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特開2024-145370シムユニット及び磁気共鳴イメージング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145370
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】シムユニット及び磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A61B5/055 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057692
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 毅人
(72)【発明者】
【氏名】福井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】野上 和人
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB45
4C096AD08
4C096CA02
4C096CA05
4C096CA25
(57)【要約】
【課題】作業効率を高めること。
【解決手段】実施形態のシムカバーは、シムと、シムトレイと、を持つ。シムは、磁性体のシムプレートを含む。シムトレイは、前記シムを収納可能な非磁性体である棒状をなす。前記シムトレイには、一面側が開口し、前記シムを収納するシムポケットが複数形成されている。前記シムは、前記シムポケットに収納された前記シムプレートを前記シムトレイの方向に抑え込む抑え部材をさらに備える。前記シムポケットの内側に向けて突出する多段の突起を含むシム抑えが前記シムポケットの内側面に設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体のシムプレートを含むシムと、
前記シムを収納可能な非磁性体である棒状のシムトレイと、を備え、
前記シムトレイには、一面側が開口し、前記シムを収納するシムポケットが複数形成されており、
前記シムは、前記シムポケットに収納された前記シムプレートを前記シムトレイの方向に抑え込む抑え部材をさらに備え、
前記シムポケットの内側に向けて突出する多段の突起を含むシム抑えが前記シムポケットの内側面に設けられている、
シムユニット。
【請求項2】
前記シム抑えは、前記シムトレイの長手方向に沿った面に形成されている、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項3】
前記抑え部材と前記シムプレートの間に、弾性を有する緩衝部材が介在されている、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項4】
前記シムポケットは、壁体に四方を囲まれて形成されており、
前記シムトレイの長手方向に沿った壁体が取り外し可能とされ、前記壁体が取り外されることにより、前記シムポケットの一面が開放可能とされている、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項5】
前記シムポケットは、壁体に四方を囲まれて形成されており、
前記シムトレイの長手方向に沿った壁体が、前記シムトレイの短手方向に沿った軸回りに回転することにより前記シムポケットの一面を開放可能とされている、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項6】
前記抑え部材は、前記シム抑えに抑えられる際に、前記突起に当接する複数段の突出部を備え、
複数段の前記突出部のピッチと前記多段の突起のピッチが異なる、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項7】
前記突起は、断面が三角形をなす、
請求項6に記載のシムユニット。
【請求項8】
前記突起は、断面が矩形をなす、
請求項1に記載のシムユニット。
【請求項9】
静磁場を発生する静磁場磁石と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルとを備える架台装置と、
前記架台装置内に設けられ、請求項1から8のうちいずれか1項に記載のシムユニットを収納可能な収納部と、
を備える磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、シムユニット及び磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像による診断を行う医用診断装置として、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置(以下、MRI装置)が利用されている。MRI装置は、静磁場を発生する静磁場磁石と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルとを備える。MRI装置における傾斜磁場コイルは、複数のシムユニットを備える。
【0003】
