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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145470
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】接合部材
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/00 20060101AFI20241004BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20241004BHJP
   F16B 12/12 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F16B5/00 F
A47B55/00
F16B12/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057835
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100224926
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 雄久
(72)【発明者】
【氏名】吉江 邦将
【テーマコード(参考)】
3B067
3J001
3J024
【Fターム(参考)】
3B067AA09
3B067DA04
3B067EA01
3B067EA06
3J001FA09
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA04
3J001HA07
3J001JD02
3J001KA11
3J001KB03
3J024AA12
3J024BA05
3J024CA13
(57)【要約】
【課題】ネジを用いることなく板材の主面と板材の端面とを短時間で接合できる接合部材を提供する。
【解決手段】実施形態における接合部材1は、第1板材110の第1主面111と、第2板材120の第2端面121と、を接合するための接合部材Aであって、第1主面111と第2端面121とを接合する第1部材1を備える。第1部材1は、第1端面113から延びる凹部5に第1端面113からスライドして挿入される第1本体部11と、第1本体部11に設けられて第1方向に突出される第1突起部14と、を備える。第1突起部14は、第2端面121に形成される第2孔126に挿入される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に交わる面に沿う一対の第1主面と一対の前記第1主面を繋ぐ第1端面とが形成された第1板材の前記第1主面と、第2方向に交わる面に沿う一対の第2主面と一対の前記第2主面を繋ぐ第2端面とが形成された第2板材の前記第2端面と、を接合するための接合部材であって、
前記第1主面と前記第2端面とを接合する第1部材を備え、
前記第1部材は、
前記第1端面から延びる凹部に前記第1端面からスライドして挿入される第1本体部と、
前記第1本体部に設けられて前記第1方向に突出される第1突起部と、を備え、
前記第1突起部は、前記第2端面に形成される第2孔に挿入されること
を特徴とする接合部材。
【請求項2】
前記第1本体部は、第1棒状部と、前記第1棒状部の基端部に前記第1棒状部の短手方向の幅よりも拡幅された第1拡幅部と、が形成され、
前記凹部は、前記第1拡幅部の幅よりも縮幅されて前記第1棒状部が挿入される第1挿入部と、前記第1拡幅部が収容される収容部と、が形成されること
を特徴とする請求項1記載の接合部材。
【請求項3】
前記第1拡幅部は、前記第1棒状部に沿って突出される突出片を有し、
前記収容部は、前記突出片と嵌合される受入部が形成されること
を特徴とする請求項2記載の接合部材。
【請求項4】
前記第1本体部は、前記第1端面と面一な第1本体端面が形成されること
を特徴とする請求項1記載の接合部材。
【請求項5】
第3方向に交わる面に沿う一対の第3主面と一対の前記第3主面を繋ぐ第3端面とが形成された第3板材の前記第3端面と前記第1主面とを接合する第2部材を備え、
前記第2部材は、
前記凹部に前記第1端面から前記第1本体部のスライド方向と交わる方向にスライドして挿入される第2本体部と、
前記第2本体部に設けられて前記第1方向に突出される第2突起部と、を備え、
前記第2突起部は、前記第3端面に形成された第3孔に挿入され、
前記第2本体部は、前記第1本体部のスライド方向と交わる方向にスライドして前記第1本体部に嵌合されること
を特徴とする請求項1記載の接合部材。
【請求項6】
前記第2本体部に設けられて前記第1方向に突出される第3突起部と、を備え、
前記第3突起部は、前記第2孔に挿入されること
を特徴とする請求項5記載の接合部材。
【請求項7】
