(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145425
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ランドリー機器の施錠制御方法、施錠制御装置、およびランドリーシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/30 20200101AFI20241004BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
D06F33/30
D06F95/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057767
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 麻日奈
(72)【発明者】
【氏名】野村 雅和
(72)【発明者】
【氏名】谷村 優
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AB24
3B167AC21
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA82
3B167BA91
3B167BA92
3B167HA07
3B167HA08
3B167HA16
3B167HA24
3B167HA25
3B167HA34
3B167HA54
3B167KA18
3B167KA32
3B167KA84
3B167LA08
3B167LA23
3B167LA35
3B167LA38
3B167LC01
3B167LC08
3B167LC09
3B167MA03
3B167MA08
3B167MA13
3B167MA19
(57)【要約】
【課題】ランドリー運転後のランドリー機器の開閉扉が勝手に開閉出来ないように延長して施錠を行うことができるランドリー機器の施錠制御方法、およびランドリーシステムを提供する。
【解決手段】店舗に設置された複数のランドリー機器を管理制御する管理装置によるランドリー機器の施錠制御方法であって、利用者端末を通して前記ランドリー機器を利用することができる状態において、前記利用者端末から、利用する前記ランドリー機器の開閉扉をランドリー運転後においても施錠し続ける延長施錠の指示を受付、前記延長施錠の指示の受付に応じて、延長施錠指令を前記ランドリー機器に向けて送信し、前記開閉扉の施錠を延長する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置された複数のランドリー機器を管理制御する管理装置によるランドリー機器の施錠制御方法であって、
利用者端末を通して前記ランドリー機器を利用することができる状態において、前記利用者端末から、利用する前記ランドリー機器の開閉扉をランドリー運転後においても施錠し続ける延長施錠の指示を受付、
前記延長施錠の指示の受付に応じて、延長施錠指令を前記ランドリー機器に直接または間接的に送信し、
前記開閉扉の施錠を延長する
ことを特徴とするランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項2】
前記延長施錠は、前記ランドリー機器が前記開閉扉を前記ランドリー運転後においても施錠し続け、前記ランドリー運転後から所定時間経過後に解錠する処理である
ことを特徴とする請求項1記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項3】
前記利用者端末から、前記延長施錠を中止させるための延長施錠解除の指示を受付、
前記延長施錠解除の指示の受付に応じて、解除指令を前記ランドリー機器に直接または間接的に送信して前記開閉扉の延長された施錠を解除する
ことを特徴とする請求項1記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項4】
前記利用者端末から該端末の位置を判定するための情報を受信して、前記利用者端末が前記店舗の許容距離内にあるか否かを判定し、
前記店舗の許容距離内にあると判定した場合、前記延長施錠を中止させるための解除指令を前記ランドリー機器に直接または間接的に送信する
ことを特徴とする請求項1記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項5】
店舗に設置された複数のランドリー機器の集中精算機によるランドリー機器の施錠制御方法であって、
前記ランドリー機器を使用する利用者から、使用中の前記ランドリー機器の開閉扉をランドリー運転後においても施錠し続け、前記ランドリー運転後から所定時間経過後に解錠する延長施錠の指示を受付、
前記延長施錠の指示の受付に応じて、延長施錠指令を前記ランドリー機器に向けて送信し、
前記開閉扉の施錠を延長する
ことを特徴とするランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項6】
前記延長施錠指令の送信に先立って、前記延長施錠の指示の受付に応じて、利用者にパスワードの入力または利用者の生体情報の入力を促し、入力された情報を第1認証情報として取得し、
前記第1認証情報と利用者が利用する前記ランドリー機器とを対応付け、
利用者から、前記延長施錠を中止させるための延長施錠解除の指示を受付、
前記延長施錠解除の指示の受付後、利用者に認証情報の入力を促し、入力された認証情報を第2認証情報として取得し、
前記第1認証情報と前記第2認証情報とが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合、前記第1認証情報と対応付けられたランドリー機器に解除指令を直接または間接的に送信して前記開閉扉の延長された施錠を解除する
ことを特徴とする請求項5記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項7】
前記ランドリー機器は、前記ランドリー運転が終了して前記延長施錠が継続している間、前記ランドリー機器が前記ランドリー運転中であることを利用者に報知する
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項8】
前記延長施錠を実行するための利用料金を利用者に提示し、
前記利用料金の決済の完了に応じて、前記延長施錠指令を送信する
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項記載のランドリー機器の施錠制御方法。
【請求項9】
店舗に設置されたランドリー機器を制御する施錠制御装置であって、
利用者端末を通して前記ランドリー機器を利用することができる状態において、前記利用者端末から、利用する前記ランドリー機器の開閉扉をランドリー運転後においても施錠し続ける延長施錠の指示を受付る受付部
を備えることを特徴とする施錠制御装置。
【請求項10】
ランドリー機器の施錠制御を行うランドリーシステムであって、
利用者端末と、
前記ランドリー機器を管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
利用者端末を通して前記ランドリー機器を利用することができる状態において、前記利用者端末から、利用する前記ランドリー機器の開閉扉を前記ランドリー運転後においても施錠し続ける延長施錠の指示を受付、
前記延長施錠の指示の受付に応じて、延長施錠指令を前記ランドリー機器に向けて送信し、
前記ランドリー機器は、
前記開閉扉の施錠を延長する
ことを特徴とするランドリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、少なくとも洗濯乾燥、又は洗濯、又は乾燥を行うランドリー機器の施錠制御方法、およびランドリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ランドリー機器は、洗濯や乾燥がなされる衣類やタオル類等の洗濯物を収容するドラムへ投入口し、その投入口を閉塞可能な開閉扉を閉じて、設定したランドリー運転(洗濯乾燥、又は洗濯、又は乾燥)を行う構成となっている。ランドリー機器が稼働中は回転するドラムへの接触を防止するために、開閉扉にはオープン出来ないように施錠(ロック)するロック装置が設けられていた。開閉扉の施錠は、ランドリー機器の運転後に解除される。
