(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145447
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20241004BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057798
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】303046299
【氏名又は名称】旭化成ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】有吉 秀行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 志津
(72)【発明者】
【氏名】中尾 真也
(72)【発明者】
【氏名】奈木野 豪秀
(72)【発明者】
【氏名】石井 岳史
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】患者の理解度の向上を支援する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定する決定部と、決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御する出力制御部と、前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価する評価部と、を有する、情報処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者情報に応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定する決定部と、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御する出力制御部と、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価する評価部と、を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記患者情報が、前記患者の年齢、性別、疾患の重症度、及び来院回数に関する情報の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記患者情報と、過去に前記患者に対して行った前記疾患についての説明に対する理解度とに応じて、前記患者に対する前記疾患についての前記説明方法を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記患者情報と、前記患者の行動履歴とに応じて、前記患者に対する前記疾患についての前記説明方法を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記説明方法として、前記患者への説明内容、及び前記説明内容の説明形式のいずれかを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記説明形式として、ドキュメント形式による説明、画像形式による説明、質疑応答形式による説明のいずれかを決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記患者の予後に関する情報をさらに出力制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力制御部は、前記疾患についての説明において、前記理解度を評価するための質問を出力制御し、
前記評価部は、前記質問に対する前記患者に回答内容に応じて、前記理解度を評価する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置に、
患者情報に応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行させる、
プログラム。
【請求項10】
情報処理装置が、
患者情報に応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行する、
情報処理方法。
【請求項11】
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出する抽出部と、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信する送受信部と、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録する行動履歴管理部と、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価する評価部と、を有する、
情報処理装置。
【請求項12】
前記理解度が、飲食と前記疾患の関係に関する理解度、運動と前記疾患の関係に関する理解度、及び、治療と前記疾患の関係に関する理解度のいずれかを含む、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記抽出部が、前記患者の年齢、性別、疾患の重症度の内少なくともいずれかを含む患者情報と、前記患者の疾患に関する理解度とに基づいて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記抽出部が、前記患者に推奨する推奨情報と共起関係を有する共起推奨情報をさらに抽出し、
前記送受信部が、抽出した前記推奨情報と前記共起推奨情報を前記患者の端末に送信する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記送受信部は、前記推奨情報として、当該推奨情報にアクセスするためのリンクを送信し、
前記行動履歴管理部は、前記リンクへの前記患者のアクセスに関する情報を、前記行動履歴として記録する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記推奨情報が、場所に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記場所への前記患者のアクセスに関する情報を、前記行動履歴として記録する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記推奨情報が、運動に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記患者の運動に関する情報を、前記行動履歴として記録する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記推奨情報が、飲食に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記患者の食品の購買履歴又は外食履歴を、前記行動履歴として記録する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理装置に、
