(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145520
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】解析装置、およびこれを用いた対象物の解析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
G01N21/64 B
G01N21/64 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057908
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 裕一
(72)【発明者】
【氏名】郭 本帥
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043EA01
2G043EA02
2G043FA02
2G043FA03
2G043JA03
2G043KA02
2G043KA08
2G043KA09
2G043LA03
(57)【要約】
【課題】簡便な構成で容易にデータを取得し、対象物を詳細に解析することが可能な解析装置を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決する解析装置は、対象物を励起させるパルス光を出射するための光源部と、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光のデータを複数回、互いに異なるタイミングで取得するための光検出部と、前記光源部および前記光検出部に接続された、前記光源部が前記パルス光を出射するタイミングおよび/または前記光検出部が前記データを取得するタイミングを制御するためのディレイコントローラと、前記光検出部が取得した複数の前記データおよび各前記データに紐づいたデータ取得タイミングから、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光の経時変化データを算出するための解析部と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を励起させるパルス光を出射するための光源部と、
前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光のデータを複数回、互いに異なるタイミングで取得するための光検出部と、
前記光源部および前記光検出部に接続された、前記光源部が前記パルス光を出射するタイミングおよび/または前記光検出部が前記データを取得するタイミングを制御するためのディレイコントローラと、
前記光検出部が取得した複数の前記データおよび各前記データに紐づいたデータ取得タイミングから、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光の経時変化データを算出するための解析部と、
を含む、解析装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記ディレイコントローラからトリガー信号を受信し、前記パルス光を出射する、
請求項1に記載の解析装置。
【請求項3】
前記光検出部は、前記ディレイコントローラからトリガー信号を受信し、励起された前記対象物が発する光のデータを取得する、
請求項1に記載の解析装置。
【請求項4】
前記光源部が、発光波長の異なる光源を2つ以上有する、
請求項1に記載の解析装置。
【請求項5】
前記パルス光がレーザ光である、
請求項1に記載の解析装置。
【請求項6】
前記パルス光を前記対象物の特定の領域に選択的に照射するための走査機構をさらに有する、
請求項1に記載の解析装置。
【請求項7】
請求項1に記載の解析装置を用いた対象物の解析方法であり、
前記光源部から対象物にパルス光を照射し、前記対象物を励起させる工程と、
前記光検出部により、前記パルス光によって励起された前記対象物の光のデータを複数回、異なるタイミングで取得する工程と、
前記解析部によって、複数の前記データおよび各前記データに紐づいたデータ取得タイミングから、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光の経時変化データを算出する工程と、
を含む、
対象物の解析方法。
【請求項8】
前記対象物が、遅延蛍光を発する化合物を含む、
請求項7に記載の対象物の解析方法。
【請求項9】
前記対象物が、二種以上の化合物を含む、
請求項7に記載の対象物の解析方法。
【請求項10】
前記光源部が、発光波長の異なる光源を2つ以上有し、
前記光源ごとに、前記対象物を励起させる工程および前記対象物が発する光のデータを取得する工程を行う、
請求項7に記載の対象物の解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析装置およびこれを用いた対象物の解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物質に特定の波長の光を照射すると、照射した波長とは異なる波長の光が当該物質から出射することがある。物質から出射する光の一例として、蛍光が挙げられる。蛍光は、光の照射によって、安定したエネルギー状態(基底状態)にあった電子が、一時的に励起状態となり、その後、励起電子が基底状態に移る際に生じる光である。当該蛍光は、通常、数ナノ秒や数ピコ秒という短時間のみ生じる。
