特開 2024-145283 筐体

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024145283

(43)【公開日】2024-10-15

(54)【発明の名称】筐体

(51)【国際特許分類】

   A47B 55/00 20060101AFI20241004BHJP

【ＦＩ】

A47B55/00

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023057571

(22)【出願日】2023-03-31

(71)【出願人】

【識別番号】390010054

【氏名又は名称】コイト電工株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100134832

【弁理士】

【氏名又は名称】瀧野 文雄

(74)【代理人】

【識別番号】100165308

【弁理士】

【氏名又は名称】津田 俊明

(74)【代理人】

【識別番号】100115048

【弁理士】

【氏名又は名称】福田 康弘

(72)【発明者】

【氏名】高城 里香

(72)【発明者】

【氏名】星野 陽

(72)【発明者】

【氏名】須藤 俊紀

(72)【発明者】

【氏名】横内 佑哉

(72)【発明者】

【氏名】中田 聡郎

(72)【発明者】

【氏名】三好 恵太郎

(72)【発明者】

【氏名】在原 快

【テーマコード（参考）】

3B067

【Ｆターム（参考）】

3B067AA01

3B067AA11

3B067DA04

(57)【要約】

【課題】扉が開いた状態を保つことが可能な筐体を提供する。
【解決手段】機器を収容するための筐体を、前記機器を収容するための本体であって、開口部を前面側に有する本体と、前記本体の開口部を塞ぐための扉と、前記扉を前記本体に開閉可能に接続するための丁番と、を有するようにし、前記丁番を、第１の部分と第２の部分とを有するようにし、前記第１の部分を、円柱部と、円柱部から突出するピンと、前記ピンに設けられた孔と、を有するようにし、前記第２の部分を、円柱部と、前記円柱部に設けられた第１の孔と、前記円柱部に設けられた第２の孔と、を有するようにし、前記第２の部分の第１の孔を、前記ピンが挿入される孔であるようにし、前記第２の部分の第２の孔を、前記円柱部の外部から前記第１の孔まで前記円柱部を貫通する貫通孔であるようにする。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

機器を収容するための筐体であって、
前記機器を収容するための本体であって、開口部を前面側に有する本体と、
前記本体の開口部を塞ぐための扉と、
前記扉を前記本体に開閉可能に接続するための丁番と、を有し、
前記丁番は、第１の部分と第２の部分とを有し
前記第１の部分は、
円柱部と、
円柱部から突出するピンと、
前記ピンに設けられた孔と、を有し、
前記第２の部分は、
円柱部と、
前記円柱部に設けられた第１の孔と、
前記円柱部に設けられた第２の孔と、を有し、
前記第２の部分の第１の孔は、前記ピンが挿入される孔であり、
前記第２の部分の第２の孔は、前記円柱部の外部から前記第１の孔まで前記円柱部を貫通する貫通孔である、筐体。

【請求項2】

前記第１の部分の孔の孔径および前記第２の部分の第２の孔の孔径は、３ｍｍ以上、４ｍｍ以上、または５ｍｍ以上である、請求項１に記載の筐体。

【請求項3】

前記第１の部分の孔の数は、複数である、請求項１に記載の筐体。

【請求項4】

前記第１の部分は、前記本体に固定され、
前記第２の部分は、
前記扉に固定され、
前記第１の部分の上側に配置され、
前記第２の部分の第１の孔は、貫通孔であり、
前記第１の部分のピンの長さと前記第２の部分の円柱部の長さは同じであり、
前記第１の部分の孔および前記第２の部分の第２の孔は、上方が開口している、請求項１に記載の筐体。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、筐体に関する。

【背景技術】

【0002】

信号灯器を制御する信号制御機を収容するための筐体は、信号制御機の点検等の際に、信号制御機を前面側から視認できるように、信号制御機が収容された収容領域の前面側が開口している。この開口を塞ぐための扉は、丁番により開閉可能に取り付けられている（例えば、特許文献１）。

【先行技術文献】

【非特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２２－２６１８７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

扉が開けられた状態で、信号制御機の点検等が実施される。このため、点検等が実施されている間は、扉が開いた状態が保たれるようにすると良い。

【0005】

そこで、本発明は、扉が開いた状態を保つことが可能な筐体を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するため、本発明における筐体は、機器を収容するための筐体であって、前記機器を収容するための本体であって、開口部を前面側に有する本体と、前記本体の開口部を塞ぐための扉と、前記扉を前記本体に開閉可能に接続するための丁番と、を有し、前記丁番は、第１の部分と第２の部分とを有し前記第１の部分は、円柱部と、円柱部から突出するピンと、前記ピンに設けられた孔と、を有し、前記第２の部分は、円柱部と、前記円柱部に設けられた第１の孔と、前記円柱部に設けられた第２の孔と、を有し、前記第２の部分の第１の孔は、前記ピンが挿入される孔であり、前記第２の部分の第２の孔は、前記円柱部の外部から前記第１の孔まで前記円柱部を貫通する貫通孔である。