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信するステップと、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行させる、
プログラム。
【請求項20】
情報処理装置が、
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信するステップと、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置を医療現場における診断等の補助装置として使用することが検討されている。一例として、特許文献1には、花粉症状を継続的に診断可能な花粉症状診断装置が開示されている。
【0003】
ところで、骨粗しょう症などのように、疾患によっては一時的な治療では回復せず、長期間の治療をしながら疾患と付き合うことが必要なものがある。疾患に対して適切な治療及び適切な生活スタイルを患者にしてもらうためには、患者の疾患に対する理解が不可欠である。そのため、医療現場では、医師や看護師が患者に対して疾患について十分に説明をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同じ説明を尽くしても患者によって疾患の理解度は様々である。また、患者ごとに疾患の主要因が異なったり疾患の重要度が異なったりもするため、同じ説明が適切であるとも言い難い。そのため、患者ごとにより理解しやすいように説明をすることが必要となる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、患者の理解度の向上を支援する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
〔1〕
患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定する決定部と、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御する出力制御部と、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価する評価部と、を有する、
情報処理装置。
〔2〕
前記患者情報が、前記患者の年齢、性別、疾患の重症度、及び来院回数に関する情報の少なくともいずれかを含む、
〔1〕に記載の情報処理装置。
〔3〕
前記決定部は、前記患者情報と、過去に前記患者に対して行った前記疾患についての説明に対する理解度とに応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定する、
〔1〕又は〔2〕に記載の情報処理装置。
〔4〕
前記決定部は、前記患者情報と、前記患者の行動履歴とに応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定する、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔5〕
前記決定部は、前記説明方法として、前記患者への説明内容、及び前記説明内容の説明形式のいずれかを決定する、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔6〕
前記決定部は、前記説明形式として、ドキュメント形式による説明、画像形式による説明、質疑応答形式による説明のいずれかを決定する、
〔5〕に記載の情報処理装置。
〔7〕
前記出力制御部は、前記患者の予後に関する情報をさらに出力制御する、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔8〕
前記出力制御部は、前記疾患についての説明において、前記理解度を評価するための質問を出力制御し、
前記評価部は、前記質問に対する前記患者に回答内容に応じて、前記理解度を評価する、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔9〕
情報処理装置に、
患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行させる、
プログラム。
〔10〕
情報処理装置が、
患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、
決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、
前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行する、
情報処理方法。
〔11〕
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出する抽出部と、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信する送受信部と、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録する行動履歴管理部と、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価する評価部と、を有する、
情報処理装置。
〔12〕
前記理解度が、飲食と前記疾患の関係に関する理解度、運動と前記疾患の関係に関する理解度、及び、治療と前記疾患の関係に関する理解度のいずれかを含む、
〔11〕に記載の情報処理装置。
〔13〕
前記抽出部が、前記患者の年齢、性別、疾患の重症度の内少なくともいずれかを含む患者情報と、前記患者の疾患に関する理解度とに基づいて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出する、
〔11〕又は〔12〕に記載の情報処理装置。
〔14〕
前記抽出部が、前記患者に推奨する推奨情報と共起関係を有する共起推奨情報をさらに抽出し、
前記送受信部が、抽出した前記推奨情報と前記共起推奨情報を前記患者の端末に送信する、
〔11〕~〔13〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔15〕
前記送受信部は、前記推奨情報として、当該推奨情報にアクセスするためのリンクを送信し、
前記行動履歴管理部は、前記リンクへの前記患者のアクセスに関する情報を、前記行動履歴として記録する、
