IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

特開2024-145494アンテナ装置、及びアンテナモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145494
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】アンテナ装置、及びアンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20241004BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20241004BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q1/52
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057869
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】手塚 謙一
(72)【発明者】
【氏名】宮内 泰治
(72)【発明者】
【氏名】二俣 陽介
(72)【発明者】
【氏名】田端 美咲
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021AB06
5J021FA32
5J021JA02
5J045AA02
5J045AA05
5J045DA10
5J045EA08
5J045FA02
5J045LA03
5J046AA03
5J046AB03
5J046AB13
5J046UA02
5J046UA03
(57)【要約】
【課題】放射効率を向上できるアンテナ装置、及びアンテナモジュールを提供する。
【解決手段】アンテナ装置1は、誘電体層60と、誘電体層60に設けられる放射導体10A,10Bと、放射導体10A,10Bの法線方向から平面視した場合、放射導体10A,10Bの周囲に配置される複数の柱状導体51と、を備える。放射導体10A,10Bの法線方向から平面視した場合、複数の柱状導体51の外側に周辺導体70が配置される。このように、柱状導体51の外側に周辺導体70を配置することで、隣のアンテナ装置1との電磁的な結合を周辺導体70によって抑制することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と、
前記誘電体層に設けられる放射導体と、
前記放射導体の法線方向から平面視した場合、前記放射導体の周囲に配置される複数の柱状導体と、を備え、
前記法線方向から平面視した場合、前記複数の柱状導体の外側に周辺導体が配置される、アンテナ装置。
【請求項2】
前記複数の柱状導体は、
第1の方向における前記誘電体層の第1の端部と前記放射導体との間に配置される複数の第1の柱状導体と、
前記第1の方向と直交する第2の方向における前記誘電体層の第2の端部と前記放射導体との間に配置される複数の第2の柱状導体と、を含み、
前記複数の第1の柱状導体と前記誘電体層の第1の端部との第1の距離は、前記複数の第2の柱状導体と前記誘電体層の第2の端部までの第2の距離より小さく、
前記周辺導体は、前記法線方向から平面視した場合、前記複数の第1の柱状導体の外側に配置される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記周辺導体は、前記第1の方向における一方側の前記複数の第1の柱状導体、及び前記第1の方向における他方側の前記複数の第1の柱状導体のそれぞれの外側に配置される、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記周辺導体の前記第2の方向における両縁は、前記複数の第1の柱状導体の前記第2の方向における両端に位置する柱状導体よりも内側に位置する、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記周辺導体は、前記放射導体の法線方向に沿って広がる前記誘電体層の側面上に配置される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記放射導体の法線方向から平面視した場合、前記複数の柱状導体の外側であって、前記誘電体層の前記法線方向における上側の上面上には、前記周辺導体と連結される上面導体が配置される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記周辺導体の前記放射導体の前記法線方向における下側の縁は、前記誘電体層の前記法線方向における下側の底面と離間している、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記誘電体層は、
前記放射導体と結合する給電導体が配置されるアンテナ層と、
導体パターンで構成されるフィルタ層と、
前記アンテナ層と前記フィルタ層との間に配置される分配層と、を備え、
前記周辺導体の前記放射導体の前記法線方向における下側の縁は、前記放射導体の法線方向に沿って広がる前記誘電体層の側面上において、分配層と重なる、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナ層と前記分配層の間にグラウンド導体を備え、
前記周辺導体は、前記グラウンド導体と接続されていない、請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記放射導体は、前記第2の方向に並置される第1及び第2の放射導体を有し、
