(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145382
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241004BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241004BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241004BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057705
(22)【出願日】2023-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトのアドレス:https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202212/23_5550.html ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://note.com/navitime_tech/n/n9937a9c2a804 ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://note.com/navitime_tech/n/n04a9552b5d9d ウェブサイトの掲載日:令和5年1月19日 ウェブサイトのアドレス:https://iphone-mania.jp/news-511922/ ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://ampmedia.jp/2022/12/23/navitime-221223/ ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://news.mynavi.jp/article/20221223-2544985/ ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2212/23/news183.html ウェブサイトの掲載日:令和4年12月23日 ウェブサイトのアドレス:https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1466501.html ウェブサイトの掲載日:令和4年12月25日 ウェブサイトのアドレス:https://ligare.news/story/navitime-1226/ ウェブサイトの掲載日:令和4年12月26日 プログラムの提供場所:App Store(https://www.apple.com/jp/app-store/)及びGoogle Play Store(https://play.google.com/store/apps) プログラムの提供日:令和4年12月23日
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【弁理士】
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】森 このみ
(72)【発明者】
【氏名】久保 陽賢
(72)【発明者】
【氏名】石川 智己
(72)【発明者】
【氏名】丸山 真愛
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA04
2F129AA05
2F129AA08
2F129CC03
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129CC25
2F129CC31
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD26
2F129DD37
2F129DD51
2F129EE35
2F129EE36
2F129EE43
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE82
2F129EE84
2F129EE89
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF14
2F129FF15
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF36
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF66
2F129FF68
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
(57)【要約】
【課題】交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報を記憶すること。
【解決手段】情報処理システムは、交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記交通チケット情報は、移動体の種別、出発地、目的地、出発日時及び到着日時のうち少なくとも一つを含み、
前記交通チケット情報に応じて出発地から目的地までの経路探索を行う経路探索手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記交通チケット情報は、前記移動体の運賃を含み、
前記経路探索手段は、前記運賃に応じて前記経路探索を行う請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記交通チケット情報は、前記移動体の号車を含み、
