(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145309
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/00 20060101AFI20241004BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057598
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田端 航
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 崇
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA62
2K203FA82
2K203FA93
2K203KA05
2K203KA07
2K203MA23
5C058AA18
5C058BA35
5C058EA54
(57)【要約】
【課題】設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる方向を増加可能なプロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置を提供する。
【解決手段】プロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1及び第2面部と、第2軸にて互いに反対側となる第3及び第4面部と、第3軸にて互いに反対側となる第5及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、外装筐体は、第1~第4面部のうち少なくとも1つの外面部に設けられ、第1軸に沿う第1方向と、第1方向とは反対方向と、第2軸に沿う第2方向と、第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1、第2及び第3接触面を有し、固定具は、設置面に固定される固定部と、固定部から第3軸に沿って突出して、第1、第2及び第3接触面に接触する突出部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に設けられ、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出して、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクター装置において、
前記第1軸と前記第2軸とのうち一方の軸にて互いに反対側となる2つの外面部のそれぞれは、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面を有し、
前記固定具は、前記2つの外面部のそれぞれに対応して配置される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクター装置において、
前記第1面部及び前記第2面部のうち一方の外面部と、前記第3面部及び前記第4面部のうち一方の外面部とのそれぞれは、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面を有し、
前記固定具は、前記2つの外面部のそれぞれに対応して配置される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面は、前記少なくとも1つの外面部に設けられた凹部によって構成されている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面は、前記少なくとも1つの外面部に設けられた凸部によって構成されている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項6】
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を内面に含む孔部を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクター装置において、
前記外装筐体は、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部、前記第4面部、前記第5面部及び前記第6面部を有する筐体本体と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち1つの外面部に固定されるカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記孔部を構成する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のプロジェクター装置において、
前記孔部は、
前記第1方向に対向する前記第1接触面と、
前記第1方向とは反対方向に対向する前記第2接触面と、
前記第2方向に対向する前記第3接触面と、
前記第2方向とは反対方向に対向する第4接触面と、を有し、
前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面のうち、少なくとも1つの面は、平面である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3、請求項6、請求項7のいずれか一項に記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面のうち2つの接触面は、互いに対向し、
前記2つの接触面の間隔は、前記設置面に向かって大きくなる、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項10】
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、接触面を内面に含む孔部を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部と、を有し、
前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項11】
請求項10に記載のプロジェクター装置において、
前記外装筐体は、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部、前記第4面部、前記第5面部及び前記第6面部を有する筐体本体と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち1つの外面部に固定されるカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記孔部を構成する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項12】
請求項1から請求項3、請求項6、請求項7、請求項10、請求項11のいずれか一項に記載のプロジェクター装置において、
前記プロジェクターは、前記第3軸に沿い、かつ、前記設置面から離れる方向に、前記固定具から移動可能である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項13】
請求項1から請求項3、請求項6、請求項7、請求項10、請求項11のいずれか一項に記載のプロジェクター装置を複数備え、
複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項14】
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、
前記設置面に固定される固定具と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、
前記孔部の内面は、
前記第1軸に沿う第1方向に対向する第1接触面と、
前記第1方向とは反対方向に対向する第2接触面と、
前記第2軸に沿う第2方向に対向する第3接触面と、
前記第2方向とは反対方向に対向する第4接触面と、を含み、
前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面に接触する突出部を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項15】
請求項14に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面のうち、少なくとも1つの面は平面である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項16】
請求項12又は請求項13に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記孔部は、前記カバー部材と、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち前記カバー部材が取り付けられる外面部とによって構成される、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項17】
請求項12又は請求項13に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記孔部は、前記カバー部材に設けられている、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項18】
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、
前記設置面に固定される固定具と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、
前記孔部は、接触面を含み、
前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部を有し、
前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、机からのプロジェクターの落下を防止する落下防止具が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の落下防止具は、2つの皿ねじによって机の天板に固定される。落下防止具は、引っ掛かり部を有し、プロジェクターは、筐体の前面下部を引っ掛かり部に接触させた状態にて天板上に配置される。これにより、プロジェクターの前面下部が引っ掛かり部に引っ掛かることによって、プロジェクターの前方への移動が阻止され、机上からのプロジェクターの落下が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の落下防止具は、プロジェクターの後方及び左右方向への移動を規制しない。このため、何等かの衝撃によってプロジェクターが机上にて移動してしまうという問題がある。そして、プロジェクターが後方に移動されると、投射画像のサイズが変化したり、投射画像がぼけたりする。プロジェクターが左右に移動されると、プロジェクターによる画像の投射方向及び投射位置がずれる。
このため、設置面においてプロジェクターの動きを規制できる方向を増やすことが可能な構成が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係るプロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、前記外装筐体は、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に設けられ、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を有し、前記固定具は、前記設置面に固定される固定部と、前記固定部から前記第3軸に沿って突出して、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、前記外装筐体は、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を内面に含む孔部を有し、前記固定具は、前記設置面に固定される固定部と、前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する。