前記周辺導体は、
前記第1の放射導体の周囲に配置される前記複数の第1の柱状導体の外側に位置する第1の周辺導体と、
前記第2の放射導体の周囲に配置される前記複数の第1の柱状導体の外側に位置する第2の周辺導体と、を含み、
前記第1の周辺導体と前記第2の周辺導体は、互いに離間している、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のアンテナ装置を複数有し、
前記複数のアンテナ装置は、互いの前記周辺導体同士が対向するように配置される、アンテナモジュール。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ装置、及びアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンテナ装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。このアンテナ装置は、誘電体層の内部に配置される放射導体と、放射導体の周囲に配置される複数の柱状導体と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2019/054094号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のようなアンテナ装置においては、放射導体から放射する信号の放射効率を向上させることが求められていた。
【0005】
そこで、本開示は、放射効率を向上できるアンテナ装置、及びアンテナモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係るアンテナ装置は、誘電体層と、誘電体層に設けられる放射導体と、放射導体の法線方向から平面視した場合、放射導体の周囲に配置される複数の柱状導体と、を備え、法線方向から平面視した場合、複数の柱状導体の外側に周辺導体が配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、放射効率を向上できるアンテナ装置、及びアンテナモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態によるアンテナ装置の外観を示す略斜視図である。
図2】本開示の一実施形態によるアンテナ装置の外観を示す略斜視図である。
図3】本実施形態によるアンテナ装置の内部構造を説明するための模式図である。
図4】アンテナ装置から誘電体層を削除した状態を示す略斜視図である。
図5】アンテナモジュールを示す平面図である。
図6】アンテナ装置を示す図である。
図7】シミュレーション結果を示すグラフである。
図8】比較例に係るアンテナ装置を示す図である。
図9】シミュレーション結果を示すグラフである。
図10】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図11】シミュレーション結果を示すグラフである。
図12】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図13】シミュレーション結果を示すグラフである。
図14】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図15】シミュレーション結果を示すグラフである。
図16】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図17】シミュレーション結果を示すグラフである。
図18】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図19】シミュレーション結果を示すグラフである。
図20】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図21】シミュレーション結果を示すグラフである。
図22】変形例に係るアンテナ装置を示す図である。
図23】シミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態によるアンテナ装置1の外観を示す略斜視図であり、放射面側から見た状態を示している。図2は、本開示の一実施形態によるアンテナ装置1の外観を示す略斜視図であり、実装面側から見た状態を示している。 図3は、アンテナ装置1の内部構造を説明するための模式図であり、マザーボード5に実装した状態を模式的に示している。図4は、アンテナ装置1から誘電体層2~4を削除した状態を示す略斜視図である。
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2は、本開示の一実施形態によるアンテナ装置1の外観を示す略斜視図であり、図1は放射面側から見た状態、図2は実装面側から見た状態を示している。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態によるアンテナ装置1は、誘電体層60を含む。誘電体層60は、第1の誘電体層2と、第2の誘電体層3と、第3の誘電体層4と、を有する。z方向の負側から正側へ向かって、第3の誘電体層4、第1の誘電体層2、及び第2の誘電体層3が、この順で積層される。誘電体層60は、X軸方向に長手方向を有する直方体の形状を有している。誘電体層60は、上面60aと、底面60bと、端面60c,60dと、側面60e,60fと、を備える。上面60a、底面60bはz方向に対向し、上面60aがz方向における正側に配置され、底面60bがz方向における負側に配置される。端面60c、60dはx方向に対向し、端面60cがx方向における正側に配置され、端面60dがx方向における負側に配置される。側面60e、60fはy方向に対向し、側面60eがy方向における正側に配置され、側面60fがy方向における負側に配置される。
