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特開2024-14547状態判定方法および状態判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014547
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】状態判定方法および状態判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117452
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 陽一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】儀式の出席者の状態を適切に特定する状態判定方法及び状態判定プログラムを提供する。
【解決手段】状態判定方法は、取得する処理と、検出する処理と、判定する処理とをコンピュータが実行する。取得する処理は、儀式の出席者を撮影した画像データを取得する。検出する処理は、取得した画像データに基づいて出席者の特定の動作を検出する。判定する処理は、特定の動作の検出時に儀式において実施されていたイベントに基づいて、特定の動作に対応した出席者の状態を判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
儀式の出席者を撮影した画像データを取得し、
取得した前記画像データに基づいて前記出席者の特定の動作を検出し、
前記特定の動作の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする状態判定方法。
【請求項2】
前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に第1のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を第1の状態と判定し、前記特定の動作の検出時に前記第1のイベントとは異なる第2のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を前記第1の状態とは異なる第2の状態と判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態判定方法。
【請求項3】
前記特定の動作は、前記出席者の頭の上下動であり、
前記判定する処理は、前記上下動の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記上下動に対応した前記出席者の居眠りまたは前記出席者の頷きを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態判定方法。
【請求項4】
前記儀式は法要であり、
前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に読経が実施されていたか説法が実施されていたかに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態判定方法。
【請求項5】
前記取得する処理は、ネットワークを介して接続する端末装置が前記出席者を撮影した画像データを取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態判定方法。
【請求項6】
前記儀式の進行順に実施されたイベントごとに、判定した前記出席者の状態を表示する処理をさらに前記コンピュータが実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の状態判定方法。
【請求項7】
前記判定する処理は、前記儀式に出席した複数の出席者ごとに、当該出席者の状態を判定し、
前記表示する処理は、前記複数の出席者の状態の集計結果を表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載の状態判定方法。
【請求項8】
儀式の出席者を撮影した画像データを取得し、
取得した前記画像データに基づいて前記出席者の特定の動作を検出し、
前記特定の動作の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする状態判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、状態判定方法および状態判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コロナ禍等により、人との直接的な接触を避けたオンライン参加型のサービス形態が用意されている。このオンライン参加型のサービス形態では、祭祀、法要などの儀式についても、儀式を執り行う僧侶および儀式の出席者がオンラインで参加するものがある。
【0003】
このようなオンライン参加型の儀式では、儀式を執り行う僧侶が読経や説法時の出席者の状態を直接的に感じ取ることができないので、出席者が儀式に満足しているか否かを評価しづらいという問題がある。儀式の評価を行うための従来技術としては、祭祀中の祭祀者を撮像した映像を学習モデルに入力することで、祭祀の正否の判定を示す正否情報を得るものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-166872号公報
