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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145445
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】発信装置、及び発信システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20241004BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20241004BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241004BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08B25/00 510D
H04W4/90
H04W72/0446
G08B25/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057795
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 英聖
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴臣
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 智絵
(72)【発明者】
【氏名】芝宮 靖明
(72)【発明者】
【氏名】清水 涼香
【テーマコード(参考)】
5C087
5K067
【Fターム(参考)】
5C087BB18
5C087DD03
5C087EE08
5C087FF05
5C087GG35
5C087GG70
5K067AA03
5K067BB21
5K067DD28
5K067EE12
5K067EE16
5K067EE72
(57)【要約】
【課題】発信装置から繰り返し送信される信号の送信タイミングの所定周期からのずれを増大させず、複数の発信装置の各々から送信された信号の衝突の発生を低減させる。
【解決手段】発信装置10は、ユーザの操作を受け付ける操作子110aと、操作子110aの操作に応じて第1の信号を繰り返し送信する送信部130aとを備える。送信部130aは、操作子110aに対する操作を契機に1回目の信号送信を実行し、2回目以降に送信する第1の信号のうち少なくとも一の信号を、1回目の送信から所定の送信周期の基準タイミングからずれたタイミングで送信する。送信部130aは、1回目に送信する第1の信号及び少なくとも一の第1の信号以外の第1の信号を基準タイミングで送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常の発生時にユーザにより操作子が操作され又はセンサが前記異常を検知すると、信号を繰り返し送信する送信部であって、前記操作又は前記異常の検知を契機に1回目の信号を送信し、2回目以降に送信する信号のうち少なくとも一の信号を、前記1回目の信号の送信から所定周期で到来する基準タイミングからずれたタイミングで送信する送信部
を備える発信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記2回目以降に送信する信号のうち前記少なくとも一の信号を前記基準タイミングからずれたタイミングで送信し、前記少なくとも一の信号以外の信号を前記基準タイミングで送信する
請求項1に記載の発信装置。
【請求項3】
前記送信部は、他機器とは独立しかつ自装置の動作により変動しない固有情報を用いて、前記2回目以降に前記基準タイミングからずらして信号を送信するタイミングを決定する
請求項2に記載の発信装置。
【請求項4】
複数の発信装置によりN個(Nは2以上の整数)のグループが形成され、
前記送信部は、前記2回目の信号送信以降にN+1回に1回を超えない頻度で、信号を送信するタイミングを前記基準タイミングからずらす
請求項2に記載の発信装置。
【請求項5】
前記送信部は、J(Jは2以上且つN+1以下の正の整数)回目に送信する信号、及び前記J回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号を、前記基準タイミングからずれたタイミングで送信し、前記J回目に送信する信号及び前記J回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号以外の信号を、前記基準タイミングで送信し、
前記Jの値はグループによって異なる
請求項4に記載の発信装置。
【請求項6】
前記N+1回ごとに区切られる周期において実施される、前記基準タイミングからずれたタイミングはグループごとに入れ替えられる
請求項4に記載の発信装置。
【請求項7】
前記基準タイミングから所定時間内の期間であって前記基準タイミングを含まない期間には複数のタイムスロットが設定され、
前記送信部は、前記少なくとも一の信号を、前記複数のタイムスロットのうち、自装置の識別子に関連付けられたタイムスロットにおいて送信する
請求項1に記載の発信装置。
【請求項8】
複数の発信装置を備え、
前記複数の発信装置の各々は、
異常の発生を検知すると無線信号を繰り返し送信する送信部であって、前記検知を契機に1回目の信号を送信し、2回目以降に送信する信号のうち少なくとも一部の信号を、前記1回目の信号の送信から所定周期で到来する基準タイミングからずれたタイミングで送信し、前記少なくとも一部の信号以外の信号を前記基準タイミングで送信する送信部を有し、
