(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145468
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】接合治具及び接合部材
(51)【国際特許分類】
F16B 12/46 20060101AFI20241004BHJP
F16B 12/14 20060101ALI20241004BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F16B12/46 A
F16B12/14
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057832
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100224926
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 雄久
(72)【発明者】
【氏名】吉江 邦将
【テーマコード(参考)】
3B067
3J024
【Fターム(参考)】
3B067AA09
3B067DA03
3J024AA12
3J024AA43
3J024CA03
3J024CA18
(57)【要約】
【課題】第1締結具と第2締結具とにより板材同士を接合する際の取り回しを向上させることができる接合治具を提供する。
【解決手段】実施形態における接合治具2は、主面が異なる方向に向けられた第1板材101と第2板材102とを第1締結具5と第2締結具6により接合する際に用いられる接合治具2であって、第1方向Xに貫通されるとともに第1締結具5の軸部52を設けるための第1貫通孔3と、第1方向Xに交わる第2方向Yに貫通されるとともに第2締結具6の軸部62を設けるための第2貫通孔4と、が形成される本体部2を備える 。第1貫通孔3は、貫通方向の一端部に第1締結具5の軸部52よりも径大に形成される第1径大部32と、第1径大部32よりも径小に形成されるとともに第1締結具5の軸部52を保持するための第1径小部31と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面が異なる方向に向けられた板材同士を第1締結具と第2締結具により接合する際に用いられる接合治具であって、
第1方向に貫通されるとともに第1締結具の軸部を設けるための第1貫通孔と、
前記第1方向に交わる第2方向に貫通されるとともに第2締結具の軸部を設けるための第2貫通孔と、が形成される本体部を備え、
前記第1貫通孔は、
貫通方向の一端部に前記第1締結具の軸部よりも径大に形成される第1径大部と、
前記第1径大部よりも径小に形成されるとともに前記第1締結具の軸部を保持するための第1径小部と、を有すること
を特徴とする接合治具。
【請求項2】
前記第2貫通孔は、
貫通方向の一端部に前記第2締結具の軸部よりも径大に形成される第2径大部と、
前記第2径大部よりも径小に形成されるとともに前記第2締結具の軸部を保持するための第2径小部と、を有すること
を特徴とする請求項1記載の接合治具。
【請求項3】
前記第1貫通孔及び第2貫通孔の少なくとも何れかは、長孔であること
を特徴とする請求項2記載の接合治具。
【請求項4】
前記本体部は、前記板材への取り付け位置をガイドするためのガイド部を有すること
を特徴とする請求項1記載の接合治具。
【請求項5】
前記本体部は、前記第1貫通孔の中心軸と前記第2貫通孔の中心軸とを通る面に、前記ガイド部を有すること
を特徴とする請求項4記載の接合治具。
【請求項6】
前記第1径小部は、周方向に平坦状に形成されること
を特徴とする請求項1記載の接合治具。
【請求項7】
前記本体部は、透明性を有すること
を特徴とする請求項1記載の接合治具。
【請求項8】
主面が異なる方向に向けられた板材同士を接合するための接合部材であって、
第1方向に貫通される第1貫通孔と、前記第1方向に交わる第2方向に貫通される第2貫通孔と、が形成される本体部を備える接合治具と、
前記第1貫通孔に設けられるとともに軸部を有する第1締結具と、
前記第2貫通孔に設けられるとともに軸部を有する第2締結具と、を備え、
前記第1貫通孔は、
貫通方向の一端部に前記第1締結具の軸部よりも径大に形成される第1径大部と、
前記第1径大部よりも径小に形成されるとともに前記第1締結具の軸部を保持するための第1径小部と、を有すること
を特徴とする接合部材。
【請求項9】
前記第1締結具は、前記軸部と、前記軸部の基端部に形成される頭部と、を有し、
前記軸部は、先端側に形成されるネジ部と、前記ネジ部と前記頭部の間に周方向に平坦状の平坦部と、を有すること
を特徴とする請求項8記載の接合部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主面が異なる方向に向けられた板材同士を第1締結具と第2締結具とにより接合するための接合治具及び接合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネットに使われている側板等の板材へ、天板、底板、背板等の板材を取り付ける構造においては、ネジを用いて接合される場合がある。ネジを用いて板材同士を略垂直に接合する技術として、例えば特許文献1が開示されている。
【0003】