【特許文献2】特開2020-166381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では儀式の中のイベントに関係なく一律に評価されるため、イベントに対応して出席者の状態を適切に特定することが困難であるという問題がある。例えば、法要時に出席者の頭が上下に動いている場合、読経中であれば出席者が居眠りしていることを主に示すが、説法中の場合は居眠りではなく出席者が僧侶の言葉に頷いていることを主に示している。
【0006】
1つの側面では、儀式の出席者の状態を適切に特定できる状態判定方法および状態判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、状態判定方法は、取得する処理と、検出する処理と、判定する処理とをコンピュータが実行する。取得する処理は、儀式の出席者を撮影した画像データを取得する。検出する処理は、取得した画像データに基づいて出席者の特定の動作を検出する。判定する処理は、特定の動作の検出時に儀式において実施されていたイベントに基づいて、特定の動作に対応した出席者の状態を判定する。
【発明の効果】
【0008】
儀式の出席者の状態を適切に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例にかかるシステム構成例を示すブロック図である。
図2図2は、法要処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、法要時の表示画面の一例を示す説明図である。
図4図4は、集計画面の一例を示す説明図である。
図5図5は、コンピュータ構成の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施例にかかる状態判定方法および状態判定プログラムを説明する。実施例において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施例で説明する状態判定方法および状態判定プログラムは、一例を示すに過ぎず、実施例を限定するものではない。また、以下の各実施例は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
<システム概要>
図1は、実施例にかかるシステム構成例を示すブロック図である。図1に示すように、システム100は、音声やビデオを始めとするチャット機能を介してオンラインの法要、例えばお参りや葬儀、年忌、回忌、報恩講などの追善供養の行事全般を実施するオンライン法要サービスを提供するものである。
【0012】
具体的には、システム100は、インターネット2等のネットワークを介して端末装置T10、T11、T12がサーバ装置1に接続する構成である。なお、本実施例では、オンライン参加型の儀式の一例としてオンライン法要を例示するが、オンラインで提供する儀式については法要に限定するものではなく、例えば祭祀などであってもよい。
【0013】
端末装置T10は、法要を執り行う僧侶等のユーザH10が用いる端末装置である。端末装置T11、T12は、法要に出席する出席者H11が用いる端末装置である。僧侶等のユーザH10、法要に出席する出席者H11は、端末装置T10、T11、T12よりインターネット2を介してサーバ装置1に接続することで、オンラインで法要に参加する。
【0014】
これら端末装置T10、T11、T12については、オンラインで法要を行う際に、利用者に対して法要中の模様(他の利用者等)を表示するためのディスプレイ、法要時における僧侶等の音声を出力するスピーカ、利用者の音声を取得するマイク、利用者を撮影するカメラ等を備えるものであればいずれであってもよい。例えば、端末装置T10、T11、T12については、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォンなどを適用できる。
【0015】
サーバ装置1は、上記のオンライン法要サービスを提供するコンピュータの一例である。例えば、サーバ装置1は、上記のオンライン法要サービスを実現するオンライン法要機能をオンプレミスに提供するサーバとして実現できる。この他、サーバ装置1は、PaaS(Platform as a Service)型、あるいはSaaS(Software as a Service)型のアプリケーションとして実現することで、上記のオンライン法要機能をクラウドサービスとして提供できる。
【0016】
<サーバ装置の詳細>
具体的には、サーバ装置1は、通信部10、制御部20および記憶部30を有する。
【0017】
通信部10は、インターネット2等のネットワークを介して外部装置(例えば端末装置T10、T11、T12)との間で各種データを送受信する。通信部10は、通信装置の一例である。
【0018】
