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特開2024-14549固定端末、サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014549
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】固定端末、サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20240125BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20240125BHJP
   H04W 84/12 20090101ALN20240125BHJP
【FI】
H04W64/00 173
H04W88/14
H04W84/12
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117456
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】土屋 仁
(72)【発明者】
【氏名】小村 浩之
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067DD20
5K067HH22
5K067HH23
5K067JJ61
(57)【要約】
【課題】信頼のおける無線送信源の情報を取得する。
【解決手段】固定端末(100)は、固定端末(100)と無線通信可能な範囲に存在するWi-Fiアクセスポイント(3)を検出する検出処理を行う検出処理部(142)と、検出処理部(142)が検出したWi-Fiアクセスポイント(3)の識別情報、および、位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバ(200)に送信する送信処理部(144)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定端末であって、
前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、
前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信部と、
を備える、
固定端末。
【請求項2】
前記固定端末は、基地局に接続され、
前記送信部が送信する前記位置特定情報は、前記基地局または前記固定端末の位置情報または識別情報である、
請求項1に記載の固定端末。
【請求項3】
前記検出処理部は、前記検出処理を繰り返し実行し、同一の無線信号源についての複数回の前記検出処理の結果に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、
前記送信部は、前記検出処理部の判定結果を無線信号源の識別情報と共に送信する、
請求項1に記載の固定端末。
【請求項4】
前記検出処理部は、同一の無線信号源を所定回数以上連続して検出した場合、または、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出した場合、当該無線信号源について信頼できると判定する、
請求項3に記載の固定端末。
【請求項5】
前記検出処理部は、同一の無線信号源を所定回数以上連続して検出しなかった場合、または、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出しなかった場合、当該無線信号源について信頼できないと判定する、
請求項3に記載の固定端末。
【請求項6】
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであって、
固定端末から、当該固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備える、
サーバ。
【請求項7】
前記固定端末は、基地局に接続され、
前記受信処理部が受信する位置特定情報は、前記基地局または前記固定端末の位置情報または識別情報である、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記受信処理部は、前記受信処理を繰り返し行い、
前記管理部は、前記受信処理部による複数回の前記受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できると判定した無線信号源の識別情報を管理対象とする、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項9】
前記管理部は、前記複数回の前記受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信した場合、または、同一の無線信号源の識別情報を所定時間以上継続して受信した場合、当該無線信号源について信頼できると判定する、
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記受信処理部は、前記受信処理を繰り返し行い、
前記管理部は、前記受信処理部による複数回の前記受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できないと判定した無線信号源の識別情報を管理対象から除外する、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項11】
前記管理部は、前記複数回の前記受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信しなかった場合、または、同一の無線信号源の識別情報を所定時間以上継続して受信しなかった場合、当該無線信号源について信頼できないと判定する、
請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
前記受信処理部は、複数の固定端末から、前記無線信号源の識別情報および前記位置特定情報を受信し、
前記管理部は、前記受信処理部が前記複数の固定端末から同一の無線信号源の識別情報を受信した場合に、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、前記複数の固定端末から受信された各位置特定情報によって特定される位置の中間の位置を用いる、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項13】
前記受信処理部は、複数の固定端末から、前記無線信号源の識別情報および前記位置特定情報を受信し、
前記管理部は、前記受信処理部が前記複数の固定端末から同一の無線信号源の識別情報を受信し、当該識別情報の受信時刻の差が所定の閾値以上であった場合、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、前記複数の固定端末の一方から受信された位置特定情報によって特定される位置を用いる、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項14】
固定端末と、
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバを備え、
前記固定端末は、
前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、
前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、前記サーバに送信する送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記固定端末から、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備える、
情報管理システム。
【請求項15】
固定端末が、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理工程と、
前記固定端末が、前記検出処理工程において検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信工程と、
前記サーバが、前記送信工程において送信された前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理工程と、
を含む、
情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定端末、サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末が、移動体通信用の基地局または、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントなどの無線信号源から送信される信号の信号強度を測定し、測定した信号強度に基づいて自機位置を推定する技術(ネットワーク測位)が開発されている。
【0003】
特許文献1には、現実の基地局の設置状況を自動的に基地局情報に反映させるための技術が開示されている。
【0004】
なお、ネットワーク測位は、例えば、無線端末が、ネットワーク測位のためのサービスプロバイダにアクセスポイントの識別子等を送信し、サービスプロバイダから位置情報を受信することにより行われる。このようなサービスプロバイダは、予めアクセスポイントの識別子を緯度経度の情報と関連付けて保持している。サービスプロバイダの運用者は、各アクセスポイントの運用者とは無関係であることが多いため、サービスプロバイダの運用者が、各アクセスポイントの正確な設置場所を知ることは難しい。そのため、サービスプロバイダの運用者は、移動しながら周囲のアクセスポイントの情報を収集することを行い、各アクセスポイントの識別子と収集した地点の緯度経度と関連付けるなどしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4957174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地下街、地下駅などでは、GNSS(Global Navigation Satellite System)測位などの衛星測位が利用できないため、無線信号源と関連付ける緯度経度の情報が曖昧になりやすい。このような環境では、ネットワーク測位の精度向上が難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る固定端末は、固定端末であって、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るサーバは、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであって、固定端末から、当該固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、前記受信処理部が受信した前記識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る情報管理システムは、固定端末と、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバを備え、前記固定端末は、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、前記サーバに送信する送信部と、を備え、前記サーバは、前記固定端末から、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、前記受信処理部が受信した前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、を備える。
