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特開2024-145475触覚デバイス制御システム、触覚デバイス制御プログラム、及び、触覚デバイス制御方法
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  • 特開-触覚デバイス制御システム、触覚デバイス制御プログラム、及び、触覚デバイス制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145475
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】触覚デバイス制御システム、触覚デバイス制御プログラム、及び、触覚デバイス制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20241004BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G05G5/03 Z
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057841
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
(72)【発明者】
【氏名】木野井 慶介
【テーマコード(参考)】
3J070
5E555
【Fターム(参考)】
3J070AA02
3J070BA18
3J070BA19
3J070BA51
3J070DA41
3J070DA61
5E555AA08
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555CA06
5E555CA10
5E555CA17
5E555CA41
5E555CA44
5E555CB19
5E555CB20
5E555CC01
5E555DA24
5E555DB53
5E555DC05
5E555DC30
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの動きに対する触覚を多様に提示できる触覚デバイスの制御を提供する。
【解決手段】触覚デバイス制御システムは、ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する。触覚デバイス制御システムは、触覚デバイスの操作部に対するユーザの動きを検出する動き検出部1と、ユーザの動きに応じて、触覚デバイスのモータ22を制御するモータ触覚制御部2と、機能性流体デバイス10の機能性流体24の粘度を制御する流体触覚制御部3と、を備える。モータ触覚制御部2は、モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、動き検出部1で検出されたユーザの動きに対する機能性流体の粘度による操作部21の抵抗を減らす力を出力する補助動作をモータ22に実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する触覚デバイス制御システムであって、
前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出部と、
前記動き検出部が取得した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御部と、
前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御部と、を備え、
前記モータ触覚制御部は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させる、触覚デバイス制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の触覚デバイス制御システムであって、
前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により前記ユーザが前記操作部を動かす速度が検出されている時に、ユーザの速度と同じ方向に前記操作部を動かす力を前記モータに出力させる、触覚デバイス制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の触覚デバイス制御システムであって、
前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により前記ユーザによる前記操作部の動きの開始が検出された時に、予め設定された設定回転速度で前記モータを出力開始させる、触覚デバイス制御システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の触覚デバイス制御システムであって、
前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により検出される前記ユーザの動きの速度に応じた回転速度の回転を前記モータに出力させる、触覚デバイス制御システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の触覚デバイス制御システムであって、
前記補助条件が満たされる場合に、前記流体触覚制御部が、前記機能性流体の粘性が制御範囲の下限の粘度である基底粘度となるよう制御し、前記モータ触覚制御部は、前記補助動作として、前記ユーザの動きに対する前記機能性流体の前記基底粘度による前記操作部の抵抗を減らす力を前記モータに出力させる、触覚デバイス制御システム。
【請求項6】
ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する触覚デバイス制御プログラムであって、
前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で検出した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御処理と、
前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘性を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御処理と、をコンピュータに実行させ、
前記モータ触覚制御処理は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させる、触覚デバイス制御プログラム。
【請求項7】
ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する触覚デバイス制御方法であって、
前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出工程と、
前記動き検出工程で検出した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御工程と、
前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御工程と、を有し、