【0014】
アンテナ装置1は、アンテナ層ANTと、フィルタ層FILと、フィルタ層FILとアンテナ層ANTの間に積層された分配層DIVとを有している。
【0015】
アンテナ層ANTは、第1の誘電体層2と、第2の誘電体層3と、放射導体10と、を有している。放射導体10は、放射導体10A(第1の放射導体)と、放射導体10B(第2の放射導体)と、を有している。図3に示す例では、放射導体10A,10Bは、第2の誘電体層3に配置される。ただし、放射導体10A,10Bは、第1の誘電体層2上に配置されて、第2の誘電体層3で覆われるような構成であってもよい。また、放射導体10A,10Bは誘電体層の最表面である第2の誘電体層3の上面に配置されてもよい。また、アンテナ層ANTは、放射導体10A,10Bの法線方向である積層方向(z方向)から見た平面視で、放射導体10Aを取り囲む複数のグラウンド導体11A(柱状導体)と、放射導体10Bを取り囲む複数のグラウンド導体11B(柱状導体)を有している。グラウンド導体11A,11Bは、第1の誘電体層2を貫通するよう、z方向に延在する柱状の導体である。複数のグラウンド導体11Aは、所定のxy平面にてリング状のグラウンドリング12Aに接続され、複数のグラウンド導体11Bは、所定のxy平面にてリング状のグラウンドリング12Bに接続されている。複数のグラウンド導体11A,11Bに囲まれた空間には、後述する給電導体が設けられる。このように、グラウンド導体11Aは、放射導体10A、及び給電導体13V,13Hの周囲に配置される。グラウンド導体11Bは、放射導体10B、及び給電導体14V,14Hの周囲に配置される。複数のグラウンド導体11A,11Bのz方向における正側の端部は、第2の誘電体層3に覆われている。
【0016】
分配層DIVは、第1の誘電体層2と、第1の誘電体層2に埋め込まれた導体パターンによって構成される。フィルタ層FILは、第3の誘電体層4と、第3の誘電体層4に埋め込まれた導体パターンによって構成される。フィルタ層FIL及び分配層DIVの詳細については後述する。フィルタ層FILはマザーボードに対する実装面を構成する。実装面には、信号端子40V,40Hと、複数のグラウンド端子40Gが設けられている。信号端子40Vは垂直偏波のアンテナ信号を入出力するための端子であり、信号端子40Hは水平偏波のアンテナ信号を入出力するための端子である。グラウンド端子40Gにはグラウンド電位が与えられる。
【0017】
図3は、本実施形態によるアンテナ装置1の内部構造を説明するための模式図であり、マザーボード5に実装した状態を模式的に示している。
【0018】
図3に示すように、フィルタ層FILと分配層DIVの間には、グラウンド導体G1が設けられ、分配層DIVとアンテナ層ANTの間には、グラウンド導体G2が設けられている。グラウンド導体G1は第3の誘電体層4と第1の誘電体層2の界面に設けられている。グラウンド導体G2は、第1の誘電体層2に埋め込まれている。
【0019】
フィルタ層FILにはフィルタ回路パターン30Vが設けられている。フィルタ回路パターン30Vはバンドパスフィルタであり、信号端子40Vに接続される。フィルタ回路パターン30Vは、積層方向から見た平面視で複数のグラウンド導体31に取り囲まれている。グラウンド導体31(柱状導体)は、第3の誘電体層4を貫通するよう、z方向に延在する柱状の導体である。図3には示されていないが、フィルタ層FILには、信号端子40Hに接続された別のフィルタ回路パターンも含まれている。
【0020】
分配層DIVは、分配回路パターン20Vが設けられている。分配回路パターン20Vは、フィルタ回路パターン30Vから給電されるアンテナ信号を放射導体10A,10Bに分配する回路である。分配回路パターン20Vは、積層方向から見た平面視で複数のグラウンド導体21(柱状導体)に取り囲まれている。グラウンド導体21は、第1の誘電体層2を貫通するよう、z方向に延在する柱状の導体である。図3には示されていないが、分配層DIVには、別のフィルタ回路パターンに接続された別の分配回路パターンも含まれている。第1の誘電体層2は、後述の給電導体13V,13H及び給電導体14V,14Hと、第3の誘電体層4との間に分配回路パターン20Vを有する。
【0021】
図4は、アンテナ装置1から誘電体層2~4を削除した状態を示す略斜視図である。
【0022】
図4に示すように、複数のグラウンド導体11Aに囲まれた空間には、z方向から見て放射導体10Aと重なる給電導体13V,13H(第1の給電導体)が設けられている。給電導体13V,13Hは、放射導体10Aと結合する。第1の誘電体層2が、給電導体13V,13Hを有する。このうち、給電導体13Vはy方向を長手方向とする導体パターンであり、放射導体10Aに垂直偏波のアンテナ信号SVを供給する。一方、給電導体13Hはx方向を長手方向とする導体パターンであり、放射導体10Aに水平偏波のアンテナ信号SHを供給する。給電導体13V,13Hは、それぞれ導体パターンの一方の端部寄りの位置において、フィルタ回路パターン30V及び分配回路パターン20V(図3参照)を介してアンテナ信号が供給される。そのため、放射導体10Aに対する給電導体13Vの給電位置は、放射導体10Aに対する給電導体13Hの給電位置と90°異なっている。