特許文献1には、前記背面パネル、側面パネルに連結金具がネジにより取り付けられ、天板、地板、固定棚に前記連結金具に嵌め込まれる取付金具がネジにより取り付けられ、前記連結金具に取付金具を嵌め込むことにより、前記背面パネル、側面パネルとに、天板、地板、固定棚が固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、連結金具と取付金具は、ネジによりパネルに取り付けられる。このため、連結金具や取付金具をパネルに取り付ける際には、作業者は金具とネジを手で保持しながら、ネジ止めする必要がある。したがって、金具やネジを手から落としてしまうことが懸念され、部品の取り回しを行い難い。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、第1締結具と第2締結具とにより板材同士を接合する際の部品の取り回しを向上させることができる接合治具及び接合部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る接合治具は、主面が異なる方向に向けられた板材同士を第1締結具と第2締結具により接合する際に用いられる接合治具であって、第1方向に貫通されるとともに第1締結具の軸部を設けるための第1貫通孔と、前記第1方向に交わる第2方向に貫通されるとともに第2締結具の軸部を設けるための第2貫通孔と、が形成される本体部を備え、前記第1貫通孔は、貫通方向の一端部に前記第1締結具の軸部よりも径大に形成される第1径大部と、前記第1径大部よりも径小に形成されるとともに前記第1締結具の軸部を保持するための第1径小部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る接合部材は、主面が異なる方向に向けられた板材同士を接合するための接合部材であって、第1方向に貫通される第1貫通孔と、前記第1方向に交わる第2方向に貫通される第2貫通孔と、が形成される本体部を備える接合治具と、前記第1貫通孔に設けられるとともに軸部を有する第1締結具と、前記第2貫通孔に設けられるとともに軸部を有する第2締結具と、を備え、前記第1貫通孔は、貫通方向の一端部に前記第1締結具の軸部よりも径大に形成される第1径大部と、前記第1径大部よりも径小に形成されるとともに前記第1締結具の軸部を保持するための第1径小部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1締結具と第2締結具とにより板材同士を接合する際の部品の取り回しを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるキャビネットの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における板材の接合構造の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における板材の接合構造の一例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における接合治具の一例を示す斜視図である。
【
図5】
図5(a)は、第1実施形態における接合治具の一例を第1接触面側から示す図であり、
図5(b)は、第1実施形態における接合治具の一例を第2接触面側から示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態における板材の接合方法の一例における第1保持工程と第2保持工程とを説明する図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態における板材の接合方法の一例における第1締め付け工程を説明する図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態における板材の接合方法の一例における第2締め付け工程を説明する図である。
【
図9】
図9(a)は、第2実施形態における接合治具の一例を第1対向面側から示す図であり、
図9(b)は、第2実施形態における接合治具の一例を第2対向面側から示す図である。
【
図10】
図10(a)は、第2実施形態における接合治具の一例を第1接触面側から示す図であり、
図10(b)は、第2実施形態における接合治具の一例を第2接触面側から示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態における板材の接合方法の第1例における第1保持工程と第2保持工程とを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態における板材の接合方法の第1例における第1保持工程と第2保持工程とを示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態における板材の接合方法の第2例における第1保持工程と第2保持工程とを示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態における板材の接合方法の第2例における第1保持工程と第2保持工程とを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した接合治具、該接合治具を用いた接合部材、該接合部材を用いた板材の接合構造、キャビネット、該接合治具を用いた接合部材の組立方法、該接合部材を用いた板材の接合方法及びキャビネットの組立方法を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下、第1貫通孔の貫通方向を第1方向Xとし、第1方向に交わる第2貫通孔の貫通方向を第2方向Yとし、第1方向Xと第2方向Yとに交わる方向を第3方向Zとする。
【0012】
<キャビネット100>
