IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特開2024-145401管理プログラム、管理装置および管理システム
<>
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図1
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図2
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図3
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図4
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図5
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図6
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図7
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図8
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図9
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図10
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図11
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図12
  • 特開-管理プログラム、管理装置および管理システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145401
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】管理プログラム、管理装置および管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241004BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241004BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241004BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 320
G06F3/12 318
G06F3/12 334
G06F3/12 360
G06F3/12 373
G06F3/12 385
B41J29/38 801
B41J29/38 204
B41J29/38 205
G03G21/00 396
H04N1/00 002Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057726
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢田 裕紀
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS06
2C061AS14
2C061HJ08
2C061HK16
2C061HK19
2C061HK23
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP06
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA54
2H270LA62
2H270LA71
2H270LC09
2H270MB02
2H270NC02
2H270NC07
2H270NC14
2H270ND13
2H270ND15
2H270PA56
2H270QB07
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE13
(57)【要約】
【課題】デバイス間での負荷の偏りを低減する。
【解決手段】管理プログラム23は、複数のプリンタ4を管理する管理装置2の制御部11に、分類処理と基準値算出処理とデバイス抽出処理と通知処理とを実行させる。分類処理は、複数のプリンタ4を複数のグループに分類する。基準値算出処理は、複数のプリンタ4から、プリンタ4の使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数のグループのそれぞれについて、グループに属するプリンタ4における使用頻度の基準値を算出する。デバイス抽出処理は、複数のグループのそれぞれについて、基準値に基づき、使用頻度が少ないプリンタ4を異常使用デバイスとして抽出する。通知処理は、異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデバイスを管理する管理装置が備える制御部に、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行させるように構成されている管理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスの使用時間を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記使用時間が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスの電源オン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記電源オン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスにおけるスリープからの復帰回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記復帰回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける消耗品の交換日を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記交換日が古い前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるカバーオープン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記カバーオープン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける用紙トレイオープン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記用紙トレイオープン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける用紙残量を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記用紙残量が多い前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける印刷距離を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記印刷距離が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるカット回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記カット回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項11】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるバッテリ充電回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記バッテリ充電回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
【請求項12】
複数のデバイスを管理する管理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行するように構成されている管理装置。
【請求項13】
複数のデバイスと、
複数の前記デバイスを管理する管理装置とを備え、
前記管理装置が備える制御部は、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行するように構成されている管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デバイスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のプリンタの中から、印刷処理すべき件数が最も少ないプリンタに印刷データを振り分けるプリンタシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8―241179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷処理すべき件数が最も少ないプリンタに印刷データを振り分けるのみでは、プリンタ間での負荷の偏りを十分に解消することができない。