【0010】
本発明の一態様に係る情報管理方法は、固定端末が、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理工程と、前記固定端末が、前記検出処理工程において検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信工程と、前記サーバが、前記送信工程において送信された前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理工程と、を含む。
【0011】
本発明の各態様に係る固定端末およびサーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記固定端末および前記サーバが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記固定端末および前記サーバをコンピュータにて実現させる前記固定端末の制御プログラムおよび前記サーバの制御プログラム、ならびに、それらを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る固定端末およびサーバの機能ブロックの一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するシーケンス図である。
図4】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図5】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図6】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するシーケンス図である。
図7】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図8】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図9】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図10】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図11】本発明の実施形態1に係るシステムの動作の一例を説明するフローチャートである。
図12】本発明の実施形態2に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図13】本発明の各実施形態に係る基地局、サーバとして利用可能なコンピュータの構成を例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
<構成例>
以下では、本実施形態の構成例について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す図である。システム1は、一例として、セルラー基地局(以下、基地局という)2に接続された固定端末100およびサーバ200によって構成されてよい。なお、図1には、見易さのため、一つの基地局2および一つの固定端末100のみを示しているが、本実施形態はこれに限定されず、1以上の基地局2にそれぞれ1以上の固定端末100が接続されている構成であってよい。また、1の基地局2に2以上の固定端末100が接続されてもよい。さらに、図1には、固定端末100が、基地局2を介してサーバ200に接続される例を示しているが、実施形態はこれに限定されず、固定端末100は、有線または無線によって、サーバ200と相互に通信可能であればよい。具体的には、例えば、固定端末100とサーバ200とは、有線または無線によって、直接接続されていてもよい。
【0014】
固定端末100は、基地局2に有線または無線によって接続されてよい。また、固定端末100は、特定の位置座標に固定されているものであればよく、一時的に特定の位置座標に固定されているものも含む。例えば、固定端末100は、据え置き型の装置であってもよいし、携帯型の装置を特定の位置座標に固定したものであってもよい。また、固定端末100は、固定端末から無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出可能な端末であってよい。
【0015】
本実施形態において、無線信号源とは、識別情報を含む無線信号を送信する無線装置であり、少なくとも一部は特定の位置座標に固定されているものであってよい。また、一態様において、無線信号源は、Wi-Fiアクセスポイントのような、固定端末100が無線接続可能な無線接続点であってよい。以下では、固定端末100の周囲に存在する無線信号源として、Wi-Fiアクセスポイント3および4が存在する場合について説明するが、固定端末100の周囲に存在する無線信号源はこれらに限定されないことを当業者は容易に理解する。一態様において、無線信号源は、Wi-Fiアクセスポイント以外にも、LTE(Long Term Evolution)、5G NR(New Radio)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格により無線信号を送信可能な無線装置によって実現されてもよく、例えば、BLEビーコン等であってもよい。また、一態様において、無線接続可能とは、固定端末100が無線信号源から到達した電波から識別情報を取得可能であることを含んでよい。すなわち、一態様において、固定端末100が無線信号源の識別情報を取得可能であれば、固定端末100と無線信号源とは、必ずしも通信コネクションを確立しなくともよい。
【0016】
サーバ200は、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであってよい。一態様において、ネットワーク測位は、ネットワーク測位を行う装置が、(i)周囲に存在する無線信号源を検出し、(ii)その検出結果を位置情報サービスプロバイダ(位置情報提供装置)に送信し、(iii)位置情報サービスプロバイダから位置情報を取得することによって実行される。このような無線信号源の情報(識別情報、位置情報など)を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報と呼ぶ。なお、位置情報サービスプロバイダ10は、例えば、グーグル社(米国マウンテンビュー)を初めとする各社によって提供されている。
【0017】
続いて、参照する図面を替えて、本実施形態に係る固定端末100およびサーバ200の構成について説明する。図2は本実施形態に係る固定端末100およびサーバ200の機能ブロックの一例を示す図である。
【0018】
<固定端末>
固定端末100は、通信部110、メモリ120、記憶部130および主制御部140を備えてよい。
【0019】
通信部110は、少なくとも無線信号源から識別番号を含む無線信号を受信するものであってよく、無線信号源との間で無線信号を送受信してもよい。また、通信部110は、基地局2を介して、サーバ200と通信を行ってよい。また、通信部110は、基地局2を介さずに、サーバ200と通信を行ってよい。
【0020】
メモリ120には、主制御部140が実行する各種のプログラムおよびそれらのプログラムによって参照される各種のデータが一時的に格納されてよい。
【0021】
記憶部130には、主制御部140によって、読み出し、書き込み、参照などされる各種の情報が格納されてよい。
【0022】
主制御部140は、検出処理部142および送信処理部(送信部)144を備えてよい。
【0023】
検出処理部142は、通信部110を介して、固定端末100と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)を検出する検出処理を行ってよい。
【0024】
送信処理部144は、無線信号源の検出結果情報および無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を含むパラメータをサーバ200に送信する送信処理を行ってよい。位置特定情報は、無線信号源の位置を特定するための情報である。一例において、位置特定情報として、固定端末100または基地局2の位置情報または識別情報を用いてもよい。すなわち、検出された無線信号源は、固定端末100または基地局2の近傍(無線通信可能な範囲)にあるため、当該無線信号源の位置を特定するための情報として、固定端末100または基地局2の位置情報を用いることができる。また、固定端末100または基地局2の設置時に、固定端末100または基地局2の識別情報に固定端末100または基地局2の位置情報を関連付けておくことで、無線信号源の位置を特定するための情報として、固定端末100または基地局2の識別情報を用いることができる。
【0025】
また、固定端末100は、以下のような条件を満たすものであれば、据え置き型の端末であっても、携帯型の端末であってもよい。
【0026】
固定端末100は、基地局2に無線または有線により通信接続可能である。
【0027】
固定端末100は、基地局2との通信、または、基地局2を介した通信が可能である。また、固定端末100は、サーバ200と基地局2と介さない通信が可能であってもよい。また、固定端末100は、例えば、Wi-Fiチップを搭載し、Wi-Fiスキャンが可能であってよい。
【0028】
固定端末100は、検出処理(例えば、Wi-Fiスキャン)のタイミング、間隔、検出した無線信号源(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)の情報を蓄積し、通信を制御するプログラムを具備可能である。
【0029】
固定端末100は、プログラムや検知した情報、制御パラメータを保存するストレージを具備する。
【0030】
固定端末100は、制御プログラムの更新、ファイルの更新が可能である。この条件は、オプションであり、必ずしも、必須ではない。
【0031】
<サーバ>
サーバ200は、通信部210、メモリ220、記憶部230および主制御部240を備えてよい。
【0032】
通信部210は、基地局2と通信を行ってよい。また、通信部210は、基地局2を介して、固定端末100と通信を行ってもよい。また、通信部210は、基地局2を介さずに、固定端末100と通信を行ってもよい。
【0033】
メモリ220には、主制御部240が実行する各種のプログラムおよびそれらのプログラムによって参照される各種のデータが一時的に格納されてよい。
【0034】
記憶部230には、主制御部240によって、読み出し、書き込み、参照などされる各種の情報が格納されてよい。
【0035】
主制御部240は、受信処理部242および管理部244を備えてよい。
【0036】
受信処理部242は、固定端末100から検出結果情報および位置特定情報を含むパラメータを受信する受信処理を行ってよい。
【0037】