【0003】
ランドリー施設においては、ランドリー機器の利用率が年々向上しており、利用者がランドリー機器を入店直後に利用できない状況になることもある。このような状況であると、次の利用者が既に運転を終了しているランドリー機器の開閉扉を開き、前の利用者の洗濯物を勝手に取り出してしまうという行為が行われる場合がある。自身の洗濯物を他者に見られる、または触られることに抵抗感を持つ者は少なくない。このため、ランドリー運転が終了するまで、利用者がランドリー施設から離れられないという状況がランドリー施設の利用が敬遠される一因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、ランドリー運転後のランドリー機器の開閉扉が勝手に開閉出来ないように延長して施錠を行うことができるランドリー機器の施錠制御方法、およびランドリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態におけるランドリー機器の施錠制御方法は、店舗に設置された複数のランドリー機器を管理制御する管理装置によるランドリー機器の施錠制御方法であって、利用者端末を通して前記ランドリー機器を利用することができる状態において、前記利用者端末から、利用する前記ランドリー機器の開閉扉をランドリー運転後においても施錠し続ける延長施錠の指示を受付、前記延長施錠の指示の受付に応じて、延長施錠指令を前記ランドリー機器に向けて送信し、前記開閉扉の施錠を延長することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係るコインランドリーシステムの構成を示す図である。
【
図2】ランドリー機器の概略構成を示す正面図である。
【
図3】ランドリー機器の概略構成を示す斜視図である。
【
図4】ランドリー機器の制御系を示すブロック図である。
【
図5】集中精算機の制御系を示すブロック図である。
【
図6】第1の実施形態に係る管理装置の制御系を示すブロック図である。
【
図8】ランドリー機器が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】集中精算機が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】第1の実施形態に係る管理装置が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】第1の実施形態に係る携帯端末が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】延長施解錠処理を実行するか否かを利用者に選択させる選択画面を示す図である。
【
図13】第1の実施形態に係る携帯端末を操作して延長施解錠処理を行う際のコインランドリーシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図14】延長施錠の解除を実行するか否かを利用者に選択させる選択画面を示す図である。
【
図15】集中精算機を操作した場合の延長施解錠処理を示すフローチャートである。
【
図16】第2の実施形態に係るコインランドリーシステムの構成を示す図である。
【
図17】第2の実施形態に係る管理装置の制御系を示すブロック図である。
【
図18】第2の実施形態に係る管理装置が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図19】第2の実施形態に係る携帯端末が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図20】第2の実施形態に係る携帯端末を操作して自動解除指令送信処理を行う際のコインランドリーシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態の詳細について説明する。なお、以降の説明においては、ランドリー機器において投入口が設けられた側を正面側とする。
【0009】
(コインランドリーシステム1)
本実施形態に係るランドリー機器のロック制御方法を実行するコインランドリーシステムの構成について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るコインランドリーシステムの構成を示す図である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係るコインランドリーシステム1は、コインランドリー店舗CLに設置された複数のランドリー機器10と、集中精算機20と、管理装置30と、携帯端末40と、ゲートウェイ50と、を有する。
【0011】
集中精算機20は、タッチパネルディスプレイ等のタッチパネル21や、現金処理機、クレジットカード読取機等の精算部22を有する。集中精算機20は、コインランドリー店舗CLに設置される多数のランドリー機器10と通信可能に接続されており、それらの操作設定(使用するランドリー機器の選択、コース選択、支払い方法の選択等)、利用料金決済、ランドリー機器10の動作状態の取得等を実行する。
【0012】
また、集中精算機20は、ゲートウェイ50、ネットワークNWを介してサーバ装置等により構成される管理装置30に通信可能に接続されている。集中精算機20は、ランドリー機器10の状態を見て、若しくはランドリー機器10からの指示にて、利用者が使用できる状態を提供する。
【0013】
管理装置30は、ネットワークNWおよびゲートウェイ50を介して各ランドリー機器10や集中精算機20と通信可能に接続されている。管理装置30は、ネットワークNWを介して1つ又は複数のコインランドリー店舗CLの管理を行うことが出来る。管理装置30はまた、ネットワークNWを介して携帯端末(利用者端末とも言う)40と接続される。
【0014】
管理装置30は、本実施形態に係るランドリーアプリケーション(以後、ランドリーアプリと称する)を運営および管理する。ランドリーアプリは、例えば、アプリケーションマーケットを通じてダウンロードされ、インストールされる。管理装置30は、ネットワークNW及びゲートウェイ50を介して直接または間接的にコインランドリー店舗CL内のランドリー機器10や集中精算機20を制御する。なお、ここでの「間接的に制御する」とは、例えば管理装置30からの指令を集中精算機20に送信し、集中精算機20がランドリー機器10を制御することである。
【0015】
携帯端末40は、利用者が所有するスマートフォン又はタブレット等の情報処理装置であり、タッチパネルディスプレイ等のタッチパネル41を有する。携帯端末40は、ランドリーアプリを起動することでネットワークNWを介して管理装置30にアクセスし、利用者はタッチパネル41に表示されるガイダンスに従ってランドリー機器10の利用予約、操作設定等することができる。
【0016】
ゲートウェイ50は、ランドリー機器10及び集中精算機20に対して通信可能に接続され、携帯端末40からの信号を受けた管理装置30からの指令を受けて、ランドリー機器10の制御を行う。なお、本実施形態においては管理装置30とゲートウェイ50とを別装置としているがこれに限定するものではなく、これら装置の機能を含む1つの装置を用いるようにしても良い。
【0017】
(ランドリー機器の装置構成)
本実施形態に係るランドリー機器の装置構成について説明する。
図2は、ランドリー機器の概略構成を示す正面図、
図3はその斜視図である。なお、
図3においては、ランドリー機器10の開閉扉13が開放された状態が示されている。
【0018】
図2及び
図3に示すように、本実施形態に係るランドリー機器10は、筐体11と、ドラム12と、開閉扉13と、レバーハンドル14と、操作パネル15と、ロック装置16(
図4参照)とを備え、衣類やシーツなどを含む洗濯物(対象物)を洗濯乾燥する洗濯乾燥機である。なお、ランドリー機器10は、洗濯物の洗濯のみを行う洗濯機、または、洗濯物の乾燥のみを行う乾燥機であっても良い。
【0019】