例えば、通信部10は、オンライン法要時において、インターネット2を介して接続された端末装置T10、T11、T12より、利用者を撮影した画像データ、利用者の音声データなどを受信する。また、通信部10は、オンライン法要時において、端末装置T10、T11、T12より受信したデータに基づいて生成した配信データを、端末装置T10、T11、T12に配信する。例えば、この配信データには、僧侶等のユーザH10を含む仏殿の映像および出席者H11等の映像を並べた表示画面と、僧侶等のユーザH10の音声とが含まれる。
【0019】
制御部20は、法要処理部21、データ取得部22、音声認識部23、出席者動作検出部24、状態特定部25、法要記録部26および表示処理部27を有する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジック等によって実現される。
【0020】
法要処理部21は、オンライン法要サービスを実現するオンライン法要機能を、PaaS型、あるいはSaaS型のアプリケーションにより提供する処理部である。具体的は、法要処理部21は、端末装置T10における僧侶等のユーザH10の操作により、法要DB32の中から執り行う法要の選択を受け付ける。これにより、法要処理部21は、選択された法要のオンライン法要を開始する。
【0021】
ついで、法要処理部21は、開始した法要について法要DB32に予め設定された参加人情報に含まれる出席者H11…からのログイン認証等を端末装置T11、T12…より受け付ける。これにより、出席者H11…は、オンライン法要に参加する。このように出席者H11…がオンライン法要に参加した後、法要処理部21は、データ取得部22が端末装置T10、T11、T12より取得したデータをもとに前述した配信データを生成し、端末装置T10、T11、T12に対して生成した配信データを配信する。このように、法要処理部21は、音声やビデオを始めとするチャット機能を介してオンラインの法要を提供する。
【0022】
また、法要処理部21は、オンライン法要サービスの提供時において、法要内に執り行われるイベントの進行状態を管理する。具体的には、法要処理部21は、インターネット2を介して接続された端末装置T10より、法要を執り行う僧侶等のユーザH10からイベント(例えば読経、説法)の開始および終了の操作指示を受け付ける。法要処理部21は、この操作指示をもとに、現時点で執り行われているイベント(例えば読経、説法)を管理する。
【0023】
データ取得部22は、端末装置T10、T11、T12よりデータを取得する処理部である。具体的には、データ取得部22は、オンライン法要時において、インターネット2を介して接続された端末装置T10より、法要を執り行う僧侶等のユーザH10、法要が執り行われる現場(仏殿など)を撮影した映像と、その現場の音声とを含むデータを取得する。また、データ取得部22は、オンライン法要時においてインターネット2を介して接続された端末装置T11、T12より、出席者H11…を撮影した映像と、出席者H11…の音声とを含むデータを取得する。
【0024】
音声認識部23は、データ取得部22が取得したデータに含まれる音声をもとに、音声認識を行う処理部である。具体的には、音声認識部23は、公知の音声認識処理を行うことで、音声をテキスト化したデータを取得する。例えば、音声認識部23は、インターネット2を介して接続された端末装置T10より取得した音声の認識を行うことで、法要を執り行う僧侶等のユーザH10の音声をテキスト化する。
【0025】
出席者動作検出部24は、データ取得部22が端末装置T11、T12…より取得した画像データに基づいて、出席者H11…の特定の動作を検出する処理部である。具体的には、出席者動作検出部24は、取得した画像データに対して公知の画像認識処理を施すことで、頭の上下動、手の動きなどの特定の動作を検出する。なお、出席者動作検出部24は、オンライン法要開始時のログイン認証等で識別された出席者H11…ごとに、特定の動作の検出を行う。
【0026】
なお、本実施例では出席者動作検出部24は、特定の動作として頭の上下動を検出するものとするが、検出対象の特定の動作については、頭の上下動に限定するものではない。例えば、特定の動作としては、手の動きの他、肩と頭とが連動した動きなどであってもよい。
【0027】
状態特定部25は、出席者動作検出部24が検出した出席者H11…の特定の動作をもとに、その出席者H11の状態を判定(特定)する処理部である。具体的には、状態特定部25は、特定の動作の検出時に法要で執り行われていた(実施されていた)イベントに基づいて、出席者H11の状態を判定する。なお、この状態判定は、オンライン法要開始時のログイン認証等で識別された出席者H11…ごとに行われる。
【0028】
例えば、読経時における出席者H11…の頭の上下動は、主に居眠りに起因しているものと推定できる。したがって、状態特定部25は、頭の上下動の検出時に執り行われていたイベントが読経である場合、頭の上下動に対応した出席者の状態を居眠り状態と判定する。
【0029】
また、説法・挨拶時における出席者H11…の頭の上下動は、主に僧侶等の話の内容に感心した出席者H11の表意行為としての頷きと推定できる。したがって、状態特定部25は、頭の上下動の検出時に執り行われていたイベントが説法である場合、頭の上下動に対応した出席者の状態を頷き状態と判定する。
