体コア及びグランド部材は、シールドケーブルの軸方向について隣り合う位置に配置されてもよい。第1ケース部品は、第1ケース部品が取付対象箇所に取り付けられる際に、取付用のねじの軸部が通される2つの貫通孔を有してもよい。2つの貫通孔は、貫通方向が同一方向となっていて、貫通方向に直交する面に沿ってケースを180度回転させることによって互いの位置を入れ替え可能な回転対称性のある位置に形成されてもよい。ケースにおけるシールドケーブルが貫通する通路は、2つの貫通孔の互いの位置が入れ替わるようにケースを180度回転させた際に、その回転の前と後とで通路の中心軸線の位置に変化がない回転対称性のある位置に形成されていてもよい。
【0016】
このように構成されるノイズフィルタによれば、貫通孔の貫通方向に直交する面に沿ってケースを180度回転させることにより、2つの貫通孔の位置を入れ替えることができる。その際、シールドケーブルが貫通する通路の中心軸線の位置については、回転の前後で変化がない位置に維持することができる。磁性体コア及びグランド部材は、シールドケーブルの軸方向について隣り合う位置に配置されているので、上記回転の前後では、互いの位置が入れ替わることになる。したがって、ノイズフィルタを180度回転させれば、取付用のねじの位置やシールドケーブルの位置を変更しなくても、磁性体コアとグランド部材の位置を入れ替えることができる。
【0017】
(5)本開示の一態様では、ケースには、通路となる位置にシールドケーブルを配置してから第2ケース部品を第1ケース部品に取り付けた際に、シールドケーブルを外周側から噛み込むことにより、ケースに対してシールドケーブルが相対的に変位するのを抑制する噛み込み部が設けられてもよい。噛み込み部は、磁性体コアを挟んでグランド部材側とは反対側となる位置、磁性体コアとグランド部材との間となる位置、及びグランド部材を挟んで磁性体コア側とは反対側となる位置、それぞれに設けられていてもよい。
【0018】
このように構成されるノイズフィルタによれば、噛み込み部がシールドケーブルを外周側から噛み込むことにより、ケースに対してシールドケーブルが相対的に変位するのを抑制することができる。また、噛み込み部は、磁性体コアを挟んでグランド部材側とは反対側となる位置、磁性体コアとグランド部材との間となる位置、及びグランド部材を挟んで磁性体コア側とは反対側となる位置、それぞれに設けられている。そのため、磁性体コア側とグランド部材側のそれぞれにおいて、シールドケーブルの変位を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1Aはケースが閉じられた状態にあるノイズフィルタの斜視図である。図1Bはケースが開かれた状態にあるノイズフィルタの斜視図である。
図2図2Aはノイズフィルタの平面図である。図2Bはノイズフィルタの左側面図である。図2Cはノイズフィルタの正面図である。図2Dはノイズフィルタの右側面図である。図2Eはノイズフィルタの背面図である。図2Fはノイズフィルタの底面図である。
図3図3Aはシールドケーブルに装着された状態、かつケースが閉じられた状態にあるノイズフィルタの斜視図である。図3Bはシールドケーブルに装着された状態、かつケースが開かれた状態にあるノイズフィルタの斜視図である。
図4図4Aはシールドケーブルに装着された状態にあるノイズフィルタの正面図である。図4Bは、図4中にIVB-IVB線で示す切断箇所における断面図である。
図5図5Aはグランド部材の斜視図である。図5Bは、図4中にVB-VB線で示す切断箇所における断面図である。
図6図6Aは開かれた状態にあるケースの平面図である。図6Bは開かれた状態にあるケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、上述のノイズフィルタについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
[ノイズフィルタの構成]
図1A図1B図2A図2B図2C図2D図2E図2F及び図4Bに示すように、ノイズフィルタ1は、磁性体コア3と、グランド部材5と、ケース7と、を備える。このノイズフィルタ1は、図3A図3B及び図4Aに示すように、シールドケーブル91に対して装着される。
【0021】
磁性体コア3は、図1B及び図3Bに示すように、第1分割コア3A及び第2分割コア3Bを有する。第1分割コア3A及び第2分割コア3Bは、それぞれが磁性材料(本実施形態の場合は、フェライト。)によって構成される。磁性体コア3は、図4Bに示すように、第1分割コア3A及び第2分割コア3Bを組み合わせて構成される筒状の磁性体である。
【0022】