〔11〕~〔14〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔16〕
前記推奨情報が、場所に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記場所への前記患者のアクセスに関する情報を、前記行動履歴として記録する、
〔11〕~〔15〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔17〕
前記推奨情報が、運動に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記患者の運動に関する情報を、前記行動履歴として記録する、
〔11〕~〔16〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔18〕
前記推奨情報が、飲食に関する情報を含み、
前記行動履歴管理部は、前記患者の食品の購買履歴又は外食履歴を、前記行動履歴として記録する、
〔11〕~〔17〕のいずれか一項に記載の情報処理装置。
〔19〕
情報処理装置に、
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信するステップと、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行させる、
プログラム。
〔20〕
情報処理装置が、
特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、前記患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、
抽出した前記推奨情報を前記患者の端末に送信するステップと、
前記推奨情報に対する前記患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、
前記行動履歴に基づいて、前記患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行する、
情報処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、患者の理解度の向上を支援する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の医療補助システムの概念図である。
【
図2A】第1実施形態のサーバの構成の一例を示す図である。
【
図3A】第2実施形態のサーバの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0012】
1.システム
図1は、本実施形態の医療補助システムを示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の医療補助システムの一例では、各種サービスを提供するサーバ100と、病院や健康診断所などの医療機関に設置される院内端末200と、患者が使用する患者端末300と、がネットワークNを介して接続されていてもよい。
【0013】
ネットワークNとしては、特に制限されないがアドホック・ネットワーク、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイヤレスLAN(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)、ワイヤレスWAN(WWAN)、大都市圏ネットワーク(MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs、無線LANs、LTE、CDMA、ブルートゥース(登録商標)、衛星通信等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ネットワークは、1つまたは複数のネットワークを含むことができる。
【0014】
2.第1実施形態
第1実施形態の医療補助システムでは、院内端末200からの要求に応じて、サーバ100が患者に対する疾患についての説明方法を決定し、その説明を院内端末200へ出力する。そして、サーバ100は院内端末200から患者の理解度に関する情報を受信し、その理解度を評価する。これにより患者の理解度の向上を支援することができる。
【0015】
以下の説明においては、情報処理装置がサーバ100である場合を例にして、サーバ100と院内端末200とが連携して、患者に対する疾患についての説明を行う態様について記載する。しかし、第1実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、サーバ100を用いず、サーバ100が行う上記処理を院内端末200が行うようにしてもよい。この場合、院内端末200が患者に対する疾患についての説明方法を決定し、その説明を出力制御し、患者の理解度を評価してもよい。
【0016】
なお、院内端末200及び患者端末300は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、その他コンピュータであってもよい。
【0017】
2.1.サーバ
図2Aに、第1実施形態のサーバの構成を表す図を示す。
図2Aに示すように、サーバ100は、例えば、プロセッサ110、通信インターフェース120、入出力インターフェース130、メモリ140、ストレージ150、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数のバス160を含む。サーバ100は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、その他コンピュータであってもよい。また、サーバ100は、汎用的なコンピュータであり、一台のコンピュータで構成されてもよいし、ネットワークN上に分散する複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0018】
プロセッサ110は、ストレージ150に記憶されるプログラムに含まれるコード、又は、命令によって実現する処理、機能、又は、方法を実行する。
図2Aに示すように、本実施形態のプロセッサ110は、送受信部111、決定部112、出力制御部113、及び評価部114として機能してもよい。
【0019】
送受信部111は、例えば、通信インターフェース120とネットワークNを介して、院内端末200や患者端末300などの他の装置に各種情報を送信する送信部、又はこれら他の装置から各種情報を受信する受信部として機能してもよい。
【0020】