管理部244は、固定端末100から受信した情報を管理する管理処理を行ってよい。例えば、管理部244は、固定端末100から受信した無線信号源の識別情報を受信した位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理してよい。なお、管理部244が所定の情報を管理するとは、管理部244が、所定の情報を、必要に応じて参照可能な状態で記憶部230または外部のデータベース等に記憶させることを指す。また、管理部244が、特定の識別情報を特定の位置と関連付けて管理するとは、管理部244が、特定の識別情報と特定の位置を示す情報とを、両者が関連していることが分かる状態で記憶部230または外部のデータベース等に記憶させることを指す。
【0038】
<パラメータの構成>
固定端末100がサーバ200に送信するパラメータを、以下に例示する。パラメータには、少なくとも、検出処理部142が検出した無線信号源の識別情報、および、位置特定情報が含まれ、さらにその他の情報を含んでいてもよい。
【0039】
(1)固定端末100が検出処理を行った日時の情報
検出処理(例えば、Wi-Fiスキャン)の日時のタイムスタンプ(例えば、検出処理の開始または完了のタイミングを示すタイムスタンプなど)。
【0040】
(2)固定端末100の識別情報
固定端末100を一意に特定するID。
【0041】
(3)位置特定情報
固定端末100がスキャンした無線信号源(例えばWi-Fiアクセスポイント)の位置を特定するための情報である。一例において、位置特定情報として、固定端末100または基地局2の位置情報を用いてもよい。例えば、固定端末100または基地局2の設置地点の緯度、経度などを示す情報を用いてもよい。固定端末100が検出した無線信号源は、固定端末100または基地局2の近傍に存在することが明らかであるため、固定端末100が検出した無線信号源の位置を特定するための情報として、固定端末100または基地局2の位置情報を用いることができる。これらの情報は、基地局2または固定端末100の設置時に取得し、固定端末100に予め入力することができる。また、一例において、位置特定情報として、固定端末100または基地局2の識別情報を用いてもよい。基地局2または固定端末100の設置時に、基地局2または固定端末100の識別情報を固定端末100に予め入力しておき、基地局2または固定端末100の位置情報と識別情報とを関連付けてサーバ200に入力しておくことにより、固定端末100または基地局2の位置情報によって、固定端末100または基地局2の位置情報を代替することができる。
【0042】
(4)検出された無線信号源の情報
固定端末100が検出した無線信号源の識別情報(例えば、Wi-Fiアクセスポイントの識別情報であれば、ESSID、BSSID(通常は、MACアドレス)など)など。検出時の電波強度(RSSI[dBm単位]など)を含んでいてもよい。
【0043】
<システムの動作>
(動作例1)
図3は、本発明の実施形態1に係るシステム1の動作の一例(動作例1)を説明するフローチャートである。システム1の具体的動作の一例について、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0044】
概要として、固定端末100は、定期的または非定期的に無線信号源(例えばWi-Fiアクセスポイント)を検出し、必要に応じて、管理対象または除外対象の無線信号源を選別し、それらの結果をサーバ200に送信する。一方、サーバ200は、固定端末100から受け付けた、無線信号源の情報、位置情報、およびその他の情報を管理する。
【0045】
まず、ステップS1において、固定端末100は、位置特定情報を取得してよい。位置特定情報としては、固定端末100の位置情報であってもよいし、基地局2の位置情報であってもよい。例えば、基地局2または固定端末100の位置情報は、基地局2または固定端末100が設置されたときに取得され、予め記憶部130に設定されてもよい。そして、ステップS1では、固定端末100の主制御部140は、位置情報を記憶部130からメモリ120にロードしてもよい。あるいは、位置特定情報は、基地局2または固定端末100を一意に特定するID(識別情報)であってもよい。例えば、基地局2または固定端末100を一意に識別するIDは、基地局2または固定端末100が設置されたときに設定され、予め記憶部130に設定されてもよい。そしてステップS1では、固定端末100の主制御部140は、基地局2または固定端末100を一意に識別するIDを記憶部130からメモリ120にロードしてもよい。これにより、主制御部140は、位置特定情報を取扱うことができる。
【0046】
次に、ステップS2において、固定端末100は、無線信号源の検出結果情報を取得し、記憶部130に記憶させてよい。例えば、検出処理部142は、通信部110を介した無線信号源のスキャン(検出処理)を通じて、無線信号源の識別情報、および、電波強度を取得してよい。そして、検出処理部142は、スキャンのタイムスタンプ、無線信号源の識別情報、および、電波強度をメモリ120および記憶部130に記憶させてよい。
【0047】
ステップS3において、固定端末100の主制御部140は、検出処理部142が検出した無線信号源について、所定の条件に基づいて信頼できるか否かを判定する。信頼性判定の詳細に関しては、後述する。
【0048】
さらに、ステップS4において、固定端末100の送信処理部144は、ステップS3の結果に応じて、無線信号源の検出結果情報等をサーバ200に送信してよい。例えば、送信処理部144は、(i)ステップS2において検出された無線信号源のうち、ステップS3において信頼できると判定された無線信号源に関する情報をサーバ200に送信してもよいし、(ii)ステップS2において検出された無線信号源に関する情報とともに、ステップS3において信頼できないと判定された無線信号源に関する情報をサーバ200に送信してもよい。
【0049】
ステップS5において、固定端末100の主制御部140は、所定の時間間隔を空けてよい。その後、固定端末100の検出処理部142は、ステップS2の検出処理から処理を繰り返してよい。なお、所定の時間間隔を空ける代わりに、主制御部140は、定刻になった時にステップS2の処理を実行してもよい。また、ネットワークの輻輳を回避するために、主制御部140は、ランダムな時間幅を都度加算した所定の時間間隔や定刻に従って、ステップS2の処理を実行してもよい。
【0050】
例えば、毎日同じ時間帯に基地局2の付近を通過するような人がモバイルルータを携帯している可能性がある。このようなモバイルルータを位置が固定されたルータであると誤検知しないようにするために、日ごとの時間間隔について検出処理を行う時間帯がずれるような時間幅にしたり、ランダムな時間幅にしたり、検出処理を行う頻度を高めにしたりしてもよい。
【0051】
一方、サーバ200の受信処理部242は、ステップS6において、固定端末100から無線信号源の検出結果情報および位置特定情報を受信してよい。
【0052】
ステップS8において、サーバ200の管理部244は、無線信号源の識別情報を位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理してよい。例えば、サーバ200の管理部244は、無線信号源の識別情報を位置特定情報によって特定される位置と関連付けて記憶部230または外部のデータベースに記憶させてよい。例えば、位置特定情報が、緯度、経度のような位置情報である場合には、管理部244は、無線信号源の識別情報を位置特定情報に関連付けて管理すればよいし、位置特定情報が、固定端末100または基地局2の識別情報である場合には、管理部244は、当該識別情報に対応する固定端末100または基地局2の位置を取得し、無線信号源の識別情報を取得した位置を示す情報に関連付けて管理すればよい。
【0053】
(信頼性判定例1)
続いて、動作例1における信頼性判定の一例について説明する。
【0054】
無線信号源から出力される無線信号は、周辺の環境によって到達範囲が変化する場合がある。具体的には、例えば、地下鉄の駅構内に設置された無線信号源において、早朝または深夜など乗客の少ない時間帯は、無線信号を遮るものが少ないため、無線信号が遠くまで到達し、通勤時間帯のような乗客が多い時間帯は、無線信号が乗客の身体または荷物によって遮られ、無線信号が近くまでしか到達しない場合がある。そのため、検出情報を取得するタイミングによって、検出できたり検出できなかったりする無線信号源が存在する場合がある。このような検出できる無線信号が不安定な無線信号源を用いてネットワーク測位を行うと、測位の精度が低下する原因となる。そのため、このような無線信号源は、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することには適さない。
【0055】
同様に、固定端末100からの距離が遠く、無線信号が安定して検出できない無線信号源についても、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することには適さない。また、このような無線信号源は、基地局2または固定端末100の位置情報と関連付けて管理することには適さない。
【0056】
また、無線信号源の運用の形態によっては、複数の無線信号源に同じ識別IDが割り当てられることがある。例えば、異なる駅の基地局同士に同じ識別IDが割り当てられることがある。このような無線信号源は、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することには適さない。
【0057】
また、移動する無線信号源も、当然、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することには適さない。例えば、携帯型の無線信号源(モバイルWi-Fiルーターなど)は、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することには適さない。特に、地下街、地下駅などは、人が多く集まる場所であるため、モバイルWi-Fiルータまたはテザリング機能などをはじめとする移動する無線信号源が存在することもある。
【0058】
そのため、システム1は、上述したような無線信号源を信頼できない無線信号源として判定し、信頼できない無線信号源の情報をネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報としては管理しないための仕組みを備えていてもよい。
【0059】
図4は、動作例1における信頼性判定の一例(信頼性判定例1)を説明するフローチャートである。信頼性判定例1では、固定端末100が、検出処理を繰り返し実行し、同一の無線信号源についての複数回の検出処理の結果に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、その判定結果を無線信号源の識別情報と共にサーバ200に送信する。
以下、図4を参照して、信頼性判定例1について詳細に説明する。
【0060】
信頼性判定例1では、図3に示すシーケンス図のステップ2として、ステップS2aおよびステップS2bを実行する。ステップS2aでは、固定端末100の検出処理部142は、無線信号源の検出結果情報を取得してよい。
【0061】
次に、ステップS2bにおいて、検出処理部142は、取得した検出結果情報に識別情報が含まれる無線信号源ごとに、メモリ120上の検出回数を+1更新してよい。なお、前提として、記憶部130は、無線信号源ごとの検出回数を管理してよい。また、検出回数は、メモリ120にロードされてよい。そして、メモリ120にロードされた検出回数は、主制御部140により参照、更新されてよい。なお、ステップS2aおよびステップS2bは繰り返し実行されてもよい。