前記第2本体部は、前記第1端面と面一な第2本体端面が形成されること
を特徴とする請求項5記載の接合部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材同士を接合するための接合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネットでは、キャビネットを構成する側板等の板材の主面に、天板、底板、背板等の板材の端面を接合する。板材の主面と板材の端面とを接合する技術として、例えば特許文献1が開示されている。
【0003】
特許文献1の部品連結用組立ピンは、一方側の部品内に埋設される本体部と、この本体部から突出して他方側の部品内に挿入される位置決め用のダボ部とから形成されてなり、上記本体部には、該本体部を一方側の部品から抜け出さないように係止せしめる膨出部が設けられるとともに、上記ダボ部には、該ダボ部を他方側の部品から抜け出さないように固定せしめる固定手段が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63-30611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、本体部における直方体状の基部と膨出部は、板状部材に凹設された窪み部内に主面側から差し込むようにして装着される。このため、膨出部には、板状部材からの抜け出しを防止するために木ネジが必要となる。したがって、板材同士を接合するのに時間がかかる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ネジを用いることなく板材の主面と板材の端面とを短時間で接合できる接合部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る接合部材は、第1方向に交わる面に沿う一対の第1主面と一対の前記第1主面を繋ぐ第1端面とが形成された第1板材の前記第1主面と、第2方向に交わる面に沿う一対の第2主面と一対の前記第2主面を繋ぐ第2端面とが形成された第2板材の前記第2端面と、を接合するための接合部材であって、前記第1主面と前記第2端面とを接合する第1部材を備え、前記第1部材は、前記第1端面から延びる凹部に前記第1端面からスライドして挿入される第1本体部と、前記第1本体部に設けられて前記第1方向に突出される第1突起部と、を備え、前記第1突起部は、前記第2端面に形成される第2孔に挿入されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ネジを用いることなく板材の主面と板材の端面とを短時間で接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態におけるキャビネットの一例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態における板材の接合構造の一例を分解して示す斜視図である。
図3図3は、実施形態における板材の接合構造の一例を分解して示す斜視図である。
図4図4は、実施形態における板材の接合構造の一例で用いられる第1板材を示す図であり、図4(a)は、第1板材を第1方向から見た図であり、図4(b)は、第1板材を第3方向から見た図であり、図4(c)は、第1板材を第2方向から見た図である。
図5図5(a)は、図4(a)のB-B断面図であり、図5(b)は、図4(a)のC-C断面図である。
図6図6は、実施形態における板材の接合構造の一例で用いられる第2板材と第3板材とを第1方向から見た図である。
図7図7は、実施形態における板材の接合構造の一例で用いられる第2板材と第3板材とを示す図であり、図7(a)は、第3方向から見た図であり、図7(b)は、第2方向から見た図である。
図8図8は、実施形態における接合部材の一例で用いられる第1部材を示す図であり、図8(a)は、第1方向から見た図であり、図8(b)は、第3方向から見た図であり、図8(c)は、第2方向から見た図である。
図9図9は、実施形態における接合部材の一例で用いられる第2部材を示す図であり、図9(a)は、第1方向から見た図であり、図9(b)は、第3方向から見た図であり、図9(c)は、第2方向の一方側から見た図であり、図9(d)は、第2方向の他方側から見た図である。
図10図10は、実施形態における板材の接合構造の一例で用いられるコの字部材を示す図であり、図10(a)は、斜視図であり、図10(b)は、側面図である。
図11図11は、実施形態における板材の接合方法の一例の本体部挿入工程を説明する図であり、図11(a)は、第1板材を第1方向から見た図であり、図11(b)は、第1板材を第2方向から見た図である。
図12図12(a)は、図11(a)のD-D断面図であり、図12(b)は、図11(a)のE-E断面図である。
