(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145411
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】鉄道車上制御装置のリセット回路及びリセット方法
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20241004BHJP
G06F 11/14 20060101ALI20241004BHJP
G06F 1/24 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B60R16/02 660L
G06F11/14 641A
G06F1/24 351
B60R16/02 660M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057740
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越後 潔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 究
(57)【要約】
【課題】リムーバブルメモリーのデータ破損を防止し、適切なリセット処理を可能とするリセット回路及びリセット方法を提供することを目的とする。
【解決手段】装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知部と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源部と、リムーバブルメモリーと、前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御部と、リムーバブルメモリー電源制御部と、前記バックアップ電源部の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知部と、前記バックアップ電源部と前記バックアップ電源電圧低下検知部との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ部と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ部と、前記リセットフラグ部からのフラグ状態信号と前記制御部からのマスク制御信号により前記バックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを制御するリセットマスク部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リセット回路の電源を供給する装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知部と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源部と、脱着可能な不揮発性のリムーバブルメモリーと、前記バックアップ電源部でバックアップされた電源により動作し前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御部と、前記リムーバブルメモリーの電源を制御するリムーバブルメモリー電源制御部と、前記バックアップ電源部の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知部と、前記バックアップ電源部と前記バックアップ電源電圧低下検知部との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ部と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ部と、前記リセットフラグ部からのフラグ状態信号と前記制御部からのマスク制御信号により前記バックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを制御するリセットマスク部とを備え、
前記制御部は、前記装置電源電圧低下検知部が前記装置電源の電圧低下を検知した後に前記リムーバブルメモリーの終了処理を行う鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記制御部は、前記装置電源の電圧低下を検出した前記装置電源電圧低下検知部からの低下検知信号を、前記制御部への割り込み入力信号として使用することで、前記リムーバブルメモリーの終了処理を行うことを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リムーバブルメモリーの終了処理は、前記制御部が、前記リムーバブルメモリーへのアクセスを停止し、前記リムーバブルメモリー電源制御部に前記リムーバブルメモリーへの電源を遮断する制御を行う処理であることを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項4】
請求項1に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リセットフラグ部は、前記装置電源電圧低下検知部からの前記装置電源の電圧低下を検出した低下検知信号を受信しその信号が解除された場合、リセット発生の状態として記憶し、前記リセットマスク部にリセット発生のフラグ状態信号を出力することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項5】
請求項4に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記制御部は、前記リムーバブルメモリーの終了処理後に、前記リセットマスク部にマスクを解除するマスク制御信号を出力することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項6】