グランド部材5は、図1A図1B図3A図3B図5A及び図5Bに示すように、第1接触部5A及び第2接触部5Bを有する。グランド部材5は、導電性材料(本実施形態の場合は、銅合金。)によって構成される。本実施形態において例示するシールドケーブル91は、図5Bに示すように、4本の信号線93を束ねて、その外周をシールド層95で覆い、更にその外周をシース97で被覆した構造になっている。
【0023】
このシールドケーブル91には、図3B及び図5Bに示すように、部分的にシース97を剥がすことによって、シールド層95を外周側に露出させてある露出箇所が設けられている。グランド部材5は、シールド層95の露出箇所に第1接触部5Aで接触する。また、グランド部材5は、図5Bに示すように、グランド電位を有するグランド部99に第2接触部5Bで接触する。これにより、グランド部材5は、シールド層95とグランド部99とを電気的に接続する。
【0024】
第1接触部5Aは、図5Bに示すように、シールド層95の露出箇所を、図中でいう前後方向両側から挟持する弾性挟持片によって構成されている。この弾性挟持片は、無負荷状態では、シールド層95の露出箇所の直径よりも狭い間隙をなす形状になっている。その間隙にシールド層95の露出箇所が導入されると、弾性挟持片は、露出箇所との接触に伴って間隙が拡がる方向へ弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で露出箇所を挟持する。
【0025】
第2接触部5Bは、図5Bに示すように、グランド部99を図中でいう下方向へ押圧する弾性押圧片によって構成されている。この弾性押圧片は、グランド部99との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力でグランド部99を押圧する。
【0026】
ケース7は、第1ケース部品7A及び第2ケース部品7Bを有する。本実施形態の場合、第1ケース部品7A及び第2ケース部品7Bは、図1A図1B図2E図3A図3B図4B及び図5Bに示すように、3つのヒンジ部7Cを介して連結されることによって開閉可能に構成されている。第1ケース部品7Aには、図4A及び図4Bに示すように、3つの第1係合部11が設けられ、第2ケース部品7Bには、3つの第2係合部12が設けられている。
【0027】
第1ケース部品7A及び第2ケース部品7Bが、図1Aに示すように閉じられた際には、3つの第1係合部11と3つの第2係合部12とが1対1で係合し、第1ケース部品7A及び第2ケース部品7Bが閉じられている状態を維持する。3つの第1係合部11と3つの第2係合部12の係合を解除すると、第1ケース部品7A及び第2ケース部品7Bを、図1Bに示すように開くことができる。
【0028】
本実施形態の場合、第1ケース部品7Aと第2ケース部品7Bは、ヒンジ部7Cとともに樹脂材料(本実施形態の場合はポリアミド。)によって一体成形されている。ただし、ケース7を開閉可能な構造とするには、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに対して着脱可能に構成されていれば足りる。したがって、上記ヒンジ部7Cを設けるか否かは任意である。
【0029】
例えば、ヒンジ部7Cの代わりに、上述の第1係合部11及び第2係合部12と同等な係合機構を設けてもよく、これにより、第2ケース部品7Bを第1ケース部品7Aに対して着脱できるようになる。すなわち、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに対して取り付け可能に構成されていれば、第1ケース部品7Aと第2ケース部品7Bは、ヒンジ部7Cを介して連結された一体成形品であってもよいし、連結されていない別体の樹脂成形品であってもよい。
【0030】
第1ケース部品7Aは、取付対象箇所に対して取り付け可能に構成される。本実施形態の場合、取付対象箇所は、上述のグランド部99(図5B参照。)であり、例えば、金属製のフレーム、パネル、シャシー等が利用される。本実施形態の場合、第1ケース部品7Aには、図1A図2A及び図2Fに示すように、2つの固定部13が設けられている。各固定部13には、貫通孔15が形成されている。
【0031】
第1ケース部品7Aを取付対象箇所に対して取り付ける際には、例えば、あらかじめ取付対象箇所に雌ねじ(すなわち、ねじ孔。)を形成しておく。そして、雄ねじ(例えば、六角ボルト。)の軸部を固定部13の貫通孔15に通して、その雄ねじを取付対象箇所に形成された雌ねじに螺合させ、雄ねじを締めれば第1ケース部品7Aを取付対象箇所に固定することができる。
【0032】