本開示は、デバイス間での負荷の偏りを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、複数のデバイスを管理する管理装置が備える制御部に、分類処理と、基準値算出処理と、デバイス抽出処理と、通知処理とを実行させるように構成されている管理プログラムである。
【0006】
分類処理は、複数のデバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する。基準値算出処理は、複数のデバイスのそれぞれから、デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数のグループのそれぞれについて、グループに属するデバイスにおける使用頻度の基準値を算出する。
【0007】
デバイス抽出処理は、複数のグループのそれぞれについて、基準値に基づき、使用頻度が少ないデバイスを異常使用デバイスとして抽出する。
通知処理は、デバイス抽出処理で抽出された異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する。
【0008】
このように構成された本開示の管理プログラムは、使用頻度が少ないデバイスを異常使用デバイスとして抽出することができる。これにより、本開示の管理プログラムは、異常使用デバイスの使用頻度を多くするための適切な処置を管理者に行わせることができる。このため、本開示の管理プログラムは、デバイス間での負荷の偏りを低減することができる。
【0009】
本開示の別の態様は、複数のデバイスを管理する管理装置であって、制御部を備え、制御部は、分類処理と、基準値算出処理と、デバイス抽出処理と、通知処理とを実行させるように構成されている。
【0010】
本開示の管理装置は、本開示の管理プログラムによって制御される装置であり、本開示の管理プログラムと同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、複数のデバイスと、複数のデバイスを管理する管理装置とを備え、管理装置が備える制御部は、分類処理と、基準値算出処理と、デバイス抽出処理と、通知処理とを実行するように構成されている管理システムである。
【0011】
本開示の管理システムは、本開示の管理プログラムによって制御されるシステムであり、本開示の管理プログラムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の管理システムの構成を示す図である。
図2】管理装置、端末装置およびプリンタの構成を示すブロック図である。
図3】プリンタ管理ウィンドウを示す図である。
図4】第1実施形態のデバイス通知設定ウィンドウを示す図である。
図5】第1実施形態のプリンタ管理処理の第1部分を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態のプリンタ管理処理の第2部分を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態のプリンタ管理処理の第3部分を示すフローチャートである。
図8】プリンタの分類方法と抽出方法とを説明する図である。
図9】第2実施形態の管理システムの構成を示す図である。
図10】管理装置、携帯端末およびプリンタの構成を示すブロック図である。
図11】第2実施形態のデバイス通知設定ウィンドウを示す図である。
図12】第2実施形態のプリンタ管理処理の第2部分を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態のプリンタ管理処理の第3部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
【0014】
(1―1)管理システムの構成
本実施形態の管理システム1は、複数の部署で構成される企業で使用される複数のプリンタ4を管理するシステムであり、図1に示すように、管理装置2と、複数の端末装置3と、複数のプリンタ4とを備える。管理装置2、端末装置3およびプリンタ4は、ネットワークの一例としてのローカルエリアネットワーク5(以下、LAN5)を介して互いに通信可能に構成されている。なお、ネットワークは、ワイドエリアネットワーク(以下、WAN)であってもよいし、LANとWANとを含んでいてもよい。
本実施形態では、複数の端末装置3および複数のプリンタ4は、営業部D1、開発部D2および事業部D3の何れかに属している。
【0015】
管理装置2は、本実施形態ではパーソナルコンピュータであり、図2に示すように、制御部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備える。
制御部11は、CPU21およびメモリ22を備える。CPU21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行し、これにより、管理装置2の各種機能が実現される。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0016】
メモリ22は、半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、管理プログラム23およびデータを記憶する。
通信部12は、LAN5を介して、端末装置3およびプリンタ4との間でデータ通信を行う。
【0017】
表示部13は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部14は、キーボードとマウスとを備える。そして入力部14は、管理装置2の使用者(すなわち、管理者)がキーボードおよびマウスを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0018】
記憶部15は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。HDDは、Hard Disk Driveの略である。SSDは、Solid State Driveの略である。
【0019】
端末装置3は、本実施形態ではパーソナルコンピュータであり、制御部31と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、記憶部35とを備える。なお、端末装置3は、スマートフォンまたはタブレットなどの携帯端末であってもよい。
【0020】
制御部31は、CPU41およびメモリ42を備える。CPU41は、メモリ42に記憶されたプログラムを実行し、これにより、端末装置3の各種機能が実現される。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0021】
メモリ42は、半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
通信部32は、LAN5を介して、管理装置2およびプリンタ4との間でデータ通信を行う。
【0022】
表示部33は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部34は、キーボードとマウスとを備える。そして入力部34は、端末装置3の使用者がキーボードおよびマウスを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0023】
記憶部35は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。
プリンタ4は、制御部51と、通信部52と、表示部53と、入力部54と、印刷部55とを備える。
【0024】
制御部51は、CPU61およびメモリ62を備える。CPU61は、メモリ62に記憶されたプログラムを実行し、これにより、プリンタ4の各種機能が実現される。なお、制御部51により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ62は、半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0025】
通信部52は、LAN5を介して、管理装置2および端末装置3との間でデータ通信を行う。
表示部53は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部54は、表示部53の表示画面上に設置されたタッチパネルと、表示部53の表示画面の周囲に設置されたスイッチとを備える。そして入力部54は、使用者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0026】
印刷部55は、インクジェット技術または電子写真技術の印刷機構を有し、印刷媒体に画像を印刷することができる。なお、印刷部55は、感熱技術の印刷機構を有していてもよい。本実施形態では、インクジェット技術の印刷機構を有するプリンタ4をインクジェットプリンタ、電子写真技術の印刷機構を有するプリンタ4をレーザプリンタという。
【0027】
制御部51は、予め設定された判定期間(例えば、1週間)前から現時点までの間にプリンタ4が使用された時間(以下、使用時間)を計測し、計測した使用時間を示す使用時間情報をメモリ62に記憶する。
【0028】
制御部51は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ4の電源がオフ状態からオン状態に切り替わった回数(以下、電源オン回数)を計測し、計測した電源オン回数を示す電源オン回数情報をメモリ62に記憶する。
【0029】