請求項5に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リセットマスク部は、前記リセットフラグ部からリセット発生のフラグ状態信号と、前記制御部からマスクを解除するマスク制御信号を入力した場合、バックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを開く制御を行うことで、前記バックアップ電源電圧低下検知部に入力する電圧を低下させることを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項7】
請求項1に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記バックアップ電源電圧低下検知部は、電圧の低下を検知した場合、前記制御部に低下検知信号を出力し、
前記制御部は、前記バックアップ電源電圧低下検知部から前記低下検知信号を入力した場合、前記リムーバブルメモリーの終了処理後に当該制御部のソフトを動作させないリセット状態に移行することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【請求項8】
リセット回路の電源を供給する装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知手段と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源手段と、脱着可能な不揮発性のリムーバブルメモリーと、前記バックアップ電源手段でバックアップされた電源により動作し前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御手段と、前記リムーバブルメモリーの電源を制御するリムーバブルメモリー電源制御手段と、バックアップ電源の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知手段と、前記バックアップ電源手段と前記バックアップ電源電圧低下検知手段との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ手段と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ手段と、前記リセットフラグ手段からのフラグ状態信号と前記制御手段からのマスク制御信号により前記バックアップ電源検知用スイッチ手段のスイッチを制御するリセットマスク手段とを備えるリセット回路を用いたリセット方法であって、
前記制御手段により、前記装置電源電圧低下検知手段が前記装置電源の電圧低下を検知した後に前記リムーバブルメモリーの終了処理を行うステップを含む鉄道車上制御装置のリセット方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車上制御装置のリセット回路及びリセット方法に関し、リムーバブルメモリーを用いる鉄道車上制御装置のリセット回路及びリセット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、リムーバブルメモリーの電源を遮断するには、事前にメモリーへのアクセスを終了しておく必要がある。これを守らずメモリーへのアクセス中に電源が喪失した場合、メモリーに記録されたデータが破損する恐れがある。
【0003】
例えば、特許文献1、2では、主電源からの電源供給が断たれてから、少なくとも予め設定されたバックアップ時間が経過するまで継続してメモリーカードへ電源を供給するバックアップ電源を備えるデータ記憶制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-079428号公報
【特許文献2】特開2015-079430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、鉄道車上制御装置は予告無く電源が遮断される装置であるため、鉄道車上装置においてリムーバブルメモリーを適用する場合、メモリーアクセス中の電源喪失によりデータが破損するリスクが非常に高い。このため、バックアップ電源を利用することが考えられるが、この場合、バックアップ電源を利用したことにより不安定な状況とならないようにマイコンの適切なリセット処理が必要である。
【0006】
また、特許文献1、2では、バックアップ電源の記載はあるものの、バックアップ電源を利用したことによる不安定な状況を回避するためのリセット処理については記載されていない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、リムーバブルメモリーのデータ破損を防止し、適切なリセット処理を可能とするリセット回路及びリセット方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の鉄道車上制御装置のリセット回路の一つは、リセット回路の電源を供給する装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知部と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源部と、脱着可能な不揮発性のリムーバブルメモリーと、前記バックアップ電源部でバックアップされた電源により動作し前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御部と、前記リムーバブルメモリーの電源を制御するリムーバブルメモリー電源制御部と、前記バックアップ電源部の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知部と、前記バックアップ電源部と前記バックアップ電源電圧低下検知部との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ部と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ部と、前記リセットフラグ部からのフラグ状態信号と前記制御部からのマスク制御信号により前記バックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを制御するリセットマスク部とを備え、前記制御部は、前記装置電源電圧低下検知部が前記装置電源の電圧低下を検知した後に前記リムーバブルメモリーの終了処理を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鉄道車上制御装置のリセット回路及びリセット方法において、リムーバブルメモリーのデータ破損を防止し、適切なリセット処理を可能とする。