図1に示すように、キャビネット100は、接合構造10により接合された複数の板材を含む棚等である。キャビネット100は、板材等を接合して構成されるとともに内部に収納空間を有する、箱型の収納家具である。キャビネット100は、例えば、該収納空間の前面に丁番を介して開閉可能に扉を設けたり、該収納空間に摺動可能な引出を設けたりすることもできる収納家具である。キャビネット100は、例えば吊戸棚であってもよい。キャビネット100は、例えば対面式キッチンの壁側に配されるカップボード等の収納スペースに用いられる収納庫であってもよい。キャビネット100は、例えばキッチンや洗面化粧台等のカウンターの下方に設けられるキャビネットでもよい。
【0013】
キャビネット100は、第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15と、のそれぞれが接合される。なお、キャビネット100がカウンター下にワゴンを収容するための空間や、座りながらの作業が可能な空間が設けられるキャビネット(シンクキャビネット等)である場合等には、底板等の一部の板材が省略されることもある。
【0014】
板材の接合構造10は、例えばキャビネット100を構成する第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15と、のうち互いに接触されて主面が異なる方向に向けられた何れか2つの板材を接合する。
【0015】
<第1実施形態:板材の接合構造10、第1板材101、第2板材102>
図2及び
図3に示すように、板材の接合構造10は、接合部材1により第1板材101と第2板材102とが略垂直に接合される。
【0016】
第1板材101と第2板材102は、例えば直方体状に形成され、一対の主面と、一対の主面を繋ぐ4つの端面が形成される。板材の接合構造10では、第1板材101の端面と、第2板材102の主面とが接触されて接合される。接合部材1は、第1板材101の主面と、第2板材102の主面とに設置される。第1板材101は、第1方向Xに交わる面に沿って主面が形成される。第2板材102は、第2方向Yに交わる面に沿って主面が形成される。
【0017】
第1板材101と第2板材102とは、例えばMDF(Medium Density Fiberboard)、無垢材、合板、集成材、及びパーチクルボード等の木製の板材であってもよい。第1板材101と第2板材102とは、例えば鋼板やステンレス等の金属製の板材を含んだ構成であってもよい。また、第1板材101と第2板材102とは、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂製の板材であってもよい。第1板材101と第2板材102とは、例えば発泡ポリスチレン等の発泡樹脂製の板材であってもよい。
【0018】
<接合部材1>
接合部材1は、主面が異なる方向に向けられた、例えば互いに略垂直に配置された第1板材101と第2板材102とを接合する。接合部材1は、第1締結具5と第2締結具6とが設けられる接合治具2と、第1締結具5と、第2締結具6と、を備える。接合治具2は、第1方向Xに貫通される第1貫通孔3と、第2方向Yに貫通される第2貫通孔4と、が形成される本体部20を備える。
【0019】
第1締結具5は、第1貫通孔3に設けられる。第1締結具5は、例えば木ネジが用いられる。第1締結具5は、頭部51と、軸部52とを有する。頭部51は、軸部52の基端部に形成される。軸部52は、凹凸のない平坦状に形成される平坦部52aと、平坦部52aを挟んで頭部51の反対側のネジ山が形成されるネジ部52bと、を有する。ネジ部52bは、軸部52の先端側に形成され、第1板材101にねじ込まれる。ネジ部52bの外径は、平坦部52aの外径よりも大きい。なお、第1締結具5は、軸部52の全てにネジ山が形成されてもよい。この場合、軸部52は、平坦部52aが省略され、ネジ部52bのみが形成される。なお、第1締結具5は、ボルトであってもよい。この場合、第1締結具5に嵌め合わされるナットが第1板材101に埋設されてもよい。これにより、第1締結具5がボルトの場合であっても、第1板材に締め付けることができる。
【0020】
第2締結具6は、第2貫通孔4に設けられる。第2締結具6は、例えば木ネジが用いられる。第2締結具6は、頭部61と、軸部62とを有する。頭部61は、軸部62の基端部に形成される。軸部62は、凹凸のない平坦状に形成される平坦部62aと、平坦部62aを挟んで頭部61の反対側のネジ山が形成されるネジ部62bと、を有する。ネジ部62bは、軸部62の先端側に形成され、第2板材102にねじ込まれる。ネジ部62bの外径は、平坦部62aの外径よりも大きい。なお、第2締結具6は、軸部62の全てにネジ山が形成されてもよい。この場合、軸部62は、平坦部62aが省略され、ネジ部62bのみが形成される。なお、第2締結具6は、ボルトであってもよい。この場合、第2締結具6に嵌め合わされるナットが第2板材102に埋設されてもよい。これにより、第2締結具6がボルトの場合であっても、第2板材に締め付けることができる。
【0021】
<接合治具2>
図3及び
図4に示すように、接合治具2は、主面が異なる方向に向けられた第1板材101と第2板材102とを第1締結具5と第2締結具6とにより接合する際に用いられる。接合治具2は、第1締結具5と第2締結具6とが保持される。接合治具2は、第1方向Xに貫通される第1貫通孔3と、第2方向Yに貫通される第2貫通孔4と、が形成される本体部20を備える。本体部20は、第3方向から見てL字状に形成される。本体部20は、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂製で構成される。本体部20は、第1接触面21と、第1対向面22と、第2接触面23と、第2対向面24と、外側面25と、を有する。なお、本体部20は、可視光に対する透明性を有してもよい。