筐体11は、全体として、内部に収容空間を画成する略直方体状に形成され、筐体11における正面側の面には収容空間と外部とを連通する略円形状の開口である投入口OPが形成される。ドラム12は、一端部が開放された略円筒状に形成され、投入口OPから対象物をドラム12内に出し入れ可能に、筐体11の内部に配置される。
【0020】
開閉扉13は、投入口OPを閉塞可能な略円盤状に形成され、不図示のヒンジ機構を介して、筐体11における投入口OPの右側端部近傍(
図2中右側)に接続される。レバーハンドル14は、開閉扉13の左側端部に取り付けられ、ランドリー機器10のユーザによる開閉扉13の開閉に用いられる。ロック装置16(
図4参照)は、筐体11における投入口OPの左側縁部近傍(
図2中左側)に設けられ、レバーハンドル14と協働して開閉扉13を施解錠する。例えば、ロック装置16は、後に詳述する制御部17(
図4参照)からの制御指示に応じて、レバーハンドル14を回転不能に固定することで開閉扉13の施錠や、当該施錠の解除(解錠)を行う。ロック装置16は、公知のもを用いればよく、ここでの詳細な構造の説明は省略する。
【0021】
操作パネル15は、ランドリー機器10の運転に係る操作を行うためのユーザインターフェイスであり、筐体11の正面側の面の上部に設けられる。操作パネル15は、ボタン群151と表示部152とを有する。ボタン群151は、ランドリー機器10に複数設定された運転種別をユーザが選択するための入力装置であり、複数の押ボタンにより構成される。表示部152は、ランドリー機器10の状態をユーザに提示するための出力装置であり、ディスプレイとして構成される。なお、ボタン群151及び表示部152は、例えば、集中精算機20のような、複数のランドリー機器10に接続された装置に設けられても良い。
【0022】
次に、ランドリー機器10、集中精算機20、管理装置30、携帯端末40の制御系及び機能について詳細に説明する。
図4は、ランドリー機器の制御系を示すブロック図である。
図5は、集中精算機の制御系を示すブロック図である。
図6は、管理装置の制御系を示すブロック図である。
図7は、携帯端末の制御系を示すブロック図である。
図8は、ランドリー機器が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
図9は、集中精算機が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
図10は、管理装置が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
図11は、携帯端末が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
(制御系:ランドリー機器)
先ず、ランドリー機器10の制御系について説明する。
【0024】
図4に示すように、ランドリー機器10は、更に、制御部17、温度センサ181、水位センサ182、開閉センサ183、駆動モータ184、給水弁185、排水弁186、ファン187、加熱ユニット188、通信ポート189、及びランプ19を備える。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)171、ROM(Read Only Memory)172、RAM(Random Access Memory)173を有し、CPU171、ROM172、RAM173が協働することによって、後述する各種機能が実現される。
【0025】
制御部17は、温度センサ181、水位センサ182、開閉センサ183による検知結果を取得し、駆動モータ184、給水弁185、排水弁186、ファン187、加熱ユニット188、ロック装置16を制御する。また、制御部17は、操作パネル15への操作により、ランドリー機器10の運転に係る指示を取得するとともに、ランドリー機器10の運転に係る情報をユーザに提示する。
【0026】
温度センサ181は、ランドリー機器10内の温度を検知する。水位センサ182は、ドラム12内の水位を検知する。開閉センサ183は、開閉扉13の開閉を検知する。駆動モータ184は、ドラム12を回転させる。給水弁185は、ドラム12に給水するための給水路を開閉する。排水弁186は、ドラム12から排水するための排水路を開閉する。ファン187は、ドラム12内に空気を流入させる。加熱ユニット188は、ファン187によりドラム12内に流入される空気を加熱する。通信ポート189は、集中精算機20と、ゲートウェイ50との通信を行うためのインタフェースである。
【0027】
制御部17は、水位センサ182に検知された水位が設定水位となるように給水弁185を開放し、給水されたドラム12を駆動モータ184により回転させることにより対象物を洗濯し、洗濯後の汚水がドラム12から排出されるように排水弁186を開放する洗濯運転制御処理を行う。また、制御部17は、温度センサ181による検知温度が設定温度となるようにファン187及び加熱ユニット188を制御するとともに、駆動モータ184によりドラム12を回転させる乾燥運転制御処理を行う。なお、以降の説明においては、洗濯運転制御処理及び乾燥運転制御処理を区別せず、これらをランドリー運転と総称する。更に、制御部17は、ランドリー運転中にロック装置16を制御することにより開閉扉13の施錠を行い、後述する延長施錠指令を取得していない状態(通常状態)では、ランドリー運転終了後に開閉扉13の解錠を行う。また、後述するように、通信ポート189を介して取得した延長施錠指令や延長施錠解除指令に基づいて、ランドリー運転終了後においてもロック装置16を制御して開閉扉13の施錠を継続させる延長施解錠処理を行う。
【0028】
また、制御部17は、ランプ19を制御して表示色の変更、点灯、消灯、明滅等の発光パターンの変更などを制御する。また、表示部152の表示色や発光パターンを変更するようにしてもよい。ランプ19は、ランドリー機器10の状態を利用者に報知するためのものであり、LEDを有するフリッカランプなどを含む。例えばランプ19は、ランドリー運転前の操作中、使用中(ランドリー運転中)、利用者が使用可能な状態等で表示色の変更がなされる。本実施形態においては、後述する延長施錠中には使用中と同じ表示色、発光パターンに制御される。
【0029】
(制御系:集中精算機)
次に、集中精算機20の制御系について説明する。
【0030】
図5に示すように、集中精算機20は、更に、通信ポート23、及び制御部24を備える。制御部24は、CPU241、ROM242、RAM243を有し、これらが協働することによって、後述する各種機能が実現される。
【0031】
タッチパネル21は、利用者へのガイダンスを表示する。タッチパネル21は、例えばタッチパネルディスプレイであり、操作ガイダンスに従って表示される選択メニューを利用者が指でタッチして選択できるようになっている。メニューは、洗濯・乾燥コースの選択メニュー、利用料金を支払う精算メニュー、本実施形態に係る延長施錠や延長施錠の解除を指示するための施解錠メニューなどがある。
【0032】
精算部22は、タッチパネル21においてコース及び精算が選択された際に、コースに応じたランドリー運転の利用料金の精算を行う。精算部22は、例えば現金精算のための紙幣入金部、硬貨入金部、つり銭出金部を備える。さらに、精算部22は、電子マネーによる精算方式として、プリペイドカードによる精算のためのプリペイドカードリーダライタ、電子マネーアプリケーションによる精算のためのバーコードリーダ、ICカードによる精算のためのICカードリーダライタを備えていてもよい。利用者は、表示部211の操作ガイダンスに従って、現金精算、プリペイドカード精算、電子マネーアプリケーション精算、ICカード精算のいずれかを選択することができる。ICカードは、例えば、クレジットカード、交通系又は流通系の電子マネーカードなどである。
【0033】
通信ポート23は、ランドリー機器10との通信、及びゲートウェイ50を介した通信を行うためのインタフェースである。
【0034】
制御部24は、利用者によりタッチパネル21に表示された各種メニューの選択に応じて、利用料金のタッチパネル21への表示、精算部22による精算がなされたか否かの判定、精算がなされた場合にランドリー機器10にランドリー運転を実行させる通知のランドリー機器10への送信等を行う。