図13図13は、実施形態における板材の接合方法の一例の本体部挿入工程を説明する図であり、図13(a)は、第1板材を第1方向から見た図であり、図13(b)は、第1板材を第3方向から見た図である。
図14図14(a)は、図13(a)のF-F断面図であり、図14(b)は、図13(a)のG-G断面図であり、図14(c)は、図13(a)のH-H断面図である。
図15図15は、実施形態における板材の接合方法の一例の突起部挿入工程を説明する図であり、第1突起部の延伸方向に交わる面で切った断面図である。
図16図16は、実施形態における板材の接合方法の一例の突起部挿入工程を説明する図であり、図16(a)は、第1挿入部に設けられたコの字部材の延伸方向に交わる面で切った断面図であり、図16(b)は、第1棒状部の延伸方向に交わる面で切った断面図である。
図17図17は、実施形態における板材の接合方法の一例の突起部挿入工程を説明する図であり、図17(a)は、第2挿入部に設けられたコの字部材の延伸方向に交わる面で切った断面図であり、図17(b)は、第2棒状部の延伸方向に交わる面で切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した接合部材、該接合部材を用いた板材の接合構造、キャビネット、板材の接合方法及びキャビネットの組立方法を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<キャビネット100>
図1に示すように、キャビネット100は、板材の接合構造10により接合された複数の板材を含む棚等である。キャビネット100は、板材等を接合して構成されるとともに内部に収納空間を有する、箱型の収納家具である。キャビネット100は、例えば、該収納空間の前面に丁番を介して開閉可能に扉を設けたり、該収納空間に摺動可能な引出を設けたりすることもできる収納家具である。キャビネット100は、例えば吊戸棚であってもよい。キャビネット100は、例えば対面式キッチンの壁側に配されるカップボード等の収納スペースに用いられる収納庫であってもよい。キャビネット100は、キッチン、洗面化粧台等のカウンターの下方に設けられるキャビネットであってもよい。
【0012】
キャビネット100は、一対の側板101と、天板102と、背板103と、底板104とが接合される。なお、キャビネット100がカウンター下にワゴンを収容するための空間や、座りながらの作業が可能な空間が設けられるキャビネット(シンクキャビネット等)である場合等には、底板等の一部の板材が省略されることもある。
【0013】
板材の接合構造10は、例えばキャビネット100を構成する側板101と、天板102と、背板103と、が接合される。板材の接合構造10は、例えばキャビネット100を構成する側板101と、底板104と、背板103と、が接合される。
【0014】
<板材の接合構造10>
図2及び図3に示すように、板材の接合構造10は、接合部材Aにより第1板材110と第2板材120とが略垂直に接合される。更に、板材の接合構造10は、接合部材Aにより第1板材110と第3板材130とが略垂直に接合される。以下の実施形態では、第1板材110が側板であり、第2板材120が天板であり、第3板材130が背板である場合を例示して説明する。
【0015】
第1板材110と第2板材120と第3板材130とは、例えば直方体状に形成され、一対の主面と、一対の主面を繋ぐ4つの端面が形成される。
【0016】
第1板材110と第2板材120と第3板材130とは、例えばMDF(Medium Density Fiberboard)、無垢材、合板、集成材、及びパーチクルボード等の木製の板材であってもよい。第1板材110と第2板材120と第3板材130とは、例えば鋼板やステンレス等の金属製の板材を含んだ構成であってもよい。また、第1板材110と第2板材120と第3板材130とは、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂製の板材であってもよい。第1板材110と第2板材120とは、例えば発泡ポリスチレン等の発泡樹脂製の板材であってもよい。
【0017】
<第1板材110>
第1板材110は、第1方向Xに交わる面に沿う一対の第1主面111と、一対の第1主面111を繋ぐとともに第2方向Yに交わる面に沿う一対の第1端面112と、一対の第1主面111を繋ぐとともに第3方向Zに交わる面に沿う一対の第1端面113と、を有する。
【0018】
図4(a)に示すように、第1板材110は、第1端面113から第3方向Zに延びる凹部5が形成される。凹部5は、更に第1端面112から第2方向Yに延びて形成される。
【0019】
図4(a)~図4(c)に示すように、凹部5は、第1挿入部51と、第1開口部52と、収容部53と、第2挿入部54と、第2開口部55と、を有する。
【0020】