決定部112は、患者情報に応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定する。ここで、患者情報は、患者のパーソナルな情報であり、例えば、患者の年齢、性別、疾患の重症度、及び来院回数に関する情報の少なくともいずれかを含んでもよく、ほかに、氏名、住所、職業、既往歴、遺伝的つながりのある家族の疾患、これまでの治療方針などに関する情報を含んでいてもよい。その他、患者情報は、患者に対して過去に行った疾患についての説明に関する情報として、後述の説明ID、および説明日時を含んでいてもよい。疾患についての説明は、患者の年齢や性別によって、理解しやすい説明方法が異なることがあり得る。また、疾患の重要度によっても、説明すべきポイントが異なるため、疾患についての説明は異なりうる。さらに、来院回数によっても、それまで患者に対して行ってきた説明の蓄積があるため、疾患についての説明は異なりうる。そのため、患者情報として上記情報を考慮することにより、患者に応じて疾患の理解に適切な説明方法を決定することができる。
【0021】
また、決定部112は、患者情報と、過去に患者に対して行った疾患についての説明に対する理解度とに応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定してもよい。ここで、理解度とは、過去に患者に対して行った疾患についての説明に対して、患者の理解を評価したものであってもよい。これにより、患者毎に疾患の理解度に応じた説明が可能となり、患者の疾患に対する理解をより深めることができる。
【0022】
決定部112は、患者情報と、患者の行動履歴とに応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定してもよい。ここで、行動履歴とは、飲食、運動、睡眠に関する履歴であってもよい。飲食や運動は患者の健康状態を維持したり、また、疾患を重症化させず、疾患を回復したりするうえで、重要な行動情報となる。行動履歴を考慮することにより、患者毎に行動履歴を踏まえた疾患の説明が可能となり、患者の疾患に対する理解をより深め、行動改善を即することもできる。
【0023】
決定部112は、説明方法として、患者への説明内容、及び説明内容の説明形式のいずれかを決定してもよい。ここで、患者への説明内容とは、疾患に関して患者に伝える情報の内容をいう。例えば、疾患の要因、疾患の症状、治療方針、薬物療法の内容(薬の種類、投与量、投与頻度等)、疾患の重症度毎による症状あるいは重症化のリスク、推奨される飲食や運動強度などが、この説明内容に含まれてもよい。
【0024】
説明内容の説明形式とは、例えば、ドキュメント形式による説明、動画静止画などの画像形式による説明、音声形式による説明、画像と音声の両方を用いた説明、質疑応答形式による説明などの説明形式が挙げられる。例えば、ドキュメント形式による説明は院内端末200の表示装置に対して文書を出力制御することで行ってもよい。動画静止画などの画像形式による説明、音声形式による説明、画像と音声の両方を用いた説明は、院内端末200の表示装置や音声出力装置に対して画像や音声を出力制御することで行ってもよい。質疑応答形式による説明は、院内端末200の表示装置に対して質問を出力制御し、その質問に対する応答の入力を受け付け、質問に対する正解回答を表示制御することで行ってもよい。
【0025】
また、これら各形式の説明は、患者情報やその他の情報に応じて、組み合わせてもよい。例えば、ドキュメント形式による説明や、動画静止画などの画像形式による説明を行った後に、質疑応答形式による説明を組み合わせて、理解度の確認に役立ててもよい。
【0026】
また、説明内容の説明形式は、患者向けの直接視聴する動画形式などのほかに、患者に対して疾患の説明を行う医師や看護師が参照する形式であってもよい。
【0027】
ここで、上記患者情報、疾患に対する理解度、及び行動履歴などは後述するストレージ150が記憶する患者データ151に格納されてもよく、決定部112は、上記決定処理において、患者データ151を参照することができる。
【0028】
決定部112が行う、患者への説明内容及び説明内容の説明形式のいずれかの決定処理は、テーブル、モデル、その他アルゴリズムを用いて実行してもよい。一例として、決定処理の基となるデータを作成するために、複数人の患者に対して、説明内容と説明形式を変えて疾患の説明を行い、いずれの説明内容と説明形式が分かりやすかったかをヒアリングする。そして、その結果を、40代男性、50代男性、60代男性、40代女性、50代女性、60代女性のように、回答者のステータス別に分類する。これにより、例えば、40代男性にとってわかりやすい説明内容と説明形式を対応付けることができる。但し、上記例は一例にすぎない。上記のようにして年齢と性別のように比較的単純な分類わけをしたテーブルができれば、決定部112は当該テーブルに基づいて決定処理を実行できるし、より複雑な分類分けをする場合には、学習モデルを作成し、決定部112は当該学習モデルに基づいて決定処理を実行してもよい。
【0029】
一例として、決定部112は、上記決定処理において、患者データ151を参照して、患者情報のほか、行動履歴、推奨行動の実行有無、前回の理解度、今回の検査結果(例えば、骨密度)に基づいて、分類テーブル153から説明IDを特定し、説明IDを用いて説明データ152から説明形式と説明内容を決定してもよい。
【0030】
まず、説明データ152について説明する。説明データ152は、複数の種類の説明形式と説明内容が予め記録されたデータである。具体的には、
図2Dに示すように、説明IDに対して、説明形式と、説明内容とを対応付けたテーブルであってもよい。ここで、説明IDは、本システムで説明形式と説明内容との組み合わせを一意に特定するIDであってもよい。また、「説明形式」には、上記のとおり、ドキュメント形式による説明、動画静止画などの画像形式による説明などが記録されてもよい。「説明内容」には、説明形式に応じて、疾患に関して患者に伝える情報の内容が記録されてもよい。
【0031】
このような説明データ152を参照し説明IDを特定することで、説明データ152から説明形式と説明内容を決定することができる。但し、説明形式と説明内容を決定する方法は説明IDを用いた方法に限られない。
【0032】
なお、説明データ152の「説明内容」には、薬の作用について、服用方法について、症状についてなどのトピックごとの説明が記録されていてもよい。これによって、決定部112は、例えば、薬の作用と薬の服用方法についてはL001を用い、疾患の症状についてはL004を用いるという決定ができる。あるいは、決定部112は、例えば、薬の作用と薬の服用方法についてL002を用い、疾患の症状については十分な理解度があるから説明を不要とする、という決定ができる。このように、説明内容において疾患に関する説明を、その説明のトピックごとに記録することで、決定部112は、説明のトピックを組み合わせて、疾患に関する説明を作成することが可能となるので、患者の理解度を向上するうえで、より柔軟な説明方法が可能となる。