【0007】
本開示の第3態様に係るプロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、前記外装筐体は、接触面を内面に含む孔部を有し、前記固定具は、前記設置面に固定される固定部と、前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部と、を有し、前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する。
【0008】
本開示の第4態様に係るプロジェクションシステムは、上記第1態様、第2態様又は第3態様に係るプロジェクター装置を複数備え、複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する。
【0009】
本開示の第5態様に係るプロジェクター用固定装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、前記設置面に固定される固定具と、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、前記孔部の内面は、前記第1軸に沿う第1方向に対向する第1接触面と、前記第1方向とは反対方向に対向する第2接触面と、前記第2軸に沿う第2方向に対向する第3接触面と、前記第2方向とは反対方向に対向する第4接触面と、を含み、前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面に接触する突出部を有する。
【0010】
本開示の第6態様に係るプロジェクター用固定装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、前記設置面に固定される固定具と、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、前記孔部は、接触面を含み、前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部を有し、前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係るプロジェクションシステムの構成を示す模式図。
【
図2】第1実施形態に係るプロジェクター装置を示す斜視図。
【
図3】第1実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示す図。
【
図4】第1実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
【
図5】第1実施形態に係るプロジェクターを示す底面図。
【
図6】第1実施形態に係る左側面部の凹部を示す側面図である。
【
図10】第1実施形態に係る凹部及び固定具を示す側面図。
【
図11】第1実施形態に係る凹部及び固定具を示す断面図。
【
図12】第1実施形態に係るプロジェクターの動きの規制を説明する図。
【
図13】第1実施形態の変形に係るプロジェクター装置を示す底面図。
【
図14】第2実施形態に係るプロジェクター装置を示す底面図。
【
図15】第2実施形態に係る凸部及び固定具を示す断面図。
【
図16】第3実施形態に係るプロジェクター装置を示す底面図。
【
図17】第3実施形態に係る孔部及び固定具を示す断面図。
【
図18】第4実施形態に係るプロジェクター装置を示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[プロジェクションシステムの構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステムPSの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムPSは、
図1に示すように、設置面SFに設置される複数のプロジェクター装置1によって構成され、複数のプロジェクター装置1のそれぞれからスクリーン等の被投射面SCに投射される画像によって一つの連続した映像を表示する。本実施形態では、プロジェクションシステムPSは、2つのプロジェクター装置11,12を備えるが、プロジェクションシステムPSが備えるプロジェクター装置1の数は、2以上であれば、適宜変更可能である。
本実施形態では、プロジェクションシステムPSは、複数のプロジェクター装置1のそれぞれから投射される画像の一部が互いに重畳されるタイリング型のプロジェクションシステムである。しかしながら、これに限らず、プロジェクションシステムPSは、各プロジェクター装置1から投射される画像が互いに重畳されるスタッキング型のプロジェクションシステムであってもよい。
【0013】
[プロジェクター装置の構成]
図2は、正面側から見たプロジェクター装置1を示す斜視図である。
プロジェクター装置1は、台等の設置面SFに配置され、被投射面SCに画像を投射する。プロジェクター装置1は、
図2に示すように、プロジェクター2を備える他、
図2に示すように、少なくとも1つの固定具5を備える。本実施形態では、プロジェクター装置1は、2つの固定具5を備える。
【0014】
[プロジェクターの構成]
図3は、プロジェクター2の内部構成を示す図である。
プロジェクター2は、画像情報に応じた画像を被投射面SCに投射する。プロジェクター2は、
図2及び
図3に示すように、外装筐体3を備える他、
図3に示すように、外装筐体3に収容される画像投射ユニット4を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター2は、プロジェクター2の動作を制御する制御装置、プロジェクター2の冷却対象を冷却する冷却装置、及び、プロジェクター2の電子部品に電力を供給する電源装置を備える。制御装置、冷却装置及び電源装置は、外装筐体3内に収容されている。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。また、図示を省略するが、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。X軸は第1軸に相当し、Z軸は第2軸に相当し、Y軸は第3軸に相当する。
【0015】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット4を先に説明する。
画像投射ユニット4は、制御装置から入力する画像信号に応じた画像を生成し、生成した画像を投射する。画像投射ユニット4は、
図3に示すように、光源装置41、画像形成装置42及び投射光学装置43を備える。
画像投射ユニット4は、外装筐体3内における+X方向かつ-Z方向の位置から+Z方向に延出した後、Z軸における外装筐体3の中央にて-X方向に屈曲した略L字形状に形成されている。
【0016】
[光源装置の構成]
光源装置41は、投射光学装置43に対して-Z方向に配置され、画像形成装置42に白色光を出射する。光源装置41としては、発光素子と、発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換素子とを有する光源装置を例示できる他、超高圧水銀ランプ等の放電光源ランプを備える光源装置を例示できる。
【0017】
[画像形成装置の構成]
画像形成装置42は、光源装置41から入射する白色光から画像光を形成する。詳述すると、画像形成装置42は、光変調装置421と、色合成素子422と、を有する。
光変調装置421は、入射する光を変調する。光変調装置421は、3つ設けられている。3つの光変調装置421は、赤色光を変調する赤用光変調装置421Rと、緑色光を変調する緑用光変調装置421Gと、青色光を変調する青用光変調装置421Bと、を含む。光変調装置421としては、透過型液晶パネルと、透過型液晶パネルを挟む一対の偏光板とを備える構成、反射型液晶パネルを備える構成、又は、DMD(Digital Micromirror Device)等の液晶以外の光変調素子を備える構成を採用できる。
色合成素子422は、各光変調装置421R,421G,421Bによって変調された各色光を合成して画像光を形成する。本実施形態では、色合成素子422は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
【0018】
[投射光学装置の構成]
投射光学装置43は、画像形成装置42によって形成された画像光を被投射面SCに投射する。投射光学装置43は、+X方向に延在した後に+Z方向に延在するレンズ筐体431と、図示しない光路変更素子及び拡大反射部材を備える。
レンズ筐体431は、複数のレンズを内部に収容する。レンズ筐体431は、入射部432、屈曲部433及び出射部434を有する。
入射部432は、色合成素子422から+Z方向に入射した画像光が通過する部分である。
屈曲部433は、入射部432と出射部434とを接続する部分である。図示を省略するが、屈曲部433の内部には光路変更素子が設けられ、光路変更素子は、入射部を+Z方向に通過する画像光の進行方向を-X方向に屈曲させる。
出射部434は、屈曲部433から-X方向に延出している。図示を省略するが、出射部434の内部には、拡大反射部材が設けられている。拡大反射部材は、出射部434を-X方向に進行した画像光の進行方向を反対方向に変更する非球面ミラーである。拡大反射部材は、光路変更素子にて反射されて出射部を通過した画像光を反射して拡大する。拡大反射部材によって反射された画像光は、投射口352から+X方向かつ+Y方向に投射される。
【0019】
[外装筐体の構成]
図4は、背面部32側から見たプロジェクター2を示す斜視図である。
外装筐体3は、プロジェクター2の外装を構成する筐体である。外装筐体3は、+Y方向の部分を構成するアッパーケース3Uと、-Y方向の部分を構成するロアーケース3Lと、を備え、アッパーケース3Uとロアーケース3Lとが組み合わされて略直方体形状に構成される。外装筐体3は、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。
正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のそれぞれは、アッパーケース3Uの一部とロアーケース3Lの一部とによって構成される。天面部35は、アッパーケース3Uによって構成され、底面部36は、ロアーケース3Lによって構成される。なお、ロアーケース3Lは、-Y方向に突出した突出部3B1を有する。
【0020】
正面部31と背面部32とは、X軸において互いに反対側となる面を構成する。正面部31は、-X方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、-X方向を向く外面部である。背面部32は、+X方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、+X方向を向く外面部である。
左側面部33と右側面部34とは、Z軸において互いに反対側となる面を構成する。左側面部33は、-Z方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、-Z方向を向く外面部である。右側面部34は、+Z方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、+Z方向を向く外面部である。
なお、突出部3B1において-X方向を向く面は、正面部31の一部を構成し、+X方向を向く面は、背面部32の一部を構成する。突出部3B1において-Z方向を向く面は、左側面部33の一部を構成し、+Z方向を向く面は、右側面部34の一部を構成し、-Y方向を向く面は、底面部36を構成する。
【0021】
天面部35と底面部36とは、Y軸において互いに反対側となる外面部である。
天面部35は、+Y方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、+Y方向を向く外面部である。天面部35は、底面部36側に凹む窪み部351と、窪み部351の底部に設けられた投射口352と、を有する。投射口352は、後述する投射光学装置43から投射された画像光が通過する開口部である。