【0062】
また、信頼性判定例1では、図3に示すシーケンス図のステップ3として、ステップS3aおよびステップS3bを実行する。ステップS3aでは、検出処理部142は、所定回数以上連続して検出した無線信号源が存在するか否かを判定してよい。「所定回数以上連続して検出した」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在し続けていることを意味し、位置情報の基準としての信頼性があることを意味する。
【0063】
なお、所定回数の数値は、固定値であってもよいし、固定端末100に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定回数の数値は、固定端末100のパラメータとして、ユーザに設定されてもよいし、サーバ200から指定されてもよい。
【0064】
検出処理部142が、ステップS3aにおいて、同一の無線信号源を所定回数以上連続して検出した場合(ステップS3aにおけるYES)、ステップS3bにおいて、検出処理部142は、当該無線信号源を信頼できる無線信号源であると判定する。
【0065】
また、無線信号源の信頼性は、回数ではなく、経過時間で判定してもよい。この場合、ステップS3aでは、検出処理部142は、所定時間以上継続して検出した無線信号源が存在するか否かを判定してよい。所定時間以上継続して検出した」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在し続けていることを意味し、位置情報の基準としての信頼性があることを意味する。
【0066】
なお、所定時間の数値は、固定値であってもよいし、固定端末100に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定時間の数値は、固定端末100のパラメータとして、ユーザに設定されてもよいし、サーバ200から指定されてもよい。
【0067】
検出処理部142が、ステップS3aにおいて、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出した場合(ステップS3aにおけるYES)、ステップS3bにおいて、検出処理部142は、当該無線信号源を信頼できる無線信号源であると判定してもよい。
【0068】
また、信頼性判定例1では、図3に示すシーケンス図のステップ4として、ステップS4aを実行し、図3に示すシーケンス図のステップ6として、ステップS6aを実行する。ステップS4aでは、固定端末100の送信処理部144は、信頼できるアクセスポイントの識別情報および位置特定情報を含むパラメータをサーバ200に送信する。ステップS6aでは、サーバ200の受信処理部242が、ステップS4aにおいて送信されたパラメータを受信する。
【0069】
また、信頼性判定例1では、図3に示すシーケンス図のステップ8として、ステップS8aを実行する。ステップS8aにおいて、サーバ200の管理部244は、信頼できるアクセスポイントの識別情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理する管理対象として、位置特定情報によって特定される位置に関連付けて管理する。
【0070】
なお、上記の例は、無線信号源の信頼性を判定する方法の一例であって、無線信号源の信頼性を判定する方法は上記の例に限定されない。検出処理部142は、上述した条件に替えて、または、上述した条件に加えて、検出した無線信号源の識別情報(例えば、MACアドレス)が所定の範囲(例えば携帯型のWi-Fiアクセスポイントであることを示すMACアドレス以外の範囲)であること、検出した電波の強度(の平均値等)が所定の強度以上であること、同一の無線信号源について、検出した電波の強度が所定の誤差範囲内であることなどの条件を満たした場合に、検出した無線信号源を信頼できる無線信号源と判定してもよい。
【0071】
以上により、不適切な無線信号源の情報、例えば、固定端末100からの距離が遠く、無線信号が安定して検出できない無線信号源の情報や、携帯型の無線信号源の情報が、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理されてしまうことを防止できる。
【0072】
(信頼性判定例2)
信頼性判定例1では、信頼できると判定した無線信号源の情報のみを、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理する構成であったが、本実施形態はこれに限定されず、信頼できないと判定した無線信号源の情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理する対象から排除する構成であってもよい。このような構成によっても、不適切な無線信号源の情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理することを防止することができる。
【0073】
ここで、無線信号源(例えばWi-Fiアクセスポイント)は、通信プロバイダまたは位置情報サービスプロバイダのような特定の事業者によって管理されるものであるとは限らない。具体的には、例えば、個人または企業あるいは店舗などが自己の管理の元で設置する場合がある。このような場合、無線信号源が移動されたり、撤去されたりして、位置情報との関連性が変化する場合がある。このような無線信号源の情報が、位置情報が修正されないままネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理されていると、測位の精度が低下する原因となる。そのため、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理する管理対象から、信頼できないと判定した無線信号源の情報を排除する仕組みがあることが好ましい。
【0074】
図5は、動作例1における信頼性判定の一例(信頼性判定例2)を説明するフローチャートである。信頼性判定例2では、固定端末100が、検出処理を繰り返し実行し、同一の無線信号源についての複数回の検出処理の結果に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、その判定結果を無線信号源の識別情報と共にサーバ200に送信する。以下、図5を参照して、信頼性判定例2について詳細に説明する。
【0075】
信頼性判定例2では、図3に示すシーケンス図のステップ2として、ステップS2aおよびステップS2cを実行する。ステップS2aでは、固定端末100の検出処理部142は、無線信号源の検出結果情報を取得してよい。
【0076】
次に、ステップS2cにおいて、検出処理部142は、過去に検出されたものの、ステップS2aにおいて取得した検出結果情報に識別情報が含まれなかった無線信号源ごとに、メモリ120上の未検出回数を+1更新してよい。なお、前提として、記憶部130は、無線信号源ごとの未検出回数を管理してよい。また、未検出回数は、メモリ120にロードされてよい。そして、メモリ120にロードされた未検出回数は、主制御部140により参照、更新されてよい。なお、ステップS2bおよびステップS2cは繰り返し実行されてもよい。
【0077】
また、信頼性判定例2では、図3に示すシーケンス図のステップ3として、ステップS3cおよびステップS3dを実行する。ステップS3cでは、検出処理部142は、過去に検出された無線信号源のうち、所定回数以上連続して検出できなかった無線信号源が存在するか否かを判定してよい。「所定回数以上連続して検出できなかった」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在していない可能性があり、位置情報の基準としての信頼性がないことを意味する。
【0078】
また、一態様において、検出処理部142は、検出されたものの、電波強度が閾値以下である無線信号源について、検出できなかった無線信号源と見なしてもよい。電波強度が閾値以下である無線信号源は固定端末100から遠方に存在し、ネットワーク測位のために使用することが不適切である可能性が高いためである。
【0079】
なお、所定回数の数値は、固定値であってもよいし、固定端末100に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定回数の数値は、固定端末100のパラメータとして、ユーザに設定されてもよいし、サーバ200から指定されてもよい。
【0080】
検出処理部142が、ステップS3aにおいて、同一の無線信号源を所定回数以上連続しなかった検出した場合(ステップS3cにおけるYES)、ステップS3dにおいて、検出処理部142は、当該無線信号源を信頼できない無線信号源であると判定する。
【0081】
また、無線信号源の信頼性は、回数ではなく、経過時間で判定してもよい。この場合、ステップS3cでは、検出処理部142は、所定時間以上継続して検出できなかった無線信号源が存在するか否かを判定してよい。所定時間以上継続して検出できなかった」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在していない可能性があり、位置情報の基準としての信頼性がないことを意味する。
【0082】
なお、所定時間の数値は、固定値であってもよいし、固定端末100に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定時間の数値は、固定端末100のパラメータとして、ユーザに設定されてもよいし、サーバ200から指定されてもよい。
【0083】
検出処理部142が、ステップS3cにおいて、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出しなかった場合(ステップS3cにおけるYES)、ステップS3dにおいて、検出処理部142は、当該無線信号源を信頼できない無線信号源であると判定してもよい。
【0084】
また、信頼性判定例2では、図3に示すシーケンス図のステップ4として、ステップS4bを実行し、図3に示すシーケンス図のステップ6として、ステップS6bを実行する。ステップS4bでは、固定端末100の送信処理部144は、検出された無線信号源の識別情報および位置特定情報に加えて、信頼できない無線信号源の識別情報を含むパラメータをサーバ200に送信する。ステップS6bでは、サーバ200の受信処理部242が、ステップS4bにおいて送信されたパラメータを受信する。
【0085】
また、信頼性判定例2では、図3に示すシーケンス図のステップ8として、ステップS8bを実行する。ステップS8bにおいて、サーバ200の管理部244は、受信した無線信号源の識別情報を位置情報に関連付けて管理するとともに、信頼できない無線信号源については、除外対象として、管理対象から除外する。また、管理部244は、その後に実行されたステップS8bにおいても、除外対象の識別情報を管理対象から除外する。
【0086】
すなわち、管理対象から除外するとは、(A)サーバ200が固定端末100から受信した無線信号源情報の内、信頼できない無線信号源の情報について、新たに管理対象として追加されないようにするものであってよい。また、管理対象から除外するとは、(B)サーバ200が固定端末100から受信した無線信号源情報の内、信頼できない無線信号源の情報に基づいて、既に管理対象となっている無線信号源の情報を管理対象から除外する(すなわち、削除する)ものであってよい。管理部244は、上記(A)および(B)の両方の動作を行ってもよいし、いずれか一方の動作を行ってもよい。