前記経路探索手段は、前記号車に応じて前記経路探索を行う請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を表示部に表示する表示制御部をさらに備える請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記交通チケット情報を、出発地と目的地との間に配置した状態で前記経路探索の条件とともに表示する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記読取手段による前記交通チケット情報の読み取りを実行するためのアイコンを表示部に表示する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記アイコンを前記経路探索の条件とともに前記表示部に表示する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記アイコンを前記経路探索に用いる地点を入力する領域又はその近傍に表示する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記アイコンをメニュー画面上に表示する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記アイコンを旅程の作成画面におけるタイムテーブル上に表示する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記読取手段は、前記アイコンがユーザ操作によって選択されたことに応じて撮像手段を起動し、該撮像手段により撮像された画像から前記交通チケット情報を読み取る請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記読取手段は、前記アイコンがユーザ操作によって選択されたことに応じて前記記憶手段に記憶された画像を読み出し、読み出された画像から前記交通チケット情報を読み取る請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記読取手段は、前記アイコンがユーザ操作によって選択されたことに応じて前記記憶手段に記憶された電子交通チケットの画像を読み出し、該電子交通チケットの画像から前記交通チケット情報を読み取る請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記読取手段は、交通チケットに表記されているフォント、文字列及び記号を用いて機械学習を行った学習済みモデルを用いて前記交通チケット情報を読み取る請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記経路探索手段は、前記交通チケット情報が企画乗車券に関する情報である場合に、データベースから前記企画乗車券が有効な乗車区間に関する情報を取得し、前記乗車区間に応じた経路探索を行う請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記経路探索手段は、前記データベースに前記企画乗車券が有効な乗車区間に関する情報がない場合に、前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報から前記企画乗車券が有効な乗車区間を特定し、特定した乗車区間に応じて前記経路探索を行う請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記読取手段が、複数の前記交通チケットに関する画像から前記交通チケット情報として前記企画乗車券に関する情報と特急券に関する情報とを読み取った場合に、前記経路探索手段は、前記特急券に関する情報から乗車日時に関する情報を取得し、前記企画乗車券に関する情報と前記特急券に関する情報とを組み合わせた前記経路探索を行う請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項19】
旅程を作成する旅程作成手段をさらに備え、
前記旅程作成手段は、前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を前記旅程に挿入するとともに、挿入された前記交通チケット情報に応じて、作成済みの前記旅程の時間情報を変更する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記交通チケット情報として、電子交通チケットに関する情報を取得する取得手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記取得手段が取得した電子交通チケットに関する情報と前記交通チケット情報とを表示部に一覧で表示する表示制御手段をさらに備える請求項20に記載の情報処理システム。
【請求項22】
コンピュータを、
交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項23】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項24】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~21のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~21のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項25】
コンピュータを、請求項1~21のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項26】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項27】
読取手段が、交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取るステップと、
記憶手段が、前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のイベント情報を表示する表示ディスプレイの表示面に向けて情報端末をかざすことで情報端末が表示ディスプレイと可視光通信を行うことにより、複数のイベント情報を取得し、取得された複数のイベント情報に、少なくとも一のサービスに関連する情報である関連情報が含まれている場合に、関連情報を、情報端末の表示部に表示するする技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、端末装置を用いてチケットに印刷されたアクセス情報であるQRコード(登録商標)を読み取ることで経路探索サーバにアクセスし、経路探索サーバが、イベント会場や施設の推奨目的地に推奨到着時刻に到着する推奨経路を探索する技術が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-111806号公報
【特許文献2】特開2009-008542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報を記憶することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、