【0022】
図5は、プロジェクター2を示す底面図である。
底面部36は、-Y方向から見えるプロジェクター2の外面部であり、-Y方向を向く外面部である。底面部36は、プロジェクター2が設置される設置面SFと対向する。底面部36は、
図4及び
図5に示すように、固定脚部361、可動脚部362、導入口363及びねじ穴364を有する。
固定脚部361は、底面部36において正面部31側の両端部に設けられ、設置面SFに接触する。固定脚部361は、底面部36に2つ設けられている。
可動脚部362は、底面部36において背面部32側の端部における中央に設けられている。可動脚部362は、底面部36に対する垂直方向に突出及び没入可能に設けられている。可動脚部362を底面部36から突出させることによって、設置面SFに対して底面部36が傾斜される。これにより、天面部35から投射される画像光の被投射面SCにおける投射位置が調節される。
導入口363は、外装筐体3の外部の気体を外装筐体3の内部に導入する。
ねじ穴364は、底面部36に複数設けられている。複数のねじ穴364には、図示しない金具のねじが挿入される。図示しない金具は、プロジェクター2を吊り下げ状態にて天井又は側壁に固定する。
【0023】
[凹部の構成]
外装筐体3は、
図4及び
図5に示すように、外面部に設けられた凹部37を少なくとも1つ有する。本実施形態では、凹部37は、突出部3B1に設けられている。詳述すると、凹部37は、突出部3B1において-Z方向を向く面と+Z方向を向く面のそれぞれに設けられている。すなわち、外装筐体3は、左側面部33に設けられた凹部37と、右側面部34に設けられた凹部37と、を有する。各凹部37には、固定具5が挿入され、これにより、プロジェクター2は、設置面SFに固定される。
なお、凹部37は、外装筐体3の外面部において、突出部3B1とは異なる部分に設けられていてもよい。
【0024】
図6は、-Z方向から見た左側面部33の凹部37を示す側面図である。
凹部37は、左側面部33から外装筐体3の内側に凹むように形成されている。凹部37は、
図6に示すように、+Y方向が上側となり凹部37と正対する位置から見て、左側に設けられた第1接触面371と、右側に設けられた第2接触面372と、正面に設けられた第3接触面373と、を有する。
【0025】
すなわち、左側面部33に設けられた凹部37では、第1接触面371は、+X方向に配置されて-X方向を向く平面である。第1接触面371は、設置面SFに向かうに従って+X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜している。凹部37に固定具5が挿入されたときに、第1接触面371は、固定具5の後述する第1対向面521と接触する。
第2接触面372は、-X方向に配置されて+X方向を向く平面である。すなわち、第2接触面372は、X軸において第1接触面371と対向している。第2接触面372は、設置面SFに向かうに従って-X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜している。凹部37に固定具5が挿入されたときに、第2接触面372は、固定具5の後述する第2対向面522と接触する。
このように、第1接触面371及び第2接触面372のそれぞれがYZ平面に対して傾斜していることによって、X軸における第1接触面371と第2接触面372との間隔は、設置面SFに向かうに従って大きくなる。換言すると、第1接触面371と第2接触面372とは、設置面SFに向かって互いの間隔が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0026】
第3接触面373は、第1接触面371及び第2接触面372のそれぞれを接続している。すなわち、第3接触面373は、+Z方向に凹む凹部37の底部を構成し、-Z方向を向く平面である。凹部37に固定具5が挿入されたときに、第3接触面373は、固定具5の後述する第3対向面523と接触する。なお、
図6では図示を省略するが、左側面部33の第3接触面373は、設置面SFに向かうに従って+Z方向に位置するように、XY平面に対して傾斜している。
このように、凹部37は、-Y方向に開口している他、-Y方向から見て外装筐体3の外側に開口している。
【0027】
右側面部34に設けられた凹部37は、左側面部33に設けられた凹部37と同様の構成を有する。すなわち、右側面部34の凹部37は、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373を有し、+Z方向及び-Y方向のそれぞれに開口している。
右側面部34の凹部37では、第1接触面371は、+Y方向が上方となるように見たときの左側である-X方向に設けられて、+X方向を向く平面である。
右側面部34の凹部37では、第2接触面372は、+Y方向が上方となるように見たときの右側である+X方向に設けられて、-X方向を向く平面である。
右側面部34の凹部37では、第3接触面373は、-Z方向に凹む凹部37の底部を構成し、+Z方向を向く平面である。
右側面部34の凹部37に固定具5が挿入された場合でも、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373には、固定具5の後述する第1対向面521、第2対向面522及び第3対向面523が接触する。
【0028】
[固定具の構成]
固定具5は、設置面SFに固定された状態にて凹部37に挿入されることにより、設置面SFに沿うプロジェクター2の移動を規制する。本実施形態では、凹部37が左側面部33及び右側面部34に設けられていることから、固定具5は、
図2に示したように、Z軸にて互いに反対側となる左側面部33及び右側面部34に設けられる。
【0029】
図7は、左側面部33の凹部37に挿入される固定具5を+Y方向かつ-Z方向から見た斜視図である。
図8は、当該固定具5を+Y方向から見た平面図であり、
図9は、当該固定具5を-Y方向から見た底面図である。
図7~
図8では、左側面部33の凹部37に挿入される固定具5に合わせて、+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。
固定具5は、
図7~
図9に示すように、固定部51を有する他、
図7及び
図8に示すように、突出部52を有する。
固定部51は、+Y方向から見て略矩形状に形成されて、設置面SFに固定される。固定部51における-Y方向の面は、
図9に示すように、接着テープATを取付可能であり、接着テープATによって、固定具5を設置面SFに固定可能である。なお、
図9の例では、+Z方向に沿い、かつ、+X方向に並んだ2つの接着テープATが、固定部51における-Y方向の面のうち+Z方向の領域に設けられている。しかしながら、接着テープATの配置及び数は、適宜変更可能である他、接着テープATに代えて接着剤を用いることも可能である。
【0030】
固定部51は、
図7~
図9に示すように、-Z方向の2つの隅部に応じて配置された2つの固定孔511を有する。
2つの固定孔511のそれぞれには、固定具5を設置面SFに固定する図示しないねじが+Y方向から挿通する。すなわち、固定具5は、接着テープAT、接着剤及びねじのうち少なくとも1つによって設置面SFに固定可能である。
【0031】
図10は、左側面部33の凹部37内に突出部52が挿入された固定具5を-Z方向から見た側面図である。
図11は、左側面部33の凹部37内に突出部52が挿入された状態のプロジェクター装置1のYZ平面に沿う断面を示す図である。
突出部52は、
図7及び
図8に示すように、固定部51から+Y方向に突出した部分であり、凹部37に挿入される。突出部52は、第1対向面521、第2対向面522、第3対向面523及び側面524を有し、四角錐台形状に形成されている。
第1対向面521は、
図7及び
図8に示すように、突出部52において+X方向を向く面である。凹部37に突出部52が挿入された場合に、第1対向面521は、
図10に示すように、第1接触面371と対向して接触する。
第2対向面522は、
図7及び
図8に示すように、突出部52において-X方向を向く面である。凹部37に突出部52が挿入された場合に、第2対向面522は、
図10に示すように、第2接触面372と対向して接触する。
第3対向面523は、
図7及び
図8に示すように、突出部52において+Z方向を向く面である。凹部37に突出部52が挿入された場合に、第3対向面523は、
図11に示すように、第3接触面373と対向して接触する。
側面524は、
図7及び
図8に示すように、突出部52において-Z方向を向く面である。
【0032】
このような突出部52は、突出部52のXZ平面に沿う断面の面積が設置面SFに向かうに従って大きくなるテーパー形状に形成されている。
詳述すると、第1対向面521は、
図10に示すように、設置面SFに向かって+X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜し、第2対向面522は、設置面SFに向かうに従って-X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜している。このため、第1対向面521と第2対向面522との間の寸法は、設置面SFに向かうに従って大きくなる。
また、第3対向面523は、
図11に示すように、設置面SFに向かうに従って+Z方向に位置するように、XY平面に対して傾斜している。一方、側面524は、XY平面と略平行である。このため、第3対向面523と側面524との間の寸法は、設置面SFに向かうに従って大きくなる。
このように突出部52が形成されていることによって、凹部37に突出部52が挿入されると、対向面521,522,523と、凹部37の接触面371,372,373とが面接触する。
【0033】
上記のように、接触面371,372,373及び対向面521,522,523のそれぞれは、平面である。しかしながら、これに限らず、突出部52が接触面371,372,373のそれぞれに接触可能であれば、接触面371,372,373及び対向面521,522,523のそれぞれは、平面でなくてもよい。
【0034】
[固定具によるプロジェクターの固定]
固定具5によってプロジェクター2を設置面SFに固定する場合、まず、プロジェクター2を設置面SFにおける任意の位置に配置する。例えば、プロジェクター装置11のプロジェクター2と、プロジェクター装置12のプロジェクター2とは、各プロジェクター2から被投射面SCに投射された画像光によって被投射面SCに表示される各画像の少なくとも一部が互いに重なる位置、或いは、各画像が互いに隣接するときの設置面SFの位置に配置される。
次に、プロジェクター2の凹部37に突出部52が差し込まれるように固定具5を配置した後、固定具5を接着テープAT、接着剤又はねじによって設置面SFに固定する。
これにより、固定具5が設置面SFに固定され、ひいては、プロジェクター2が設置面SFに固定される。
【0035】
[固定具及び凹部によるプロジェクターの移動規制]
図12は、固定具5によるプロジェクター2の動きの規制を説明する図である。
図12に示すように、プロジェクター2に+X方向への外力F1が作用した場合、プロジェクター2の+X方向への移動は、左側面部33の凹部37が有する第2接触面372に接触する固定具5の第2対向面522によって規制されるとともに、右側面部34の凹部37が有する第1接触面371に接触する固定具5の第1対向面521によって規制される。これにより、プロジェクター2の+X方向への移動が規制される。
【0036】
プロジェクター2に-X方向への外力F2が作用した場合、プロジェクター2の-X方向への移動は、左側面部33の凹部37が有する第1接触面371に接触する固定具5の第1対向面521によって規制されるとともに、右側面部34の凹部37が有する第2接触面372に接触する固定具5の第2対向面522によって規制される。これにより、プロジェクター2の-X方向への移動が規制される。