シムユニットは、複数のシムポケットが形成されたシムトレイを備えており、シムポケットには、それぞれシムが収納されている。シムは、1枚または複数枚のシムプレートを備えている。シムは、さらに、シムポケット内でシムプレートが動かないようにするための樹脂板及びゴムを備えている。シムがシムポケットに収納された後は、シムポケットの開口部にシムカバーを取り付け、シムポケット内のシムプレート、樹脂板、及びゴムを抑え込む。シムカバーが取り付けられることにより、樹脂板やゴムは、シムプレートとともにシムポケット内の隙間がなくなるまたは少なくなるように収納され、シムは、シムポケット内で位置固定される。
【0004】
シムをシムポケットに収納する作業は、作業者による手作業によることが多いが、シム及びシムユニットにおけるシムポケットは小さいものである。このため、MRI装置の据え付け時において、シムをシムポケットに収納し、シムカバーを取り付ける作業は、非常に手間がかかり、作業効率の低下を招く原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-268791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、作業効率を高めることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のシムカバーは、シムと、シムトレイと、を持つ。シムは、磁性体のシムプレートを含む。シムトレイは、前記シムを収納可能な非磁性体である棒状をなす。前記シムトレイには、一面側が開口し、前記シムを収納するシムポケットが複数形成されている。前記シムは、前記シムポケットに収納された前記シムプレートを前記シムトレイの方向に抑え込む抑え部材をさらに備える。前記シムポケットの内側に向けて突出する多段の突起を含むシム抑えが前記シムポケットの内側面に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のMRI装置1の構成の一例を示すブロック図。
図2】傾斜磁場コイル14の構造の一例を示す斜視図。
図3】シムユニット60の構造の一例を示す斜視図。
図4】シムポケット70の構造の一例を示す斜視図。
図5】シム80の構造の一例を示す側断面図。
図6】シムポケット70にシム80が収納された状態の一例を示す側断面図。
図7】シムポケット70にシム80が収納された状態の一例を示す側断面図。
図8】第2の実施形態のシムポケット70にシム80が収納された状態の側断面図。
図9】第3の実施形態のシムポケット70の構成の一部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施形態のシムユニット及び磁気共鳴イメージング装置について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のMRI装置1の構成の一例を示すブロック図である。MRI装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置20と、制御装置30と、コンソール装置40とを備える。第1の実施形態では、制御装置30およびコンソール装置40が、架台装置10とは別体であるものとして説明するが、架台装置10に制御装置30およびコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。
【0011】
架台装置10は、例えば、静磁場磁石12と、傾斜磁場コイル14と、RFコイル16と、を備える。図1に示すX軸、Y軸、およびZ軸は、MRI装置1に固有の装置座標系を構成する。例えば、Z軸方向は、傾斜磁場コイル14の円筒の軸方向に一致し、静磁場磁石12によって発生する静磁場の磁束に沿って設定される。第1の実施形態において円筒という場合は、円筒の軸に直交する断面が楕円状となるものを含む。第1の実施形態において円という場合は、楕円を含む。
【0012】
Z軸方向は、寝台装置20における天板23の長手方向と同方向である。Z軸方向は、天板23上に載置された被検体Pの頭尾方向とも同方向となる。X軸方向は、Z軸方向に直交する水平方向に沿って設定される。Y軸方向は、Z軸方向に直交する鉛直方向に沿って設定される。
【0013】
静磁場磁石12は、中空の略円筒形状に形成された磁石である。静磁場磁石12は、内部の空間に一様な静磁場を発生させる。静磁場磁石12は、例えば、永久磁石や超伝導磁石などである。静磁場磁石12が超伝導磁石である場合、不図示の静磁場電源からの電源の供給を受けて、静磁場を発生させる。
【0014】
傾斜磁場コイル14は、架台装置10内において、中空の略円筒形状に形成されたコイルである。傾斜磁場コイル14は、静磁場磁石12の内側に配置される。傾斜磁場コイル14は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の各軸に対応する三つのコイルが組み合わされて形成されている。各軸の方向に対応した三つのコイルのそれぞれは、傾斜磁場電源32から個別に電流の供給を受けて、被検体Pが導入されたMRI装置1の撮影空間(磁場空間)内に、X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。第1の実施形態の傾斜磁場コイル14の構成の詳細については後述する。
【0015】