交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記交通チケット情報を記憶する記憶手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態に係る情報処理システムの経路探索に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、一実施の形態に係る情報処理システムの経路探索に関する動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施の形態に係る情報処理システムの旅程変更に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、一実施の形態に係るメニュー画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施の形態に係る交通チケットの撮影画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施の形態に係る交通チケットの撮影画面の一例を示す図であって撮影処理が開始した後の状態を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施の形態に係る交通チケットの撮影画面の一例を示す図であって本撮像が行われた後の状態を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施の形態に係るAI-OCRによる認識処理が行われた交通チケット画像の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施の形態に係る交通チケットの撮影画面の一例を示す図であって交通チケット情報の読取処理が行われた後の状態を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施の形態に係る交通チケットの撮影画面の一例を示す図であって交通チケット情報の読取処理が失敗した状態を示す図である。
【
図12】
図12は、一実施の形態に係る経路探索画面の一例を示す図であって交通チケット情報の読取結果が確定された後の状態を示す図である。
【
図13A】
図13Aは、一実施の形態に係る交通チケット読取ボタンの表示例を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、一実施の形態に係る撮影ボタン及び画像選択ボタンの表示例を示す図である。
【
図13C】
図13Cは、一実施の形態に係る撮影ボタン、画像選択ボタン及び電子交通チケット読込ボタンの表示例を示す図である。
【
図13D】
図13Dは、一実施の形態に係る交通チケット読取ボタンの他の表示例を示す図である。
【
図13E】
図13Eは、一実施の形態に係る撮影ボタン、画像選択ボタン及び電子交通チケット読込ボタンの他の表示例を示す図である。
【
図13F】
図13Fは、一実施の形態に係る交通チケット読取ボタンの他の表示例を示す図である。
【
図13G】
図13Gは、一実施の形態に係る交通チケット読取ボタンの他の表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施の形態に係るチケット一覧画面の一例を示す図である。
【
図16B】
図16Bは、一実施の形態に係る旅程作成画面の一例を示す図であって交通チケット情報の読取処理が実行された後の状態を示す図である。
【
図17】
図17は、一実施の形態に係る経路探索画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、一実施の形態に係る経路探索処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(情報処理システムの概要)
本実施形態における情報処理システム1は、交通チケット(例えば、電車、バス、タクシー、航空機等の公共交通機関(移動体)の乗車券)の画像から交通チケットに関する情報(交通チケット情報)を読み取り、読み取った交通チケット情報を記憶することができるシステムである。そして、情報処理システム1は、当該交通チケット情報に応じた経路探索を行うことが可能である。
【0011】
(機能構成)
次に、情報処理システム1の機能構成について説明する。
図1は、一実施の形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0013】
まず、端末装置2について説明する。端末装置2は、ユーザが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0014】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末入力部23と、端末出力部24と、撮像部25と、端末記憶部26とを有している。各部21~26は、互いに通信可能に接続されている。
【0015】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0016】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0017】
端末入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0018】
端末出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)やスピーカ等の音声出力デバイスを含む。端末出力部24は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0019】
撮像部25は、不図示の撮像素子により被写体(例えば、交通チケット)の像を撮像する。また、撮像部25は、端末装置2の表示部(端末出力部24)に表示された画像(例えば、電子交通チケットの画像)を画面キャプチャ(スクリーンショット)する。撮像部25が撮像又は画面キャプチャした画像(以下、交通チケットに関する画像という。)は、端末装置2の端末記憶部26に記憶される。
【0020】
端末記憶部26は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部26には、端末制御部22が取り扱う各種データや、撮像部25が撮像又は画面キャプチャした画像(交通チケットに関する画像)、当該交通チケットに関する画像から後述の読取部32aが読み取った交通チケット情報、後述の取得部32bが取得した電子交通チケットに関する情報(交通チケット情報)等が記憶される。端末記憶部26は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部26の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0021】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部31~33は、互いに通信可能に接続されている。