【0022】
第1接触面21は、第1方向Xに交わる面に沿って形成される。第1接触面21は、第1板材101に接触される。
【0023】
第1対向面22は、第1方向Xに交わる面に沿って形成される。第1対向面22は、第1接触面21の反対側に形成され、第1締結具5の頭部51が接触される。
【0024】
第2接触面23は、第2方向Yに交わる面に沿って形成される。第2接触面23は、第2板材102に接触される。
【0025】
第2対向面24は、第2方向Yに交わる面に沿って形成される。第2対向面24は、第1接触面21の反対側に形成され、第2締結具6の頭部61が接触される。
【0026】
外側面25は、第1接触面21と第1対向面22と第2接触面23と第2対向面24とを繋ぐ。
【0027】
図5に示すように、第1貫通孔3は、第1径小部31と、第1径大部32と、を有する。第1径大部32と第1径小部31は、円形状に形成される。第1径小部31は、第1径大部32よりも径小に形成される。第1径大部32の内径d32は、第1径小部31の内径d31よりも大きい。なお、第1貫通孔は、長孔とすることもできる。これにより、第1貫通孔が長孔の場合、第1締結具5の軸部52を遊びがある状態で保持することができる。第1貫通孔は、第2方向Yを長手方向とする長孔とすることが好ましい。この場合、第1締結具5の位置を第2方向Yに調整することができる。
【0028】
第1径小部31は、内周面が周方向に凹凸のない平坦状に形成される。なお、第1径小部31は、内周面に第1締結具5のネジ部52bが嵌め合わせ可能なネジ部が形成されてもよい。この場合、第1径小部31に第1締結具5のネジ部52bを回転させながら挿入し易くできる。なお、第1締結具5は、周方向に平坦状に形成された第1径小部31に回転しながら挿入する際に、ネジ部52bにより、周方向に平坦状に形成された第1径小部31の内周面に、ネジ山を刻みながら挿入させることもできる。これにより、第1径小部31の内周面に、ネジ部を形成できる。
【0029】
図3に示すように、第1径小部31は、第1締結具5の軸部52を保持する。第1径小部31は、第1締結具5の軸部52のネジ部52bよりも径小である。第1径大部32は、貫通方向の一端部に第1締結具5の軸部52よりも径大に形成される。
図3に示す一例においては、第1径大部32の内径>ネジ部52bの外径≧第1径小部31の内径≧平坦部52aの外径となる。
【0030】
図5に示すように、第2貫通孔4は、第2径小部41と、第2径大部42と、を有する。第2径小部41は、第2径大部42よりも径小に形成される。第2径大部42の内径d42は、第2径小部41の内径d41よりも大きい。第2径大部42と第2径小部41は、第1方向Xを長手方向とする長孔で形成される。第2径大部42の長径d421は、第2径小部41の長径d411よりも大きい。第2径大部42の短径d422は、第2径小部41の短径d412よりも大きい。
【0031】
第2径小部41は、内周面が周方向に凹凸のない平坦状に形成される。なお、第2径小部41は、内周面に第2締結具6のネジ部62bが嵌め合わせ可能なネジ部が形成されてもよい。この場合、第2径小部41に第2締結具6のネジ部62bを回転させながら挿入し易くできる。なお、第2締結具6は、周方向に平坦状に形成された第2径小部41に回転しながら挿入する際に、ネジ部62bにより、周方向に平坦状に形成された第2径小部41の内周面に、ネジ山を刻みながら挿入させることもできる。これにより、第2径小部41の内周面に、ネジ部を形成できる。
【0032】
図3に示すように、第2径小部41は、第2締結具6の軸部62を保持する。第2径小部41は、第2締結具6の軸部62のネジ部62bよりも径小である。第2貫通孔4が長孔である場合、第2締結具6の軸部62を長孔の長手方向に移動させることができる。このように、第2貫通孔4は、第2締結具6の軸部62を遊びがある状態で保持することができる。第2径大部42は、貫通方向の一端部に第2締結具6の軸部62よりも径大に形成される。
図3に示す一例においては、第2径大部42の内径>ネジ部62bの外径≧第2径小部41の内径≧平坦部62aの外径となる。
【0033】
<キャビネットの組立方法>
次に、キャビネットの組立方法の一例について説明する。キャビネットの組立方法は、キャビネット100を構成する第1側板11と、第2側板12と、底板13と、天板14と、背板15と、のうち互いに主面が異なる方向に向けられた何れか2つの板材を接合する。キャビネットの組立方法は、板材の接合方法を備える。
【0034】
<第1実施形態:板材の接合方法>
板材の接合方法は、接合部材1により第1板材101と第2板材102とを接合する。板材の接合方法は、設置工程と、接合工程を備える。板材の接合方法は、設置工程を有する接合部材の組立方法を備える。
【0035】
<設置工程>
設置工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に第1締結具5を設けるとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に第2締結具6を設ける。設置工程は、第1保持工程と、第2保持工程と、を有する。
【0036】
<接合工程>
接合工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に設けた第1締結具5を第1板材101に接合するとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に設けた第2締結具6を第2板材102に接合する。接合工程は、第1締め付け工程と、第2締め付け工程と、を有する。
【0037】
<第1保持工程>