【0037】
プロジェクター2に+Z方向への外力F3が作用した場合、プロジェクター2の+Z方向への移動は、右側面部34の凹部37が有する第3接触面373に接触する固定具5の第3対向面523によって規制される。これにより、プロジェクター2の+Z方向への移動が規制される。
プロジェクター2に-Z方向への外力F4が作用した場合、プロジェクター2の-Z方向への移動は、左側面部33の凹部37が有する第3接触面373に接触する固定具5の第3対向面523によって規制される。これにより、プロジェクター2の-Z方向への移動が規制される。
Y軸に直交し、かつ、±X方向及び±Z方向に傾斜する方向の外力がプロジェクター2に作用した場合も同様である。
【0038】
このように、設置面SFに固定されたプロジェクター2にY軸に直交する方向の外力が加わった場合でも、固定具5によってプロジェクター2が設置面SFに沿って移動してしまうことを抑制できる。
なお、凹部37は-Y方向に開口しているため、設置面SFに固定された固定具5に対してプロジェクター2は、Y軸に沿って設置面SFから離れる方向に移動可能である。このため、設置面SFに配置されたプロジェクター2を+Y方向に移動させることによって、凹部37に挿入された突出部52を凹部37から離すことができ、ひいては、プロジェクター2を設置面SFから+Y方向に移動させることができる。
【0039】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムPSは、以下の効果を奏する。
プロジェクションシステムPSは、複数のプロジェクター装置1を備え、複数のプロジェクター装置1のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する。
プロジェクター装置1は、プロジェクター2と、固定具5と、を備える。
プロジェクター2は、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。正面部31と背面部32とは、X軸にて互いに反対側に配置され、左側面部33と右側面部34とは、Z軸にて互いに反対側に配置され、天面部35と底面部36とは、Y軸にて互いに反対側に配置される。正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34は、第1面、第2面、第3面及び第4面に相当する。X軸は第1軸に相当し、Z軸は、第1軸に直交する第2軸に相当し、Y軸は、第1軸及び第2軸のそれぞれに直交する第3軸に相当する。
固定具5は、Y軸に交差する設置面SFに固定される。固定具5は、設置面SFに固定される固定部51と、Y軸に沿って突出する突出部52を有する。
【0040】
凹部37は、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの面部に設けられている。プロジェクター2では、凹部37は、左側面部33及び右側面部34のそれぞれに設けられている。
各凹部37は、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373を有する。具体的に、左側面部33に設けられた凹部37において、第1接触面371は、-X方向に対向し、第2接触面372は、+X方向に対向し、第3接触面373は、+Z方向に対向する。右側面部34に設けられた凹部において、第1接触面371は、+X方向に対向し、第2接触面372は、-X方向に対向し、第3接触面373は、-Z方向に対向する。すなわち、凹部37は、X軸に沿う第1方向と、第1方向とは反対方向と、Z軸に沿う第2方向と、第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する3つの接触面を有する。
突出部52は、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373に接触する。
【0041】
このような構成によれば、設置面SFに固定された1つの固定具5の突出部52は、+X方向、-X方向、+Z方向及び-Z方向の4方向のうち少なくとも3方向にて、外装筐体3と接触する。これにより、各接触面371~373が突出部52に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクター2の動きを規制できる。更に、各接触面371~373と突出部52とが接触することによって、各接触面371~373が突出部52に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクター2の動きを規制できる。従って、1つの固定具5によって、Y軸に直交する少なくとも3方向のプロジェクター2の動きを規制できるので、プロジェクター2の動きを規制できる方向を増やすことができる。この他、プロジェクター2が予め設定した固定位置からずれることを抑制でき、プロジェクター2による画像の投射位置が変化することを抑制できる。更に、設置面SFに対する各プロジェクター装置1のプロジェクター2の位置合わせを容易に実施でき、ひいては、各プロジェクター2から投射される画像の位置を容易に合わせることができる。
【0042】
プロジェクター装置1では、X軸とZ軸とのうち一方の軸にて互いに反対側となる2つの外面部のそれぞれが、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373を有する。具体的に、プロジェクター2は、左側面部33に設けられた凹部37と、右側面部34に設けられた凹部37とを有し、各凹部37は、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373を有する。
固定具5は、左側面部33及び右側面部34のそれぞれに対応して配置される。
このような構成によれば、上記4方向のそれぞれの外力がプロジェクター2に作用した場合でも、少なくとも2つの固定具5によって、設置面SFにおけるプロジェクター2の動きを規制できる。
また、少なくとも2つの固定具5によってプロジェクター2の動きが規制されるので、Y軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクター2に作用した場合でも、プロジェクター2の回転を規制できる。
【0043】
プロジェクター装置1では、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373は、少なくとも1つの外面部に設けられた凹部37によって構成されている。すなわち、少なくとも1つの外面部に設けられた凹部37は、各接触面371~373を有する。
このような構成によれば、プロジェクター2の外形が大きくなることを抑制できる。従って、プロジェクター装置1の設置面積の大型化を抑制できる。
【0044】
プロジェクター装置1では、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373のうち、第1接触面371と第2接触面372とは、互いに対向する。2つの接触面371,372のX軸に沿う間隔は、設置面SFに向かって大きくなる。
このような構成によれば、設置面SFに固定された固定具5に外装筐体3を係合させやすくすることができる。従って、固定具5によってプロジェクター2を固定しやすくすることができる。
【0045】
プロジェクター装置1では、プロジェクター2は、Y軸に沿い、かつ、設置面SFから離れる+Y方向に、固定具5から移動可能である。
このような構成によれば、設置面SFに固定された固定具5をずらすことなく、設置面SFに対してプロジェクター2を着脱できる。このため、Y軸に沿って設置面SFから離間する方向にプロジェクター2を移動させることによって、固定具5によるプロジェクター2の固定を解除できる。また、Y軸に沿って設置面SFに近接する-Y方向にプロジェクター2を移動させることによって、固定具5によってプロジェクター2を設置面SFに固定できる。従って、プロジェクター2の利便性を高めることができる。
【0046】
[第1実施形態の変形]
上記したプロジェクター装置1では、第1接触面371、第2接触面372及び第3接触面373を有する凹部37は、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち、左側面部33及び右側面部34に設けられていた。しかしながら、これに限らず、凹部37は、正面部31及び背面部32のうち一方の外面部と、左側面部33及び右側面部34のうち一方の外面部とのそれぞれに設けられていてもよい。例えば、
図13に示すように、凹部37を正面部31及び左側面部33に設けてもよい。この場合、固定具5は、凹部37が設けられる2つの外面部のそれぞれに対応して配置される。
【0047】
このような構成によれば、上記したプロジェクター装置1と同様に、上記4方向の外力がプロジェクター2に作用した場合でも、設置面SFにおけるプロジェクター2の動きを規制できる。この他、Y軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクター2に作用した場合でも、2つの固定具5によって、プロジェクター2の回転を規制できる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の構成を備えるが、固定具及び外装筐体の構成が異なる。詳述すると、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSでは、突出部52は、設置面SFに固定される固定具5に設けられ、突出部52が挿入される凹部37は、プロジェクター2の外装筐体3が設けられていた。これに対し、本実施形態に係るプロジェクションシステムでは、凹部は固定具に設けられ、凹部に挿入される凸部が外装筐体に設けられる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
[プロジェクションシステムの概略構成]
図14は、本実施形態に係るプロジェクター装置1Aの-Y方向から見た平面図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、設置面SFに配置される複数のプロジェクター装置1Aを備え、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の機能を備える。
複数のプロジェクター装置1Aのそれぞれは、
図14に示すように、プロジェクター2A及び固定具5Aを備える。
【0050】
[プロジェクターの構成]
プロジェクター2Aは、外装筐体3に代えて、外装筐体3Aを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター2と同様の構成及び機能を備える。
外装筐体3Aは、凹部37に代えて凸部38を備える他は、外装筐体3と同様の構成及び機能を備える。すなわち、外装筐体3Aは、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を備える他、凸部38を備える。
凸部38は、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に設けられる。本実施形態では、プロジェクター2Aは、左側面部33及び右側面部34のそれぞれに設けられた凸部38を備える。
【0051】
図15は、凸部38及び凸部38が挿入される固定具5AのXZ平面に沿う断面を示す図である。
左側面部33に設けられた凸部38は、+Y方向から見て略矩形状に-Z方向に突出している。凸部38は、
図15に示すように、+Y方向が上側となり凸部38と正対する位置から見て、左側に設けられた第1接触面381と、右側に設けられた第2接触面382と、正面に設けられた及び第3接触面383と、を有する。
左側面部33の凸部38では、第1接触面381は、凸部38において+X方向に配置され、+X方向を向く平面である。第1接触面381は、第1実施形態に係る第1接触面371と同様に、設置面SFに向かうに従って+X方向に位置するようにYZ平面に対して傾斜している。
【0052】