図5(a)に示すように、第1挿入部51は、第3方向Zに延びる。第1開口部52は、一方の第1主面111を切り欠いて第1挿入部51に沿って延びる。第1開口部52の第2方向Yの幅は、第1挿入部51の第2方向Yの幅よりも縮幅される。
【0021】
図4(a)に示すように、収容部53は、一方の第1主面111と第1端面112と第1端面113とを切り欠いて形成される。収容部53は、第3方向Zと第2方向Yとにそれぞれ延びて、第1方向Xから見てL字状に形成される。収容部53は、第1挿入部51と第1開口部52とに通じる。収容部53は、第2挿入部54と第2開口部55とに通じる。図4(b)及び図4(c)に示すように、収容部53は、第1挿入部51に隣接する受入部56と、第2挿入部54に隣接する受入部57とが形成される。
【0022】
図5(b)に示すように、第2挿入部54は、第2方向Yに延びる。第2開口部55は、一方の第1主面111を切り欠いて第2挿入部54に沿って延びる。第2開口部55の第3方向Zの幅は、第2挿入部54の第3方向Zの幅よりも縮幅される。
【0023】
<第2板材120>
図6に示すように、第2板材120は、第2方向Yに交わる面に沿う一対の第2主面122と、一対の第2主面122を繋ぐとともに第1方向Xに交わる面に沿う一対の第2端面121と、一対の第2主面122を繋ぐとともに第3方向Zに交わる面に沿う一対の第2端面123と、を有する。
【0024】
第2端面121は、嵌合凸部124と、第2連結溝125と、第2孔126、127と、が形成される。
【0025】
図7(a)に示すように、嵌合凸部124は、第1方向Xに突出され、第3方向Zに延びる。嵌合凸部124は、くびれて形成されるくびれ部124aと、くびれ部124aよりも拡幅された先端部124bとを有する。
【0026】
図6に示すように、第2連結溝125は、第2端面121から一方の第2主面122を切り欠いて第1方向Xに延伸する溝である。第2連結溝125は、第2主面122を切り欠いて第1方向Xに延びる第2導入部128と、第2導入部128の第3方向Zの幅よりも拡幅されて第2導入部128に沿って延びる第2拡大部129と、を有する。
【0027】
<第3板材130>
図6に示すように、第3板材130は、第3方向Zに交わる面に沿う一対の第3主面133と、一対の第3主面133を繋ぐとともに第1方向Xに交わる面に沿う一対の第3端面131と、一対の第3主面133を繋ぐとともに第2方向Yに交わる面に沿う一対の第3端面132と、を有する。
【0028】
第3端面131は、嵌合凸部134と、第3連結溝135と、第3孔136と、が形成される。
【0029】
図7(b)に示すように、嵌合凸部134は、第1方向Xに突出され、第2方向Yに延びる。嵌合凸部134は、くびれて形成されるくびれ部134aと、くびれ部134aよりも拡幅された先端部134bとを有する。
【0030】
図6に示すように、第3連結溝135は、第3端面131から一方の第3主面133を切り欠いて第1方向Xに延伸する溝である。第3連結溝135は、第3主面133を切り欠いて第1方向Xに延びる第3導入部138と、第3導入部138の第2方向Yの幅よりも拡幅されて第3導入部138に沿って延びる第3拡大部139と、を有する。
【0031】
<連結部材6>
第2板材120と第3板材130とは、連結部材6により連結される。連結部材6は、第1方向Xから見てL字状のL字部材61と、L字部材61の外面から突出される足部62、64と、足部62を挟んでL字部材61の反対側に突出される突出爪63と、足部64を挟んでL字部材61の反対側に突出される突出爪65と、を有する。
【0032】
L字部材61は、第2主面122と第3主面133とに対向して配置される。足部62は、第2連結溝125の第2導入部128に挿入される。突出爪63は、第2連結溝125の第2拡大部129に掛け止められる。足部64は、第3連結溝135の第3導入部138に挿入される。突出爪65は、第3連結溝135の第3拡大部139に掛け止められる。突出爪63が配置された第2拡大部129には、空間が形成される。突出爪65が配置された第3拡大部139には、空間が形成される。突出爪65が配置された第3拡大部139の空間には、後述する間詰め突起26が挿入される。
【0033】
<接合部材A>
図2に示すように、接合部材Aは、第1主面111と第2端面121とを接合する第1部材1と、第1主面111と第3端面131とを接合する第2部材2と、を備える。接合部材Aは、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂で構成される。
【0034】
<第1部材1>
図3に示すように、第1部材1は、第1本体部11と、第1突起部14と、コの字部材4と、を備える。第1本体部11は、凹部5に第1端面113から第3方向Zにスライドして挿入可能に構成される。
【0035】
図8(a)~図8(c)に示すように、第1本体部11は、第1棒状部12と、第1拡幅部13と、第1本体端面19と、が形成される。