【0003】
ここで、各種物質が発する蛍光の寿命は、物質の種類や当該物質が置かれた環境、さらに遷移過程に依存して変化する。有機材料、太陽電池、光触媒、生化学等の物性研究分野では、対象物の状態を評価する手法として、蛍光寿命観察が行われている。例えば、対象物や、対象物を標識する蛍光物質に励起光を照射し、このときの蛍光の寿命(いわゆる蛍光寿命)を計測する。そして、当該蛍光寿命に基づき、対象物がどのような状態にあるかを判定する。なお、蛍光寿命とは、蛍光ピーク波長における蛍光強度が、その最大値に対して1/eとなる時間である。
【0004】
しかしながら、対象物が自家発光する場合等、対象物から複数種類の光が出射する場合には、その蛍光観察が難しい。そこで、寿命の短い自家発光の消光後に撮像を開始する手法、すなわち対象物が、長寿命の蛍光を発している間のみ、選択的に撮像する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
一方、蛍光を利用した解析手法として、対象物を特定の励起光によって励起させ、励起光より長波長側の蛍光だけでなく、短波長側の蛍光も検出し、対象物の解析を行う方法も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-226848号公報
【特許文献2】特開2013-200209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、対象物の自家発光等、短寿命の光が消光するタイミングをあらかじめ把握しておく必要がある。したがって、短寿命の光が消光するタイミングが未知の対象物に対しては適用できない。さらに、対象物が、蛍光寿命の近い複数種類の光を含む場合等には、適用が困難である。また、特許文献2の方法では、対象物が発する蛍光を波長分離するための複数のフィルタや、未知の対象物に適切なフィルタ等が必要であり、装置が複雑化しやすく、さらに汎用化が困難であった。
【0008】
本発明は、上記の課題に対して、簡便な構成でデータを取得し、対象物を詳細に解析することが可能な解析装置、およびこれを用いた解析方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、対象物を励起させるパルス光を出射するための光源部と、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光のデータを複数回、互いに異なるタイミングで取得するための光検出部と、前記光源部および前記光検出部に接続された、前記光源部が前記パルス光を出射するタイミングおよび/または前記光検出部が前記データを取得するタイミングを制御するためのディレイコントローラと、前記光検出部が取得した複数の前記データおよび各前記データに紐づいたデータ取得タイミングから、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光の経時変化データを算出するための解析部と、を含む、解析装置を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態は、上記の解析装置を用いた対象物の解析方法であり、前記光源部から対象物にパルス光を照射し、前記対象物を励起させる工程と、前記光検出部により、前記パルス光によって励起された前記対象物の光のデータを複数回、異なるタイミングで取得する工程と、前記解析部によって、複数の前記データおよび各前記データに紐づいたデータ取得タイミングから、前記パルス光によって励起された前記対象物が発する光の経時変化データを算出する工程と、を含む、対象物の解析方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、簡便な構成で、対象物を詳細に解析することが可能な解析装置および解析方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る解析装置の構成の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、変形例に係る解析装置の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る対象物の解析方法の一例を示すフローを示す図である。
【
図5】
図5は、対象物中の発光材料1および発光材料2に励起光を個別に照射したときの発光強度の経時変化と、一実施形態に係る解析方法の励起光照射タイミングと、データ取得タイミングと、の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について、実施形態に基づき、詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施形態に限定されない。