前記モータ触覚制御工程は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させることで、前記ユーザに抵抗なく前記操作部を動かす触覚を提供する工程を含む、触覚デバイス制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに触覚を付与する触覚デバイスの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(VR; Virtual Reality)、拡張現実(AR; Augmented Reality)、複合現実(MR; Mixed Reality)等の技術を用いてメタバースと呼ばれる仮想空間を提供するサービスが始まっている。上記技術では、映像及び音によりユーザの視覚及び聴覚に対する情報を与えるユーザインタフェースが提供される。近年、視覚及び聴覚に加えて、触覚の情報を与える技術が開発されている。
【0003】
例えば、特開2017-138651号公報(特許文献1)は、映像に映し出された物体の力覚を操作者に提示する力覚提示装置に関し、複雑な制御を必要とすることなく、映像の動きと操作部において提示される力覚とを高い精度でリンクさせることが可能な力覚提示装置を開示する。
【0004】
特表2019-530102号公報(特許文献2)は、特に仮想現実システムまたは拡張現実システムと相互作用を行う触覚装置を開示する。この触覚装置は、手の指に装着されるよう構成された固定本体、モータ手段によって作動する可動本体、及び接触面を有するフラップを備える。可動本体は、接触面が指先から離れた位置から指先に接触する位置まで移動するように固定本体に対して可動である。フラップの接触面は凸状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-138651号公報
【特許文献2】特表2019-530102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の課題は、ユーザの動きに対する触覚を多様に提示できる触覚デバイスの制御を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態における触覚デバイス制御システムは、ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する。前記触覚デバイス制御システムは、前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出部と、前記動き検出部が取得した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御部と、前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御部と、を備える。
【0008】
前記モータ触覚制御部は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1における触覚デバイス制御システムを含むシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
図2図2は、補助動作を説明するための図である。
図3図3は、モータ制御情報及び粘度制御情報の一例を示す図である。
図4図4は、触覚デバイス制御システム10による触覚提示処理の例を示すフローチャートである。
図5図5は、モータ制御情報及び粘度制御情報の他の例を示す図である。
図6図6は、図1の触覚デバイス20の構成例を示す図である。
図7図7は、図6に示す触覚デバイス20の断面図である。
図8図8は、図6に示す触覚デバイス20の操作部21の動力伝達機構の例を示す図である。
図9図9は、図6に示す触覚デバイス20の変形例を示す図である。
図10図10は、図1に示すシステム、及びその上位システムを含むシステム構成の例を示す機能ブロック図である。
図11図11は、図3に示す制御情報に基づく触覚提示処理に同期して表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(構成1)
本実施形態における触覚デバイス制御システムは、ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する。前記触覚デバイス制御システムは、前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出部と、前記動き検出部が取得した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御部と、前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御部と、を備える。
【0011】
前記モータ触覚制御部は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させる。
【0012】
上記構成によれば、流体触覚制御部が機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、ユーザが操作部を動かしたときの抵抗が制御される。これにより、操作部の抵抗の度合いによって、ユーザに触覚が提示される。モータ触覚制御部は、補助条件が満たされる場合に、補助動作として、ユーザの動きに対する機能性流体の粘性による抵抗を減らす力をモータに出力させる。補助動作により、前記ユーザにほぼ抵抗なく前記操作部を動かす触覚が提示される。これにより、ユーザに付与する触覚の態様の幅が広がる。そのため、ユーザの動きに対する触覚を多様に提示できる。
【0013】
(構成2)
上記構成1において、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により前記ユーザが前記操作部を動かす速度が検出されている時に、ユーザの速度と同じ方向に前記操作部を動かす力を前記モータに出力させてもよい。これにより、ユーザの動きに対して、機能性流体の抵抗を減らすモータの補助動作を迅速に実行することができる。なお、上記のユーザが操作部を動かす速度が検出されている時とは、0でない速度が検出されている時である。
【0014】
(構成3)
上記構成1又は2において、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により前記ユーザによる前記操作部の動きの開始が検出された時に、予め設定された設定回転速度で前記モータに出力開始させてもよい。これにより、ユーザが動きを開始した時に迅速に機能性流体の粘性による抵抗を減らすことができる。そのため、ユーザが動き開始時の抵抗を感じにくくなる。なお、設定回転速度は、ユーザの入力又は上位システムからの指示に基づいて更新可能であってもよい。
【0015】
(構成4)
上記構成1~3のいずれかにおいて、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記補助動作として、前記動き検出部により検出される前記ユーザの動きの速度に応じた回転速度の回転を前記モータに出力させてもよい。これにより、ユーザの動きの速度に応じた速度で操作部をモータで動かすことができる。そのため、ユーザに、より抵抗なく操作部を動かす触覚を提示できる。