【0022】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0023】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベースと、地図情報を含む地図情報データベースとを含んでいる。
【0024】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網(道路ネットワーク)を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金(運賃)情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0025】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0026】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。
【0027】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0028】
サーバ制御部32は、読取部32aと、取得部32bと、経路探索部32cと、旅程作成部32dと、表示制御部32eとを有している。これらの各部32a~32eは、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0029】
読取部32aは、サーバ通信部31によりネットワーク4を介して端末装置2から交通チケットに関する画像を受信し、当該画像から交通チケット情報を読み取る。具体的には、読取部32aは、AI-OCR(Artificial Intelligence- Optical Character Recognition)により、撮像部25が撮像した交通チケット(紙等の物理媒体の交通チケット)の画像又は撮像部25が画面キャプチャした電子交通チケットの画像から交通チケット情報を読み取る。AI-OCRについては後述する。
【0030】
ここで、交通チケット情報とは、移動体の種別、出発地、到着地、出発日時及び到着日時のうち少なくとも一つを含み、交通チケットに単に表記された情報のみならず、表記された情報から認識可能な情報を含む。
【0031】
図5は、情報処理システム1を用いた処理を実行するためのソフトウェアがインストールされた端末装置2の表示部(端末出力部24)に表示されたメニュー画面50の一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、端末装置2の表示部に表示されたメニュー画面50には、交通チケットを読み取るための交通チケット読取ボタン51(アイコン)が表示される。なお、
図5には、交通チケット読取ボタン51の一例として「新幹線チケット読取検索」が表示されているが、交通チケットは新幹線に限定されない。すなわち、交通チケットは、急行、特急、特別車両等のチケットや、バス、タクシー、船舶、旅客機等のチケット、特定の乗車区間で有効なフリー切符等の企画乗車券であってもよい。
端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により交通チケット読取ボタン51が選択されると、
図6に示す交通チケットの撮影画面60に遷移する。
【0033】
図6は、交通チケットの撮影画面の一例を示す図である。
図6に示すように、交通チケットの撮影画面60に遷移すると、交通チケットの撮影を開始するための通知61が表示される。そして、端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により読取開始ボタン62(「OK」ボタン)を選択すると交通チケットの撮影処理が開始し、
図7に示す状態に遷移する。
【0034】
図7は、撮影処理が開始した後の交通チケットの撮影画面60の一例を示す図である。
図7に示すように、撮影処理が開始した後の交通チケットの撮影画面60には、端末装置2の撮像部25によって撮像された交通チケットの画像がスルー画像として表示されている。端末装置2のユーザは、撮影画面60に表示された交通チケットのスルー画像が枠64の内側に収まるように端末装置2による撮影方向・角度を調整する。そして、端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により撮影ボタン65を選択すると、撮像部25による交通チケットの本撮像が行われる。なお、撮影画面60に表示された画像選択ボタン66を選択すると、事前に撮像又は読み込んでおいた画像から交通チケットの画像を選択することができ、選択した画像から後述の読取処理を実行することも可能である。
【0035】
図8は、撮像部25による本撮像が行われた後の撮影画面60の一例を示す図である。
図8に示すように、撮像部25による本撮像が行われた後の撮影画面60には、撮像部25により撮像された交通チケット画像67が表示される。端末装置2のユーザは、撮影画面60に表示された交通チケット画像67を確認し、交通チケットが明瞭に撮像されていることが確認できた場合には、「OK」ボタン68を選択する。「OK」ボタン68が選択されると、サーバ制御部32の読取部32aによる読取処理が開始される。また、交通チケットが明瞭に撮像されておらず、再撮影が必要な場合には「再撮影」ボタン69を選択することで、
図7に示す撮影画面60に戻り、再度、交通チケットを撮影することが可能である。
【0036】
図8に示す、撮像部25による本撮像が行われた後の撮影画面60において、端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により「OK」ボタン68が選択されると、端末制御部22は、撮像部25によって撮像された交通チケット画像67を端末通信部21によりネットワーク4を介してサーバ3に送信する。そして、端末装置2から交通チケット画像67を受信したサーバ3の読取部32aは、AI-OCRによる交通チケット情報の読取処理を実行する。
【0037】
ここでAI-OCRについて説明する。
図9は、サーバ制御部32の読取部32aのAI-OCRによる認識処理が行われた交通チケット画像67の一例を示す図である。
【0038】
図9に示すように、読取部32aのAI-OCRによって認識された交通チケット画像上の文字列、記号、図形等(以下、文字列等という。)の各表記にはバウンディングボックス(矩形枠)が付されている。なお、このバウンディングボックスは、AI-OCRの認識処理において内部的に付されるものであって、必ずしも端末装置2の表示部に表示された交通チケット画像に付す必要はないが、交通チケットの各表記が認識されていることをユーザに知覚させる意図でバウンディングボックスを付した交通チケット画像をユーザに提示してもよい。