【0014】
上述のように、従来、対象物の状態を評価したり分析したりする際、対象物が発する蛍光の強度や波長を解析する手法が行われている。ただし、対象物が複数種類の光を発する場合等には、十分な解析が難しかった。そこで例えば、寿命が長い蛍光のみを観察して解析する手法が提案されている。しかしながら、当該手法は、蛍光寿命が近い光を複数種類含む対象物に対して適用できなかった。さらに、対象物が発する各光の寿命が既知でない場合には、測定タイミングの決定が難しく、工程が煩雑になりやすかった。
【0015】
これに対し、本実施形態の解析装置や、これを用いた解析方法によれば、発する光の寿命が未知の対象物や、複数の光を発する対象物も解析可能である。本実施形態の解析装置や解析方法では、光検出部が取得した、励起された対象物が発する光に関する複数のデータおよびこれらのデータに紐づいたデータ取得タイミングから、励起された対象物が発する光の経時変化データを算出する。経時変化データとは、対象物の励起によって対象物が発する光の強度だけではなく、その時間的な変化も含むデータである。このような時間的な要素を加えて解析を行うと、励起によって対象物が複数の光を発したり、これらの光の寿命が近かったりしても、これらを適切に判別し、解析できる。また、当該装置や方法では、励起によって対象物が発する光の寿命が未知あってもよい。したがって、簡便な構成の解析装置にて、容易な方法で、多種多様な対象物の解析を行うことができる。なお、本実施形態の解析装置や解析方法では、適切なタイミングで対象物にパルス光を出射したり、適切なタイミングで、励起された対象物が発する光のデータを取得したりするため、ディレイコントローラを使用する。
【0016】
ここで、本実施形態の解析装置や解析方法で解析可能な対象物は特に制限されないが、後述の解析装置の光源部が出射するパルス光(以下、「励起光」とも称する)によって励起されて、光を発することが可能な化合物(以下、「発光物質」とも称する)を少なくとも一種含むことが好ましい。対象物が励起されて発する光の例には、蛍光やりん光等が含まれ、その中でも遅延蛍光またはりん光がその寿命が長く、解析装置によるデータ取得を行いやすい点で特に好ましい。
【0017】
対象物は、一種の化合物で構成されていてもよく、二種以上の化合物で構成されていてもよい。また、無機物および有機物のいずれであってもよく、これらの混合物や複合物等であってもよい。さらに、対象物は、全て既知の化合物で構成されていてもよく、一部または全てが未知の化合物で構成されていてもよい。
【0018】
また、対象物が複数の化合物で構成される場合、対象物を構成する全ての化合物が上記発光物質であってもよいが、対象物の一部に、励起光によって励起されない化合物(以下、「非発光物質」とも称する)を含んでいてもよい。対象物の一部が非発光物質であったとしても、発光物質および非発光物質が共に対象物内に存在すると、これらが相互作用し、励起光を照射したときに発光物質が出射する光の経時的な挙動が変化する。上述のように、本実施形態の解析装置や解析方法では、単に発光物質の発光状態を解析するのではなく、これを時間軸に沿って多次元的に解析する。したがって、従来の解析では捉えきれなかった非発光物質の存在やその解析等も可能である。一方、対象物がいずれも発光物質である場合、パルス光によって励起され、発する光の寿命どうしの差が、パルス光のパルス幅より長いことが好ましい。このような差があると、解析しやすくなる。
【0019】
なお、解析を行う対象(被解析対象)の大部分が、非発光物質である場合や、その発光が微弱である場合等には、当該被解析対象に公知の発光物質を添加し、これを対象物としてもよい。発光物質を添加することで、被解析対象について、解析を行いやすくなる。被解析対象に添加する発光物質は、蛍光やりん光を発する無機材料であってもよく、蛍光やりん光を発する有機化合物や有機金属錯体等であってもよい。また特に、その発光寿命が長いことから、熱活性化遅延蛍光色素またはりん光色素が好ましい。
【0020】
本実施形態で使用可能な熱活性化遅延蛍光色素について、以下説明する。一般的に、光励起により生じた一重項励起状態の色素の一部は内部項間交差によってより安定な三重項励起状態に変換される。通常の蛍光色素において三重項励起状態は無輻射過程で緩和するのに対し、熱により逆項間交差が充分起こる程度に一重項励起状態と三重項励起状態とのエネルギー差が小さい場合、逆項間交差により再び生じた一重項励起状態から遅延蛍光を呈する。本明細書では、当該蛍光を熱活性化遅延蛍光と呼び、当該熱活性化遅延蛍光を発する色素を熱活性化遅延蛍光色素と称する。当該熱活性化遅延蛍光色素は、通常の蛍光色素と比較して長い発光寿命を持つ。熱活性化遅延蛍光色素の例には、下記化学式で表される化合物が含まれる。
【0021】
【0022】
また、本実施形態で使用可能なりん光色素について、以下説明する。物質を励起したときに三重項励起状態から一重項基底状態への遷移の際に生じる発光をりん光と呼ぶ。通常の蛍光が許容遷移に由来し速やかに生じるのと比べ、りん光はスピン禁制遷移に由来するため発光寿命が長い。多くの色素においてスピン禁制の三重項励起状態から一重項基底状態への遷移は無輻射で失活し、室温条件下ではりん光は観測されないが、重元素の錯体はスピン-軌道相互作用により禁制が緩和され、室温下でりん光を呈する。このようなりん光を呈する材料を、本明細書では、りん光色素と称する。りん光色素の具体例には、以下の化学式で表される化合物が含まれる。