【0016】
(構成5)
前記補助条件が満たされる場合に、前記流体触覚制御部が、前記機能性流体の粘度が制御範囲の下限の粘度である基底粘度となるよう制御してもよい。前記モータ触覚制御部は、前記補助動作として、前記ユーザの動きに対する前記機能性流体の前記基底粘度による前記操作部の抵抗を減らす力を前記モータに出力させてもよい。基底粘度は、機能性流体デバイスで制御できる粘度の下限である。機能性流体デバイスのみの制御では、ユーザは、基底粘度による操作部の抵抗は必ず感じることになる。補助区間では、基底粘度の抵抗をモータの補助により減らすことができる。そのため、基底粘度の抵抗より低い抵抗の触覚をユーザに提供することができる。
【0017】
上記構成1~5のいずれかにおいて、前記動き検出部は、前記ユーザの動きとして、前記操作部の少なくとも1つの方向における動きを検出してもよい。この場合、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件を満たす場合に、前記補助動作として、前記少なくとも1つの方向における動きが検出されている時に、前記検出された動きの方向に前記操作部を動かす力を前記モータに出力させてもよい。これにより、簡単な処理で、機能性流体の抵抗を減らすためのモータの制御が可能になる。
【0018】
上記構成1~5のいずれかにおいて、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件を満たす場合に、前記補助動作として、前記動き検出部で検出されたユーザの速度と同じ速度で前記モータを回転させてもよい。これにより、ユーザの動きに対するモータによる補助の追随性を高めることができる。また、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件を満たす場合に、前記モータの回転速度が、前記動き検出部で検出されたユーザの速度を超えないように制御してもよい。これにより、ユーザの速度を超えない範囲でモータにより操作部を動かすことができる。そのため、ユーザに、操作部の抵抗を感じにくくし、且つ、モータに動かされる感覚を与えないように触覚を提示することができる。
【0019】
上記補助条件は、例えば、前記操作部の動作域のうち少なくとも一部の区間であって、モータ補助動作を実行すべき区間として指定された補助区間であってもよい。この場合、前記モータ触覚制御部は、前記補助区間において、前記補助動作を前記モータに実行させる。又は、上記補助条件は、時間的条件であってもよい。例えば、操作部が所定の状態になった時点を基準とした補助期間を、補助条件としてもよい。この場合、上記補助条件を満たす場合は、補助期間内である場合となる。このように、前記モータ触覚制御部は、補助条件として指定された補助区間又は補助期間において、前記補助動作を前記モータに実行させることができる。これにより、補助条件の判断及び補助動作の制御を効率よく実行できる。
【0020】
前記モータ触覚制御部は、前記モータが前記操作部に付与するトルク又は速度の少なくとも1つを制御してもよい。例えば、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記流体触覚制御部の制御する前記機能性流体の粘性による伝達トルク以上のトルクを、前記モータに発生させてもよい。又は、前記モータ触覚制御部は、前記補助条件が満たされる場合に、前記流体触覚制御部の制御する前記機能性流体の粘性による伝達トルク以上のトルクであって、前記動き検出部で検出された前記ユーザの動きの速度に応じた回転速度を、前記モータに出力させてもよい。
【0021】
前記モータ触覚制御部は、制御値を前記モータに供給することで、前記モータを制御することができる。制御値は、例えば、トルク又は速度の少なくとも1つを示す値であってもよいし、電流又は電圧の少なくとも1つを示す値であってもよい。
【0022】
上記構成1~5のいずれかにおいて、前記動き検出部は、前記ユーザの動きとして、前記操作部の変位量を取得してもよい。前記モータ触覚制御部は、モータの制御値と操作部の変位量との対応を示すモータ制御情報を用いて、前記動き検出部で取得された前記操作部の変位量に応じた制御値を決定し前記モータに供給してもよい。前記流体触覚制御部は、流体の粘度値と操作部の変位量との対応を示す粘度制御情報を用いて、前記動き検出部で取得された前記操作部の変位量に応じた粘度値を決定し前記機能性流体デバイスに供給してもよい。
【0023】
モータ制御情報又は流体制御情報の少なくとも一方に、前記補助条件を示す補助条件情報が含まれてもよい。補助条件情報は、例えば、補助区間又は補助期間を示す情報であってもよい。補助区間は、例えば、操作部の変位量の範囲で表されてもよい。前記モータ触覚制御部は、前記補助条件情報で示される補助条件が満たされる場合に、動き検出部で検出された操作部の変位量に対する機能性流体の粘性による抵抗を減らす力をモータに出力させてもよい。このように、モータ触覚制御部は、制御情報で示される補助条件で、モータが補助動作を実行するよう制御することができる。モータが補助動作を実行する条件を、制御情報により変えることができる。例えば、補助区間又は補助期間が制御情報に従って決められてもよい。制御情報によって補助区間又は補助期間を制御することができる。
【0024】
操作部の変位量は、操作部の動きによる変化の度合いを示す物理量である。操作部の変位量は、例えば、操作部の基準位置に対する位置、速度、及び加速度の少なくとも1つであってもよい。
【0025】
粘度制御情報及び流体触覚制御部で扱われる粘度値の情報は、粘度を直接的に示す値であってもよいし、間接的に示す値であってもよい。粘度を間接的に示す値としては、例えば、機能性流体デバイスの機能性流体の目標の粘度を発生させるための粘度制御値であってもよい。粘度制御値は、例えば、機能性流体デバイスの機能性流体の磁場又は電場を示す値、又は、その磁場又は電場を発生させるための電流、電圧その他の制御値が挙げられる。
【0026】
前記モータ制御情報及び前記粘度制御情報は、仮想空間で表示されるオブジェクトに対応して予め設定された情報であってもよい。これにより、仮想空間のオブジェクトの触覚を、モータ制御情報及び粘度制御情報により定義できる。オブジェクトの触覚を示すデータ及びその処理が容易になる。
【0027】
上記構成1~5のいずれかの触覚デバイス制御システムを含む触覚付与システムも、本発明の実施形態に含まれる。触覚付与システムは、触覚デバイスとそれを制御する触覚デバイス制御システムを含む。具体的には、触覚付与システムは、前記触覚デバイス制御システムに加えて、前記操作部、前記モータ及び前記機能性流体デバイスを備える。モータは、操作部を動かす動力源となる。機能性流体デバイスは、例えば、操作部とともに動く可動部材に接した状態で密封される機能性流体と、機能性流体に可変の磁場又は電場を発生させる電子部品(例えば、コイル又は電圧制御回路等の電場又は磁場の制御装置)を備えてもよい。機能性流体デバイスは、機能性流体の粘性により、前記操作部の動きに対する抵抗を可変にする。機能性流体デバイスの機能性流体は、例えば、磁気粘性流体(Magneto-rheological fluid)又は、電気粘性流体(Electro-rheological fluid)とすることができる。