制御部51は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ4がスリープモードから通常モードに復帰した回数(以下、スリープ復帰回数)を計測し、計測したスリープ復帰回数を示すスリープ復帰回数情報をメモリ62に記憶する。スリープモードとは、消費電力を抑えるために一部の機能を停止することにより、未使用状態での消費電力を低減させる動作モードである。通常モードは、予め割り当てられた全ての機能を実行可能な通常の動作モードである。
【0030】
制御部51は、直近でプリンタ4の消耗品が交換された日(以下、消耗品交換日)を示す消耗品交換日情報をメモリ62に記憶する。
制御部51は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ4の筐体を構成するトップカバー、フロントカバーおよびリアカバー等が開放された回数(以下、カバーオープン回数)を計測し、計測したカバーオープン回数を示すカバーオープン回数情報をメモリ62に記憶する。
【0031】
制御部51は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ4の用紙トレイが開放された回数(以下、用紙トレイオープン回数)を計測し、計測した用紙トレイオープン回数を示す用紙トレイオープン回数情報をメモリ62に記憶する。
制御部51は、現時点におけるプリンタ4の用紙の残量(以下、用紙残量)を計測し、計測した用紙残量を示す用紙残量情報をメモリ62に記憶する。
【0032】
(1―2)プリンタ管理ウィンドウ
管理装置2は、図3に示すプリンタ管理ウィンドウW1を表示部13の表示画面に表示することができる。管理プログラム23が起動した後に、プリンタ管理ウィンドウW1を表示するための所定の入力操作がキーボードまたはマウスを介して行われることによって、プリンタ管理ウィンドウW1が表示される。
【0033】
プリンタ管理ウィンドウW1は、図3に示すように、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれについて、少なくとも、ステータスと、機種名と、トナー/インク残量と、ノード名と、デバイスシリアルナンバーと、ロケーションとを表示する。
【0034】
ステータスは、対応するプリンタ4の現在状況である。機種名は、対応するプリンタ4の機種の名称である。トナー/インク残量は、対応するプリンタ4におけるトナーまたはインクの残量である。ノード名は、対応するプリンタ4を識別するために設定された文字列である。デバイスシリアルナンバーは、プリンタ4を識別するために設定された固有の番号である。ロケーションは、対応するプリンタ4が属する部署を示す文字列である。
【0035】
上記のステータス、機種名、トナー/インク残量、ノード名、デバイスシリアルナンバーおよびロケーションはそれぞれ、管理装置2が各プリンタ4からステータス情報、トナー/インク残量情報、ノード名情報、シリアルナンバー情報およびロケーション情報を取得することによって、プリンタ管理ウィンドウW1に表示される。
【0036】
(1―3)デバイス通知設定ウィンドウ
管理装置2は、図4に示すデバイス通知設定ウィンドウW2を表示部13の表示画面に表示することができる。管理プログラム23が起動した後に、デバイス通知設定ウィンドウW2を表示するための所定の入力操作がキーボードまたはマウスを介して行われることによって、デバイス通知設定ウィンドウW2が表示される。
【0037】
デバイス通知設定ウィンドウW2は、デバイス通知を行うために必要なデータを含むプロファイルを設定するためのウィンドウである。デバイス通知設定ウィンドウW2は、図4に示すように、入力テキストボックスTB1,TB2,TB3と、使用言語入力ボタンIB1と、チェックボックスCB1,CB2,CB3,CB4,CB5,CB6,CB7と、OKボタンB1と、キャンセルボタンB2とを備える。
【0038】
入力テキストボックスTB1には、デバイス通知設定ウィンドウW2で設定されたプロファイルを識別するための文字列が入力される。入力テキストボックスTB2には、電子メールの宛先のメールアドレスを示す文字列が入力される。入力テキストボックスTB3には、電子メールの送信元のメールアドレスを示す文字列が入力される。
【0039】
使用言語入力ボタンIB1は、プルダウンボタンであり、使用言語入力ボタンIB1に対するマウスのクリック操作により使用言語の選択肢を複数表示する。管理者は、表示された複数の選択肢のうちの一つをマウスでクリック操作することによって、使用言語を設定することができる。
【0040】
チェックボックスCB1~CB7はそれぞれ、チェックボックスCB1~CB7に対するマウスのクリック操作により、チェックボックスCB1~CB7内にチェック図形が配置されている状態(以下、チェック状態)と、チェックボックスCB1~CB7内にチェック図形が配置されていない状態との間で切り替わるように構成されている。
【0041】
チェックボックスCB1は、グループ内において使用時間が少ないプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB2は、グループ内において電源オン回数が少ないプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0042】
チェックボックスCB3は、グループ内においてスリープからの復帰回数が少ないプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB4は、グループ内において消耗品の交換日が古いプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0043】
チェックボックスCB5は、グループ内においてカバーのオープン回数が少ないプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB6は、グループ内において用紙トレイのオープン回数が少ないプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0044】
チェックボックスCB7は、グループ内において用紙残量が多いプリンタ4を通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
OKボタンB1は、入力テキストボックスTB1,TB2,TB3に入力された内容と、使用言語入力ボタンIB1およびチェックボックスCB1~CB7に対して設定された内容とでプロファイルの設定を完了する場合に操作される。キャンセルボタンB2は、プロファイルの設定を中断する場合に操作される。
【0045】
(1―4)管理装置において実行される処理
次に、管理装置2の制御部11が実行するプリンタ管理処理の手順を説明する。プリンタ管理処理は、管理者の入力操作により管理プログラム23を起動することにより開始され、その後、予め設定された実行周期が経過する毎に実行される。
【0046】
プリンタ管理処理が実行されると、制御部11のCPU21は、図5に示すように、S10にて、管理システム1が備える複数のプリンタ4を部署で分類する。具体的には、CPU21は、各プリンタ4から取得したロケーション情報に基づいて各プリンタ4の部署を特定することによって、複数のプリンタ4を部署で分類する。本実施形態では、複数のプリンタ4は、営業部D1、開発部D2および事業部D3の何れかに分類される。
【0047】
CPU21は、S20にて、複数の部署のそれぞれについて、部署に属する1または複数のプリンタ4を機種で分類する。具体的には、CPU21は、各プリンタ4から取得した機種名に基づいて、各プリンタ4がインクジェットプリンタであるかレーザプリンタであるかを特定することによって、部署に属する1または複数のプリンタ4をインクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2の何れかに分類する。
【0048】
これにより、本実施形態では、営業部D1、開発部D2および事業部D3のそれぞれについて、部署に属する1または複数のプリンタ4が、インクジェットプリンタ群P1またはレーザプリンタ群P2に分類される。なお、以下の処理は、部署と機種とで分類した範囲ごとに行われる。例えば、本実施形態では、以下の処理は、営業部D1のインクジェットプリンタ群P1と、営業部D1のレーザプリンタ群P2と、開発部D2のインクジェットプリンタ群P1と、開発部D2のレーザプリンタ群P2と、事業部D3のインクジェットプリンタ群P1と、事業部D3のレーザプリンタ群P2とのそれぞれで行われる。
【0049】
CPU21は、S30にて、使用時間による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB1がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB1がチェック状態に設定されている場合に、使用時間による判定が必要であると判断する。
【0050】
ここで、使用時間による判定が必要でない場合には、CPU21は、S70に移行する。一方、使用時間による判定が必要である場合には、CPU21は、S40にて、使用時間の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれから使用時間情報を取得する。次にCPU21は、取得した使用時間情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における使用時間の平均値μ11および標準偏差σ11と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における使用時間の平均値μ12および標準偏差σ12とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における使用時間の基準値J11を式(1)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における使用時間の基準値J12を式(2)で算出する。