【0035】
(制御系:管理装置)
次に、管理装置30の制御系について説明する。
【0036】
図6に示すように、管理装置30は、データベース31、通信ポート32、及び制御部33を備える。制御部33は、CPU331、ROM332、RAM333を有し、これらが協働することによって、後述する各種機能が実現される。
【0037】
データベース31は、コインランドリー店舗CLを利用するユーザの情報を記憶するユーザ情報テーブル311の他、利用者毎に利用履歴を記憶する履歴情報テーブル、獲得したポイント数とポイントランクを管理するポイント管理テーブル等(いずれも図示せず)が格納されている。
【0038】
通信ポート32は、携帯端末40との通信、ネットワークNWを介したゲートウェイ50との通信を行うためのインタフェースである。
【0039】
(制御系:携帯端末)
次に、携帯端末40の制御系について説明する。
【0040】
図7に示すように、携帯端末40は、タッチパネル41、通信ポート42、制御部43を備える。制御部43は、CPU431、ROM432、RAM433を有し、これらが協働することによって、後述する各種機能が実現される。
【0041】
タッチパネル41は、利用者へのガイダンスを表示する。タッチパネル41は、例えばタッチパネルディスプレイであり、操作ガイダンスに従って表示されるメニューを利用者が指でタッチして選択できるようになっている。メニューには、洗濯・乾燥コースの選択メニュー、利用料金を支払う方法の選択と決済処理の精算メニュー、本実施形態に係る延長施錠の応答、解錠を指示するための施解錠メニューなどがある。利用者は携帯端末40または集中精算機20のいずれかを操作することにより、ランドリー機器10のランドリー運転や延長施解錠処理の実行を指示できる。
【0042】
携帯端末40での精算メニューとしては、電子マネーやランドリー機器10の利用に使用可能なポイントによる精算方式、ネットバンクを利用した銀行振り込み方式、クレジットカード情報を入力することによるクレジットカード払い方式などが挙げられる。
【0043】
通信ポート42は、管理装置30とネットワークNWを介した通信を行うためのインタフェースである。
【0044】
制御部43は、利用者によりタッチパネル41に表示された各種メニューの選択に応じて、利用料金のタッチパネル41への表示、管理装置30への利用料金の支払い、精算がなされた場合にランドリー機器10にランドリー運転を実行させる指示を管理装置30へ送信する。また、制御部43は、後述するように、延長施錠指示(延長施錠の指示に関する情報)や延長施錠解除指示を管理装置30に送信する。
【0045】
(機能構成:ランドリー機器)
次に、ランドリー機器10が有する制御部17の機能構成について説明する。
【0046】
図8に示すように、制御部17は、運転条件や、延長施錠指示、延長施錠解除指示を取得する取得部101、各種判定を行う判定部102、ロック装置16を制御して開閉扉13の施解錠を行うロック制御部103、延長施錠中であることを他の利用者に報知する報知部104、運転条件に基づくランドリー運転を行う運転制御部105を機能として備える。これら機能は、ランドリー機器10にランドリー機器制御プログラムが組み込まれることにより実現される。
【0047】
(機能構成:集中精算機)
次に、集中精算機20が有する制御部24の機能構成について説明する。
【0048】
図9に示すように、制御部24は、運転コースや料金、後述する延長施錠ボタン、解除ボタン等をタッチパネル21に表示する表示部201、後述する認証情報を取得する取得部202、各種判定を行う判定部203、及びランドリー機器10等との通信を行う通信部204を機能として備える。これら機能は、集中精算機20にランドリー機器制御プログラムが組み込まれることにより実現される。
【0049】
(機能構成:管理装置)
次に、管理装置30が有する制御部33の機能構成について説明する。
【0050】
図10に示すように、制御部33は、延長施錠指示を取得する取得部301と、ユーザ情報テーブル311に基づいて、延長施錠指示を送信した携帯端末40と紐付けられたコインランドリー店舗CL及びランドリー機器を検索する検索部302と、延長施錠指示に基づく延長施錠指令を送信する通信部303とを機能として有する。これら機能は、管理装置30にランドリー機器制御プログラムが組み込まれることにより実現される。
【0051】
(機能構成:携帯端末)
次に、携帯端末40が有する制御部43の機能構成について説明する。
【0052】
図11に示すように、制御部43は、延長施錠ボタンや解錠ボタンをタッチパネル41に表示する表示部401、各ボタンの選択に応じて延長施錠指示や延長施錠解除指示を送信する通信部402を機能として有する。これら機能は、携帯端末40にランドリー機器制御プログラムが組み込まれることにより実現される。当該プログラムはランドリーアプリに含まれていてもよい。
【0053】
(装置動作)
利用者がランドリー機器10を利用する際のコインランドリーシステム1の動作について説明する。先ず、携帯端末40とコインランドリー店舗CL及びランドリー機器10との紐付けについて説明する。
【0054】
利用者がコインランドリー店舗CLに入店して、ランドリー機器10を利用する場合、洗濯物を希望する空きランドリー機器10に収納する。そして、携帯端末40のランドリーアプリを起動する。管理装置30は、携帯端末40からのランドリーアプリの起動を受信すると、携帯端末40との間で通信を開始する。集中精算機20のタッチパネル21には、携帯端末40とコインランドリー店舗CLとの紐づけのための例えば1次元または2次元バーコード等の識別コードが表示されている。以下、識別コードとしてQRコード(登録商標)を例に説明する。ここでのQRコードは、店舗情報(店舗ID)および発生日付時刻等が公開鍵により暗号化されたものである。集中精算機20には、一定時間ごとに(例えば、1分)更新される暗号コード化されたQRコードが表示される。
【0055】
利用者は、携帯端末40のQR読取機能を用いてQRコードを読み取り、ランドリーアプリの秘密鍵にて復号化して、店舗情報および発生日付時刻を取得する。これにより、ランドリー機器10の利用日において、携帯端末40と管理装置30を介してコインランドリー店舗CLとの間が紐づけされる。即ち、携帯端末40と管理装置30との間の通信プロトコルに含まれるユーザ(利用者)を特定する情報に基づいて、携帯端末40と管理装置30との間のリンクが確立する。換言すれば、当該紐づけにより、携帯端末40を通してランドリー機器10を利用することができる状態、つまり携帯端末40上で洗濯物を収納済みである利用するランドリー機器10を選択等してランドリー運転を指示可能な状態となる。この紐付けされた情報は、ユーザ情報テーブル311においてユーザ情報として記憶されることが好ましい。なお、携帯端末40側でコインランドリー店舗CL内の機器情報、各機器のコース情報をシステムと同期して持っていなければ、取得した店舗情報と日付時刻を用いて管理装置30に対し問い合わせを行い、携帯端末40は同店舗内の機器情報、各機器のコース情報、機器運転状況等を取得する。
【0056】
管理装置30は、オーナー又は管理者等によって操作される不図示の管理端末と接続されている。管理装置30は、データベース31に記憶したユーザ情報テーブル311および利用履歴テーブル等を参照して、各ユーザを管理することができる。ユーザ情報テーブル311には、携帯端末4を固有に示す識別情報が含まれる。また、会員登録した利用者からのアクセスである場合、管理装置30はユーザ情報テーブル311を参照して会員チェックが実施される。会員チェックが正常に実施された場合、つまり会員チェックの結果、会員登録した利用者からのアクセスであると判定された場合には、会員用の画面を提供してスムーズな操作が可能である。
【0057】