【0033】
次に、分類テーブル153について説明する。分類テーブル153は、上記の分類分けで説明したような方法によってあらかじめ作成したテーブルであってもよい。具体的には、
図2Eに示すように、分類テーブル153は、患者情報のほか、現在の疾患についての理解度、行動履歴、推奨行動の実行有無、興味・関心、疾患の症状(例えば、骨密度)などと、説明IDが対応付けられたデータであってもよい。
【0034】
また、分類テーブル153に記録される説明IDは、一つである必要はなく、薬の作用、服用方法、疾患の症状などに関するトピックと関連した説明IDが複数記録されてもよい。具体的には、40代で理解度の低い患者に関しては、詳細な説明が必要であることから、薬の作用、服用方法、及び疾患の症状の説明を動画とQ&Aを用いて説明することが好ましいことから、説明IDのL001,L002が対応付けられていてもよい。これによってより理解を深めることができる。また、50代で理解度の高い患者に関しては、詳細な説明までは不要であることから、薬の作用、服用方法、及び疾患の症状の説明をテキストQ&Aを用いて説明するようにし、説明IDのL003,L004が対応付けられていてもよい。これによって、説明時間を短縮し患者の負担や医療機関の負担を低減できる。さらに、60代で理解度の高い患者に関しては、詳細な説明までは不要であるものの改めて具体的な説明をしたほうがよいことから、薬の作用及び服用方法については動画とQ&Aを用いて説明し、疾患の症状についてはテキストQ&Aを用いて説明するようにし、説明IDのL001,L004が対応付けられていてもよい。これによって、患者の状況に応じた説明を実施できる。
【0035】
上記のように、決定部112は、上記決定処理において、患者データ151に基づいて分類テーブル153から適切な説明IDを特定し、説明IDを用いて説明データ152から説明形式と説明内容を決定してもよい。
【0036】
あるいは、患者情報と説明IDとの関係を多次元マトリクスとして記録しておき、患者情報を含むベクトルをインプットとしてモデルに入力し、対応する説明IDを特定してもよい。この場合の具体例としては、(理解度レベル、レコメンド実行有無、骨密度)=(「低」、「無し」、「○」)を入力し、説明ID「L001,L002」を得る場合が挙げられる。
【0037】
また、決定部112は、例えば、説明ID「L001,L002」という一つの組み合わせを決定し、出力制御部113はその情報を表示装置131に表示制御してもよいし、説明ID「L001,L002」,「L001,L004」という複数の組み合わせを決定し、出力制御部113はその情報を表示装置131に表示制御してもよいし、その他、説明IDに関する選択肢を決定し、出力制御部113はその情報を表示装置131に表示制御してもよい。複数の組み合わせを表示制御したり、選択肢を表示制御したりすることで、看護師が、より適切と思われる説明方式について最終的な選択を行うことができる。また、その際に、出力制御部113は、決定した説明IDが、過去にその患者に説明したことがあるか否かに関する情報を表示制御してもよい。
【0038】
出力制御部113は、決定された説明方法に基づいて、患者に対して疾患についての説明を出力制御してもよい。例えば、出力制御部113は、決定部が決定した説明方法に基づいて、ドキュメント、動画、音声、質疑応答に関する情報などを出力して、送受信部を介して、院内端末200に送信してもよい。この場合、院内端末200は、サーバ100の出力制御部113にしたがって決定された説明方法を出力制御するため、院内端末200の表示装置や音声出力装置を出力制御のために利用するとしても、出力制御をするのはサーバ100の出力制御部113といえる。
【0039】
出力制御部113は、患者の予後に関する情報をさらに出力制御してもよい。予後に関する情報を出力制御することで、患者は疾患についての説明をより現実的なものとして受け入れやすくなる。ここで、予後に関する情報とは、例えば、1月後、2月後、1年後に現在の疾患がどの程度回復するか又は悪化するかに関する情報であってもよい。また、予後に関する情報は、患者データのほか、その他電子カルテに記載された情報などに基づいて出力制御されてもよい。
【0040】
評価部114は、疾患についての説明に対する、患者の理解度を評価する。一例として、出力制御部113は、疾患についての説明において、理解度を評価するための質問を出力制御し、評価部は、質問に対する患者に回答内容に応じて、理解度を評価してもよい。この場合、回答のスコアによって理解度を評価してもよい。
【0041】
さらに、評価部114は、質疑応答を用いない例として、動画の視聴やドキュメントの閲覧を行ったことに応じて、理解度を評価してもよい。さらにこれに代えて、疾患について説明を行った医師や看護師からの入力情報に基づいて、評価部114は患者の理解度を評価してもよい。
【0042】
そのほか、評価部114は、疾患についての説明に関して、その説明が適切であったか否かについての患者からの評価を受け付けてもよい。そして、評価部114は、患者からの評価に応じて、分類テーブル153に記載の説明IDの対応付けを修正してもよい。例えば、患者からわかりやすさ、興味・関心との合致度等の入力を受付け、紐づける説明内容IDを変更してもよい。
【0043】
プロセッサ110は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU、画像処理装置(GPU)、プロセッサコア、マルチプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け集積回路(FPGA)等を含み、集積回路(IC)チップ、LS)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、又は、方法を実現してもよい。
【0044】
通信インターフェース120は、ネットワークを介して他の装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、通信インターフェース120は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0045】
入出力インターフェース130は、各種操作を入力する入力装置、及び、処理結果を出力する出力装置を含む。例えば、入出力インターフェース130は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、及び表示装置131などの情報出力装置を含んでもよい。なお、サーバ100は、外付けの入出力インターフェース130を接続することで、所定の入力を受け付けてもよいし、所定の出力を実行してもよい。例えば、サーバ100は、電子カルテやその他のパーソナルデータを記録する他のサーバと接続して、情報の入力を受け付けてもよい。