前記複数の発信装置によりN個(Nは2以上の整数)のグループが形成され、
前記基準タイミングからずれたタイミングはグループによって異なる
発信システム。
【請求項9】
前記送信部は、J(Jは2以上且つN+1以下の正の整数)回目に送信する信号、及び前記J回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号を、前記基準タイミングからずれたタイミングで送信し、前記J回目に送信する信号及び前記J回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号以外の信号を、前記基準タイミングで送信し、
前記Jの値はグループによって異なる
請求項8に記載の発信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発信装置及び発信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、繰り返し信号を送信する端末における信号の送信周期を変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4548235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繰り返し信号を送信する端末を含むシステムの一例として、信号の送信により異常の発生を通知する警報システムが挙げられる。警報システムによっては、一の種別の端末から送信される信号と他の種別の端末から送信される信号との衝突を回避するため、端末の種別に応じた送信周期が各端末に設定される場合がある。しかし、特許文献1に開示の技術のように、信号の送信周期が変更されると、信号の送信回数が増えるにつれて、信号の送信タイミングが当初設定された送信周期からずれる。信号の送信タイミングが当初設定された送信周期から大幅にずれると、今度は、異なる送信周期が設定された他の種別の端末における送信タイミングと重なる可能性があり、信号の衝突が発生する可能性が高まる。
【0005】
本開示は、発信装置から繰り返し送信される信号の送信タイミングの所定周期からのずれを増大させず、複数の発信装置の各々から送信された信号の衝突の発生を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、異常の発生時にユーザにより操作子が操作され又はセンサが前記異常を検知すると、信号を繰り返し送信する送信部であって、前記操作又は前記異常の検知を契機に1回目の信号を送信し、2回目以降に送信する信号のうち少なくとも一の信号を、前記1回目の信号の送信から所定周期の基準タイミングからずれたタイミングで送信する送信部を備える発信装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、信号を送信するタイミングの所定周期からのずれを増大させずに、発信装置間の信号の衝突を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態による発信システム1の構成例を示す図である。
図2】発信装置10の構成例を示す図である。
図3】発信装置10の制御部130が制御プログラムに従って実行する発信方法の流れを示すフローチャートである。
図4】発信装置10の動作の概略を示す図である。
図5】グループAに属する発信装置10の2回目の信号送信の動作を詳細に説明するための図である。
図6】グループBに属する発信装置10の3回目の信号送信の動作を詳細に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<A.実施形態>
以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
<A-1.構成>
図1は、本開示の一実施形態による発信システム1の構成例を示す図である。発信システム1は、例えば家屋又は店舗等の監視領域における異常の発生を、監視センタ等に設置される外部サーバへ通知するための通信システムである。図1では、外部サーバの図示は省略されている。図1に示されるように、発信システム1は、発信装置10(1)、発信装置10(2)、…発信装置10(M)、及び制御装置20を含む。なお、Mは2以上の整数である。以下では、発信装置10(1)、発信装置10(2)、…及び発信装置10(M)の各々を区別する必要がない場合には、発信装置10(1)、発信装置10(2)、…及び発信装置10(M)は発信装置10と表記される。
【0010】
本実施形態では、M個の発信装置10によりN個(Nは2以上且つM以下の整数)のグループが形成される。本実施形態では、M個の発信装置10は、自装置の製造番号の末尾の数字が奇数であるか偶数であるかに応じて2つのグループに分割される。このグループ分けは、例えば発信装置10を監視領域に設置する際に、設置作業を担当する作業者により行われる。以下では、自装置の製造番号の末尾の数字が奇数である発信装置10により形成されるグループはグループAと称され、自装置の製造番号の末尾の数字が偶数である発信装置10により形成されるグループはグループBと称される。なお、M個の発信装置10のグループ分けは、発信システム1において各発信装置10を一意に識別するために付与される識別情報(例えば、一連番号、又は通信アドレス)に基づいて行われてもよい。
【0011】