図6に示すように、第1保持工程では、第1貫通孔3に第1締結具5の軸部52を挿入する。この際、第1締結具5を回転させながら挿入してもよいし、第1締結具5を回転させることなく軸部52の延伸方向に押し込んで挿入してもよい。そして、第1保持工程では、第1貫通孔3の貫通方向の一端部に第1締結具5の軸部52よりも径大に形成される第1径大部32よりも径小に形成される第1径小部31に、第1締結具5の軸部52を保持させる。これにより、作業者は、接合治具2を手で支えればよく、第1締結具5を手で支える必要がない。このため、第1締結具5や接合治具2等の部品が脱落するのを抑制できる。
【0038】
更に、第1径小部31は、頭部51よりも径小であり、第1締結具5の軸部52のネジ部52bよりも径小である。このため、第1締結具5の平坦部52aを第1径小部31に保持させたとき、頭部51とネジ部52bとにより軸部52の延伸方向への移動が制限されるため、第1締結具5が脱落するのを更に抑制できる。
【0039】
<第2保持工程>
また、第2保持工程では、第2貫通孔4に第2締結具6の軸部62を挿入する。この際、第2締結具6を回転させながら挿入してもよいし、第2締結具6を回転させることなく軸部62の延伸方向に押し込んで挿入してもよい。そして、第2保持工程では、第2貫通孔4の貫通方向の一端部に第2締結具6の軸部62よりも径大に形成される第2径大部42よりも径小に形成される第2径小部41に、第2締結具6の軸部62を保持させる。これにより、作業者は、接合治具2を手で支えればよく、第2締結具6を手で支える必要がない。このため、第2締結具6や接合治具2等の部品の脱落を抑制できる。
【0040】
更に、第2径小部41は、頭部61よりも径小であり、第2締結具6の軸部62のネジ部62bよりも径小である。このため、第2締結具6の平坦部52aを第2径小部41に保持させたとき、頭部61とネジ部62bとにより軸部62の延伸方向への移動が制限されるため、第2締結具6が脱落するのを更に抑制できる。
【0041】
また、第2貫通孔4が長孔である。これにより、第2径小部41に対する第2締結具6の軸部62の保持位置を調整することができる。このため、第1締結具5と第2締結具6とを板材に締め付ける前の状態において、第2径小部41に保持した第2締結具6が第1径小部31に保持した第1締結具5に干渉するのを抑制できる。
【0042】
第1保持工程と第2保持工程の少なくとも何れかでは、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置する。本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置するのは、第1締め付け工程と第2締め付け工程の前であればよい。例えば、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置した後に、第1締結具5と第2締結具6を本体部20に保持してもよい。例えば、第1締結具5と第2締結具6を本体部20に保持した後に、当該本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置してもよい。
【0043】
<第1締め付け工程>
図6及び
図7に示すように、第1締め付け工程は、第1保持工程の後に、第1締結具5を回転させながら第1板材101に第1締結具5のネジ部52bを締め付けて接合する。詳細には先ず、第1締め付け工程では、第1板材101に予め形成された下穴101aに、第1締結具5の軸部52の先端をガイドする。ここで、軸部52の平坦部52aが形成されるため、第1径小部31に保持された第1締結具5の軸部52は、その延伸方向への相対移動が容易となる。このため、軸部52の先端が下穴101aに差し掛かった際には、軸部52の先端が第1板材101の下穴101aにガイドされる。このため、接合治具2を事前に設計された位置に設置し易くできる。
【0044】
そして、第1締め付け工程では、第1締結具5を回転させながら第1板材101に第1締結具5のネジ部52bを締め付けて接合する。第1径大部32は、軸部52のネジ部52bよりも径大である。これにより、第1締結具5を回転させたとき、ネジ部52bが第1径大部32に干渉するのを防止できる。このため、第1締結具5を円滑に締め付けることができる。
【0045】
<第2締め付け工程>
図7及び
図8に示すように、第2締め付け工程は、第2保持工程の後に、第2締結具6を回転させながら第2板材102に第2締結具6のネジ部62bを締め付けて接合する。詳細には先ず、第2締め付け工程では、第2板材102に予め形成された下穴102aに、第2締結具6の軸部62の先端をガイドする。ここで、軸部62の平坦部62aが形成されるため、第2径小部41に保持された第2締結具6の軸部62は、その延伸方向への相対移動が容易となる。このため、軸部62の先端が下穴102aに差し掛かった際には、軸部62の先端が第2板材102の下穴102aにガイドされる。このため、接合治具2を事前に設計された位置に設置し易くできる。
【0046】
また、第2貫通孔4が長孔である。これにより、第2締結具6の締め付け位置を調整することができる。
【0047】
そして、第2締め付け工程では、第2締結具6を回転させながら第2板材102に第2締結具6のネジ部62bを締め付けて接合する。第2径大部42は、軸部62のネジ部62bよりも径大である。これにより、第2締結具6を締め付けたとき、ネジ部62bが第2径大部42に干渉するのを防止できる。このため、第2締結具6を円滑に締め付けることができる。
【0048】
以上により、第1実施形態における板材の接合方法の一例が完了する。
【0049】