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図3のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0012】
<実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステム>
図1は、本開示の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステム300のブロック図である。本明細書で開示される様々な実施形態の機構及び装置は、任意の適切なコンピューティングシステムに適用されてもよい。コンピュータシステム300の主要コンポーネントは、1つ以上のプロセッサ302、メモリ304、端末インターフェース312、ストレージインターフェース314、I/O(入出力)デバイスインターフェース316、及びネットワークインターフェース318を含む。これらのコンポーネントは、メモリバス306、I/Oバス308、バスインターフェースユニット309、及びI/Oバスインターフェースユニット310を介して、相互的に接続されてもよい。
【0013】
コンピュータシステム300は、プロセッサ302と総称される1つ又は複数の処理装置302A及び302Bを含んでもよい。各プロセッサ302は、メモリ304に格納された命令を実行し、オンボードキャッシュを含んでもよい。ある実施形態では、コンピュータシステム300は複数のプロセッサを備えてもよく、また別の実施形態では、コンピュータシステム300は単一の処理装置によるシステムであってもよい。処理装置としては、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processong Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を適用できる。
【0014】
ある実施形態では、メモリ304は、データ及びプログラムを記憶するためのランダムアクセス半導体メモリ、記憶装置、又は記憶媒体(揮発性又は不揮発性のいずれか)を含んでもよい。ある実施形態では、メモリ304は、コンピュータシステム300の仮想メモリ全体を表しており、ネットワークを介してコンピュータシステム300に接続された他のコンピュータシステムの仮想メモリを含んでもよい。メモリ304は、概念的には単一のものとみなされてもよいが、他の実施形態では、このメモリ304は、キャッシュおよび他のメモリデバイスの階層など、より複雑な構成となる場合がある。例えば、メモリは複数のレベルのキャッシュとして存在し、これらのキャッシュは機能毎に分割されてもよい。その結果、1つのキャッシュは命令を保持し、他のキャッシュはプロセッサによって使用される非命令データを保持する構成であってもよい。メモリは、いわゆるNUMA(Non-Uniform Memory Access)コンピュータアーキテクチャのように、分散され、種々の異なる処理装置に関連付けられてもよい。
【0015】
メモリ304は、本明細書で説明する機能を実施するプログラム、モジュール、及びデータ構造のすべて又は一部を格納してもよい。例えば、メモリ304は、潜在因子特定アプリケーション350を格納していてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、後述する機能をプロセッサ302上で実行する命令又は記述を含んでもよく、あるいは別の命令又は記述によって解釈される命令又は記述を含んでもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、プロセッサベースのシステムの代わりに、またはプロセッサベースのシステムに加えて、半導体デバイス、チップ、論理ゲート、回路、回路カード、および/または他の物理ハードウェアデバイスを介してハードウェアで実施されてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、命令又は記述以外のデータを含んでもよい。
【0016】
コンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、表示システム324、及びI/Oバスインターフェースユニット310間の通信を行うバスインターフェースユニット309を含んでもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、様々なI/Oユニットとの間でデータを転送するためのI/Oバス308と連結していてもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、I/Oバス308を介して、I/Oプロセッサ(IOP)又はI/Oアダプタ(IOA)としても知られる複数のI/Oインターフェースユニット312、314、316、及び318と通信してもよい。また、コンピュータシステム300は、データを収集し、プロセッサ302に当該データを提供するように構成された1つまたは複数のセンサ等のデバイスを含んでもよい。同様に、バスインターフェースユニット309が提供する機能は、プロセッサ302を含む集積回路によって実現されてもよい。