【0028】
ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する触覚デバイス制御プログラムも本発明の実施形態に含まれる。前記触覚デバイス制御プログラムは、前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出処理と、前記動き検出処理で検出した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御処理と、前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御処理と、をコンピュータに実行させる。
【0029】
前記モータ触覚制御処理は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させる。
【0030】
ユーザに触覚を付与する触覚デバイスを制御する触覚デバイス制御方法も本発明の実施形態に含まれる。前記触覚デバイス制御方法は、前記触覚デバイスが備える可動な操作部に対する前記ユーザの動きを検出する動き検出工程と、前記動き検出工程で検出した前記ユーザの動きに応じて、前記触覚デバイスが備えるモータを制御することで前記操作部を動かして前記ユーザに付与する触覚を制御する、モータ触覚制御工程と、前記触覚デバイスが備える、前記操作部の動きに対する抵抗を機能性流体により可変にする機能性流体デバイスの前記機能性流体の粘度を制御することで、前記ユーザに付与する触覚を制御する流体触覚制御工程と、を有する。
【0031】
前記モータ触覚制御工程は、前記機能性流体の粘性による抵抗に対する前記モータの補助動作の条件である補助条件が満たされる場合に、前記機能性流体の粘性による前記操作部の抵抗を減らす力を出力する補助動作を前記モータに実行させることで、前記ユーザに抵抗なく前記操作部を動かす触覚を提供する工程を含む。
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら本実施形態を詳しく説明する。図中、同一又は相当部分には同一参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0033】
<実施形態1>
図1は、本実施形態における触覚デバイス制御システム10を含むシステムの構成例を示す機能ブロック図である。触覚デバイス制御システム10は、触覚デバイス20を制御するシステムである。触覚デバイス20は、操作部21、モータ22、機能性流体デバイス29及びセンサ23を備える。操作部21は、ユーザの操作により可動に構成される。モータ22は、操作部21を動かす動力源となる。センサ23は、操作部21の動きを検出する。モータ22により操作部21が動かされることで、操作部21に触れたユーザに触覚を付与することができる。
【0034】
操作部21は、触覚デバイス20の本体(図示略)に可動に支持される。操作部21は、ユーザからの力が作用する可動部材である。また、操作部21は、触覚デバイス20が提示する触覚をユーザに作用させる。センサ23は、本体に対する操作部21の動きを検出する。センサ23は、例えば、操作部21の動きと連動して回転する部材の回転角度を検出するよう構成されてもよい。センサ23は、例えば、光センサ、磁気センサ、トルクセンサ、ポテンショメータ、加速度センサ、圧力センサ、
その他の操作部21の動きの物理量を電気信号に変換する素子を含んでもよい。なお、センサ23は、ユーザの動きを検出するものであってもよい。例えば、光センサ、圧力センサ又は加速度センサにより、ユーザの動きを検出することができる。
【0035】
モータ22の動力は、操作部21に伝達される。触覚デバイス20は、モータ22の動力を操作部21に伝達する伝達部材を有する。モータ22は、制御値に基づいてモータを駆動させる駆動回路を有してもよい。モータ22の種類は、特に限定されないが、例えば、DCモータ、ACモータ、又は、サーボモータとすることができる。
【0036】
機能性流体デバイス29は、機能性流体24と、機能性流体24に可変な磁場を発生させるコイル25とを備える。機能性流体24は、一例として、磁気粘性流体である。コイル25は、機能性流体24の電場又は磁場を制御する装置の一例である。機能性流体デバイス29は、コイル25(電場又は磁場の制御装置)によって機能性流体24の磁場又は電場(本例では磁場)を可変にすることで、操作部21の動きの抵抗を可変にした構成である。
【0037】
機能性流体24は、相対的に回転可能な第1回転体及び第2回転体(図示略)を備える。第1回転体と第2回転体の間に機能性流体24が密封される。第1回転体は、操作部21と連動して回転する。モータ22は、第1回転体又は第2回転体のいずれかを回転させる。機能性流体24は、モータ22と操作部21の間の動力の伝達経路上に設けられてもよい。この場合、モータ22の動力は、機能性流体24を介して操作部21に伝達される。なお、機能性流体24は、上記のモータ22の動力の伝達経路上になくてもよい。
【0038】
ユーザの操作部21の操作に伴い、前記第1回転体が、第2回転体に対し相対的に回転し、その際に、機能性流体24の粘度に応じた抵抗を受ける。機能性流体24は、コイル25を流れる電流により発生する磁場に応じて粘性が変化する。機能性流体24の粘度が変化することで、ユーザによる操作部21の動きの抵抗が変化する。これらにより、ユーザの操作部21に対する触覚が変化する。なお、機能性流体として電気粘性流体も採用できる。電気粘性流体の場合、電流により発生する電場に応じて粘度が変化する。
【0039】
触覚デバイス制御システム10は、動き検出部1、モータ触覚制御部2、及び、流体触覚制御部3を有する。動き検出部1は、操作部21に対するユーザの動きを検出する。例えば、動き検出部1は、例えば、センサ23で検出された操作部21の変位量を、ユーザの動きを示す値として取得してもよい。操作部21の変位量は、操作部21の位置、速度、又は加速度であってもよい。
【0040】
モータ触覚制御部2は、動き検出部1が取得したユーザの動きに応じてモータ22を制御する。モータ触覚制御部2は、指定された補助条件が満たされる場合に、モータ22に、機能性流体24の抵抗を減らし、ユーザが操作部21を抵抗なく動かせるための補助動作を実行させる。補助条件は、ユーザの動きに関する条件であってもよい。例えば、操作部21が、その動作域すなわち可動範囲の中の指定された補助区間にあることを補助条件とすることができる。また、補助条件は、ユーザの動きを基準とする指定された補助期間にあることを補助条件としてもよい。例えば、所定の操作部21の動きが検出された時を基準とする補助期間を、補助条件としてもよい。補助条件は、例えば、デバイス制御システム10が取得する制御情報により指定される。
【0041】