【0051】
J11 = (μ11-2×σ11) ・・・(1)
J12 = (μ12-2×σ12) ・・・(2)
CPU21は、S50にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、使用時間が基準値J11および基準値J12より小さいプリンタ4を、使用時間が少ないプリンタ4として抽出する。
【0052】
CPU21は、S60にて、S50で抽出したプリンタ4を、使用時間が少ないプリンタ4として通知し、S70に移行する。具体的には、CPU21は、S50で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報(本実施形態では、例えばデバイスシリアルナンバー)と通知理由(すなわち、使用時間が少ないこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0053】
例えば図8に示すように、プリンタ4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4hが営業部D1に分類されているとする。また、プリンタ4a,4b,4cがインクジェットプリンタ群P1に分類され、プリンタ4d,4e,4f,4g,4hがレーザプリンタ群P2に分類されているとする。
【0054】
この場合に、CPU21は、営業部D1のインクジェットプリンタ群P1に含まれるプリンタ4a,4b,4cの使用時間に基づいて、使用時間の平均値μ11および標準偏差σ11を算出する。またCPU21は、営業部D1のレーザプリンタ群P2に含まれる4d,4e,4f,4g,4hの使用時間に基づいて、使用時間の平均値μ12および標準偏差σ12を算出する。
【0055】
そして、プリンタ4a,4b,4cのうち、プリンタ4aにおいて使用時間が(μ11-2×σ11)より小さくなり、プリンタ4b,4cにおいて印刷量が(μ11-2×σ11)以上になるとする。これにより、営業部D1のインクジェットプリンタ群P1では、プリンタ4aが、使用時間が少ないプリンタ4として抽出される。
【0056】
また、プリンタ4d,4e,4f,4g,4hのうち、プリンタ4fにおいて使用時間が(μ12-2×σ12)より小さくなり、プリンタ4d,4e,4g,4hにおいて使用時間が(μ12-2×σ12)以上になるとする。これにより、営業部D1のレーザプリンタ群P2では、プリンタ4fが、使用時間が少ないプリンタ4として抽出される。
【0057】
図5に示すように、S70に移行すると、CPU21は、電源オン回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB2がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB2がチェック状態に設定されている場合に、電源オン回数による判定が必要であると判断する。
【0058】
ここで、電源オン回数による判定が必要でない場合には、CPU21は、S110に移行する。一方、電源オン回数による判定が必要である場合には、CPU21は、S80にて、電源オン回数の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれから電源オン回数情報を取得する。次にCPU21は、取得した電源オン回数情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における電源オン回数の平均値μ21および標準偏差σ21と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における電源オン回数の平均値μ22および標準偏差σ22とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における電源オン回数の基準値J21を式(3)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における電源オン回数の基準値J22を式(4)で算出する。
【0059】
J21 = (μ21-2×σ21) ・・・(3)
J22 = (μ22-2×σ22) ・・・(4)
CPU21は、S90にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、電源オン回数が基準値J21および基準値J22より小さいプリンタ4を、電源オン回数が少ないプリンタ4として抽出する。
【0060】
CPU21は、S100にて、S90で抽出したプリンタ4を、電源オン回数が少ないプリンタ4として通知し、S110に移行する。具体的には、CPU21は、S90で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、電源オン回数が少ないこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0061】
図6に示すように、S110に移行すると、CPU21は、スリープ復帰回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB3がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB3がチェック状態に設定されている場合に、スリープ復帰回数による判定が必要であると判断する。
【0062】
ここで、スリープ復帰回数による判定が必要でない場合には、CPU21は、S150に移行する。一方、スリープ復帰回数による判定が必要である場合には、CPU21は、S120にて、スリープ復帰回数の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれからスリープ復帰回数情報を取得する。次にCPU21は、取得したスリープ復帰回数情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4におけるスリープ復帰回数の平均値μ31および標準偏差σ31と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4におけるスリープ復帰回数の平均値μ32および標準偏差σ32とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4におけるスリープ復帰回数の基準値J31を式(5)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4におけるスリープ復帰回数の基準値J32を式(6)で算出する。
【0063】
J31 = (μ31-2×σ31) ・・・(5)
J32 = (μ32-2×σ32) ・・・(6)
CPU21は、S130にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、スリープ復帰回数が基準値J31および基準値J32より小さいプリンタ4を、スリープ復帰回数が少ないプリンタ4として抽出する。
【0064】
CPU21は、S140にて、S130で抽出したプリンタ4を、スリープ復帰回数が少ないプリンタ4として通知し、S150に移行する。具体的には、CPU21は、S130で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、スリープ復帰回数が少ないこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0065】
S150に移行すると、CPU21は、消耗品交換日による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB4がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB4がチェック状態に設定されている場合に、消耗品交換日による判定が必要であると判断する。
【0066】
ここで、消耗品交換日による判定が必要でない場合には、CPU21は、S190に移行する。一方、消耗品交換日による判定が必要である場合には、CPU21は、S160にて、消耗品交換日の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれから消耗品交換日情報を取得する。次にCPU21は、取得した消耗品交換日情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における直近の消耗品交換日から本日までに経過した経過日数の平均値μ41および標準偏差σ41と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における上記経過日数の平均値μ42および標準偏差σ42とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における消耗品交換日の基準値J41を、本日から平均値μ41および標準偏差σ41の日数(すなわち、μ41+σ41)だけ減算した日とする。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における消耗品交換日の基準値J42を、本日から平均値μ42および標準偏差σ42の日数(すなわち、μ42+σ42)だけ減算した日とする。