【0087】
なお、上記の例は、無線信号源の信頼性を判定する方法の一例であって、無線信号源の信頼性を判定する方法は上記の例に限定されない。検出処理部142は、上述した条件に替えて、または、上述した条件に加えて、検出した無線信号源の識別情報(例えば、MACアドレス)が所定の範囲(例えば携帯型のWi-Fiアクセスポイントであることを示すMACアドレス)であること、検出した電波の強度(の平均値等)が所定の強度未満であること、同一の無線信号源について、検出した電波の強度が所定の誤差範囲を超えることなどの条件を満たした場合に、検出した無線信号源を信頼できない無線信号源と判定してもよい。
【0088】
以上により、不適切な無線信号源の情報、例えば、移動または撤去によって、固定端末100から無線信号を検出できなくなった無線信号源の情報について、信頼性が失われたと判定し、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報から排除することでき、測位精度の低下を防止することができる。
【0089】
なお、システム1は、信頼性判定例1および信頼性判定例2の両方の動作を行ってもよい。すなわち、固定端末100が、継続して検出することができた無線信号源を信頼できる無線信号源と判定し、継続して検出することができない無線信号源を信頼できない無線信号源と判定し、信頼できる無線信号源に関する情報に加えて、信頼できない無線信号源の情報をサーバ200に送信してもよい。これにより、信頼できる無線信号源が信頼できない無線信号源に変化した場合に対応することができる。
【0090】
(動作例2)
図6は、本発明の実施形態1に係るシステム1の動作の一例(動作例2)を説明するフローチャートである。システム1の具体的動作の一例について、図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0091】
概要として、固定端末100は、定期的または非定期的に無線信号源(例えばWi-Fiアクセスポイント)を検出し、それらの結果をサーバ200に送信する。一方、サーバ200は、固定端末100から受け付けた、無線信号源の識別情報、位置特定情報、およびその他の情報を、必要に応じて、管理対象または除外対象の無線信号源を選別し、管理する。
【0092】
まず、ステップS1およびS2は、動作例1と同様である。続いて、ステップS4において、固定端末100の送信処理部144は、無線信号源の検出結果情報および位置特定情報等をサーバ200に送信してよい。ステップS5は、動作例1と同様である。
【0093】
サーバ200の受信処理部242は、ステップS6において、固定端末100から無線信号源の検出結果情報および位置特定情報等を受信してよい。
【0094】
ステップS7において、サーバ200の主制御部240は、検出結果情報に含まれる無線信号源の信頼性を判定する。信頼性判定の詳細に関しては、後述する。
【0095】
ステップS8において、サーバ200の管理部244は、ステップS7の結果に応じて、無線信号源の識別情報を位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理してよい。例えば、管理部244は、(i)ステップS6において受信された識別情報に対応する無線信号源のうち、ステップS7において信頼できると判定された無線信号源に関する情報を管理対象として管理してもよいし、(ii)ステップS6において受信された識別情報に対応する無線信号源を管理対象として管理するとともに、ステップS7において信頼できないと判定された無線信号源を管理対象から除外してもよい。
【0096】
(信頼性判定例3)
上述した通り、固定端末100が検出情報を取得するタイミングによって、検出できたり検出できなかったりする無線信号源は、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理するのに適さない。これに対し、図4を用いて説明した通り、信頼性判定を行うことが考えられるが、固定端末100上で信頼性判定を行う場合、過去の検出情報を固定端末100に記憶しておく必要がある。検出処理を行う時間間隔を短く設定し、検出情報の取得頻度を高くした場合、固定端末100に記憶される過去の検出情報が多くなるため、大容量の記憶領域が必要となり、固定端末100のコストが増加する。これに対し、信頼性判定の処理は、サーバ200上で実行されてもよい。
【0097】
図7は、動作例2における信頼性判定の一例(信頼性判定例3)を説明するフローチャートである。信頼性判定例3では、サーバ200が、受信処理を複数回行い、複数回の受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できると判定した無線信号源の識別情報を管理対象として管理する。以下、図7を参照して、信頼性判定例3について詳細に説明する。
【0098】
信頼性判定例3では、図6に示すシーケンス図のステップ2として、ステップS2aを実行する。ステップS2aでは、固定端末100の検出処理部142は、Wi-Fiアクセスポイントの検出結果情報を取得してよい。なお、ステップS2aは繰り返し実行されてもよい。
【0099】
また、信頼性判定例3では、図6に示すシーケンス図のステップ4として、ステップS4cを実行し、図3に示すシーケンス図のステップ6として、ステップS6cを実行する。ステップS4cでは、固定端末100の送信処理部144は、検出されたアクセスポイントの識別情報および位置特定情報を含むパラメータをサーバ200に送信する。ステップS6cでは、サーバ200の受信処理部242が、ステップS4cにおいて送信されたパラメータを受信する。
【0100】
次に、信頼性判定例3では、図6に示すシーケンス図のステップ7として、ステップS7a~S7cを実行する。
【0101】
ステップS7aにおいて、管理部244は、受信した識別情報に対応する無線信号源ごとに、メモリ220上の受信回数を+1更新してよい。なお、前提として、記憶部230は、Wi-Fiアクセスポイントごとの受信回数を管理してよい。また、受信回数は、メモリ220にロードされてよい。そして、メモリ220にロードされた受信回数は、主制御部240により参照、更新されてよい。
【0102】
ステップS7bでは、管理部244は、所定回数以上連続して識別情報が受信された無線信号源が存在するか否かを判定してよい。「所定回数以上連続して識別情報が受信された」Wi-Fiアクセスポイントは、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在し続けていることを意味し、位置情報の基準としての信頼性があることを意味する。
【0103】
なお、所定回数の数値は、固定値であってもよいし、サーバ200に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定回数の数値は、サーバ200のパラメータとして、ユーザに設定されてもよい。
【0104】
管理部244は、受信処理部242による複数回の受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信した場合(ステップS7bにおけるYES)、ステップS7cにおいて、管理部244は、当該無線信号源を信頼できる無線信号源であると判定する。
【0105】
また、無線信号源の信頼性は、回数ではなく、経過時間で判定してもよい。この場合、管理部244は、「所定時間以上継続して識別情報が受信された」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在し続けていることを意味し、位置情報の基準としての信頼性があることを意味する。
【0106】
なお、所定時間の数値は、固定値であってもよいし、サーバ200に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定回数の数値は、サーバ200のパラメータとして、ユーザに設定されてもよい。
【0107】
管理部244は、受信処理部242による複数回の受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定時間以上継続して受信した場合(ステップS7bにおけるYES)、ステップS7cにおいて、管理部244は、当該無線信号源を信頼できる無線信号源であると判定する。
【0108】
また、信頼性判定例3では、図6に示すシーケンス図のステップ8として、ステップS8aを実行する。ステップS8aにおいて、サーバ200の管理部244は、信頼できるアクセスポイントの識別情報をネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理する管理対象として、位置特定情報によって特定される位置に関連付けて管理する。
【0109】
なお、上記の例は、無線信号源の信頼性を判定する方法の一例であって、無線信号源の信頼性を判定する方法は上記の例に限定されない。管理部244は、上述した条件に替えて、または、上述した条件に加えて、検出した無線信号源の識別情報(例えばMACアドレス)が所定の範囲(例えば携帯型のWi-Fiアクセスポイントであることを示すMACアドレス以外の範囲)であること、検出した電波の強度(の平均値等)が所定の強度以上であること、同一の無線信号源について、検出した電波の強度が所定の誤差範囲内であることなどの条件を満たした場合に、検出した無線信号源を信頼できる無線信号源と判定してもよい。
【0110】
以上により、不適切な無線信号源の情報、例えば、固定端末100からの距離が遠く、無線信号が安定して検出できない無線信号源の情報や、携帯型のWi-Fiアクセスポイントの情報が、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理されてしまうことを防止できる。
【0111】
以上により、信頼性判定の処理を動作例1のように固定端末100上で行う場合とは異なり、過去の検出情報を固定端末100上に記憶する必要がなくなり、固定端末100のコストを低減することができる。
【0112】
(信頼性判定例4)
信頼性判定精度を向上させるため、より多くの無線信号源の情報を参照したい場合がある。信頼性判定の処理を動作例1のように固定端末100上で行う場合、固定端末100と通信可能な範囲の無線信号源のみに基づいて信頼性判定を行うため、精度の向上が難しい場合がある。
【0113】
図8は、動作例2における信頼性判定の一例(信頼性判定例4)を説明するフローチャートである。信頼性判定例4では、サーバ200が、受信処理を繰り返し行い、複数回の受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できないと判定した無線信号源の識別情報を管理対象から除外する。
以下、図8を参照して、信頼性判定例4について詳細に説明する。
【0114】
信頼性判定例4では、図6に示すシーケンス図のステップ2として、ステップS2aを実行する。ステップS2aでは、固定端末100の検出処理部142は、無線信号源の検出結果情報を取得してよい。
【0115】