RFコイル16は、架台装置10内に収められ、撮影空間内で被検体Pを取り囲むように構成された全身用コイルである。RFコイル16は、送信回路33からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。RFコイル16は、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられるMR信号を受信する。RFコイル16は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信回路35に出力する。
【0016】
寝台装置20は、撮影対象の被検体Pを載置して移動させ、架台装置10の内部(静磁場磁石12、傾斜磁場コイル14、およびRFコイル16の空洞内、すなわち、撮像口内)に導入する装置である。寝台装置20は、例えば、基台21と、寝台駆動装置22と、天板23とを備える。基台21は、天板23を支持する支持フレームを鉛直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置22は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置22は、天板23を、支持フレームに沿って長手方向(Z軸方向)に移動させる。また、寝台駆動装置22は、天板23を鉛直方向(Y軸方向)に移動させる。天板23は、被検体Pが載置される板状の部材である。
【0017】
制御装置30は、コンソール装置40からの制御に応じて、架台装置10および寝台装置20の動作を制御する。制御装置30は、例えば、シーケンス制御回路31と、傾斜磁場電源32と、送信回路33と、受信回路35と、寝台制御回路36と、を備える。制御装置30は、架台装置10内に設けられてもよいし、コンソール装置40内に設けられてもよい。
【0018】
シーケンス制御回路31は、コンソール装置40により設定されたシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源32、送信回路33、及び受信回路35を駆動することにより、被検体Pの撮像を実行するシーケンサである。シーケンス制御回路31は、例えば、CPUなどのプロセッサを有する処理回路であってよい。シーケンス情報は、例えば、MRI装置1において被検体Pを撮影する撮像処理を行うための手順が予め定義された情報である。
【0019】
傾斜磁場電源32は、傾斜磁場コイル14において各軸の方向に対応した三つのコイルのそれぞれに対して、個別に電流を供給する。
【0020】
送信回路33は、RFコイル16にRFパルスを供給する。送信回路33がRFコイル16に供給するRFパルスは、対象とする原子核の種類および磁場の強度によって決まるラーモア周波数に対応するパルスである。
【0021】
受信回路35は、RFコイル16により出力されたMR信号を検出し、検出したMR信号を表すMRデータを生成する。受信回路35は、例えば、MR信号をデジタルデータに変換することによってMRデータを生成する。受信回路35は、生成したMRデータをシーケンス制御回路31に出力する。シーケンス制御回路31は、受信回路35により出力されたMRデータをコンソール装置40へ転送する。
【0022】
寝台制御回路36は、コンソール装置40からの制御に応じて、寝台駆動装置22を駆動させる駆動制御信号を寝台駆動装置22に出力する。寝台制御回路36は、架台装置10内に設けられてもよいし、寝台装置20内に設けられてもよい。この場合、寝台制御回路36は、寝台制御回路36が設けられた装置が備える不図示の入力インターフェースを技師などの操作者が操作したことによって不図示の入力インターフェースから入力される入力信号に応じた制御信号を、寝台装置20が備える不図示の寝台駆動装置に出力する。
【0023】
コンソール装置40は、MRI装置1の全体を制御したり、MRデータを収集したりする。コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを備える。
【0024】
メモリ41は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、光ディスクなどにより実現される。メモリ41は、例えば、シーケンス制御回路31により出力されたMRデータ、MRデータに基づいて生成される再構成画像(MR画像)などのデータを記憶する。これらのデータは、メモリ41ではなく(あるいはメモリ41に加えて)、MRI装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、NAS(Network Attached Storage)や、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。外部メモリは、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)と称されるシステムにより実現される。PACSとは、各種画像診断装置によって撮影された画像などを体系的に記憶する医用画像管理システムである。
【0025】
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された画像や、MRI装置1の操作者による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像などを表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ42は、例えば、架台装置10に設けられていてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)であってもよい。
