IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社貝印刃物開発センターの特許一覧

<>
  • 特開-はさみ 図1
  • 特開-はさみ 図2
  • 特開-はさみ 図3
  • 特開-はさみ 図4
  • 特開-はさみ 図5
  • 特開-はさみ 図6
  • 特開-はさみ 図7
  • 特開-はさみ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145444
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】はさみ
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/20 20060101AFI20241004BHJP
   A47J 43/28 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B26B13/20
A47J43/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057794
(22)【出願日】2023-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月9日~13日に銀座蔦屋書店FOAM CONTEMPORARYで開催のグローバル刃物メーカー貝印が描く未来のプロダクトデザイン展にて発表 令和4年11月29日~12月23日に貝印株式会社 2023年度 新製品商談会にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】000001454
【氏名又は名称】株式会社貝印刃物開発センター
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日向 紘平
【テーマコード(参考)】
3C065
4B053
【Fターム(参考)】
3C065AA04
3C065AA06
3C065FA04
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】手首の負担なく、食器の上の料理の下に刃部を入れること。
【解決手段】本開示に係るはさみ1は、第1刃110Aが形成されている第1刃部11A及び第1ハンドル部12Aを有する第1本体部10Aと、第2刃110Bが形成されている第2刃部11B及び第2ハンドル部12Bを有する第2本体部10Bと、第1本体部10A及び第2本体部10Bが回転可能に交差する軸部Xとを有し、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bは、第1刃部11A及び第2刃部11Bに対してねじれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1刃が形成されている第1刃部及び第1ハンドル部を有する第1本体部と、
第2刃が形成されている第2刃部及び第2ハンドル部を有する第2本体部と、
前記第1本体部及び前記第2本体部を回転可能に支持する軸部と、を有し、
前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部は、前記第1刃部及び前記第2刃部に対してねじれている、はさみ。
【請求項2】
前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部は、それぞれ独立してねじれている、請求項1に記載のはさみ。
【請求項3】
前記第1刃部及び前記第2刃部を平面上に載置した場合、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部は、前記第1刃部及び前記第2刃部に対して、前記平面の上方に曲がっている、請求項1に記載のはさみ。
【請求項4】
前記上方から見ると、前記第1刃部及び前記第2刃部は、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部と異なる方向に湾曲している、請求項3に記載のはさみ。
【請求項5】
前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部は、それぞれ独立して湾曲している、請求項4に記載のはさみ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、はさみに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食事をする時に大きな食材や硬い食材を食べやすい大きさに切ったり取り分けたりするキッチンはさみであって、本体部が曲がっているキッチンはさみが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-315976号公報
【特許文献1】意匠登録第1360481号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のキッチンハサミでは、食器の上の料理の下に刃部を入れる際に手首の負担になるという問題点があった。
【0005】
そこで、本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、手首の負担なく、食器の上の料理の下に刃部を入れることができるはさみを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の特徴は、はさみであって、第1刃が形成されている第1刃部及び第1ハンドル部を有する第1本体部と、第2刃が形成されている第2刃部及び第2ハンドル部を有する第2本体部と、前記第1本体部及び前記第2本体部が回転可能に交差する軸部と、を有し、前記第1ハンドル部及び前記第2ハンドル部は、前記第1刃部及び前記第2刃部に対してねじれていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、手首の負担なく、食器の上の料理の下に刃部を入れることができるはさみを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るはさみ1の側面視の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係るはさみ1の側面視の一例を示す図である。
図3図3は、図1を方向Aから見た図の一例である。
図4図4は、図3を方向Bから見た図の一例である。
図5図5は、一実施形態に係るはさみ1を食器の上の料理の下に入れる動作の一例を説明するための図である。
図6図6は、従来のはさみ1を食器の上の料理の下に入れる動作の一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係るはさみ1の効果の一例を説明するための図である。
図8図8は、一実施形態に係るはさみ1の効果の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図8を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るはさみ1の側面視の一例を示す図であり、図3は、図1を方向Aから見た図の一例であり、図4は、図3を方向Bから見た図の一例であり、図5は、本実施形態に係るはさみ1を食器の上の料理の下に入れる動作の一例を説明するための図であり、図6は、従来のはさみ1を食器の上の料理の下に入れる動作の一例を説明するための図であり、図7及び図8は、本実施形態に係るはさみ1の効果の一例を説明するための図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、はさみ1は、第1本体部10Aと、第2本体部10Bと、軸部Xとを有している。
【0012】
図3に示すように、第1本体部10Aは、第1刃110Aが形成されている第1刃部11A及び第1ハンドル部12Aを有している。
