(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145239
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】検眼システム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/18 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A61B3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057512
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】寺部 尋久
(72)【発明者】
【氏名】堀野 妙子
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316FB16
4C316FC11
4C316FC14
4C316FC15
(57)【要約】
【課題】 検眼用装置間の通信状態を容易に確認できる検眼システムを提供する。
【解決手段】 被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を有する検眼システムであって、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法を示す第1情報を取得する第1情報取得手段と、複数の検眼用装置毎に操作者が設定したい通信方法を示す第2情報を取得する第2情報取得手段と、第1情報取得手段が取得した第1情報と、第2情報取得手段が取得した第2情報と、に基づいて、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を確認可能な確認レポートを出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を有する検眼システムであって、
前記複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法を示す第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記複数の検眼用装置毎に操作者が設定したい通信方法を示す第2情報を取得する第2情報取得手段と、
前記第1情報取得手段が取得した前記第1情報と、前記第2情報取得手段が取得した前記第2情報と、に基づいて、前記複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を確認可能な確認レポートを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする検眼システム。
【請求項2】
請求項1の検眼システムにおいて、
前記複数の検眼用装置に対する前記第2情報を選択するための作業画面を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記第2情報取得手段は、前記作業画面上にて選択された前記通信方法を、前記第2情報として取得することを特徴とする検眼システム。
【請求項3】
請求項2の検眼システムにおいて、
前記作業画面は、前記複数の検眼用装置毎に設けられた複数の作業画面を含み、
前記表示制御手段は、前記作業画面上における前記通信方法の選択に基づいて、前記複数の作業画面を予め設定された順序に沿って切り換えることを特徴とする検眼システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの検眼システムにおいて、
前記複数の検眼用装置に対する機種情報を取得する機種情報取得手段と、
前記複数の検眼用装置の前記機種情報毎に前記第1情報が対応付けられたデータベースと、
を備え、
前記第1情報取得手段は、前記機種情報取得手段が取得した前記機種情報に基づいて、前記データベースから前記第1情報を呼び出すことによって、前記第1情報を取得することを特徴とする検眼システム。
【請求項5】
請求項4の検眼システムにおいて、
前記第1情報取得手段が取得した前記第1情報と、前記第2情報取得手段が取得した前記第2情報と、に基づいて、前記複数の検眼用装置間での通信が確立可能か否かを事前に判定する判定手段を備え、
前記出力手段は、前記判定手段の判定結果に基づくアラートを前記確認レポートとともに出力することを特徴とする検眼システム。
【請求項6】
請求項2~5のいずれかの検眼システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記第1情報取得手段が取得した前記第1情報に基づいて、前記作業画面における前記第2情報の選択を制限することを特徴とする検眼システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかの検眼システムにおいて、
前記出力手段は、前記確認レポートとして、前記複数の検眼用装置間における前記通信状態を可視化した構成図を出力することを特徴とする検眼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の検眼用装置を有する検眼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検眼の検眼工程では、被検者が装用する眼鏡の光学特性を測定するレンズメータ、被検眼の光学特性を他覚的に測定する他覚式検眼装置、被検眼の光学特性を自覚的に測定する自覚式検眼装置、等が用いられる(特許文献1参照)。例えば、眼鏡店等では、これらの装置をネットワークに接続し、互いにデータを通信することによって、検眼を効率よく進めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被検者の検眼工程では多くの装置が使われるため、これらのネットワーク接続がより煩雑な作業となっている。店舗を立ち上げる場合の他、店舗の運営を開始した以降に新しく装置を導入した場合にも、再度のネットワーク設定が必要となる。例えば、このような状況において、装置間の通信を容易に確立することは難しかった。
【0005】
本開示は、上記従来技術に鑑み、検眼用装置間の通信状態を容易に確認できる検眼システムを提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備えることを特徴とする。
【0007】
本開示の検眼システムは、被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を有する検眼システムであって、前記複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法を示す第1情報を取得する第1情報取得手段と、前記複数の検眼用装置毎に操作者が設定したい通信方法を示す第2情報を取得する第2情報取得手段と、前記第1情報取得手段が取得した前記第1情報と、前記第2情報取得手段が取得した前記第2情報と、に基づいて、前記複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を確認可能な確認レポートを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】自覚式検眼装置に対応する作業画面の一例である。
【
図3】他覚式検眼装置に対応する作業画面の一例である。
【
図4】レンズメータに対応する作業画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
本実施形態に係る検眼システムの概要を説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用され得る。
【0010】