【0039】
AI-OCRの検出器は、テキスト認識のための汎用のモデルではなく、交通チケットに特化したモデルが採用される。なぜなら、交通チケットに表記される文字列等は特殊なフォント、記号等が用いられていることが多く、汎用のモデルを用いると精度よく認識できないからである。そこで、本実施形態のAI-OCRは、実際の交通チケットに表記されているフォント、記号等で機械学習した学習済みモデル(ニューラルモデル)を検出器として用いている。
【0040】
一例として、AI-OCRによるによって認識された文字列等の各表記の認識スコア(0~1値をとる。)を以下に示す。
<AI-OCRによる認識結果の一例>
[
"ocr_results": [
[
"text": "東京",
"score": 0.9999999403953552,
],
[
"text": "→",
"score": 0.9999985694885254,
],
[
"text": "新大阪",
"score": 0.9999993443489075,
],
[
"text": "3月3日",
"score": 0.9999164938926697,
],
[
"text": "(8:22着)",
"score": 0.999999463558197,
],
[
"text": "(6:00発)",
"score": 0.9996218681335449,
],
[
"text": "11号車1番E席",
"score": 0.9999962449073792,
],
[
"text": "\8,910",
"score": 0.999987781047821,
],
[
"text": "のぞみ1号",
"score": 0.999985933303833,
],
(以下略)
]
]
このように、本実施形態の読取部32aのAI-OCRによれば、交通チケット画像上の文字列、記号等の各表記が精度よく認識することができる。
【0041】
また、読取部32aのAI-OCRは、漢字、ひらがな等の文字列だけでなく矢印の図形も認識し、認識した矢印の前後に隣接する文字列から交通チケットに係る移動体の発着地を推定することが可能である。例えば、
図9に示す例において、右矢印「→」が認識された場合には、右矢印「→」の前に隣接する「東京(都区内)」が移動体の出発地、右矢印「→」の後に隣接する「新大阪(市内)」が移動体の到着地として推定される。
【0042】
図10は、サーバ制御部32の読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が行われた後の撮影画面60の一例を示す図である。
図10に示すように、サーバ制御部32の読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が行われた後の撮影画面60には、交通チケット情報の読取結果の通知70が表示される。端末装置2のユーザは、撮影画面60に表示された交通チケット情報の読取結果の通知70を確認し、読取結果に問題がなければ「OK」ボタン71を選択する。端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により「OK」ボタン71が選択されると、読取部32aによる交通チケット情報の読取結果が確定され、
図12に示す経路探索画面に遷移する。一方、端末装置2のユーザが、「再撮影」ボタン72を選択した場合には、
図7に示す撮影画面60に戻り、再度、交通チケットの撮影が行われる。
【0043】
図11は、サーバ制御部32の読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が失敗した場合の撮影画面60の一例を示す図である。
図11に示すように、サーバ制御部32の読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が失敗すると、撮影画面60に、エラー通知73が表示される。このエラー通知73を確認した端末装置2のユーザは、「再撮影」ボタン74を選択することにより、
図7に示す撮影画面60に戻って、再度、交通チケットの撮影を行うことができる。
【0044】
図12は、読取部32aによる交通チケット情報の読取結果が確定された後の経路探索画面80の一例を示す図である。
図12に示すように、読取部32aによって交通チケット画像67から読み取られた交通チケット情報81が、経路探索画面80の出発地入力領域82と到着地入力領域83との間に表示される。
図12に示すように、交通チケット情報81は、交通チケット画像67から読み取った情報の中から、少なくとも発着地、列車名、日時などの一部を表示する。そして、端末装置2のユーザが端末入力部23を介した入力操作により出発地及び/又は到着地の入力が行われた後、「検索」ボタン84を選択されることによりサーバ制御部32の経路探索部32cによる経路探索が実行される。なお、ユーザによる入力操作により出発地及び/又は到着地が入力された後に交通チケット情報の読み取りを行ってもよい。
【0045】
経路探索部32cは、交通チケット情報に応じて、出発地から到着地までの経路探索を実行する。具体的には、交通チケット情報から移動体の発着地、発着時間、号車、座席種別、料金(運賃)等に関する情報を抽出し、抽出した情報に応じた経路探索を行う。例えば、
図12に示す交通チケット情報81の場合には、経由地として東京駅を3月3日(金)6:00に出発し、新大阪に到着するルートを経路探索の条件に設定して、出発地から到着地までの経路探索を実行する。
図12に示す例のように、出発地に御茶ノ水及び到着地に大阪城公園が入力されている場合には、交通チケット情報の発着地(
図12の例では、東京及び新大阪)を経由地に設定して経路探索を行う。また、図示しないが出発地及び到着地が入力されていない場合には、交通チケット情報の発着地を出発地及び到着地に設定して経路探索を行ってもよい。また、出発地及び到着地は、スポット、駅、バス停、住所などの地点名を含む。例えば、読取部32aが読み取った交通チケット情報がフリーエリアを対象とした企画乗車券であり、出発地及び/又は到着地としてスポット、住所等の地点名が入力された場合には、経路探索部32cが、スポット、住所等の地点名から企画乗車券を利用可能な区間内の最寄り駅までの経路探索を行うようにしてもよい。
【0046】
図15Aは、経路探索部32cによる交通チケット情報に応じた経路探索の探索結果画面300の一例を示す図である。