【0036】
第1棒状部12は、第3方向Zに延びる。第1棒状部12は、第3方向Zから見て断面コの字状に形成される。
【0037】
第1拡幅部13は、第1棒状部12の基端部に第1棒状部12の長手方向の幅よりも拡幅されて形成される。第1拡幅部13は、第1棒状部12に沿って突出した突出片15が形成される。第1拡幅部13は、第1棒状部12側とは反対側の端部に第2方向Yから見てL字状に突出した嵌合片16が形成される。
【0038】
第1突起部14は、第1本体部11の第1拡幅部13に設けられて第1方向Xに向けて突出される。第1突起部14は、第1拡幅部13に一体的に設けられる。なお、第1突起部14は、第1拡幅部13に着脱自在に設けられてもよい。
【0039】
第1本体端面19は、第1拡幅部13に第2方向Yに交わる面に沿って平坦に形成される。
【0040】
<第2部材2>
図3に示すように、第2部材2は、第2本体部21と、第2突起部24と、第3突起部25と、間詰め突起26と、コの字部材4と、を備える。第2本体部21は、凹部5に第1端面112から第2方向Yにスライドして挿入可能に構成される。第2本体部21は、第2棒状部22と、第2拡幅部23と、第2本体端面29と、が形成される。
【0041】
図9(a)~図9(d)に示すように、第2本体部21は、第2棒状部22と、第2拡幅部23と、第2本体端面29と、が形成される。
【0042】
第2棒状部22は、第2方向Yに延びる。第2棒状部22は、第2方向Yから見て断面コの字状に形成される。
【0043】
第2拡幅部23は、第2棒状部22の基端部に第2棒状部22の長手方向の幅よりも拡幅されて形成される。第2拡幅部23は、第2棒状部22に沿って突出した突出片28が形成される。第2拡幅部23は、第3方向Zの端部に第2方向Yから見てL字状に突出した嵌合片27が形成される。
【0044】
第2突起部24と第3突起部25は、第2本体部21の第2拡幅部23に設けられて第1方向Xに向けて突出される。第2突起部24は、木製のダボが用いられ、第2拡幅部23に着脱自在に設けられる。なお、第2突起部24は、第2拡幅部23に固定されてもよい。第3突起部25は、第2拡幅部23に一体的に設けられる。なお、第3突起部25は、第2拡幅部23に着脱自在に設けられてもよい。
【0045】
間詰め突起26は、第2本体部21の第2拡幅部23に設けられて第1方向Xに向けて突出される。
【0046】
第2本体端面29は、第2拡幅部23に第2方向Yに沿う面に沿って平坦に形成される。また、第2本体端面29は、第2拡幅部23に第3方向Zに沿う面に沿って平坦に形成される。
【0047】
図2に示すように、第2部材2は、基台3が着脱自在に設けられる。基台3は、第2突起部24と第3突起部25とが貫通される貫通孔が形成され、間詰め突起26と、突出片28と、第2本体端面29が設けられる。なお、基台3は、第2部材2に着脱自在でなく、第2部材2と一体的に設けられてよい。
【0048】
<コの字部材4>
図3に示すように、コの字部材4は、第1部材1の第1棒状部12の先端側に設けられる。コの字部材4は、第2部材2の第2棒状部22の先端側に設けられる。コの字部材4は、第1棒状部12とは別体で構成されるが、第1棒状部12と一体的に構成されてもよい。コの字部材4は、第2棒状部22とは別体で構成されるが、第2棒状部22と一体的に構成されてもよい。
【0049】
図10(a)及び図10(b)に示すように、コの字部材4は、断面コの字状に形成される。コの字部材4は、両端に内側に折り返された返し爪41が形成される。コの字部材4は、例えばアクリル系、ウレタン系、及びFRP等の樹脂で構成される。
【0050】
<キャビネットの組立方法>
次に、キャビネットの組立方法の一例について説明する。キャビネットの組立方法は、キャビネット100を構成する側板101と、天板102と、背板103と、を接合する。キャビネットの組立方法は、例えばキャビネット100を構成する側板101と、底板104と、背板103と、を接合する。キャビネットの組立方法は、板材の接合方法を備える。
【0051】
<板材の接合方法>
板材の接合方法は、第1板材110の第1主面111と第2板材120の第2端面121とを接合する第1部材1を有する接合部材Aを用いて接合する接合工程を備える。更に、板材の接合方法は、第1板材110の第1主面111と第3板材130の第3端面131とを接合する第2部材2を有する接合部材Aを用いて接合する接合工程を備える。
【0052】
接合工程は、第1部材1の第1本体部11と第2部材2の第2本体部21とを凹部5に挿入する本体部挿入工程と、第1部材1の第1突起部14を第2孔126に挿入し、第2部材2の第2突起部24を第3孔136に挿入する突起部挿入工程と、を備える。
【0053】
<本体部挿入工程>