本実施形態の検眼システムは、被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を有してもよい。例えば、検眼用装置は、被検者が装用する眼鏡の光学特性を測定するためのレンズメータを有してもよい。例えば、検眼用装置は、被検眼の光学特性を他覚的に測定するための他覚式検眼装置を有してもよい。一例としては、被検眼の眼屈折力を他覚的に測定するためのオートレフラクトメータ、等を有してもよい。例えば、検眼用装置は、被検眼の光学特性を自覚的に測定するための自覚式検眼装置を有してもよい。一例としては、被検眼の眼屈折力を自覚的に測定するためのレフラクター、等を有してもよい。
【0011】
なお、検眼システムは、所定の検眼工程にて使用される同じ種類の装置を複数台有してもよい。つまり、検眼システムは、1台のレンズメータを有してもよいし、複数台のレンズメータを有してもよい。また、検眼システムは、1台の他覚式検眼装置を有してもよいし、複数台の他覚式検眼装置を有してもよい。また、検眼システムは、1台の自覚式検眼装置を有してもよいし、複数台の自覚式検眼装置を有してもよい。
【0012】
<機種情報取得手段>
検眼システムは、機種情報取得手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、機種情報取得手段は、複数の検眼用装置に対する機種情報を取得する。例えば、機種情報は、検眼用装置のカテゴリー、検眼用装置の種類、検眼用装置のモデル、等の少なくともいずれかを識別するために割り振られた機種識別情報であってもよい。例えば、各々の装置に割り当てられた名称(一例として、モデル名等)、各々の装置に割り当てられた番号(一例として、モデル番号、型番号、品番号、等の少なくともいずれか)等の情報であってもよい。
【0013】
なお、例えば、検眼用装置のカテゴリーとは、被検眼の検査工程によって分類されるものであってもよい。一例としては、被検眼の自覚式検査の工程、被検眼の他覚式検査の工程、等に分けられてもよい。より詳細には、被検眼の自覚的な眼屈折力を求める検査工程、被検眼の他覚的な眼屈折力を求める検査工程、等に分けられてもよい。例えば、検眼用装置の種類とは、同一のカテゴリー内の装置が用途で分類されるものであってもよい。一例としては、自覚式検査の工程において使用される装置が、さらに、検眼装置(レフラクター)、視力計、等に分けられてもよい。例えば、検眼用装置のモデルとは、同一の種類の装置において、少なくとも一部が異なる仕様で分類されるものであってもよい。
【0014】
例えば、機種情報取得手段は、操作者による操作手段(例えば、操作部121)の操作によって入力された任意の機種情報を取得してもよい。例えば、機種情報取得手段は、各々の検眼用装置に紐付く機種情報を読み取ることで取得してもよい。一例としては、各々の検眼用装置のメモリからハードウェア情報を検索し、ハードウェア情報に含まれる機種情報を読み取ってもよい。また、一例としては、各々の検眼用装置に設けられた識別子(一例として、ID、文字列、1次元コード、2次元コード、等)を利用し、識別子に格納された機種情報を読み取ってもよい。
【0015】
<データベース>
検眼システムは、データベース(例えば、データベース8)を備えてもよい。例えば、データベースは、複数の検眼用装置の機種情報毎に通信可能な通信方法を示す第1情報(詳細は後述する)が対応付けられたデータベースである。例えば、データベースは、検眼用装置の機種情報と第1情報が記憶された記憶手段(例えば、メモリ7)等によって実現されてもよい。
【0016】
例えば、データベースは、検眼用装置毎に第1情報を対応付けた複数のデータベースであってもよい。例えば、より詳細には、検眼用装置のカテゴリー毎、検眼用装置の種類毎、検眼用装置のモデル毎、等に設けられたデータベースであってもよい。また、例えば、データベースは、検眼用装置のカテゴリー等にかかわらず、あらゆる装置の機種情報と第1情報を対応付けた1つのデータベースであってもよい。
【0017】
<第1情報取得手段>
検眼システムは、第1情報取得手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、第1情報取得手段は、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法を示す第1情報を取得する。例えば、第1情報は、複数の検眼用装置毎に定められた、複数の検眼用装置の間で相互にデータを送受信するための通信方法であってもよい。一例としては、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wireless LAN)、シリアル通信、パラレル通信、等の少なくともいずれかの通信方法であってもよい。例えば、第1情報は、さらに、複数の検眼用装置毎に割り振られた通信用の識別情報を含んでもよい。一例としては、IP(Internet Protocol)アドレス等の識別番号を含んでもよい。
【0018】
例えば、第1情報取得手段は、操作者による操作手段の操作によって入力された任意の通信方法を、第1情報として取得してもよい。また、例えば、第1情報取得手段は、各々の検眼用装置から直接的に第1情報を取得してもよい。一例としては、検眼用装置に接近することで自動的に第1情報を受信してもよい。また、例えば、第1情報取得手段は、各々の検眼用装置に対応付けられた通信方法に基づいて、第1情報を取得してもよい。この場合、第1情報取得手段は、各々の検眼用装置に対応付けられた識別子(一例として、ID、文字列、1次元コード、2次元コード、等)を読み取ることによって、識別子に格納された第1情報を取得してもよい。また、この場合、第1情報取得手段は、機種情報取得手段が取得した装置の機種情報に基づき、データベースから第1情報を呼び出すことによって、第1情報を取得してもよい。
【0019】
<第2情報取得手段>
検眼システムは、第2情報取得手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、第2情報取得手段は、操作者が複数の検眼用装置毎に設定したい通信方法を示す第2情報を取得する。例えば、第2情報は、操作者が複数の検眼用装置の間で相互にデータを送受信させるために指定する通信方法であってもよい。一例としては、LAN、WLAN、シリアル通信、パラレル通信、等の少なくともいずれかの方法であってもよい。例えば、第2情報は、さらに、複数の検眼用装置毎に割り振られた通信用の識別情報を含んでもよい。一例としては、IPアドレス等の識別番号を含んでもよい。
【0020】
例えば、第2情報取得手段は、操作者による操作手段の操作で入力された任意の通信方法を、第2情報として取得してもよい。また、例えば、第2情報取得手段は、各々の検眼用装置に対応付けられた通信方法に基づいて、第2情報を取得してもよい。この場合、第2情報取得手段は、各々の検眼用装置に対応付けられた識別子を読み取ることによって、識別子に格納された第1情報と一致する第2情報を取得してもよい。また、この場合、第2情報取得手段は、各々の検眼用装置の機種情報に基づいてデータベースから呼び出された第1情報と一致する第2情報を取得してもよい。なお、例えば、検眼用装置の機種情報に応じて設定および実行できる通信方法は異なるため、検眼用装置の第1情報を利用する場合には、操作者が設定したい第2情報を容易に取得することができる。
【0021】
例えば、第2情報取得手段は、後述の作業画面上にて選択された通信方法を、第2情報として取得してもよい。例えば、後述の作業画面には、検眼用装置毎の通信方法(第2情報)が1つ以上の選択肢として設けられていてもよい。これによって、例えば、操作者は、1つまたは複数の通信方法(第2情報)の選択肢を利用して、第2情報を容易に選択することができる。
【0022】
<判定手段>
検眼システムは、判定手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、判定手段は、第1情報取得手段が取得した第1情報と、第2情報取得手段が取得した第2情報と、に基づいて、複数の検眼用装置間での通信が確立可能か否かを事前に判定する。例えば、より詳細には、判定手段は、複数の検眼用装置間での通信が確立可能か否かを、実際の通信を試行することなく、判定する。
【0023】