【0026】
入力インターフェース43は、MRI装置1の操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、MRデータを収集する際の収集条件、MRデータを生成する際の生成条件、再構成画像を再構成する際の再構成条件、再構成画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件などの入力操作を受け付ける。
【0027】
入力インターフェース43は、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイクなどにより実現される。入力インターフェース43がタッチパネルである場合、ディスプレイ42は、入力インターフェース43と一体として形成されてよい。入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)により実現されてもよい。
【0028】
本明細書において入力インターフェース43は、上述したマウスやキーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置40とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
【0029】
処理回路44は、MRI装置1の全体の動作を制御する。処理回路44は、シーケンス制御回路31にシーケンス情報を設定する。処理回路44は、例えば、取得機能45、再構成処理機能46、画像処理機能47、出力制御機能48などを実行する。処理回路44は、例えば、コンピュータ装置に備えられるハードウェアプロセッサが記憶装置(記憶回路)であるメモリ41に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0030】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA)などの回路(circuitry)を意味する。
【0031】
メモリ41にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。複数の構成要素を1つの専用のLSIに組み込んで各機能を実現するようにしてもよい。ここで、プログラム(ソフトウェア)は、予めROMやRAM、HDD、フラッシュメモリなどのメモリ41を構成する記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がコンソール装置40に備えるドライブ装置に装着されることで、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。プログラム(ソフトウェア)は、他のコンピュータ装置からネットワークを介して予めダウンロードされて、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。
【0032】
コンソール装置40または処理回路44が備える各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路44は、コンソール装置40が備える構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのMRI装置と接続されたワークステーション、あるいは複数のMRI装置に接続され、以下に説明する処理回路44と同等の処理を一括して実行する装置(例えば、クラウドサーバ)である。すわなち、第1の実施形態の構成を、MRI装置と、他の処理装置とがネットワークを介して接続されたMRI検査システム(医用診断システム)として実現することも可能である。
【0033】
取得機能45は、シーケンス制御回路31により転送されたMRデータを取得する。MRデータは、受信回路35によってMR信号がデジタルデータに変換されたものである。取得機能45は、取得したMRデータをメモリ41に記憶させる。
【0034】
再構成処理機能46は、取得機能45によって取得されたMRデータ(メモリ41に記憶されたMRデータ)に対して、所定の再構成処理を行って再構成画像を生成する。再構成処理機能46は、取得機能45によって取得されたMRデータを、例えば、スライス選択用傾斜磁場、位相エンコード用傾斜磁場、およびリードアウト用傾斜磁場に対応する二次元や三次元に配置する。その後、再構成処理機能46は、テーブル情報を用いて補正して二次元や三次元に配置したMRデータに対してフーリエ変換などを用いた再構成処理を行って再構成画像を生成する。再構成処理機能46は、生成した再構成画像をメモリ41に記憶させる。
【0035】
画像処理機能47は、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、メモリ41に記憶された再構成画像を公知の方法により、三次元画像や任意断面の断面像データに変換する。画像処理機能47は、変換した断面像データを、MR画像としてメモリ41に記憶させる。
【0036】