【化2】
【0023】
上記被解析対象に発光物質を添加する場合、その量は、被解析対象の種類等に応じて適宜選択される。
【0024】
以下、当該実施形態に係る解析装置について説明し、その後、当該解析装置を用いた対象物の解析方法を説明する。
【0025】
(1)解析装置
本実施形態の解析装置の構成を示す概略図を
図1に示す。本実施形態の解析装置100は、対象物110に対して所定の励起光(パルス光)210を照射するための光源部21と、励起光210によって励起された対象物110が発する光のデータを複数回、互いに異なるタイミングで取得するための光検出部22と、上記光源部21および光検出部22にそれぞれ接続され、光源部21が励起光210を発するタイミングおよび/または光検出部22がデータを取得するタイミングを制御するためのディレイコントローラ25と、光検出部22が取得した複数のデータおよび各データに紐づいたデータ取得タイミングから、励起された対象物110が発する光の経時変化データを算出するための解析部23と、を少なくとも含む。
【0026】
当該解析装置100は、上記以外の構成をさらに有していてもよい。例えば光源部21が出射する励起光210を対象物110の所望の位置に照射したり、対象物110が発した光212を光検出部22側に導いたりするためのガルバノミラーやポリゴンミラー等を含む光学ユニット(走査機構)27や、対象物110を載置するための可動ステージ28、光源部21から出射した励起光210を対象物110に集光させたり、対象物110が発する光212を集光するための対物レンズ29をさらに有してもよい。また、本実施形態の解析装置100では、解析部23が、光源部21の駆動や、光検出部22の駆動を制御する制御部としての役割も担っているが、解析装置100は、解析部23の他に、光源部21や光検出部22を駆動するための制御部を別途有していてもよい。以下、各構成について説明する。
【0027】
(光源部)
光源部21は、所定のタイミングで、所定の時間、対象物110に対して励起光(パルス光)210を出射可能な構成であればよい。光源部21は、少なくとも1つの光源を有していればよく、複数の光源を有していてもよい。光源部21が複数の光源を有する場合、これらの発光波長は同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。光源部21が、発光波長の異なる複数の光源を含む場合、これらを個別に、もしくはこれらを組み合わせて使用でき、対象物110に複数種類の励起光を照射することが可能になる。そして、複数種類の励起光によって励起光を照射したときの対象物110の光に関するデータをそれぞれ取得し、解析することで、さらに多角的に対象物110を解析することが可能になる。
【0028】
光源部21(光源)が出射する励起光(パルス光)210は、レーザ光が好ましい。またその波長は、対象物110の種類や対象物質中の発光物質の種類等に応じて適宜選択されるが、通常波長200nm~1700nmから選択され、波長300~800nmがより好ましい。光源部21(光源)が発する励起光210の波長が当該範囲であると、光源部21に特殊な構成が必要なく、さらに対象物110に対して影響を及ぼし難い。また、光源部21(光源)が出射する励起光210は、数nm~数十nm程度の比較的狭い波長範囲の光であってもよく、数百nmに亘る広い波長範囲の光であってもよい。
【0029】
ここで、光源部21(光源)は、短時間のみ励起光(パルス光)210を照射可能な構成であることが好ましい。対象物110を励起させてからも、光源部21が励起光210を出射し続けると、対象物110(発光物質)が発する光212が、どの時点で励起されたかが判然とせず、対象物110が発する蛍光の寿命を特定することが難しくなる。そこで、光源部21は、数ナノ秒~数十ナノ秒程度の範囲で励起光210を照射可能であることが好ましい。このようなパルス光を発することが可能な光源の例には、ピコ秒ダイオードレーザ、波長可変レーザ、スーパーコンティニュアム光源、LED光源等が含まれる。
【0030】
図2に、本実施形態の解析装置100の構成図を示す。
図2に示すように、上記光源部21は、後述のディレイコントローラ25を介して光検出部22や解析部23と接続されている。当該光源部21は、ディレイコントローラ25からのトリガー信号を受信し、励起光210を所定のタイミングで出射するように構成されている。ただし光源部21は、
図3の構成図(変形例)に示すように、解析部(制御部)23と直接接続されていてもよい。この場合、光源部21は、解析部23からの信号を受信して、励起光210を所定のタイミングで出射するように構成される。
【0031】
(光検出部)