例えば、判定手段は、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法(第1情報)に対し、操作者が設定したい通信方法(第2情報)を適用することで、通信が可能か否かを判定する構成であればよい。例えば、判定手段は、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法(第1情報)に、操作者が設定したい通信方法(第2情報)が該当するか否かを判定してもよい。例えば、判定手段は、第1情報に第2情報が該当する場合に、検眼用装置間での通信が確立可能と判定し、第1情報に第2情報が該当しない場合に、検眼用装置間での通信が確立不可能と判定してもよい。
【0024】
例えば、判定手段は、複数の検眼用装置のうち、1つの検眼用装置に対する第2情報が取得される度に、逐次、判定処理を行ってもよい。例えば、この場合、判定手段による判定結果がリアルタイムに出力されてもよい。また、例えば、判定手段は、複数の検眼用装置のうち、すべての検眼用装置に対する第2情報が取得された後に、判定処理を行ってもよい。例えば、この場合、すべての検眼用装置に対する第2情報の取得が完了した完了信号をトリガとして、判定処理が行われてもよい。また、例えば、この場合、操作者による操作手段の操作によって入力された判定処理の開始信号をトリガとして、判定処理が行われてもよい。
【0025】
<表示制御手段>
検眼システムは、表示制御手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、表示制御手段は、複数の検眼用装置に対する第2情報を選択するための作業画面を、表示手段(例えば、表示部122)に表示させる。例えば、表示制御手段は、複数の検眼用装置に対する第2情報を選択することが可能な、1つの作業画面を表示させてもよい。また、例えば、表示制御手段は、複数の検眼用装置に対する第2情報を選択することが可能な、複数の作業画面を表示させてもよい。例えば、この場合、表示制御手段は、1つの検眼用装置に対応させた1つの作業画面を、検眼用装置毎に切り換えて表示させることによって、複数の検眼用装置毎に設けられた複数の作業画面を表示させてもよい。これによって、例えば、操作者は、作業画面を用いて第2情報を容易に設定することができる。
【0026】
例えば、表示制御手段は、複数の作業画面を表示させる場合、作業画面上における通信方法(第2情報)の選択に基づいて、複数の作業画面を予め設定された順序に沿って切り換えてもよい。例えば、この場合、表示制御手段は、操作者による操作手段の操作によって発生する操作信号に基づいて、作業画面を順序に沿って切り換えてもよい。一例としては、このような作業画面上において指定される第2情報の選択信号に基づいて、作業画面を順序に沿って切り換えてもよい。また、一例としては、このような作業画面上において指定される第2情報の選択信号と、作業画面を遷移させるための切換信号と、の双方に基づいて、作業画面を順序に沿って切り換えてもよい。これによって、例えば、操作者が通信に詳しくない場合等であっても、指示に従い項目を順に入力していくのみで、検眼用装置をネットワークに接続するために必要な情報を容易に取得することができる。
【0027】
例えば、表示制御手段は、複数の第2情報が存在する場合、第1情報取得手段が取得した第1情報に基づいて、作業画面における第2情報の選択を制限してもよい。例えば、表示手段制御手段は、操作者が第2情報の選択を誤らないように(つまり、第2情報として不適切な選択をしないように)、予め第2情報を制限する構成であればよい。一例として、表示制御手段は、第1情報に含まれる第2情報のみ、あるいは、第1情報と一致する第2情報のみを、作業画面上に表示させてもよい。一方で、第1情報に含まれない第2情報、あるいは、第1情報と一致しない第2情報は、作業画面上にて非表示とさせてもよい。また、一例として、表示制御手段は、第1情報に含まれる第2情報と含まれない第2情報をいずれも作業画面上に表示させるが、第1情報に含まれない第2情報に対する操作信号の入力を禁止してもよい。同様に、第1情報に一致する第2情報と一致しない第2情報をいずれも作業画面上に表示させるが、第1情報に一致しない第2情報に対する操作信号の入力を禁止してもよい。例えば、これによって、検眼用装置が通信不可能な通信方法が第2情報として選択される可能性が低くなり、結果として、各々の装置間でのネットワークによる通信を確立させやすくなる。
【0028】
<出力手段>
検眼システムは、出力手段(例えば、制御部123)を備えてもよい。例えば、出力手段は、第1情報取得手段が取得した第1情報と、第2情報取得手段が取得した第2情報と、に基づいて、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を確認可能な確認レポートを出力する。例えば、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態とは、少なくとも通信方法を示すものであってもよく、出力手段は、複数の検眼用装置間で確立予定の通信方法を確認可能な確認レポートを出力してもよい。これによって、例えば、操作者は、各々の装置が互いに通信可能な状態になるか否かを、実際にネットワーク接続を行うよりも前の段階で、容易に確認できる。
【0029】
例えば、出力手段は、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を同時に確認可能な確認レポートを出力してもよい。一例としては、複数の検眼用装置の通信状態を並列させた1つのレポートを出力してもよい。また、例えば、出力手段は、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を独立に確認可能な確認レポートを出力してもよい。一例としては、複数の検眼用装置のそれぞれに対応させた複数(2つ以上)の確認レポートを出力してもよい。この場合、各々の装置間の通信状態は、複数の確認レポートを切り換えることによって、確認することができる。
【0030】
例えば、出力手段は、確認レポートを、確認レポート内の所定の位置に所定の項目が配置されるようなレポート形式で表してもよい。例えば、出力手段は、確認レポートを、各々の装置に対する第1情報と第2情報を含む通信関連の項目のうち、予め設定されたテンプレートに応じて少なくとも一部の項目を抽出および配置した、所定のレポート形式で表してもよい。なお、例えば、確認レポートのテンプレートは、操作者による操作手段の操作で編集することが可能であってもよい。一例としては、確認レポートに示す項目、確認レポート上における項目の配置位置やサイズ、等の少なくともいずれかを編集することが可能であってもよい。
【0031】
例えば、出力手段は、確認レポートとして、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を可視化した構成図を出力してもよい。言い換えると、複数の検眼用装置間におけるネットワークの相互接続の予定を可視化した構成図(例えば、ネットワーク構成図)を出力してもよい。例えば、構成図は、各々の装置間のネットワークの通信状態が、種々の構成(トポロジー)で表されたものであってもよい。一例として、構成図は、各々の装置間のネットワークの通信状態に応じて、バス型、リング型、スター型、メッシュ型、ツリー型、等の少なくともいずれかの構成で表されたものであってもよい。これによって、例えば、操作者は、各々の装置が互いに通信可能な状態になるか否かを、直感的に判断することができる。
【0032】
例えば、出力手段は、判定手段の判定結果に基づくアラートを確認レポートとともに出力してもよい。例えば、アラートは、操作者による、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態が適切か否かの判断をサポートするためのアラートであってもよい。すなわち、例えば、アラートは、操作者に対して、複数の検眼用装置間における通信の確立が不可能であることを報知するためのアラートであってもよい。例えば、これによって、操作者は、アラートの出力に応じて、第2情報を変更する等の対応をとることができる。
【0033】