【0017】
I/Oインターフェースユニットは、様々なストレージ又はI/Oデバイスと通信する機能を備える。
【0018】
ストレージインターフェース314は、1つ又は複数のディスクドライブや直接アクセスストレージ装置322の取り付けが可能である。ある実施形態では、ストレージ装置322は、任意の二次記憶装置として実装されてもよい。メモリ304の内容は、ストレージ装置322に記憶され、必要に応じてストレージ装置322から読み出されてもよい。ネットワークインターフェース318は、コンピュータシステム300と他のデバイスが相互的に通信できるように、通信経路を提供してもよい。この通信経路は、例えば、ネットワーク330であってもよい。
【0019】
図1に示されるコンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、バスインタフェース309、表示システム324、及びI/Oバスインターフェースユニット310の間の直接通信経路を提供するバス構造を備えているが、他の実施形態では、コンピュータシステム300は、階層構成、スター構成、又はウェブ構成のポイントツーポイントリンク、複数の階層バス、平行又は冗長の通信経路を含んでもよい。さらに、I/Oバスインターフェースユニット310及びI/Oバス308が単一のユニットとして示されているが、実際には、コンピュータシステム300は複数のI/Oバスインターフェースユニット310又は複数のI/Oバス308を備えてもよい。また、I/Oバス308を様々なI/Oデバイスに繋がる各種通信経路から分離するための複数のI/Oインターフェースユニットが示されているが、他の実施形態では、I/Oデバイスの一部または全部が、1つのシステムI/Oバスに直接接続されてもよい。
【0020】
ある実施形態では、コンピュータシステム300は、マルチユーザメインフレームコンピュータシステム、シングルユーザシステム、又はサーバコンピュータ等の、直接的ユーザインターフェースを有しない、他のコンピュータシステム(クライアント)からの要求を受信するデバイスであってもよい。
【0021】
<ブロック図>
図2は、本発明の一実施形態を示す回路ブロック図である。
図2の中で実線の矢印が電源供給の方向を示しており、実際に電力が供給される。また、
図2の中で破線の矢印が信号送信の方向を示している。
【0022】
図2で示す鉄道車上制御装置のリセット回路は、装置電源11、バックアップ電源部12、装置電源電圧低下検知部13、リムーバブルメモリー制御部14、リセットフラグ部15、リセットマスク部16、バックアップ電源電圧低下検知部17、リムーバブルメモリー18、リムーバブルメモリー電源制御部19、バックアップ電源検知用スイッチ部20、回路部21を備えている。なお、鉄道車上制御装置は、列車に搭載され列車の走行等を制御できる装置である。
【0023】
図2の二点鎖線で示す範囲が電源バックアップ範囲201である。電源バックアップ範囲201は、リムーバブルメモリー制御部14、リセットフラグ部15、リセットマスク部16、バックアップ電源電圧低下検知部17、リムーバブルメモリー18、リムーバブルメモリー電源制御部19、バックアップ電源検知用スイッチ部20、回路部21を含む。
【0024】
ここで、バックアップ電源部12、装置電源電圧低下検知部13、リムーバブルメモリー制御部14、リセットフラグ部15、リセットマスク部16、バックアップ電源電圧低下検知部17、リムーバブルメモリー電源制御部19、バックアップ電源検知用スイッチ部20、回路部21は、同じ基板上に構成することも可能である。また、それぞれもしくはいくつかごとに、別の基板上に構成することも可能である。
【0025】
装置電源11から回路に電源を供給する。ここでの回路は
図2に示す電源バックアップ範囲201とすることができる。また、装置電源11は、鉄道車上制御装置の電源とすることができる。装置電源11から電力が供給されている限りはリムーバブルメモリー18が正常に作動することができる。
【0026】
バックアップ電源部12は、装置電源11と接続されており、装置電源11が遮断した後は一定時間の間、電源バックアップ範囲201の回路に電源を供給する。バックアップ電源部12は、例えば、キャパシタやバッテリなどによる構成を備えており、電気を貯えておくことが可能である。このとき、特に、数10mF以上の大きな静電容量スパーキャパシタであれば、寿命が長く大きな電気を溜められるため有利です。一方、バックアップ電源部12は、装置電源11が遮断されておらず、正常に電気が供給されている場合は、そのまま回路に電気を供給する構成である。
【0027】
装置電源電圧低下検知部13は、装置電源11から回路に供給される電源電圧の低下を検知し、そのための機構を備えている。装置電源電圧低下検知部13は、電圧低下を検知した場合は、低下検知信号101を出力する。ここでの電圧低下の検知は、閾値を設けて、それ以下の電圧になった場合に検知する。例えば、装置電源11の電圧が安定稼働電圧を下回る場合等である。具体的には、5Vの電源であれば、安定稼働電圧4.5Vを下回る場合等である。この場合は、電源が喪失しているともいえる。低下検知信号101は、リムーバブルメモリー制御部14とリセットフラグ部15へ出力される。低下検知信号101は、リムーバブルメモリー制御部14であれば、リムーバブルメモリー制御部14の割り込み入力端子から入力され、割り込み処理の実行を要求する。
【0028】
リムーバブルメモリー制御部14は、リムーバブルメモリー18のアクセスを制御する。さらに、リムーバブルメモリー制御部14は、割り込み処理で、リムーバブルメモリー18の終了処理と、次回の装置電源11の再投入時への待機のための、もしくは、装置電源11の電源遮断のための、リセット処理を実行する。リムーバブルメモリー制御部14は、マイコンで構成可能であり、例えば、
図1で示したコンピュータシステム300を適用することができる。