発信システム1に含まれるM個の発信装置10の各々と制御装置20とは無線により接続される。発信装置10は、異常の発生を通知するためのユーザの操作を受け付ける操作子110aを有する。発信装置10はユーザに携帯される携帯型装置であってもよいし、監視エリアにおける設置位置が固定される据置き型装置であってもよい。本実施形態における操作子110aは非常ボタンであり、操作子110aに対するユーザの操作とは当該操作子110aの押下である。発信システム1が設置される監視領域において異常が発生すると、ユーザは、発信装置10の操作子110aを押下する。操作子110aが押下された発信装置10は、制御装置20へ異常の発生を通知する信号(以下、第1の信号)をNth(Nthは2以上の整数、本実施形態では、Nth=10)回だけ繰り返し無線で制御装置20へ送信する。本実施形態におけるNthは10であるが、Nthは2以上の整数であればよく、Nth=5又はNth=15でもよい。なお、発信装置10は、信号を送信する送信機能を有するが、他の機器から送信された信号を受信する受信機能を有さない。ただし、発信装置10が受信機能を有さないことは必須ではなく、受信機能を有してもよい。また、発信装置10が操作子110aを有さない構成とし、操作子を有する他の装置がユーザにより操作されたことを発信装置10が検知したら異常の発生を通知する信号を繰り返し送信してもよい。なお、信号はユーザによる操作(異常が解消した旨の復旧操作等)がされるまで送信し続けてもよい。制御装置20は、発信装置10から第1の信号を受信すると、異常の発生を通知する第2の信号を外部サーバへ送信する。
【0012】
発信システム1が設置される空間、即ち監視領域には、発信装置10とは種類が異なる他の端末が設けられてもよい。図1では、他の端末の図示は省略されている。監視領域に設けられる他の端末の具体例としては、火災検知器、ガス検知器、人感センサ等が挙げられる。これらの端末は、火災等の所定の監視イベントの発生を検知すると、監視イベントの発生を通知する第3の信号を無線で制御装置20へ送信する。監視領域において第1の信号の送信と第3の信号の送信とが同時に発生する場合があり、この場合において第1の信号と第3の信号との衝突が発生すると、制御装置20は第1の信号及び第3の信号の何れの信号も受信できない場合がある。そこで、本実施形態では、第1の信号と第3の信号との衝突を回避するために、他の端末と発信装置10とについて、夫々異なる送信周期が予め定められている。例えば第1種類の端末における送信周期は15秒である。第2種類の端末における送信周期は20秒である。発信装置10における送信周期は10秒等である。
【0013】
図2は、発信装置10の構成例を示す図である。図2に示されるように、発信装置10は、操作子110aを含む入力装置110、通信部120、制御部130、及び記憶部140を有する。入力装置110、通信部120、及び記憶部140の各々と制御部130とは、データ授受を仲介するバスにより相互に接続されている。入力装置110は、操作子110aを有する押釦スイッチである。入力装置110は、操作子110aが押下されると、操作子110aの押下を示す操作内容データを制御部130へ出力する。この操作内容データを入力装置110から受け取ることにより、制御部130は操作子110aの押下を検出し、異常の発生を検知する。通信部120は、無線通信回路であり、制御部130による制御の下、制御装置20と無線で通信する。
【0014】
制御部130は、例えばCPU等のコンピュータである。記憶部140は、例えばRAM等の揮発性メモリと、フラッシュROM等の不揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリには、制御部130を発信装置10の制御中枢として機能させる制御プログラムが予め記憶されている。なお、図2では、制御プログラムの図示は省略されている。また、記憶部140の不揮発性メモリには、当該記憶部140を含む発信装置10(以下、自装置)を一意に示す装置識別子、自装置が属するグループを示すグループ識別子、第1の信号の送信回数Nth、及び操作子110aが押下されたときに制御装置20へ繰り返し第1の信号を送信する際の送信周期P(本実施形態では、P=10秒)を示す周期情報が記憶される。本実施形態ではP=10秒であるが、P=11秒、又はP=12秒など、送信周期Pは、他の端末の送信周期と異なる値であればどのような値であってもよい。装置識別子の具体例としては、製造番号、発信装置10に割り当てられた一連番号、又は発信装置10に割り当てられた通信アドレスが挙げられる。装置識別子は、発信装置10を一意に識別するために予め定められた固有情報であるため、他機器とは独立しかつ自装置の動作により変動しない。周期情報が示す送信周期Pは本開示における所定周期の一例である。記憶部140の揮発性メモリは、制御プログラムを実行する際のワークエリアとして制御部130によって利用される。
【0015】
制御部130は、発信装置10の電源(図2では図示略)の投入を契機として制御プログラムを不揮発性メモリから揮発性メモリへ読み出し、当該制御プログラムの実行を開始する。制御プログラムに従って作動している制御部130は、送信部130aとして機能する。つまり、図2に示される送信部130aは、CPU等のコンピュータをプログラム等のソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。
【0016】