【0023】
複数のグラウンド導体11Bに囲まれた空間には、z方向から見て放射導体10Bと重なる給電導体14V,14H(第2の給電導体)が設けられている。給電導体14V,14Hは、放射導体10Bと結合する。第1の誘電体層2が、給電導体14V,14Hを有する。このうち、給電導体14Vはy方向を長手方向とする導体パターンであり、放射導体10Bに垂直偏波のアンテナ信号SVを供給する。一方、給電導体14Hはx方向を長手方向とする導体パターンであり、放射導体10Bに水平偏波のアンテナ信号SHを供給する。給電導体14V,14Hは、それぞれ導体パターンの一方の端部寄りの位置において、フィルタ回路パターン30及び分配回路パターン20V(図3参照)を介してアンテナ信号が供給される。そのため、放射導体10Bに対する給電導体14Vの給電位置は、放射導体10Bに対する給電導体14Hの給電位置と90°異なっている。
【0024】
アンテナ層ANTの下方には、大面積のグラウンド導体G1~G3が設けられている。グラウンド導体G1~G3は、給電導体13V,13H及び給電導体14V,14Hよりもz軸方向の負側に配置される。グラウンド導体G1とグラウンド導体G2に挟まれた領域は分配層DIVである。グラウンド導体G1とグラウンド導体G2は、複数のグラウンド導体21によって接続されている。ここで、グラウンド導体G1,G2はいずれも、z方向から見た平面視で、複数のグラウンド導体11Aに囲まれた空間と重なる領域S1と、複数のグラウンド導体11Bに囲まれた空間と重なる領域S2と、領域S1と領域S2を接続する領域S3を有している。そして、領域S3のy方向における幅は、領域S1,S2のy方向における幅よりも狭い。これにより、グラウンド導体G1,G2を介した放射導体10A,10Bの相互干渉が低減することから、放射導体10Aと放射導体10Bの独立性が高められる。
【0025】
グラウンド導体G1とグラウンド導体G3に挟まれた領域はフィルタ層FILである。グラウンド導体G1とグラウンド導体G3は、複数のグラウンド導体31(柱状導体)によって接続されている。グラウンド導体G3のy方向における幅は一定であっても構わない。
【0026】
図5に示すように、アンテナモジュール100は、アンテナ装置1を複数有する。アンテナモジュール100は、基板101上に複数のアンテナ装置1を配列させることによって設けられる。図5に示す例では、アンテナ装置1は、y方向に8個、x方向に4個の配列で並んでいる。ただし、アンテナモジュール100のアンテナ装置1の数は特に限定されない。
【0027】
次に、図6を参照して、アンテナモジュール100にて配列されているアンテナ装置1の更に詳細な構成について、他のアンテナ装置1との位置関係とともに説明する。図6は、Y軸方向に互いに隣り合うように配列された二つのアンテナ装置1が示されている。図6(a)は、アンテナ装置1の配列をy方向の正側から見た側面図である。図6(b)は、アンテナ装置1の配列をz方向の正側から見た平面図である。図6(c)は、アンテナ装置1の配列をy方向の負側から見た側面図である。なお、本明細書では「上側」、「上面」などの方向性を示す表現が用いられるが、鉛直上方のみに限定されるものではない。同様に、「下側」などの方向性を示す表現が用いられるが、鉛直下方のみに限定されるものではない。
【0028】
図6(b)には、上述の放射導体10A,10Bが示されている。また、放射導体10A,10Bの周囲に配置されるグラウンド導体50A,50Bが示されている。グラウンド導体50Aは、放射導体10Aの周囲に配置される複数の柱状導体であるグラウンド導体11A,21,31と、グラウンドリング12Aと、グラウンド導体G1,G2と、を備える。グラウンド導体50Aは、放射導体10Aの周囲に配置される複数の柱状導体であるグラウンド導体11A,21,31と、グラウンドリング12Aと、を備える(図4参照)。グラウンド導体50Bは、放射導体10Bの周囲に配置される複数の柱状導体であるグラウンド導体11B,21,31と、グラウンドリング12Bと、グラウンド導体G1,G2と、を備える(図4参照)。なお、グラウンド導体11A,11B,21,31をまとめて柱状導体51と称する場合がある。
【0029】
グラウンド導体50A,50Bは、放射導体10A,10Bを四方から取り囲む辺部50a,50b,50c,50dを有する。辺部50aは、x方向の正側においてy方向に延びる。辺部50bは、x方向の負側においてy方向に延びる。辺部50cは、y方向の正側においてx方向に延びる。辺部50dは、y方向の負側においてx方向に延びる。各辺部50a,50b,50c,50dは、平面視において各辺部50a,50b,50c,50dが延びる方向に配列された複数の柱状導体51を有する。これにより、グラウンド導体50A,50Bは、放射導体10A,10Bの周囲に配置される複数の柱状導体51を有する。
【0030】
グラウンド導体50Aの複数の柱状導体51は、y方向(第1の方向)における誘電体層60の第1の端部61と放射導体10Aとの間に配置される複数の第1の柱状導体52を有する。本実施形態では、側面60e,60fが第1の端部61に該当する。辺部50c,50dが第1の柱状導体52を有する。グラウンド導体50Aの複数の柱状導体51は、y方向と直交するx方向(第2の方向)における誘電体層60の第2の端部62と放射導体10Aとの間に配置される複数の第2の柱状導体53と、を含む。本実施形態では、端面60dが第2の端部62に該当する。辺部50bが第2の柱状導体53を有する。