【0029】
リセットフラグ部15には、低下検知信号101が入力される。リセットフラグ部15への装置電源電圧低下検知部13からの低下検知信号101の出力が解除されることで、入力されていた低下検知信号101が入力されなくなる。この場合は、装置電源11の電圧が低下(遮断)後に、装置電源11の電源が再投入された(正常な電圧値に回復した)ことになるため、その状態を記憶するためリセットフラグを立てる(セットする)。リセットフラグ部15は、リセットフラグを立てる状態は、例えば、「1」の情報として記憶し、リセットフラグをクリアした状態は、例えば「0」の情報として記憶する。リセットフラグ部15は、このためのIC(集積回路)等による機構として構成される。
【0030】
リセットフラグ部15に記憶された情報は、フラグ状態信号102としてリムーバブルメモリー制御部14のIO入力ポートに入力される。また、フラグ状態信号102はリセットマスク部16にも入力される。
【0031】
リセットマスク部16は、リムーバブルメモリー制御部14のIOポート出力から出力されるマスク制御信号104が入力される。リセットマスク部16は、このマスク制御信号104と、リセットフラグ部15から入力されたフラグ状態信号102により、バックアップ電源検知用スイッチ部20のスイッチを開くか否かを制御する。ここでの制御は、フラグ状態信号102を後段回路のバックアップ電源検知用スイッチ部20に伝達するか否かを決定するマスクにより行うことができる。マスク状態であれば、信号の伝達が阻止され、マスクOFFの状態であれば、信号が伝達される。リセットマスク部16は、通常はマスクの状態を保持する。
【0032】
バックアップ電源電圧低下検知部17は、バックアップ電源部12のバックアップ電源の電圧低下を検知する。バックアップ電源の電圧低下を検知した場合は、低下検知信号103を出力する。低下検知信号103はリムーバブルメモリー制御部14のリセット入力端子に入力される。低下検知信号103がリセット入力端子に入力されると、リムーバブルメモリー制御部14は、リセット処理が要求され、リムーバブルメモリー18の終了処理後にリセット処理を開始する。バックアップ電源電圧低下検知部17は、このためのIC(集積回路)等による機構として構成される。また、低下検知信号103は回路部21にも出力する。
【0033】
ここでリセット処理は、リセット状態にすることをいう。リセット状態はリムーバブルメモリー制御部14のマイコンに電源は入っているが、ソフト(アプリケーション)を動かさない状態(意図的にソフトが走らないように抑え込んでいる状態)である。
【0034】
リムーバブルメモリー18は、取り外し可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、SDメモリーカード、USBメモリ、外付けハードディスク等を適用できる。
【0035】
リムーバブルメモリー電源制御部19は、バックアップ電源部12からの電力をリムーバブルメモリー18へ供給するか否かの制御を行う。この制御は、リムーバブルメモリー制御部14からの指示により行うことができる。リムーバブルメモリー電源制御部19は、このためのIC(集積回路)等による機構として構成される。例えば、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチを用いることができる。
【0036】
バックアップ電源検知用スイッチ部20は、バックアップ電源部12とバックアップ電源電圧低下検知部17との間に介在して設けられる。バックアップ電源検知用スイッチ部20は、バックアップ電源部12からの電力を、バックアップ電源電圧低下検知部17に供給するか否かを制御するスイッチ機能を備えている。ここでのスイッチ機能はリセットマスク部16から制御信号105に基づいて行うことができる。スイッチが開いている場合は、バックアップ電源電圧低下検知部17へは電力は供給されず、スイッチが閉じている場合は、バックアップ電源電圧低下検知部17へ電力が供給される。バックアップ電源検知用スイッチ部20のスイッチは通常の場合はスイッチが閉じている状態である。バックアップ電源電圧低下検知部17は、供給される電力を電圧情報として取り扱うことができる。バックアップ電源検知用スイッチ部20は、このためのIC(集積回路)等による機構として構成される。
【0037】
回路部21は、バックアップ電源電圧低下検知部17からの低下検知信号103と、リムーバブルメモリー制御部14からのフラグクリア信号106を入力する。これらのうちどちらかの信号を入力した場合でも、フラグクリア信号107をリセットフラグ部15に送信する。回路部21は、このためのIC(集積回路)等による機構として構成される。具体的には、回路部21はOR回路を備えている。フラグクリア信号107を入力したリセットフラグ部15はリセットフラグをクリアして「0」とする。
【0038】
リムーバブルメモリー制御部14は、装置電源11から適切に電源供給されている間は、リムーバブルメモリー18に対しデータ授受のアクセス(データ信号110の送受信)を行う。装置電源11の電圧が低下し、電源がバックアップ電源部12からの電源に切り替わる場合について説明する。この場合は、装置電源電圧低下検知部13から低下検知信号101が出力され、リムーバブルメモリー制御部14の割り込み端子に低下検知信号101が入力される。すると、リムーバブルメモリー制御部14で割り込み処理が要求されたことになり、リムーバブルメモリー18へのアクセス停止処理を行う。
【0039】
リムーバブルメモリー18へのアクセス停止処理が正常に終了したら、リムーバブルメモリー制御部14は、リムーバブルメモリー電源制御部19に指示を行い、リムーバブルメモリー18への電源を遮断する。これらは、リムーバブルメモリー18の終了処理となる。
【0040】