光検出部22は、複数回、互いに異なるタイミングで、上記励起光(パルス光)210によって励起された対象物110が発する光のデータを取得可能であり、かつ当該データの取得タイミングを各データに紐づけて後述の解析部23に出力可能な手段であれば特に制限されない。
【0032】
光検出部22が取得するデータは、例えば蛍光強度等であってもよく、さらに対象物110の画像等であってもよい。光検出部22の種類は、取得するデータに合わせて適宜選択され、例えば画対象物110の画像を取得するための撮像機構や、光強度測定機構等であってもよい。
【0033】
光検出部22が撮像機構である場合、撮像機構は、対象物110の発光を所望の解像度で、かつ連続して撮像可能な構成であればよい。光検出部22は、例えば、電気的なシャッター機能を有するイメージインテンシファイアと、当該イメージインテンシファイアを通過した光を集光するためのレンズと、当該レンズの集光位置に配置されるCCDやCMOS等の撮像素子を備えたカメラとすることができる。当該撮像機構は、取得したデータや撮像タイミングを記憶するための記憶部や、上記イメージインテンシファイアの動作等を制御するための撮像制御部等をさらに有していてもよい。
【0034】
光検出部22は、さらに熱雑音を低減するための冷却機構を有していてもよい。これにより、微弱な光(例えば蛍光)を検出しやすくなる。
【0035】
本実施形態では、
図2の構成図に示すように、光検出部22が解析部(制御部)23と直接接続されており、当該解析部23からの信号を受けて、所定のタイミングでデータの取得を行うように構成されている。ただし、
図3の構成図(変形例)に示すように、解析部23からの開始信号が、光源部21に発信される場合には、光源部21およびディレイコントローラ25からのトリガー信号を受信して、光検出部22がデータ取得を行うように構成されていてもよい。
【0036】
(ディレイコントローラ)
ディレイコントローラ25は、上述の光源部21および上述の光検出部22に接続され、光源部21が励起光を発するタイミングおよび/または光検出部22がデータを取得するタイミングをそれぞれ制御するための構成である。本実施形態では、
図2の構成図に示すように、光検出部22から当該ディレイコントローラ5に向けてトリガー信号が発信され、これを受けてディレイコントローラ5は光源部21に向けてトリガー信号を発信する。ただし、
図3の構成図(変形例)に示すように、解析部23からの信号が光源部21に発信される場合には、当該ディレイコントローラ5は光源部21からのトリガー信号を受けて、光検出部22に対してトリガー信号を発信する。
【0037】
このようなディレイコントローラ25は、信号(例えばトリガー信号)を受け付けたのち、所定のタイミングで、外部機器に対してトリガー信号を発信可能な構成であればよく、公知のディレイコントローラを使用可能である。
【0038】
(解析部)
解析部23は、上述の光検出部22が取得した複数のデータ、および各データに紐づいた取得タイミングを光検出部22から受信し、励起された対象物が発する光(本実施形態では、対象物110が発する蛍光強度)の経時変化データを算出するための構成である。本実施形態では、光検出部22が取得したデータから蛍光強度を数値化するととともに、蛍光強度の単位時間当たりの変化量を算出したりする。
【0039】
また、本実施形態の解析部23は、使用者からの入力を受け付けて、光源部21や光検出部22、ディレイコントローラ25等を直接または間接的に駆動する制御部としての役割も果たす
【0040】
なお、解析部23ではさらに、別途取得した参照データを読み出し、当該参照データと、経時変化データとを比較して、対象物110の種類や状態、成分等を解析してもよい。さらに、解析部23は、学習済モデルを外部の記憶装置や、内部に備えた記憶手段から読み出し、当該学習済モデルと上述の経時変化データとを比較演算し、対象物110を解析してもよい。
【0041】
このような解析部23としては、プログラムやデータ等を記憶するハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、リードオンリーメモリ(ROM)等の記憶手段、プログラムの実行や計算処理等を行う中央処理装置(CPU)を備えた一般的なコンピュータ(汎用コンピュータ)を用いることができる。当該コンピュータは、キーボードやマウス等の入力手段、モニタやプリンタ等の出力手段をさらに有していてもよい。
【0042】
(その他の構成)
本実施形態の解析装置100は、上述のように、光源部21が出射する励起光210を対象物110の特定の位置に選択的に照射したり、励起によって対象物110が発する光を光検出部22側に導くための光学ユニット27を有してもよい。当該光学ユニット27は、光源部21から出射する不要な波長の光をカットするための励起光フィルタ222、光源部21からの光を対象物110側に導く一方で、対象物が発する光は透過させるダイクロイックミラー(図示せず)や、ダイクロイックミラーを透過した光のうち、不要な波長の光をカットする蛍光フィルタ(図示せず)等をさらに備えていてもよい。さらに、励起光110の照射位置を調整するためのガルバノミラーやポリゴンミラー(図示せず)等を備えていてもよい。なお、光学ユニット27は、図示しないが、位置合わせのための光源や、光路切替素子等をさらに有していてもよい。また、レーザスポット拡張のためのビームエキスパンダ、スペックル低減のための拡散板を有していてもよい。さらに、本目的以外の観察も同装置内で行えるよう、一般的な蛍光、偏光、または微分干渉関連素子、それら用途に合わせた光源等を別途備えていても良い。