例えば、出力手段は、表示手段を制御し、表示手段に確認レポートを表示させてもよい。また、例えば、出力手段は、印刷手段(一例として、プリンタ)を制御し、印刷手段に確認レポートを印刷させてもよい。また、例えば、出力手段は、外部の記憶手段(一例として、メモリ)を制御し、外部の記憶手段に確認レポートを送信してもよい。もちろん、例えば、出力手段は、これらを組み合わせた制御を実行してもよいし、これらとは異なる制御を実行してもよい。
【0034】
例えば、出力手段は、表示手段を制御し、表示手段にアラートを表示させてもよい。また、例えば、出力手段は、印刷手段を制御し、印刷手段にアラートを印刷させてもよい。また、例えば、出力手段は、外部の記憶手段を制御し、外部の記憶手段にアラートを送信してもよい。また、例えば、出力手段は、音声発生手段(一例として、スピーカ)を制御し、音声発生手段にアラートを音声として発生させてもよい。もちろん、例えば、出力手段は、これらを組み合わせた制御を実行してもよいし、これらとは異なる制御を実行してもよい。
【0035】
なお、例えば、出力手段が確認レポートとともにアラートを出力する場合、確認レポートの出力形態と、アラートの出力形態は、同一であってもよい。一例としては、確認レポートとアラートをいずれも表示手段に表示させてもよい。また、例えば、出力手段が確認レポートとともにアラートを出力する場合、確認レポートの出力形態と、アラートの出力形態は、異なっていてもよい。一例としては、確認レポートを表示手段に表示させ、アラートを音声発生手段から発生させてもよい。
【0036】
<実施例>
本実施形態に係る検眼システムの一実施例を説明する。
【0037】
図1は、検眼システム1の概略図である。例えば、検眼システム1は、被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を備える。例えば、検眼システム1は、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、レンズメータ30、等によって構成される。
【0038】
例えば、自覚式検眼装置10は、被検眼の光学特性を自覚的に測定する工程にて使用される。例えば、自覚式検眼装置10は、被検眼に向けて視標光束を投光する投光光学系と、投光光学系の光路中に配置され、視標光束の光学特性を変化させる矯正光学系と、によって構成される自覚式測定光学系を有してもよい。例えば、被検眼の自覚的な光学特性としては、眼屈折力(一例として、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、等)が測定される。
【0039】
例えば、自覚式検眼装置10は、本体11とコントローラ12を備える。例えば、本体11は、投光光学系を収納する筐体111、矯正光学系を収納する眼屈折力測定ユニット112、制御部113、等を備える。制御部113は、一般的なCPU、RAM、ROM、等を備える。CPUは、自覚式検眼装置10の各部の駆動を制御する。RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。ROMは、CPUが実行する各種のプログラム等を記憶する。なお、制御部113は、複数の制御部によって構成されてもよい。
【0040】
コントローラ12は、被検眼に対する自覚式検査を行うために使用される。また、コントローラ12は、自覚式検眼装置10とその他の装置とのネットワークによる通信を確立するために使用される。例えば、コントローラ12は、操作部121、表示部122、制御部123、等を備える。操作部121は、自覚式検眼装置10の各種の設定を行うための操作信号を出力する。操作部121は、表示部122を兼ねたタッチパネルでもよい。表示部122は、自覚式検眼装置10の各種の情報、後述の作業画面50、確認レポート100、等を表示する。制御部123は、一般的なCPU、RAM、ROM、等を備える。CPUは、コントローラ12の全体の制御を司る。RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。ROMは、CPUが実行する各種のプログラム等を記憶する。なお、制御部123は、複数の制御部によって構成されてもよい。
【0041】
操作者がコントローラ12の操作部121を操作することで入力される操作信号は、操作部121から制御部123へと出力される。さらに、コントローラ12の制御部123からネットワークを介して、本体11内の制御部113へと出力される。
【0042】
例えば、他覚式検眼装置20は、被検眼の光学特性を他覚的に測定する工程にて使用される。例えば、他覚式検眼装置20は、被検眼の眼底に測定光束を投光する投光光学系と、眼底にて測定光束が反射された反射光束を受光する受光光学系と、によって構成される他覚式測定光学系21を有してもよい。例えば、被検眼の他覚的な光学特性としては、眼屈折力(一例として、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、等)が測定される。
【0043】
また、例えば、他覚式検眼装置20は、制御部22を備える。制御部22は、一般的なCPU、RAM、ROM、等を備える。CPUは、他覚式検眼装置20の全体の制御を司る。RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。ROMは、CPUが実行する各種のプログラム等を記憶する。なお、制御部22は、複数の制御部によって構成されてもよい。
【0044】
例えば、レンズメータ30は、被検者が装用する眼鏡(眼鏡レンズ)の光学特性を測定する工程にて使用される。例えば、レンズメータ30は、眼鏡レンズに向けて測定光束を投光する投光光学系と、眼鏡レンズを通過した測定光束を受光する受光光学系と、によって構成される測定光学系31を有してもよい。例えば、眼鏡レンズの光学特性としては、屈折力(一例として、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、等)が測定される。
【0045】
また、例えば、レンズメータ30は、制御部32を備える。制御部32は、一般的なCPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。CPUは、レンズメータ30の全体の制御を司る。RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。ROMは、CPUが実行する各種のプログラム等を記憶する。なお、制御部32は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
【0046】
例えば、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30は図示なき通信部を備え、有線あるいは無線のネットワーク5を介して接続される。なお、例えば、ネットワーク5上には、各装置からのアクセスが可能な共有フォルダ6が作成されてもよい。また、例えば、ネットワーク5上には、各装置からのアクセスが可能なメモリ7が接続されてもよい。一例として、メモリ7には、後述のデータベース8が格納されている。
【0047】
上記のような検眼システム1を眼鏡店等に導入する際は、被検眼の検眼工程で使用される検眼用装置を準備するとともに、各々の装置に対して予めネットワークを構築しておく必要がある。各々の装置を互いに通信可能な状態にすることで、データの送受信を容易に実行し、検眼をスムーズに進めることが可能となる。
【0048】
しかし、検眼システム1における検眼用装置の台数が多くなるほど、ネットワークの構築は複雑になる。例えば、自覚式検眼装置10の本体11とコントローラ12の間には既設のネットワークが構築されているが、そこに他覚式検眼装置20およびレンズメータ30の少なくともいずれかを接続するための設定は、項目が多く、手間である。さらに、コントローラ12の制御部123は、操作者が指定した他覚式検眼装置20やレンズメータ30の接続の設定を、都度、反映させる(つまり、装置間の通信を、都度、試行する)。このため、例えば、操作者が間違った設定を行うと、既設のネットワークが切れ、コントローラ12を用いた操作信号の入力ができなくなる等の問題が起こり得る。