リムーバブルメモリー18へのアクセスが正常終了した後に、リムーバブルメモリー制御部14を、装置電源11の次回再投入のための待機状態に遷移させる。このために、バックアップ電源電圧低下検知部17、バックアップ電源検知用スイッチ部20を用いる。これらは、リセットフラグ部15、リセットマスク部16と組み合わせて使用する。
【0041】
リムーバブルメモリー18の終了処理を実行した後に、バックアップ電源部12のバックアップ電源が低下(喪失)する場合について説明する。この場合、バックアップ電源電圧低下検知部17は、バックアップ電源の電圧低下を検知して低下検知信号103を出力する。そして、低下検知信号103をリセット入力端子に入力したリムーバブルメモリー電源制御部19は、リセット処理を開始する。これにより、リムーバブルメモリー制御部14はリセット処理状態に遷移する。そして、その後にバックアップ電源部12が喪失すると、この電源喪失に伴いリムーバブルメモリー制御部14は動作を停止し、次回の装置電源11の再投入に備えることができる。また、低下検知信号103は回路部21にも出力し、回路部21からはフラグクリア信号107が出力され、リセットフラグ部15はリセットフラグをクリアする。
【0042】
一方で、装置電源11の電源が喪失した後、バックアップ電源部12の電圧が低下する前に、装置電源11が再投入されると、電源バックアップ範囲201以外は初期化処理が実行されて初期化状態になる。しかし、電源バックアップ範囲201にはバックアップ電源部12から電力供給が継続されているため、リムーバブルメモリー電源制御部19にはリセットがかからず正常に初期化処理が行われない状態となる。このような状態となると、電源バックアップ範囲201の内側と外側で初期化処理の齟齬が生じ通信処理等に悪影響を与える。この状態を回避するために、以下の方法で、リムーバブルメモリー18の終了処理後に、リムーバブルメモリー電源制御部19をリセット処理状態に遷移させる。
【0043】
装置電源11の電源は一度、喪失しているため、装置電源電圧低下検知部13は低下検知信号101を出力する。次にリムーバブルメモリー制御部14は、低下検知信号101の入力による割り込み処理でリムーバブルメモリー18の終了処理を行う。その後、リムーバブルメモリー制御部14は、リセットマスク部16に対しマスク制御信号104を出力する。この場合のマスク制御信号104はマスクOFF(マスク解除)の指示を出す信号である。
【0044】
このとき装置電源11の電源が一度、喪失して再投入しているため、リセットフラグ部15のフラグ状態信号102はリセットフラグが立った状態(「1」の状態)である。このためリセットマスク部16は、リセットフラグ部15よりリセットフラグが立った状態のフラグ状態信号102を受けている状態である。すなわち、リセットマスク部16は、マスクOFFのマスク制御信号104と、リセットフラグが立った状態のフラグ状態信号102を入力した場合、バックアップ電源検知用スイッチ部20にスイッチを開くための制御信号105を出力する。
【0045】
制御信号105を入力したバックアップ電源検知用スイッチ部20は、内部のスイッチを開き、意図的にバックアップ電源部12からの電源供給を断つ。このことで、バックアップ電源電圧低下検知部17が電圧低下を検知し、低下検知信号103をリムーバブルメモリー制御部14に出力してリセット処理を要求する。低下検知信号103をリセット入力に入力したリムーバブルメモリー制御部14は、リムーバブルメモリー18の終了処理後にリセット状態に移行することで、次回の装置電源11の投入時に備えた状態に遷移する。そしてリセット状態で装置電源11の再投入がされるため、リムーバブルメモリー制御部14は初期化処理を行う。また、このとき、低下検知信号103は回路部21にも出力し、回路部21からはフラグクリア信号107が出力され、リセットフラグ部15はリセットフラグをクリアする。
【0046】
なお、リムーバブルメモリーの終了処理の際に、リムーバブルメモリー制御部14のIOポート出力からフラグクリア信号106を回路部21出力される。この場合も、フラグクリア信号107が回路部21から出力されてリセットフラグ部15はリセットフラグをクリア(「0」の状態)にする。このことで次のリセットフラグのクリアを的確に行うことができる。
【0047】
<フローチャート>
図3は、本発明の動作の一例を示すフローチャートである。
【0048】
最初にステップS101では、装置電源が投入される。ここでは、装置電源11が電源供給を開始する。すると、バックアップ電源部12の電圧が上昇しスパーキャパシタ等に充電される。同時に装置電源11の電源が電源バックアップ範囲201にも供給される。このとき、リセットマスク部16は、通常時のマスク状態を維持して、これによりバックアップ電源検知用スイッチ部20はONの状態(スイッチが接続された状態)となる。
【0049】
次にステップS102では、リセットフラグがセットされる。装置電源電圧低下検知部13は、装置電源11の電圧上昇により、低下検知信号101の出力を解除する。これにより、リセットフラグ部15がリセットフラグをセットする(立てる)。
【0050】
次にステップS103では、初期化処理を行う。この状態においては、リムーバブルメモリー制御部14に電源が投入されて、バックアップ電源電圧低下検知部17は電力低下を検知しない。このため、低下検知信号103はリムーバブルメモリー制御部14のリセット入力に入力されず、リムーバブルメモリー制御部14はリセット解除になるため初期化処理を実行する。
【0051】
次にステップS104では、通常動作を開始する。電源バックアップ範囲201は、装置電源11を電源として通常動作状態となる。
【0052】
次にステップS105では、装置電源遮断が発生する。ここでは装置電源11の電源が供給停止した場合を想定している。
【0053】
次にステップS106では、装置低電圧を検知する。装置電源電圧低下検知部13が、装置電源11の電圧低下を検知して、低下検知信号101を出力する。
【0054】