あるいは、例えば、あらかじめ取付対象箇所に雄ねじ(すなわち、ねじ軸。)を立てておく。そして、その雄ねじが固定部13の貫通孔15を通るように第1ケース部品7Aを取付対象箇所に配置し、その雄ねじに雌ねじ(例えば、六角ナット。)を螺合させ、その雌ねじを締めれば第1ケース部品7Aを取付対象箇所に固定することができる。
【0033】
第1ケース部品7Aには、図1B及び図3Bに示すように、第1分割コア3A及びグランド部材5が取り付けられている。
第1ケース部品7Aには、図6A及び図6Bに示すように、3つの爪部21が形成され、これらの爪部21が、図4Bに示すように、第1分割コア3Aの溝部23に引っ掛かることにより、第1分割コア3Aが第1ケース部品7Aに取り付けられている。また、第1ケース部品7Aには、図2F及び図4Bに示すように、2つのばね部25が設けられている。これら2つのばね部25は、第1分割コア3Aとの接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で、第1分割コア3Aを図4B中でいう上方に向かって付勢する。
【0034】
第2ケース部品7Bには、図1B及び図3Bに示すように、第2分割コア3Bが取り付けられている。第2ケース部品7Bには、図6A及び図6Bに示すように、3つの爪部21が形成され、これらの爪部21が、図4Bに示すように、第2分割コア3Bの溝部23に引っ掛かることにより、第2分割コア3Bが第2ケース部品7Bに取り付けられている。また、第2ケース部品7Bには、図2A及び図4Bに示すように、2つのばね部25が設けられている。これら2つのばね部25は、第2分割コア3Bとの接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で、第2分割コア3Bを図4B中でいう下方に向かって付勢する。
【0035】
これらの構成により、第1分割コア3Aと第2分割コア3Bは、互いの接触圧が増大する方向へと付勢され、磁性体コア3の磁気特性が向上する。
第1ケース部品7Aには、図5B及び図6Aに示すように、スナップ部27が設けられている。このスナップ部27が、グランド部材5の取付孔29(図5A及び図5B参照。)に挿し込まれることにより、グランド部材5が第1ケース部品7Aに取り付けられている。
【0036】
シールドケーブル91が、図3Bに示すように、第1ケース部品7Aと第2ケース部品7Bとの間に配置されている状態で、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられると、図3Aに示すように、ノイズフィルタ1がシールドケーブル91の外周に装着される。
【0037】
第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられる際、シールドケーブル91は、図3Aに示すように、ケース7を貫通する位置に配置される。また、第1分割コア3A及び第2分割コア3Bは、図4Bに示すように、シールドケーブル91の外周を囲む位置に配置されて磁性体コア3が構成される。また、グランド部材5は、図5Bに示すように、第1接触部5Aでシールド層95の露出箇所に接触する。磁性体コア3及びグランド部材5は、シールドケーブル91の軸方向について隣り合う位置に配置されている。
【0038】
また、本実施形態の場合、第1ケース部品7Aが取付対象箇所に対して取り付けられる際には、図5Bに示すように、グランド部材5が第2接触部5Bでグランド部99に接触する。本実施形態の場合、取付対象箇所自体がグランド部99として機能する。ただし、取付対象箇所の一部分がグランド部99として機能するように構成されていてもよい。
【0039】
第2ケース部品7Bには、図1B図3B及び図5Bに示すように、押圧部31が設けられている。押圧部31は、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられる際に、図5Bに示すように、シールドケーブル91に接触してシールドケーブル91をグランド部99に近づける方向へと押圧する。シールドケーブル91が押圧部31によって押圧された際、シールドケーブル91はグランド部材5をグランド部99に近づける方向へと押圧する。そのため、このような押圧部31が設けられていると、押圧部31が設けられていない場合に比べ、第2接触部5Bとグランド部99との接触圧が高くなる。
【0040】