左側面部33の凸部38では、第2接触面382は、凸部38において-X方向に配置され、-X方向を向く平面である。第2接触面382は、第1実施形態に係る第2接触面372と同様に、設置面SFに向かうに従って-X方向に位置するようにYZ平面に対して傾斜している。
左側面部33の凸部38では、第3接触面383は、凸部38において-Z方向に配置され、-Z方向を向く平面である。第3接触面383は、第1実施形態に係る第3接触面373と同様に、設置面SFに向かうに従って-Z方向に位置するようにXY平面に対して傾斜している。
なお、接触面381,382は、YZ平面に対して傾斜していなくてもよく、第3接触面373は、XY平面に対して傾斜していなくてもよい。
また、右側面部34の凸部38は、左側面部33の凸部38と同様の構成を有する。
【0053】
[固定具の構成]
固定具5Aは、設置面SFに固定された状態にて凸部38が挿入されることによって、設置面SFに沿うプロジェクター2Aの移動を規制する。本実施形態では、凸部38が左側面部33及び右側面部34のそれぞれに設けられていることから、固定具5Aは、
図14に示したように、Z軸にて互いに反対側となる左側面部33及び右側面部34のそれぞれに対応して設けられる。
【0054】
固定具5Aは、突出部52に代えて突出部53を有する他は、第1実施形態に係る固定具5と同様の構成及び機能を備える。すなわち、固定具5Aは、設置面SFに固定される固定部51と、突出部53と、を備える。
突出部53は、固定部51から+Y方向に突出している。突出部53には、+Y方向に開口するとともに、凸部38に向かって開口する凹部54が設けられている。すなわち、固定具5Aは、凸部38が挿入される凹部54を有する。
【0055】
左側面部33に対応して配置された固定具5Aでは、凹部54は、-X方向を向く内面である第1対向面541と、+X方向を向く内面である第2対向面542と、+Z方向を向く内面である第3対向面543と、を有する。
凹部54内に左側面部33の凸部38が挿入された場合、第1対向面541は、第1接触面381と対向して接触する平面であり、第2対向面542は、第2接触面382と対向して接触する平面であり、第3対向面543は、第3接触面383と対向して接触する平面である。
各対向面541~543は、凸部38の接触面381~383のうち、対応する接触面に応じて傾斜しているが、対応する接触面が傾斜していない場合には傾斜していなくてもよい。
【0056】
なお、凸部38が設けられる外装筐体3Aの外面部は、左側面部33及び右側面部34に限らない。例えば、凸部38は、正面部31及び背面部32のそれぞれに設けられていてもよい。また例えば、凸部38は、正面部31及び背面部32のうちの一方の外面部と、左側面部33及び右側面部34のうちの一方の外面部とのそれぞれに設けられていてもよい。
【0057】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター装置1Aでは、第1接触面381、第2接触面382及び第3接触面383は、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に設けられた凸部38によって構成されている。なお、上記のように、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34は、第1面部、第2面部、第3面部及び第4面部に相当する。
このような構成によれば、プロジェクター2Aの容積が減少することがない。このため、プロジェクター2Aの内部構成のレイアウト自由度が低減することなく、設置面SFにおけるプロジェクター2Aの移動を抑制できる。
【0058】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の構成を備える。ここで、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSでは、外装筐体3に設けられた凹部37に固定具5が挿入されることによって、設置面SFにおけるプロジェクター2の移動が規制された。これに対し、本実施形態に係るプロジェクションシステムでは、外装筐体に設けられた孔部に、設置面SFに固定された固定具が挿入されることによって、設置面SFにおけるプロジェクターの移動が規制される。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
[プロジェクションシステムの概略構成]
図16は、本実施形態に係るプロジェクションシステムが備えるプロジェクター装置1Bを-Y方向から見た底面図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、設置面SFに配置される複数のプロジェクター装置1Bを備え、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の機能を備える。
複数のプロジェクター装置1Bのそれぞれは、
図16に示すように、プロジェクター2B及び固定具5Bを備える。
【0060】
[プロジェクターの構成]
プロジェクター2Bは、外装筐体3に代えて、外装筐体3Bを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター2と同様の構成及び機能を備える。
外装筐体3Bは、凹部37に代えて張出部391及び孔部392を備える他は、外装筐体3と同様の構成及び機能を備える。すなわち、外装筐体3Bは、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を備える他、張出部391及び孔部392を備える。
【0061】
[張出部及び孔部の構成]
張出部391は、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうちの少なくとも1つの外面部から張り出すように突出している。本実施形態では、張出部391は、背面部32から+X方向に突出している。
孔部392は、底面部36において張出部391に設けられ、-Y方向に開口している。孔部392の内面は、第1接触面393、第2接触面394、第3接触面395及び第4接触面396を含み、孔部392は、-Y方向から見て略矩形状に形成されている。
【0062】
図17は、孔部392及び固定具5BのXZ平面に沿う断面を示す図である。
第1接触面393は、
図17に示すように、-X方向に配置されて+X方向を向く平面である。第1接触面393は、設置面SFに向かうに従って-X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜している。
第2接触面394は、+X方向に配置されて-X方向を向く平面である。第2接触面394は、設置面SFに向かうに従って+X方向に位置するように、YZ平面に対して傾斜している。
このように、第1接触面393と第2接触面394とは、X軸において互いに対向している。第1接触面393及び第2接触面394のそれぞれがYZ平面に対して傾斜していることによって、X軸における第1接触面393と第2接触面394との間隔は、設置面SFに向かうに従って大きくなる。換言すると、第1接触面393と第2接触面394とは、設置面SFに向かって互いの間隔が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0063】
第3接触面395は、-Z方向に配置されて+Z方向を向く平面である。第3接触面395は、設置面SFに向かうに従って-Z方向に位置するように、XY平面に対して傾斜している。
第4接触面396は、+Z方向に配置されて-Z方向を向く平面である。第4接触面396は、設置面SFに向かうに従って+Z方向に位置するように、XY平面に対して傾斜している。
このように、第3接触面395と第4接触面396とは、Z軸において互いに対向している。第3接触面395及び第4接触面396のそれぞれがXY平面に対して傾斜していることによって、Z軸における第3接触面395と第4接触面396との間隔は、設置面SFに向かうに従って大きくなる。換言すると、第3接触面395と第4接触面396とは、設置面SFに向かって互いの間隔が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0064】
なお、第1接触面393、第2接触面394、第3接触面395及び第4接触面396のうち、少なくとも1つの面は平面でなくてもよい。
更に、孔部392の形状は、矩形状に限らず、三角形状でもよく、五角形以上の多角形状であってもよい。また、孔部392は、設置面に向かうに従ってY軸に直交する断面が大きくなるテーパー状に形成されていなくてもよい。一方、接触面393~396のうち、少なくとも1つ面は、傾斜していなくてもよい。
【0065】
[固定具の構成]
固定具5Bは、突出部52に代えて、突出部55を有する他は、固定具5と同様の構成及び機能を備える。すなわち、固定具5Bは、固定部51及び突出部55を有する。
突出部55は、固定部51から+Y方向に突出している。突出部55は、孔部392に-Y方向から挿入されて、設置面SFにおけるプロジェクター2Bの動きを規制する。
突出部55は、第1対向面551、第2対向面552、第3対向面553及び第4対向面554を有する。
【0066】
第1対向面551は、突出部55において-X方向を向く平面であり、第2対向面552は、+X方向を向く平面である。突出部55が孔部392に挿入された場合、第1対向面551は、第1接触面393と対向して接触し、第2対向面552は、第2接触面394と対向して接触する。
第3対向面553は、突出部55において-Z方向を向く平面であり、第4対向面554は、+Z方向を向く平面である。突出部55が孔部392に挿入された場合、第3対向面553は、第3接触面395と対向して接触し、第4対向面554は、第4接触面396と対向して接触する。
このように、突出部55は、Y軸に直交する孔部392の断面形状に応じて、設置面SFに向かうに従って、Y軸に直交する断面形状が大きくなるテーパー状に形成されている。これにより、各対向面551~554が、接触面393~396のうち対応する接触面と面接触する。
【0067】
[固定具及び孔部によるプロジェクターの移動規制]
図16に示すように、+X方向への外力F1がプロジェクター2Bに作用した場合、プロジェクター2Bの+X方向への移動は、第1接触面393と接触する第1対向面551によって規制される。
-X方向への外力F2がプロジェクター2Bに作用した場合、プロジェクター2Bの-X方向への移動は、第2接触面394と接触する第2対向面552によって規制される。
+Z方向への外力F3がプロジェクター2Bに作用した場合、プロジェクター2Bの+Z方向への移動は、第3接触面395に接触する第3対向面553によって規制される。
-Z方向への外力F4がプロジェクター2Bに作用した場合、プロジェクター2Bの-Z方向への移動は、第4接触面396に接触する第4対向面554によって規制される。
【0068】
Y軸に直交し、かつ、+X方向、-X方向、+Z方向及び-Z方向の少なくとも1つの方向に対して傾斜した方向の外力がプロジェクター2Bに作用した場合でも、設置面SFに固定された固定具5Bの突出部55によって、プロジェクター2Bの移動は規制される。
なお、プロジェクター2Bは、設置面SFに固定された固定具5Bに対して、Y軸に沿って設置面SFから離れる+Y方向に移動させることによって、プロジェクター2Bを設置面SFから移動可能である。
【0069】
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター装置1Bでは、外装筐体3は、-X方向に対向する第1接触面393と、+X方向に対向する第2接触面394と、-Z方向に対向する第3接触面395と、+Z方向に対向する第4接触面396とを内面に含む孔部392を備える。X軸及びZ軸のうち、一方は第1軸であり、他方は第2軸である。X軸が第1軸である場合、+X方向及び-X方向のうち、一方は第1軸に沿う第1方向であり、他方は第1方向とは反対方向である。Z軸が第2軸である場合、+Z方向及び-Z方向のうち、一方は第2軸に沿う第2方向であり、他方は第2方向とは反対方向である。