また、信頼性判定例4では、図6に示すシーケンス図のステップ4として、ステップS4cを実行し、図3に示すシーケンス図のステップ6として、ステップS6cを実行する。ステップS4cでは、固定端末100の送信処理部144は、検出された無線信号源の識別情報および位置情報を含むパラメータをサーバ200に送信する。ステップS6cでは、サーバ200の受信処理部242が、ステップS4cにおいて送信されたパラメータを受信する。
【0116】
次に、信頼性判定例4では、図6に示すシーケンス図のステップ7として、ステップS7d~S7fを実行する。
【0117】
ステップS7dにおいて、管理部244は、過去に識別情報を受信したものの、ステップS6cにおいて識別情報が受信されなかった無線信号源ごとに、メモリ220上の未受信回数を+1更新してよい。なお、前提として、記憶部230は、無線信号源ごとの未受信回数を管理してよい。また、未受信回数は、メモリ220にロードされてよい。そして、メモリ220にロードされた受信回数は、主制御部240により参照、更新されてよい。なお、ステップS7bおよびステップS7cは繰り返し実行されてもよい。
【0118】
ステップS7eでは、管理部244は、過去に識別情報が受信された無線信号源のうち、所定回数以上連続して識別情報が受信されなかった無線信号源が存在するか否かを判定してよい。「所定回数以上連続して識別情報が受信されなかった」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在していない可能性があり、位置情報の基準としての信頼性がないことを意味する。
【0119】
なお、所定回数の数値は、固定値であってもよいし、サーバ200に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定回数の数値は、サーバ200のパラメータとして、ユーザに設定されてもよい。
【0120】
管理部244は、受信処理部242による複数回の受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信しなかった場合(ステップS7eにおけるYES)、ステップS7fにおいて、管理部244は、当該無線信号源を信頼できない無線信号源であると判定する。
【0121】
また、無線信号源の信頼性は、回数ではなく、経過時間で判定してもよい。この場合、ステップS7eでは、管理部244は、所定時間以上継続して識別情報を受信しなかった無線信号源が存在するか否かを判定してよい。所定時間以上継続して識別情報を受信しなかった」無線信号源は、当該無線信号源が固定端末100から無線通信可能な範囲に存在していない可能性があり、位置情報の基準としての信頼性がないことを意味する。
【0122】
なお、所定時間の数値は、固定値であってもよいし、サーバ200に設定される、可変のパラメータであってもよい。所定時間の数値は、サーバ200のパラメータとして、ユーザに設定されてもよい。
【0123】
管理部244は、受信処理部242による複数回の受信処理において同一のWi-Fiアクセスポイントの識別情報を所定時間以上継続して受信しなかった場合(ステップS7eにおけるYES)、ステップS7fにおいて、管理部244は、当該Wi-Fiアクセスポイントを信頼できない無線信号源であると判定する。
【0124】
また、信頼性判定例4では、図6に示すシーケンス図のステップ8として、ステップS8bを実行する。ステップS8bにおいて、サーバ200の管理部244は、受信した無線信号源の識別情報を位置特定情報に関連付けて管理するとともに、信頼できない無線信号源については管理対象から削除する。
【0125】
なお、上記の例は、無線信号源の信頼性を判定する方法の一例であって、無線信号源の信頼性を判定する方法は上記の例に限定されない。管理部244は、上述した条件に替えて、または、上述した条件に加えて、検出した無線信号源の識別情報(例えばMACアドレス)が所定の範囲(例えば携帯型のWi-Fiアクセスポイントであることを示すMACアドレス以外の範囲)であること、検出した電波の強度(の平均値等)が所定の強度以上であること、同一の無線信号源について、検出した電波の強度が所定の誤差範囲内であることなどの条件を満たした場合に、検出した無線信号源を信頼できる無線信号源と判定してもよい。
【0126】
以上により、不適切な無線信号源の情報、例えば、固定端末100からの距離が遠く、無線信号が安定して検出できない無線信号源の情報や、携帯型の無線信号源の情報が、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報として管理されてしまうことを防止できる。
【0127】
以上により、信頼性判定の処理を動作例1のように固定端末100上で行う場合とは異なり、過去の検出情報を固定端末100上に記憶する必要がなくなり、固定端末100のコストを低減することができる。
【0128】
また、信頼性判定精度を向上させるため、より多くの無線信号源の情報を参照したい場合がある。信頼性判定の処理を動作例1のように固定端末100上で行う場合、固定端末100と通信可能な範囲の無線信号源のみに基づいて信頼性判定を行うため、精度の向上が難しい場合があるが、本動作例によれば、信頼性判定の処理をサーバ200上で行うことにより、より多くの無線信号源の情報を参照して信頼性を判定することができる。
【0129】
なお、システム1は、信頼性判定例3および信頼性判定例4の両方の動作を行ってもよい。すなわち、サーバ200が、継続して受信された無線信号源を信頼できる無線信号源として特定して管理するとともに、継続して受信されない無線信号源を信頼できない無線信号源として特定し、管理対象から削除してもよい。これにより、信頼できる無線信号源が信頼できない無線信号源に変化した場合に対応することができる。
【0130】
(複数の固定端末に関する動作例)
多くの無線信号源(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)からの無線信号の到達距離は、遮蔽物がない環境であっても100メートル程度が最大であり、遮蔽物がある環境においては、より短い距離になることが知られている。そのため、多くの無線信号源について検出情報を収集するためには、高密度で多数の固定端末100を設置する必要がある。ここで、隣接する2台の固定端末100の間に無線信号源が存在する場合、両方の固定端末100から同一の無線信号源が検出される場合がある。各固定端末100が検出した無線信号源に対して、それぞれ自装置の位置情報を関連付ける場合、同一の無線信号源に対し、複数の位置情報が関連付けられることとなり、測位精度の低下の原因となる。これを避けるために、サーバ200は、例えば、以下のように動作してもよい。
【0131】
サーバ200が、複数の固定端末100から同一の無線信号源の識別情報が受信された場合、以下のような処理を行ってもよい。
【0132】
(処理例1)
一例において、サーバ200の受信処理部242は、複数の固定端末100から、無線信号源の識別情報および位置特定情報を受信し、管理部244は、受信処理部242が複数の固定端末100から同一の無線信号源の識別情報を受信した場合に、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、複数の固定端末100から受信された各位置特定情報によって特定される位置の中間の位置を用いてもよい。
【0133】
例えば、異なる2つの基地局2が隣接しており、これら両方の基地局2にそれぞれ接続された固定端末100が同じ無線信号源を検出したときに、サーバ200は、当該無線信号源の識別情報を、例えば、2つの基地局2または固定端末100の中間位置に関連付けて管理してもよい。
【0134】
図9は、処理例1を説明するフローチャートである。サーバ200の管理部244は、複数の固定端末100から同一の無線信号源(例えばWi-Fiアクセスポイント)の識別情報を受信した場合(ステップS9aのYes)、ステップS9bにおいて、各固定端末100から受信した位置特定情報によって示される位置の中間位置を算出してよい。このとき、管理部244は、各固定端末100から受信した位置特定情報の中心位置を示す位置を算出してもよいし、2つの基地局2における電波強度に応じて、比重を考慮してよい。例えば、第1の基地局2Aと第2の基地局2Bとにおける電波強度の比率が1対2である場合、第1の基地局2Aと第2の基地局2Bとの間を2対1に内分する点の位置を算出してもよい。そして、ステップS9cにおいて、管理部244は、上述した無線信号源の識別情報にステップS9bにおいて算出した位置を関連付けて管理してもよい。
【0135】
なお、管理部244は、以下の条件を満たす場合に、複数の固定端末100において検出された無線信号源を、当該複数の固定端末100から受信された各位置特定情報によって特定される位置の中間の位置に関連付けて管理してもよい。
・複数の固定端末100において検出されたタイミングの差が、所定値よりも小さい。
・複数の固定端末100間または各固定端末100が接続する基地局2間の距離が、所定値よりも短い。
【0136】
すなわち、2つの基地局2に接続された固定端末100が1つの無線信号源を検出した場合、管理部244は、基地局2が接続している固定端末100との相対距離や基地局2の座標から2つの基地局2間の距離を計算し、当該距離が閾値よりも小さいとき、2つの基地局2の座標の中間位置を、検知した無線信号源の位置情報として管理してもよい。
【0137】
また、2つの基地局2同士が離れている場合(例えば、2つの基地局2間の距離がWi-Fiの電波到達距離よりも大きい場合)、検出された無線信号源が移動していることが考えられる。この場合、検出された無線信号源は測位処理の際にノイズとなるため、管理部244は、当該無線信号源を移動体であるとみなして、管理対象外(削除対象)としてよい。
【0138】
また、複数の固定端末100において検出されたタイミングの差が、所定値よりも大きい場合は、無線信号源が移動している可能性があるため、管理対象外(削除対象)としてもよい。
【0139】
上記の処理は、3つ、4つの基地局2にそれぞれ接続された固定端末100で1つの無線信号源が検知された場合も同様とする。すなわち、複数の基地局2の中心位置を、検知された対象の無線信号源の位置座標としてもよい。
【0140】
ただし、3つ目、4つ目の基地局2にそれぞれ接続された固定端末100が対象の無線信号源を検知した場合には、都度その時点において、3つ目、4つ目の基地局2の中間位置を無線信号源の位置の基準とする。
【0141】
すべての基地局2と、新たに検知を行った固定端末100が接続されている基地局2との間の距離を確認する。新たに検知を行った固定端末100が接続されている基地局2との距離が閾値を超える基地局2は、対象の無線信号源の位置の基準から除外する。残った複数の基地局2の中心点を、対象の無線信号源の座標としてもよい。
【0142】
家庭または店舗の引っ越し、模様替えなどが行われることにより、無線信号源(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)が移動するケースがある。このようなケースに追従するために、当該Wi-Fiアクセスポイントが、元の固定端末100に検出されなくなり、新たな固定端末100に検出される場合に行う処理例(処理例2および処理例3)を、以下に示す。なお、無線信号源の識別情報(Wi-Fiアクセスポイントの1つのBSSID)は、常に1つの位置情報(緯度、経度)に対応付けられるものとする。
【0143】