本実施形態では、第1貫通孔3は、貫通方向の一端部に第1締結具5の軸部52よりも径大に形成される第1径大部32と、第1径大部32よりも径小に形成されるとともに第1締結具5の軸部52を保持するための第1径小部31と、を有する。これにより、作業者は、接合治具2を手で支えればよく、第1締結具5を手で支える必要がない。このため、第1板材101と第2板材102と接合する際に第1締結具5や接合治具2等の部品の脱落を抑制できる。その結果、板材同士を接合する際の取り回しを更に向上させることができる。
【0050】
本実施形態では、第1径大部32は、軸部52のネジ部52bよりも径大である。これにより、第1締結具5を締め付けたとき、ネジ部52bが第1径大部32に干渉するのを防止できる。このため、第1締結具5を円滑に締め付けることができる。
【0051】
本実施形態では、第2貫通孔4は、貫通方向の一端部に第1締結具5の軸部52よりも径大に形成される第2径大部42と、第2径大部42よりも径小に形成されるとともに第2締結具6の軸部62を保持するための第2径小部41と、を有する。これにより、作業者は、接合治具2を手で支えればよく、第2締結具6を手で支える必要がない。このため、第1板材101と第2板材102とを接合する際に第2締結具6や接合治具2等の部品の脱落を抑制できる。その結果、板材同士を接合する際の取り回しを更に向上させることができる。
【0052】
本実施形態では、第2径大部42は、軸部62のネジ部62bよりも径大である。これにより、第2締結具6を締め付けたとき、ネジ部62bが第2径大部42に干渉するのを防止できる。このため、第2締結具6を円滑に締め付けることができる。
【0053】
本実施形態では、第2貫通孔4は、長孔である。これにより、第2径小部41に対する第2締結具6の軸部62の保持位置を調整することができる。このため、第1締結具5と第2締結具6とを板材に締め付ける前の状態において、第2径小部41に保持した第2締結具6が第1径小部31に保持した第1締結具5に干渉するのを抑制できる。その結果、板材同士を接合する際の取り回しを更に向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、第2貫通孔4は、長孔である。これにより、第2締結具6の締め付け位置を調整することができる。その結果、板材同士を接合する際の取り回しを更に向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第2貫通孔4は、第1方向Xを長手方向とする長孔である。これにより、第2締結具6の保持位置と締め付け位置とを第1方向Xに調整することができる。その結果、板材同士を接合する際の取り回しを更に向上させることができる。
【0056】
本実施形態では、軸部52は、先端側に形成されるネジ部52bと、ネジ部52bと頭部51の間に周方向に平坦状の平坦部52aと、を有する。これにより、軸部52の延伸方向への相対移動を容易に行うことができる。
【0057】
本実施形態では、第1径小部31は、周方向に平坦状に形成される。これにより、軸部52の延伸方向への相対移動を容易に行うことができる。
【0058】
なお、本発明では、本体部20は、透明性を有してもよい。この場合、作業者は、第1貫通孔3と第2貫通孔4とに設けられた第1締結具5と第2締結具6とを視認できる。このため、本体部20を事前に設計された位置に設置し易くできる。また、本体部20が透明性を有し、第1板材101と第2板材102とに下穴101aと下穴102aとが形成される場合、作業者は、下穴101aと下穴102aも視認できる。このため、本体部20を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0059】
なお、上述した実施形態では、第2貫通孔4は、第2径小部41と第2径大部42とを有する形態について説明したが、本発明では、第2貫通孔4は、第2板材102に接合するための第2締結具6の軸部が挿入されればよく、第2径小部41と第2径大部42とを省略することもできる。
【0060】
<第2実施形態:板材の接合構造10>
次に、第2実施形態における板材の接合構造10について説明する。第2実施形態では、本体部20は、ガイド部7を有する点で、主に第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と相違する点について主に説明し、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
【0061】
図9及び
図10に示すように、本体部20は、第1板材101及び第2板材102の少なくとも何れかへの取り付け位置をガイドするためのガイド部7を有する。ガイド部7は、例えば第1貫通孔3の中心軸C3と第2貫通孔4の中心軸C4とを通る面Lに形成されることが好ましい。ガイド部7は、第1突起71と、第2突起72と、第1溝73と、第2溝74と、を有する。
【0062】
図9(a)に示すように、第1突起71は、本体部20の外側面25に突出されて形成される。第1突起71は、第1接触面21から第1対向面22まで第1貫通孔3の中心軸C3に沿って延伸される。このように、第1突起71は、外側面25の第1接触面21側の端部に設けられることが好ましい。この場合、第1接触面21側の端部に設けられた第1突起71を、第1板材101に接触させることができる。
【0063】
図9(b)に示すように、第2突起72は、本体部20の外側面25に突出されて形成される。第2突起72は、第2接触面23から第2対向面24まで第2貫通孔4の中心軸C4に沿って延伸される。このように、第2突起72は、外側面25の第2接触面23側の端部に設けられることが好ましい。この場合、第2接触面23側の端部に設けられた第2突起72を、第2板材102に接触させることができる。