タッチパネル21に表示されたQRコードが携帯端末40に読み込まれると、その後管理装置30から提供される画面からの入力操作により、携帯端末40を用いた各種処理ステップが実行される。処理ステップとしては、ランドリー機器10を選択する機器選択ステップや複数のコースから利用するコースを選択するコース選択ステップを含む運転条件設定ステップ、利用料金の支払い決済を行う決済ステップ、これらステップの受け付けの完了を受信する受付完了ステップ、コースに応じた運転が実行されて運転状況を受信する機器運転状況受信ステップ、選択したコースの終了が通知される終了通知ステップ等が随時実行される。これら処理ステップを経て取得される選択したランドリー機器10の情報や運転条件はユーザ情報テーブル311において携帯端末40と紐付けられることが好ましい。本実施形態においては、これら処理ステップについての詳細な動作の説明は省略する。
【0058】
本実施形態では、このようなコインランドリーシステム1において、ランドリー運転中に、利用者がコインランドリー店舗CLから離れる場合を想定し、延長施解錠処理(ランドリー機器の施錠制御方法)を実行することができる。本実施形態に係る延長施解錠処理は、使用中のランドリー機器10(利用するランドリー機器10)においてランドリー運転が終了した後に開閉扉13のロックが延長されて洗濯物が取り出せない状態とする。そして、設定したロック時間(延長施錠時間)経過後に当該ロックが自動で解除されて、ランドリー機器から洗濯物が取り出せるようになる。なお、延長施解錠処理によれば、ロック時間経過前にロック解除の操作を行うこともできる。
【0059】
(延長施解錠処理)
本実施形態に係る延長施解錠処理について説明する。
【0060】
図12は、延長施解錠処理を実行するか否かを利用者に選択させる選択画面を示す図である。本実施形態に係る延長施解錠処理は、上述したように携帯端末40とコインランドリー店舗CL(及び管理装置30)との紐付けが既になされた状態において実行される。延長施解錠処理では、携帯端末40において運転条件の入力時、つまり利用するランドリー機器10を選択後にタッチパネル41に表示される、例えば
図12(a)に示すコース選択の画面中に、符号411で示すような表示を行うことで「開閉扉のロック延長(延長施錠)が可能」であることを通知する。このように、利用者にロック延長が可能であることを事前に知らせておくとよい。コース選択では所用時間が分かるので、利用者はコインランドリー店舗CLを離れた場合の時間が計算できる。
【0061】
コース選択後、
図12(b)に示すように、例えばポップアップ形式でロック延長の設定を行うか否かを利用者に選択させる選択ウィンドウ412が表示され、ロック延長を行うか否かを利用者に選択させる。選択ウィンドウ412には、「はい」ボタン413、「いいえ」ボタン414がGUI(Graphical User Interface)として利用者に選択可能に表示される。これらボタンは施解錠メニューの一部であり、「はい」ボタン413が押下されたことをトリガとして以降に説明する延長施解錠処理が実行される。この「はい」ボタン413が上述した延長施錠ボタンとなる。
【0062】
なお、「いいえ」ボタン414が選択された場合には、ロック延長が設定されずに、選択したランドリー機器10でランドリー運転がなされる。この場合、当初はロック延長を必要としていなかったが、ランドリー運転中に急遽コインランドリー店舗CLを離れる必要が出てくる場合も想定される。このようなケースも対応可能なように、ランドリー運転中においてもロック延長の設定が可能となっている。つまり、ランドリー運転中においても携帯端末40を通して利用中のランドリー機器(利用するランドリー機器)を利用することができる状態であるため、携帯端末40を通して延長施錠の指示を行うことができる。換言すれば、選択されたランドリー機器10にてランドリー運転が実行中であり、携帯端末40にて機器運転状況を受信可能な状態において、当該使用中のランドリー機器10に対して延長施解錠処理を実行するか否かを再び選択する機会を得ることができる。
【0063】
具体的には、
図12(c)に示すように、携帯端末40にて、受信した機器運転状況の内容を確認する操作を行うと、タッチパネル41にはご利用状況として、例えばランドリー運転終了までの残り時間等が表示される。この画面において、ロック延長の選択ウィンドウ412が表示されるとよい。
【0064】
また、
図12(d)に示すように、利用者の操作に応じるのではなく、管理装置30が、携帯端末40にランドリー運転終了時間の例えば5分前(任意設定可)に「ロック延長を問合せ」のメッセージを送るようにしてもよい。この場合、利用者にこのままランドリー運転が終了すると開閉扉13が解錠されることを通知する確認ウィンドウ415がポップアップ形式でタッチパネル41に表示されると共に、選択ウィンドウ412が表示されるとよい。当該メッセージは、管理装置30がランドリー機器10の機器運転状況を取得した際に、ランドリー運転終了までの残り時間が予め記憶する所定の時間以下であるか否かを判定し、所定の時間以下であると判定した場合に1回または複数回送信されるとよい。また、管理装置30は、プッシュ通知(例えば、5分前)で、携帯端末40に同メッセージを通知しても良い。
【0065】
なお、上述した携帯端末40上での運転条件の設定入力や、運転状況の確認の操作は既存の技術を利用すればよく、ここでの詳細な説明は省略する。また、
図12に示される各種画面の表示は、上述した表示部401により実行される。
【0066】
(携帯端末を用いた延長施解錠処理)
図13は、本実施形態に係る携帯端末を操作して延長施解錠処理を行う際のコインランドリーシステムの動作を示すフローチャートである。
【0067】
先ず、上述したように
図12(a)又は
図12(b)に示される「はい」ボタン413が選択されると、携帯端末40の表示部401は当該選択を延長施錠の指示として受け付け、携帯端末40の通信部402は、当該選択に応じて延長施錠をランドリー機器10に実行させる延長施錠指示を含む信号をネットワークNWを介して管理装置30に送信し(S101)、管理装置30の取得部301はこれを取得(受付)する。
【0068】
なお、
図12(a)に示されるような運転条件の設定や決済を行う際に延長施錠ボタンが選択される場合、運転条件(携帯端末40の操作により既に入力されている)に基づくランドリー運転の開始を指示する機器運転開始信号と共に延長施錠指示が管理装置30に対して送信されることが好ましい。
【0069】
管理装置30の検索部302は、データベース31が有するユーザ情報テーブル311に基づいて、信号送信元の携帯端末4に紐付けられたコインランドリー店舗CLのゲートウェイ5、ランドリー機器10を検索し送信先として設定する。
【0070】
管理装置30の通信部303は、携帯端末4に紐付けられたランドリー機器10、つまり利用者が選択したランドリー機器10に対して延長施錠を実行させるための延長施錠指令を送信し(S102)、ゲートウェイ5はこれを受信する。なお、この延長施錠指令には携帯端末4に紐付けられたランドリー機器10を固有に示す識別情報が含まれている。延長施錠指令を受信したゲートウェイ5は、対象のランドリー機器10に対して延長施錠指令を通知し(S103)、ランドリー機器10の取得部101はこれを取得する。
【0071】
延長施錠指令を取得後、ランドリー機器10の判定部102は、機器運転開始信号により指示されたランドリー運転が終了したか否かを判定する(S104)。つまり、この延長施錠指令の取得は、ランドリー運転前(例えば機器運転開始信号と同時)やランドリー運転中になされる。この判定は、例えばランドリー運転開始から計時を開始し、選択されたコースの所要時間を経過したか否かなどによりなされる。ランドリー運転が終了していないと判定された場合(S104,NO)、再度ランドリー運転が終了したか否かが判定される。
【0072】
一方、ランドリー運転が終了したと判定された場合(S104,YES)、ランドリー機器10のロック制御部103は、ロック装置16による開閉扉13の施錠を継続する(S105)。つまり、ランドリー運転中においては開閉扉13がロック装置16により施錠された状態にあるため、延長施錠指令が取得されていれば当該施錠を継続するようロック装置16を制御、換言すれば、ランドリー運転終了後の開閉扉13の解錠を行わせない。
【0073】