次にステップS107では、割り込みが発生する。リムーバブルメモリー制御部14は、装置電源電圧低下検知部13から出力された低下検知信号101を割り込み入力に入力する。これにより、リムーバブルメモリー制御部14では、割り込み処理が発生する。
【0055】
次にステップS108では、サブルーチン実行する。リムーバブルメモリー制御部14は、サブルーチンを実行する。このサブルーチンの内容は
図4で説明する。
【0056】
次にステップS109では、装置電源の再投入待機状態となる。リムーバブルメモリー制御部14がサブルーチンを実行後、装置電源11の電源が再投入を待機する。電源の再投入が無いままバックアップ電源部12の電圧が低下した場合はリムーバブルメモリー制御部14を含む基板の動作は終了する。
【0057】
図4は、
図3のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。ここでは
図3のステップ108の処理を示している。
【0058】
最初にステップS201では、割り込み禁止処理を行う。割り込み処理を開始したリムーバブルメモリー制御部14は、新たな割り込みの禁止処理を行う。
【0059】
次にステップS202では、リセットフラグのクリア処理を行う。リムーバブルメモリー制御部14が、リセットフラグ部15のリセットフラグをクリアする。これは、リムーバブルメモリー制御部14のIOポート出力からフラグクリア信号106を出力することにより行うことができる。回路部21を介してフラグクリア信号107を入力したリセットフラグ部15がリセットフラグをクリアする。
【0060】
次にステップS203では、リムーバブルメモリーの終了処理を行う。リムーバブルメモリー制御部14が、リムーバブルメモリー18のアクセスを停止させ、リムーバブルメモリー電源制御部19に対し、電源遮断指示を実行する。
【0061】
次にステップS204では、リセットマスクを解除する。リムーバブルメモリー制御部14がリセットマスク部にマスク解除の指示をする。これは、リムーバブルメモリー制御部14のIOポート出力からマスク解除のマスク制御信号104を出力することにより行う。
【0062】
ステップS204の処理が終了した時点では、S202によりリセットマスク部16は、リセットフラグ部15からリセットフラグがクリアしたフラグクリア信号107を入力している。また、S204によりリセットマスク部16は、リムーバブルメモリー制御部14からマスク解除のマスク制御信号104を入力している。ここでは、リセットフラグがクリアしているため、リセットマスク部16はバックアップ電源検知用スイッチ部20にスイッチを開くための制御信号105を出力しない。
【0063】
一方で、次に装置電源11の電源を再投入すると、リセットフラグ部15はリセットフラグを立てた信号をリセットマスク部16に送信する。この場合は、
図1でも説明したように、マスク解除のマスク制御信号104を入力しているリセットマスク部16はバックアップ電源検知用スイッチ部20にスイッチを開くための制御信号105を出力する。このことで、バックアップ電源検知用スイッチ部120のスイッチが開き、バックアップ電源電圧低下検知部17が電圧低下を検知し、低下検知信号103をリムーバブルメモリー制御部14に出力する。そして、低下検知信号103を入力したリムーバブルメモリー制御部14はリセット状態に移行する。
【0064】
<効果>
以上のような実施形態により、まず、装置電源11が突然遮断した場合でも、リムーバブルメモリー18へのアクセスを正常に終了させることができる。さらに、その後にリムーバブルメモリー18の電源を遮断することで、以降、リムーバブルメモリー18の記録内容が破損しない(意図せず書き換わらない)状態を保持することが可能となる。
【0065】
さらに、リムーバブルメモリー18の終了処理を実行した後にバックアップ電源の電圧低下を検知してリセット状態に遷移する。このことで、リムーバブルメモリー制御部14は電源電圧が不安定な状態でソフトを作動させないため、誤動作を防止することが可能となる。
【0066】
さらに、装置電源11の電源が喪失した後、バックアップ電源部12の電圧が低下する前に、装置電源11が再投入された場合、リムーバブルメモリー制御部14をリセット状態に移行する。このことでリムーバブルメモリー制御部14も初期化処理が行われ、電源バックアップ範囲201の内側と外側で初期化処理の齟齬による通信処理等の悪影響を防止する。
【0067】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0068】
本明細書には以下の態様の開示も含まれる。
(態様1)
リセット回路の電源を供給する装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知部と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源部と、脱着可能な不揮発性のリムーバブルメモリーと、前記バックアップ電源部でバックアップされた電源により動作し前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御部と、前記リムーバブルメモリーの電源を制御するリムーバブルメモリー電源制御部と、前記バックアップ電源部の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知部と、前記バックアップ電源部と前記バックアップ電源電圧低下検知部との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ部と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ部と、前記リセットフラグ部からのフラグ状態信号と前記制御部からのマスク制御信号によりバックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを制御するリセットマスク部とを備え、