【0067】
CPU21は、S170にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、消耗品交換日が基準値J41および基準値J42より古いプリンタ4を、消耗品交換日が古いプリンタ4として抽出する。
【0068】
CPU21は、S180にて、S170で抽出したプリンタ4を、消耗品交換日が古いプリンタ4として通知し、S190に移行する。具体的には、CPU21は、S170で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、消耗品交換日が古いこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0069】
S190に移行すると、CPU21は、カバーオープン回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB5がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB5がチェック状態に設定されている場合に、カバーオープン回数による判定が必要であると判断する。
【0070】
ここで、カバーオープン回数による判定が必要でない場合には、CPU21は、S230に移行する。一方、カバーオープン回数による判定が必要である場合には、CPU21は、S200にて、カバーオープン回数の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれからカバーオープン回数情報を取得する。次にCPU21は、取得したカバーオープン回数情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4におけるカバーオープン回数の平均値μ51および標準偏差σ51と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4におけるカバーオープン回数の平均値μ52および標準偏差σ52とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4におけるカバーオープン回数の基準値J51を式(7)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4におけるカバーオープン回数の基準値J52を式(8)で算出する。
【0071】
J51 = (μ51-2×σ51) ・・・(7)
J52 = (μ52-2×σ52) ・・・(8)
CPU21は、S210にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、カバーオープン回数が基準値J51および基準値J52より小さいプリンタ4を、カバーオープン回数が少ないプリンタ4として抽出する。
【0072】
CPU21は、S220にて、S210で抽出したプリンタ4を、カバーオープン回数が少ないプリンタ4として通知し、S230に移行する。具体的には、CPU21は、S210で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、カバーオープン回数が少ないこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0073】
図7に示すように、S230に移行すると、CPU21は、用紙トレイオープン回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB6がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB6がチェック状態に設定されている場合に、用紙トレイオープン回数による判定が必要であると判断する。
【0074】
ここで、用紙トレイオープン回数による判定が必要でない場合には、CPU21は、S270に移行する。一方、用紙トレイオープン回数による判定が必要である場合には、CPU21は、S240にて、用紙トレイオープン回数の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれから用紙トレイオープン回数情報を取得する。次にCPU21は、取得した用紙トレイオープン回数情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における用紙トレイオープン回数の平均値μ61および標準偏差σ61と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における用紙トレイオープン回数の平均値μ62および標準偏差σ62とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における用紙トレイオープン回数の基準値J61を式(9)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における用紙トレイオープン回数の基準値J62を式(10)で算出する。
【0075】
J61 = (μ61-2×σ61) ・・・(9)
J62 = (μ62-2×σ62) ・・・(10)
CPU21は、S250にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、用紙トレイオープン回数が基準値J61および基準値J62より小さいプリンタ4を、用紙トレイオープン回数が少ないプリンタ4として抽出する。
【0076】
CPU21は、S260にて、S250で抽出したプリンタ4を、用紙トレイオープン回数が少ないプリンタ4として通知し、S270に移行する。具体的には、CPU21は、S250で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、用紙トレイオープン回数が少ないこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0077】
S270に移行すると、CPU21は、用紙残量による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、デバイス通知設定ウィンドウW2のチェックボックスCB7がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU21は、チェックボックスCB7がチェック状態に設定されている場合に、用紙残量による判定が必要であると判断する。
【0078】
ここで、用紙残量による判定が必要でない場合には、CPU21は、プリンタ管理処理を終了する。一方、用紙残量による判定が必要である場合には、CPU21は、S280にて、用紙残量の基準値を算出する。具体的には、CPU21は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ4のそれぞれから用紙残量情報を取得する。次にCPU21は、取得した用紙残量情報に基づいて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における用紙残量の平均値μ71および標準偏差σ71と、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における用紙残量の平均値μ72および標準偏差σ72とを算出する。そしてCPU21は、インクジェットプリンタ群P1に属するプリンタ4における用紙残量の基準値J71を式(11)で算出する。またCPU21は、レーザプリンタ群P2に属するプリンタ4における用紙残量の基準値J72を式(12)で算出する。
【0079】
J71 = (μ71+2×σ71) ・・・(11)
J72 = (μ72+2×σ72) ・・・(12)
CPU21は、S290にて、複数の部署のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2のそれぞれから、用紙残量が基準値J71および基準値J72より大きいプリンタ4を、用紙残量が多いプリンタ4として抽出する。
【0080】
CPU21は、S300にて、S290で抽出したプリンタ4を、用紙残量が多いプリンタ4として通知し、プリンタ管理処理を終了する。具体的には、CPU21は、S290で抽出したプリンタ4を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、用紙残量が多いこと)とを表示部13の表示画面に表示する。
【0081】
(1―5)効果
このように構成された管理プログラム23は、複数のプリンタ4を管理する管理装置2が備える制御部11に、分類処理と、基準値算出処理と、デバイス抽出処理と、通知処理とを実行させるように構成されている。
【0082】
分類処理は、複数のプリンタ4のそれぞれを複数のグループの何れかに分類する。
基準値算出処理は、複数のプリンタ4のそれぞれから、プリンタ4の使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数のグループのそれぞれについて、グループに属するプリンタ4における使用頻度の基準値を算出する。
【0083】
デバイス抽出処理は、複数のグループのそれぞれについて、基準値に基づき、使用頻度が少ないプリンタ4を異常使用デバイスとして抽出する。
通知処理は、デバイス抽出処理で抽出された異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する。
【0084】
本実施形態では、使用頻度情報は、使用時間情報、電源オン回数情報、スリープ復帰回数情報、消耗品交換日情報、カバーオープン回数情報、用紙トレイオープン回数情報および用紙残量情報である。