【0043】
また、解析装置100は、対象物110を保持するための可動ステージ28を有していてもよい。当該可動ステージ28は、光検出部22の焦点を対象物110に合わせたりするための部材であり、自在に移動可能に構成されている。
【0044】
さらに、解析装置100は、光源部21から出射した光を対象物110に集光させたり、対象物110が発する光を集光したりするための対物レンズ29を有していてもよい。当該対物レンズ29は、公知の対物レンズと同様であり、その倍率は適宜選択される。
【0045】
(2)解析装置を用いた対象物の解析方法
上述の実施形態の解析装置を用いた対象物の解析方法について以下説明する。本実施形態の対象物の解析方法のフローを
図4に示す。
【0046】
本実施形態の解析方法は、上述の光源部21から対象物110に励起光(パルス光)210を照射し、対象物110を励起させる工程(S11、以下、「励起光照射工程」とも称する)と、上記光検出部22により、励起光照射工程S11で励起された対象物110が発する光のデータを複数回、異なるタイミングで取得する工程(S12、以下、「データ取得工程」とも称する)と、解析部23により、上述のデータ取得工程S12で取得した複数のデータ、および各データに紐づいたデータ取得タイミングから、励起された対象物110が発する光の経時変化データを算出する工程(S13、以下、「解析工程」とも称する)と、を含む。なお、本実施形態の解析装置100を用いた対象物の解析方法は、必要に応じてこれら以外の工程をさらに有していてもよい。以下、各工程について説明する。
【0047】
また、以下の説明では、対象物110が、発光寿命が異なる、発光材料1および発光材料2を含む場合を例に説明するが、当該態様に限定されない。また
図5に、発光材料1および発光材料2に個別に励起光を照射したときの発光強度の経時変化と、励起光照射工程S11における励起光照射タイミングEと、データ取得工程S12における3回のデータ取得タイミングA、B、Cとの関係、を示し、これに基づき説明を行う。ただし、励起光照射タイミングや、データ取得タイミング、データ取得回数は、これらに限定されない。
【0048】
(励起光照射工程)
励起光照射工程S11では、光源部21から対象物110に励起光210を照射し、対象物110を励起させる。具体的には、
図2に示すように、使用者の入力等によって解析部23が光検出部22に、信号が送信されてからta
1秒経過後にデータ取得を開始するよう信号を発信する。
図5では、解析部23が信号を発信したタイミングを0秒とする。解析部23から信号を受けた光検出部22は、ディレイコントローラ25にトリガー信号を発信する。当該ディレイコントローラ25は、解析部23から信号が発信されてからT
1秒経過後に励起光210を照射するよう、光源部21に向けてトリガー信号を発信する。なお、励起光照射工程S11における励起光照射開始T
1から、データ取得工程S12における初回のデータ取得開始t
a1までの間隔(t
a1-T
1)は、数ナノ秒~数十ナノ秒程度に設定することが好ましい。
【0049】
トリガー信号を受けた光源部21は、対象物110に対して、所定のタイミングT1で、一定時間励起光210を照射する。励起光210の照射時間(T2-T1)は、上述の照射工程S11における励起光照射開始T1から、データ取得工程S12における初回のデータ取得開始ta1までの間隔(ta1-T1)より短いほうが好ましい。励起光210の照射時間が当該範囲であると、解析工程において、励起光210を考慮しなくてもよくなり、解析がより簡便になりやすい。
【0050】
なお、上記説明では、解析部23が光検出部22に、信号が送信されてからta1秒経過後にデータ取得を開始するよう信号を発信するように信号を発信したが、例えば解析部23が光検出部22に、直ちにデータの取得を開始するように、信号を発信してもよい。この場合、初回のデータは、対象物110が励起していない状態のデータとなるが、光検出部22がデータの取得を繰り返すことで、上述のように、励起された対象物の光のデータを取得することが可能になる。
【0051】
(データ取得工程)
データ取得工程S12では、光検出部22により、励起光照射工程S11で励起された対象物110が発する光のデータを複数回、異なるタイミング(
図5では、A、B、C)で取得する。以下、撮像によってデータ取得を行う場合を例に説明するが、これに限定されない。撮像によってデータの取得を行う場合、光検出部22がt
a1からt
a2まで第1のデータを取得する。続いて、光検出部22がt
b1からt
b2まで第2のデータを取得する。さらに、光検出部22がt
c1からt
c2まで第3のデータを取得する。なお、第2のデータおよび第3のデータは、解析部(制御部)23からのさらなる信号受信によって取得してもよいが、解析部(制御部)23からの初回の信号に基づき、光検出部22が自動で取得してよい。