【0013】
同様に、図2に示すように、第2本体部10Bは、第2刃110Bが形成されている第2刃部11B及び第2ハンドル部12Bを有している。
【0014】
軸部Xは、第1本体部10A及び第2本体部10Bを回転可能に支持するように構成されている。すなわち、軸部Xは、第1本体部10A及び第2本体部10Bに対するヒンジの役割を果たす。例えば、軸部Xは、ネジを有していてもよい。
【0015】
具体的には、図1は、第1刃部11A及び第2刃部11Bをテーブル等の平面P上に載置した場合のはさみ1の側面視の一例であり、図2は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bをテーブル等の平面P上に載置した場合のはさみ1の側面視の一例である。
【0016】
図1及び図2に示すように、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bは、第1刃部11A及び第2刃部11Bに対してねじれている。
【0017】
その結果、図1図2及び図4に示すように、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bと、第1刃部11A及び第2刃部11Bとは、同一平面上に存在しないように構成されている。
【0018】
ここで、図2に示す側面視において、第1刃部11A及び第2刃部11Bは、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bの中心面O1に対して、角度R1だけ傾斜するように構成されている。例えば、かかる角度R1は、5°~10°の範囲内の値を採るように構成されている。図2の例では、かかる角度R1は、6.5°である。
【0019】
また、図4に示す側面視において、第1刃部11A及び第2刃部11Bは、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bの中心面O2に対して、角度R2だけ傾斜するように構成されている。例えば、かかる角度R2は、20°~30°の範囲内の値を採るように構成されている。図4の例では、かかる角度R2は、25°である。
【0020】
図5及び図6に示すように、本実施形態に係るはさみ1の長手方向の軸Y1とテーブルTとなす角度S2は、従来のはさみ100を用いる場合、はさみ100の長手方向の軸Y2とテーブルTとなす角度S1よりも小さくなるように構成されている。
【0021】
したがって、図5に示すように、使用者は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bに指を入れた状態で、はさみ1の長手方向の軸Y1とテーブルTとなす角度S2を小さくすることなく(すなわち、はさみ1の長手方向の軸Y1を立てたままで)、テーブルT上に置かれた食器D上の料理Fの下に第1刃部11A及び第2刃部11Bを入れることができる。
【0022】
これに対して、図6に示すように、使用者は、従来のはさみ100を用いる場合、はさみ100の長手方向の軸Y2とテーブルTとなす角度S1を小さくした後に(すなわち、はさみ100の長手方向の軸Y2を寝かした後に)、テーブルT上に置かれた食器D上の料理Fの下に、はさみ100の刃部100Aを入れる必要があるため、使用者の手首に負担がかかる。
【0023】
すなわち、かかる構成によれば、使用者は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bに指を入れた状態で、手首を捻ることなく容易に、テーブルT上に置かれた食器D上の料理Fの下に第1刃部11A及び第2刃部11Bを入れることができる。
【0024】
また、本実施形態に係るはさみ1は、第1本体部10A及び第2本体部10Bの2パーツで構成され、分割可能であるため、洗いやすい。
【0025】
さらに、上述の構成によれば、図7に示すように、はさみ1を上方から見ると、上述のように角度Zがついているため、使用者は、フォークやスプーンと同じ感覚ではさみ1を使用することができ、且つ、食材Fをすくいやすい。
【0026】
図1に示すように、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12bは、それぞれ独立してねじれていてもよい。
【0027】
かかる構成によれば、使用者は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bに指を入れた状態で、より手首を捻ることなく容易に、テーブルT上に置かれた食器D上の料理Fの下に第1刃部11A及び第2刃部11Bを入れることができる。
【0028】
図1に示すように、第1刃部11A及び第2刃部11Bを平面P上に載置した場合、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bは、第1刃部11A及び第2刃部11Bに対して、平面Pの上方Uに曲がっていてもよい。
【0029】
かかる構成によれば、図2に示すように、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bをテーブル等の平面Pに置いた際に、第1刃110A及び第2刃110Bの先端(刃先)が浮くため、カトラリーレスト等がなくてもテーブル等を汚さなくて済む。
【0030】
図2に示すように、はさみ1を平面P上に載置した場合に平面Pの上方から見ると(すなわち、はさみ1の平面視において)、第1刃部11A及び第2刃部11Bは、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bと異なる方向に湾曲していてもよい。
【0031】
具体的には、図2に示すように、第1刃部11A及び第2刃部11Bは、矢印Z1に沿って湾曲し、第1ハンドル部12Aは、矢印Z2に沿って湾曲し、第2ハンドル部12Bは、矢印Z3に沿って湾曲している。したがって、図2に示すように、第1刃部11A及び第2刃部11Bの形状において凸となる部分は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bの形状において凸となる部分の反対方向を向いている。
【0032】
かかる構成によれば、使用者は、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bに指を入れた状態で、手首を捻ることなく容易に、テーブルT上に置かれた食器D上の料理Fの下に第1刃部11A及び第2刃部11Bを入れることができる。
【0033】
図2に示すように、第1ハンドル部12A及び第2ハンドル部12Bは、それぞれ独立して湾曲していてもよい。具体的には、図2に示すように、第1ハンドル部12Aは、矢印Z2に沿って湾曲し、第2ハンドル部12Bは、矢印Z3に沿って湾曲している。
【0034】
かかる構成によれば、使用者が、図8に示すような方法ではさみ1を持つ場合、矢印Z3に示す湾曲により、人差し指を掛けやすく中指を入れやすくなり、全体として持ちやすくなるという効果を奏する。
【0035】
なお、第1刃110A及び第2刃110Bの先端(刃先)は、丸くなっていてもよい、かかる構成によれば、食器等の器を傷つけにくい。
【0036】
本実施形態に係るはさみ1によれば、手の負担を軽減した状態で、食器の上の料理の下に刃部を入れることができ、且つ、食材をつかみやすい。
【0037】
また、本実施形態に係るはさみ1によれば、ナイフが上手く使えない方でも、なじみ深いはさみであればうまく使って食材を切りやすい。
【0038】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0039】
1…はさみ
10A…第1本体部
10B…第2本体部
11A…第1刃部
11B…第2刃部
110A…第1刃
110B…第2刃
12A…第1ハンドル部
12B…第2ハンドル部
X…軸部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8