図11(a)及び図11(b)に示すように、本体部挿入工程では、第1部材1の第1本体部11を凹部5に挿入する。本体部挿入工程では、第1端面113から第3方向Zに延びる凹部5に、第1本体部11の第1棒状部12を第1端面113から第3方向Zにスライドして挿入する。
【0054】
詳細には先ず、本体部挿入工程では、凹部5の第1挿入部51にコの字部材4を挿入する。図12(a)に示すように、コの字部材4を第1挿入部51に挿入する際、返し爪41が第1開口部52側に配置されるようにする。
【0055】
そして、本体部挿入工程では、第1挿入部51にコの字部材4を挿入した後、凹部5の第1挿入部51に第1棒状部12を挿入し、収容部53に第1拡幅部13を収容する。図12(b)に示すように、第1棒状部12を第1挿入部51に挿入する際、断面コの字状の第1棒状部12のコの字の両端が第1開口部52側に配置されるようにする。
【0056】
第1棒状部12の短手方向の幅は、第1開口部52の幅よりも拡幅される。このため、第1棒状部12を第1挿入部51に挿入したとき、第1棒状部12が第1開口部52から第1方向Xに抜け出すのを防止できる。
【0057】
また、第1棒状部12を第1挿入部51に挿入したとき、図11(a)に示すように、第1本体端面19は、第1端面112と面一である。また、図11(b)に示すように、第1突起部14は、第1主面111よりも突出される。第1本体部11の突出片15は、受入部56に嵌合される。
【0058】
次に、図13(a)及び図13(b)に示すように、本体部挿入工程では、第2部材2の第2本体部21を凹部5に挿入する。本体部挿入工程では、第1端面112から第2方向Yに延びる凹部5に、第2本体部21の第2棒状部22を第1端面112から第2方向Yにスライドして挿入する。第2本体部21は、予め基台3が設けられる。
【0059】
詳細には先ず、本体部挿入工程では、凹部5の第2挿入部54にコの字部材4を挿入する。図14(b)に示すように、コの字部材4を第2挿入部54に挿入する際、返し爪41が第2開口部55側に配置されるようにする。
【0060】
そして、本体部挿入工程では、第2挿入部54にコの字部材4を挿入した後、凹部5の第2挿入部54に第2棒状部22を挿入し、収容部53に第2拡幅部23を収容する。図14(c)に示すように、第2棒状部22を第2挿入部54に挿入する際、断面コの字状の第2棒状部22のコの字の両端側が第2開口部55側に配置されるようにする。
【0061】
第2棒状部22の短手方向の幅は、第2開口部55の幅よりも拡幅される。このため、第2棒状部22を第2挿入部54に挿入したとき、第2棒状部22が第2開口部55から第1方向Xに抜け出すのを防止できる。
【0062】
第2棒状部22を第2挿入部54に挿入したとき、図13(a)に示すように、第2方向Yに交わる面に沿う第2本体端面29は、第1端面112と面一である。第3方向Zに交わる面に沿う第2本体端面29は、第1端面113と面一である。図13(b)に示すように、第2突起部24と第3突起部25と間詰め突起26とは、第1主面111よりも突出される。また、第2本体部21の突出片28は、受入部57に嵌合される。
【0063】
また、図14(a)に示すように、第2本体部21の嵌合片27は、第1本体部11の嵌合片16に嵌合される。嵌合片27と嵌合片16とは、それぞれL字状に形成され、第2方向Yにスライドして嵌合できる。
【0064】
<突起部挿入工程>
次に、図2及び図15に示すように、接合工程では、予め第2板材120と第3板材130とを連結部材6により連結させておく。突起部挿入工程では、第1突起部14を第2端面121に形成される第2孔126に挿入する。また、突起部挿入工程では、第2突起部24を第3端面131に形成される第3孔136に挿入する。
【0065】
突起部挿入工程では、第1突起部14を第2端面121に形成される第2孔126に挿入する。これにより、第1板材110の第1主面111と第2板材120の第2端面121とは、第1部材1の第1突起部14を介して接合される。
【0066】
図16(a)は、図11(a)のD-D断面に対応する断面図である。図16(a)に示すように、突起部挿入工程では、第1突起部14を第2孔126に挿入したとき、第2端面121に形成された嵌合凸部124が第1開口部52から挿入されて、嵌合凸部124が第1挿入部51に挿入されたコの字部材4に嵌合される。嵌合凸部124のくびれ部124aは、コの字部材4の両端の返し爪41に挟まれ、先端部124bがコの字部材4の内側に配置される。これにより、第2板材120が第1板材110に対して引き抜かれるのを防止できる。このため、第1板材110と第2板材120とがより強固に接合される。
【0067】
図16(b)は、図11(a)のE-E断面に対応する断面図である。図16(b)に示すように、突起部挿入工程では、第1突起部14を第2孔126に挿入したとき、第2端面121に形成された嵌合凸部124が断面コの字状の第1棒状部12の内側に収容される。