前記制御部は、前記装置電源電圧低下検知部が前記装置電源の電圧低下を検知した後に前記リムーバブルメモリーの終了処理を行う鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0069】
(態様2)
態様1に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記制御部は、前記装置電源の電圧低下を検出した前記装置電源電圧低下検知部からの低下検知信号を、前記制御部への割り込み入力信号として使用することで、前記リムーバブルメモリーの終了処理を行うことを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0070】
(態様3)
態様1又は態様2に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リムーバブルメモリーの終了処理は、前記制御部が、前記リムーバブルメモリーへのアクセスを停止し、前記リムーバブルメモリー電源制御部に前記リムーバブルメモリーへの電源を遮断する制御を行う処理であることを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0071】
(態様4)
態様1から態様3のいずれかに記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リセットフラグ部は、前記装置電源電圧低下検知部からの前記装置電源の電圧低下を検出した低下検知信号を受信しその信号が解除された場合、リセット発生の状態として記憶し、前記リセットマスク部にリセット発生のフラグ状態信号を出力することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0072】
(態様5)
態様4に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記制御部は、前記リムーバブルメモリーの終了処理後に、前記リセットマスク部にマスクを解除するマスク制御信号を出力することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0073】
(態様6)
態様5に記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記リセットマスク部は、前記リセットフラグ部からリセット発生のフラグ状態信号と、前記制御部からマスクを解除するマスク制御信号を入力した場合、バックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを開く制御を行うことで、前記バックアップ電源電圧低下検知部に入力する電圧を低下させることを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0074】
(態様7)
態様1から態様6のいずれかに記載の鉄道車上制御装置のリセット回路において、
前記バックアップ電源電圧低下検知部は、電圧の低下を検知した場合、前記制御部に低下検知信号を出力し、
前記制御部は、前記バックアップ電源電圧低下検知部から前記低下検知信号を入力した場合、前記リムーバブルメモリーの終了処理後に当該制御部のソフトを動作させないリセット状態に移行することを特徴とする鉄道車上制御装置のリセット回路。
【0075】
(態様8)
リセット回路の電源を供給する装置電源と、前記装置電源の電圧低下を検知する装置電源電圧低下検知部と、前記装置電源からバックアップ電源を生成するバックアップ電源部と、脱着可能な不揮発性のリムーバブルメモリーと、前記バックアップ電源部でバックアップされた電源により動作し前記リムーバブルメモリーのアクセスを制御する制御部と、前記リムーバブルメモリーの電源を制御するリムーバブルメモリー電源制御部と、バックアップ電源の電圧低下を検知するバックアップ電源電圧低下検知部と、前記バックアップ電源部と前記バックアップ電源電圧低下検知部との間に介在するバックアップ電源検知用スイッチ部と、前記装置電源のリセットの状態を記憶するリセットフラグ部と、前記リセットフラグ部からのフラグ状態信号と前記制御部からのマスク制御信号によりバックアップ電源検知用スイッチ部のスイッチを制御するリセットマスク部とを備えるリセット回路を用いたリセット方法であって、
前記制御部により、前記装置電源電圧低下検知部が前記装置電源の電圧低下を検知した後に前記リムーバブルメモリーの終了処理を行うステップを含む鉄道車上制御装置のリセット方法。
【符号の説明】
【0076】
11…装置電源、12…バックアップ電源部、13…装置電源電圧低下検知部、14…リムーバブルメモリー制御部、15…リセットフラグ部、16…リセットマスク部、17…バックアップ電源電圧低下検知部、18…リムーバブルメモリー、19…リムーバブルメモリー電源制御部、20…バックアップ電源検知用スイッチ部、21…回路部、101…低下検知信号、102…フラグ状態信号、103…低下検知信号、104…マスク制御信号、105…制御信号、106…フラグクリア信号、107…フラグクリア信号、108…ステップ、110…データ信号、120…バックアップ電源検知用スイッチ部、201…電源バックアップ範囲、300…コンピュータシステム、302…プロセッサ、302A、302B…処理装置、304…メモリ、306…メモリバス、308…I/Oバス、309…バスインターフェースユニット、310…I/Oバスインターフェースユニット、312…端末インターフェースユニット、314…ストレージインターフェース、316…I/Oデバイスインターフェース、318…ネットワークインターフェース、320…ユーザI/Oデバイス、322…ストレージ装置、324…表示システム、326…表示装置、330…ネットワーク、350…潜在因子特定アプリケーション