施錠継続後、ランドリー機器10の報知部104は、ランプ19の表示色、発光パターンを維持させ、ランドリー運転中であることを他の利用者に報知する(S106)。これにより、他の利用者はランドリー機器10が未だにランドリー運転中で使用出来ない状態である事を、視覚的に認識することができる。なお、報知部104は、ランプ19と共に表示部152を制御してランドリー機器10が使用中であることを文字表示するようにしてもよい。なお、この時にコインランドリー店舗CLに対して他の利用者から複数のランドリー機器10のいずれかを利用するために各ランドリー機器10の機器運転状況の要求があった場合、報知部104はランドリー運転中であることを機器運転状況として通知することとなる。
【0074】
報知後、判定部102は、開閉扉13の施錠から所定の延長施錠時間経過したか否かを判定する(S107)。この判定は、例えば開閉扉13の延長施錠開始から計時を始め、予め設定された5分等の延長施錠時間が経過したか否かにより判定する。開閉扉13の施錠から延長施錠時間経過したと判定された場合(S107,YES)、ロック制御部103は、ロック装置16を制御して開閉扉13を解錠し(S108)、本処理は終了となる。
【0075】
この時、報知部104は、ランドリー運転が終了した場合と同様にランプ19の表示色、発光パターンを変更する。これにより、次の利用者はランドリー機器10が使用可能な状態である事を、視覚的に認識することができる。なお、報知部104は、ランプ19と共に表示部152を制御してランドリー機器10が使用可能であることを文字表示するようにしてもよい。
【0076】
一方、開閉扉13の施錠から延長施錠時間経過していないと判定された場合(S107,NO)、判定部102は、延長施錠解除指令が取得部101により取得されたか否かを判定する(S109)。延長施錠解除指令が取得部101により取得されていない場合(S109,NO)、ステップS107の処理に移行する。一方、延長施錠解除指令が取得部101により取得された場合(S109,YES)、ステップS108の処理に移行する。
【0077】
本実施形態に係る延長施錠解除指令は、延長施錠を解除して開閉扉13を解錠させるものであり、携帯端末4からの延長施錠解除の指示が送信されることで管理装置30により生成、送信される。
図14は、延長施錠の解除を実行するか否かを利用者に選択させる選択画面を示す図である。延長施錠指示の送信後、携帯端末4では、ランドリー機器10における機器運転状況の要求等行うことができるが、本実施形態においては更に、
図14(a)に示すような延長施錠の解除を行うか否かを選択する画面を表示することができる。
【0078】
具体的には、
図14(a)に示すように、延長施錠指示後、携帯端末40にて受信した機器運転状況を確認する操作を行うと、タッチパネル41にはご利用状況として、例えばランドリー運転終了までの残り時間等が表示される。この画面において、ロック延長の解除を設定するか否かを利用者に選択させるための選択ウィンドウ416が表示され、ロック延長の解除を行うか否かを利用者に選択させる。
【0079】
選択ウィンドウ416には、「はい」ボタン417、「いいえ」ボタン418がGUIとして利用者に選択可能に表示される。これらボタンは施解錠メニューの一部であり、この「はい」ボタン417が解錠ボタンとなり、選択されることで設定された延長施錠が実行される前に解除されることとなる。「いいえ」ボタン418が選択されると、延長施錠の設定は継続され、選択ウィンドウ416が表示されなくなる。
【0080】
なお、ロック延長に移行した状態、つまり延長施錠指令が送信されてランドリー機器10においてランドリー運転終了後に開閉扉13の施錠が延長された場合、
図14(b)に示すように、受信した機器運転状況を確認する操作を行うと、ロック延長の残り時間がタッチパネル41に表示されると共に、今すぐロック延長を解除するか否かを利用者に選択させる選択ウィンドウ419が表示されることが好ましい。選択ウィンドウ419は、表示される利用者への通知が異なるのみで、「はい」ボタン417、「いいえ」ボタン418の表示は選択ウィンドウ416と共通する。なお、ロック延長の残り時間は、ランドリー機器10または管理装置30において、延長施錠の開始からの経過時間を計時しており、その計時結果を機器運転状況の通知に含めればよい。
【0081】
選択ウィンドウ416,419において、「はい」ボタン417が選択されると、
図13に戻り、当該選択に応じて、携帯端末40の通信部402は、延長施錠の解除をランドリー機器10に実行させる延長施錠解除指示を含む信号をネットワークNWを介して管理装置30に送信し(S201)、管理装置30の取得部301はこれを取得(受付)する。
【0082】
管理装置30の検索部302は、データベース31が有するユーザ情報テーブル311に基づいて、信号送信元の携帯端末4に紐付けられたコインランドリー店舗CLのゲートウェイ5、ランドリー機器10を検索し、送信先として設定する。
【0083】
管理装置30の通信部303は、携帯端末4に紐付けられたランドリー機器10、つまり利用者が選択したランドリー機器10に対して延長施錠の解除を実行させるための延長施錠解除指令をゲートウェイ5に送信し(S202)、ゲートウェイ5はこれを受信する。この延長施錠解除指令には、携帯端末4に紐付けられたランドリー機器10を固有に示す識別情報が含まれている。延長施錠解除指令を受信したゲートウェイ5は、対象のランドリー機器10に対して延長施錠解除指令を通知し(S203)、ランドリー機器10の取得部101はこれを取得する。延長施錠解除指令を取得後、ステップS107の判定処理が行われることとなり、延長施錠時間経過していなければ、ステップS109の判定処理が行われてYES判定となり、ステップS108の処理が実行される。
【0084】
(集中精算機を用いた延長施解錠処理)
次に、集中精算機20を操作することにより延長施解錠処理が実行される場合を説明する。
図15は、集中精算機を操作した場合の延長施解錠処理を示すフローチャートである。集中精算機20においては、携帯端末40の場合と同様に
図12(b)に示される選択ウィンドウ412がタッチパネル21に表示され、延長施錠ボタンが選択されることをトリガとして集中精算機を用いた延長施解錠処理が実行される。つまり、当該延長施解錠処理は、運転条件等が取得された状態で実行される。
【0085】
先ず、上述したように
図12(b)に示される「はい」ボタン413が選択されると、集中精算機20の表示部201は、当該選択を延長施錠の指示として受け付け、これに応じて利用者の認証情報の入力欄をタッチパネル21に表示する(S301)。表示後、集中精算機20の取得部202は、入力欄に入力された認証情報(第1認証情報)を取得し、予め利用者により選択されているランドリー機器10と対応付けてRAM243等の記憶装置に記憶する。(S302)。ここでの認証情報は、利用者のパスワード入力である。その他、集中精算機20において生体情報を読み取るリーダ装置が設けられている場合は、利用者の指紋や虹彩による認証を行うようにしてもよい。なお、ランドリー機器10は複数あるため、集中精算機20は、ランドリー機器10毎に認証情報を対応付け、リスト化して記憶することとなる。
【0086】
認証情報取得後、表示部201は、予め取得されている運転条件に応じた利用料金をタッチパネル21に表示し、集中精算機20の判定部203は精算部22に対して利用料金の投入が行われたか否かの判定を行うことで、利用料金の決済が行われる(S303)。
【0087】
決済後、集中精算機20の通信部204は、運転条件を含む機器運転開始信号と共に延長施錠指令の信号を、ランドリー機器10(選択されたランドリー機器10)に送信し(S304)、当該ランドリー機器10に機器運転開始信号に基づくランドリー運転を実行させる(S305)。ランドリー運転が開始された後のS104~S109の処理ステップは
図13を参照して説明した処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0088】
延長施錠指示送信後、表示部201は、