【0046】
メモリ140は、ストレージ150からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ110に対して作業領域を提供する。メモリ140には、プロセッサ110がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ140は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0047】
ストレージ150は、プログラム、各機能部、及び各種データを記憶する。ストレージ150は、例えば、患者データ151を格納してもよい。
【0048】
図2Bに、患者データ151のデータ構成の一例を示す。患者データ151において、「患者ID」は、患者を一意に特定するためのIDである。また、患者データ151には、患者IDに紐づいて、患者情報、疾患に関する理解度、並びに、行動履歴に関する情報が含まれていてもよい。患者情報には、患者の氏名、住所、年齢、職業、性別、疾患の重症度、及び来院回数に関する情報等が含まれていてもよい。
【0049】
患者データ151における「疾患に関する理解度」には、疾患に関する理解度を示すパラメータが記録されていてもよいし、これまで患者に行った疾患に関する説明の履歴が含まれていてもよい。また、「疾患に関する理解度」には、疾患に関する医学的な理解度のほか、疾患に適した飲食に対する理解度や、疾患に適した運動に関する理解度などが含まれてもよい。
【0050】
「行動履歴」には、患者が行った飲食や運動に関する履歴が含まれてもよい。飲食の履歴は、例えば、スーパーなどにおける食品の購買情報や外食履歴などを記録する他のサーバから取得してもよい。また、運動に関する履歴は、患者端末300が記録したGPSや各種加速度センサなどの位置センサから取得してもよい。
【0051】
また、ストレージ150は、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ストレージ150の他の例としては、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。
【0052】
2.2.動作処理
次に、医療補助システムの動作について説明する。
図2Cは、本実施形態の医療補助システムが行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS11において、サーバ100の送受信部111は、疾患に関する情報、患者の属性に関する情報などを取得する。例えば、疾患の説明を行う医師や看護師が院内端末200を操作し、適切な説明方法の出力要求とともに、疾患に関する情報、患者の属性に関する情報などをサーバ100に送信し、サーバ100の送受信部111は、これを受信してもよい。サーバ100の送受信部111は、取得した情報を、患者データ151に記録してもよい。
【0054】
ステップS12において、サーバ100の決定部112は、上記のようにして取得した患者情報に応じて、患者に対する疾患についての説明方法を決定する。この際、決定部112は、患者情報と説明方法とが予め対応付けられたテーブル又はモデルを用いて、取得した患者情報から説明方法を特定してもよい。
【0055】
ステップS13において、サーバ100の出力制御部113は、決定された説明方法に基づいて、患者に対して疾患についての説明を出力制御する。例えば、疾患の説明を行う医師や看護師が院内端末200を操作する場合には、サーバ100の出力制御部113は、決定された説明方法に基づいて、説明に供するドキュメントに関する情報、画像に関する情報、質疑応答に関する情報などを出力制御して、院内端末200に送信してもよい。そして、院内端末200は、受信した情報を表示装置や音声出力装置により、出力制御してもよい。
【0056】
一例として、質疑応答形式を出力するとき、サーバ100の出力制御部113は、質疑応答に関する情報に基づき、質疑に対する回答内容に応じて、次の質疑の内容を決定してもよい。例えば、第1問に対する回答が正解である場合と、不正解である場合とで、第2問の内容が異なってもよい。
【0057】
ステップS14において、サーバ100の評価部114は、疾患についての説明に対する、患者の理解度を評価する。評価部114は、患者がドキュメントを読んだ或いは動画を見たとことに基づいて理解度を評価してもよいし、質疑応答内容を考慮して理解度を評価してもよい。
【0058】
サーバ100の評価部114は、疾患についての説明に対する患者の理解度を評価して理解度を加算することのほか、理解度の減算をしてもよい。例えば、サーバ100の評価部114は、患者の行動履歴を鑑みて、疾患との関係で適切な食生活や運動を行っていない場合や、処方された薬物療法を適切に実行していない場合には、理解度を減算してもよい。これにより患者の行動が伴った疾患に関する理解度を評価することができる。
【0059】
2.3.情報処理方法
本実施形態の情報処理方法は、情報処理装置が、患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行する。
【0060】
なお、本実施形態の方法の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0061】
2.4.プログラム
本実施形態のプログラムは、情報処理装置に、患者情報に応じて、前記患者に対する疾患についての説明方法を決定するステップと、決定された前記説明方法に基づいて、前記患者に対して前記疾患についての説明を出力制御するステップと、前記疾患についての説明に対する、前記患者の理解度を評価するステップと、を実行させる。
【0062】
プログラムは、読み取り可能な記録媒体に記録された物であってもよい。なお、本実施形態のプログラムが実行する処理の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0063】
3.第2実施形態
第2実施形態として、本実施形態の医療補助システムでは、サーバ400は、患者の疾患に関する理解度に応じて患者に推奨する推奨情報を抽出し、当該推奨情報を患者端末300に送信する。そして、サーバ400は、推奨情報に対する患者の反応を、行動履歴として記録し、当該行動履歴に基づいて患者の疾患に関する理解度を再評価する。これにより患者の理解度の向上を支援することができる。サーバ400は、院内端末200と連携し、患者の疾患に関する理解度、患者に推奨する推奨情報、及び患者の行動履歴の少なくともいずれかを共有してもよい。
【0064】
なお、院内端末200及び患者端末300は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、その他コンピュータであってもよい。