【0064】
図10(a)に示すように、第1溝73は、本体部20の第1接触面21に形成される。第1溝73は、第2貫通孔4の中心軸C4に沿って延伸される。なお、第1溝73は、外側面25の第1接触面21側の端部に設けられてもよい。この場合、第1接触面21側の端部に設けられた第1溝73を第1板材101に対向させることができる。
【0065】
図10(b)に示すように、第2溝74は、本体部20の第2接触面23に形成される。第2溝74は、第1貫通孔3の中心軸C3に沿って延伸される。第2溝74は、第1溝73に通じて形成される。なお、第2溝74は、外側面25の第2接触面23側の端部に設けられてもよい。この場合、第2接触面23側の端部に設けられた第2溝74を第2板材102に対向させることができる。
【0066】
<第2実施形態:板材の接合方法の第1例>
次に、第2実施形態における板材の接合方法の第1例について説明する。第1例では、第1突起71と第2突起72とを主として用いる。
【0067】
<設置工程>
設置工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に第1締結具5を設けるとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に第2締結具6を設ける。設置工程は、第1保持工程と、第2保持工程と、を有する。
【0068】
<接合工程>
接合工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に設けた第1締結具5を第1板材101に接合するとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に設けた第2締結具6を第2板材102に接合する。接合工程は、第1締め付け工程と、第2締め付け工程と、を有する。
【0069】
<第1保持工程、第2保持工程>
図11に示すように、先ず、第1保持工程と第2保持工程の少なくとも何れかでは、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置する前に、第1板材101と第2板材102とに予め目印としての罫書き線103を形成する。罫書き線103は、例えば第1板材101の下穴101aと第2板材102の下穴102aとを通るように形成される。
【0070】
そして、
図12に示すように、第1保持工程と第2保持工程の少なくとも何れかでは、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置する際に、第1板材101に形成された罫書き線103に第1突起71を合わせて配置するとともに、第2板材102に形成された罫書き線103に第2突起72を合わせて配置する。これにより、接合治具2を事前に設計された位置に設置し易くできる。
【0071】
その後、第1実施形態と同様に、第1保持工程と、第2保持工程と、第1締め付け工程と、第2締め付け工程と、を行う。
【0072】
以上により、第2実施形態における板材の接合方法の第1例が完了する。
【0073】
<第2実施形態:板材の接合方法の第2例>
次に、第2実施形態における板材の接合方法の第2例について説明する。第2例では、第1溝73と第2溝74とを主として用いる。
【0074】
<設置工程>
設置工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に第1締結具5を設けるとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に第2締結具6を設ける。設置工程は、第1保持工程と、第2保持工程と、を有する。
【0075】
<接合工程>
接合工程では、本体部20の第1方向Xに貫通される第1貫通孔3に設けた第1締結具5を第1板材101に接合するとともに、本体部20の第2方向Yに貫通される第2貫通孔4に設けた第2締結具6を第2板材102に接合する。接合工程は、第1締め付け工程と、第2締め付け工程と、を有する。
【0076】
<第1保持工程、第2保持工程>
図13に示すように、先ず、第1保持工程と第2保持工程の少なくとも何れかでは、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置する前に、予め第1板材101に目印としての突起101bを形成し、第2板材102に目印としての突起102bを形成する。突起101bと突起102bとは、例えば第1板材101の下穴101aと第2板材102の下穴102aとを通る線上に形成される。
【0077】
そして、
図14に示すように、第1保持工程と第2保持工程の少なくとも何れかでは、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置する際に、第1板材101に形成された突起101bに第1溝73を嵌合するとともに、第2板材102に形成された突起102bに第2溝74を嵌合する。これにより、接合治具2を事前に設計された位置に設置し易くできる。
【0078】
その後、第1実施形態と同様に、第1保持工程と、第2保持工程と、第1締め付け工程と、第2締め付け工程と、を行う。
【0079】
以上により、第2実施形態における板材の接合方法の第2例が完了する。
【0080】
本実施形態では、本体部20は、第1板材101と第2板材102との少なくとも何れかへの取り付け位置をガイドするためのガイド部7を有する。これにより、接合治具2を事前に設計された位置に設置し易くできる。
【0081】