【0068】
また、図15に示すように、突起部挿入工程では、第2突起部24を第3端面131に形成される第3孔136に挿入する。これにより、第1板材110の第1主面111と第3板材130の第3端面131とは、第2部材2の第2突起部24を介して接合される。
【0069】
図17(a)は、図13(a)のG-G断面に対応する断面図である。図17(a)に示すように、突起部挿入工程では、第2突起部24を第3孔136に挿入したとき、第3端面131に形成された嵌合凸部134が第2開口部55に挿入され、嵌合凸部134が第2挿入部54に挿入されたコの字部材4に嵌合される。嵌合凸部134のくびれ部134aは、コの字部材4の両端の返し爪41に挟まれ、先端部134bがコの字部材4の内側に配置される。これにより、第3板材130が第1板材110に対して引き抜かれるのを防止できる。このため、第1板材110と第3板材130とがより強固に接合される。
【0070】
図17(b)は、図13(a)のH-H断面に対応する断面図である。図17(b)に示すように、突起部挿入工程では、第2突起部24を第3孔136に挿入したとき、第3端面131に形成された嵌合凸部134が断面コの字状の第2棒状部22の内側に収容される。
【0071】
また、図15に示すように、突起部挿入工程では、第3突起部25を第2端面121に形成される第2孔127に挿入する。これにより、第1板材110の第1主面111と第2板材120の第2端面121とは、第2部材2の第3突起部25を介して接合される。
【0072】
また、突起部挿入工程では、間詰め突起26を第3端面131に形成される第3拡大部139に挿入する。これにより、第3拡大部139の内部における連結部材6の足部64と突出爪65の移動が間詰め突起26により制限される。このため、第2板材120と第3板材130とを強固に連結できる。
【0073】
以上により、板材の接合方法の一例が完了する。
【0074】
本実施形態では、第1端面113から第3方向Zに延びる凹部5に第1端面113から第3方向Zにスライドして挿入可能な第1本体部11と、第1本体部11に設けられて第1方向Xに突出される第1突起部14と、を備え、第1突起部14は、第2端面121に形成される第2孔126に挿入される。これにより、第1板材110の凹部5に挿入された第1本体部11は、第2板材120により覆われる。このため、ネジを用いることなく第1板材110の第1主面111と第2板材120の第2端面121を短時間で接合できる。
【0075】
また、本実施形態では、第1突起部14は、第2端面121に形成される第2孔126に挿入される。これにより、第1板材110と第2板材120との少なくとも何れかに外力が作用したとき、第1突起部14を介して第1板材110と第2板材120との間で応力が伝達される。このため、より大きな外力に対して抵抗できる。
【0076】
また、本実施形態では、凹部5に第1本体部11が挿入され、第1突起部14は、第2端面121に形成される第2孔126に挿入される。これにより、接合部材Aは、キャビネット100の内側に突出されない。このため、キャビネット100の内部の空間を広く使用することができる。例えばキャビネット100として使用したときに壁や床などに板材を接触させて設置できる等、部屋の決められた位置に設置し易くなる。このため、利便性が向上する。
【0077】
本実施形態では、凹部5は、第1拡幅部13の第2方向Yの幅よりも縮幅されて第1棒状部12が挿入される第1挿入部51と、第1拡幅部13が収容される収容部53と、が形成される。これにより、第1棒状部12を第1挿入部51に挿入したとき、第1拡幅部13が第1挿入部51に挿入されるのを防止できる。このため、第1部材1を所定の位置に収容することができる。
【0078】
本実施形態では、第1拡幅部13は、第1棒状部12に沿って突出される突出片15を有し、収容部53は、突出片15と嵌合される受入部56が形成される。これにより、第1部材1が第1方向Xにずれるのを防止できる。このため、第1部材1を所定の位置に収容することができる。
【0079】
本実施形態では、第1本体部11は、第1端面112と面一な第1本体端面19が形成される。これにより、例えばキャビネット100として使用したときに壁や床などに板材を接触させて設置できる等、部屋の決められた位置に設置し易くなる。このため、利便性が向上する。
【0080】
本実施形態では、第3板材130の第3端面131と第1板材110の第1主面111とを接合する第2部材2を備え、第2部材2は、第2方向Yに交わる第1端面112から第2方向Yに延びる凹部5に、第1端面112から第2方向Yにスライドして挿入可能な第2本体部21と、第2本体部21に設けられて第1方向Xに突出される第2突起部24と、を備え、第2突起部24は、第3端面131に形成された第3孔136に挿入される。これにより、第1板材110の凹部5に挿入された第2本体部21は、第3板材130により覆われる。このため、ネジを用いることなく第1板材110の第1主面111と第3板材130の第3端面131とを短時間で接合できる。