【0052】
ここで、データ取得工程S12におけるデータ取得回数は、2回以上であればよい(本実施形態では3回である)。データ取得工程S12におけるデータ取得回数が多いほど、対象物110をより詳細に分析しやすくなる。
【0053】
光検出部22による一回の撮像時間(ta2-ta1、tb2-tb1、およびtc2-tc1)はそれぞれが発光寿命とディレイコントローラの時間分解能に合わせて、100ナノ秒以下が好ましい。例えば光源部のパルスタイミングを10ナノ秒とし、1回の撮像時間を50ナノ秒~100ナノ秒とした場合に、判別可能なデータが増え好ましい。さらに、一般的な自家蛍光は10ナノ秒程度であるため、これより短い時間にすると、蛍光と燐光との区別がつきやすい。また、光検出部22が、このような間隔で撮像(データ取得)を行うことが可能であると、対象物110が発光している間に、多数の撮像(データ取得)を行うことが可能となり好ましい。また、複数の撮像(データ取得)の間隔は均一であってもよく、異なっていてもよい。
【0054】
さらに本実施形態における撮像(データ取得)タイミング(A、B、C)は、
図5に示すように、発光材料1および発光材料2がそれぞれ発光している状態であってもよく、発光寿命の短い発光材料1の発光終了を待たなくてもよい。
【0055】
(解析工程)
解析工程S13では、データ取得工程S12で取得したデータおよびこれに紐づいたデータ取得タイミングを、解析部23が光検出部22から受信し、励起された対象物110が発する光の経時変化データを算出する。具体的には、光検出部22が取得した第1のデータ、第2のデータ、および第3のデータから、それぞれ対象物110が発する蛍光強度を特定する。そして当該値に、各データに紐づいたデータ取得タイミングを組み合わせ、2次元の値とする。この2次元の値から、当該蛍光強度の単位時間当たりの変化量を算出し、これを経時変化データとする。
【0056】
なお、解析部23ではさらに、別途取得した参照データを読み出し、当該参照データと、経時変化データとを比較して、対象物110の種類や状態、成分等を解析してもよい。さらに、解析部23は、学習済モデルを外部の記憶装置や、内部に備えた記憶手段から読み出し、当該学習済モデルと上述の経時変化データとを比較演算し、対象物110を解析してもよい。
【0057】
当該解析は、予め対象物の標準状態であるときのデータや、対象物が所定の状態となったときのデータを取得しておき、これらのデータと上述の経時変化データとを照らし合わせて対象物の解析を行ってもよい。
【0058】
また、予め機械学習で生成した学習済モデル等に基づいて解析してもよい。学習済モデルに基づいて、解析を行う場合、上述の経時変化データを学習済モデルに当てはめることで、対象物がどのような状態にあるかや、対象物中の成分の解析等、蓄積されたデータ等から判定(予測)することができる。
【0059】
予め行う機械学習では、例えば励起光照射工程S11やデータ取得工程S12と同様の工程を複数回行う。そして、これに基づいて予測モデルを複数構築する。そして、複数の予測モデルの結果を組み合わせることで、対象物の状態に関する情報(例えば、構造等)を予測可能な学習済モデルを作成する。なお、別の測定によるデータに、上記経時変化データを組み合わせることで、学習済モデルの予測精度向上が予測される。
【0060】
上記予測モデルは、対象物の状態が予め判明している場合等には、複数のデータの特徴を説明変数とし、対象物の状態を目的変数とする機械学習をそれぞれ行うことで構築可能である。説明変数としては、上述のデータの特徴を表す数値、およびそれらから計算された数値を用いることができる。一方、目的変数は、解析の目的に応じて適宜選択可能であり、対象物の状態に限らず、対象物に関連する他の何らかの変数を用いてもよい
【0061】
機械学習は、教師あり学習であってもよいし、教師なし学習であってもよい。なお、教師あり学習とは、正解ラベルのついた学習データから「入力と出力との関係」を学習する学習方法をいう。教師なし学習とは、正解ラベルのない学習データから「データ群の構造」を学習する学習方法をいう。
【0062】
また、機械学習は、強化学習、深層学習または深層強化学習であってもよい。なお、強化学習とは、試行錯誤をすることで「最適な行動系列」を学習する学習方法をいう。深層学習とは、大量のデータから、データに含まれる特徴を段階的により深く(深層で)学習する学習方法をいう。深層強化学習とは、強化学習と深層学習を組み合わせた学習方法をいう。
【0063】
機械学習には、一般的な解析手法(アルゴリズム)を適用できる。機械学習には、例えば、線形回帰(重回帰分析、部分最小二乗(PLS)回帰、LASSO回帰、Ridge回帰、主成分回帰(PCR)など)、ランダムフォレスト、決定木、サポートベクターマシン(SVM)、サポートベクター回帰(SVR)、ニューラルネットワーク、判別分析等により選択される解析手法により構築された予測モデルを適用可能である。
【0064】
(その他)