モータ触覚制御部2は、補助条件を満たすと判断した場合に、補助動作をモータ22に実行させる。モータ22の補助動作は、検出されるユーザの動き、すなわち検出される操作部21の動きと同じ方向に操作部21を動かす力を出力する動作を含む。例えば、モータ22の補助動作は、機能性流体デバイス29の第1回転体に対する第2回転体の相対回転速度が小さくなるように、第2回転を回転させる動作を含んでもよい。すなわち、モータ22の補助動作は、ユーザが操作部21を動かす力に対する機能性流体の粘性による抵抗を減らすことで、ユーザが操作部21を動かす動作を補助する。モータ22の補助動作により、ユーザに、ほとんど抵抗なく操作部21を動かす触覚を付与することができる。
【0042】
モータ触覚制御部2によるモータ22の補助動作は、操作部21の可動方向のうち少なくとも1つの方向の動きに対する補助動作としてもよい。例えば、ユーザが操作部21を押す動きと、引く動きのうち、押す動き又は引く動きのいずれかに対して補助動作が実行されてもよいし、押す動きと引く動きの両方に対して補助動作を実行されてもよい。
【0043】
補助動作において制御されるモータ22の出力トルクの大きさ及び向きは、操作部21に対して、検出された動きを同じ向きで0以上のトルクが付与できるように制御されてもよい。例えば、モータ22の動力が、機能性流体24を介して操作部21に伝達される場合は、補助動作におけるモータ22の出力トルクの大きさは、制御された機能性流体24の粘性による伝達トルク以上になるよう制御される。機能性流体24がモータ22と操作部21の間の伝達経路上になく、モータ22の出力が機能性流体24を介さずに操作部21に伝達される場合は、補助動作におけるモータ22の出力トルクの大きさは、機能性流体24の粘性による抵抗に対抗して操作部21を動かせるトルクの下限値以上となるよう制御されてもよい。
【0044】
補助動作において、モータ22の回転速度は、検出されるユーザの動き、すなわち、操作部21の動きに応じて制御されてもよい。例えば、モータ22の回転速度は、検出される操作部21の速度を超えないよう制御されてもよい。これにより、ユーザに、抵抗なく操作部21を動かす触覚を与え、且つ、操作部21が自動で動く又は操作部21によって動かされるといった感覚を与えないようにできる。また、補助動作におけるモータ22の回転速度は、検出される操作部21の速度の変化に応じて変化させてもよい。これにより、ユーザの動きに対する補助動作の追随性を高めることができる。また、補助動作において、操作部21の動き開始が検出された時に、予め設定された設定回転速度で、モータ22に出力を開始さえてもよい。これにより、ユーザに動き始めの抵抗を感じさせにくくすることができる。
【0045】
流体触覚制御部3は、ユーザの動きに応じて機能性流体24の粘度を制御する。本例では、流体触覚制御部3は、コイル25の電流を制御する。これにより、コイル25によって発生する機能性流体24の磁場が制御され、結果として、機能性流体24の粘度が制御される。流体触覚制御部3は、補助条件が満たされる場合に、機能性流体24が基底粘度となるよう制御してもよい。基底粘度は、制御範囲における下限の粘度である。機能性流体24の粘度の可変域で最も低い粘度が基底粘度である。機能性流体24は基本的に磁場、又は電場を与えると粘度が増加するため、基底粘度は磁場、又は電場を与えない状態での粘度となる。これにより、モータ22の補助動作における機能性流体24の抵抗を低くできる。そのため、補助動作時にユーザが抵抗をより感じにくくなる。
【0046】
図2は、補助動作を説明するための図である。図2では、一例として、第1回転体29aと第2回転体29bの間に機能性流体24が密封される。第1回転体29aは、操作部21に連動して動く。モータ22は、第2回転体29bを回転させる。図2の例では、モータ22の回転による動力は、第2回転体29b、機能性流体24及び第1回転体29aを順に通って操作部21に伝達される。補助動作では、ユーザが操作部21を速度V1で動かすと、この動きがセンサ23で検出される。これにより、例えば、操作部21の位置及び速度が検出される。操作部21の位置が補助区間内であれば、モータ触覚制御部2は、モータ22に補助動作を実行させ、流体触覚制御部3は、機能性流体24を基底粘度に制御する。この場合、ユーザにより第1回転体29aが速度V2で動く。この動きに対して機能性流体24の基底粘度による抵抗力Frが働く。ここで、モータ触覚制御部2により、モータ22が、ユーザの力で第1回転体29aが動いた方向と同じ方向の回転速度Vmを出力する。このように、補助動作の制御により、ユーザ操作に同期してモータ22が回転する。モータ22により第2回転体29bが回転速度Vmで回転することで、第2回転体29bに対する第1回転体29aと相対回転速度(V2-Vm)が小さくなる。これにより抵抗力Frが小さくなる。これにより、ユーザは、抵抗を感じないで、又は微小な抵抗を感じながら操作部21を動かすことになる。
【0047】
モータ触覚制御部2及び流体触覚制御部3は、制御情報を用いて、モータ22及び機能性流体デバイス29を制御することができる。制御情報には、補助条件を示す補助条件情報が含まれてもよい。補助条件情報は、例えば、補助区間又は補助期間を示すデータが含まれてもよい。モータ触覚制御部2及び流体触覚制御部3は、制御情報に含まれる補助条件情報で示される補助条件を満たすか否かを判断し、その判断結果に基づいて、モータ22又は機能性流体デバイス29を制御することができる。補助動作を実行する操作部21の区間又は実行する期間が制御情報によって制御されることになる。
【0048】
また、モータ触覚制御部2は、モータ制御情報を用いて、検出されたユーザの動き(操作部21の動き)に対応するモータ22の制御値を決定してもよい。流体触覚制御部3は、粘度制御情報を用いて、検出されたユーザの動き(操作部21の動き)に対応する粘度値を決定してもよい。この場合、モータ制御情報又は粘度制御情報の少なくともいずれかに補助条件情報が含まれてもよい。モータ触覚制御部2は、補助条件が満たされる場合(例えば、補助区間又は補助期間において)、補助動作をモータ22に実行させ、補助条件が満たされない場合に、モータ制御情報を用いて決定される制御値でモータを制御してもよい。流体触覚制御部3は、補助条件が満たされる場合(例えば、補助区間又は補助期間において)、機能性流体24の粘性を基底粘性に制御し、補助条件が満たされない場合に、粘度制御情報を用いて決定される制御値でモータを制御してもよい。
【0049】
図3は、モータ制御情報及び粘度制御情報の一例を示す図である。図3の例では、モータ制御情報は、操作部21の変位量(図4の例では、一例として指位置)と、変位量に対応するトルクの値を含む。粘度制御情報は、操作部21の変位量と、変位量に対応する粘性(図4の例では、機能性流体デバイス(MRD)のトルク)の値を含む。この例では、変位量(指位置)は、基準位置に対する操作部21の回転角度で表される。
【0050】
図3の例では、粘度制御情報で示される粘度値において、0.0Nmの値が連続する区間(0°~2°)が、補助条件としての補助区間を示す。粘度の値が0.0Nmより大きい区間は、触覚提示区間を示す。すなわち、この例では、粘度の値により、補助条件(補助区間)が示される。なお、図4の例では、機能性流体24の粘度の値を、トルクで表しているが、粘度の値は、これに限られず、例えば、コイル25の電流値であってもよい。また、粘度制御情報=0.0Nmを補助条件としているが、制御値が所定値以下を補助条件としてもよい。すなわち、制御値が所定以下の区間を補助区間としてもよい。