本実施形態では、ガイド部7は、第1突起71及び第2突起72の少なくとも何れかである。これにより、作業者は、例えば第1板材101と第2板材102との少なくとも何れかに形成された罫書き線103等の目印に、第1突起71と第2突起72とを合わせることで、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置できる。このため、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0082】
本実施形態では、ガイド部7は、第1溝73及び第2溝74の少なくとも何れかである。これにより、作業者は、第1板材101の突起101bと第2板材102の突起102bとの少なくとも何れかを目印に、第1溝73と第2溝74とを合わせることで、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置できる。このため、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0083】
本実施形態では、本体部20は、第1貫通孔3の中心軸C3と第2貫通孔4の中心軸C4とを通る面Lにガイド部7を有する。これにより、罫書き線103、突起101b、突起102b等の第1板材101と第2板材102との少なくとも何れかに形成された目印に、ガイド部7を合わせ易い。このため、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0084】
本実施形態では、第1突起71は、外側面25の第1接触面21側の端部に設けられる。これにより、第1接触面21側の端部に設けられた第1突起71を、第1板材101に接触させることができる。このため、第1板材101に形成された罫書き線103等の目印に、第1突起71を合わせやすい。その結果、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0085】
本実施形態では、第2突起72は、外側面25の第2接触面23側の端部に設けられる。これにより、第2接触面23側の端部に設けられた第2突起72を、第2板材102に接触させることができる。このため、第2板材102に形成された罫書き線103等の目印に、第2突起72を合わせやすい。その結果、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0086】
本発明では、第1溝73は、外側面25の第1接触面21側の端部に設けられてもよい。これにより、第1接触面21側の端部に設けられた第1溝73を第1板材101に対向させることができる。このため、第1板材101に形成された罫書き線103等の目印に、第1溝73を合わせやすい。その結果、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0087】
本発明では、第2溝74は、外側面25の第2接触面23側の端部に設けられてもよい。これにより、第2接触面23側の端部に設けられた第2溝74を、第2板材102に対向させることができる。このため、第2板材102に形成された罫書き線103等の目印に、第2溝74を合わせやすい。その結果、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0088】
なお、上述した実施形態の第1突起71と第2突起72は、本発明ではそれぞれ溝に代替することもできる。すなわち、上述した実施形態における第1突起71と第2突起72が形成される位置に、ガイド部7としての溝が形成される。この場合、罫書き線103等の目印にガイド部7としての溝を合わせることで、本体部20を第1板材101と第2板材102とに設置できる。このため、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0089】
上述した実施形態の目印としての突起101bと突起102bは、本発明ではそれぞれ溝に代替することもできる。第1板材101に目印としての溝が形成される場合、第1板材101に形成された溝に、第1接触面21に形成されるガイド部7としての第1突起71を嵌め込んでもよい。第2板材102に溝が形成される場合、第2板材102に形成された溝に、第2接触面23に形成されるガイド部7としての第2突起72を嵌め込んでもよい。このため、接合治具2を事前に設計された位置に更に設置し易くできる。
【0090】
以上、この発明のいくつか実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、この発明は、上記の実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記の実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
100 :キャビネット
10 :板材の接合構造
1 :接合部材
2 :接合治具
20 :本体部
21 :第1接触面
22 :第1対向面
23 :第2接触面
24 :第2対向面
25 :外側面
3 :第1貫通孔
31 :第1径小部
32 :第1径大部
4 :第2貫通孔
41 :第2径小部
42 :第2径大部
5 :第1締結具
51 :頭部
52 :軸部
52a :平坦部
52b :ネジ部
6 :第2締結具
61 :頭部
62 :軸部
62a :平坦部
62b :ネジ部
7 :ガイド部
71 :第1突起
72 :第2突起
73 :第1溝
74 :第2溝
101 :第1板材
101a :下穴
101b :突起
102 :第2板材
102a :下穴
102b :突起
103 :罫書き線
C3 :中心軸
C4 :中心軸
L :面
X :第1方向
Y :第2方向
Z :第3方向