送信部130aは、操作子110aの押下の検出を契機として第1の信号(無線信号)をNth回だけ繰り返し送信する。より詳細に説明すると、送信部130aは、操作子110aの押下の検出を契機として1回目の信号送信を実行する。そして、送信部130aは、2回目以降に送信される第1の信号のうち少なくとも一の信号を、送信周期Pに応じて定まる基準タイミングからずれたタイミングで送信する。基準タイミングとは、1回目の信号送信が時刻t1である場合、t1+送信周期Pの倍数(倍数は1を含む)、の時刻である。そして、送信部130aは、1回目に送信される第1の信号及び上記少なくとも一の信号以外の第1の信号を基準タイミングで送信する。
【0017】
前述したように、発信システム1に含まれるM個の発信装置10によりN個(Nは2以上の整数)のグループが形成され、送信部130aは、N+1回に1回、第1の信号を送信するタイミングをずらす。本実施形態では、N=2であるため、送信部130aは、2+1=3回に1回、第1の信号の送信タイミングを基準タイミングからずらす。
【0018】
更に詳述すると、送信部130aは、J(Jは2以上且つN+1以下の整数)回目に送信する第1の信号、及びJ回目からN+1の倍数回目に送信する第1の信号を、基準タイミングからずれた送信タイミングで送信する。本実施形態では、基準タイミングから所定時間内の期間(本実施形態では基準タイミング-ΔTから基準タイミング+ΔTの期間)であって、且つ基準タイミングを含まない期間には、複数のタイムスロットが設定され、送信部130aは、J回目及びJ回目からN+1の倍数回目については、複数のタイムスロットのうち自装置の装置識別子に関連付けられたタイムスロットにおいて第1の信号を送信する。なお、本実施形態におけるΔTは送信周期Pの半分より短い時間であればよく、以下の説明ではΔTは2秒であるものとする。また、送信部130aは、2回目以降に送信する第1の信号のうち、J回目及びJ回目からN+1の倍数回目以外に送信する第1の信号については基準タイミングで送信する。
【0019】
また、制御プログラムに従って作動している制御部130は、操作子110aの押下の検出を契機として、図3のフローチャートにより示される発信方法を実行する。図3に示されるように、この発信方法には、ステップSA110~ステップSA210の各処理が含まれる。ステップSA110~ステップSA210の各処理の処理内容は次の通りである。
【0020】
ステップSA110では、制御部130は、Nth個の第1の信号の送信制御に用いる変数K、Np、T、及びtの各々を初期化する初期化処理を実行する。変数Kは、何回目の信号送信であるか管理するための変数である。ステップSA110では、制御部130は、変数Kに1を設定する。変数Npは、信号の送信タイミングを基準タイミングからずらす送信回数を管理するための変数である。変数Npには、自装置のグループ識別子の示すグループに応じた値が設定される。本実施形態では、グループAに属する発信装置10では変数Npに2が設定され、グループBに属する発信装置10では変数Npに0が設定される。詳細については後述するが、変数Npに2が設定された場合、2回目、5回目、及び8回目の信号送信において送信タイミングのずれが発生する。つまり、変数Npに2を設定することはJ=2とすることに相当する。また、変数Npに0が設定された場合、3回目、6回目、及び9回目の信号送信において送信タイミングのずれが発生する。つまり、変数Npに0を設定することはJ=3とすることに相当する。変数Tは、Nth回繰り返し送信される第1の信号の各々の送信タイミングを管理するための変数である。ステップSA110では、変数Tには0が設定される。変数tは直近の第1の信号の送信からの経過時間を管理するための変数である。ステップSA110では、変数tには0が設定される。
【0021】
ステップSA110に後続するステップSA120では、制御部130は、1回目の信号送信を行う。ステップSA120に後続するステップSA130では、制御部130は、変数Kに1を加算する。そして、ステップSA130に後続するステップSA140では、制御部130は、変数Kを(N+1)で除算したときの余りがNpに一致するか否かを判定する。なお、図4におけるK%(N+1)は、変数Kを(N+1)で除算したときの余りを意味する。
【0022】
ステップSA140の判定結果が“No”である場合、制御部130はステップSA150の処理を実行した後にステップSA170の処理を実行する。これに対して、ステップSA140の判定結果が“Yes”である場合、制御部130は、ステップSA160の処理を実行した後にステップSA170処理を実行する。グループAに属する発信装置10では、Np=2であるから、K=2、5、及び8の場合、ステップSA140の判定結果は“Yes”となり、K=3、4、6、7、9、及び10の場合、ステップSA140の判定結果は“No”となる。これに対して、グループBに属する発信装置10では、Np=0であるから、K=3、6、及び9の場合、ステップSA140の判定結果は“Yes”となり、K=2、4、5、7、8及び10の場合、ステップSA140の判定結果は“No”となる。
【0023】