【0049】
また、眼鏡店によっては、眼鏡店に既設のネットワークに、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30を接続する場合もある。眼鏡店の既設のネットワークは様々であり、環境に応じた異なる設定は難しい。
【0050】
このため、例えば、本実施例では、検眼用装置間での通信が確立可能か否かを、実際の通信を試行することなく判定することで、ネットワークを容易に確立させる。
【0051】
<制御動作>
以下、検眼システム1の制御動作とともに、検眼システム1のネットワークの設定について、詳細に説明する。ここでは、自覚式検眼装置10の本体11とコントローラ12が、既設のネットワークにて予め通信可能な状態となっている場合を例に挙げる。操作者は、コントローラ12を利用して、既設のネットワークに他覚式検眼装置20とレンズメータ30をそれぞれ接続させる。
【0052】
<第1操作モード>
自覚式検眼装置10は、自覚式検眼装置10と他の装置とのネットワークによる通信を確立するための第1操作モードと、操作者が被検眼の自覚的な光学特性を測定する(自覚検査を行う)ための第2操作モードと、のいずれかを切り換えることができる。例えば、操作者は、コントローラ12の操作部121を用いて、第1操作モードを設定するための図示なき操作ボタンを選択する。コントローラ12の制御部123は、操作ボタンからの入力信号に応じて、第1操作モードを設定する。例えば、コントローラ12の制御部123が第1操作モードを設定することによって、コントローラ12の表示部122には、自覚式検眼装置10とのネットワークの接続が可能な各々の装置に対応する作業画面50が、ウィザード機能によって順に表示されるようになる。
【0053】
<ウィザード機能>
図2~
図4は、コントローラ12の表示部122に表示される作業画面50(作業画面50A~C)の一例である。
図2は、自覚式検眼装置10に対応する作業画面50Aである。
図3は、他覚式検眼装置20に対応する作業画面50Bある。
図4は、レンズメータ30に対応する作業画面50Cである。例えば、作業画面50(作業画面50A~C)は、指示メッセージ51、機種情報選択ボタン52、通信方法選択ボタン53、通信識別番号入力ボタン54、画面遷移ボタン55、等を備える。
【0054】
例えば、指示メッセージ51は、操作者の動作を誘導するためのメッセージである。例えば、各々のボタン操作によって発生する選択信号に応じて、適宜、メッセージの内容が変更されてもよい。例えば、機種情報選択ボタン52は、装置の機種情報を選択するボタンである。一例として、装置の機種情報は、モデル名、型番号、等の少なくともいずれかの情報であってもよい。例えば、通信方法選択ボタン53は、装置の通信方法を選択するボタンである。一例として、装置の通信方法は、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wireless LAN)、シリアル通信、等の少なくともいずれかの方法であってもよい。例えば、通信識別番号入力ボタン54は、装置に割り振られた通信用の識別番号を入力するボタンである。一例として、装置の通信識別番号は、IP(Internet Protocol)アドレス等の番号であってもよい。例えば、画面遷移ボタン55は、前の作業画面または次の作業画面に切り換えるボタンである。
【0055】
まず、コントローラ12の制御部123は、第1操作モードの設定に従って、自覚式検眼装置10に対応する作業画面50A(
図2参照)を表示させる。操作者は、作業画面50Aの指示メッセージ51を確認するとともに、指示メッセージ51に従って、それぞれの項目を順に入力する。
【0056】
例えば、操作者は、機種情報選択ボタン52を操作して、自覚式検眼装置10の機種情報60Aを選択する。例えば、操作者は、機種情報選択ボタン52を操作して、自覚式検眼装置10として使用され得るモデル名の一覧の中から、該当のモデル名に対応する選択肢56を選択してもよい。制御部123は、機種情報選択ボタン52からの選択信号に基づいて、自覚式検眼装置10のモデル名を一時的に記憶させる。
【0057】
続いて、例えば、操作者は、通信方法選択ボタン53を操作して、操作者が設定したい通信方法であって、自覚式検眼装置10が他の装置とデータを送受信する際の通信方法80Aを選択する。例えば、操作者は、通信方法選択ボタン53を操作して、一般的な通信方法の一覧の中から、該当の通信方法に対応する選択肢57を選択してもよい。制御部123は、通信方法選択ボタン53からの選択信号に基づいて、自覚式検眼装置10の通信方法を一時的に記憶させる。
【0058】
続いて、例えば、操作者は、通信識別番号入力ボタン54を操作して、自覚式検眼装置10が他の装置とデータを送受信する際の識別番号90Aを入力する。例えば、操作者は、通信識別番号入力ボタン54を操作して、自覚式検眼装置10のIPアドレスを入力する。制御部123は、通信識別番号入力ボタン54からの選択信号に基づいて、自覚式検眼装置10の識別番号を一時的に記憶させる。
【0059】
例えば、操作者は、自覚式検眼装置10に関するすべての項目を入力すると、画面遷移ボタン55を操作する。制御部123は、画面遷移ボタン55からの操作信号に基づいて、自覚式検眼装置10のモデル名、通信方法、およびIPアドレスを確定させ、これらを紐付けて記憶させる。また、制御部123は、画面遷移ボタン55からの操作信号に基づいて、作業画面50Aから表示を切り換える。
【0060】
次に、コントローラ12の制御部123は、他覚式検眼装置20に対応する作業画面50B(
図3参照)を表示させる。操作者は、作業画面50Bの指示メッセージ51に従って、他覚式検眼装置20の機種情報60B(モデル名)、他覚式検眼装置20が他の装置とデータを送受信する際の通信方法80Bおよび識別番号90B(IPアドレス)、等を同様に入力し、画面遷移ボタン55を操作する。制御部123は、画面遷移ボタン55からの操作信号に基づいて、他覚式検眼装置20のモデル名、通信方法、およびIPアドレスを確定させ、これらを紐付けて記憶させるとともに、作業画面50Bから表示を切り換える。
【0061】
次に、コントローラ12の制御部123は、レンズメータ30に対応する作業画面50C(
図4参照)を表示させる。操作者は、作業画面50Cの指示メッセージ51に従って、レンズメータ30の機種情報60C(モデル名)、レンズメータ30が他の装置とデータを送受信する際の通信方法80Bおよび識別番号90C(IPアドレス)、等を同様に入力し、画面遷移ボタン55を操作する。制御部123は、画面遷移ボタン55からの操作信号に基づいて、レンズメータ30のモデル名、通信方法、およびIPアドレスを確定させ、これらを紐付けて記憶させるとともに、作業画面Cの表示を終了させる。
【0062】
<第1通信方法と第2通信方法の取得>
本実施例において、コントローラ12の制御部123は、自覚式検眼装置10と他の装置とのネットワークによる通信を確立するために必要な情報を、このようなウィザード機能を用いた作業画面50の切り換えによって、容易に取得することができる。
【0063】
例えば、制御部123は、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30のそれぞれが通信可能な第1通信方法を取得する。例えば、自覚式検眼装置のカテゴリーに分類される同じ装置であっても、モデル名や型番号が異なる場合には、その装置において設定および実行できる第1通信方法が異なる場合がある。これは、他覚式検眼装置20とレンズメータ30も同様である。そこで、例えば、制御部123は、各々の装置に対するウィザード機能にて入力された機種情報60(機種情報60A~C)を利用し、本体11とコントローラ12の既設のネットワーク上にあるデータベース8から、装置毎に異なる第1通信方法を呼び出して取得する。
【0064】