【0031】
グラウンド導体50Bの複数の柱状導体51は、y方向(第1の方向)における誘電体層60の第1の端部61と放射導体10Bとの間に配置される複数の第1の柱状導体52を有する。本実施形態では、側面60e,60fが第1の端部61に該当する。辺部50c,50dが第1の柱状導体52を有する。グラウンド導体50Bの複数の柱状導体51は、y方向と直交するx方向(第2の方向)における誘電体層60の第2の端部62と放射導体10Bとの間に配置される複数の第2の柱状導体53と、を含む。本実施形態では、端面60cが第2の端部62に該当する。辺部50aが第2の柱状導体53を有する。
【0032】
複数の第1の柱状導体52と誘電体層60の第1の端部61との間の距離を第1の距離L1とする。本実施形態では、グラウンド導体50A,50Bの辺部50cと側面60eとの間のy方向における距離、辺部50dと側面60fとの間のy方向における距離が、第1の距離L1に該当する。複数の第2の柱状導体53と誘電体層60の第2の端部62までの距離を第2の距離L2とする。本実施形態では、グラウンド導体50Aの辺部50bと端面60dとの間のx方向における距離が、第2の距離L2に該当する。また、グラウンド導体50Bの辺部50aと端面60cとの間のx方向における距離が、第2の距離L2に該当する。複数の第1の柱状導体52と誘電体層60の第1の端部61との第1の距離L1は、複数の第2の柱状導体53と誘電体層60の第2の端部62までの第2の距離L2より小さい。具体的に、第1の距離L1は、100~500μmに設定されてよい。第2の距離L2は、第1の距離L1の150%~300%の寸法に設定されてよい。
【0033】
放射導体10A,10Bの法線方向(z方向)から平面視した場合、複数の第1の柱状導体52の外側に周辺導体70が配置される。周辺導体70は、y方向における正側(一方側)の複数の第1の柱状導体52、及びy方向における負側(他方側)の複数の第1の柱状導体52のそれぞれの外側に配置される。具体的に、周辺導体70は、y方向における正側の辺部50cの複数の第1の柱状導体52よりも、y方向の正側における外側に配置される。周辺導体70は、y方向における負側の辺部50dの複数の第1の柱状導体52よりも、y方向の負側における外側に配置される。なお、周辺導体70は、複数の第2の柱状導体53の外側に配置されていてもよい。周辺導体70は、放射導体10Aの周囲に配置される複数の柱状導体51のうちx方向における負側の辺部50bの複数の第2の柱状導体53、及び放射導体10Bの周囲に配置される複数の柱状導体51のうちx方向における正側の辺部50aの複数の第2の柱状導体53のそれぞれの外側に配置されてもよい。
【0034】
周辺導体70は、第1の周辺導体70Aと、第2の周辺導体70Bと、を含む。第1の周辺導体70Aは、放射導体10Aの周囲に配置される複数の第1の柱状導体52の外側に位置する。第2の周辺導体70Bは、放射導体10Bの周囲に配置される複数の第1の柱状導体52の外側に位置する。第1の周辺導体70Aと第2の周辺導体70Bは、互いに離間している。第1の周辺導体70Aは、x方向において放射導体10Aに対応する位置に配置される。第2の周辺導体70Bは、x方向において第1の周辺導体70Aよりもx方向の正側へ離間した位置に配置される。第2の周辺導体70Bは、x方向において放射導体10Bに対応する位置に配置される。
【0035】
周辺導体70は、放射導体10A,10Bの法線方向(z方向)に沿って広がる誘電体層60の側面60e,60f上に配置される。y方向の正側の周辺導体70A,70Bは、誘電体層60の側面60e上に配置される(図6(a)参照)。y方向の負側の周辺導体70A,70Bは、誘電体層60の側面60f上に配置される(図6(c)参照)。
【0036】
図6(b)に示すように、周辺導体70A,70Bのx方向における両縁は、複数の第1の柱状導体52のx方向における両端に位置する柱状導体よりも内側に位置する。周辺導体70A,70Bのx方向の正側の縁は、グラウンド導体50A,50Bの辺部50c,50dのx方向における正側の端部(辺部50aの位置)よりもx方向の負側に位置する。周辺導体70A,70Bのx方向の負側の縁は、グラウンド導体50A,50Bの辺部50c,50dのx方向における負側の端部(辺部50bの位置)よりもx方向の正側に位置する。
【0037】
周辺導体70A,70Bのx方向における寸法は、放射導体10A,10Bのx方向における寸法より大きい。周辺導体70A,70Bのx方向における両縁は、放射導体10A,10Bのx方向における両端よりも外側に位置する。周辺導体70A,70Bのx方向の正側の縁は、放射導体10A,10Bのx方向における正側の端部よりもx方向の正側に位置する。周辺導体70A,70Bのx方向の負側の縁は、放射導体10A,10Bのx方向における負側の端部よりもx方向の負側に位置する。
【0038】
図6(a)(c)に示すように、周辺導体70A,70Bの放射導体10A、10Bの法線方向における下側(z方向の負側)の縁70aは、誘電体層60の法線方向における下側の底面60bと離間している。周辺導体70A,70Bのz方向の負側の縁は、誘電体層60の底面60bに対して、z方向の正側へ離間した位置に配置される。本実施形態では、周辺導体70A,70Bの放射導体10A,10Bの法線方向における下側(z方向の負側)の縁は、誘電体層60の側面60e,60f上において、分配層DIVと重なる。