【0081】
また、本実施形態では、第2突起部24は、第3端面131に形成される第3孔136に挿入される。これにより、第1板材110と第3板材130との少なくとも何れかに外力が作用したとき、第2突起部24を介して第1板材110と第3板材130との間で応力が伝達される。このため、より大きな外力に対して抵抗できる。
【0082】
また、本実施形態では、凹部5に第2本体部21が挿入され、第2突起部24は、第3端面131に形成される第3孔136に挿入される。これにより、接合部材Aは、キャビネット100の内側に突出されない。このため、キャビネット100の内部の空間を広く使用することができる。
【0083】
本実施形態では、第2本体部21は、第2方向Yにスライドして第1本体部11に嵌合される。これにより、第2本体部21が第3方向Zに引き抜かれるのを防止できる。
【0084】
本実施形態では、第2本体部21に設けられて第1方向Xに突出される第3突起部25、を備え、第3突起部25は、第2孔127に挿入される。これにより、ネジを用いることなく第1板材110の第1主面111と第2板材120の第2端面121とを短時間で接合できる。
【0085】
本実施形態では、凹部5は、第2拡幅部23の第3方向Zの幅よりも縮幅されて第2棒状部22が挿入される第2挿入部54と、第2拡幅部23が収容される収容部53と、が形成される。これにより、第2棒状部22を第2挿入部54に挿入したとき、第2拡幅部23が第2挿入部54に挿入されるのを防止できる。このため、第2部材2を所定の位置に収容することができる。
【0086】
本実施形態では、第2拡幅部23は、第2棒状部22に沿って突出される突出片28を有し、収容部53は、突出片28と嵌合される受入部57が形成される。これにより、第2部材2が第1方向Xにずれるのを防止できる。このため、第2部材2を所定の位置に収容することができる。
【0087】
本実施形態では、第2端面121は、第1開口部52に挿入される嵌合凸部124が形成され、第1挿入部51は、第3方向から見てコの字状のコの字部材4が設けられ、コの字部材4は、両端に嵌合凸部124に嵌合される返し爪41が形成され、第1棒状部12は、第3方向Zから見てコの字状に形成され、嵌合凸部124が収容される。これにより、第2板材120が第1板材110に対して引き抜かれるのを更に抑制できる。このため、第1板材110と第2板材120とがより強固に接合される。
【0088】
また、本実施形態では、第1棒状部12は、第3方向Zから見てコの字状に形成され、嵌合凸部124が収容される。これにより、第2板材120が第2方向Yに対してずれるのを更に抑制できる。
【0089】
上述した実施形態では、接合部材Aは、本体部と突起部とを備える第1部材1と第2部材2とを用いており、第1部材1の板材同士の接合態様と第2部材2の板材同士の接合態様は同様である。このため、本発明では、第1部材1と第2部材2の少なくとも何れかを備えていればよい。
【0090】
以上、この発明のいくつか実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、この発明は、上記の実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記の実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
100 :キャビネット
10 :接合構造
A :接合部材
1 :第1部材
11 :第1本体部
12 :第1棒状部
13 :第1拡幅部
14 :第1突起部
15 :突出片
16 :嵌合片
19 :第1本体端面
2 :第2部材
21 :第2本体部
22 :第2棒状部
23 :第2拡幅部
24 :第2突起部
25 :第3突起部
26 :間詰め突起
27 :嵌合片
28 :突出片
29 :第2本体端面
3 :基台
4 :コの字部材
41 :返し爪
5 :凹部
51 :第1挿入部
52 :第1開口部
53 :収容部
54 :第2挿入部
55 :第2開口部
56 :受入部
57 :受入部
110 :第1板材
111 :第1主面
112 :第1端面
113 :第1端面
120 :第2板材
121 :第2端面
122 :第2主面
123 :第2端面
124 :嵌合凸部
125 :第2連結溝
126 :第2孔
127 :第2孔
130 :第3板材
131 :第3端面
132 :第3端面
133 :第3主面
134 :嵌合凸部
135 :第3連結溝
136 :第3孔
X :第1方向
Y :第2方向
Z :第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17