ステップSA150では、制御部130は、送信周期Pの値を変数Tに加算する。これに対してステップSA160では、制御部130は、送信周期P-ΔTから送信周期P+ΔTの範囲内の値、且つ自装置の装置識別子に関連付けられたタイムスロットに応じた値を変数Tに加算する。ステップSA170では、制御部130は、変数tが変数Tに一致したか否かを判定し、ステップSA170の判定結果が“No”である間、ステップSA180の処理を実行する。ステップSA180では、制御部130は、時間の経過に応じて変数tをカウントアップする。ステップSA170の判定結果が“Yes”になると、制御部130はステップSA190の処理を実行する。ステップSA190では、制御部130は、第1の信号の送信、即ちステップSA110における信号送信から数えて2回目以降の信号送信を実行する。
【0024】
ステップSA190に後続するステップSA200では、制御部130は、変数Kの値がNth未満であるか否か、即ちNth回の信号送信が未完了であるか否かを判定する。ステップSA200の判定結果が“Yes”である場合、制御部130は、ステップSA210の処理を実行し、ステップSA130以降の処理を再度実行する。ステップSA210では、制御部130は、変数T及び変数tを再設定する。具体的には、ステップSA210では、制御部130は、送信周期Pの値から変数tの示す値を減算した値を変数Tに設定し、変数Tの設定後、変数tに0を設定する。これに対して、ステップSA200の判定結果が“No”である場合、制御部130は、本発信方法を終了する。
以上が発信装置10の構成である。
【0025】
<A-2:動作>
次いで、発信装置10(1)がグループAに属し、且つ発信装置10(2)がグループBに属する場合を例にとって、発信装置10の動作を説明する。以下に説明する動作例では、発信装置10(1)の操作子110aと発信装置10(2)の操作子110aとが、図4における時刻t1において同時に押下され、同時に1回目の信号送信が実行される場合について説明する。なお、図4おける時刻t2は時刻t1から送信周期Pに応じた時間が経過した時刻であり、時刻t3は時刻t2から送信周期Pに応じた時間が経過した時刻であり、時刻t4は、時刻t3から送信周期Pに応じた時間が経過した時刻である。つまり、本動作例では、図4における時刻t2、時刻t3、及び時刻t4の各々が基準タイミングとなる。
【0026】
<A-2-1:1回目の送信>
図4における時刻t1において発信装置10(1)の操作子110aと発信装置10(2)の操作子110aとが同時に押下されると、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々は、図3に示す発信方法の実行を開始する。即ち、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々では、まず、前述のステップSA110~SA130の処理が実行される。発信装置10(1)では、ステップSA110にて変数t及び変数Tに0が設定され、変数Npに2が設定される。一方、発信装置10(2)では、ステップSA110にて変数t及び変数Tに0が設定され、変数Npに0が設定される。そして、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々では、ステップSA120において1回目の信号送信が実行され、ステップSA130において変数Kが2にカウントアップされる。発信装置10(1)と発信装置10(2)とから同時に第1の信号が送信されると、両信号の衝突が発生し、制御装置20は何れの第1の信号についても受信に失敗する場合がある。
【0027】
発信装置10(1)における変数Npは2であるため、発信装置10(1)においてK=2のときに実行されるステップSA140の判定結果は“Yes”となり、ステップSA160の処理が実行される。従って、K=2である場合、発信装置10(1)では送信周期P-ΔTから送信周期P+ΔTの範囲の値が変数Tに加算される。つまり、発信装置10(1)における2回目の送信タイミングは、時刻t2から±ΔTの期間に設定される。
【0028】
本動作例では、図5に示されるように時刻t2から±ΔTの期間に32個のタイムスロットが設定されていたとする。各タイムスロットの時間長Tmは、第1の信号の送信時間以上であり、例えば125msecである。図5に示されるように、隣り合うタイムスロットの間には第1の信号が送信されない空白時間が生じる。これにより、隣り合う複数のタイムスロットにおいて第1の信号が送信された場合にも、制御装置20が夫々の第1の信号を受信することができる。発信装置10(1)の装置識別子に関連付けられたタイムスロットが図5におけるタイムスロット1であったとする。この場合、K=2のときに発信装置10(1)において実行されるステップSA160では、時刻t1からタイムスロット1までの時間S1(S1<P)に応じた値が変数Tに加算される。以降、発信装置10(1)では、変数tの値が変数Tに一致するまでステップSA170及びステップSA180の処理が実行される。
【0029】
これに対して、発信装置10(2)における変数Npは0であるため、K=2のときに発信装置10(2)において実行されるステップSA140の判定結果は“No”となり、ステップSA150の処理が実行される。つまり、発信装置10(2)では、変数Tに送信周期Pに応じた時間が加算される。以降、発信装置10(2)では、変数tの値が変数Tに一致するまでステップSA170及びステップSA180の処理が実行される。
【0030】
<A-2-2:2回目の送信>