なお、何れの処理例においても、サーバ200の受信処理部242は、複数の固定端末100から、無線信号源の識別情報および位置特定情報を受信し、管理部244は、受信処理部242が異なるタイミングで複数の固定端末100から同一の無線信号源の識別情報を受信した場合に、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、複数の固定端末100の一方から受信された位置特定情報によって特定される位置を用いてよい。これにより、先のタイミングで受信された情報と、後のタイミングで受信された情報との一方を優先して管理を行なうことにより、管理される情報が短時間で変化して測位結果が不安定になることを避けることができる。なお、「異なるタイミングで複数の固定端末100から同一の無線信号源の識別情報を受信した」とは、当該識別情報の受信時刻の差が所定の閾値以上であることを意味し、所定の閾値としては、無線信号源が、複数の固定端末100の近傍間で移動するために現実的な最低時間を用いてよい。
【0144】
以下、先のタイミングにおいて無線信号源を検出した固定端末100を「固定端末A」、後のタイミングにおいて無線信号源を検出した固定端末100を「固定端末B」と称する。
【0145】
(処理例2)
一例において、先のタイミングにおいて無線信号源を検出した固定端末Aとは異なる固定端末Bが、後のタイミングにおいて当該無線信号源を検出した場合、当該無線信号源が、少なくとも固定端末Aから離隔したことは間違いないといえる。従って、管理部244は、固定端末Aから送信された情報を管理対象から除外してよい。一方、管理部244は、固定端末Bから送信された情報を直ちに管理対象とはしなくてもよい。すなわち、管理部244は、固定端末Bから送信された情報に基づいて、上述した信頼性判定を行い、その結果、信頼である無線信号源であると判定された後に、固定端末Bから送信された情報を管理対象としてもよい。なお、固定端末100から送信された情報を管理対象とするとは、管理部244が、当該固定端末100から送信された識別情報に対応する無線信号源を、当該固定端末100から送信された位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理することを意味し、固定端末100から送信された情報を管理対象から除外するとは、当該固定端末100から送信された識別情報に対応する無線信号源を、当該固定端末100から送信された位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理することを停止することを意味する。
【0146】
この場合、移動イベントを計数するカウンタを設けて、無線信号源ごとに管理してよい。頻繁に移動している無線信号源に関しては、モバイルルータであると認識して、位置情報基準の信頼できない無線信号源に含めるようにしてもよい。
【0147】
図10は、処理例2を説明するフローチャートである。サーバ200の管理部244は、複数の固定端末100から異なるタイミングで同一の無線信号源の識別情報を受信した場合(ステップS10aのYes)、ステップS10bにおいて、先のタイミングで受信した情報を管理対象から除外してよい。そして、ステップS10cにおいて、管理部244は、後のタイミングにおいて受信した情報に基づいて、無線信号源の識別情報に位置特定情報によって特定される位置を関連付けて管理してもよい。
【0148】
(処理例3)
一例において、サーバ200の管理部244が、無線信号源の識別情報を、先のタイミングにおいて当該無線信号源を検出した基地局2から送信された位置特定情報に基づいて管理している場合、上述したような信頼性判定に基づいて、当該識別情報が管理対象から除外されるまでは、後のタイミングにおいて当該無線信号源を検出した基地局2から送信された位置特定情報に基づいた管理は行なわなくてもよい。
【0149】
図11は、処理例3を説明するフローチャートである。サーバ200の管理部244は、複数の固定端末100から異なるタイミングで同一の無線信号源の識別情報を受信した場合(ステップS11aのYes)、ステップS11bにおいて、後のタイミングで受信した情報を管理対象から一旦除外してよい。そして、ステップS11cにおいて、管理部244は、後のタイミングにおいて受信した情報に基づいて、信頼性判定において信頼できる無線信号源であると判定された場合に、無線信号源の識別情報に位置特定情報によって特定される位置を関連付けて管理してもよい。
【0150】
(本実施形態の効果)
以上のように、固定端末100において周囲の無線信号源を繰り返し検出し、サーバに送信することによって、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理することができる。特に、固定端末100またはサーバ200において各アクセスポイントの信頼性を判定することにより、ネットワーク測位に用いられる無線信号源として好適な無線信号源の情報を管理することができる。
【0151】
〔実施形態2〕
<構成例>
以下では、本実施形態の構成例について図面を参照して説明する。図12は本実施形態に係るシステム1bの構成の一例を示す図である。システム1bは、地下の基地局子機を備えた構成である。
【0152】
システム1bは、共用設備である光中継装置(子機)6および光中継装置(親機)7、ならびに、各社設備である各社基地局設備8を備えている。
【0153】
光中継装置(子機)6は、地点Xにおいて、固定端末として、Wi-Fiアクセスポイント(無線信号源)の検出結果情報を収集してよい。また、光中継装置(子機)6は、自身の電波圏内、例えば、地点Yにおける固定端末101または地点ZにおけるWi-Fiアクセスポイント3、4からWi-Fiアクセスポイントの検出結果情報を収集してもよい。
【0154】
〔実施形態3〕
<変形例1>
固定端末100またはサーバ200は、以下のような基準をさらに適用して、無線信号源が信頼できる無線信号源か否かを判定してもよい。
【0155】
(1)無線信号源の識別情報
無線信号源の識別情報、例えば、MACアドレス帯からメーカが分かるので、移動機のみを作っているOEMの製品を除外することが想定される。サーバ200は、除外対象のMACアドレスを記憶部230に記憶させておき、変更、更新することができるようにする。なお、除外対象のMACアドレスと、検出した無線信号源(Wi-Fiアクセスポイント)のMACアドレスとを比較する際に、完全一致でもよいし、部分一致でもよい。
【0156】
(2)電波強度
電波強度(例えばRSSI)が極端に低い無線信号源(Wi-Fiアクセスポイント)は、基地局2からの距離が遠い可能性があるため、管理部244は、当該無線信号源を管理対象から除外してもよい。
【0157】
なお、管理部244は、上記無線信号源について管理対象から除外せずに電波強度(RSSI)の情報を残しておき、測位のときに使用する無線信号源(Wi-Fiアクセスポイント)として優先度を下げてもよい。管理部244は、例えば、過去の電波強度の平均値を保存してもよいし、管理対象から除外するための電波強度の閾値を設けてもよいし、複数の無線信号源(Wi-Fiアクセスポイント)について、電波強度に基づくランク付けをしてもよい。
【0158】
<変形例2>
固定端末100における検出処理(例えばWi-Fiスキャン)の時間間隔に関して、以下に示す。
【0159】
(1)検出処理の時間間隔の幅は、時間帯ごと、および、固定端末100ごとにカスタマイズしてよい。
【0160】
(2)人通りの多さ(変化の多さ)に応じて、検出処理の時間間隔の幅を設定してよい。
【0161】
(3)検出処理の時間間隔の幅を大きくすれば、精度と、情報を反映するまでのタイムラグとが悪くなる。一方、検出処理の時間間隔の幅を小さくすれば、通信量が増大し、サーバ200の負荷が上がる。
【0162】
(4)検出処理のスケジューリングを可能にしてよい。例えば、神社などは正月に人通りが増え、固定端末100の周囲に存在するモバイルWi-Fiルータが増える可能性がある。情報の精度に悪影響を与えそうな期間が想定できるのであれば、当該期間を検出処理の対象(情報更新の対象)から除外してよい。
【0163】
<変形例3>
固定端末100の検出処理部142が実行する検出処理の方式は、パッシブスキャンであってもアクティブスキャンであってもよい。パッシブスキャンとは、検出する無線信号源を特定せずに、固定端末100において受信できる無線信号の無線信号源を網羅的に検出する方法である。アクティブスキャンとは、特定の無線信号源のみを検出対象として検出する方法である。
【0164】
一例において、検出処理部142は、通常時には、パッシブスキャンを行い、過去に検出した無線信号源や、サーバ200において管理対象となっている無線信号源について、連続して同じ基地局2または固定端末100の圏内に存在することを優先的に確認したい場合に、アクティブスキャンを行う。この場合、検出処理部142は、通信部110を介して、検出対象となる無線信号源の識別情報を、固定端末100間において共有してもよい。
【0165】
例えば、固定端末100の検出処理部142は、当該固定端末100において検出され、サーバ200の管理部244が管理対象としている無線信号源について、その後の検出処理において検出できなかった場合に、当該無線信号源を検出対象としたアクティブスキャンを行なってもよい。また、例えば、固定端末100の検出処理部142は、当該固定端末100において検出された無線信号源について、その後の検出処理において検出できなかった場合に、当該無線信号源を検出対象としたアクティブスキャンを行なってもよい。また、例えば、固定端末100の検出処理部142は、当該固定端末100において初めて検出された無線信号源について、当該無線信号源を検出対象としたアクティブスキャンを行なってもよい。
【0166】
背景として、アクティブスキャンは、特定の識別情報(例えばBSSID)の無線信号源を狙い撃ちにして行うスキャンである。一方で、パッシブスキャンは、不特定に周辺の無線信号源(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)をスキャンする方式である。後者のパッシブスキャンは、広く無線信号源を検索する一方、検出処理部142を構成する部品(例えば、Wi-Fiチップやその上層)の仕様によっては、検知個数に上限がある場合がある。このような場合にはスキャンによって周囲の全ての無線信号源を検出することが難しくなるケースがある。このようなケースに、検出のターゲット(検出対象)になる無線信号源(Wi-Fiアクセスポイント)を優先的に検出するために、アクティブスキャンを行う手法が考えられる。
【0167】
〔ハードウェア構成およびソフトウェアによる実現例〕
固定端末100、サーバ200の制御ブロック(特に主制御部140、240に含まれる各部等)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、サーバ200は、コンピュータ(電子計算機)を用いて構成されてよい。
【0168】