図15Aに示す例は、交通チケット情報に含まれる移動体の発着地(大宮及び福島)が経路探索の出発地及び到着地に設定されて経路探索が行われた例である(出発地及び/又は到着地が入力されている場合は、当該発着地が経由地となる)。
図15Aに示すように、探索結果画面300には、読取部32aによって読み取られた交通チケット情報に含まれる移動体の号車情報301、座席種別及び料金情報302が表示される。なお、
図15Bに示すように、交通チケット情報として指定席及び料金情報303を表示するようにしてもよい。
【0047】
従来の経路探索では、経路探索の対象としてユーザが直接、新幹線を指定することはできても号車番号まで指定することができなかったため、乗換移動の時間が短くなる号車を経路探索を行うシステム側で決定していた。そのため、経路探索の結果として提案される駅構内などの乗換移動ルートが交通チケットを購入し、号車が決まっているユーザに対して必ずしも最適なルートとはならなかった。一方、本実施形態では、交通チケット情報から号車情報を用いることができるので、経路探索において、ユーザが入力した出発地から乗車予定の号車へ到達する、または乗車予定の号車からユーザが入力した到着地へ到達する際の最適な移動コストが求められる。その結果、例えば、号車情報を用いない従来の経路探索と比べた場合に、移動の際に通過する改札が異なったり、乗換移動時に利用する階段の場所が異なったりする。このように、交通チケット情報として号車情報を用いることにより、ユーザが利用する号車へまたは号車から最短で移動できる経路を探索して提示することができる。
また、交通チケット情報として座席種別がユーザに提示されるので、交通チケット情報に係る移動体にユーザが乗車する際に、車両の乗り間違えを抑制することができる。また、交通チケット情報として料金情報を用いることにより、交通チケットの料金を含めて、経路全体の料金を算出することが可能となる。
【0048】
なお、上記の説明では、
図5に示すメニュー画面50に交通チケット読取ボタン51を表示した例を説明したが、交通チケット読取ボタンは、他の画面に表示してもよい。例えば、
図13Aに示すように、経路探索画面80に交通チケット読取ボタン85を表示するようにしてもよい。
【0049】
また、交通チケット読取ボタン85がユーザ操作によって選択された後に、
図13Bに示すように、ポップアップ表示86を表示させ、このポップアップ表示86に撮影ボタン87及び画像選択ボタン88の少なくとも一方を備えてもよい。なお、撮影ボタン87及び画像選択ボタン88は、ポップアップ表示86とは独立して表示させてもよい。
【0050】
また、
図13Aに示す例では、経路探索画面80に交通チケット読取ボタン85を表示しているが、
図13Cに示すように、交通チケット読取ボタン85に代えて、撮影ボタン87、画像選択ボタン88及び電子交通チケット読込ボタン89のうち少なくとも一つを経路探索画面80に表示してもよい。なお、電子交通チケット読込ボタン89がユーザ操作によって選択されると、後述の取得部32bによる電子交通チケットに係る交通チケット情報の取得処理に移行する。
【0051】
また、
図13Dに示すように、経路探索画面80の経由地追加ボタン90が選択された場合に、出発地入力領域と到着地入力領域との間を拡張し、拡張された領域に交通チケット読取ボタン85を表示するようにしてもよい。この場合において、
図13
Eに示すように、交通チケット読取ボタン85に代えて、撮影ボタン87、画像選択ボタン88及び電子交通チケット読込ボタン89のうち少なくとも一つを表示してもよい。
【0052】
このように、経路探索画面80に交通チケット読取ボタン85、撮影ボタン87、画像選択ボタン88及び電子交通チケット読込ボタン89のうち少なくとも一つを表示することにより、端末装置2のユーザによる経路探索の際に、迅速に交通チケットの読み取り処理に移行することができる。
【0053】
なお、交通チケット読取ボタン85を表示する領域は、メニュー画面50や経路探索画面80に限定されない。例えば、
図13Fに示すように、地点検索画面100の地点検索ボックス101の内部に設けてもよいし、
図13Gに示すように、地点検索ボックス101の近傍の領域に他のアイコン(ボタン)と隣接して表示させてもよい。
【0054】
取得部32bは、端末装置2のユーザが所有する電子交通チケットに関する情報(交通チケット情報)を取得する。この電子交通チケットに関する情報は、端末装置2の端末記憶部26に記憶されていてもよいし、サーバ3のサーバ記憶部33に記憶されていてもよい。電子交通チケットに関する情報は、経路探索アプリ(アプリケーションソフトウェア)を介して取得してもよいし、別アプリを介して取得するようにしてもよい。
【0055】
図14は、電子交通チケット読込ボタン(
図13C及び
図13Eに示す電子交通チケット読込ボタン89)が選択された後に遷移するチケット一覧画面200の一例を示す図である。
図14に示すように、チケット一覧画面200には、読取部32aが過去に交通チケット情報を読み取った交通チケットの画像201や、端末装置2のユーザがオンラインで購入した電子交通チケットの画像202等の複数のチケット画像が一覧表示される。そして、端末装置2のユーザによる入力操作によっていずれかのチケット画像が選択されると、取得部32bによる交通チケット情報の取得処理が実行される。なお、交通チケットの画像201は、読取部32aが交通チケット情報を読み取った交通チケットの撮像画像に基づいて生成されたチケット画像であってもよい。このチケット画像は、撮像部25による交通チケットの撮像が行われた後に端末制御部22によって生成してもよいし、端末装置2から交通チケットの撮像画像を受信した後にサーバ制御部32によって生成してもよい。また、複数のチケット画像を、移動体別(新幹線、航空機、高速バスなど)に並べ替えたり、日付順に並べ替えたりするためのインターフェースをチケット一覧画面200に表示してもよい。また、このチケット一覧画面200には、端末装置2の表示部に表示された画面下部の「旅行/予約」ボタン203を選択することによっても遷移することが可能である。
【0056】
経路探索部32cは、読取部32aが交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報及び/又は取得部32bが取得した電子交通チケットに関する情報(交通チケット情報)に応じて出発地から到着地(移動体の目的地)までの経路探索を行う。具体的には、経路探索部32cは、出発地及び到着地を決定するとともに、交通チケット情報から経由地(移動体の発着地)を決定し、当該経由地を経由した出発地から到着地までの経路を探索する。また、経路探索部32cは、交通チケット情報(移動体の出発地/到着地、出発時刻/到着時刻、料金、移動体の号車情報、座席種別)から少なくとも一つの情報を経路探索の条件として抽出し、抽出した情報に応じた経路探索を行う。