発信装置10(1)では、変数tが時間S1に一致した時点でステップSA170の判定結果が“Yes”となり、ステップSA190の処理が実行される。これにより、発信装置10(1)における2回目の信号送信が実現される。2回目の信号送信が完了すると、発信装置10(1)では、ステップSA200の処理が実行される。一方、発信装置10(2)では、変数tが送信周期Pに達した時点でステップSA170の判定結果が“Yes”となり、ステップSA190の処理が実行される。これにより、発信装置10(2)における2回目の信号送信が実現される。発信装置10(2)においても、2回目の信号送信が完了すると、ステップSA200の処理が実行される。
【0031】
本実施形態では、送信回数Nthは10であるため、K=2のときに実行されるステップSA200の判定結果は発信装置10(1)及び発信装置10(2)の何れにおいても“Yes”となり、ステップSA210の処理が実行され、ステップSA130以降の処理が再度実行される。K=2のときに発信装置10(1)において実行されるステップSA210では、変数t=S1であるため、変数TにはP-S1が設定され、変数tには0が設定される。そして、変数KはステップSA130にて3にカウントアップされる。一方、K=2のときに発信装置10(2)において実行されるステップSA210では、t=Pであるため、変数Tには0が設定され、変数tには0が設定される。発信装置10(2)においても同様に、変数KはステップSA130にて3にカウントアップされる。
【0032】
前述したように、発信装置10(1)における変数Npは2であるため、発信装置10(1)においてK=3のときに実行されるステップSA140の判定結果は“No”となり、ステップSA150の処理が実行される。従って、K=3である場合、発信装置10(1)では、送信周期Pの値が変数Tに加算される。つまり、発信装置10(1)では変数Tの値は2P-S1に更新される。送信周期Pの値の加算前に変数Tに設定されているP―S1は図5におけるタイムスロット1から時刻t2までの時間を意味する。従って、発信装置10(1)における3回目の送信タイミングは、タイムスロット1からP-S1に応じた時間が経過した時点(即ち、時刻t2)から更に送信周期Pに応じた時間が経過した時点(即ち、時刻t3)に設定される。
【0033】
一方、発信装置10(2)における変数Npは0であるため、K=3のときに発信装置10(2)において実行されるステップSA140の判定結果は“Yes”となり、ステップSA160の処理が実行される。従って、発信装置10(2)においてK=3である場合、発信装置10(2)では、送信周期P-ΔTから送信周期P+ΔTの範囲の値が変数Tに加算される。本実施形態では、発信装置10(2)では、時刻t2から図6におけるタイムスロット32までの時間S2(S2>P)に応じた値が変数Tに加算される。つまり、発信装置10(2)では変数Tの値はS2に更新される。
【0034】
<A-2-3:3回目の送信>
K=3の場合もK=2の場合と同様に、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々では、変数tの値が変数Tに一致するまでステップSA170及びステップSA180の処理が実行される。発信装置10(1)では、時刻t3においてステップSA190の処理が実行され、これにより3回目の信号送信が実現される。以降、発信装置10(1)では、ステップSA200の処理が実行される。一方、発信装置10(2)では、変数tが時刻t2から図6におけるタイムスロット32までの時間S2に一致した時点(時刻t3よりも後の時点)でステップSA190の処理が実行され、これにより3回目の信号送信が実現される。以降、発信装置10(2)では、ステップSA200の処理が実行される。
【0035】
前述したように、本実施形態では、送信回数Nthは10であるため、K=3のときに実行されるステップSA200の判定結果は発信装置10(1)及び発信装置10(2)の何れにおいても“Yes”となり、ステップSA210の処理が実行され、ステップSA130以降の処理が再度実行される。K=3のときに発信装置10(1)において実行されるステップSA210では、変数t=Pであるため、変数Tには0が設定され、変数tには0が設定される。そして、変数KはステップSA130にて4にカウントアップされる。一方、K=3のときに発信装置10(2)において実行されるステップSA210では、変数t=S2であるため、変数TにはP-S2が設定され、変数tには0が設定される。発信装置10(2)においても同様に、変数KはステップSA130にて4にカウントアップされる。
【0036】
<A-2-4:4回目の送信>
発信装置10(1)における変数Npは2であるため、発信装置10(1)においてK=4のときに実行されるステップSA140の判定結果は“No”となり、ステップSA150の処理が実行される。従って、発信装置10(1)においてK=4である場合、送信周期Pの値が変数Tに加算される。つまり、発信装置10(1)における4回目の送信タイミングは、時刻t3から送信周期Pに応じた時間が経過した時点(即ち、時刻t4)に設定される。一方、発信装置10(2)における変数Npは0であるため、発信装置10(2)においてK=4のときに実行されるステップSA140の判定結果は“No”となり、ステップSA150の処理が実行される。従って、発信装置10(2)においてK=4である場合、送信周期Pの値が変数Tに加算される。送信周期Pの値の加算前に変数Tに設定されているP―S2は負の値であるから、発信装置10(2)における4回目の送信タイミングは、図6におけるタイムスロット32の時刻からS2―Pだけ時間を遡った時点(即ち、時刻t3)を基準とし、当該基準とした時点から更に送信周期Pに応じた時間が経過した時点(即ち、時刻t4)に設定される。