【0030】
なお、頭の上下動の他、手の動きを特定の動作として検出する場合は次のように判定してもよい。例えば、読経時における出席者H11…の手の動きは、主に祈り動作等に起因しているものと推定できる。したがって、状態特定部25は、手の動きの検出時に執り行われていたイベントが読経である場合、手の動きに対応した出席者の状態を祈り状態と判定する。
【0031】
また、説法・挨拶時における出席者H11…の手の動きは、主に僧侶等の話の内容に飽きた出席者H11の表意行為としての手遊びと推定できる。したがって、状態特定部25は、手の動きの検出時に執り行われていたイベントが説法である場合、手の動きに対応した出席者の状態を飽き状態と判定する。
【0032】
このように、状態特定部25は、出席者H11…の特定の動作(頭の上下動)を検出した場合、互いに異なるイベント(読経、説法)のそれぞれに対応した出席者H11の状態を判定する。
【0033】
法要記録部26は、オンライン法要の内容を法要記録33として記録する処理部である。具体的には、法要記録部26は、オンライン法要開始後からの時刻ごとに、進行中であるイベントを示すイベントデータ、出席者H11、H12…ごとの状態を示す状態特定部25の特定内容、音声認識部23の認識結果などを法要記録33として記録する。
【0034】
表示処理部27は、法要記録33をもとに、執り行われたオンライン法要に関する情報を表示する処理部である。具体的には、表示処理部27は、僧侶等のユーザH10による端末装置T10を介した操作により、表示を行う法要記録33の指定を受け付ける。ついで、表示処理部27は、指定された法要記録33に基づいてオンライン法要の結果を示す表示データを生成し、生成した表示データを端末装置T10へ出力する。これにより、端末装置T10には、オンライン法要の結果が表示される。
【0035】
例えば、表示処理部27は、法要記録33をもとに、法要の時刻ごとに、イベントと、特定した出席者H11…の状態(上下動に対応した居眠り回数や頷き回数)とを表示する表示データを生成する。なお、表示処理部27は、複数の出席者H11…の状態の集計結果(例えば上下動に対応した居眠り回数や頷き回数の総計)を表示する表示データを生成してもよい。
【0036】
記憶部30は、檀家DB31、法要DB32および法要記録33を格納する。記憶部30は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0037】
檀家DB31は、法要の出席者H11等を含む檀家に関する情報を統括管理するデータベースである。具体的には、檀家DB31には、檀家ごとにユニークに割り当てられた檀家IDとともに、檀家名、檀家に属する所属人に関する情報(氏名、年齢、性別、住所、生年月日、死亡年月日など)が格納される。
【0038】
法要DB32は、法要に関する情報を統括管理するデータベースである。具体的には、法要DB32には、法要ごとにユニークに割り当てられた法要IDとともに、法要名(例えば○○回忌)、法要の出席者(僧侶等のユーザH10および出席者H11、H12…)に関する参加人情報が格納される。
【0039】
法要記録33は、各法要の内容を記録したデータである。具体的には、法要記録33には、法要を識別する法要IDとともに、法要時の時刻ごとの、イベント(例えば読経、説法)を示すイベントデータと、出席者H11、H12…ごとの状態の特定内容と、音声認識などによる認識内容とが含まれる。
【0040】
<法要処理>
図2は、法要処理の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、処理が開始されると、法要処理部21は、僧侶等のユーザH10の操作により、オンライン法要を開始する(S10)。このオンライン法要の開始により、出席者H11…は、端末装置T11、T12…を用いてログイン認証等を行うことで、オンライン法要に参加する。
【0041】
オンライン法要の参加により、出席者H11…の端末装置T11、T12…には、前述した配信データに基づく表示画面が表示される。図3は、法要時の表示画面の一例を示す説明図である。
【0042】
図3に示すように、表示画面G1には、僧侶等のユーザH10を含む仏殿の映像に関する法要画面G10と、出席者H11~H14を撮影した出席者画面G11、G12とが含まれる。この表示画面G1により、出席者H11~H14は、法要時における僧侶等のユーザH10および仏殿の様子や、互いの出席者の様子を確認することができる。
【0043】
ついで、出席者動作検出部24は、出席者H11…の端末装置T11、T12…より取得した画像をサーチし、1分毎の出席者H11…の頭が上下動した回数を法要記録33に記録する(S11)。
【0044】
ついで、音声認識部23は、僧侶等のユーザH10の端末装置T10より取得した音声を識別し、テキスト化したデータを現在時刻とともに法要記録33に記録する(S12)。
【0045】
ついで、状態特定部25は、法要処理部21において管理しているイベントを取得し、イベントの判定を行う(S13)。状態特定部25は、判定したイベントが「読経」である場合、1分毎の出席者H11…の頭が上下動した回数を居眠り回数と特定する(S14)。