図5は、データベース8の一例である。例えば、データベース8は、装置のカテゴリー毎に設けられ、装置の機種情報毎に、その装置の第1通信方法が対応付けられている。例えば、自覚式検眼装置10のデータベース8Aには、自覚式検眼装置10の機種情報60Aと第1通信方法70Aが対応付けられている。また、例えば、他覚式検眼装置20のデータベース8Bには、他覚式検眼装置20の機種情報60Bと第1通信方法70Bが対応付けられている。また、例えば、レンズメータ30のデータベース8Cでは、レンズメータ30の機種情報60Cと第1通信方法70Cが対応付けられている。
【0065】
例えば、制御部123は、自覚式検眼装置10の機種情報60A(モデル名60A)をデータベース8Aに照合し、自覚式検眼装置10にて通信可能な第1通信方法70Aを呼び出して取得する。一例として、自覚式検眼装置10のRT-1000モデルにおいては、LAN通信が可能であることが取得される。同様に、例えば、制御部123は、他覚式検眼装置20の機種情報60B(モデル名60B)をデータベース8Bに照合し、他覚式検眼装置20にて通信可能な第1通信方法70Bを呼び出して取得する。一例として、他覚式検眼装置20のAR-2モデルにおいては、LAN通信、WLAN通信、またはシリアル通信が可能であることが取得される。同様に、例えば、制御部123は、レンズメータ30の機種情報60C(モデル名60C)をデータベース8Cに照合し、レンズメータ30にて通信可能な第1通信方法70Cを呼び出して取得する。一例として、レンズメータ30のAR-2モデルにおいては、LAN通信またはWLAN通信が可能であることが取得される。
【0066】
例えば、制御部123は、このようにして、各々の装置が通信可能な第1通信方法70(第1通信方法70A~C)を取得する。例えば、制御部123は、各々の装置に紐付けて、これらの第1通信方法70をメモリに記憶させる。
【0067】
また、例えば、制御部123は、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30のそれぞれに対して、操作者が設定したい第2通信方法を取得する。例えば、制御部123は、各々の装置に対するウィザード機能にて入力された通信方法80(通信方法80A~C)を、第2通信方法80(第2通信方法80A~C)として記憶させる。一例として、操作者が自覚式検眼装置10のRT-1000モデルに対してLAN通信を設定していることが取得される(
図2参照)。また、一例として、操作者が他覚式検眼装置20のAR-2モデルにおいてLAN通信を設定していることが取得される(
図3参照)。また、一例として、操作者がレンズメータ30のLM-100モデルにおいてシリアル通信を設定していることが取得される(
図4参照)。
【0068】
<確認レポートの生成と出力>
本実施例において、コントローラ12の制御部123は、各々の装置における第1通信方法70と第2通信方法80を取得すると、これらに基づいた確認レポート100を生成する。例えば、制御部123は、自覚式検眼装置10と他覚式検眼装置20の間で確立予定の通信状態と、自覚式検眼装置10とレンズメータ30の間で確立予定の通信状態と、を確認することが可能な確認レポート100を生成する。
【0069】
本実施例において、確認レポート100は、各々の装置間における通信状態を可視化した構成図として表される。言い換えると、各々の装置がネットワークへどのように接続される予定であるかを視覚的に示す構成図として表される。例えば、制御部123は、1レポート内の所定の位置に所定の項目が配置されるようなテンプレートに応じて、少なくとも第1通信方法70と第2通信方法80を配置することで、確認レポート100を生成してもよい。
【0070】
図6は、確認レポート100の一例である。例えば、確認レポート100は、各々の装置の模式図とともに、各々の装置の機種情報60(モデル名)、装置毎に通信可能な第1通信方法70、操作者が設定したい第2通信方法80、装置毎の識別番号90(IPアドレス)、等を備える。例えば、各々の装置の機種情報60、第1通信方法70、第2通信方法80、および識別番号90は、一覧表101として示されてもよい。また、例えば、第2通信方法80は、相互関係を示す矢印
図102として示されてもよい。
【0071】
例えば、コントローラ12の制御部123は、確認レポート100を生成すると、これを表示部122に表示させる。例えば、制御部123は、確認レポート100を1画面内におさまるように表示させてもよい。
【0072】
図7は、表示部122の一例である。例えば、表示部122の画面には、確認レポート100、編集ボタン103、印刷ボタン104、等が表示される。例えば、編集ボタン103は、確認レポート100を編集するためのボタンである。例えば、印刷ボタン104は、確認レポート100を印刷するためのボタンである。例えば、操作者は、確認レポート100を確認することによって、各々の装置にて確立予定の通信状態を容易に認識することができる。なお、例えば、操作者は、確認レポート100が1画面内におさまっていることで、各々の装置の通信状態についての全体像を把握しやすくなる。
【0073】
例えば、操作者は、確認レポート100の一覧表101を確認し、各々の装置が通信可能な第1通信方法70に対して操作者が設定したい第2通信方法80が選択できるか否かを容易に判断することができる。一例として、
図6では、自覚式検眼装置10と他覚式検眼装置20におけるそれぞれの第1通信方法と第2通信方法は一致しているが、レンズメータ30における第1通信方法と第2通信方法は一致していない。従って、操作者は、レンズメータ30の第2通信方法を変更する必要があることを把握できる。また、例えば、操作者は、確認レポートの矢印
図102を確認し、各々の装置間でのネットワークを介した接続が可能か否かを容易に判断することができる。一例として、
図6では、自覚式検眼装置10とレンズメータ30の間がLAN通信とシリアル通信になっており、相互関係が成立していない。従って、操作者は、自覚式検眼装置10とレンズメータ30のいずれかの第2通信方法を変更する必要があることを把握できる。
【0074】
<装置間の通信が確立可能か否かの事前判定>
なお、上記では、操作者が、各々の装置間での通信が確立可能か否かを、確認レポート100の確認によって判断している。しかし、例えば、コントローラ12の制御部123が、第1通信方法70と第2通信方法80に基づいて、各々の装置間での通信が確立可能か否かを事前に判定してもよい。
【0075】
例えば、制御部123は、各々の装置に対するウィザード機能にて入力された機種情報60に基づく第1通信方法70と、第2通信方法80と、を取得すると、第1通信方法と第2通信方法が一致するか否かを検出する。一例として、制御部123は、所定の装置に対する第1通信方法が1つしかない場合には、第1通信方法70と第2通信方法80とが同じか否かを検出してもよい。また、一例として、制御部123は、所定の装置に対する第1通信方法が複数ある場合には、第1通信方法70の中に第2通信方法80が含まれるか否かを検出してもよい。例えば、制御部123は、各々の装置において、第1通信方法70と第2通信方法80とが同じでない場合、あるいは、第1通信方法70の中に第2通信方法80が含まれない場合に、確認レポート100とともに、このような判定結果に基づいてアラート105を表示させてもよい。
【0076】
また、例えば、制御部123は、各々の装置に対するウィザード機能にて入力された第2通信方法80を取得すると、装置間の第2通信方法80が同じか否かを検出してもよい。例えば、制御部123は、装置間の第2通信方法80が同じでない場合に、確認レポート100とともに、このような判定結果に基づいてアラート105を表示させてもよい。
【0077】
図8は、確認レポート100とともに表示されるアラート105の一例である。なお、
図8に示す確認レポート100は、
図6に示す確認レポート100と同じである。例えば、アラート105は、各々の装置間でのネットワークの通信が確立しない旨を表す所定の記号(一例として、感嘆符等)であってもよい。もちろん、例えば、アラート105は、ダイアログボックス等によるメッセージ、一覧表101や矢印
図102の色反転や点滅、等であってもよい。
【0078】