【0037】
従って、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々は、時刻t4において4回目の信号送信を実行する。時刻t4では、発信装置10(1)と発信装置10(2)の各々は1回目と同様に送信タイミングを基準タイミングからずらすことなく信号を無線で制御装置20へ送信する。発信装置10(1)と発信装置10(2)とが同時に無線で信号を送信すると、信号の衝突が発生する可能性が高いにも関わらず、発信装置10(1)と発信装置10(2)の両者が4回目の送信において送信タイミングを基準タイミングからずらさずに信号を送信するのは、信号の送信タイミングが基準タイミングからずれるほど、他の種類の端末の信号の送信周期と重なる可能性が高くなるためである。言い換えると、このように送信タイミングを基準タイミングからずらすことなく信号を送信することにより、監視領域において無線信号が存在しない時間を確保することができるため、発信装置10と他の種類の端末との間で信号が衝突する虞を抑制することができる。また、発信装置10から繰り返し送信された信号の全てが制御装置20において受信される必要はなく、少なくとも1つの信号が受信されれば、異常の発生が制御装置20へ伝達される。
【0038】
<A-2-5:5回目以降の送信>
以降、発信装置10(1)及び発信装置10(2)の各々は、上述した2回目、3回目、及び4回目の動作を、送信回数Nthの信号送信が完了するまで繰り返す。例えば、5を3で割ったときの余りは2であるため、5回目(即ち、K=5)の発信装置10(1)の動作は2回目の発信装置10(1)の動作と同様であり、5回目の発信装置10(2)の動作は2回目の発信装置10(2)の動作と同様である。また、6を3でわったときの余りは0であるため、6回目(即ち、K=6)の発信装置10(1)の動作は3回目の発信装置10(1)の動作と同様であり、6回目の発信装置10(2)の動作は3回目の発信装置10(2)の動作と同様である。そして、7を3で割ったときの余りは1であるから、7回目(即ち、K=7)の発信装置10(1)の動作は1回目及び4回目の発信装置10(1)の動作と同様であり、7回目の発信装置10(2)の動作は1回目及び4回目の発信装置10(2)の動作と同様である。
以上が発信装置10の動作である。
【0039】
本実施形態によれば、第1の信号は発信装置10から繰り返し送信されるが、その全てが制御装置20に到達しなくても、少なくとも1回、第1の信号が衝突せずに制御装置20に到達すれば、操作子110aが押されたことを外部サーバに通知することができる。同一グループの複数の発信装置10の操作子110aが同時に押された場合には、タイムスロットを用いて送信タイミングが分散されるため、少なくとも1回は複数の発信装置10の各々から送信された第1の信号が衝突せずに制御装置20に到達する。
【0040】
異なるグループに属する複数の発信装置10の操作子110aが同時に押された場合には、少なくとも1回は、一方のグループの発信装置10は1回目の信号送信のタイミングから送信周期Pの倍数に応じた時間が経過したタイミングで第1の信号を送信するのに対し、他方のグループの発信装置10は送信周期の倍数に応じたタイミングから±2秒の期間内でずれたタイミングで第1の信号を送信するため、少なくとも1回は複数の発信装置10の各々から送信された第1の信号が衝突せずに制御装置20に到達する。また、発信装置10から送信される第1の信号は、基準タイミング又は基準タイミングから±ΔT秒の範囲内で送信されるため、送信周期が異なる他の端末から発信された信号と衝突する虞を抑制することができる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、複数の発信装置10の各々から送信された信号の衝突の発生を低減させることができる。また、発信装置10から繰り返し送信される信号の送信タイミングの所定周期からのずれが増大しないため、発信装置10とは異なる周期で信号を送信する他の端末と発信装置10との間の信号の衝突を低減することができる。
【0042】
また、本実施形態では、複数の発信装置10によりN個のグループが形成され、N+1回に1回、信号を送信するタイミングが基準タイミングからずれるため、異なるグループに属する発信装置10間の信号の衝突を低減することができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、J回目に送信する信号、及びJ回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号を、基準タイミングからずれたタイミングで送信し、J回目に送信する信号及びJ回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号以外の信号を、基準タイミングで送信し、Jの値はグループによって異なるため、異なるグループに属する発信装置10間の信号の衝突を低減することができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、基準タイミングから±2秒の期間内であって基準タイミングを含まない期間には複数のタイムスロットが設定され、複数のタイムスロットのうち、自装置の識別子に関連付けられたタイムスロットにおいて信号が送信されるため、基準タイミングからずれたタイミングで複数の発信装置10が信号を送信する場合において、これらの発信装置10間の信号の衝突を回避することができる。