【0007】

前記第１の部分の孔の孔径および前記第２の部分の第２の孔の孔径は、３ｍｍ以上、４ｍｍ以上、または５ｍｍ以上であるようにすると良い。

【0008】

前記第１の部分の孔の数は、複数であるようにしても良い。

【0009】

前記第１の部分は、前記本体に固定され、前記第２の部分は、前記扉に固定され、前記第１の部分の上側に配置され、前記第２の部分の第１の孔は、貫通孔であり、前記第１の部分のピンの長さと前記第２の部分の円柱部の長さは同じであり、前記第１の部分の孔および前記第２の部分の第２の孔は、上方が開口しているようにしても良い。

【発明の効果】

【0010】

本発明により、扉が開いた状態を保つことが可能な筐体を提供することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明の一実施形態に係る筐体１００を示す図である。

【図2】扉１２０が閉じられた状態の筐体１００を上方から見た図である。

【図3】丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が接続された状態を示す図である。

【図4】丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が分離された状態を示す図である。

【図5】直線状の部材ＬＭが第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通された状態を説明する図である。

【図6】丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が分離された状態を示す図である。

【図7】直線状の部材ＬＭが第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通された状態を上方から見た図である。

【図8】直線状の部材ＬＭが第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通された状態を上方から見た図である。

【図9】丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が分離された状態を示す図である。

【図10】丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が接続された状態を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

＜筐体１００＞
図１は、本発明の一実施形態に係る筐体１００を示す図である。筐体１００は、本体１１０と、扉１２０と、丁番１３０と、を有する。筐体１００は、例えば、信号灯器を制御する信号制御機を収容するための筐体である。

【0013】

本体１１０は、信号制御機などの機器を収容するための部材であり、当該機器を収容するための領域（収容領域）を有している。本体１１０は、本体１１０の収容領域に収容された機器を前面側から視認することができるように、上下方向および左右方向に広がる開口部１１１を前面側に有している。本体１１０は、図１に示すように、上面１１２と、左側面１１３と、右側面１１４と、下面１１５と、後面１１６と、を有し、収容領域は、上面１１２と、左側面１１３と、右側面１１４と、下面１１５と、後面１１６と、により囲まれた領域である。

【0014】

扉１２０は、本体１１０の開口部１１１を塞ぐための部材である。

【0015】

丁番１３０は、扉１２０を本体１１０に開閉可能に接続するための部材である。図１に示した例において、丁番１３０の数は、２であるが、丁番１３０の数は、１であっても良いし、３以上であっても良い。扉１２０は、扉１２０が閉められた状態において、上下方向および左右方向に広がっている。

【0016】

図２は、扉１２０が閉じられた状態の筐体１００を上方から見た図である。例えば、丁番１３０は、図２に示すように、扉１２０が閉じられた状態において、筐体１００の外側から視認することができる位置に設置される。

【0017】

＜丁番１３０＞
丁番１３０は、図３、４に示すように、第１の部分１３１と、第２の部分１３２と、を有する。図３は、丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が接続された状態を示しており、図４は、丁番１３０の第１の部分１３１と第２の部分１３２が分離された状態を示している。

【0018】

第１の部分１３１は、図３、４に示すように、円柱部１３１１と、ピン１３１２と、固定部１３１３と、を有する。

【0019】

円柱部１３１１は、例えば、円柱形状である。

【0020】

ピン１３１２は、円柱部１３１１から円柱部１３１１の円柱軸の方向に突出している。ピン１３１２は、例えば、図４に示すように、円柱部１３１１の円柱軸を円柱軸とする円柱形状である。

【0021】

固定部１３１３は、円柱部１３１１から円柱部１３１１の円柱軸に垂直な方向（ＤＶ１）に延びており、本体１１０または扉１２０に固定される。

【0022】

第２の部分１３２は、円柱部１３２１と、第１の孔１３２２と、固定部１３２３と、を有する。

【0023】

円柱部１３２１は、例えば、円柱形状である。

【0024】

第１の孔１３２２は、円柱部１３２１に設けられており、円柱部１３２１の円柱軸の方向に延びている。第１の孔１３２２は、第１の部分１３１のピン１３１２が挿入される孔であり、第１の部分１３１のピン１３１２が挿入可能な形状をしている。第１の部分１３１のピン１３１２の形状が円柱状である場合、第２の部分１３２の第１の孔１３２２により画定される空洞部分の形状は、円柱部１３２１の円柱軸を円柱軸とする円柱状である。第１の孔１３２２は、貫通孔であっても良いし、非貫通孔であっても良い。