上記では、励起光照射工程S11、データ取得工程S12、および解析工程S13を一回ずつ行う場合を例に説明したが、励起光照射工程S11およびデータ取得工程S12は、繰り返し行ってもよい。これらを繰り返し(例えばN回)行うと、積算回数Nに応じて、シグナル/ノイズ比(SN比)が改善する。これらを行う回数は、所望の信号雑音比や解析作業時間に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、データ取得回数(積算回数N)が100回であると、雑音が10倍低下する。光検出部22の雑音に合わせて、積算回数Nを適宜設定することが好ましい。なお、繰り返し励起光照射工程S11およびデータ取得工程S12を行う場合には、各回、ノイズを減らすという観点では、同じタイミングで励起光110の照射およびデータの取得を行う必要がある。一方、データ数を増やすという観点では、励起光110の照射から、データの取得までの変化を変化させて、励起光照射工程S11およびデータ取得工程S12を繰り返し行ってもよい。
【0065】
さらに、光源部21が発光波長の異なる複数の光源を有する場合には、光源ごとに、もしくは複数の光源を組み合わせて励起光照射工程S11およびデータ取得工程S12をそれぞれ行い、解析工程S13で、励起された対象物が発する光のデータおよびこれに紐づいたデータ取得タイミングから対象物が発する光の経時変化データを算出してもよい。これにより、さらに多角的な解析を行うことができる。
【0066】
また、
図3の構成図に示すように、解析装置100の解析部23が、使用者の入力等を受けて光源部21に発信する場合には、光源部21は、解析部23からの信号を受信して、励起光210の照射を行う。これと併せて、光源部21はディレイコントローラ25へのトリガー信号を発信する。トリガー信号を受信したディレイコントローラ25は、所定のタイミングでデータ取得を開始するように、光検出部22にトリガー信号を発信する。トリガー信号を受けた光検出部22は、所定のタイミングでデータの取得を行う。なお、光検出部22は、自動的に複数回のデータ取得を行ってもよいが、ディレイコントローラ25によって、複数回周期的に、データ取得のためのトリガー信号を発信してもよい。この場合、光検出部22もしくは解析部23によって、解析部23からの信号発信から光検出部22にトリガー信号が到達するまでの時間遅延量を、必要に応じて、補正してもよい。
【0067】
(解析装置および解析方法の用例)
・例1
りん光材料を含む細胞サンプルでは、細胞自体の自家蛍光がりん光材料の蛍光のノイズとしてシグナルノイズ比が低下することが懸念される。そこで、上述の解析装置を用いた解析方法を行うことで、自家蛍光を時間的に切り出した形でイメージングが可能である。また、一般にりん光の蛍光時間は周囲の酸素濃度により、低下することが知られている。そこで、上述の解析装置によって、りん光の時間変化により、細胞周囲の酸素濃度の変化を特徴量としたデータを取得することもできる。
【0068】
・例2
ハイパースペクトルカメラでは、波長スペクトル成分の変化を特徴量とすることが知られている。そこで、ハイパースペクトルカメラと上述の解析工程で得られた経時変化データとを重畳することで、波長スペクトルに加えて、時間変化の有無の次元(特徴量)をさらに付与することも可能である。
【0069】
またこのとき、時間変化の特徴量は、ディレイコントローラの分解能に応じて、時間変化の有無を更に分解した変動量とした定量値として表現することが可能である。また、励起波長を変えることで特徴量を増やすことが可能である。
【0070】
・例3
上述の解析装置や解析方法を有機材料毎の蛍光切り分けに利用してもよい。例えば、ピレンはエキシマ発光を持ち、波長475nm程度で発光することが知られている。一方、TXO-TPA(2-[4-(Diphenylamino)phenyl]-10,10-dioxide-9H-thioxanthen-9-one)も波長470~500nm程度で発光することが知られる。ただし、液体中では蛍光発光寿命(蛍光強度が1/eとなる時間)が前者は300ns程度であり、後者は20nsと一桁程度の差が見られる。そこで、上述の解析装置によれば、このような蛍光マーカーの時間を分離し、各蛍光の時間変化を取得することで、他の測定デバイスでは見られない蛍光変化の特徴量を取得することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の解析装置および解析方法によれば、複雑な工程を経ることなく、対象物を容易に解析することが可能である。当該解析方法および解析装置は、様々な分野において有用である。例えば、工業分野においては、材料の機能や品質の管理に使用することが可能である。また、材料の開発等においても、利用することが可能である。一方、医療の分野においては、生体に関する情報の取得等にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
21 光源部
22 光検出部
23 解析部
25 ディレイコントローラ
27 光学ユニット
28 可動ステージ
29 対物レンズ
110 対象物
210 励起光
212 光
222 励起光フィルタ