固定具5Bは、設置面SFに固定される固定部51と、固定部51からY軸に沿って突出する突出部55と、を有する。突出部55は、孔部392に挿入されて、各接触面393~396に接触する。
【0070】
このような構成によれば、第1実施形態に係るプロジェクター装置1と同様に、+X方向、-X方向、+Z方向及び-Z方向の4方向にて、突出部55は、外装筐体3と接触する。これにより、各接触面393~396が突出部55に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクター2Bの動きを規制できる。更に、各接触面393~396が突出部55に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクター2Bの動きを規制できる。従って、設置面SFにおけるプロジェクター2Bの動きを規制できる。
【0071】
プロジェクター装置1Bでは、孔部392は、第1接触面393、第2接触面394、第3接触面395及び第4接触面396を有する。
第1接触面393、第2接触面394、第3接触面395及び第4接触面396のうち、少なくとも1つの面は、平面である。本実施形態では、各接触面393~396は平面である。
このような構成によれば、孔部392が有する各接触面393~396に突出部55が接触することによって、各接触面393~396が突出部55と対向する4方向の外力がプロジェクター2Bに作用した場合でも、設置面SFにおけるプロジェクター2Bの動きを規制できる。この他、平面である接触面393~396と突出部55とが面接触することによって、第3軸であるY軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクター2Bに作用した場合でも、プロジェクター2Bの回転を規制できる。
【0072】
[第3実施形態の変形]
上記したプロジェクター装置1Bでは、孔部392は、底面部36において背面部32から突出する張出部391にY軸に沿って設けられるとした。しかしながら、これに限らず、底面部36において孔部392が設けられる位置は、適宜変更可能である。
【0073】
また、孔部392は、張出部391に設けられるとしたが、これに限らず、張出部391は無くてもよい。
この場合、プロジェクター装置1Bは、外装筐体3を有するプロジェクター2Bと、Y軸に交差する設置面SFに固定される固定具5Bと、を備える。
外装筐体3は、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する他、接触面393~396を内面に含む孔部392を有する。なお、正面部31と背面部32とは、X軸にて互いに反対側に配置され、左側面部33と右側面部34とは、Z軸にて互いに反対側に配置され、天面部35と底面部36とは、Y軸にて互いに反対側に配置される。正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36は、第1面、第2面、第3面、第4面、第5面及び第6面に相当する。X軸は第1軸に相当し、Z軸は、第1軸に直交する第2軸に相当し、Y軸は、第1軸及び第2軸のそれぞれに直交する第3軸に相当する。
固定具5Bは、設置面SFに固定される固定部51と、固定部51からY軸に沿って突出する突出部55と、を有する。突出部55は、孔部392に挿入されて、各接触面393~396に接触する。
そして、孔部392と突出部55とは、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Bの回動を規制する。
【0074】
このような構成によれば、Y軸に交差する方向のプロジェクター2Bの動きや、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Bの動きを、外装筐体3の孔部392と、設置面SFに固定された固定具5Bの突出部55とによって規制できる。従って、設置面SFにおけるプロジェクター2Bの動きを規制できる。
【0075】
また、上記したプロジェクター装置1Bでは、孔部392と突出部55とが、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Bの回動を規制するものであれば、孔部392と突出部55との互いの接触面は、平面でなくてもよい。例えば、孔部392と突出部55とが、Y軸に沿う軸を中心としたプロジェクター2Bの回動に対して抵抗する面を有していればよい。孔部392の形状としては、楕円形状や、一部に平面を有する円形状等を例示できる。
【0076】
[第4実施形態]
次に、本開示の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第3実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の構成を備える。ここで、第3実施形態に係るプロジェクションシステムでは、孔部392は、外装筐体3Bの背面部32に設けられていた。これに対し、本実施形態に係るプロジェクションシステムでは、外装筐体は、筐体本体とカバー部材とにより構成され、孔部392は、筐体本体とカバー部材とにより形成される。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
[プロジェクションシステムの概略構成]
図18は、本実施形態に係るプロジェクションシステムを構成するプロジェクター装置1Cを-Y方向から見た底面図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、
図18に示すプロジェクター装置1Cを複数備え、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の機能を備える。
プロジェクター装置1Cは、プロジェクター2C及び固定具5Bを備える。
【0078】
プロジェクター2Cは、外装筐体3に代えて、外装筐体3Cを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター2と同様の構成及び機能を備える。
外装筐体3Cは、筐体本体3C1と、筐体本体3C1に取付可能なカバー部材CMと、を備える。
筐体本体3C1は、第1実施形態に係る外装筐体3と同様に、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有するが、筐体本体3C1には、第1実施形態に係る凹部37は設けられていない。プロジェクター2Cにカバー部材CMが取り付けられない場合には、筐体本体3C1は、プロジェクター2Cの外装を構成する外装筐体である。
【0079】
カバー部材CMは、固定具5Bとともに、プロジェクター2Cを設置面SFに固定するプロジェクター用固定装置PFを構成する。カバー部材CMは、筐体本体3C1の正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち、少なくとも1つの外面部に取り付けられる。本実施形態では、カバー部材CMは、背面部32にボルトなどの固定部材FMによって取り付けられる。
【0080】
カバー部材CMは、-Y方向に開口するとともに、カバー部材CMがとりつけられる外面部に向かう方向とは反対方向に凹む凹部CM1を有する。
このようなカバー部材CMを筐体本体3C1に取り付けることによって、外装筐体3Cには、背面部32と凹部CM1の内面とによって内面が形成される孔部392が設けられる。このとき、孔部392の内面のうち、+X方向を向く第1接触面393は、外装筐体3の背面部32によって形成され、他の接触面394~396は、凹部CM1の内面によって形成される。
このように形成された孔部392に、設置面SFに固定された固定具5Bの突出部55が挿入されることによって、第3実施形態に係るプロジェクター2Bと同様に、設置面SFにおけるプロジェクター2Cの動きが規制される。
【0081】
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第3実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター装置1Cでは、プロジェクター2Cの外装筐体3Cは、筐体本体3C1と、カバー部材CMと、を備える。
筐体本体3C1は、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36は、第1面部、第2面部、第3面部、第4面部、第5面部及び第6面部に相当する。
カバー部材CMは、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられる。本実施形態では、カバー部材CMは、背面部32に取り付けられる。カバー部材CMは、固定具5Bの突出部55が挿入される孔部392を構成する。
【0082】
このような構成によれば、筐体本体3C1にカバー部材CMを設けることによって、固定具5Bによって設置面SFにおける動きを規制可能なプロジェクター2Cを構成できる。このため、例えばカバー部材CMを取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置1Cを構成できる。
【0083】
プロジェクター用固定装置PFは、外装筐体3Cを備えるプロジェクター2Cを、Y軸に交差する設置面SFに固定する。外装筐体3Cは、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。
プロジェクター用固定装置PFは、固定具5Bと、カバー部材CMと、を備える。
固定具5Bは、設置面SFに固定される。
カバー部材CMは、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられる。カバー部材CMは、固定具5Bの一部である突出部55が挿入される孔部392を構成する。
【0084】
孔部392の内面は、X軸に沿う-X方向に対向する第1接触面393と、-X方向とは反対方向に対向する第2接触面394と、Z軸に沿う-Z方向に対向する第3接触面395と、-Z方向とは反対方向に対向する第4接触面396と、を含む。
固定具5Bは、固定部51からY軸に沿って突出し、孔部392に挿入されて、接触面393~396に接触する突出部55を有する。
【0085】
このような構成によれば、+X方向、-X方向、+Z方向及び-Z方向の4方向にて、設置面SFに固定された固定具5Bの突出部55は、筐体本体3C1及びカバー部材CMによって形成される孔部392の接触面393~396と接触する。これにより、各接触面393~396が突出部55に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクター2Cの動きを規制できる他、各接触面393~396が突出部55に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクター2Cの動きを規制できる。従って、設置面SFにおけるプロジェクター2Cの動きを規制できる。更に、外装筐体3Cの筐体本体3C1にカバー部材CMを設けることによって、固定具5Bによって設置面SFにおける動きを規制可能なプロジェクター2Cを構成できる。このため、例えばカバー部材CMを取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置1Cを構成できる。
【0086】
プロジェクター用固定装置PFでは、第1接触面393、第2接触面394、第3接触面395及び第4接触面396のうち、少なくとも1つの面は平面である。本実施形態では、各接触面393~396は、平面である。
このような構成によれば、接触面393~396のうち、平面である接触面と突出部55とが面接触することによって、Y軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクター2Cに作用した場合でも、プロジェクター2Cの回転を規制できる。