【0025】

固定部１３２３は、円柱部１３２１から円柱部１３２１の円柱軸に垂直な方向（ＤＶ２）に延びており、本体１１０または扉１２０に固定される。

【0026】

第１の部分１３１のピン１３１２を第２の部分１３２の第１の孔１３２２に挿入することで、第１の部分１３１と第２の部分１３２とは接続する。第１の部分１３１と第２の部分１３２とが接続された状態において、第１の部分１３１の円柱部１３１１の円柱軸と、第２の部分１３２の円柱部１３２１の円柱軸の方向と、は一致する。第１の部分１３１と、第２の部分１３２と、は、互いに対して、この円柱軸の方向を回転軸（つまり、丁番１３０の回転軸ＡＲ）として回転する。本実施形態では、第１の部分１３１と、第２の部分１３２とが互いに対して回転することで、第１の部分１３１の固定部１３１３または第２の部分１３２の固定部１３２３に固定された扉１２０が開閉する。

【0027】

第１の部分１３１の固定部１３１３が扉１２０に固定される場合、第２の部分１３２の固定部１３２３は、本体１１０に固定され、第２の部分１３２は、第１の部分１３１の下側に配置される。第１の部分１３１の固定部１３１３が本体１１０に固定される場合、第２の部分１３２の固定部１３２３は、扉１２０に固定され、第２の部分１３２は、第１の部分１３１の上側に配置される。

【0028】

本実施形態において、第１の部分１３１は、第１の部分１３１のピン１３１２に設けられた孔１３１４をさらに有する。そして、第２の部分１３２は、円柱部１３２１に設けられた第２の孔１３２４をさらに有する。第２の孔１３２４は、円柱部１３２１の外部から第１の孔１３２２まで円柱部１３２１を貫通する貫通孔である。

【0029】

第２の部分１４２の第２の孔１３２４は、第１の部分１３１と第２の部分１３２とが接続された状態において、第１の部分１３１の孔１３１４と同じ高さになるように設けられる。つまり、第２の部分１４２の第２の孔１３２４は、第１の部分１３１と第２の部分１３２とが接続された状態において、第１の部分１３１を第２の部分１３２に対して回転させることで、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４とが連続した孔を構成するように設けられる。

【0030】

このため、本実施形態では、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４とが連続した孔を構成するときに、図５に示すように、直線状の部材ＬＭを、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通すことが可能である。直線状の部材ＬＭを第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通した状態では、第１の部分１３１と、第２の部分１３２とが互いに対して回転することができない。結果、本実施形態では、第１の部分１３１と、第２の部分１３２とが互いに対して回転しないようにすること、つまり、第１の部分１３１の固定部１３１３または第２の部分１３２の固定部１３２３に固定された扉を開閉しないようにすることが可能である。よって、本実施形態では、扉が開いた状態を保つことが可能な筐体を提供することが可能である。

【0031】

第１の部分の孔１３１４が貫通孔である場合、第２の部分１３２の第２の孔１３２４は、図５に示すように、第１の部分１３１の孔１３１４の両端の開口に対応する位置に設けられた２つの孔により構成するようにすると良い。つまり、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の２つの第２の孔１３２４とが連続した孔を構成するように、第２の部分１４２の第２の孔１３２４として２つの孔を設けるようにしても良い。このようにすることで、図５に示すように、直線状の部材ＬＭを、第１の部分１３１と第２の部分１３２を貫通させることが可能になる。

【0032】

例えば、第１の部分１３１の孔１３１４が延びる方向ＤＨ１と丁番１３０の回転軸ＡＲのなす角は、図４に示すように、直角であるようにすると良い。また、第１の部分１３１のピン１３１２に設けられた孔１３１４が延びる方向ＤＨ１と丁番１３０の回転軸ＡＲのなす角は、図６に示すように、鋭角にあるようにしても良い。