【0085】
このような管理プログラム23は、使用頻度が少ないプリンタ4を異常使用デバイスとして抽出することができる。これにより、管理プログラム23は、異常使用デバイスの使用頻度を多くするための適切な処置を管理者に行わせることができる。このため、本管理プログラム23は、プリンタ4間での負荷の偏りを低減することができる。
【0086】
以上説明した実施形態において、プリンタ4はデバイスに相当し、S10,S20は分類処理に相当し、S40,S80,S120、S160,S200,S240、S280は基準値算出処理に相当する。
【0087】
また、S50,S90,S130、S170,S210,S250、S290はデバイス抽出処理に相当し、S60,S100,S140、S180,S220,S260、S300は通知処理に相当する。
【0088】
また、営業部D1のインクジェットプリンタ群P1と、営業部D1のレーザプリンタ群P2と、開発部D2のインクジェットプリンタ群P1と、開発部D2のレーザプリンタ群P2と、事業部D3のインクジェットプリンタ群P1と、事業部D3のレーザプリンタ群P2はそれぞれグループに相当する。
【0089】
[第2実施形態]
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
【0090】
(2―1)管理システムの構成
第2実施形態の管理システム101は、複数拠点に配置された複数のプリンタ104を管理するシステムであり、図9に示すように、管理装置102と、複数の携帯端末103と、複数のプリンタ104とを備える。本実施形態では、複数の携帯端末103および複数のプリンタ104は、第1拠点または第2拠点に配置されている。
【0091】
管理装置102および携帯端末103は、広域ネットワークNWを介して互いに通信可能に構成されている。
第1拠点に配置された複数の携帯端末103と、第1拠点に配置された複数のプリンタ104とは、Bluetooth規格に準拠した方式の近距離無線通信、または、USBを用いた有線通信によって互いに通信可能に構成されている。USBは、Universal Serial Busの略である。Bluetoothは登録商標である。
【0092】
同様に、第2拠点に配置された複数の携帯端末103と、第2拠点に配置された複数のプリンタ104とは、Bluetooth規格に準拠した方式の近距離無線通信、または、USBを用いた有線通信によって互いに通信可能に構成されている。
【0093】
本実施形態の管理システム101では、例えば、管理装置102が複数のプリンタ104から情報を収集すること、管理装置102が複数のプリンタ104の設定を変更することなどを実現することができる。
【0094】
管理装置102は、本実施形態ではパーソナルコンピュータであり、図10に示すように、制御部111と、通信部112と、表示部113と、入力部114と、記憶部115とを備える。
【0095】
制御部111は、CPU121およびメモリ122を備える。CPU121は、メモリ122に記憶されたプログラムを実行し、これにより、管理装置102の各種機能が実現される。なお、制御部111により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0096】
メモリ122は、半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、管理プログラム123およびデータを記憶する。
通信部112は、広域ネットワークNWを介して、携帯端末103との間でデータ通信を行う。
【0097】
表示部113は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部114は、キーボードとマウスとを備える。そして入力部114は、管理装置102の使用者(すなわち、管理者)がキーボードおよびマウスを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0098】
記憶部115は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。
携帯端末103は、プリンタ104を利用した作業を行う作業者毎に割り当てられており、作業者によって携帯される。携帯端末103は、制御部131と、通信部132と、表示部133と、入力部134と、記憶部135とを備える。
【0099】
制御部131は、CPU141およびメモリ142を備える。CPU141は、メモリ142に記憶されたプログラムを実行し、これにより、携帯端末103の各種機能が実現される。なお、制御部131により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0100】
メモリ142は、半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
通信部132は、広域ネットワークNWを介して管理装置102との間でデータ通信を行う。また通信部132は、Bluetooth規格に準拠した方式の近距離無線通信、または、USBを用いた有線通信によって、プリンタ104との間でデータ通信を行う。
【0101】
表示部133は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部134は、表示部133の表示画面上に設置されたタッチパネルと、表示部133の表示画面の周囲に設置されたスイッチとを備える。そして入力部134は、上記の作業者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0102】
プリンタ104は、上記の作業者が持ち運び可能な小型で軽量のモバイルプリンタである。プリンタ104は、制御部151と、通信部152と、表示部153と、入力部154と、印刷部155とを備える。
【0103】
制御部151は、CPU161およびメモリ162を備える。CPU161は、メモリ162に記憶されたプログラムを実行し、これにより、プリンタ104の各種機能が実現される。
【0104】
通信部152は、Bluetooth規格に準拠した方式の近距離無線通信、または、USBを用いた有線通信によって、携帯端末103との間でデータ通信を行う。
表示部153は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部154は、表示部153の表示画面の周囲に設置されたスイッチを備える。そして入力部154は、上記の作業者がスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0105】
印刷部155は、感熱方式の印刷機構を備え、感熱ロール紙に画像を印刷することができる。印刷部155は、画像が印刷されて排出口から排出された感熱ロール紙を切断するカッターを備える。なお、印刷部155は、感熱方式以外の周知の記録方式(例えば、インクジェット方式)で印刷可能に構成されていてもよい。
【0106】
制御部151は、予め設定された判定期間(例えば、1週間)前から現時点までの間にプリンタ104が使用された時間(以下、使用時間)を計測し、計測した使用時間を示す使用時間情報をメモリ162に記憶する。
【0107】
制御部151は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ104の電源がオフ状態からオン状態に切り替わった回数(以下、電源オン回数)を計測し、計測した電源オン回数を示す電源オン回数情報をメモリ162に記憶する。
【0108】
制御部151は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ4がスリープモードから通常モードに復帰した回数(以下、スリープ復帰回数)を計測し、計測したスリープ復帰回数を示すスリープ復帰回数情報をメモリ162に記憶する。
【0109】
制御部151は、直近でプリンタ104の消耗品が交換された日(以下、消耗品交換日)を示す消耗品交換日情報を記憶する。
制御部151は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ104で印刷した感熱ロール紙の長さ(以下、印刷距離)を計測し、計測した印刷距離を示す印刷距離情報をメモリ162に記憶する。
【0110】
制御部151は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ104で感熱ロール紙を切断した回数(以下、カット回数)を計測し、計測したカット回数を示すカット回数情報をメモリ162に記憶する。
【0111】
制御部151は、上記の判定期間前から現時点までの間にプリンタ104のバッテリを充電した回数(以下、バッテリ充電回数)を計測し、計測したバッテリ充電回数を示すバッテリ充電回数情報をメモリ162に記憶する。
【0112】
(2―2)デバイス通知設定ウィンドウ
管理装置102は、図11に示すデバイス通知設定ウィンドウW12を表示部113の表示画面に表示することができる。管理プログラム123が起動した後に、デバイス通知設定ウィンドウW12を表示するための所定の入力操作がキーボードまたはマウスを介して行われることによって、デバイス通知設定ウィンドウW12が表示される。
【0113】
デバイス通知設定ウィンドウW12は、デバイス通知を行うために必要なデータを含むプロファイルを設定するためのウィンドウである。デバイス通知設定ウィンドウW12は、図11に示すように、入力テキストボックスTB11,TB12,TB13と、使用言語入力ボタンIB11と、チェックボックスCB11,CB12,CB13,CB14,CB15,CB16,CB17と、OKボタンB11と、キャンセルボタンB12とを備える。