図13は、固定端末100、サーバ200として利用可能なコンピュータ910の構成を例示したブロック図である。コンピュータ910は、バス911を介して互いに接続された演算装置912と、主記憶装置913と、補助記憶装置914と、入出力インターフェース915とを備えている。演算装置912、主記憶装置913、および補助記憶装置914は、それぞれ、例えばCPU、RAM(random access memory)、ソリッドステートドライブまたはハードディスクドライブであってもよい。入出力インターフェース915には、ユーザがコンピュータ910に各種情報を入力するための入力装置920、および、コンピュータ910がユーザに各種情報を出力するための出力装置930が接続される。入力装置920および出力装置930は、コンピュータ910に内蔵されたものであってもよいし、コンピュータ910に接続された(外付けされた)ものであってもよい。例えば、入力装置920は、ボタン、キーボード、マウス、タッチセンサなどであってもよく、出力装置930は、ランプ、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどであってもよい。また、タッチセンサとディスプレイとが一体化されたタッチパネルのような、入力装置920および出力装置930の双方の機能を有する装置を適用してもよい。そして、通信インターフェース916は、コンピュータ910が外部の装置と通信するためのインターフェースである。
【0169】
補助記憶装置914には、コンピュータ910を、サーバ200として動作させるための情報処理プログラムが格納されている。そして、演算装置912は、補助記憶装置914に格納された上記情報処理プログラムを主記憶装置913上に展開して該情報処理プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ910を、サーバ200が備える各部として機能させる。なお、補助記憶装置914が情報処理プログラム等の情報の記録に用いる記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」であればよく、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などであってもよい。
【0170】
また、コンピュータ910の外部の記録媒体に記録されているプログラム、あるいは任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータ910に供給されたプログラムを用いてコンピュータ910を機能させる構成を採用してもよい。そして、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0171】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0172】
本発明を用いることで、無線信号源と、位置情報とを自動的に関連付けられるようになることに加え、位置情報との関連付けが適切でない組み合わせについて、その関連付けを修正・削除することができるようになる。これにより、ネットワーク測位の精度が向上でき、衛星測位の利用が難しいエリアにおいても位置情報を利用することが容易になるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献することができる。
【符号の説明】
【0173】
1 システム(情報管理システム)
2 基地局
3、4 Wi-Fiアクセスポイント(無線信号源)
100 固定端末
142 検出処理部
144 送信処理部(送信部)
200 サーバ
242 受信処理部
244 管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の位置座標に固定された固定端末であって、
前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、
前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報であって、前記固定端末の識別情報である位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信部と、
を備える、
固定端末。
【請求項2】
前記固定端末は、基地局に接続され、
前記送信部は、
前記基地局の位置情報もしくは識別情報または前記固定端末の位置情報を、前記位置特定情報として前記サーバに送信する処理が実行可能である、
請求項1に記載の固定端末。
【請求項3】
前記検出処理部は、前記検出処理を繰り返し実行し、同一の無線信号源についての複数回の前記検出処理の結果に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、
前記送信部は、前記検出処理部の判定結果を無線信号源の識別情報と共に送信する、
請求項1に記載の固定端末。
【請求項4】
前記検出処理部は、同一の無線信号源を所定回数以上連続して検出した場合、または、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出した場合、当該無線信号源について信頼できると判定する、
請求項3に記載の固定端末。
【請求項5】
前記検出処理部は、同一の無線信号源を所定回数以上連続して検出しなかった場合、または、同一の無線信号源を所定時間以上継続して検出しなかった場合、当該無線信号源について信頼できないと判定する、
請求項3に記載の固定端末。
【請求項6】
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであって、
特定の位置座標に固定された固定端末から、当該固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報であって、前記固定端末の識別情報である位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備える、
サーバ。
【請求項7】
前記固定端末は、基地局に接続され、
前記受信処理部は、
前記基地局の位置情報もしくは識別情報または前記固定端末の位置情報を、前記位置特定情報として前記固定端末から受信する処理が実行可能である、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記受信処理部は、前記受信処理を繰り返し行い、
前記管理部は、前記受信処理部による複数回の前記受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できると判定した無線信号源の識別情報を管理対象とする、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項9】
前記管理部は、前記複数回の前記受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信した場合、または、同一の無線信号源の識別情報を所定時間以上継続して受信した場合、当該無線信号源について信頼できると判定する、
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記受信処理部は、前記受信処理を繰り返し行い、
前記管理部は、前記受信処理部による複数回の前記受信処理において同一の無線信号源について受信した情報に基づいて、当該無線信号源が信頼できるか否かを判定し、信頼できないと判定した無線信号源の識別情報を管理対象から除外する、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項11】
前記管理部は、前記複数回の前記受信処理において同一の無線信号源の識別情報を所定回数以上連続して受信しなかった場合、または、同一の無線信号源の識別情報を所定時間以上継続して受信しなかった場合、当該無線信号源について信頼できないと判定する、
請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであって、
特定の位置座標に固定された固定端末から、当該固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備え、
前記受信処理部は、複数の固定端末から、前記無線信号源の識別情報および前記位置特定情報を受信し、
前記管理部は、前記受信処理部が前記複数の固定端末から同一の無線信号源の識別情報を受信した場合に、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、前記複数の固定端末から受信された各位置特定情報によって特定される位置の中間の位置を用いる、
ーバ。
【請求項13】
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバであって、
特定の位置座標に固定された固定端末から、当該固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備え、
前記受信処理部は、複数の固定端末から、前記無線信号源の識別情報および前記位置特定情報を受信し、
前記管理部は、前記受信処理部が前記複数の固定端末から同一の無線信号源の識別情報を受信し、当該識別情報の受信時刻の差が所定の閾値以上であった場合、当該無線信号源の識別情報に関連付ける位置として、前記複数の固定端末の一方から受信された位置特定情報によって特定される位置を用いる、
ーバ。
【請求項14】
特定の位置座標に固定された固定端末と、
ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバを備え、
前記固定端末は、
前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、
前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報であって、前記固定端末の識別情報である位置特定情報を、前記サーバに送信する送信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記固定端末から、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源の識別情報、および、前記位置特定情報を受信する受信処理を行う受信処理部と、
前記受信処理部が受信した前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理部と、
を備える、
情報管理システム。
【請求項15】
特定の位置座標に固定された固定端末が、前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理工程と、
前記固定端末が、前記検出処理工程において検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報であって、前記固定端末の識別情報である位置特定情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信工程と、
前記サーバが、前記送信工程において送信された前記無線信号源の識別情報を前記位置特定情報によって特定される位置と関連付けて管理する管理工程と、
を含む、
情報管理方法。
【請求項16】
地下に設置される基地局に接続され、且つ特定の位置座標に固定された固定端末であって、
前記固定端末と無線通信可能な範囲に存在する無線信号源を検出する検出処理を行う検出処理部と、
前記検出処理部が検出した前記無線信号源の識別情報、および、前記無線信号源の位置を特定するための位置特定情報として前記基地局又は前記固定端末の位置情報を、ネットワーク測位に用いられる無線信号源の情報を管理するサーバに送信する送信部と、
を備え、
前記基地局は、隣接する他の基地局と共通の識別情報を有する
固定端末。