【0033】

また、例えば、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４は、筐体１００を上方から見たときに、図７に示すように、直線状の部材ＬＭを、第１の部分１３１の固定部１３１３が延びる方向ＤＶ１および第２の部分１３２の固定部１３２３が延びる方向ＤＶ２の両方に平行になるように、第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に挿入できるようにすると良い。つまり、第１の部分１３１の孔１３１４が延びる方向ＤＨ１の水平成分が、第１の部分１３１の固定部１３１３が延びる方向ＤＶ１の水平成分に平行であり、かつ、第２の部分１３２の第２の孔１３２４が延びる方向ＤＨ２の水平成分が、第２の部分１３２の固定部１３２３が延びる方向ＤＶ２の水平成分に平行であるようにすると良い。このようにすることで、直線状の部材ＬＭを第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通したときに、図７に示すように、扉１２０が１８０度に開いた状態に保たれることになる。

【0034】

また、図８に示すように、第１の部分１３１の孔１３１４が延びる方向ＤＨ１の水平成分に平行な線と第１の部分１３１の固定部１３１３が延びる方向ＤＶ１の水平成分に平行な線となす角θ１と、第２の部分１３２の第２の孔１３２４が延びる方向ＤＨ２の水平成分に平行な線と第２の部分１３２の固定部１３２３が延びる方向ＤＶ２の水平成分に平行な線となす角θ２と、を同じ角度になるようにしても良い。このようにすることでも、直線状の部材ＬＭを第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に通したときに、図８に示すように、扉１２０が１８０度に開いた状態に保たれることになる。

【0035】

第１の部分の孔１３１４および第２の部分の第２の孔１３２４の孔径は、例えば、３ｍｍ以上、４ｍｍ以上、または５ｍｍ以上にすると良い。このようすることで、ドライバーを第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に挿入し、扉を全開にした状態に保つことが可能になる。例えば、０型のドライバーの軸径は、３ｍｍまたは４ｍｍであり、１型のドライバーの軸径は、５ｍｍである。

【0036】

第１の部分１３１の孔１３１４は、図９に示すように、複数の孔により構成するようにしても良い。このとき、第１の部分１３１の孔１３１４の複数の孔の各々が延びる方向は、第１の部分１３１の孔１３１４の複数の孔の他の孔が延びる方向とは異なるようにすると良い。このようにすることで、扉を複数の開き角度に固定することが可能になる。

【0037】

このとき、複数の孔１３１４は、例えば、図９に示すように、異なる高さに設けられるようにすると良い。このとき、第２の部分１３２の第２の孔１３２４は、図９に示すように、この複数の孔１３１４の各々に対応する複数の孔により構成されるようにしても良いし、この複数の孔１３１４のすべてに対応する１つの孔（例えば、スリット状の孔）であっても良い。第２の部分１３２の第２の孔１３２４が複数の孔１３１４の各々に対応する複数の孔により構成される場合、第２の部分１３２の第２の孔１３２４の複数の孔の丁番１３０の回転軸の周方向の位置は、例えば、図９に示すように、すべて同じであるようにすると良い。

【0038】

また、第２の部分１３２の第２の孔１３２４の複数の孔の丁番１３０の回転軸の周方向の位置を異なるようにし、第１の部分１３１の孔１３１４の複数の孔の各々が延びる方向を、すべて同じにするようにしても良い。このようにすることでも、扉を複数の開き角度に固定することが可能になる。

【0039】

第１の部分１３１の孔１３１４および第２の部分１３２の第２の孔１３２４は、板状の部材を挿入可能な形状（例えば、スリット状）であっても良い。第１の部分１３１が本体１１０に固定される場合、つまり、第２の部分１３２が第１の部分１３１の上側に配置される場合、第２の部分１３２の第１の孔１３２２を貫通孔とし、第１の部分１３１のピン１３１２の円柱軸方向の長さと第２の部分１３２の第１の孔１３２２の円柱軸方向の長さとを、同じにし、第１の部分１３１の孔１３１４および第２の部分１３２の第２の孔１３２４を、図１０に示すように、上方が開口した形状にするようにしても良い。このようにすることで、コインなどの板状の部材を第１の部分１３１の孔１３１４と第２の部分１３２の第２の孔１３２４の両方に上方から挿入し、扉が開いた状態を保つことが可能になる。

【0040】

以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。

【符号の説明】

【0041】

１００ 筐体
１１０ 本体
１１１ 開口部
１１２ 上面
１１３ 左側面
１１４ 右側面
１１５ 下面
１１６ 後面
１２０ 扉
１３０ 丁番
１３１ 丁番１３０の第１の部分
１３１１ 第１の部分１３１の円柱部
１３１２ 第１の部分１３１のピン
１３１３ 第１の部分１３１の固定部
１３１４ 第１の部分１３１の孔
１３２ 丁番１３０の第２の部分
１３２１ 第２の部分１３２の円柱部
１３２２ 第２の部分１３２の第１の孔
１３２３ 第２の部分１３２の固定部
１３２４ 第２の部分１３２の第２の孔

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】