【0114】
入力テキストボックスTB11には、デバイス通知設定ウィンドウW12で設定されたプロファイルを識別するための文字列が入力される。入力テキストボックスTB12には、電子メールの宛先のメールアドレスを示す文字列が入力される。入力テキストボックスTB13には、電子メールの送信元のメールアドレスを示す文字列が入力される。
【0115】
使用言語入力ボタンIB11は、プルダウンボタンであり、使用言語入力ボタンIB11に対するマウスのクリック操作により使用言語の選択肢を複数表示する。管理者は、表示された複数の選択肢のうちの一つをマウスでクリック操作することによって、使用言語を設定することができる。
【0116】
チェックボックスCB11~CB17はそれぞれ、チェックボックスCB11~CB17に対するマウスのクリック操作により、チェックボックスCB11~CB17内にチェック図形が配置されている状態(以下、チェック状態)と、チェックボックスCB11~CB17内にチェック図形が配置されていない状態との間で切り替わるように構成されている。
【0117】
チェックボックスCB11は、グループ内において使用時間が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB12は、グループ内において電源オン回数が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0118】
チェックボックスCB13は、グループ内においてスリープからの復帰回数が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB14は、グループ内において消耗品の交換日が古いプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0119】
チェックボックスCB15は、グループ内において印刷距離が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
チェックボックスCB16は、グループ内においてカット回数が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
【0120】
チェックボックスCB17は、グループ内においてバッテリ充電回数が少ないプリンタを通知することを管理者が希望するときに、チェック状態に設定される。
OKボタンB11は、入力テキストボックスTB11,TB12,TB13に入力された内容と、使用言語入力ボタンIB11およびチェックボックスCB11~CB17に対して設定された内容とでプロファイルの設定を完了する場合に操作される。キャンセルボタンB12は、プロファイルの設定を中断する場合に操作される。
【0121】
(2―3)管理装置において実行される処理
第2実施形態のプリンタ管理処理は、図12および図13に示すように、S190~S300の処理が省略された点と、S410~S520の処理が追加された点とが第1実施形態と異なる。
【0122】
すなわち、図12に示すように、S150にて消耗品交換日による判定が必要でない場合には、CPU121は、S410に移行する。また、S180の処理が終了すると、CPU121は、S410に移行する。
【0123】
S410に移行すると、CPU121は、印刷距離による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU121は、デバイス通知設定ウィンドウW12のチェックボックスCB15がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU121は、チェックボックスCB15がチェック状態に設定されている場合に、印刷距離による判定が必要であると判断する。
【0124】
ここで、印刷距離による判定が必要でない場合には、CPU121は、S450に移行する。一方、印刷距離による判定が必要である場合には、CPU121は、S420にて、印刷距離の基準値を算出する。具体的には、CPU121は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ104のそれぞれから印刷距離情報を取得する。次にCPU121は、取得した印刷距離情報に基づいて、複数の拠点のそれぞれについて、プリンタ104における印刷距離の平均値μ8および標準偏差σ8を算出する。そしてCPU21は、プリンタ104における印刷距離の基準値J8を式(13)で算出する。
【0125】
J8 = (μ8-2×σ8) ・・・(13)
CPU121は、S430にて、複数の拠点のそれぞれについて、印刷距離が基準値J8より小さいプリンタ104を、印刷距離が少ないプリンタ104として抽出する。
【0126】
CPU121は、S440にて、S430で抽出したプリンタ104を、印刷距離が少ないプリンタ104として通知し、S450に移行する。具体的には、CPU121は、S430で抽出したプリンタ104を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、印刷距離が少ないこと)とを表示部113の表示画面に表示する。
【0127】
図13に示すように、S450に移行すると、CPU121は、カット回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU121は、デバイス通知設定ウィンドウW12のチェックボックスCB16がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU121は、チェックボックスCB16がチェック状態に設定されている場合に、カット回数による判定が必要であると判断する。
【0128】
ここで、カット回数による判定が必要でない場合には、CPU121は、S490に移行する。一方、カット回数による判定が必要である場合には、CPU121は、S460にて、カット回数の基準値を算出する。具体的には、CPU121は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ104のそれぞれからカット回数情報を取得する。次にCPU121は、取得したカット回数情報に基づいて、複数の拠点のそれぞれについて、プリンタ104におけるカット回数の平均値μ9および標準偏差σ9を算出する。そしてCPU21は、プリンタ104におけるカット回数の基準値J9を式(14)で算出する。
【0129】
J9 = (μ9-2×σ9) ・・・(14)
CPU121は、S470にて、複数の拠点のそれぞれについて、カット回数が基準値J9より小さいプリンタ104を、カット回数が少ないプリンタ104として抽出する。
【0130】
CPU121は、S480にて、S470で抽出したプリンタ104を、カット回数が少ないプリンタ104として通知し、S490に移行する。具体的には、CPU121は、S470で抽出したプリンタ104を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、カット回数が少ないこと)とを表示部113の表示画面に表示する。
【0131】
S490に移行すると、CPU121は、バッテリ充電回数による判定が必要であるか否かを判断する。具体的には、CPU121は、デバイス通知設定ウィンドウW12のチェックボックスCB17がチェック状態に設定されているか否かを判断する。すなわち、CPU121は、チェックボックスCB17がチェック状態に設定されている場合に、バッテリ充電回数による判定が必要であると判断する。
【0132】
ここで、バッテリ充電回数による判定が必要でない場合には、CPU121は、プリンタ管理処理を終了する。一方、バッテリ充電回数による判定が必要である場合には、CPU121は、S500にて、バッテリ充電回数の基準値を算出する。具体的には、CPU121は、まず、管理システム1が備える複数のプリンタ104のそれぞれからバッテリ充電回数情報を取得する。次にCPU121は、取得したバッテリ充電回数情報に基づいて、複数の拠点のそれぞれについて、プリンタ104におけるバッテリ充電回数の平均値μ10および標準偏差σ10を算出する。そしてCPU121は、プリンタ104におけるバッテリ充電回数の基準値J10を式(15)で算出する。
【0133】
J10 = (μ10-2×σ10) ・・・(15)
CPU121は、S510にて、複数の拠点のそれぞれについて、バッテリ充電回数が基準値J10より小さいプリンタ104を、バッテリ充電回数が少ないプリンタ104として抽出する。
【0134】
CPU121は、S520にて、S510で抽出したプリンタ104を、バッテリ充電回数が少ないプリンタ104として通知し、プリンタ管理処理を終了する。具体的には、CPU121は、S510で抽出したプリンタ104を特定するためのデバイス特定情報と通知理由(すなわち、バッテリ充電回数が少ないこと)とを表示部113の表示画面に表示する。
【0135】
(2―4)効果
このように構成された管理プログラム123は、複数のプリンタ104を管理する管理装置102が備える制御部111に、分類処理と、基準値算出処理と、デバイス抽出処理と、通知処理とを実行させるように構成されている。
【0136】
分類処理は、複数のプリンタ104のそれぞれを複数のグループの何れかに分類する。