また、シールドケーブル91は、ケース7を貫通する通路33(図2B及び図2D参照。)に配置される際に、押圧部31とグランド部材5との間に挟まれる。これにより、押圧部31とグランド部材5との間では、シールドケーブル91が、図2A図2C図2E及び図2Fに示す中心軸線C2の位置に真っ直ぐに配置される。したがって、押圧部31に相当する構成が存在しない場合とは異なり、シールドケーブル91が第1接触部5Aからの弾性力を受けても、その弾性力を受けた箇所でシールドケーブル91が図中上方向へ撓むのを抑制できる。したがって、そのような撓みの発生に伴ってシールドケーブル91に余計な負荷がかかるのを未然に抑制することができる。
【0041】
第1ケース部品7Aに設けられた2つの貫通孔15は、貫通方向(図中でいう上下方向。)に直交する面に沿ってケース7を180度回転させることによって互いの位置を入れ替え可能な回転対称性のある位置に形成されている。より具体的には、2つの貫通孔15は、図2B図2C図2D及び図2Eに示す軸線C1を回転中心としてケース7を180度回転させた際に、互いの位置が入れ替わるような回転対称性を備えている。
【0042】
ケース7におけるシールドケーブル91が貫通する通路33(図2B及び図2D参照。)は、2つの貫通孔15の互いの位置が入れ替わるようにケース7を180度回転させた際に、その回転の前と後とで、図2A図2C図2E及び図2Fに示す通路33の中心軸線C2の位置に変化がない回転対称性のある位置に形成されている。
【0043】
そのため、軸線C1を回転中心としてケース7を180度回転させて、2つの貫通孔15の位置を入れ替えても、取付用のねじの位置やシールドケーブル91の位置を変更することなく、ノイズフィルタ1を取付対象箇所に取り付けることができる。したがって、ノイズフィルタ1を180度回転させれば、取付用のねじの位置やシールドケーブル91の位置を変更しなくても、磁性体コア3とグランド部材5の位置を入れ替えることができる。
【0044】
ケース7には、図6A及び図6Bに示すように、噛み込み部35が設けられている。噛み込み部35は、通路33(図2B及び図2D参照。)となる位置にシールドケーブル91を配置してから第2ケース部品7Bを第1ケース部品7Aに取り付けた際に、シールドケーブル91を外周側から噛み込む。これにより、噛み込み部35は、ケース7に対してシールドケーブル91が相対的に変位するのを抑制する。
【0045】
本実施形態の場合、噛み込み部35は、図6A及び図6Bに示すように、磁性体コア3を挟んでグランド部材5側とは反対側となる位置、磁性体コア3とグランド部材5との間となる位置、及びグランド部材5を挟んで磁性体コア3側とは反対側となる位置、それぞれに設けられている。このような位置に噛み込み部35を設ければ、磁性体コア3側とグランド部材5側のそれぞれにおいて、シールドケーブル91の変位を抑制することができる。
【0046】
[効果]
以上のように構成されるノイズフィルタ1によれば、シールドケーブル91が第1ケース部品7Aと第2ケース部品7Bとの間に配置されている状態で第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられる際には、シールドケーブル91がケース7を貫通する位置に配置される。その際、当該シールドケーブル91の外周を囲む位置には、第1分割コア3A及び第2分割コア3Bが配置されて磁性体コア3が構成される。したがって、シールドケーブル91の一端を磁性体コア3の内周へ挿し込むような作業を行わなくても、シールドケーブル91の外周に磁性体コア3を装着することができる。よって、例えば、配線済みのシールドケーブル91に対して、後付けで磁性体コア3を装着することが可能となる。
【0047】
また、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられる際には、シールドケーブル91が有するシールド層95を外周側に露出させてある露出箇所に対し、グランド部材5が第1接触部5Aで接触する。また、グランド部材5は第2接触部5Bでグランド部99に接触する。したがって、グランド部材5を介してシールド層95とグランド部99とを電気的に接続することができ、シールド層95の電位をグランド電位にすることができる。
【0048】
さらに、第2ケース部品7Bが第1ケース部品7Aに取り付けられる際には、押圧部31がシールドケーブル91に接触してシールドケーブル91をグランド部99に近づける方向へと押圧する。その際、押圧部31によって押圧されるシールドケーブル91は、グランド部材5を取付対象箇所に近づける方向へと押圧する。そのため、同様な押圧部31が設けられていない場合に比べ、第2接触部5Bとグランド部99との接触圧が高くなる。したがって、同様な押圧部31が設けられていない場合に比べ、第2接触部5Bとグランド部99との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0049】