【0039】
周辺導体70A,70Bの放射導体10A、10Bの法線方向における上側(z方向の正側)の縁は、誘電体層60の法線方向における上側の上面60aと離間している。周辺導体70A,70Bのz方向の正側の縁は、誘電体層60の上面60aに対して、z方向の負側へ離間した位置に配置される。本実施形態では、周辺導体70A,70Bの放射導体10A,10Bの法線方向における上側(z方向の正側)の縁は、誘電体層60の側面60e,60f上において、第2の誘電体層3のアンテナ層ANTと重なる。
【0040】
周辺導体70は、分配層DIVとアンテナ層ANTの間に設けられるグラウンド導体G2と接続されていない。すなわち、グラウンド導体G2は、側面60e,60fまで及んでおらず、周辺導体70A,70Bと電気的に接続されていない。また、周辺導体70は、グラウンド導体50A,50Bと接続されていない。
【0041】
図6(b)に示すように、複数のアンテナ装置1は、互いの周辺導体70同士が対向するように配置される。y方向の正側のアンテナ装置1は、y方向の負側の側面60fに周辺導体70A,70Bを有する。y方向の負側のアンテナ装置1は、y方向の正側の側面60eに周辺導体70A,70Bを有する。y方向の正側のアンテナ装置1の側面60fの周辺導体70A,70Bと、y方向の負側のアンテナ装置1の側面60eの周辺導体70A,70Bとは、y方向において互いに対向する。
【0042】
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1、及びアンテナモジュール100の作用・効果について説明する。
【0043】
本実施形態に係るアンテナ装置1は、誘電体層60と、誘電体層60に設けられる放射導体10A,10Bと、放射導体10A,10Bの法線方向から平面視した場合、放射導体10A,10Bの周囲に配置される複数の柱状導体51と、を備える。放射導体10A,10Bの法線方向から平面視した場合、複数の柱状導体51の外側に周辺導体70が配置される。このように、柱状導体51の外側に周辺導体70を配置することで、隣のアンテナ装置1との電磁的な結合を周辺導体70によって抑制することができる。以上より、アンテナ装置1の放射効率を向上できる。
【0044】
複数の柱状導体51は、y方向における誘電体層60の第1の端部61と放射導体10A,10Bとの間に配置される複数の第1の柱状導体52と、y方向と直交するx方向における誘電体層60の第2の端部62と放射導体10A,10Bとの間に配置される複数の第2の柱状導体53と、を含む。複数の第1の柱状導体52と誘電体層60の第1の端部61との第1の距離L1は、複数の第2の柱状導体53と誘電体層60の第2の端部62までの第2の距離L2より小さい。周辺導体70は、法線方向から平面視した場合、複数の第1の柱状導体52の外側に配置されてよい。
【0045】
複数の第1の柱状導体52と誘電体層60の第1の端部61との第1の距離L1は、複数の第2の柱状導体53と誘電体層60の第2の端部62までの第2の距離L2より小さい。そのため、第1の柱状導体52の方が、誘電体層60の端部との距離が近い。このような第1の柱状導体52の外側に周辺導体70を配置することで、隣のアンテナ装置1との電磁的な結合を周辺導体70によって抑制することができる。以上より、アンテナ装置1の放射効率を向上できる。
【0046】
ここで、図8を参照して比較例に係るアンテナ装置200について説明する。アンテナ装置200は、周辺導体70を有していない点で、図6に示すアンテナ装置1と相違する。当該アンテナ装置200をy方向に三つ配列したアンテナモジュールを作成し、24.25~27.5GHzの周波数で調整して「Pol V」に関する特性を電磁界シミュレーションにより求めた。シミュレーション結果を図9に示す。比較例に係るアンテナ装置200においては、隣のアンテナとの「coupling(結合)」が大きくなる。そのため25GHz付近での「radiation efficiency(放射効率)」の低下が起きていることが確認された。アンテナモジュールにおいては、アンテナ装置1同士の間の隙間にシールドを入れることがのぞまれるが、隙間が狭いために当該シールドを配置することが難しいという問題がある。
【0047】
これに対し、図6に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を図7に示す。図7に示すように、比較例の図9の結果に比して、「coupling(結合)」、「radiation efficiency(放射効率)」について良好な結果が得られている。また、図7(b)に示すように、比較例の図9の結果に比して、「return loss(リターンロス)」を低減することができた。これにより、周辺導体70を設けることで放射効率が向上することが確認された。
【0048】
周辺導体70は、y方向における一方側の複数の第1の柱状導体52、及びy方向における他方側の複数の第1の柱状導体52のそれぞれの外側に配置されてよい。この場合、周辺導体がy方向における一方側にのみ配置されるアンテナ装置1(図22参照)に比して、広帯域で放射効率を向上することができる。
【0049】
周辺導体70のx方向における両縁は、複数の第1の柱状導体52のx方向における両端に位置する柱状導体よりも内側に位置してよい。この場合、周辺導体70が必要以上に広くなることを抑制することで、アンテナ装置1の放射効率を向上することができる。
【0050】