基準値算出処理は、複数のプリンタ104のそれぞれから、プリンタ104の使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数のグループのそれぞれについて、グループに属するプリンタ104における使用頻度の基準値を算出する。
【0137】
デバイス抽出処理は、複数のグループのそれぞれについて、基準値に基づき、使用頻度が少ないプリンタ104を異常使用デバイスとして抽出する。
通知処理は、デバイス抽出処理で抽出された異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する。
【0138】
本実施形態では、使用頻度情報は、使用時間情報、電源オン回数情報、スリープ復帰回数情報、消耗品交換日情報、印刷距離情報、カット回数情報およびバッテリ充電回数情報である。
【0139】
このような管理プログラム123は、使用頻度が少ないプリンタ104を異常使用デバイスとして抽出することができる。これにより、管理プログラム123は、異常使用デバイスの使用頻度を多くするための適切な処置を管理者に行わせることができる。このため、本管理プログラム123は、プリンタ104間での負荷の偏りを低減することができる。
【0140】
以上説明した実施形態において、プリンタ104はデバイスに相当し、S420,S460,S500は基準値算出処理に相当し、S430,S470,S510はデバイス抽出処理に相当し、S440,S480,S520は通知処理に相当する。
【0141】
また、第1拠点または第2拠点はそれぞれグループに相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【0142】
例えば上記実施形態では、使用者の属性が部署である形態を示した。しかし、使用者の属性は部署に限定されるものではなく、例えば、プリンタ4の使用者が勤務している建築物におけるフロアに基づいて分類するようにしてもよい。
【0143】
また上記実施形態では、本開示のデバイスがプリンタ4,104である形態を示した。しかし、本開示のデバイスは、原稿から画像を読み取るスキャナ機能を有する複合機、コピー機およびファクシミリであってもよい。
【0144】
また上記実施形態では、営業部D1、開発部D2および事業部D3のそれぞれについて、インクジェットプリンタ群P1およびレーザプリンタ群P2の何れかに分類する形態を示した。しかし、全てのプリンタ4の機種がインクジェットプリンタおよびレーザプリンタの何れか1種類である場合には、S20の処理における分類処理が行われず、営業部D1、開発部D2および事業部D3のそれぞれがグループとなる。さらに、管理システム1が導入される企業において部署が設定されていない場合には、S10の処理における分類処理が行われず、1つのインクジェットプリンタ群P1と1つのレーザプリンタ群P2とのそれぞれがグループとなる。
【0145】
また上記実施形態では、平均値と標準偏差とを用いて基準値を算出する形態を示した。しかし、基準値が平均値と標準偏差とを用いて算出される形態に限定されるものではなく、例えば、予め設定された外れ率を用いて基準値を算出するようにしてもよい。例えば、使用時間の基準値J11を式(16)で算出するようにしてもよい。式(16)の外れ率x11は、0以上であり且つ1未満の数である。
【0146】
J11 = (1-x11)×μ11 ・・・(16)
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0147】
上述した管理装置2,102の他、当該管理装置2,102を構成要素とするシステム、当該管理装置2,102としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、管理方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
複数のデバイスを管理する管理装置が備える制御部に、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行させるように構成されている管理プログラム。
[項目2]
項目1に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスの使用時間を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記使用時間が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目3]
項目1または項目2に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスの電源オン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記電源オン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目4]
項目1~項目3の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記使用頻度情報は、前記デバイスにおけるスリープからの復帰回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記復帰回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目5]
項目1~項目4の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける消耗品の交換日を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記交換日が古い前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目6]
項目1~項目5の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるカバーオープン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記カバーオープン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目7]
項目1~項目6の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける用紙トレイオープン回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記用紙トレイオープン回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目8]
項目1~項目7の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける用紙残量を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記用紙残量が多い前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目9]
項目1~項目8の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおける印刷距離を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記印刷距離が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目10]
項目1~項目9の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるカット回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記カット回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目11]
項目1~項目10の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記デバイスはプリンタであり、
前記使用頻度情報は、前記プリンタにおけるバッテリ充電回数を示す情報を含み、
前記デバイス抽出処理は、前記基準値に基づき、前記バッテリ充電回数が少ない前記デバイスを前記異常使用デバイスとして抽出する管理プログラム。
[項目12]
複数のデバイスを管理する管理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行するように構成されている管理装置。
[項目13]
複数のデバイスと、
複数の前記デバイスを管理する管理装置とを備え、
前記管理装置が備える制御部は、
複数の前記デバイスのそれぞれを複数のグループの何れかに分類する分類処理と、
複数の前記デバイスのそれぞれから、前記デバイスの使用頻度に関する使用頻度情報を取得し、複数の前記グループのそれぞれについて、前記グループに属する前記デバイスにおける前記使用頻度の基準値を算出する基準値算出処理と、
複数の前記グループのそれぞれについて、前記基準値に基づき、前記使用頻度が少ない前記デバイスを異常使用デバイスとして抽出するデバイス抽出処理と、
前記デバイス抽出処理で抽出された前記異常使用デバイスを特定するためのデバイス特定情報を通知する通知処理と
を実行するように構成されている管理システム。
【符号の説明】
【0148】
1,101…管理システム、2,102…管理装置、4,104…プリンタ、11,111…制御部、23,123…管理プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13