また、本実施形態の場合、第1接触部5Aが上述のような弾性挟持片によって構成されている。そのため、第1接触部5Aが弾性変形しない場合に比べ、第1接触部5Aと露出箇所との接触圧が高くなり、第1接触部5Aと露出箇所との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0050】
また、本実施形態の場合、第2接触部5Bが上述のような弾性押圧片によって構成されている。そのため、第2接触部5Bが弾性変形しない場合に比べ、第2接触部5Bとグランド部99との接触圧が高くなり、第2接触部5Bとグランド部99との電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
【0051】
また、本実施形態の場合、ノイズフィルタ1を180度回転させれば、取付用のねじの位置やシールドケーブル91の位置を変更しなくても、磁性体コア3とグランド部材5の位置を入れ替えることができる。
【0052】
また、本実施形態の場合、噛み込み部35が上述のような位置に設けられているので、磁性体コア3側とグランド部材5側のそれぞれにおいて、シールドケーブル91の変位を抑制することができる。
【0053】
[他の実施形態]
以上、ノイズフィルタ1について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0054】
例えば、上記実施形態では、第2接触部5Bを構成する弾性押圧片が、図中でいう斜め下前方と斜め下後方へと延出する形状になっていたが、弾性押圧片は、図中でいう斜め下左方と斜め下右方へと延出する形状になっていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、磁性体コア3とグランド部材5が、ケース7内に1つずつ設けられていたが、磁性体コア3及びグランド部材5は、それぞれ2つ以上設けられていてもよい。その場合、磁性体コア3とグランド部材5の配置順は、どのような順序であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、磁性体コア3は筒状の磁性体である旨を説明したが、図4Bを見れば明らかなように、本明細書でいう筒状は、厳密な意味での円筒状には限定されず、シールドケーブル91が磁性体コア3の内周を貫通可能な形状であればよい。例えば、上記実施形態の場合、磁性体コア3の外周には、図4Bに表れるように、曲面で構成される部分、平坦面で構成される部分、及び溝部23が形成される部分等が含まれる。このような磁性体コア3の形状も、本明細書でいう筒状の一例に相当する。
【0057】
すなわち、本明細書でいう筒状の磁性体コア3において、その外周面及び内周面の形状は、特定の形状に限定されない。したがって、磁性体コア3の外周面及び内周面の形状は、磁性体コア3の軸方向に垂直な断面形状が円形となる形状、同断面形状が四角形や六角形等の多角形となる形状、同断面形状が円形や多角形とは異なる形状、いずれの形状となっていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態の第1分割コア3A及び第2分割コア3Bは、同一形状に構成されているが、第1分割コア3Aと第2分割コア3Bは異なる形状となっていてもよい。例えば、磁性体コアは、軸方向に垂直な断面形状が略四角形となる角筒状に構成されていてもよく、この場合、略四角形の三辺が第1分割コアによって構成され、略四角形の一辺が第2分割コアによって構成されてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、第1ケース部品7Aの取付対象箇所が、グランド部99として機能するように構成されている例を示したが、第1ケース部品7Aの取付対象箇所とグランド部99は、別々に存在してもよい。例えば、上記実施形態において、2つの固定部13は、ノイズフィルタ1の図中下方に取付対象箇所があることを想定した形状になっているが、図中前方又は図中後方に取付対象箇所があることを想定した形状にしてもよい。この場合、取付対象箇所とは別に、グランド部99として機能する金属部品(例えば金属製ブラケット。)等が、ノイズフィルタ1の図中下方に配置されていてもよい。
【0060】
なお、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。
【0061】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
シールドケーブルに対して装着されるノイズフィルタであって、