本実施例では、レンズメータ30にて通信可能な第1通信方法70CがLAN通信またはWLAN通信であるのに対し、第2通信方法80Cがシリアル通信となっている。このため、例えば、制御部123は、一覧表101における第2通信方法80Cの表示欄に、アラート105を重畳表示してもよい。また、本実施例では、自覚式検眼装置10とレンズメータ30の間がLAN通信とシリアル通信になっており、相互関係が成立していない。このため、例えば、制御部123は、矢印
図102の周辺に、アラート105を重畳表示してもよい。
【0079】
例えば、操作者は、レンズメータ30の第2通信方法を変更する必要があること、および、自覚式検眼装置10とレンズメータ30のいずれかの第2通信方法を変更する必要があることを、アラート105によって、より容易に把握できる。
【0080】
例えば、操作者は、各々の装置の通信方法を変更する必要がある場合に、再度、設定をやりなおしてもよい。この場合、操作者は、編集ボタン103(
図5参照)を操作する。例えば、制御部123は、編集ボタン103からの操作信号に基づいて、作業画面50を呼び出してもよい。あるいは、例えば、制御部123は、編集ボタン103からの操作信号に基づいて、確認レポート100上にて直接的に項目を編集できるようにしてもよい。
【0081】
例えば、このような、確認レポート100の生成および表示部122への表示の段階においては、各々の装置に対する種々の設定が反映されておらず、ネットワーク接続が試行されていない。すなわち、各々の装置は、まだ互いに通信可能な状態ではない。このため、例えば、ウィザード機能を用いたそれぞれの項目の入力に誤りがあっても、本体11とコントローラ12の間の既設のネットワークが切れて、コントローラ12からの操作信号の入力ができなくなる等の問題は起こりにくくなる。
【0082】
なお、本実施例では、自覚式検眼装置10の第2通信方法80AがLAN通信であり、レンズメータ30の第2通信方法80Cがシリアル通信となっているため、自覚式検眼装置10に新たな機器(一例として、メモリーボックス等)を追加することによって、互いの通信を確立させることも可能である。このため、例えば、制御部60は、操作者の次の動作をアラート105によって誘導してもよい。
【0083】
例えば、操作者は、確認レポート100の内容に問題がなければ、確認レポート100を印刷してもよい。この場合、操作者は、印刷ボタン104(
図5参照)を操作する。例えば、制御部123は、印刷ボタン104からの操作信号に基づいて、図示なきプリンタにデータを転送する。
【0084】
例えば、操作者は、確認レポート100の印刷物を確認しながら、各々の装置におけるネットワークの設定を行うための詳細画面から、各々の装置に対して、操作者が設定したい第2通信方法80、装置毎の識別番号90(IPアドレス)、等の情報を入力してもよい。例えば、制御部123は、操作者が詳細画面にて入力した操作信号に基づいて、各々の装置に対する種々の設定を、都度、反映させ、各々の装置を互いに通信可能な状態としてもよい。これによって、自覚式検眼装置10とその他の装置とのネットワークによる通信が確立する。
【0085】
<第2操作モード>
例えば、操作者は、自覚式検眼装置10と他の装置とのネットワークによる通信が確立すると、コントローラ12の操作部121を用いて、第2操作モードを設定するための図示なき操作ボタンを選択してもよい。制御部123は、操作ボタンからの入力信号に応じて、第2操作モードを設定する。
【0086】
例えば、第2操作モードの設定下では、他覚式検眼装置20の制御部22によって、他覚式検眼装置20を用いた被検眼の他覚式検査の測定結果(言い換えると、他覚データ)を、共有フォルダ6に格納させておくことができる。同様に、レンズメータ30の制御部32によって、レンズメータ30を用いた眼鏡レンズの光学特性の測定結果(言い換えると、前眼鏡データ)を、共有フォルダ6に格納させておくことができる。
【0087】
また、例えば、第2操作モードの設定下では、コントローラ12の表示部122に、被検眼の自覚式検査を行うための測定画面が表示されるようになる。一例として、このような測定画面では、被検眼に呈示する検査視標の種類、検査視標の視力値、検査視標の呈示距離、被検眼を矯正する矯正度数、等の少なくともいずれかを設定することが可能である。
【0088】
例えば、被検眼の自覚式検査では、被検眼を矯正する矯正度数の初期値として、他覚データと前眼鏡データの少なくともいずれかが用いられる。例えば、コントローラ12の制御部123は、共有フォルダ6へアクセスし、前眼鏡データおよび他覚データの少なくともいずれかを呼び出すことができる。
【0089】
以上説明したように、例えば、本実施例の検眼システムは、被検眼の検眼工程において使用される複数の検眼用装置を有し、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法を示す第1情報と、複数の検眼用装置毎に操作者が設定したい通信方法を示す第2情報と、を取得し、第1情報と第2情報とに基づいて、複数の検眼用装置間で確立予定の通信状態を確認可能な確認レポートを出力する。これによって、例えば、操作者は、各々の装置が互いに通信可能な状態になるか否かを、実際にネットワーク接続を行うよりも前の段階で、容易に確認できる。なお、このような確認レポートに基づいて各種の設定を反映させることで、ネットワークを容易に確立させることができる。
【0090】
また、例えば、本実施例の検眼システムは、複数の検眼用装置に対して操作者が設定したい通信方法(第2情報)を選択するための作業画面を表示し、作業画面上にて選択された通信方法を第2情報として取得する。これによって、例えば、操作者は、1つまたは複数の通信方法の選択肢等を用いて、第2情報を容易に設定することができる。
【0091】
また、例えば、本実施例の検眼システムは、複数の検眼用装置毎に設けられた複数の作業画面を含み、作業画面上における通信方法の選択に基づいて、複数の作業画面を予め設定された順序に沿って切り換える。これによって、例えば、操作者が通信に詳しくない場合等であっても、指示に従い項目を順に入力していくのみでよく、複雑な操作が不要となる。また、各々の装置をネットワークに接続するために必要な情報を容易に取得することができる。
【0092】
また、例えば、本実施例の検眼システムは、複数の検眼用装置に対する機種情報を取得するとともに、複数の検眼用装置の機種情報毎に通信可能な通信方法(第1情報)が対応付けられたデータベースを用いて、機種情報に基づく第1情報を呼び出すことにより、第1情報を取得する。例えば、装置の機種情報(一例として、モデル名)に応じて設定および実行できる通信方法は異なるため、第1情報と第2情報が一致しない状態でネットワークへの接続を試行すると、通信に影響を及ぼすことがある。しかし、例えば、装置の機種情報から第1情報を得ておくことによって、予め、第2情報の設定に問題がないかどうかを判断できる。
【0093】
また、例えば、本実施例の検眼システムは、複数の検眼用装置毎に通信可能な通信方法(第1情報)と、複数の検眼用装置毎に操作者が設定したい通信方法(第2情報)と、に基づいて、複数の検眼用装置間での通信が確立可能か否かを事前に判定し、その判定結果に基づくアラートを確認レポートとともに出力する。例えば、これによって、操作者はアラートが出力された場合に、第1情報と第2情報が一致しないことをより容易に判断できる。さらに、例えば、操作者は、各々の装置間での通信が確立するように、必要に応じて、予め第2情報を変更しておく等の対応をとることができる。
【0094】
また、例えば、本実施例の検眼システムは、複数の検眼用装置間における通信状態を可視化した構成図を確認レポートとして出力する。これによって、例えば、操作者は、各々の装置が互いに通信可能な状態になるか否かを、直感的に判断することができる。
【0095】
<変容例>