【0051】
図3の例では、モータ触覚制御部2は、検出された操作部21の変位量(指位置)が補助区間(0~2°)の場合、モータ22に補助動作を実行させる。補助動作におけるモータ22のトルクは、モータ制御情報が示すトルク(3.0Nm)とすることができる。検出された操作部21の変位量(指位置)が補助区間外の触覚提示区間の場合、モータ触覚制御部2は、モータ制御情報を用いて、検出された変位量(指位置)に対応するトルクを決定し、そのトルクをモータ22に出力させてもよい。或いは、モータ触覚制御部2は、補助区間以外の区間(触覚提示区間)において、モータ22を停止させてもよい。
【0052】
図3の例では、流体触覚制御部3は、検出された操作部21の変位量(指位置)が補助区間(0~2°)の場合、機能性流体デバイス29内のコイル25に電流を流さず、機能性流体24の粘度を下限の基底粘度に制御する。検出された操作部21の変位量(指位置)が触覚提示区間の場合、流体触覚制御部3は、モータ制御情報を用いて、検出された変位量(指位置)に対応する粘度を決定し、機能性流体24の粘度が、決定した粘度になるように機能性流体デバイス29を制御する。流体触覚制御部3は、機能性流体24に目的の粘性を発生させるための制御値(指令値)を触覚デバイス20へ供給する。供給する制御値は、決定した粘度の値そのままでもよいし、その粘度を実現するための制御値(例えば、コイル25の電流値等)であってもよい。
【0053】
図4は、触覚デバイス制御システム10による触覚提示処理の例を示すフローチャートである。図4の例では、触覚デバイス制御システム10は、まず、制御情報を取得する(S1)。制御情報は、触覚デバイス制御システム10がアクセス可能な記憶装置に記憶される。S1では、提示しようとする触覚をための制御を示す制御情報が決定される。制御情報は、例えば、図3のように、モータ制御情報、粘度制御情報、及び補助条件情報を含む。
【0054】
動き検出部1は、ユーザの動きを示す値として、操作部21の変位量を検出する(S2)。検出される変位量は、例えば、センサ23で検出された操作部21の位置、速度又は加速度のうち少なくとも1つを含んでもよい。S2の変位量の検出は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0055】
モータ触覚制御部2及び流体触覚制御部3は、S2で検出した変位量を基に、補助条件を満たすか否かを判断する(S3)。例えば、検出した変位量である操作部21の位置(指位置)が補助区間内の場合、補助条件を満たす(S3でYES)と判断される。操作部21の位置が、補助区間外の場合、補助条件を満たさない(S3でNO)と判断される。
【0056】
S3でNOの場合、流体触覚制御部3は、検出した変位量に対応する粘度を、制御情報を用いて決定する(S4)。機能性流体24が、S4で決定した粘度となるように、コイル25の電流又は電圧の少なくとも1つを制御する(S5)。S3でNOの場合、モータ触覚制御部2は、モータ22を停止する。
【0057】
S3でYESの場合、流体触覚制御部3は、機能性流体24が、基底粘度となるように、コイル25の電流又は電圧の少なくとも1つを制御する(S7)。モータ触覚制御部2は、モータ22に補助動作(S8~S12)を実行させる。
【0058】
モータ補助動作では、ユーザの動きの速度、すなわち、操作部21の速度が監視される。具体的には、S8において、S2で検出された変位量から、操作部21の速度が検出されたか否か、すなわち、速度が0でないかが判断される。速度が0の場合(S8でNO)、モータ触覚制御部2は、モータ22を停止する(S9)。速度が検出された場合(S8でYES)、速度検出が1回目であれば(S10でYES)、モータ触覚制御部2は、予め設定された設定回転速度でモータ22を回転させる(S11)。これにより、速度の発生開始時、すなわち、ユーザによる操作部21の動きが開始した時に、モータ22に設定回転速度を出力させることができる。速度検出が連続して2回以上である場合(S10でNO)、モータ触覚制御部2は、検出された速度に応じた回転速度でモータ22を回転させる(S12)。例えば、検出された操作部15の速度(指速度)と同じ方向で同じ値の回転速度をモータが出力するように制御されてもよい。S11及びS12において、補助動作におけるモータ22の出力トルクは、機能性流体デバイス29で制御される機能性流体24の粘度(図4の例では基底粘度)による抵抗トルク以上に制御される。
【0059】
上記の操作部の変位量検出(S2)と、その検出結果に応じた制御処理(S4~S13)は、触覚提示終了(S13でYES)と判断されるまで、所定周期で、繰り返し実行される。触覚提示の終了の条件は、特に限定されないが、例えば、操作部21の位置が終了位置に達した場合、又は、開始から所定時間経過した場合、等としてもよい。図4の処理により、補助区間において、基底粘度分の抵抗をモータ22が補助し、基底粘度以下の触覚をユーザに提示できる。
【0060】
図4の例では、ユーザの動きによる操作部21の動きの開始が検出された場合(S10でYES)に、予め設定された設定回転速度が、初期回転速度としてモータ22の出力が開始される。ユーザの動きの開始からモータによる補助動作の開始までの遅延によっては、ユーザが動き開始時に抵抗を感じる場合がある。設定回転速度を、動き開始の検出時のモータ22の初期回転速度とすることで、ユーザが抵抗を感じ得る期間を短縮することができる。この設定回転速度は、ユーザ毎に設定されてもよい。これにより、感覚の個人差に合わせて設定回転速度を調整できる。例えば、触覚デバイス制御システムが、設定回転速度の指定をユーザから受け付けるユーザインタフェースを備えてもよい。又は、触覚デバイス制御システムの上位システムにおいて、設定回転速度の入力を受け付けてもよい。設定回転速度は、触覚デバイス制御システムがアクセス可能な記憶装置に記憶される。
【0061】
触覚提示処理は、図4の例に限られない。例えば、補助条件を満たす場合の機能性流体24の粘度は、基底粘度ではなくてもよい。また、速度発生の開始の判断は、図4のS10において、例えば、連続して0より大きい速度の検出が、所定回数以内であるかが判断されてもよい。又は、S10において、速度が閾値を越えないか否かが判断されてもよい。また、S10及びS11を省略して、検出された操作部21の速度に応じた回転速度でモータ22を制御することもできる。或いは、S10及びS12を省略して、操作部21の速度が発生している場合は、常に所定の回転速度でモータ22を制御することもできる。
【0062】
図4の例では、補助条件を満たさない場合(S3でNO)、モータ22を停止(S6)しているが、補助条件を満たさない場合に、ユーザの動きに応じてモータ22を制御してもよい。例えば、補助条件を満たさない場合に、操作部21の位置に応じた制御値でモータ22を制御することができる。
【0063】