それぞれが磁性材料によって構成される第1分割コア及び第2分割コアを有し、前記第1分割コア及び前記第2分割コアを組み合わせて構成される筒状の磁性体である磁性体コアと、
導電性材料によって構成され、第1接触部及び第2接触部を有し、前記シールドケーブルが有するシールド層を外周側に露出させてある露出箇所に前記第1接触部で接触する一方、グランド電位を有するグランド部に前記第2接触部で接触することにより、前記シールド層と前記グランド部とを電気的に接続するグランド部材と、
第1ケース部品及び第2ケース部品を有し、前記第2ケース部品は、前記第1ケース部品に対して取り付け可能に構成され、前記第1ケース部品には前記第1分割コア及び前記グランド部材が取り付けられ、前記第2ケース部品には前記第2分割コアが取り付けられるケースと、
を備え、
前記シールドケーブルが前記第1ケース部品と前記第2ケース部品との間に配置されている状態で前記第2ケース部品が前記第1ケース部品に取り付けられる際には、前記シールドケーブルが前記ケースを貫通する位置に配置され、かつ当該シールドケーブルの外周を囲む位置に前記第1分割コア及び前記第2分割コアが配置されて前記磁性体コアが構成され、かつ前記グランド部材が前記第1接触部で前記露出箇所に接触するように構成されており、
前記第2ケース部品には、前記第2ケース部品が前記第1ケース部品に取り付けられる際に、前記シールドケーブルに接触して前記シールドケーブルを前記グランド部に近づける方向へと押圧する押圧部が設けられ、前記シールドケーブルが前記押圧部によって押圧された際に、前記シールドケーブルが前記グランド部材を前記グランド部に近づける方向へと押圧することにより、前記押圧部が設けられていない場合に比べ、前記第2接触部と前記グランド部との接触圧が高くなるように構成されている、
ノイズフィルタ。
【0062】
[項目2]
項目1に記載のノイズフィルタであって、
前記第1接触部は、前記露出箇所との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で前記露出箇所を挟持する弾性挟持片によって構成されている、
ノイズフィルタ。
【0063】
[項目3]
項目1又は項目2に記載のノイズフィルタであって、
前記第2接触部は、前記グランド部との接触に伴って弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性力で前記グランド部を押圧する弾性押圧片によって構成されている、
ノイズフィルタ。
【0064】
[項目4]
項目1から項目3のいずれか1項に記載のノイズフィルタであって、
前記磁性体コア及び前記グランド部材は、前記シールドケーブルの軸方向について隣り合う位置に配置され、
前記第1ケース部品は、前記第1ケース部品が取付対象箇所に取り付けられる際に、取付用のねじの軸部が通される2つの貫通孔を有し、
前記2つの貫通孔は、貫通方向が同一方向となっていて、前記貫通方向に直交する面に沿って前記ケースを180度回転させることによって互いの位置を入れ替え可能な回転対称性のある位置に形成され、
前記ケースにおける前記シールドケーブルが貫通する通路は、前記2つの貫通孔の互いの位置が入れ替わるように前記ケースを180度回転させた際に、その回転の前と後とで前記通路の中心軸線の位置に変化がない回転対称性のある位置に形成されている、
ノイズフィルタ。
【0065】
[項目5]
項目4に記載のノイズフィルタであって、
前記ケースには、前記通路となる位置に前記シールドケーブルを配置してから前記第2ケース部品を前記第1ケース部品に取り付けた際に、前記シールドケーブルを外周側から噛み込むことにより、前記ケースに対して前記シールドケーブルが相対的に変位するのを抑制する噛み込み部が設けられ、
前記噛み込み部は、前記磁性体コアを挟んで前記グランド部材側とは反対側となる位置、前記磁性体コアと前記グランド部材との間となる位置、及び前記グランド部材を挟んで前記磁性体コア側とは反対側となる位置、それぞれに設けられている、
ノイズフィルタ。
【符号の説明】
【0066】
1…ノイズフィルタ、3…磁性体コア、3A…第1分割コア、3B…第2分割コア、5…グランド部材、5A…第1接触部、5B…第2接触部、7…ケース、7A…第1ケース部品、7B…第2ケース部品、7C…ヒンジ部、11…第1係合部、12…第2係合部、13…固定部、15…貫通孔、21…爪部、23…溝部、25…ばね部、27…スナップ部、29…取付孔、31…押圧部、33…通路、35…噛み込み部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6