出力制御機能48は、例えば、ディスプレイ42における表示態様を制御する。出力制御機能48は、画像処理機能47により生成されてメモリ41に記憶されたMR画像をディスプレイ42に出力して表示させる。これにより、MRI検査の実施者(医師や技師など)は、ディスプレイ42に表示されたMR画像を目視で確認し、被検体Pに病変があるか否かなどを診断することができる。出力制御機能48は、コンソール装置40の本体部とネットワークを介して接続された、例えば、タブレット端末にMR画像を送信して、表示装置に表示させてもよい。出力制御機能48は、MRI装置1の操作者による各種操作を受け付けるためのGUI画像などを表示させてもよい。
【0037】
次に、傾斜磁場コイル14の構造の一例について説明する。図2は、傾斜磁場コイル14の構造の一例を示す斜視図である。傾斜磁場コイル14は、複数の挿入口50を備える。複数の挿入口50は、円筒形状の傾斜磁場コイル14における寝台装置20側の底面において、X軸回りの周方向に等間隔で離間して配置されている。
【0038】
傾斜磁場コイル14は、さらに、メインコイル51と、シールドコイル52とを備える。メインコイル51は、傾斜磁場電源32から供給される電流によりX軸、Y軸、Z軸の方向に傾斜磁場を印加する。シールドコイル52は、メインコイル51の漏洩磁場をキャンセルする。メインコイル51の周囲にシールドコイル52が設けられた傾斜磁場コイル14は、ASGC(Actively Shielded Gradient Coil)と呼ばれる。
【0039】
メインコイル51とシールドコイル52との間には、複数、例えば24個のシムトレイ収納部53が形成されている。複数のシムトレイ収納部53には、それぞれシムユニット60が1本ずつ挿入される。シムトレイ収納部53は、シムユニット60を収納可能な穴である。より詳細には、シムトレイ収納部53は、傾斜磁場コイル14の長手方向(Z軸方向)に沿って設けられた貫通孔である。
【0040】
シムユニット60は、シムトレイ収納部53の寝台装置20側の端部に設けられた挿入口50から、作業者によって挿入される。挿入されたシムユニット60は、シムトレイ収納部53内に留置される。シムトレイ収納部53は、貫通孔でなくてもよく、傾斜磁場コイル14の寝台装置20と反対側の端部が閉じていてもよい。シムトレイ収納部53は、寝台装置20側が閉じていてもよい。シムトレイ収納部53は、傾斜磁場コイル14内に設けられているが、これは一例である。シムトレイ収納部53は、MRI装置1の構成に応じて、架台装置10内のいずれかの位置に設けられる。
【0041】
図3は、シムユニット60の構造の一例を示す斜視図である。シムユニット60は、シムトレイ61を備える。シムトレイ61には、シムポケット70が複数、例えば15個形成されている。シムトレイ61は、非磁性体の素材、例えば樹脂で構成された棒状の部材である。複数のシムポケット70は、シムトレイ61の一面において、その長手方向に沿って略等間隔で離間して配置されている。複数のシムポケット70は、互いに同一の形状及び大きさを備える。シムポケット70には、シム80が挿入される。
【0042】
続いて、シムポケット70及びシム80の構造について説明する。図4は、シムポケット70の構造の一例を示す斜視図である。シムポケット70は、例えば、固定枠71と、可動枠72と、シム抑え73と、ずれ止め74と、を備える。シムポケット70は、固定枠71及び可動枠72となる壁体に四方を囲まれて形成されている。
【0043】
シムポケット70を構成する壁体は、シムトレイ61に形成された有低の溝を囲む部分により構成されている。シムポケット70を構成する壁体は、Y軸方向に見て矩形とされている。シムポケット70を壁体は、矩形以外の形状でもよい。シムポケット70を構成する壁体は、シムトレイ61における上面から突出して立設されていてもよい。
【0044】
固定枠71は、シムトレイ61の表面において、シムトレイ61の短手方向に沿った略平行の2辺と、長手方向に沿った1辺に沿った壁体を備える。固定枠71は、シムトレイ61と一体的に形成されている。固定枠71は、例えばY方向に見てシムトレイの長手方向及び短手方向に沿った矩形の一辺を取り除いた形状をなしている。取り除かれた一辺の位置は、シムトレイ61の長手方向に沿った一辺である。シムポケット70は、その一辺に相当する一面が開放可能とされている。
【0045】
可動枠72は、シムポケット70における開放された面を塞ぐように固定枠71に取り付け可能とされている。可動枠72は、図示しない爪部を備え、固定枠71には、爪部が嵌合する爪受部が形成されている。爪部が爪受部に嵌合されることにより、可動枠72が固定枠71に取り付けられて固定される。可動枠72が固定枠71に取り付けられることにより、固定枠71の開放面が閉塞されてシムポケット70におけるシム80を収納する収納穴が形成される。
【0046】
固定枠71におけるシムトレイ61の長手方向(Z軸方向)に沿った壁体の内側面及び固定枠71に取り付けられた可動枠72の内側面の上方位置(シムトレイ61から遠い位置)には、シム抑え73が設けられている。シム抑え73は、側断面(X-Y平面に沿った断面)が三角形(図6参照)である同一形状の多段、例えば4段に配置された複数の突起を備える。突起は、シムポケットの内側に向けて突出する。固定枠71及び可動枠72にそれぞれ形成されたシム抑え73は、互いに対称(面対称)に形成されている。このため、固定枠71及び可動枠72のそれぞれの突起は、互いにY軸方向にほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0047】