図5は、モータ制御情報及び粘度制御情報の他の例を示す図である。図5の例では、モータ制御情報は、変位量に対応する制御値として、トルク及び速度の両方を含む。操作部21の動作域(指位置の範囲)における補助区間以外の区間(触覚提示区間)において、モータの制御値として、変位量に対応する回転速度が定義される。この場合、モータ触覚制御部2は、補助条件を満たさない場合に、モータ制御情報を用いて、操作部21の変位量に対応する制御値(回転速度)を決定し、決定した制御値でモータ22を制御することができる。図5の例では、操作部21の動作域における補助区間外の少なくとも一部において、モータ制御情報を用いて決定された制御値によるモータ22の制御が実行される。
【0064】
制御情報は、図3及び図5の例に限られない。図3及び図5の例では、補助条件が、粘度の値により示されている。補助条件は、例えば、操作部21の動作域の中の補助区間の位置(例えば、指位置の範囲)により示されてもよい。また、補助条件は、補助区間の他、補助期間として示されてもよい。補助期間は、例えば、触覚提示処理開始からの経過時間、又は、操作部21が所定の位置に到達した時点からの経過時間等により示されてもよい。
【0065】
制御情報は、触覚提示の対象となるオブジェクト毎の触覚情報として予め作成されてもよい。図3及び図5のモータ制御情報、粘度制御情報及び補助条件情報は、オブジェクト「ボール(泡付き)」の触覚情報の例である。
【0066】
図6は、図1の触覚デバイス20の構成例を示す図である。図7は、図6に示す機能性流体デバイス29の断面図である。図8は、図6に示す触覚デバイス20の操作部21の動力伝達機構の例を示す図である。
【0067】
図6に示す例では、触覚デバイス20は、本体26を有する。操作部21は、本体26に対して可動に取り付けられる。本体26には、機能性流体デバイス29及びモータ22が取り付けられる。図7に示す例では、機能性流体デバイス29は、第1回転体29a、第2回転体29b、これらの間に封入された機能性流体24、及びコイル25を有する。第1回転体29aと第2回転体29bは、同軸に配置される。第1回転体29aは、第2回転体29bに対して相対的に回転可能に構成される。第1回転体29aは、操作部21と連動し、第2回転体29bは、モータ22と連動する。具体的には、第1回転体29aは、本体26に対して、ベアリング27を介して回転可能に支持される。第2回転体29bは、第1回転体29aに対してベアリング27aを介して回転可能に支持される。第1回転体29aに、操作部21が結合される。第1回転体29aと操作部21は、リンク21aを介して接続される。操作部21の運動は、第1回転体29aの回転と連動する。第2回転体29bにモータ22の出力軸22aが結合部材92を介して結合される。第2回転体29bは、モータ22の出力軸22aと同軸に配置される。第1回転体29aと第2回転体29bの間に機能性流体24が封入される。第1回転体29aと第2回転体29bの間では、機能性流体24を通じて動力が伝達される。機能性流体デバイス29は、機能性流体24の磁場又は電場を制御することで、機能性流体24の粘度を制御する。これにより、第1回転体29a及び第2回転体29bの回転に対する抵抗が制御される。すなわち、第1回転体29aと第2回転体29bの間の動力伝達の結合度合いが制御される。
【0068】
図7に示す例では、機能性流体デバイス29は、ヨーク25a及びヨーク25aに囲まれたコイル25を備える。第1回転体29aは、非磁性体の筒部と筒部から径方向内側に延びる磁性体で板状のフランジ29a1を有する。第2回転体29bは、モータ22の出力軸22aに結合される回転軸と回転軸から径方向外側に延びる板状のフランジ29b1を有する。第2回転体29bのフランジ29b1の軸方向の一方の面は、第1回転体29aのフランジ29a1と対向し、他方の面は、ヨーク25a及びコイル25に対向する。すなわち、軸方向から見て、第1回転体29aのフランジ29a1及び第2回転体29bのフランジ29b1が重なる領域内にコイル25及びヨーク25aが配置される。フランジ29a1と、フランジ29b1の間には、機能性流体24が封入される。ヨーク25a及びコイル25は、機能性流体24に磁界を発生させるよう配置される。図7の矢印は、コイル25を流れる電流によって発生する磁界(磁力線)の向きを示している。フランジ29a1は、ヨーク25aと同程度の比透磁率の材料(例えば、鋼)で形成されてもよい。又は、フランジ29a1の機能性流体24に対向する面にヨークが設けられてもよい。図7の例では、フランジ29a1、29b1及びヨーク25aは、磁性体(強磁性体)で構成され、第1回転体29aの筒部は、強磁性体以外の材料(非磁性体)で形成される。これにより、コイル25による磁束を機能性流体24の領域に集中させ、外周に漏れにくくすることができる。
【0069】
図8に示す例では、操作部21は、回転軸C2軸周りに回転可能に本体26に支持される。回転軸C2は、第1回転体29aの回転軸C1と平行である。回転軸C1及び回転軸C2は、いずれも本体26に支持される。操作部21の回転軸C2から離れた位置には、リンク21aの一方端が回転可能に接続される。リンク21aの他方端は、回転体29aの回転部分に回転可能に接続される。これにより、ユーザが操作部21を押すことによる操作部21の動きに連動して、第1回転体29aが回転する。また、モータ22により第1回転体29aが回転すると、操作部21も連動して動く。
【0070】
なお、触覚デバイス20の構成は、図6図8に示す例に限られない。例えば、モータの回転を、操作部21に伝達する機構は、リンクを用いた機構のほか、モータによって操作部に接続されたシリンダを動かす機構であってもよいし、ラックアンドピニオン機構であってもよい。モータ22の動力の伝達経路上には、例えば、操作部21がユーザを押す方向の回転を伝達するワンウェイクラッチが設けられてもよい。モータ22の動力の伝達経路上には、減速機が設けられてもよい。一例として、モータ22は、減速機と一体的に構成されたギヤードモータであってもよい。
【0071】
また、機能性流体デバイス29の構成は、図6及び図7の例に限られない。図7の例では、コイル25及びヨーク25aが第1回転体29aに固定される。コイル25及びヨーク25aは、本体26に固定されてもよい。この場合、第1回転体29aは、コイル25及びヨーク25aに対して回転可能に支持される。又は、第1回転体29a及び第2回転体29bが、それぞれ、ベアリングを介して本体26に対して回転可能に支持されてもよい。また、第1回転体29aは、第2回転体29bと同軸の回転軸と、この回転軸から径方向外側に延びるフランジとを有してもよい。
【0072】
図6に示す例では、機能性流体24が磁気粘性流体である場合の例である。磁気粘性流体は、分散媒と分散媒に分散された磁性粒子を含む。磁性粒子は、磁化可能な金属材料とすることができる。その磁性粒子は、例えば、ナノサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)とすることが好ましい。磁性粒子の金属材料は、特に制限はないが、軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。
【0073】