周辺導体70は、放射導体10A,10Bの法線方向に沿って広がる誘電体層60の側面60e,60f上に配置されてよい。この場合、周辺導体70は、隣のアンテナ装置1との電磁的な結合を十分に抑制することで、放射効率を向上することができる。
【0051】
周辺導体70の放射導体10A,10Bの法線方向における下側の縁70aは、誘電体層60の法線方向における下側の底面60bと離間していてよい。この場合、周辺導体70が必要以上に広くなることを抑制することで、アンテナ装置1の放射効率を向上することができる。
【0052】
誘電体層60は、放射導体10A,10Bと結合する給電導体13V,13Hが配置されるアンテナ層ANTと、導体パターンで構成されるフィルタ層FILと、アンテナ層ANTとフィルタ層FILとの間に配置される分配層DIVと、を備え、周辺導体70の放射導体10A,10Bの法線方向における下側の縁70aは、放射導体10A,10Bの法線方向に沿って広がる誘電体層60の側面60e,60f上において、分配層DIVと重なってよい。
【0053】
アンテナ層ANTと分配層DIVの間にグラウンド導体G2を備え、周辺導体70は、グラウンド導体G2と接続されていなくてよい。この場合、周辺導体70がグラウンド導体G2と接続されることによる放射効率の低下を抑制することができる。
【0054】
放射導体10は、x方向に並置される放射導体10A(第1の放射導体)及び放射導体(第2の放射導体)を有し、周辺導体70は、放射導体10Aの周囲に配置される複数の第1の柱状導体52の外側に位置する第1の周辺導体70Aと、放射導体10Bの周囲に配置される複数の第1の柱状導体52の外側に位置する第2の周辺導体70Bと、を含み、第1の周辺導体70Aと第2の周辺導体70Bは、互いに離間していてよい。この場合、周辺導体70が必要以上に広くなることを抑制し、放射効率を向上できる。
【0055】
本実施形態に係るアンテナモジュール100は、上述のアンテナ装置1を複数有し、複数のアンテナ装置1は、互いの周辺導体70同士が対向するように配置されてよい。この場合、対向する周辺導体70同士が、隣り合うアンテナ装置1同士の電磁的な結合を抑制し、広帯域で放射効率を向上することができる。
【0056】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0057】
周辺導体70A,70Bの下側の縁70a及び上側の縁70bの位置は上述の実施形態に限定されない。例えば、図10に示すアンテナ装置1を採用してもよい。図10に示すアンテナ装置1では、周辺導体70が全体的に図6に示す周辺導体70より、下側に0.5mmずらして配置されている。下側の縁70aがフィルタ層FILと重なる位置に配置されている。また、上側の縁70bが第1の誘電体層2と重なる位置に配置されている。図11は、図10に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図11に示すように、比較例の図9の結果に比して、「radiation efficiency(放射効率)」について良好な結果が得られている。また、図11(b)に示すように、比較例の図9の結果に比して、「return loss(リターンロス)」を低減することができた。ただし、図7の方が周波数範囲は広いため、周辺導体70をアンテナ層ANTに極力近い位置に設けることで放射効率が向上することが確認された。
【0058】
図12に示すように、放射導体10A,10Bの法線方向から平面視した場合、複数の柱状導体51の外側であって、誘電体層60の法線方向における上側の上面60a上には、周辺導体70と連結される上面導体71が配置されてよい。周辺導体70の上側の縁70bは、誘電体層60の上面60aまで達している。そして、周辺導体70の上側の縁70bから誘電体層60の上面60aのy方向における内側へ向かって、上面導体71が延びている。図13は、図12に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図13に示すように、比較例の図9の結果に比して、「coupling(結合)」、「radiation efficiency(放射効率)」について良好な結果が得られている。図13(b)に示すように、比較例の図9の結果に比して、「return loss(リターンロス)」を低減することができた。
【0059】
図14に示すように、周辺導体70を誘電体層60のx方向における中央位置に一つ配置してもよい。図15は、図14に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図15に示すように、比較例の図9の結果に比して各特性について良好な結果が得られた。なお、図15の結果よりも、図6のアンテナ装置1の結果は、アンテナ装置1同士の結合が強くなることを抑制し、放射効率が向上することを確認できた。
【0060】
図16に示すアンテナ装置1を採用してもよい。図16に示すアンテナ装置1では、周辺導体70の下側の縁70aが誘電体層60の底面60bに達し、上側の縁70bが誘電体層60の上面60aに達している。図17は、図16に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図17に示すように、比較例の図9の結果に比して各特性について良好な結果が得られた。なお、図17の結果よりも、図6のアンテナ装置1の結果は、放射効率が向上することを確認できた。
【0061】