固定枠71における短手方向に沿った2つの壁体のうちの一方には、ずれ止め74が設けられている。ずれ止め74には、シムトレイ61の長手方向に沿った不図示の長孔が形成されている。ずれ止め74は、シムポケット70の収納穴に収納されたシム80をZ軸方向に押し込み、ずれ止め74が設けられた側と反対側の壁体に押し付ける。シム80を押し付けたずれ止め74は、ネジNによりシムトレイ61に固定される。ずれ止め74がシムトレイ61に固定されることにより、シムポケット70内におけるシム80のZ軸方向のずれが抑制される。
【0048】
図5は、シム80の構造の一例を示す側断面図である。シム80は、例えば、鉄シム81と、緩衝部材82と、抑え部材83とを備える。鉄シム81は、磁性体である鉄で構成されたプレート状の部材である。鉄シム81に代えて、鉄以外の金属等の磁性体からなるプレート状の部材が用いられてもよい。シム80における鉄シム81の枚数は、シムポケット70に収容される位置等の条件によって変動し、例えば、1枚から3枚のいずれかとなる。シム80における鉄シム81の枚数は、4枚以上でもよい。鉄シム81は、シムプレートの一例である。
【0049】
鉄シム81は、シムポケット70内において、シムトレイ61上の表面(シムポケット70の底面)に直接載置される。鉄シム81が複数載置される場合には、複数の鉄シム81は、Y軸方向に積み上げられる。複数の鉄シム81は、互いに同一の形状をなす。複数の鉄シム81は、互いに異なる形状であってもよい。
【0050】
緩衝部材82は、ゴムなどの弾性体によって構成された直方体のブロック体である。緩衝部材82は、例えば鉄シム81の上方(Y方向上側)に載置され、鉄シム81と抑え部材83の間に介在される。緩衝部材82は、鉄シム81を上方からシムトレイ61に方向に押し付ける。緩衝部材82は、直方体以外の形状でもよい。緩衝部材82は、円柱状、多角柱状等の柱状体、円錐台、多角錐台等の錐台などでもよい。シム80は、緩衝部材82を備えなくてもよい。
【0051】
抑え部材83は、緩衝部材82の上方(Y軸方向上側)に設けられる。抑え部材83は、例えば、可塑性を有する非磁性体の材料により構成される。抑え部材83と緩衝部材82は、接着剤により接着されるなどして一体化されている。抑え部材83と緩衝部材82は、別体であってもよい。
【0052】
抑え部材83におけるシムトレイ61の短手方向(X軸方向)両端部には、それぞれ抑え部84が設けられている。抑え部84は、シムポケット70におけるシム抑え73の突起により抑え込み可能となる複数段、例えば2段の突出部を備えている。抑え部84は、3段以上の突出部を備えていてもよい。
【0053】
抑え部材83は、上段または下段の突出部がシム抑え73の突起に当接する際に、下段または上段の突出部がシム抑え73に当接しない形状に成形されている。突出部は、1段でもよいし、3段以上でもよい。抑え部84が上方からシム抑え73の突起に抑え込まれることにより、抑え部材83は、シムポケット70に収納された鉄シム81をシムトレイ61の方向にあるシムポケット70の底面に抑え込む。鉄シム81は、緩衝部材82を介して、抑え部材83によりシムポケット70内で位置固定される。
【0054】
抑え部84が備える突出部のピッチ(突出部同士の幅、以下、突出部ピッチ)は、シム抑え73が備える突起のピッチ(突起同士の幅、以下突起ピッチ)と異なり、突出部ピッチが突起ピッチより短くされている。突出部ピッチと突起ピッチが異なることにより、シム抑え73に当接される突出部に応じて、抑え部材83の高さ位置を微調整することができる。突出部ピッチは、突起ピッチと同じとされていてもよいし、突起ピッチより長くされていてもよい。
【0055】
第1の実施形態のシムユニット60では、シムトレイ61に形成された複数のシムポケット70のそれぞれにシム80が収納される。複数のシムポケット70のそれぞれに収納されるシム80は、傾斜磁場コイル14が形成する磁場などの関係から、収納されるシムポケット70ごとに異なる枚数の鉄シム81を備えるものとなる。
【0056】
鉄シム81は、抑え部材83により抑え込まれてシムポケット70内で固定されるところ、鉄シム81の枚数が異なる場合に、同じ抑え部材83で鉄シム81を抑え込む工夫が求められる。この点、第1の実施形態のシムユニット60では、シムポケット70に形成されるシム抑え73が、他段の突起を備える構造となしている。このため、シム抑え73における抑え部材83を抑え込む突起を選択可能とすることにより、1種類の抑え部材83により、複数種類の枚数の鉄シム81を抑え込むことができる。
【0057】
図6及び図7は、いずれもシムポケット70にシム80が収納された状態の一例を示す側断面図である。図6では、シム80が3枚の鉄シム81を備える例を示し、図7では、シム80が1枚の鉄シム81を備える例を示す。図6に示すように、3枚の鉄シム81を備えるシム80をシムポケット70に収納する場合、抑え部84は、シムポケット70に形成されたシム抑え73における多段の突起のうち、最上段に位置する突起により抑え込まれる。このため、3枚の鉄シム81を備えるシム80をシムポケット70に好適に固定することができる。