本実施例では、操作者が自覚式検眼装置10のコントローラ12を使用してネットワークの通信を確立するための設定を行う構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、コントローラ12と同様の機能をホストコンピュータが担い、ホストコンピュータにてネットワークの通信を確立するための設定を行うことも可能である。この場合、ホストコンピュータの制御部は、ホストコンピュータの表示部に、予め設定された順序に沿った作業画面50を表示させてもよい。また、ホストコンピュータの制御部は、操作者による作業画面に沿った設定の入力に基づいて、各々の装置のモデル名、通信方法、IPアドレス等を取得するとともに、確認レポート100を生成および出力してもよい。
【0096】
本実施例では、検眼システム1が自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30を1台ずつ備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、検眼システム1は自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30の少なくともいずれかを2台以上備える構成としてもよい。つまり、検眼システム1は、所定の検眼工程にて使用される同じ種類の装置を複数台備える構成であってもよい。例えば、この場合には、各々の装置に対応する作業画面50において、台数を入力することができるように、台数選択ボタン等が設けられてもよい。例えば、操作者が台数選択ボタンを操作すると、制御部123はその操作信号に基づいて、適宜、作業画面50を追加してもよい。
【0097】
一例として、1台の自覚式検眼装置10を用いる場合には、2台目以降に対する作業画面50Aが自動的に非表示(スキップ)とされ、2台以上の自覚式検眼装置10を用いる場合には、2台目以降に対する作業画面50Aが表示されるように、表示部122が制御されてもよい。また、一例として、2台以上の自覚式検眼装置10を用いる場合には、1台目の自覚式検眼装置10に対する作業画面50Aの後に、2台目の自覚式検眼装置10に対する作業画面50Aが割り込み表示されるように、表示部122が制御されてもよい。
【0098】
本実施例では、操作者が自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30の各々の装置に対する作業画面50上ですべての項目を入力した状態で、制御部123が画面遷移ボタン55からの操作信号に応じて表示を切り換える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、制御部123は、作業画面50の項目の一部が未入力であっても、表示を切り換えることが可能な構成とされてもよい。例えば、この場合、確認レポート100上では、機種情報60、第1通信方法70、第2通信方法80、識別番号90、等の該当する箇所に、未入力である旨を表す所定の記号(一例として、疑問符等)が表示されてもよい。もちろん、例えば、該当する箇所の色反転や点滅、ダイアログボックスによるメッセージの表示、等がなされてもよい。
【0099】
本実施例では、操作者が、自覚式検眼装置10の機種情報60Aを作業画面50Aにおける機種情報選択ボタン52の選択肢の中から選択することによって、機種情報60Aを取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、自覚式検眼装置10のコントローラ12と本体11は通信可能な状態であるため、コントローラ12の制御部123が、本体11のメモリにアクセスして機種情報60Aを受信することによって、機種情報60Aを取得する構成であってもよい。例えば、本体11のメモリには、自己を識別する既知の情報として、機種情報60A(モデル名)が記憶されていてもよい。
【0100】
本実施例では、操作者が、各々の装置に対して設定したい第2通信方法80(第2通信方法80A~C)を、作業画面50における通信方法選択ボタン53の選択肢の中から選択することによって、第2通信方法80を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、各々の装置にて通信可能な第1通信方法70が取得されるため、第1通信方法70に基づいて、第2通信方法80の選択が制限されてもよい。言い換えると、各々の装置にて通信可能な第1通信方法70に基づいて、各々の装置にて通信不可能な第1通信方法70を把握することができるため、このような通信不可能な第1通信方法70と一致する第2通信方法80の選択が制限されてもよい。
【0101】
より詳細には、例えば、各々の装置にて通信不可能な第1通信方法70と一致する第2通信方法80が、作業画面50における通信方法選択ボタン53の選択肢から除外され、非表示とされてもよい。あるいは、例えば、通信方法選択ボタン53の選択肢としては表示されるが、ラジオボタン等からの操作信号が入力されないようにロックが掛けられてもよい。
【0102】
例えば、本実施例の検眼システム1は、このように、複数の検眼用装置毎に通信可能な第1通信方法(第1情報)に基づいて、操作者が設定したい第2通信方法(第2情報)の選択を制限してもよい。例えば、このために、操作者によって検眼用装置の通信不可能な通信方法が第2情報として選択される可能性が低くなる。結果として、各々の装置間でのネットワークによる通信が確立されやすくなる。
【0103】
本実施例では、操作者が、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30の各々の装置に対する作業画面50上で、通信識別番号入力ボタン54を操作しし、識別番号を入力する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、自覚式検眼装置10、他覚式検眼装置20、およびレンズメータ30のいずれかの装置に対する作業画面50上で入力された識別番号を、自動的に他の装置に対する作業画面50の識別番号に反映させてもよい。より詳細には、例えば、自覚式検眼装置10に対する作業画面50Aにて入力された識別番号90A(IPアドレス)が、他覚式検眼装置20に対する作業画面50Bの識別番号90B(IPアドレス)およびレンズメータ30に対する作業画面50Cの識別番号90C(IPアドレス)として、自動的に入力されてもよい。なお、例えば、この場合には、識別番号の一部(一例として、IPアドレスのネットワークアドレス部、等)のみが、自動的に入力されてもよい。
【0104】
本実施例では、操作者が確認レポート100を印刷し、その印刷物を確認しながら、各々の装置におけるネットワークの設定を手動で行う構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、操作者が確認レポート100を外部の記憶部(一例として、SDカード、USBメモリ、等)に保存させ、他覚式検眼装置20およびレンズメータ30に記憶部を差し込むことで、各々の装置におけるネットワークの設定が自動で行われる構成としてもよい。例えば、この場合、コントローラ12の制御部123は、操作部121からの操作信号に基づいて確認レポート100を記憶部に記録させてもよい。さらに、例えば、他覚式検眼装置20の制御部22と、レンズメータ30の制御部32は、操作者に挿入された記憶部から少なくとも第2通信方法を含むデータを読み取って、ネットワークの設定に反映させてもよい。
【0105】
また、例えば、各々の装置間でのネットワークは確立していないが、各々の装置が共有フォルダ6にアクセス可能である場合には、コントローラ12の制御部123によって、確認レポート100が共有フォルダ6に格納されてもよい。例えば、この場合、他覚式検眼装置20とレンズメータ30の制御部は、共有フォルダ6にアクセスし、確認レポート100から少なくとも第2通信方法を含むデータを読み取って、ネットワークの設定に反映させてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 検眼システム
5 ネットワーク
8 データベース
10 自覚式検眼装置
20 他覚式検眼装置
30 レンズメータ
60 機種情報
70 第1通信方法
80 第2通信方法
90 識別番号
50 作業画面
100 確認レポート