(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145372
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】飲料用抽出フィルター
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20241004BHJP
A47J 31/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A47J31/06 160
A47J31/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057695
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】522156782
【氏名又は名称】株式会社燦セラ
(74)【代理人】
【識別番号】100172225
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】山口 清久
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA02
4B104AA08
4B104BA77
4B104EA25
4B104EA31
4B104EA34
(57)【要約】
【課題】適切に濾過して飲料を抽出することができる飲料用抽出フィルターを提供することを目的とする。
【解決手段】飲料用抽出フィルター1は、多孔質セラミックスにより形成されている。飲料用抽出フィルター1は、中央2aが上方に突出する形状を有する底部2と、底部2の外周2bから上方に延伸し、上方の開口4に向けて広がる筒状の側部3と、を有する。また、飲料用抽出フィルター1の底部2の外周2bは、下方に突出する形状を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミックスにより形成された飲料用抽出フィルターであって、
中央が上方に突出する形状を有する底部と、
前記底部の外周から上方に延伸し、上方の開口に向けて広がる筒状の側部と、を有する、飲料用抽出フィルター。
【請求項2】
前記底部の外周は、下方に突出する形状を有する、請求項1に記載の飲料用抽出フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、緑茶、紅茶などの濾過に使用する飲料用抽出フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉状に挽いたコーヒー豆や茶葉からコーヒーや緑茶、紅茶などの飲料を抽出する濾過に使用する飲料用抽出フィルターとして、多孔質セラミクスにより形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、底面が下方に膨出する円弧状を有し、飲料の濾過に使用する碗状のセラミックフィルターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のセラミックフィルターは、繰り返し使用でき、風味に優れた飲料を得られるものの、底面が下方に膨出する形状に起因して、次の問題点があった。すなわち、注がれたお湯によるコーヒーの粉などの攪拌が起きづらいという問題点があった。また、抽出された飲料は膨出した1箇所の最下点から落下する構造であるため、抽出工程の終盤に飲料がフィルターから抜け出る速度が低下して抽出時間が長くなるという問題点がった。
【0005】
そこで本発明は、適切に濾過して飲料を抽出することができる飲料用抽出フィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用抽出フィルターは、多孔質セラミックスにより形成された飲料用抽出フィルターであって、中央が上方に突出する形状を有する底部と、前記底部の外周から上方に延伸し、上方の開口に向けて広がる筒状の側部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切に濾過して飲料を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態の飲料用抽出フィルターの概要を説明する(a)斜視図、(b)正面断面図
【
図2】(a)(b)本発明の一実施の形態の飲料用抽出フィルターを使用した飲料抽出工程の説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の飲料用抽出フィルターをサーバーにセットする方法を説明する斜視図
【
図4】本発明の一実施の形態の飲料用抽出フィルターを使用した飲料抽出の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず
図1を参照して、飲料用抽出フィルター1の構成について説明する。飲料用抽出フィルター1は、底部2と側部3を備えており、アルミナを含む多孔質セラミックスにより一体的に形成されている。底部2は、中央2aが円弧状に上方に突出する円盤状の形状を有する。底部2の直径D1は、25mmから50mmである。また、底部2の中央2aが底部2の外周2bから突出する高さH1は、2mmから15mmである。側部3は、底部2の外周2bから上方に延伸し、上方の開口4に向けて広がる円筒状の形状を有する。開口4の直径D2は、80mmから120mmである。また、側部3の高さH2は、80mmから120mmである。また、底部2の外周2bは、下方に滑らかに突出する形状を有する。
【0010】
次に、
図2を参照して、飲料用抽出フィルター1の機能について説明する。ここでは、コーヒー抽出液を飲料として抽出する工程を例に説明する。
図2(a)において、まず、飲料用抽出フィルター1の内部に、コーヒー豆を所定の大きさに挽いて作成されたコーヒーの粉5が所定の量だけ入れられる。
【0011】
図2(b)において、次いで、飲料用抽出フィルター1の内部に、お湯6が所定の量だけ注がれる。この時、側部3に沿って注がれたお湯6(矢印a)は、底部2の凸状の形状に沿って中央2aから上方に立ち上がる。これによって、コーヒーの粉5が注がれたお湯6によって適度に撹拌され(矢印b)、コーヒーの粉5にお湯6が偏ることなく接するようになる。また、側部3により濾過されて生成されたコーヒー抽出液7は、側部3に沿って下方に流出し、主に底部2の外周2bから落下する(
図4も参照)。このように、底部2の円状の外周2bという広い範囲からコーヒー抽出液7を落下させることにより、コーヒー抽出液7の抽出時間を短縮させることができる。
【0012】
次に、
図3を参照して、飲料用抽出フィルター1の使用方法について説明する。飲料用抽出フィルター1は、内側に保持用の穴が形成されたホルダ8に挿入され、側部3がホルダ8の穴に当接した状態で保持される。飲料用抽出フィルター1を保持するホルダ8は、サーバー9の上部の開口にセットされる。これにより、飲料用抽出フィルター1が使用可能な状態となる(
図4も参照)。なお、飲料用抽出フィルター1の側部3がサーバー9の開口に当接した状態で保持可能な場合、ホルダ8は省略可能である。
【0013】
図4は、コーヒー抽出液7を抽出中の飲料用抽出フィルター1の状態を示している。飲料用抽出フィルター1の内部では、コーヒーの粉5とお湯6が撹拌されて、コーヒーの粉5とお湯6との混合液10となっている。混合液10が飲料用抽出フィルター1により濾過されて生成されたコーヒー抽出液7は、主に底部2の外周2bから落下して、サーバー9の内部に溜まる。
【0014】
なお、上記は、コーヒー抽出液7を抽出する例で説明したが、緑茶や紅茶の場合、コーヒーの粉5が緑茶や紅茶の茶葉に代わる他は同様であり、詳細な説明は省略する。
【0015】
上記説明したように、本実施の形態の飲料用抽出フィルター1は、多孔質セラミックスにより形成された飲料用抽出フィルター1であって、中央2aが上方に突出する形状を有する底部2と、底部2の外周2bから上方に延伸し、上方の開口4に向けて広がる筒状の側部3と、を有する。これによって、適切に濾過して飲料を抽出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
適切に濾過して飲料を抽出することができる飲料用抽出フィルターを提供する。
【符号の説明】
【0017】
1 飲料用抽出フィルター
2 底部
2a 中央
2b 外周
3 側部
4 開口