【0065】
3.1.サーバ
図3Aに、第2実施形態のサーバの構成を表す図を示す。
図3Aに示すように、サーバ400は、例えば、プロセッサ410、通信インターフェース420、入出力インターフェース430、メモリ440、ストレージ450、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数のバス460を含む。サーバ400は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、その他コンピュータであってもよい。また、サーバ400は、汎用的なコンピュータであり、一台のコンピュータで構成されてもよいし、ネットワークN上に分散する複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0066】
プロセッサ410は、ストレージ450に記憶されるプログラムに含まれるコード、又は、命令によって実現する処理、機能、又は、方法を実行する。
図3Aに示すように、本実施形態のプロセッサ410は、送受信部411、抽出部412、行動履歴管理部413、及び評価部414として機能してもよい。
【0067】
送受信部411は、例えば、通信インターフェース420とネットワークNを介して、院内端末200や患者端末300などの他の装置に各種情報を送信する送受信部、又はこれら他の装置から各種情報を受信する受信部として機能してもよい。また、送受信部411は、後述する抽出部412が抽出した推奨情報を患者の端末に送信してもよい。
【0068】
抽出部412は、特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、患者に推奨する推奨情報を抽出する。
【0069】
疾患に関する理解度には、飲食と疾患の関係に関する理解度、運動と疾患の関係に関する理解度、及び、治療と疾患の関係に関する理解度のいずれかを含みうる。このような各種理解度に応じて、その患者の理解度が高い対象について患者に推奨する推奨情報を提供することで、患者の理解度のより一層の向上を図るとともに、患者に推奨される行動をより適切に提供することができる。
【0070】
例えば、骨粗しょう症の飲食に対する理解度の高い患者に対しては、抽出部412は、推奨行動に関する情報から飲食に関する推奨情報を抽出し、当該患者に提供してもよい。また別の例としては、抽出部412は、骨粗しょう症の運動に対する理解度の高い患者に対しては、推奨行動に関する情報から運動に関する推奨情報を抽出し、当該患者に提供してもよい。
【0071】
また、これに代えて又は加えて、骨粗しょう症の飲食に対する理解度の低い患者に対しては、抽出部412は、推奨行動に関する情報から飲食に関する推奨情報を抽出し、当該患者に提供してもよい。これにより、不足する理解度を補うことができる。また、この際に抽出部412が抽出する推奨情報は、患者の飲食に対する理解度に応じて、より実行しやすい簡易な推奨情報を抽出して提供してもよい。具体的には、抽出部412が、患者の飲食に対する理解度が低いほど、実行しやすい推奨情報を抽出して提供することで、理解度を向上するきっかけを与えることができる。
【0072】
抽出部412は、患者の年齢、性別、疾患の重症度の内少なくともいずれかを含む患者情報と、患者の疾患に関する理解度とに基づいて、患者に推奨する推奨情報を抽出してもよい。これにより、理解度に加えて患者情報を考慮した適切な推奨情報の抽出と提供が可能となる。
【0073】
抽出部412は、患者に推奨する推奨情報と共起関係を有する共起推奨情報をさらに抽出してもよく、送受信部411は、抽出した推奨情報と共起推奨情報を患者の端末に送信してもよい。具体的には、抽出部412は、飲食に関する推奨情報に基づいて、共起関係を有する運動に関する推奨情報を提供することができる。飲食の理解度に応じて飲食に関する推奨情報を提供するのでは、飲食の理解度の向上しか望めないところ、共起関係を利用することにより、患者により幅広い推奨情報を提供することが可能となり、様々な観点から理解度の向上を図ることが可能となる。
【0074】
行動履歴管理部413は、推奨情報に対する患者の反応を、行動履歴として記録する。具体的には、送受信部411が、推奨情報として、当該推奨情報にアクセスするためのリンクを送信し、行動履歴管理部413は、リンクへの患者のアクセスに関する情報を、行動履歴として記録してもよい。この際、患者が患者端末300を操作してリンク先にアクセスしたときに、行動履歴管理部413は、そのアクセスを検知して、リンクへの患者のアクセスに関する情報を行動履歴として記録してもよい。リンクへのアクセスは、リンク先の推奨情報に対する患者の興味行動の一つと捉えることができる。このような興味行動を行動履歴として記録することで、行動履歴に応じて患者がより興味を持ち、疾患への理解度を深める情報の提供に役立てることが可能となる。
【0075】
行動履歴管理部413は、上記のようにして得られた各種データを、患者データ451に記録してもよい。これにより、患者データ451から、興味・関心、行動履歴、理解度、及び骨密度等の疾患の重症度との関係が抽出可能となる。さらに、各機能部は患者データ451を参照することで、これら情報を対応付けて取得できる。なお、本実施形態は患者データ収集装置、または患者データ収集方法としての側面も有する。
【0076】
推奨情報が、場所に関する情報を含むとき、行動履歴管理部413は、前記場所への前記患者のアクセスに関する情報を、前記行動履歴として記録してもよい。この際、行動履歴管理部413は、患者端末300に搭載されたGPSによる位置情報や、所定の場所に設置されたビーコンと患者端末300との接近による位置情報を、ネットワークNを介して取得して、それらを行動履歴として記録してもよい。
【0077】
推奨情報が、運動に関する情報を含むとき、行動履歴管理部413は、前記患者の運動に関する情報を、前記行動履歴として記録してもよい。この際、行動履歴管理部413は、患者端末300に搭載された加速度センサや、心拍などのバイタルセンサにより得られた運動に関する情報を、ネットワークNを介して取得して、それらを行動履歴として記録してもよい。
【0078】
推奨情報が、飲食に関する情報を含むとき、行動履歴管理部413は、前記患者の食品の購買履歴又は外食履歴を、前記行動履歴として記録してもよい。この際、行動履歴管理部413は、患者端末300に搭載された各種決済手段や、患者が保有するその他の決済手段、あるいは、患者端末300に搭載された家計簿アプリなどの購買情報を、ネットワークNを介して取得して、それらを行動履歴として記録してもよい。
【0079】