図14に示されるような延長施錠の解除を行うか否かを選択する選択画面をタッチパネル21に表示し、「はい」ボタン417といった解錠ボタンが選択された場合、当該選択を延長施錠解除の指示として受け付け、再び利用者の認証情報の入力欄をタッチパネル21に表示する(S306)。なお、表示部201は、例えば集中精算機20の基本画面において表示されるオプションボタンが選択された場合に選択画面を表示してもよい。
【0089】
入力欄の表示後、取得部202は、入力欄に入力された認証情報(第2認証情報)を取得し(S307)、判定部203は、取得された認証情報と、記憶装置に記憶された認証情報とが一致するか否かの判定を行う(S308)。認証情報が一致しない場合(S308,NO)、表示部201はエラーをタッチパネル21に表示し、再度認証情報の入力を促すことでステップS307に移行する。
【0090】
一方、認証情報が一致する場合(S308,YES)、通信部204は、認証情報に紐付けられたランドリー機器10に延長施錠解除指令を送信し(S309)、本処理は終了となる。
【0091】
なお、本フローにおいては、運転条件の入力操作に続けて延長施錠ボタンを表示し、利用者による延長施錠ボタンの選択に応じて延長施錠指令をランドリー機器10に送信、つまりランドリー機器10のランドリー運転前に延長施錠指示を送信している。しかしながら、これに限定するものではない。携帯端末40の場合と同様、ランドリー機器10のランドリー運転中、つまり機器運転開始信号送信後に、別途延長施錠を設定できるようにしてもよい。このようにすることで、ランドリー機器10を利用中に、コインランドリー店舗CLを離れる必要が急に生じた場合にも延長施錠を設定でき、柔軟な対応が可能となる。
【0092】
この場合、集中精算機20のタッチパネル21には、基本画面において延長施錠ボタンが選択可能に表示され、当該ボタンの選択に応じてステップS301、S302、S304の処理が実行され、ランドリー機器10においては延長施錠指令受信後にステップS105の処理が実行されることとなる。
【0093】
以上に説明した本実施形態によれば、ランドリー機器10のランドリー運転が終了した後も開閉扉13の施錠を延長させることができるため、他の利用者が勝手に運転終了後のランドリー機器内の洗濯物や乾燥物を取り出すといった事態を防止することができる。また、延長施錠は延長施錠時間経過後に自動で解除されるため、延長施錠を指示した利用者が長時間ランドリー機器10内の洗濯物や乾燥物を取り出さずに放置するといった事態を防止することができ、ランドリー機器10の稼働効率の減少を回避することができる。
【0094】
なお、本実施形態においては、携帯端末40を操作して延長施錠を行う際には別途延長施錠の利用料金は発生しないとしているが、これに限定するものではない。例えば、ランドリーアプリを用いた精算が必要としてもよい。この場合、例えばランドリー運転前の段階では、
図12(b)に示される選択ウィンドウ412において、延長施錠を行うには利用料金(例えば100円)が追加で請求されることが表示部401により表示される。延長施錠設定後、決済ステップ時に、運転条件に応じた利用料金総額に対して延長施錠分の料金が上乗せ表示されることとなる。決済ステップにおいて「コード決済」や「クレジットカード決済」、「キャリア決済」などにより決済が滞りなく実行された場合、ステップS101の延長施錠指示が機器運転開始信号に含まれて送信される。
【0095】
一方、ランドリー運転中の段階では、
図12(c)や
図12(d)に示される選択ウィンドウ412において、延長施錠を行う場合には利用料金(例えば100円)が追加で請求されることが表示部401により報知される。延長施錠設定後、延長施錠の利用料金のみの決済ステップが実行され、決済が滞りなく実行された場合、ステップS101の延長施錠指示が送信される。
【0096】
同様に、集中精算機20を操作して延長施錠を行う際にも別途利用料金を発生させてもよい。この場合、集中精算機20においては、ステップS303の決済の処理時、利用料金総額に延長施錠の利用料金も合算されることとなる。また、ランドリーアプリの会員である場合には利用料金が必要ないものの、集中精算機20での操作を行う場合のみ利用料金が必要となるようにしてもよい。
【0097】
図12(a)~
図12(d)の例では、延長施錠の時間(延長施錠時間)として5分が設定されているが、これに限定するものではなく、3分や10分、15分、30分などのより短い時間、より長い時間であってもよく、任意に設定可能である。この場合、選択ウィンドウ412においては「はい」ボタン413に代えて、例えば5分延長ボタン、10分延長ボタン、20分延長ボタン等の複数の施錠延長時間を提示して選択させるようにする。また、この延長施錠時間を利用者が自由に設定可能としてもよく、この場合、希望する延長施錠の時間を入力する入力欄をタッチパネル21,41に表示する。管理装置30や集中精算機20は、このような延長施錠時間の入力や、複数の延長ボタンの選択に応じて取得した延長施錠時間の情報を延長施錠指令に含め、ランドリー機器10は当該指令に応じた時間、延長施錠を実行すればよい。また、ランドリー運転中であれば、延長施錠を再設定(設定した延長施錠を解除して再度設定する)可能とし、利用者の利便性を向上させてもよい。
【0098】
また、ランドリー機器10は、延長施錠が自動解除、つまり延長施錠時間経過後に開閉扉13が解錠された場合、管理装置30及びゲートウェイ50を介して携帯端末40に延長施錠が終了したことを示す情報、例えばランドリーアプリが強制的に立ち上がり、文字及び/又は音声により延長施錠が終了したことを報知するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態においては、延長施錠を行うか否かを利用者が選択可能としていたが、デフォルトで延長施錠が実行されるようにしてもよい。この場合、延長施錠指示は機器運転開始信号に自動的に含まれてステップS101~S110の処理が実行されることとなる。なお、ステップS101~S104の処理が省かれて、ランドリー機器10においてステップS105~S110の処理が自動的に実行されるようにしても良い。
【0100】
<第2の実施形態>
本実施形態においては、携帯端末40の利用者がコインランドリー店舗CLから退店し、再び来店した際に延長施錠解除指示が自動で送信される形態を説明する。
【0101】
図16は、本実施形態に係るコインランドリーシステムの構成を示す図である。
図17は、本実施形態に係る管理装置の制御系を示すブロック図である。
図18は、本実施形態に係る管理装置が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
図19は、本実施形態に係る携帯端末が有する制御部の機能構成を示すブロック図である。
【0102】
図16に示すように、本実施形態に係るコインランドリーシステム1Aは、更に測位装置60を備え、管理装置30及び携帯端末40に代えて、管理装置30A及び携帯端末40Aを備える点で第1の実施形態に係るコインランドリーシステム1と異なる。
【0103】
測位装置60は、コインランドリー店舗CL毎に設置され、固有の識別情報である店舗IDを含むビーコン信号を、所定の範囲に近距離無線通信により発信する。この近距離無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以後、BLEと称する)を用いることが好ましい。BLEを用いることにより、低消費電力で発信できるとともに、設置場所に応じて電波強度(受信強度)および発信間隔を適宜調整することもできる。また、測位装置60をゲートウェイ50に対して通信可能に無線または有線接続させ、ゲートウェイ50を介して管理装置30Aと通信させて、管理装置30Aによりビーコン信号の発信を制御するようにしてもよい。
【0104】
図17に示すように、管理装置30Aは、データベース31に更に位置情報テーブル312を記憶する点で第1の実施形態に係る管理装置30と異なる。位置情報テーブル312は、ビーコン信号に含まれる店舗IDとコインランドリー店舗CLを固有に示す識別情報とが紐付けられている。
【0105】
また、
図18に示すように、管理装置30Aは位置判定部304を機能として更に備える点で第1の実施形態に係る管理装置30と異なる。位置判定部304は、携帯端末40から取得する受信結果情報から、位置情報テーブル312を参照して携帯端末40がコインランドリー店舗CL内にいるか否かの判定を行う。