【0046】
状態特定部25は、判定したイベントが「挨拶・説法」である場合、1分毎の出席者H11…の頭が上下動した回数を頷き回数と特定する(S15)。
【0047】
ついで、法要処理部21は、僧侶等のユーザH10からの法要終了の操作指示の有無をもとに、法要を終了するか否かを判定する(S16)。法要を終了しない場合(S16:No)、法要処理部21は、S11へ処理を戻す。
【0048】
法要を終了する場合(S16:Yes)、法要処理部21は、オンライン法要を終了する。オンライン法要終了後、表示処理部27は、僧侶等のユーザH10による端末装置T10を介した操作により集計対象の法要記録33の選択を受け付ける。ついで、表示処理部27は、選択された法要記録33を読み出し、法要結果の集計を行う(S17)。具体的には、表示処理部27は、法要記録33において時刻ごと(1分毎)に記録されたデータを読み出し、時刻ごとのデータ集計を行う。
【0049】
ついで、表示処理部27は、集計結果(例えば上下動に対応した居眠り回数や頷き回数の総計)を表示する表示データを生成し、生成した表示データを端末装置T10へ出力することで、集計結果の表示を行う(S18)。
【0050】
図4は、集計画面の一例を示す説明図である。図4に示すように、集計画面G2には、法要の進行順を示す時刻ごと(1分毎)の法要時間帯G21に対応するイベントの項目G22、出席者に関する判定結果G23、G24および音声認識結果G25が含まれている。
【0051】
項目G22は、時刻ごと(1分毎)に、その時点で執り行われているイベントを示している。判定結果G23は、時刻ごと(1分毎)に、特定の出席者(〇〇太郎)について判定した状態を示している。判定結果G24は、時刻ごと(1分毎)に、全ての出席者(檀家合計)の判定結果(状態)を集計したものが示されている。
【0052】
例えば、法要時間帯G21が6~30の間は、執り行われているイベントが「読経」であることから、上下動に対応した居眠り回数が判定結果G23、G24として提示されている。また、法要時間帯G21が31~44の間は、執り行われているイベントが「説法」であることから、上下動に対応した頷き回数が判定結果G23、G24として提示されている。
【0053】
ここで、表示処理部27は、判定した状態の頻度に応じて表示態様を変更してもよい。具体的には、表示処理部27は、所定の閾値をもとに、居眠り回数の頻度に応じて表示態様G31、G32を変更する。一例として、表示処理部27は、居眠り回数が10回以上、20回未満である場合は表示態様G31とし、居眠り回数が20回以上である場合は表示態様G32とする。これにより、ユーザH10は、例えば、居眠り回数の頻度が高い時間帯を容易に特定することができる。
【0054】
また、表示処理部27は、所定の閾値をもとに、頷き回数の頻度に応じて表示態様G41、G42を変更する。一例として、表示処理部27は、頷き回数が10回未満である場合は表示態様G41とし、頷き回数が10回以上である場合は表示態様G42とする。これにより、ユーザH10は、例えば、頷き回数の頻度が高い時間帯を容易に特定することができる。
【0055】
以上のように、システム100のサーバ装置1は、儀式の出席者H11を撮影した画像データを取得し、取得した画像データに基づいて出席者H11の特定の動作を検出する。サーバ装置1は、特定の動作の検出時に儀式において実施されていたイベントに基づいて、特定の動作に対応した出席者H11の状態を判定する。これにより、サーバ装置1は、イベントに対応して出席者H11の状態を適切に特定することができる。
【0056】
また、サーバ装置1は、特定の動作の検出時に第1のイベントが実施されていた場合には特定の動作に対応した出席者H11の状態を第1の状態と判定し、特定の動作の検出時に第1のイベントとは異なる第2のイベントが実施されていた場合には特定の動作に対応した出席者H11の状態を第1の状態とは異なる第2の状態と判定する。これにより、サーバ装置1は、互いに異なる第1のイベントと、第2のイベントのそれぞれに対応した出席者H11の状態を特定することができる。
【0057】
また、サーバ装置1は、出席者H11の頭の上下動の検出時に儀式において実施されていたイベントに基づいて、上下動に対応した出席者H11の居眠りまたは出席者H11の頷きを判定する。これにより、サーバ装置1は、イベント実施時の出席者H11の頭の上下動より、そのイベントに対応して出席者H11の居眠りまたは頷きを特定することができる。
【0058】
また、サーバ装置1は、特定の動作の検出時に読経が実施されていたか説法が実施されていたかに基づいて、特定の動作に対応した出席者H11の状態を判定する。これにより、サーバ装置1は、法要中に実施される読経または説法に対応して出席者H11の状態を特定することができる。
【0059】
また、サーバ装置1は、ネットワークを介して接続する端末装置T11が出席者H11を撮影した画像データを取得する。これにより、サーバ装置1は、ネットワークを介して儀式に参加する出席者H11の状態を特定することができる。
【0060】