図18に示すアンテナ装置1を採用してもよい。図18に示すアンテナ装置1では、周辺導体70が、グラウンド導体G2と接続されている。ここでは、グラウンド導体G2が誘電体層60の端部まで延びることにより、周辺導体70と接続されている。図19は、図18に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図19では、「Pol V」及び「Pol H」のシミュレーション結果が示されている。図19に示すように、「Pol H」の放射効率が低下した。
【0062】
図20に示すアンテナ装置1を採用してもよい。図20に示すアンテナ装置1では、周辺導体70が誘電体層60の内部に配置されている。図21は、図20に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図21に示すように、比較例の図9の結果に比して各特性について良好な結果が得られた。なお、図21の結果よりも、図6のアンテナ装置1の結果は、放射効率が向上することを確認できた。
【0063】
図22に示すアンテナ装置1を採用してもよい。図22に示すアンテナ装置1では、周辺導体70がy方向における一方側にのみ配置されている。図23は、図22に示すアンテナ装置1を三つ配列したアンテナモジュールについてのシミュレーション結果を示す。図23に示すように、比較例の図9の結果に比して各特性について良好な結果が得られた。なお、図23の結果よりも、図6のアンテナ装置1の結果は、放射効率が向上することを確認できた。
【0064】
本開示に係る技術には、以下の構成例が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0065】
[形態1]
誘電体層と、
前記誘電体層に設けられる放射導体と、
前記放射導体の法線方向から平面視した場合、前記放射導体の周囲に配置される複数の柱状導体と、を備え、

前記法線方向から平面視した場合、前記複数の柱状導体の外側に周辺導体が配置される、アンテナ装置。
[形態2]
前記複数の柱状導体は、
第1の方向における前記誘電体層の第1の端部と前記放射導体との間に配置される複数の第1の柱状導体と、
前記第1の方向と直交する第2の方向における前記誘電体層の第2の端部と前記放射導体との間に配置される複数の第2の柱状導体と、を含み、
前記複数の第1の柱状導体と前記誘電体層の第1の端部との第1の距離は、前記複数の第2の柱状導体と前記誘電体層の第2の端部までの第2の距離より小さく、
前記周辺導体は、前記法線方向から平面視した場合、前記複数の第1の柱状導体の外側に配置される、形態1に記載のアンテナ装置。
[形態3]
前記周辺導体は、前記第1の方向における一方側の前記複数の第1の柱状導体、及び前記第1の方向における他方側の前記複数の第1の柱状導体のそれぞれの外側に配置される、形態2に記載のアンテナ装置。
[形態4]
前記周辺導体の前記第2の方向における両縁は、前記複数の第1の柱状導体の前記第2の方向における両端に位置する柱状導体よりも内側に位置する、形態2または3に記載のアンテナ装置。
[形態5]
前記周辺導体は、前記放射導体の法線方向に沿って広がる前記誘電体層の側面上に配置される、形態1~4の何れか一項に記載のアンテナ装置。
[形態6]
前記放射導体の法線方向から平面視した場合、前記複数の柱状導体の外側であって、前記誘電体層の前記法線方向における上側の上面上には、前記周辺導体と連結される上面導体が配置される、形態1~5の何れか一項に記載のアンテナ装置。
[形態7]
前記周辺導体の前記放射導体の前記法線方向における下側の縁は、前記誘電体層の前記法線方向における下側の底面と離間している、形態1~6の何れか一項に記載のアンテナ装置。
[形態8]
前記誘電体層は、
前記放射導体と結合する給電導体が配置されるアンテナ層と、
導体パターンで構成されるフィルタ層と、
前記アンテナ層と前記フィルタ層との間に配置される分配層と、を備え、
前記周辺導体の前記放射導体の前記法線方向における下側の縁は、前記放射導体の法線方向に沿って広がる前記誘電体層の側面上において、分配層と重なる、形態1~7の何れか一項に記載のアンテナ装置。
[形態9]
前記アンテナ層と前記分配層の間にグラウンド導体を備え、
前記周辺導体は、前記グラウンド導体と接続されていない、形態8に記載のアンテナ装置。
[形態10]
前記放射導体は、前記第2の方向に並置される第1及び第2の放射導体を有し、
前記周辺導体は、
前記第1の放射導体の周囲に配置される前記複数の第1の柱状導体の外側に位置する第1の周辺導体と、
前記第2の放射導体の周囲に配置される前記複数の第1の柱状導体の外側に位置する第2の周辺導体と、を含み、
前記第1の周辺導体と前記第2の周辺導体は、互いに離間している、形態2~4の何れか一項に記載のアンテナ装置。
[形態11]
形態1~10の何れか一項に記載のアンテナ装置を複数有し、
前記複数のアンテナ装置は、互いの前記周辺導体同士が対向するように配置される、アンテナモジュール。
【符号の説明】
【0066】
1…アンテナ装置、10…放射導体、10A…放射導体(第1の放射導体)、10B…放射導体(第2の放射導体)、13H,13V…給電導体、14H,14V…給電導体、51…柱状導体、52…第1の柱状導体、53…第2の柱状導体、60…誘電体層、70…周辺導体、70A…第1の周辺導体、70B…第2の周辺導体、71…上面導体、ANT…アンテナ層、DIV…分配層、FIL…フィルタ層、G2…グラウンド導体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23