【0058】
また、図7に示すように、1枚の鉄シム81を備えるシム80をシムポケット70に収納する場合、抑え部84は、シムポケット70に形成されたシム抑え73における多段の突起のうち、最下段に位置する突起により抑え込まれる。このため、抑え部材83とシムポケット70の底面との距離を図6の場合よりも短くすることができる。したがって、3枚の鉄シム81よりも薄い1枚の鉄シム81を備えるシム80をシムポケット70に好適に固定することができる。
【0059】
また、シム抑え73により抑え部材83を抑え込んだ場合に、シム抑え73の側部と抑え部材83の側部に隙間があると、その隙間の間でシム80がわずかに動く懸念がある。このため、例えば、シム抑え73がX軸方向に沿った面に形成されると、シム80がZ軸方向にずれる懸念が生じる。シム80がX軸方向にずれると、傾斜磁場コイル14によって形成される磁場に歪みの原因となることがある。
【0060】
ここで、シム抑え73は、シムポケット70におけるZ軸方向に沿った面に形成されている。このため、例えば、シム80は、例えばX軸方向にずれる懸念があるとしても、Z軸方向に対するずれの原因とならないようにすることができる。したがって、傾斜磁場コイル14が形成する磁場の歪みの原因とならないようにすることができる。
【0061】
また、シム80は、鉄シム81と抑え部材83の間に配置される弾性を有する緩衝部材82を備えている。このため、緩衝部材82の弾性力を利用して、鉄シム81を抑え込むことができるので、シムポケット70内におけるシム80の移動を好適に抑制することができる。
【0062】
続いて、シムポケット70にシム80を収納する作業について説明する。シム80は、例えば、作業者によりシムポケット70に収納される。作業者は、シムポケット70にシム80を収納するにあたり、まず、シムポケット70における可動枠72を固定枠71から取り外す。可動枠72が固定枠71から取り外されることにより、シムポケット70の側面が開放面となる。
【0063】
続いて、作業者は、シムポケット70の側方に形成された開放面からシム80をシムポケット70内に導入する。このとき、作業者は、シム80が備える鉄シム81の枚数に応じて、抑え部84を当接させるシム抑え73の突起を多段の突起の中から定め、定めた突起の直下に抑え部84を配置する。このとき、作業者は、抑え部材83を上方から押込み、緩衝部材82を元の形状から収縮させる。
【0064】
シムポケット70の内側にシム80を配置したら、作業者は、上方から押し込んだシム80を解放する。解放された緩衝部材82は、元の形状に戻ろうとするが、シム抑え73の突起に当接した状態となる。このとき、シム抑え73を反力とした緩衝部材82の弾性による付勢力により、抑え部材83により鉄シム81がシムポケット70の底面に押し付けられてシム80がシムポケット70内で固定される。
【0065】
続いて、作業者は、ずれ止め74によりシム80をずれ止め74の反対側に位置する固定枠71の内側面に押し付け、ネジNを締めることにより、シム80のZ軸方向の位置を固定する。続いて、作業者は、取り外した可動枠72を固定枠71に取り付ける。こうして、シムポケット70に対してシム80を収納する作業が完了する。
【0066】
第1の実施形態のシムユニット60において、シムポケット70にシム80を収納する際に、作業者は、可動枠72を取り外し、シム80をシムポケット70の側方の開口面からシムポケット70の内部に導入することができる。このため、作業者は、シム80をシムポケット70の上方から導入する必要がないので、シムユニット60は、作業者に対して、シム80をシムポケット70に導入させやすくすることができる。
【0067】
傾斜磁場コイル14を製造する手順としては、まず、複数のシムユニット60を仮に組み立てて、全てのシムユニット60をシムトレイ収納部53に収納する。続いて、傾斜磁場コイル14が発生する磁場を計測し、その計測結果を参考にして、傾斜磁場コイル14が所望の磁場を発生させることができるように、シムユニット60内のシム80における鉄シム81の枚数を調整して、再びシムユニット60を組み立てる。このシムユニット60の組み立てを複数回繰り返して、所望の磁場を発生させる傾斜磁場コイル14を製造する。
【0068】
この過程において、作業者は、シムポケット70にシム80を導入し、シムポケット70からシム80を取り出す作業を複数回行う。このため、シムポケット70内にシム80を導入する作業などに手間がかかると、傾斜磁場コイル14を製造するために多大な労力を要する。この点、第1の実施形態のシムユニット60は、シム80をシムポケット70に容易に導入することができるので、作業者の手間を軽減することができる。
【0069】
さらに、第1の実施形態のシムユニット60では、従来のようなシムカバーの取付が不要となる。このため、シムユニット60を組み立てる際の工数を削減できるとともに、部品点数の現用を図ることができる。その結果、作業効率の向上及び製造コストの削減を図ることができる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、シムポケット70及びシム80の構成が主に異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心として、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する事項については、その説明を省略することがある。