【0045】
さらに、本実施形態では、複数の発信装置10は、自装置におけるユーザの操作を契機に1回目の信号を送信し、2回目以降の信号のうち少なくとも一の信号を基準タイミングからずれたタイミングで送信し、1回目の信号及び少なくとも一の信号以外の信号を基準タイミングで送信する構成において、複数の発信装置10によりN個のグループが形成され、基準タイミングからずれたタイミングはグループによって異なるため、グループ間の信号の衝突を低減することができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、複数の発信装置10は、J回目に送信する信号、及びJ回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号を、基準タイミングからずれたタイミングで送信し、J回目に送信する信号及びJ回目の信号の送信からN+1の倍数回目に送信する信号以外の信号を、基準タイミングで送信し、Jの値はグループによって異なるため、グループ間の信号の衝突を低減することができる。
【0047】
<B.変形例>
上記実施形態は、以下のように変形されてもよい。
(1)M個の発信装置10により形成されるグループの数Nは、2には限定されず、3以上であってもよい。また、Nは必ずしも2以上である必要はなく、1であってもよい。さらに、上記実施形態では、Nth個の第1の信号を繰り返し送信する過程においてN+1回に1回の割合で送信タイミングをずらした。しかし、必ずしもN+1回に1回、送信タイミングを分散させなくてもよい。送信回数Nthのうち少なくとも1回、送信タイミングが送信周期Pに応じた時間の倍数に応じたタイミングからずれればよい。すなわち、N+1回に1回、送信タイミングを分散させるのは一例であり、送信タイミングを分散させる回数は、Nより大きい数字且つ最大送信回数未満であれば何回でもよい。また、2回目以降、N+1回ごとに全ての発信装置10が基準タイミングにて送信されるまでを1周とみなすと、K周目で行われるグループの分散タイミングの順番を他のグループと入れ替えても構わない。図4を例とすると、グループAの分散タイミングをt2(2回目)とt5(5回目)のタイミング、グループBの分散タイミングをt3(3回目)とt6(6回目)のタイミングとしているが、グループAの分散タイミングをt2(2回目)とt6(6回目)、グループBの分散タイミングをt3(3回目)とt5(5回目)のように、N+1回に1回を超えない頻度であればグループごとのばらつかせる順番は任意に決定してもよい。
【0048】
(2)操作子110aは、押釦スイッチの押下に限定されない。操作子110aは、スライドスイッチでもよいし、ディスプレイに表示されたソフトウェア釦でもよい。また、上記実施形態における送信部130aはソフトウェアモジュールであったが、送信部130aは電子回路等のハードウェアモジュールであってもよい。
【0049】
(3)上記実施形態では、本開示の特徴を顕著に示す発信方法を制御部130に実行させる制御プログラムが記憶部140に予め記憶されていたが、この制御プログラムが単体で製造、又は提供されてもよい。この制御プログラムの具体的な提供態様としては、インターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様、又はフラッシュROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に当該制御プログラムを書き込で配布する態様が挙げられる。また、本開示の別の形態は、発信装置10において行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。
【0050】
(4)発信装置10は、異常の発生時に、操作子110aの押下に応じて異常の発生を通知する装置に限定されない。発信装置10は、異常の発生時に、異常を検知して通知する装置であってもよい。異常の例としては、火災、ガス漏れ、不審者の侵入等が挙げられる。例えば発信装置10は、火災検知器、ガス検知器、又は人感センサであってもよい。この変形例に係る発信装置10は、異常を監視するセンサを有する。センサの例としては、火災を検知するセンサ、ガスを検知するセンサ、人感センサ等が挙げられる。送信部130aは、異常の発生時にセンサが異常を検知すると、信号の送信を開始する。要するに、送信部130aが1回目の信号を送信する契機は、操作子110aの押下に限定されず、センサによる異常の検知であってもよい。なお、発信装置10が異常を監視するセンサを有し、センサが異常を検知したことを契機に信号を送信する場合には、発信装置10は必ずしも操作子110aを備えなくてもよい。
【0051】
(5)発信装置10は、上述した2回目からN+1回目までの間で少なくとも1回、基準タイミングからずれたタイミングで送信し、基準タイミングは送信周期Pの倍数ごととしているが、同一システム内の全ての発信装置10で次回の基準タイミングまでの時間を同じ値にできる場合は、送信周期Pは固定値でなくてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…発信システム、10,10(1)~10(M)…発信装置、110…入力装置、110a…操作子、120…通信部、130…制御部、130a…送信部、140…記憶部、20…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6