また、上記したプロジェクター装置1Cでは、孔部392と突出部55とが、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Cの回動を規制するものであれば、孔部392と突出部55との互いの接触面は、平面でなくてもよい。例えば、孔部392と突出部55とが、Y軸に沿う軸を中心としたプロジェクター2Cの回動に対して抵抗する面を有していればよい。孔部392の形状としては、楕円形状や、一部に平面を有する円形状等を例示できる。
【0087】
プロジェクター用固定装置PFでは、孔部392は、カバー部材CMと、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうちカバー部材CMが取り付けられる外面部とによって構成される。
このような構成によれば、カバー部材CMに孔部392が設けられている場合に比べて、外装筐体3Cに対するカバー部材CMの取付方向におけるカバー部材CMの寸法を小さくできる。従って、プロジェクター2Cの大型化を抑制できる。
【0088】
なお、孔部392は、カバー部材CMに設けられていてもよい。
この場合、プロジェクター用固定装置PFは、固定具5Bと、カバー部材CMと、を備え、外装筐体3Cを有するプロジェクター2Cを、Y軸に交差する設置面SFに固定する。なお、外装筐体3Cは、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36は、第1面部、第2面部、第3面部、第4面部、第5面部及び第6面部に相当する。
カバー部材CMは、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられる。カバー部材CMは、固定具5Bの一部が挿入される孔部392を構成する。孔部392は、接触面を含む。
固定具5Bは、設置面SFに固定される。固定具5Bは、固定部51からY軸に沿って突出し、孔部392に挿入されて、接触面に接触する突出部55を有する。
孔部392と突出部55とは、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Cの回動を規制する。なお、孔部392と突出部55との互いの接触面は、平面でなくてもよい。
このような構成によれば、外装筐体3Cにカバー部材CMを取り付けることによって、Y軸に交差する方向のプロジェクター2Cの動きや、Y軸に沿う軸を中心とするプロジェクター2Cの動きを、孔部と固定具の突出部とによって規制できる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制でき、固定具5Bによって設置面SFにおける移動が規制されるプロジェクター2Cを容易に構成できる。
【0089】
また、この場合、プロジェクター装置1Cでは、外装筐体3Cは、筐体本体3C1及びカバー部材CMを備える。
筐体本体3C1は、正面部31、背面部32、左側面部33、右側面部34、天面部35及び底面部36を有する。
カバー部材CMは、正面部31、背面部32、左側面部33及び右側面部34のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられて固定される。そして、カバー部材CMは、孔部392を構成する。
このような構成によれば、筐体本体3C1にカバー部材CMを設けることによって、固定具5Bによって設置面SFにおける動きを規制可能なプロジェクター2Cを構成できる。このため、例えばカバー部材CMを取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置1Cを構成できる。
【0090】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記第1及び第2実施形態では、プロジェクター装置1は、1つ又は2つの固定具5,5Aを備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター装置1が備える固定具5,5Aの数は、3以上であってもよい。
【0091】
上記第1実施形態では、凹部37の各接触面371~373のうち、第1接触面371は、設置面SFに向かうに従って第2接触面372から離間する方向に位置するように傾斜し、第2接触面372は、設置面SFに向かうに従って第1接触面371から離間する方向に位置するように傾斜しているとした。更に、第3接触面373は、設置面SFに向かうに従って外装筐体3の内部に位置するように傾斜しているとした。しかしながら、これに限らず、接触面371~373のうち少なくとも1つの接触面は、傾斜していなくてもよく、当該少なくとも1つの接触面と接触する固定具5の対向面は、傾斜していなくてもよい。上記第2実施形態に係る凸部38の接触面381~383及び固定具5Aの対向面541~543も同様であり、上記第3及び第4実施形態に係る孔部392の内面を構成する接触面393~396、及び、対向面551~554も同様である。
【0092】
上記各実施形態では、プロジェクター2,2A,2B,2Cは、固定具5,5A,5Bと接触することによって設置面SFに固定されるとした。このとき、底面部36に設けられた固定脚部361及び可動脚部362のうち少なくとも一方の脚部は、設置面SFに接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0093】
上記各実施形態では、プロジェクター2,2A,2B,2Cは、3つの光変調装置421R,421G,421Bを備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター2は、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えていてもよい。
上記各実施形態では、投射光学装置43は、-X方向から入射する画像光を+X方向かつ+Y方向に反射する拡大反射部材を備えるとした。しかしながら、これに限らず、拡大反射部材は無くてもよく、投射光学装置43は、-X方向に画像光を投射するものであってもよい。
【0094】
上記各実施形態では、投射光学装置43は、画像形成装置42から+Z方向に出射された画像光が通過する入射部432と、画像光の光路を変更する屈曲部433と、屈曲部433から+X方向に画像光が通過する出射部434と、を備えるとした。すなわち、投射光学装置43は、L字状に構成されているとした。しかしながら、これに限らず、投射光学装置43は、直線状に構成されていてもよい。
【0095】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に設けられ、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出して、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【0096】
このような構成によれば、第1方向、第1方向とは反対方向、第2方向、及び、第2方向とは反対方向の4方向のうち少なくとも3方向にて、設置面に固定された固定具の突出部は、外装筐体と接触する。これにより、各接触面が固定部に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクターの動きを規制できる。更に、各接触面と突出部とが接触することによって、各接触面が固定部に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクターの動きを規制できる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。
【0097】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクター装置において、
前記第1軸と前記第2軸とのうち一方の軸にて互いに反対側となる2つの外面部のそれぞれは、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面を有し、
前記固定具は、前記2つの外面部のそれぞれに対応して配置される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、第1方向、第1方向とは反対方向、第2方向、及び、第2方向とは反対方向の4方向の外力がプロジェクターに作用した場合でも、少なくとも2つの固定具によって、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。
また、少なくとも2つの固定具によってプロジェクターの動きが規制されるので、第3軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクターに作用した場合でも、プロジェクターの回転を規制できる。
【0098】
[付記3]
付記1に記載のプロジェクター装置において、
前記第1面部及び前記第2面部のうち一方の外面部と、前記第3面部及び前記第4面部のうち一方の外面部とのそれぞれは、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面を有し、
前記固定具は、前記2つの外面部のそれぞれに対応して配置される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、上記プロジェクター装置と同様に、上記4方向の外力がプロジェクターに作用した場合でも、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる他、第3軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクターに作用した場合でも、プロジェクターの回転を規制できる。
【0099】
[付記4]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面は、前記少なくとも1つの外面部に設けられた凹部によって構成されている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、第1接触面、第2接触面及び第3接触面を上記少なくとも1つの外面部に設けることによって、プロジェクターの外形が大きくなることを抑制できる。従って、プロジェクター装置の設置面積の大型化を抑制できる。
【0100】
[付記5]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面は、前記少なくとも1つの外面部に設けられた凸部によって構成されている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターの容積が減少することがない。このため、プロジェクターの内部構成のレイアウト自由度が低減することなく、設置面におけるプロジェクターの移動を抑制できる。
【0101】
[付記6]
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、前記第1軸に沿う第1方向と、前記第1方向とは反対方向と、前記第2軸に沿う第2方向と、前記第2方向とは反対方向とのうち少なくとも3つの方向に対向する第1接触面、第2接触面及び第3接触面を内面に含む孔部を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面に接触する突出部と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【0102】
このような構成によれば、付記1に係るプロジェクター装置と同様に、第1方向、第1方向とは反対方向、第2方向、及び、第2方向とは反対方向の4方向のうち少なくとも3方向にて、設置面に固定された固定具の突出部は、外装筐体と接触する。これにより、各接触面が固定部に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクターの動きを規制できる。更に、各接触面と突出部とが接触することによって、各接触面が固定部に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクターの動きを規制できる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。