また、サーバ装置1は、儀式の進行順に実施されたイベントごとに、判定した出席者H11の状態を表示する。これにより、僧侶などのユーザH10は、イベントごとの出席者H11の状態を容易に知ることができる。
【0061】
また、サーバ装置1は、儀式に出席した複数の出席者H11、H12ごとに、出席者の状態を判定し、この複数の出席者の状態の集計結果を表示する。これにより、僧侶などのユーザH10は、イベントごとの複数の出席者の状態の集計結果より、各イベントにおける全体の雰囲気を容易に推定することができる。
【0062】
なお、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0063】
また、サーバ装置1の制御部20における法要処理部21、データ取得部22、音声認識部23、出席者動作検出部24、状態特定部25、法要記録部26および表示処理部27の各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。また、サーバ装置1で行われる各種処理機能は、クラウドコンピューティングにより、複数のコンピュータが協働して実行してもよい。
【0064】
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ構成(ハードウエア)の一例を説明する。図5は、コンピュータ構成の一例を説明する説明図である。
【0065】
図5に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、データ入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203と、スピーカ204とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置205と、各種装置と接続するためのインタフェース装置206と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置207とを有する。また、サーバ装置1は、各種情報を一時記憶するRAM208と、ハードディスク装置209とを有する。また、コンピュータ200内の各部(201~209)は、バス210に接続される。
【0066】
ハードディスク装置209には、上記の実施例で説明した機能構成(例えば法要処理部21、データ取得部22、音声認識部23、出席者動作検出部24、状態特定部25、法要記録部26および表示処理部27)における各種の処理を実行するためのプログラム211が記憶される。また、ハードディスク装置209には、プログラム211が参照する各種データ212が記憶される。入力装置202は、例えば、操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ203は、例えば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置206は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置207は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
【0067】
CPU201は、ハードディスク装置209に記憶されたプログラム211を読み出して、RAM208に展開して実行することで、上記の機能構成(例えば法要処理部21、データ取得部22、音声認識部23、出席者動作検出部24、状態特定部25、法要記録部26および表示処理部27)に関する各種の処理を行う。なお、プログラム211は、ハードディスク装置209に記憶されていなくてもよい。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム211を読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD-ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラム211を記憶させておき、コンピュータ200がこれらからプログラム211を読み出して実行するようにしてもよい。
【0068】
以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0069】
(付記1)儀式の出席者を撮影した画像データを取得し、
取得した前記画像データに基づいて前記出席者の特定の動作を検出し、
前記特定の動作の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする状態判定方法。
【0070】
(付記2)前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に第1のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を第1の状態と判定し、前記特定の動作の検出時に前記第1のイベントとは異なる第2のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を前記第1の状態とは異なる第2の状態と判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の状態判定方法。