【0071】
図8は、第2の実施形態のシムポケット70にシム80が収納された状態の側断面図である。第2の実施形態では、シムポケット70におけるシム抑え73の突起及びシム80における抑え部材83の抑え部84の側断面(X-Y平面に沿った断面)がいずれも矩形である。抑え部84の高さは、上下するシム抑え73の突起同士の間の幅より短くされている。このため、抑え部84は、シム抑え73の突起同士の間に進入可能である。
【0072】
第2の実施形態のシムユニットは、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、第2の実施形態のシムユニットにおいて、シムポケット70におけるシム抑え73の突起は矩形をなしている。このため、シム抑え73の突起における抑え部84からの力を受ける部分に厚みを持たせることができるので、その分強固にシム80を抑えることができる。
【0073】
シムポケット70におけるシム抑え73の突起及びシム80における抑え部材83の抑え部84の形状は、シム抑え73の突起が抑え部84を抑え込める形状であれば、その他の形状でもよい。シム抑え73の突起の下面及び抑え部84の上面は水平でもよいし、シム抑え73の突起または抑え部84の内側が、それぞれの外側よりも低い位置となるようにしてもよい。
【0074】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、シムポケット70、特に可動枠72の構成が主に異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心として、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する事項については、その説明を省略することがある。
【0075】
図9は、第3の実施形態のシムポケット70の構成の一部を示す斜視図である。第3の実施形態のシムポケット70は、可動枠72が跳ね上げ式である点で、第1の実施形態主に異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心として、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する事項については、その説明を省略することがある。
【0076】
第3の実施形態におけるシムポケット70における可動枠72は、Z軸方向の一端部がX軸に沿って回動可能とされ、X軸方向の他端部が跳ね上げ可能な方式(跳ね上げ式)の枠体とされている。このため、シムポケット70では、X軸方向に沿った可動枠72が、X軸回りに回転することによりシムポケットの70の一面を開放可能とされている、
【0077】
第3の実施形態のシムユニットは、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、第3の実施形態のシムユニットにおいて、シムポケット70は、跳ね上げ式の可動枠72を備えている。このため、可動枠72が固定枠71から離脱しない状態でシム80をシムポケット70に導入することができる。
【0078】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、磁性体のシムプレートを含むシムと、前記シムを収納可能な非磁性体である棒状のシムトレイと、を持ち、前記シムトレイには、一面側が開口し、前記シムを収納するシムポケットが複数形成されており、前記シムは、前記シムポケットに収納された前記シムプレートを前記シムトレイの方向に抑え込む抑え部材をさらに持ち、前記シムポケットの内側に向けて突出する多段の突起を含むシム抑えが前記シムポケットの内側面に設けられている、ことにより、作業効率を高めることができる。
【0079】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1…磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)
10…架台装置
12…静磁場磁石
14…傾斜磁場コイル
16…RFコイル
20…寝台装置
21…基台
22…寝台駆動装置
23…天板
30…制御装置
31…シーケンス制御回路
32…傾斜磁場電源
33…送信回路
35…受信回路
36…寝台制御回路
40…コンソール装置
41…メモリ
42…ディスプレイ
43…入力インターフェース
44…処理回路
45…取得機能
46…再構成処理機能
47…画像処理機能
48…出力制御機能
50…挿入口
51…メインコイル
52…シールドコイル
53…シムトレイ収納部
60…シムユニット
61…シムトレイ
70…シムポケット
71…固定枠
72…可動枠
73…シム抑え
74…ずれ止め
80…シム
81…鉄シム
82…緩衝部材
83…抑え部材
84…抑え部
EL…有機
N…ネジ
P…被検体
U2…第2技師
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9