評価部414は、行動履歴に基づいて、患者の疾患に関する理解度を再評価する。具体的には、飲食に関連する行動履歴が多い場合には、飲食と疾患の関係に関する理解度をより高く評価したり、運動に関連する行動履歴が多い場合には、運動と疾患の関係に関する理解度をより高く評価したりすることができる。このように理解度を再評価することで、患者の最新の理解度に基づいて、より適切な推奨情報の提供をすることができる。
【0080】
プロセッサ410は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU、画像処理装置(GPU)、プロセッサコア、マルチプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け集積回路(FPGA)等を含み、集積回路(IC)チップ、LS)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、又は、方法を実現してもよい。
【0081】
通信インターフェース420は、ネットワークを介して他の装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、通信インターフェース420は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0082】
入出力インターフェース430は、各種操作を入力する入力装置、及び、処理結果を出力する出力装置を含む。例えば、入出力インターフェース430は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、及び表示装置431などの情報出力装置を含んでもよい。なお、サーバ400は、外付けの入出力インターフェース430を接続することで、所定の入力を受け付けてもよいし、所定の出力を実行してもよい。例えば、サーバ400は、電子カルテやその他のパーソナルデータを記録する他のサーバと接続して、情報の入力を受け付けてもよい。
【0083】
メモリ440は、ストレージ450からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ410に対して作業領域を提供する。メモリ440には、プロセッサ410がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ440は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0084】
ストレージ450は、プログラム、各機能部、及び各種データを記憶する。ストレージ450は、例えば、患者データ451を格納してもよい。患者データ451としては、第1実施形態の患者データ251と同様のものを例示できる。
【0085】
また、ストレージ450は、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ストレージ450の他の例としては、プロセッサ410から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。
【0086】
3.2.動作処理
次に、医療補助システムの動作について説明する。
図3Bは、本実施形態の医療補助システムが行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS21において、サーバ400の抽出部412は、特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、患者に推奨する推奨情報を抽出する。
【0088】
ステップS22において、サーバ400の送受信部411は、抽出した推奨情報を患者端末300に送信する。この際送信する推奨情報は、当該推奨情報のURLを示すリンク、テキストデータ、画像データ、その他患者に対して推奨情報を伝達できる態様であれば、特に制限されない。
【0089】
ステップS23において、サーバ400の行動履歴管理部413は、推奨情報に対する患者の反応を、行動履歴として記録する。また、この時、行動履歴管理部413は、推奨情報とは関係のない患者の反応を、行動履歴として記録してもよい。これにより、推奨情報に対する反応とは異なる観点から、患者の興味や理解度を評価することができる。
【0090】
ステップS24において、サーバ400の評価部414は、行動履歴に基づいて、患者の疾患に関する理解度を再評価する。サーバ400の評価部414は、疾患についての説明に対する患者の理解度を評価して理解度を加算することのほか、理解度の減算をしてもよい。
【0091】
3.3.情報処理方法
本実施形態の情報処理方法は、情報処理装置が、特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、抽出した推奨情報を患者の端末に送信するステップと、推奨情報に対する患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、行動履歴に基づいて、患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行する。
【0092】
なお、本実施形態の方法の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0093】
3.4.プログラム
本実施形態のプログラムは、情報処理装置に、特定の疾患に罹患している者に対する日常生活における推奨行動に関する情報から、患者の疾患に関する理解度に応じて、患者に推奨する推奨情報を抽出するステップと、抽出した推奨情報を患者の端末に送信するステップと、推奨情報に対する患者の反応を、行動履歴として記録するステップと、行動履歴に基づいて、患者の疾患に関する理解度を再評価するステップと、を実行させる。
【0094】
プログラムは、読み取り可能な記録媒体に記録された物であってもよい。なお、本実施形態のプログラムが実行する処理の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、医療支援システムとして産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0096】
100…サーバ、110…プロセッサ、111…送受信部、112…決定部、113…出力制御部、114…評価部、120…通信インターフェース、130…入出力インターフェース、131…表示装置、140…メモリ、150…ストレージ、151…患者データ、160…バス、200…院内端末、300…患者端末、400…サーバ、410…プロセッサ、411…送受信部、412…抽出部、413…行動履歴管理部、414…評価部、420…通信インターフェース、430…入出力インターフェース、431…表示装置、440…メモリ、450…ストレージ、451…患者データ、460…バス。