【0071】
(付記3)前記特定の動作は、前記出席者の頭の上下動であり、
前記判定する処理は、前記上下動の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記上下動に対応した前記出席者の居眠りまたは前記出席者の頷きを判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の状態判定方法。
【0072】
(付記4)前記儀式は法要であり、
前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に読経が実施されていたか説法が実施されていたかに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の状態判定方法。
【0073】
(付記5)前記取得する処理は、ネットワークを介して接続する端末装置が前記出席者を撮影した画像データを取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の状態判定方法。
【0074】
(付記6)前記儀式の進行順に実施されたイベントごとに、判定した前記出席者の状態を表示する処理をさらに前記コンピュータが実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の状態判定方法。
【0075】
(付記7)前記判定する処理は、前記儀式に出席した複数の出席者ごとに、当該出席者の状態を判定し、
前記表示する処理は、前記複数の出席者の状態の集計結果を表示する、
ことを特徴とする付記6に記載の状態判定方法。
【0076】
(付記8)儀式の出席者を撮影した画像データを取得し、
取得した前記画像データに基づいて前記出席者の特定の動作を検出し、
前記特定の動作の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする状態判定プログラム。
【0077】
(付記9)前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に第1のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を第1の状態と判定し、前記特定の動作の検出時に前記第1のイベントとは異なる第2のイベントが実施されていた場合には前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を前記第1の状態とは異なる第2の状態と判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の状態判定プログラム。
【0078】
(付記10)前記特定の動作は、前記出席者の頭の上下動であり、
前記判定する処理は、前記上下動の検出時に前記儀式において実施されていたイベントに基づいて、前記上下動に対応した前記出席者の居眠りまたは前記出席者の頷きを判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の状態判定プログラム。
【0079】
(付記11)前記儀式は法要であり、
前記判定する処理は、前記特定の動作の検出時に読経が実施されていたか説法が実施されていたかに基づいて、前記特定の動作に対応した前記出席者の状態を判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の状態判定プログラム。
【0080】
(付記12)前記取得する処理は、ネットワークを介して接続する端末装置が前記出席者を撮影した画像データを取得する、
ことを特徴とする付記8に記載の状態判定プログラム。
【0081】
(付記13)前記儀式の進行順に実施されたイベントごとに、判定した前記出席者の状態を表示する処理をさらに前記コンピュータが実行する、
ことを特徴とする付記8に記載の状態判定プログラム。
【0082】
(付記14)前記判定する処理は、前記儀式に出席した複数の出席者ごとに、当該出席者の状態を判定し、
前記表示する処理は、前記複数の出席者の状態の集計結果を表示する、
ことを特徴とする付記13に記載の状態判定プログラム。
【符号の説明】
【0083】
1…サーバ装置
2…インターネット
10…通信部
20…制御部
21…法要処理部
22…データ取得部
23…音声認識部
24…出席者動作検出部
25…状態特定部
26…法要記録部
27…表示処理部
30…記憶部
31…檀家DB
32…法要DB
33…法要記録
100…システム
200…コンピュータ
201…CPU
202…入力装置
203…モニタ
204…スピーカ
205…媒体読取装置
206…インタフェース装置
207…通信装置
208…RAM
209…ハードディスク装置
210…バス
211…プログラム
212…各種データ
G1…表示画面
G2…集計画面
G10…法要画面
G11…出席者画面
G12…出席者画面
G21…法要時間帯
G22…項目
G23、G24…判定結果
G25…音声認識結果
G31~G42…表示態様
H10…ユーザ
H11~H14…出席者
T10~T12…端末装置
図1
図2
図3
図4
図5