【0057】
また、経路探索部32cは、交通チケット情報が企画乗車券に関する情報である場合に、サーバ記憶部33に格納されたデータベースから企画乗車券が有効な乗車区間に関する情報を取得し、乗車区間に応じた経路探索を行う。なお、データベースに企画乗車券が有効な乗車区間に関する情報がない場合には、読取部32aが読み取った交通チケット情報から企画乗車券が有効な乗車区間を特定し、特定した乗車区間に応じて経路探索を行うようにしてもよい。
【0058】
また、経路探索部32cは、読取部32aが複数の交通チケットに関する画像から交通チケット情報として企画乗車券に関する情報と特急券に関する情報とを読み取った場合には、特急券に関する情報から乗車日時に関する情報を取得し、企画乗車券に関する情報と特急券に関する情報とを組み合わせた経路探索を行う。このように、企画乗車券のみからでは経路探索の日時を特定できない場合であっても、特急券に係る交通チケット情報を組み合わせることにより、日時を特定した経路探索を行うことができる。
【0059】
旅程作成部32dは、端末入力部23を介したユーザ操作に応じて旅程(タイムテーブル)を作成する。また、旅程作成部32dは、読取部32aが読み取った交通チケット情報に応じて、作成済みの旅程の時間情報を変更する。
【0060】
図16Aは、端末装置2の表示部に表示される旅程作成画面400の一例を示す図である。
図16Aに示すように、旅程作成画面400には、交通チケット読取ボタン85が表示される。そして、端末装置2のユーザによる入力操作によって交通チケット読取ボタン85が選択されると、読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が実行され、
図16Bに示す状態に遷移する。
【0061】
図16Bは、読取部32aによる交通チケット情報の読取処理が実行された後の旅程作成画面400の一例を示す図である。
図16Bに示すように、旅程作成部32dは、読取部32aが読み取った交通チケット情報401を作成済みの旅程に挿入するとともに、挿入した交通チケット情報401に係る移動体の発着日時に応じて、交通チケット情報401が挿入された前後の予定の時間情報Ta、Tb、Tc及びTdを変更(シフト)する。
【0062】
表示制御部32eは、各種情報を端末装置2の表示部(端末出力部24)に表示する。具体的には、表示制御部32eは、読取部32aが交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報及び/又は取得部32bが取得した電子交通チケットに関する情報(交通チケット情報)を端末装置2の表示部(端末出力部24)に表示する。
【0063】
(動作の一例)
次に、
図2を参照して、情報処理システム1による経路探索の動作の一例について説明する。
図2は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、サーバ通信部31は、ネットワーク4を介して、ユーザが端末装置2の端末入力部23を用いて入力した出発地および目的地に関する情報を受信する。そして、サーバ制御部32の経路探索部32cは、サーバ通信部31が受信した情報に基づいて経路探索の出発地および目的地を決定する(ステップS1)。
【0065】
次に、サーバ制御部32は、サーバ通信部31により、ネットワーク4を介して、端末装置2から交通チケットに関する画像を受信し、この画像から読取部32aが交通チケット情報を読み取る(ステップS2)。
【0066】
そして、サーバ制御部32は、読取部32aが読み取った交通チケット情報をサーバ通信部31によりネットワーク4を介して端末装置2に送信し、交通チケット情報が端末記憶部26に記憶される(ステップS3)。なお、交通チケット情報は、サーバ記憶部33やネットワーク4に接続された他の記憶装置に記憶するようにしてもよい。
【0067】
次に、サーバ制御部32の経路探索部32cは、読取部32aが読み取った交通チケット情報から経由地及び経由日時を決定する(ステップS4)。具体的には、経路探索部32cは、交通チケット情報から移動体の発着地及び発着日時に関する情報を抽出し、移動体の発着地を経由地に決定するとともに移動体の発着日時を経由日時に決定する。
【0068】
そして、サーバ制御部32の経路探索部32cは、交通チケット情報に応じて、経由日時に経由地を経由した出発地から到着地までの経路探索を実行する(ステップS5)。
【0069】
次に、出発地及び/又は到着地が未入力の場合の情報処理システム1による経路探索の動作の一例について説明する。
【0070】
図3は、出発地及び/又は到着地が未入力の場合の情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、サーバ制御部32は、サーバ通信部31により、ネットワーク4を介して、端末装置2から交通チケットに関する画像を受信し、この画像から読取部32aが交通チケット情報を読み取る(ステップS11)。
【0072】
読取部32aが読み取った交通チケット情報は、サーバ記憶部33に記憶される(ステップS12)。
【0073】
そして、サーバ制御部32の経路探索部32cは、読取部32aが読み取った交通チケット情報から経由地及び経由日時を決定する(ステップS13)。
【0074】
次に、サーバ制御部32の経路探索部32cは、経路探索のための出発地が未入力か否かを判定する(ステップS14)。この判定が肯定された場合はステップS15に進み、否定された場合はステップS16に進む。
【0075】
そして、出発地が未入力の場合(上記判定が肯定された場合)は、経路探索部32cは、交通チケット情報から移動体の出発地に関する情報を抽出し、これを経路探索の出発地に決定する(ステップS15)。例えば、交通チケット情報が電車、バス等の車両の場合は、当該車両の乗車地が経路探索の出発地に決定される。
【0076】
次に、サーバ制御部32の経路探索部32cは、経路探索のための到着地が未入力か否かを判定する(ステップS16)。この判定が肯定された場合はステップS17に進み、否定された場合はステップS18に進む。
【0077】
そして、到着地が未入力の場合(上記判定が肯定された場合)は、経路探索部32cは、交通チケット情報から移動体の到着地に関する情報を抽出し、これを経路探索の到着地に決定する(ステップS17)。例えば、交通チケット情報が電車、バス等の車両の場合は、当該車両の降車地が経路探索の到着地に決定される。