【0106】
また、
図19に示すように、携帯端末40Aは信号取得部403及び信号判定部404を機能として更に備える点で第1の実施形態に係る携帯端末40と異なる。また、携帯端末40Aの通信ポート42はビーコン信号を受信可能に構成される。信号取得部403は、通信ポート42を介してビーコン信号を取得する。信号判定部404は、信号取得部403がビーコン信号を取得したか否かを判定する。
【0107】
(自動解除指令送信処理)
以下、本実施形態に係るコインランドリーシステム1Aによる自動解除指令送信処理について説明する。
図20は、本実施形態に係る携帯端末を操作して自動解除指令送信処理を行う際のコインランドリーシステムの動作を示すフローチャートである。この処理は、延長施錠指示を管理装置30Aに対して送信したことをトリガとして実行される。また、自動解除指令送信処理は、一度実行されると、延長施錠解除指令が管理装置30Aから送信されるまで一定周期で実行されるものとする。
【0108】
先ず
図20に示すように、携帯端末40Aの信号判定部404は、測位装置60からのビーコン信号を信号取得部403が取得したか否かを判定する(S401)。ビーコン信号を取得した場合(S401,YES)、信号取得部403はビーコン信号に含まれる店舗IDを取得し(S402)、通信部402は店舗IDを受信結果情報(端末の位置を判定するための情報)として管理装置30Aに送信する(S403)。一方、ビーコン信号を取得していない場合(S401,NO)、通信部402はビーコン信号を受信していないことを示す情報を受信結果情報として管理装置30Aに送信する(S403)。
【0109】
送信後、管理装置30Aの取得部301は受信結果情報を取得し、検索部302は携帯端末40Aと紐付けられているコインランドリー店舗CLを検索し、当該検索結果と受信結果情報と位置情報テーブル312とに基づいて、位置判定部304は携帯端末40Aが紐付けられたコインランドリー店舗CL内にあるか否かを判定する(S404)。
【0110】
具体的には、受信結果情報に店舗IDが含まれていなければ携帯端末40Aの位置は紐付けられたコインランドリー店舗CLの店舗外にあるとNO判定される。また、受信結果情報に店舗IDが含まれており、店舗IDが示すコインランドリー店舗CLが携帯端末40Aに紐付けられたコインランドリー店舗CLと一致する場合は携帯端末40Aの位置は紐付けられたコインランドリー店舗CLの店舗内にあるとYES判定される。一方、受信結果情報に店舗IDが含まれていても、店舗IDが示すコインランドリー店舗CLが携帯端末40Aに紐付けられたコインランドリー店舗CLと一致しない場合は携帯端末40Aの位置は紐付けられたコインランドリー店舗CLの店舗外にあるとNO判定される。なお、ここではビーコン信号の受信の有無で携帯端末40Aが店舗内であるか否かを判定するため、詳細には測位装置60から所定距離以内であるか否か(換言すれば、携帯端末40Aが店舗の許容範囲内にあるか否か)が判定され、この所定距離以内である場合に携帯端末40Aが店舗内に位置すると判定されることとなる。
【0111】
携帯端末40Aが紐付けられたコインランドリー店舗CL内にないと判定された場合(S404,NO)、信号判定部404は携帯端末40Aが紐付けられたコインランドリー店舗CLから退店していることを示す退店フラグをONに設定(既にONである場合はONを維持)し、本処理が終了となる。なお、所定時間後に再び自動解除指令送信処理が開始、つまりステップS401の処理が実行される。
【0112】
携帯端末40Aが紐付けられたコインランドリー店舗CL内にあると判定された場合(S404,YES)、位置判定部304は、退店フラグがOFFとなっているか否かを判定する(S406)。つまり携帯端末40Aの利用者が既に退店した後に来店したか否かを判定する。退店フラグがOFFとなっていない場合(S406)、位置判定部304は、携帯端末40Aの利用者がコインランドリー店舗CLから退店しておらず店舗内で待機しているとして退店フラグをOFFに設定(既にOFFである場合はOFFを維持)し(S407)、本処理が終了となる。なお、所定時間後に再び自動解除指令送信処理が開始、つまりステップS401の処理が実行される。
【0113】
一方、退店フラグがOFFとなっている場合(S406,YES)、位置判定部304は、携帯端末40Aの利用者がコインランドリー店舗CLから退店した後に来店したとして延長施錠解除指令をゲートウェイ50に送信する(S408)。延長施錠解除指令を受信したゲートウェイ50は、
図13を参照して説明したステップS203の処理を行う。以降のランドリー機器10の処理はステップS107~S109の処理がなされるため、ここでの説明は省略する。
【0114】
本実施形態によれば、利用者はコインランドリー店舗CLから退店して用事を済ませ、再び来店するのみで延長施錠が解除されるため、携帯端末40Aを操作する手間を省くことができ、利用者の利便性が飛躍的に向上する。
【0115】
なお、本実施形態においてはビーコン信号の受信の有無で携帯端末40Aが店舗内にあるか否かを判定したが、更にビーコン信号の電波強度に基づいて、正確に携帯端末40Aと測位装置60との距離を割り出し、携帯端末40Aが店舗内にあるか否かの判定が行われるようにしてもよい。この場合、位置情報テーブル312には、コインランドリー店舗CL毎に店舗内に携帯端末40Aが位置する場合の電波強度が対応付けられており、位置判定部304はこの位置情報テーブル312を参照すればよい。なお、携帯端末40Aが送信する受信結果情報には、当然受信したビーコン信号の電波強度が含まれる必要がある。
【0116】
また、本実施形態においてはビーコン信号を利用して携帯端末40Aの位置を判定しているがこれに限定するものではない。ビーコン信号に代わりGPS(Global Positioning System)に代表されるGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えばGPS測位を用いる場合、位置情報テーブル312にはGPS測位にて割り出されるコインランドリー店舗CLの位置情報が店舗IDとして記憶される。また、測位装置60はコインランドリー店舗CLに配置されたものではなく、信号を送信する衛星に相当する。ステップS401ではGPSの信号を受信し、ステップS403では信号から割り出される携帯端末40Aの位置を受信結果情報として管理装置30Aに送信する。なお、この場合はステップS402の処理は行われない。ステップS404ではこの受信結果情報と位置情報テーブル312とに基づいて、携帯端末40Aが紐付けられたコインランドリー店舗CL内にあるか否かが判定される。
【0117】
また、自動解除指令送信処理を応用して、携帯端末40Aがコインランドリー店舗CL外にあると判定された場合に延長施錠指令が管理装置30Aから送信されるようにしてもよい。例えば、ステップS405において退店フラグをONにすると共に延長施錠指令がゲートウェイ50に送信される。このようにすることで、利用者が退店、来店を繰り返す必要があったとしても、延長施錠、延長施錠解除を携帯端末40Aを操作することなく自動で設定することができ、さらなる利便性の向上が見込める。
【0118】
また、乾燥運転制御処理の最中には、利用者が自己の判断で洗濯物などの対象物を取り出す可能性がある。したがって、洗濯運転制御処理中には開閉扉13の施錠がなされるものの、洗濯運転制御処理に移行した際には当該施錠を解除するようにしてもよい。この場合、延長施錠指令がランドリー機器10に取得されると、再び開閉扉13を延長施錠時間経過するまで施錠するようにしてもよい。
【0119】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
1 コインランドリーシステム(ランドリーシステム、施錠制御装置)
10 ランドリー機器
20 集中精算機(施錠制御装置)
201 表示部(受付部)
30 管理装置(施錠制御装置)
301 取得部(受付部)
40 携帯端末(利用者端末)
13 開閉扉