機能性流体24として、電気粘性流体が用いられてもよい。この場合、図6の構成において、コイル25及びヨーク25aの代わりに、機能性流体24に印可する電圧を制御する電圧制御装置(例えば、電圧制御回路)が設けられる。例えば、機能性流体24は、一対の電極の間に封入される。一対の電極間の電圧が電圧制御装置によって制御される。フランジ29a1及びフランジ29b1が、機能性流体24に電圧を印可する電極となるように構成されてもよい。電圧制御装置は、流体触覚制御部3からの指令に基づく電圧を機能性流体24に印可する。流体触覚制御部3は、機能性流体24の粘度の制御値として、機能性流体24に印可する電圧値を用いることができる。
【0074】
電気粘性流体は、外部から付与された電界(電圧)に応じて粘度が変化する機能性流体である。電気粘性流体は、基油(ベースオイル)と、基油に分散された微粒子を含んでもよい。基油は、シリコーンオイル等の非導電性オイルとすることができる。微粒子は、例えば、5ミクロン以下の直径を有する粒子であってもよい。微粒子は、例えば、シリカ、ポリスチレン、半導体微粒子、微結晶セルロース、又は双極性分子を有するポリマーで形成されてもよい。又は、電気粘性流体は、液晶などの単一物質からなる均一系電気粘性流体であってもよい。
【0075】
図9は、図6に示す触覚デバイス20の変形例を示す図である。図9は、モータ22と操作部21の間の動力の伝達経路に機能性流体24が設けられない構成の例である。図9の例では、機能性流体デバイス29は、第1回転体29aが本体26に固定して支持される。操作部21は、リンク21aを介して、第2回転体29bに接続される。操作部21の動きは、第2回転体29bと連動する。第2回転体29bは、モータ22と連動する。そのため、操作部21の動きは、モータ22の回転に連動する。機能性流体24は、操作部21の動きに対する抵抗となる。
【0076】
図10は、図1に示すシステム、及びその上位システムを含むシステム構成の例を示す機能ブロック図である。図10の例では、上位システム30は、触覚デバイス制御システム10と通信可能である。上位システム30は、制御部31及び触覚情報送信部32を有する。上位システム30は、ユーザとのインタフェースとなる入出力装置40を有する。入出力装置40は、例えば、タッチパネル、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、又は、コントローラの入出力デバイスである。上位システム30は、記憶部50にアクセス可能である。
【0077】
制御部31は、ユーザからの入力に応じて、ユーザに対して、視覚、聴覚、及び触覚の情報を出力する。これらの情報は、記憶部50に記録される(一例として、視覚DB、聴覚DB、及び触覚DB)。触覚DBには、触覚デバイス20で出力可能な触覚を表すデータが触覚情報として含まれる。触覚情報は、例えば、図3及び図5に示したような、ユーザの動きに対応するモータの制御値及び機能性流体の粘度を示すデータセットを含んでもよい。又は、触覚情報は、補助条件情報を含んでもよい。この場合、データセット及び補助条件情報は、仮想空間で表示されるオブジェクトに対応づけられて記録されてもよい。
【0078】
触覚情報送信部32は、制御部31からの指示に従って、触覚情報を触覚デバイス制御システム10に送信する。触覚デバイス制御システム10は、触覚情報送信部32から受信した触覚情報を用いて、触覚デバイス20を制御する。触覚情報は、例えば、図3及び図5に例示されるモータ制御情報及び粘度制御情報そのものであってもよい。又は、触覚デバイス制御システム10において、上位システム30から提供された触覚情報を基に、モータ制御情報及び粘度制御情報が生成されてもよい。
【0079】
触覚デバイス制御システム10は、仮想空間のオブジェクトの触覚情報を、上位システム30から受信してもよい。この場合、触覚デバイス制御システム10は、オブジェクトに対応するモータ制御情報及び粘度制御情報を、触覚情報として取得することができる。
【0080】
触覚デバイス制御システム10は、動き検出部1が取得したユーザの動きを上位システム30に送信してもよい。この場合、上位システム30の制御部31は、ユーザの動きに応じて変形するオブジェクトの画像を、入出力装置40のディスプレイに表示させてもよい。また、制御部31は、ユーザの動きに応じて、変形するオブジェクトの画像の表示と同期して、オブジェクトに対応する音を出力してもよい。これにより、触覚デバイス制御システム10による触覚提示と、画像表示及び音出力を同期させることができる。
【0081】
例えば、モータ触覚制御部2は、補助動作において、動き検出部1で検出された変位量に基づきモータ22を制御するとともに、変位量を、上記システム30に提供してもよい。これにより、モータ22の補助動作の実行と、補助動作における画像表示又は音出力の少なくとも1つとを同期させることができる。
【0082】
図11は、図3に示す制御情報に基づく触覚提示処理に同期して表示される画像の例を示す図である。図11の例では、操作部21の位置(指位置)が補助区間(x=0~2°)の場合は、モータ22の補助動作が実行され、ユーザは抵抗なく操作部21を押す触覚を感じる。この補助動作と同期して、ボールについた泡を指で離散させる画像が表示される。その後、触覚提示区間(x=N°)において、操作部21の動きに応じて機能性流体24の粘度が制御される。ユーザは、操作部21の位置に応じた抵抗を感じながら操作部を押す。この期間には、ボールが指で押されてへこむ画像が表示される。操作部21が所定の位置(x=90°)に達すると、触覚デバイス制御システム10は、モータ22の出力を停止し、機能性流体24を基底粘度にする制御を実行する。この時、ボールが破裂する画像が表示される。このように、制御情報で指定される補助条件に基づいて、モータ22に補助動作を実行させることにより、多様な触覚の提示が可能になる。
【0083】
上記の実施形態における触覚デバイス制御システムは、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータで実装することができる。動き検出部1、モータ触覚制御部2、流体触覚制御部3の各部の機能は、プロセッサがメモリのプログラムを実行することで実現できる。触覚デバイス制御システムは、複数のコンピュータで構成されてもよい。触覚デバイス制御システムを構成するコンピュータは、例えば、ICで構成されてもよい。触覚デバイス制御システム及び触覚デバイスは、例えば、1つのユニットとして形成されてもよい。このユニットは、例えば、バッテリを備え、上位システムを構成するコンピュータ(スマートホン、PC又はサーバ等)と通信可能に構成されてもよい。又は、触覚デバイス制御システムの少なくとも一部が、触覚デバイスと通信可能なコンピュータで構成されてもよい。例えば、触覚デバイス制御システムは、上位システムと同じコンピュータ(例えば、スマートホン)に実装されてもよい。
【0084】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1:動き検出部、2:モータ触覚制御部、3:流体触覚制御部、10:触覚デバイス制御システム、20:触覚デバイス、21:操作部、22:モータ、24:機能性流体
図1
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図11