【0078】
最後に、経路探索部32cは、交通チケット情報に応じて、上記経由地を経由した出発地から到着地までの経路探索を実行する(ステップS5)。
【0079】
次に、情報処理システム1による旅程変更の動作の一例について説明する。
図4は、情報処理システム1による旅程変更の動作の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、サーバ制御部32の旅程作成部32dは、端末装置2の端末入力部23を介したユーザ操作に応じて旅程(旅行のタイムテーブル/旅行プラン)を作成する(ステップS21)。
【0081】
次に、サーバ制御部32は、サーバ通信部31により、ネットワーク4を介して、端末装置2から交通チケットに関する画像を受信し、この画像から読取部32aが交通チケット情報を読み取る(ステップS22)。
【0082】
読取部32aが読み取った交通チケット情報は、サーバ記憶部33に記憶される(ステップS23)。
【0083】
次に、サーバ制御部32の旅程作成部32dは、読取部32aが読み取った交通チケット情報を作成済みの旅程に挿入する(ステップS24)。具体的には、旅程作成部32dは、交通チケット情報から移動体の発着地、発着日時等に関する情報を抽出し、作成済みの旅程に挿入する。挿入された情報は、表示制御部32eにより端末装置2の表示部(端末出力部24)に表示される。
【0084】
そして、旅程作成部32dは、挿入された交通チケット情報に応じて旅程の時間情報を変更する(ステップS25)。
【0085】
以上のような実施の形態によれば、情報処理システム1が、交通チケットに関する画像から交通チケット情報を読み取る読取部32aと、読取部32aが読み取った交通チケット情報を記憶する記憶部(端末記憶部26/サーバ記憶部33)と、備えるので、交通チケットに関する画像から読み取った交通チケット情報を記憶することができる。
【0086】
(その他の実施形態)
ところで、従来の経路探索においては、経由地が入力されていても出発地及び目的地(到着地)の少なくとも一方が未入力の場合には、経路探索を実行するためのボタンを選択しても出発地及び目的地の入力を求める通知が表示され、経路探索を実行することができなかった。
【0087】
しかしながら、ユーザによっては経由地が入力されていれば、出発地及び/又は目的地の入力を省略してすぐに経路探索を実行したいというニーズがあった。
【0088】
そこで、本実施形態では、経由地が入力されていれば、出発地及び目的地の少なくとも一方が未入力であっても経路探索を実行可能な情報処理システム1の動作について説明する。
【0089】
図17は、情報処理システム1に係る端末装置2の表示部に表示される経路探索画面500の一例を示す図である。
図17に示すように、経路探索画面500には、端末装置2のユーザの入力操作によって経由地入力領域501に経由地として「明治神宮前」が入力されている。そして、出発地入力領域502及び目的地入力領域503は未入力の状態である。この状態で、端末装置2のユーザの入力操作によって「検索」ボタン504が選択されると、経路探索部32cによって経路探索が実行される。
【0090】
図18は、経路探索部32cによる経路探索処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、経路探索部32cは、端末装置2のユーザの入力操作によって入力された情報に基づいて経由地を決定する(ステップS31)。
【0092】
次に、経路探索部32cは、経路探索のための出発地及び目的地が未入力か否かを判定する(ステップS32)。この判定が肯定されるとステップS33に進み、否定されるとステップS34に進む。
【0093】
経路探索のための出発地及び目的地が未入力の場合(ステップS32の判定が肯定された場合)には、端末装置2の不図示の位置検出部によって端末装置2の現在地を検出し、経路探索部32cは、端末装置2の現在地からステップS31で決定された経由地までの経路探索を実行する(ステップS33)。
【0094】
一方、出発地及び目的地の少なくとも一方が入力済みの場合(ステップS32の判定が否定された場合)、経路探索部32cは、経路探索のための出発地が未入力か否かを判定する(ステップS34)。この判定が肯定されるとステップS35に進み、否定されるとステップS36に進む。
【0095】
経路探索のための出発地が未入力の場合(ステップS34の判定が肯定された場合)には、経路探索部32cは、ステップS31で決定された経由地から入力済みの目的地までの経路探索を実行する(ステップS35)。
【0096】
また、出発地が入力済みの場合(ステップS34の判定が否定された場合)、経路探索部32cは、経路探索のための目的地が未入力か否かを判定する(ステップS36)。この判定が肯定されるとステップS37に進み、否定されるとステップS38に進む。
【0097】
そして、目的地が未入力の場合(ステップS36の判定が肯定された場合)は、経路探索部32cは、入力済みの出発地からステップS31で決定された経由地までの経路探索を実行する(ステップS37)。
【0098】
一方、出発地も目的地も入力済みの場合(ステップS36の判定が否定された場合)には、経路探索部32cは、入力済みの出発地から入力済みの目的地までの、ステップS31で決定された経由地を経由した経路探索を実行する(ステップS38)。
【0099】
このように、本実施形態の情報処理システム1によれば、経由地が入力された状態において、出発地及び目的地の少なくとも一方が未入力であっても経路探索を実行することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0101】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0102】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0103】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0104】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
23 端末入力部
24 端末出力部
25 撮像部
26 端末記憶部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 読取部
32b 取得部
32c 経路探索部
32d 旅程作成部
32e 表示制御部
33 サーバ記憶部
4 ネットワーク