【0103】
[付記7]
付記6に記載のプロジェクター装置において、
前記外装筐体は、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部、前記第4面部、前記第5面部及び前記第6面部を有する筐体本体と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち1つの外面部に固定されるカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記孔部を構成する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、筐体本体にカバー部材を設けることによって、固定具によって設置面における動きを規制可能なプロジェクターを構成できる。このため、例えばカバー部材を取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置を構成できる。
【0104】
[付記8]
付記6又は付記7に記載のプロジェクター装置において、
前記孔部は、
前記第1方向に対向する前記第1接触面と、
前記第1方向とは反対方向に対向する前記第2接触面と、
前記第2方向に対向する前記第3接触面と、
前記第2方向とは反対方向に対向する第4接触面と、を有し、
前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面のうち、少なくとも1つの面は、平面である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、孔部が有する第1接触面、第2接触面、第3接触面及び第4接触面のそれぞれに突出部が接触することによって、各接触面が突出部と対向する4方向の外力がプロジェクターに作用した場合でも、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。この他、第1接触面、第2接触面、第3接触面及び第4接触面のうち、平面である接触面と突出部とが面接触することによって、第3軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクターに作用した場合でも、プロジェクターの回転を規制できる。
【0105】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面及び前記第3接触面のうち2つの接触面は、互いに対向し、
前記2つの接触面の間隔は、前記設置面に向かって大きくなる、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、設置面に固定された固定具に外装筐体を係合させやすくすることができる。従って、固定具によってプロジェクターを固定しやすくすることができる。
【0106】
[付記10]
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定される固定具と、を備え、
前記外装筐体は、接触面を内面に含む孔部を有し、
前記固定具は、
前記設置面に固定される固定部と、
前記固定部から前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部と、を有し、
前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【0107】
このような構成によれば、第3軸に交差する方向のプロジェクターの動きや、第3軸を軸とした前記プロジェクターの動きを、外装筐体の孔部と設置面に固定された固定具の突出部とで規制することができる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。
【0108】
[付記11]
付記10に記載のプロジェクター装置において、
前記外装筐体は、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部、前記第4面部、前記第5面部及び前記第6面部を有する筐体本体と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち1つの外面部に固定されるカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記孔部を構成する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、筐体本体にカバー部材を設けることによって、固定具によって設置面における動きを規制可能なプロジェクターを構成できる。このため、例えばカバー部材を取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置を構成できる。
【0109】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記プロジェクターは、前記第3軸に沿い、かつ、前記設置面から離れる方向に、前記固定具から移動可能である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、設置面に固定された固定具をずらすことなく、設置面に対してプロジェクターを着脱できる。このため、第3軸に沿って設置面から離間する方向にプロジェクターを移動させることによって、固定具によるプロジェクターの固定を解除できる。また、第3軸に沿って設置面に近接する方向にプロジェクターを移動させることによって、固定具によってプロジェクターを設置面に固定できる。従って、プロジェクターの利便性を高めることができる。
【0110】
[付記13]
付記1から付記12のいずれか1つに記載のプロジェクター装置を複数備え、
複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
このような構成によれば、設置面に対する各プロジェクターの位置合わせを容易に実施でき、ひいては、各プロジェクターから投射される画像の位置を容易に合わせることができる。
【0111】
[付記14]
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、
前記設置面に固定される固定具と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、
前記孔部の内面は、
前記第1軸に沿う第1方向に対向する第1接触面と、
前記第1方向とは反対方向に対向する第2接触面と、
前記第2軸に沿う第2方向に対向する第3接触面と、
前記第2方向とは反対方向に対向する第4接触面と、を含み、
前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面に接触する突出部を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【0112】
このような構成によれば、第1方向、第1方向とは反対方向、第2方向、及び、第2方向とは反対方向の4方向にて、設置面に固定された固定具の突出部は、外装筐体と接触する。これにより、各接触面が固定部に接触する方向の外力が作用した場合のプロジェクターの動きを規制できる。更に、各接触面と突出部とが接触することによって、各接触面が固定部に接触する方向に対して傾斜する方向の外力が作用した場合でも、同様にプロジェクターの動きを規制できる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。更に、外装筐体にカバー部材を設けることによって、固定具によって設置面における動きを規制可能なプロジェクターを構成できる。このため、例えばカバー部材を取付可能に構成されていれば、既存のプロジェクターによって上記プロジェクター装置を構成できる。
【0113】
[付記15]
付記14に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第1接触面、前記第2接触面、前記第3接触面及び前記第4接触面のうち、少なくとも1つの面は平面である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、第1接触面、第2接触面、第3接触面及び第4接触面のうち、平面である接触面と突出部とが面接触することによって、第3軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクターに作用した場合でも、プロジェクターの回転を規制できる。
【0114】
[付記16]
付記14又は付記15に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記孔部は、前記カバー部材と、前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち前記カバー部材が取り付けられる外面部とによって構成される、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、孔部がカバー部材と外装筐体とによって形成されるので、カバー部材に孔部が設けられている場合に比べて、外装筐体に対するカバー部材の取付方向におけるカバー部材の寸法を小さくできる。従って、プロジェクターの大型化を抑制できる。
【0115】
[付記17]
付記14又は付記15に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記孔部は、前記カバー部材に設けられている、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、外装筐体にカバーを取り付けることによって、固定具によって設置面における移動が規制されるプロジェクターを容易に構成できる。
【0116】
[付記18]
第1軸にて互いに反対側となる第1面部及び第2面部と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面部及び第4面部と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面部及び第6面部とを有する外装筐体を有するプロジェクターを、前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置であって、
前記設置面に固定される固定具と、
前記第1面部、前記第2面部、前記第3面部及び前記第4面部のうち少なくとも1つの外面部に取り付けられ、前記固定具の一部が挿入される孔部を構成するカバー部材と、を備え、
前記孔部は、接触面を含み、
前記固定具は、前記第3軸に沿って突出し、前記孔部に挿入されて、前記接触面に接触する突出部を有し、
前記孔部と前記突出部とは、前記第3軸に沿う軸を中心とする前記プロジェクターの回動を規制する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【0117】
このような構成によれば、第3軸に交差する方向のプロジェクターの動きや、第3軸に沿う軸を中心とするプロジェクターの動きを、孔部と固定具の突出部とによって規制できる。従って、設置面におけるプロジェクターの動きを規制できる。
【符号の説明】
【0118】
1,1A,1B,1C…プロジェクター装置、2,2A,2B,2C…プロジェクター、3,3A,3B,3C…外装筐体、31…正面部、32…背面部、33…左側面部、34…右側面部、35…天面部、36…底面部、37…凹部、371…第1接触面、372…第2接触面、373…第3接触面、38…凸部、381…第1接触面、382…第2接触面、383…第3接触面、392…孔部、393…第1接触面、394…第2接触面、395…第3接触面、396…第4接触面、5,5A,5B…固定具、51…固定部、52…突出部、521…第1対向面、522…第2対向面、523…第3対向面、524…側面、53…突出部、54…凹部、541…第1対向面、542…第2対向面、543…第3対向面、55…突出部、551…第1対向面、552…第2対向面、553…第3対向面、554…第4対向面、CM…カバー部材、PF…プロジェクター用固定装置、PS…プロジェクションシステム。